JP3952417B1 - スプレー缶用キャップ及びスプレー缶 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガス抜き作業を簡単に行うことができるキャップ付きスプレー缶を提供する。
【解決手段】
上下逆装着時にスプレー缶(101)と嵌合させるための嵌合構造(9)を、カシメ部収納凹部(19)内径を筒状カシメ部(105)外径よりも僅かに小さく形成することによって、環状凹部(107)に嵌め入れた環状嵌合部(21)を構成する各嵌合部構成片(33)が、カシメ部収納凹部に圧入された筒状カシメ部から押圧力を受けて放射方向に弾性変位して環状巻締部(109)内壁を押圧可能に構成してある。環状嵌合部を複数の嵌合部構成片に分割してあるので、各嵌合部構成片の変位自由度が高まり、この変位自由度がガス抜きの際にキャップをスプレー缶に確実に保持させ、ガス抜き作業を簡単なものにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば、パウダースプレーに代表される化粧剤、筋肉鎮静剤に代表される薬剤、蚊やハエ等を駆除するための殺虫剤、塗装するための塗料、窓ガラス等を洗浄するための洗剤、人が吸入するための液化酸素のような収容物を噴霧可能に収容してあるスプレー缶(エアゾール缶)に着脱可能なスプレー缶用キャップ及びスプレー缶に関し、特に、収容物を使い切った後にスプレー缶内に残る噴霧用ガスを抜き取るためのガス抜き構造を備えるスプレー缶用キャップ及びスプレー缶に関するものである。
これまで知られているスプレー缶用キャップには、次に示すものがある。すなわち、特許文献1が示すスプレー缶用キャップ(以下、「第1の従来キャップ」という)は、スプレー缶に対してキャップを上下逆装着可能とするための嵌合構造と、嵌合構造を用いて嵌合させたときにスプレー缶のステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を備えている(後述する特許文献2において同じ)。第1の従来キャップが備える嵌合構造は、スプレー缶の筒状カシメ部と環状巻締部との間の環状凹部に嵌め入れ可能な環状嵌合部を有している。環状嵌合部の外周には、放射方向に突き出す突部(蓋固定部)が形成されている。嵌合されたときの突部は環状巻締部内壁に係合可能に形成されていて、係合により環状嵌合部が環状凹部内に保持されるようになっている。
特開平9−193980号公報(段落0005、図3参照)
特許文献2が示すスプレー缶用キャップ(以下、「第2の従来キャップ」という)が有する嵌合構造は、ステム(噴霧ノズル)を収納可能な係合貫通孔の周りに起立する環状起立壁部を、その主要部材とする。環状起立壁部には、その開放端から基端に向けて延びる複数の切込みが形成され、これらの切込みが環状起立壁部を撓み変形可能とする。撓み変形可能となった環状起立壁部は、その先端から突き出る係合突部の係合作用によって筒状カシメ部外壁又は環状巻締部内壁に係合するように構成されている。
特開平11−118098号公報(段落0017、図1及び2参照)
上述した第1の従来キャップ及び第2の従来キャップは、いずれも環状嵌合部又は環状起立壁部の撓みによって環状巻締部内壁等に係合するものであるところ、その係合をより確実に行わせることができれば、ガス抜き作業をより簡単に行うことができる。係合程度が弱すぎると、嵌合は簡単であるが、一方で嵌合が外れやすい。つまり、キャップ自身の係合作用だけでは押し下げたステムの復帰力に打ち勝つことができないから、一方の手でスプレー缶を持ち、他方の手でキャップ脇を持ち押圧状態を保たなければならない。これでは、ガス抜きするときにスプレー缶を顔のそばに置いておかなければならず、たいへん不便である。この不便を解消してガス抜き作業を簡単にすることが、本発明が解決しようとする課題である。
上記課題を解決するために発明者は、鋭意開発を重ねた結果、次に述べる構造を備えるスプレー缶用キャップを完成させることができた。その詳しい内容については、項を改めて説明する。なお、何れかの請求項記載の発明を説明するに当たって行う解釈や用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項記載の発明にも適用されるものとする。
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項1のキャップ」という)は、ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してある。請求項1のキャップは、装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成した合成樹脂製のスプレー缶用キャップである。当該嵌合構造は、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してある。当該環状嵌合部は、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してあり、当該カシメ部収納凹部内径を筒状カシメ部外径よりも小さく形成してある。環状凹部に嵌め入れた各嵌合部構成片は、当該カシメ部収納凹部に圧入された筒状カシメ部から押圧力を受けて放射方向に弾性変位して環状巻締部内壁を押圧可能に構成してある。
請求項1のキャップは、通常使用時にスプレー缶のステムのある一方の端部(上端部)に着脱するものであって、装着時にステム及び筒状カシメ部を被覆するようになっている。キャップ着脱は、スプレー缶着脱構造の働きによって行われる。他方、嵌合構造は、逆さ状態でスプレー缶上端部に嵌合させたキャップ全体を、嵌合状態のまま保持する機能を有している。スプレー缶上端部に嵌合させるときの嵌合構造は、次のように作用する。すなわち、カシメ部収納凹部に筒状カシメ部が圧入されると、環状内壁部、すなわち、各嵌合部構成片が放射方向に力を受ける。力を受けると、各嵌合部構成片において次の作用が生じる。すなわち、各嵌合部構成片を構成する分割スリットにより分割された環状内壁部の各分割片(内壁部構成片)は、その基端を軸として放射方向に傾き、この傾きが同じく円形天板部の環状部位の分割スリットにより分割された各分割片(環状部位構成片)を放射方向に移動させ、さらに、この移動が同じく環状中壁部の分割スリットにより分割された各分割片(中壁部構成片)をその基端を軸として放射方向に傾かせる。分割スリットにより分割された嵌合部構成片各々は、隣接する嵌合部構成片の影響を受けず独立しているから放射方向変位の自由度が高い。このため、筒状カシメ部や環状巻締部等に寸法誤差があったとしても、その誤差を吸収することができる。放射方向に傾いた中壁部構成片は、環状巻締部の内壁を押圧しその反作用により中心方向の力を同内壁から受ける。つまり、各嵌合部構成片は、筒状カシメ部と環状巻締部の内壁の双方から力を受ける。嵌合部構成片各々が力によって挟み撃ちにされることによって、環状嵌合部全体がスプレー缶の環状凹部内に確実に保持される。確実に保持されるから、次に述べるガス抜き作業を簡単に行うことができる。環状嵌合部の嵌合が完了することによって、ガス抜き構造がスプレー缶のガス抜きを行う。収容物が残存していれば、同収容物もガスと共に抜かれる。押圧されたステムは、スプレー缶に内蔵されたバネの力によって復帰しようとするが、環状嵌合部は上記したように抜けが阻止されているため、人力で解除するまで押圧状態が継続される。
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項2のキャップ」という)には、ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲するとともに上端部が中心方向に突出する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してある。請求項2のキャップは、装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成してある合成樹脂製のスプレー缶用キャップである。当該嵌合構造が、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してあり、当該環状嵌合部が、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してある。ここで、当該カシメ部収納凹部内径を筒状カシメ部外径よりも小さく形成してあり、当該環状中壁部を分割することによって形成された各中壁部構成片には、嵌め込まれた環状巻締部の上端部方向に突き出る抜け止め突部を形成してあり、当該抜け止め突部各々が、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときに環状巻締部の上端部に当接して嵌合部構成片を中心方向に弾性変位させて通過を許容させ、環状巻締部の上端部を通過した後の弾性復帰によって環状巻締部上端部下端に係合可能に構成してある。
請求項2のキャップによれば、通常使用時にスプレー缶のステムのある一方の端部(上端部)に着脱するものであって、装着時にステム及び筒状カシメ部を被覆するようになっている。キャップ着脱は、スプレー缶着脱構造の働きによって行われる。他方、嵌合構造は、逆さ状態でスプレー缶上端部に嵌合させたキャップ全体を、嵌合状態のまま保持する機能を有している。スプレー缶上端部に嵌合させるときの嵌合構造は、次のように作用する。すなわち、カシメ部収納凹部に筒状カシメ部が挿入されても、筒状カシメ部外径よりも小さな内径を有する環状内壁部は、筒状カシメ部から押圧力を受ける。他方、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときの抜け止め突部各々は、環状巻締部の上端部に当接して嵌合部構成片を中心方向に弾性変位させて通過を許容させ、環状巻締部の上端部を通過した後の弾性復帰によって環状巻締部の上端部下端に係合して抜けを阻止する。環状嵌合部の嵌合が完了することによって、ガス抜き構造がスプレー缶のガス抜きを行う。収容物が残存していれば、同収容物もガスと共に抜かれる。押圧されたステムは、スプレー缶に内蔵されたバネの力によって復帰しようとするが、環状嵌合部は上記したように抜けが阻止されているため、人力で解除するまで押圧状態が継続される。
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項3のキャップ」という)には、請求項1のキャップの基本構成を備えさせた上で、前記嵌合部構成片各々が有する中壁部構成片を、キャップ内部から前記円形天板部に向かって、環状凹部に嵌め入れた際に環状巻締部内壁に近づく方向に傾斜させてある。
請求項3のキャップによれば、請求項1のキャップの作用効果に加え、傾斜させたことによって傾斜分だけ環状凹部内壁に対する押圧を補助又は促進することができる。この結果、環状嵌合部の抜け止め効果が補助又は促進される。
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項4のキャップ」という)は、ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲するとともに上端部が中心方向に突出する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してある。請求項4のキャップは、装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成した合成樹脂製のスプレー缶用キャップである。当該嵌合構造が、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してある。当該環状嵌合部が、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してある。当該環状内壁部内径は、筒状カシメ部外径よりも大きく形成してあり、当該環状中壁部を分割することによって形成された各中壁部構成片には、嵌め込まれた環状巻締部の上端部方向に突き出る抜け止め突部を形成してある。当該抜け止め突部各々が、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときに環状巻締部の上端部に当接して嵌合部構成片を中心方向に弾性変位させて通過を許容させ、環状巻締部の上端部を通過した後の弾性復帰によって環状巻締部の上端部下端に係合可能に構成してある。
請求項4のキャップは、通常使用時にスプレー缶のステムのある一方の端部(上端部)に着脱するものであって、装着時にステム及び筒状カシメ部を被覆するようになっている。キャップ着脱は、スプレー缶着脱構造の働きによって行われる。他方、嵌合構造は、逆さ状態でスプレー缶上端部に嵌合させたキャップ全体を、嵌合状態のまま保持する機能を有している。スプレー缶上端部に嵌合させるときの嵌合構造は、次のように作用する。すなわち、カシメ部収納凹部に筒状カシメ部が挿入されても、筒状カシメ部外径よりも大きな内径を有する、すなわち、筒状カシメ部との間に隙間を有する環状内壁部は、筒状カシメ部から押圧力を受けない。他方、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときの抜け止め突部各々は、環状巻締部の上端部に当接して嵌合部構成片を中心方向に弾性変位させて通過を許容させ、環状巻締部の上端部を通過した後の弾性復帰によって環状巻締部の上端部下端に係合する。抜け止め突部各々が環状巻締部の上端部に当接(上端部下端に係合)することにより、抜け止め突部各々を介して各嵌合部構成片が中心方向に力を受ける。力を受けると、各嵌合部構成片において次の作用が生じる。すなわち、各嵌合部構成片を構成する分割スリットにより分割された環状内壁部の各分割片(内壁部構成片)は、その基端を軸として中心方向に傾き、この傾きが同じく円形天板部の環状部位の分割スリットにより分割された各分割片(環状部位構成片)を中心方向に移動させ、さらに、この移動が同じく環状中壁部の分割スリットにより分割された各分割片(中壁部構成片)をその基端を軸として中心方向に傾かせる。分割スリットにより分割された嵌合部構成片各々は、隣接する嵌合部構成片の影響を受けず独立しているから中心方向変位の自由度が高い。さらに、環状内壁部と筒状カシメ部との間に存在する隙間が、筒状カシメ部や環状巻締部等に寸法誤差があったとしても、その誤差を吸収する。すなわち、多種類のスプレー缶に対する対応を可能とする。上記作用効果によって環状嵌合部全体がスプレー缶の環状凹部内に確実に保持される。確実に保持されるから、次に述べるガス抜き作業を簡単に行うことができる。環状嵌合部の嵌合が完了することによって、ガス抜き構造がスプレー缶のガス抜きを行う。収容物が残存していれば、同収容物もガスと共に抜かれる。押圧されたステムは、スプレー缶に内蔵されたバネの力によって復帰しようとするが、環状嵌合部は上記したように抜けが阻止されているため、人力で解除するまで押圧状態が継続される。
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項5のキャップ」という)は、ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲するとともに上端部が中心方向に突出する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してある。請求項5のキャップは、装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成してある合成樹脂製のスプレー缶用キャップである。当該嵌合構造が、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してある。当該環状嵌合部が、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してある。当該環状内壁部を分割することによって形成された各内壁構成片には、筒状カシメ部方向に突き出る突出部を形成してあり、当該環状中壁部を分割することによって形成された各中壁部構成片には、当該環状巻締部の上端部方向に突き出る抜け止め突部を形成してある。当該突出部各々が、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときに筒状カシメ部から押圧力を受けて嵌合部構成片を放射方向に弾性変位させることによって、当該抜け止め突部各々が当該環状巻締部の上端部下端に係合可能に構成してある。
請求項5のキャップは、通常使用時にスプレー缶のステムのある一方の端部(上端部)に着脱するものであって、装着時にステム及び筒状カシメ部を被覆するようになっている。キャップ着脱は、スプレー缶着脱構造の働きによって行われる。他方、嵌合構造は、逆さ状態でスプレー缶上端部に嵌合させたキャップ全体を、嵌合状態のまま保持する機能を有している。スプレー缶上端部に嵌合させるときの嵌合構造は、次のように作用する。すなわち、カシメ部収納凹部に筒状カシメ部が圧入されると、環状内壁部、すなわち、各嵌合部構成片が各突出部を介して放射方向に力を受ける。力を受けると、各嵌合部構成片において次の作用が生じる。すなわち、各嵌合部構成片を構成する分割スリットにより分割された環状内壁部の各分割片(内壁部構成片)は、その基端を軸として放射方向に傾き、この傾きが同じく円形天板部の環状部位の分割スリットにより分割された各分割片(環状部位構成片)を放射方向に移動させ、さらに、この移動が同じく環状中壁部の分割スリットにより分割された各分割片(中壁部構成片)をその基端を軸として放射方向に傾かせる。分割スリットにより分割された嵌合部構成片各々は、隣接する嵌合部構成片の影響を受けず独立しているから放射方向変位の自由度が高い。このため、筒状カシメ部や環状巻締部等に寸法誤差があったとしても、その誤差を吸収することができる。放射方向に傾いた中壁部構成片は、環状巻締部の内壁を押圧しその反作用により中心方向の力を同内壁から受ける。つまり、各嵌合部構成片は、筒状カシメ部と環状巻締部の内壁の双方から力を受ける。嵌合部構成片各々が力によって挟み撃ちにされることによって、環状嵌合部全体がスプレー缶の環状凹部内に確実に保持される。この保持は、抜け止め突部各々が環状巻締部の上端部下端に係合することによって、より確実なものとなる。すなわち、ステムの復帰力等によりキャップが反嵌合方向に作用したときに環状巻締部の上端部下端と抜け止め突部各々との係合が抜けを有効に阻止する。キャップが確実に保持されるから、次に述べるガス抜き作業を簡単に行うことができる。環状嵌合部の嵌合が完了することによって、ガス抜き構造がスプレー缶のガス抜きを行う。収容物が残存していれば、同収容物もガスと共に抜かれる。押圧されたステムは、スプレー缶に内蔵されたバネの力によって復帰しようとするが、環状嵌合部は上記したように抜けが阻止されているため、人力で解除するまで押圧状態が継続される。
(請求項6記載の発明の特徴)
請求項6記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項6のキャップ」という)は、ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲するとともに上端部が中心方向に突出する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してある。請求項6のキャップは、装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成してある合成樹脂製のスプレー缶用キャップである。当該嵌合構造が、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してある。当該環状嵌合部が、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してあり、当該環状内壁部を分割することによって形成された各内壁構成片には、筒状カシメ部方向に突き出る突出部を形成してある。当該環状中壁部を分割することによって形成された各中壁部構成片には、当該環状巻締部の上端部方向に突き出る抜け止め突部を形成してある。ここで、当該突出部各々が、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときに筒状カシメ部から押圧力を受けて嵌合部構成片を放射方向に弾性変位させるように、かつ、当該抜け止め突部が、嵌め入れるときに環状巻締部の上端部に当接して当該中壁部構成片を中心方向に弾性変形させ環状巻締部の上端部を乗り越えたところで元の位置に弾性復帰するように、構成することによって、当該抜け止め突部各々が環状巻締部の上端部下端に係合可能に構成してある。
請求項6のキャップは、通常使用時にスプレー缶のステムのある一方の端部(上端部)に着脱するものであって、装着時にステム及び筒状カシメ部を被覆するようになっている。キャップ着脱は、スプレー缶着脱構造の働きによって行われる。他方、嵌合構造は、逆さ状態でスプレー缶上端部に嵌合させたキャップ全体を、嵌合状態のまま保持する機能を有している。スプレー缶上端部に嵌合させるときの嵌合構造は、次のように作用する。すなわち、カシメ部収納凹部に筒状カシメ部が圧入されると、環状内壁部、すなわち、各嵌合部構成片が各突出部を介して放射方向に力を受ける。力を受けると、各嵌合部構成片において次の作用が生じる。すなわち、各嵌合部構成片を構成する分割スリットにより分割された環状内壁部の各分割片(内壁部構成片)は、その基端を軸として放射方向に傾き、この傾きが同じく円形天板部の環状部位の分割スリットにより分割された各分割片(環状部位構成片)を放射方向に移動させ、さらに、この移動が同じく環状中壁部の分割スリットにより分割された各分割片(中壁部構成片)をその基端を軸として放射方向に傾かせる。分割スリットにより分割された嵌合部構成片各々は、隣接する嵌合部構成片の影響を受けず独立しているから放射方向変位の自由度が高い。このため、筒状カシメ部や環状巻締部等に寸法誤差があったとしても、その誤差を吸収することができる。放射方向に傾いた中壁部構成片は、環状巻締部の内壁を押圧しその反作用により中心方向の力を同内壁から受ける。つまり、各嵌合部構成片は、筒状カシメ部と環状巻締部の内壁の双方から力を受ける。嵌合部構成片各々が力によって挟み撃ちにされることによって、環状嵌合部全体がスプレー缶の環状凹部内に確実に保持される。この保持は、抜け止め突部各々が環状巻締部の上端部下端に係合することによって、より確実なものとなる。ステムの復帰力等によりキャップが反嵌合方向に作用したときに環状巻締部の上端部下端と抜け止め突部各々との係合が抜けを有効に阻止する。抜け止め突部が、嵌め入れるときに環状巻締部の上端部に当接して当該中壁部構成片を中心方向に弾性変形させ環状巻締部の上端部を乗り越えたところで元の位置に弾性復帰する。中壁部構成片の復帰力も抜け止め突部各々の確実な係合に貢献する。キャップが確実に保持されるから、次に述べるガス抜き作業を簡単に行うことができる。環状嵌合部の嵌合が完了することによって、ガス抜き構造がスプレー缶のガス抜きを行う。収容物が残存していれば、同収容物もガスと共に抜かれる。押圧されたステムは、スプレー缶に内蔵されたバネの力によって復帰しようとするが、環状嵌合部は上記したように抜けが阻止されているため、人力で解除するまで押圧状態が継続される。
請求項7記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項7のキャップ」という)には、請求項6のキャップの基本構成を備えさせた上で、前記突出部が、当該抜け止め突部を環状巻締部の上端部下端に係合させるに足る押圧力を、前記抜け止め突部が環状巻締部の上端部を乗り越えた後に筒状カシメ部から受け得る形状に形成してある。
請求項7のキャップによれば、請求項6のキャップの作用効果に加え、突出部が筒状カシメ部から押圧力を受けるタイミングを、抜け止め突部が環状巻締部の上端部から押圧力を受けるタイミングよりも遅くすることによって、互いに異なる方向に作用する押圧力が同時作用しないようになる。いずれの押圧力もキャップ嵌合のために邪魔になる力であるから、両者が同時期に作用するとキャップ嵌合を行いづらくなる。そこで、抜け止め突部が受ける押圧力がなくなってから突出部が押圧力を受けるように構成し、これによって、キャップ嵌合の円滑を図った。つまり、抜け止め突部が受ける押圧力は中心方向に作用する力である一方、突出部が受ける押圧力は放射方向に作用する力であるから、前者の押圧力がなくなって弾性復帰が始まってから後者の押圧力が作用させるようにすることによって、相反する方向に作用する両押圧力を同時期に作用させないで済む。両押圧力が同時に作用するとキャップ嵌合を行いづらいが、一方の後に他方を作用させることによってキャップ嵌合に対する負担を小さくすることができるからである。
(請求項8記載の発明の特徴)
請求項8記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項8のキャップ」という)には、請求項1乃至7いずれかのキャップの基本構成を備えさせた上で、前記ガス抜き構造が、ステム受入のために前記カシメ部収納凹部の底部からキャップ内側方向に突き出る筒状壁部と、当該筒状壁部の先端に位置して受け入れたステムを押圧するための押圧部と、当該押圧部に貫通形成したガス抜き孔と、を含めて構成してある。
請求項8のキャップによれば、請求項1乃至7何れかのキャップの作用効果に加え、ガス抜きのためにキャップを嵌合せると、筒状壁部の中にステムが受け入れられ、受け入れられたステムを押圧部が押圧する。押圧によって押し込まれたステム先端からはガスが抜かれ、この抜かれたガスはガス抜き孔から外部へ放出される。
(請求項9記載の発明の特徴)
請求項9記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項9のキャップ」という)には、請求項1乃至7いずれかのキャップの基本構成を備えさせた上で、前記ガス抜き構造が、ステム受入のために前記カシメ部収納凹部の底部からキャップ内側方向に突き出る筒状壁部と、当該筒状壁部の先端に位置して受け入れたステムを押圧してガス噴出させるための押圧部と、前記分割スリットと、を含めて構成してあり、当該筒状壁部が、ステムから噴出したガスを案内して当該分割スリットから放出可能に構成してある。
請求項9のキャップによれば、請求項1乃至7何れかのキャップの作用効果に加え、ガス抜きのためにキャップを嵌合させると、筒状壁部の中にステムが受け入れられ、受け入れられたステムを押圧部が押圧する。押圧によって押し込まれたステム先端からはガスが抜かれ、この抜かれたガスは筒状壁部に案内されて分割スリットから外部へ放出される。
(請求項10記載の発明の特徴)
請求項10記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項10のキャップ」という)には、請求項9のキャップの基本構成を備えさせた上で、前記押圧部が、ステム上端面に当接してステム上端面との間にガス噴出路を形成可能な凹凸当接面を含めて構成してある。
請求項10のキャップによれば、請求項9のキャップの作用効果に加え、押圧部のステム上端面との間に形成されるガス噴出路を介してガスの一部又は全部が噴出する。単純な構造ながら、ガス噴出を効率よく行わせることができる。
(請求項11記載の発明の特徴)
請求項11記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項11のキャップ」という)には、請求項1乃至10いずれかのキャップの基本構成を備えさせた上で、前記円形天板部には、前記環状中壁部と、当該環状中壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状中壁部を同心状に囲む環状外壁部と、当該環状中壁部先端と当該環状外壁部先端とを連結する溝底環状部位と、により通常使用時縦断面略U字状に形成した環状受入凹部を、さらに形成してある。当該環状受入凹部は、前記嵌合構造の嵌合を妨げることなく当該環状巻締部を収納可能に構成してある。
請求項11のキャップによれば、請求項1乃至10いずれかのキャップの作用効果に加え、環状受入凹部を形成することによって、環状巻締部の外径よりも大きな外径の缶本体を有するスプレー缶にも使用可能となる。すなわち、環状巻締部の外径よりも大きな外径の缶本体に通常装着するキャップは、その内径が缶本体の外径と略等しい。このため、円形天板部の外径も環状巻締部の外径よりも大きい。したがって、環状受入凹部がないとするなら、キャップを上下逆にして嵌合させようとしても環状巻締部が邪魔をして(環状巻締部が円形天板部にぶつかって嵌合方向の移動を阻止する)嵌合させることができない。環状受入凹部を設けておけば、環状巻締部を受け入れて円形天板部のぶつかりから逃がすことができるので、嵌合させることができる。もっとも、嵌合構造の機能を損なわない限りにおいて、環状巻締部の外径と缶本体の外径とが略等しいスプレー缶に使用するキャップに環状受入凹部を設けることを妨げるものではない。
(請求項12記載の発明の特徴)
請求項12記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項12のキャップ」という)には、請求項1乃至11いずれかのキャップの基本構成を備えさせた上で、前記環状中壁部を囲む環状外壁部を、前記円形天板部上面から起立形成してあり、当該環状外壁部が、逆装着時に環状巻締部外周に係合可能に構成してある。環状巻締部外周に対する環状外壁部の係合には、たとえば、引っ掛かり係合や摩擦係合が含まれる。
請求項12のキャップによれば、請求項1乃至11いずれかのキャップの作用効果に加え、環状巻締部外周に対する環状外壁部の係合による保持力が加えられるから、より確実なキャップ保持を行うことができる。
(請求項13記載の発明の特徴)
請求項13記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項13のキャップ」という)には、請求項1乃至10いずれかのキャップの基本構成を備えさせた上で、前記環状中壁部を囲む環状外壁部を、前記円形天板部上面から起立形成してあり、当該環状外壁部の外周面と前記筒状側壁部の外周面とを連続面となるように形成してあり、当該環状外壁部の上端面と前記天板環状部位上面とに粘着シールを貼り付け可能に構成してある。
請求項13のキャップによれば、請求項1乃至10いずれか記載のキャップの作用効果に加え、環状外壁部の上端面と天板環状部位上面とに粘着シールを貼り付けることが可能になる。粘着シールを貼り付けておけば、キャップ上面に異物がたまるのを防止することができる。粘着シール上面を表示部として、たとえば、キャップの使用方法や注意事項等を表示しておくことができる。
(請求項14記載の発明の特徴)
請求項14記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項14のキャップ」という)には、請求項13のキャップの基本構成を備えさせた上で、前記環状外壁部の上端部肉厚が、前記筒状側壁部の肉厚よりも厚く形成することによって粘着シールを当該環状外壁部上端面に保持し易くなるように構成してある。
請求項14のキャップによれば、請求項13のキャップの作用効果に加え、環状外壁部の上端部の肉厚を筒状側壁部の肉厚よりも厚くしたので、厚くした分だけ粘着シールを貼り付けるためのスペースを広くすることができる。広くなることによって、キャップが粘着シールを保持し易くなる。
(請求項15記載の発明の特徴)
請求項15記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項15のキャップ」という)には、請求項13のキャップの基本構成を備えさせた上で、前記環状外壁部の上端部には、中心方向に突き出す複数の支持片を周方向所定間隔で配してあり、当該支持片各々の上が、前記環状外壁部上端面とともに、若しくは、前記環状外壁部上端面の代わりに、粘着シールを貼り付け可能に構成してある。
請求項15のキャップによれば、請求項13のキャップの作用効果に加え、支持片の上面にも粘着シールを部分的に貼り付けることができるので、キャップが粘着シールを保持し易くなる。
(請求項16記載の発明の特徴)
請求項16記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項16のキャップ」という)には、請求項1乃至15いずれかのキャップの基本構成を備えさせた上で、前記複数の嵌合部構成片のうち少なくとも1個が含む前記天板環状部位には、当該天板環状部位の弾性変形を補助するための逃げ孔を貫通形成してある。逃げ孔の形成は、複数ある嵌合部構成片のいずれか1個又は2個以上に行う。2個以上の逃げ孔を形成するときは、特定部位に集中させるよりも1個置きに形成する方がキャップ全体のバランスを保つ上で好ましい。
請求項16のキャップによれば、請求項1乃至15いずれかのキャップの作用効果に加え、逃げ孔を持つ嵌合部構成片(環状部位)は持たないものに比べて変形させやすい。たとえば、屈曲方向や捻り方向の力を受けても、逃げ孔が応力を吸収するので、嵌合部構成片が容易に屈曲したり捻れたりする。つまり、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れられた環状嵌合部が寸法誤差が生じやすい環状凹部の中で自在に変形しやすくなる。自在変形により、環状凹部の形状に見合った状態で嵌め入れられるので、キャップの抜けがより有効に防止される。また、ガス抜き完了後に、人力をもってキャップを取り外すときに、取り外しやすくなる。
(請求項17記載の発明の特徴)
請求項17記載の発明に係るスプレー缶用キャップ(以下、適宜「請求項17のキャップ」という)には、請求項1乃至16いずれかのキャップの基本構成を備えさせた上で、前記中壁部構成片には、環状巻締部の上端部を部分的に嵌合可能な嵌合凹部を厚み方向に形成してある。
請求項17のキャップによれば、請求項1乃至16いずれかのキャップの作用効果に加え、環状巻締部の上端部と嵌合凹部との嵌合によって、単独又は補助的にキャップ保持が行われる。
(請求項18記載の発明の特徴)
請求項18記載の発明に係るスプレー缶(以下、適宜「請求項18のスプレー缶」という)は、請求項1乃至17いずれかのキャップを有することを特徴とする。スプレー缶の缶本体の外径は問わない。
請求項1乃至17いずれかのキャップを有することにより、収容物を使い切った後、スプレー缶にガス抜き孔を形成したりする必要がなくなる。キャップを使用時とは逆の方向に向け嵌め込むだけでガス抜き出来るから手を汚すことも少ないので、たいへん便利である。なお、ガス抜きするときは、逆さにしたキャップの中にティッシュペーパーなどの吸収剤を入れておくと、残存収容物を吸収させることができるので収容物廃棄がたいへん楽になる。
本発明に係るスプレー缶用キャップ及びそのようなキャップを備えたスプレー缶によれば、ガス抜きの際にキャップをスプレー缶に確実に保持させられるから、ガス抜き作業を簡単に行うことができる。
各図を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、適宜「本実施形態」という)について説明する。図1は、本実施形態に係るスプレー缶用キャップの斜視図である。図2は、スプレー缶用キャップの平面図である。図3は、図2に示すスプレー缶用キャップのX−X断面図である。図4は、ガス抜き時のスプレー缶用キャップを示す縦断面図である。図5は、図4に示すスプレー缶用キャップの斜視図である。図6は、スプレー缶用ガスキャップの縦断面図及び同平面図である。図7は、ガス抜き時の嵌合構造の作用を示す縦断面図である。図8は、スプレー缶用キャップの第1変形例を示す縦断面図である。図9は、スプレー缶用キャップの第2変形例を示す縦断面図である。図10は、スプレー缶用キャップの第3変形例を示す平面図である。図11及び12は、スプレー缶用キャップの第4変形例を示す縦断面図である。
(スプレー缶用キャップの概略構造)
図1及び4を参照しながら、スプレー缶用キャップ(以下、単に「キャップ」という)の概略構造について説明する。キャップの嵌合相手となるスプレー缶はエアゾール缶とも呼ばれる。スプレー缶101は、収容物がガスと共に収容された缶本体102と、缶本体102上端に形成された環状巻締部109と、缶本体102の上端中央部から起立する筒状カシメ部105と、筒状カシメ部105によって出没自在に気密保持されるステム103と、缶本体102の上端に形成された外環巻締部111と、を備える汎用のスプレー缶である。スプレー缶101のように、環状巻締部109とは別に環状巻締部109の外径よりも大きな外径の外環巻締部111を有するものもあるが、外環巻締部を有しないものもある。外環巻締部を有するスプレー缶には、たとえば、缶本体102の外径が65ミリメートル前後のものが多くあり、外環巻締部を有しないスプレー缶の缶本体外径は35ミリメートルのものが一般的である。後者に使用されるキャップは、後述するように通常使用時に環状巻締部(図11、12参照)に嵌合可能となっているものが多い。本実施形態では、外環巻締部を有するスプレー缶を前提としている。なお、図1に示す符号104は、指押圧可能とするために、ステム103の先端に取り付けた噴射ヘッドを示している。噴射ヘッド104は、スプレー缶の通常使用時にのみ必要であって、後述するガス抜き作業の際には不要であるから、ガス抜き作業前にステム103から取り外すようになっている。このため、図1以外の図では噴射ヘッド104を省略してある。
キャップ1は、たとえば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネートに代表される合成樹脂を一体成型して製造する。透明(半透明)とするか、不透明とするかは、キャップ1を嵌合させるスプレー缶の性質や用途等に合わせて決定するとよい。キャップ1は、通常使用時(装着時)に、その開口部を下にして筒状カシメ部105やステム103を押圧せずにスプレー缶101に装着可能、かつ、上下逆装着時(ガス抜き時)にステム103を押圧してガス抜き可能に構成してある。以下、具体的に説明する。
キャップ1は、装着時に上面となる円形天板部3と、円形天板部3の周縁と連続する筒状側壁部5と、筒状側壁部5の下部に形成したスプレー缶着脱構造7と、上下逆装着時にスプレー缶101と嵌合させるために円形天板部3に形成した嵌合構造9と、嵌合構造9により嵌合させたときに受け入れたステム103を押圧してガス抜きするためのガス抜き構造11と、を含めて概略構成してある。円形天板部3の外径は缶本体102の外径よりも僅かに小さく形成してある。これと併せ、筒状側壁部5下端外周面を缶本体102の外周面と略一致させてあることから、筒状側壁部5は、円形天板部3周縁から下端外周面にかけて緩やかに広がるテーパー状(スカート状)になっている。いわゆる抜き勾配であって射出成型したキャップ1の型抜きを容易にするためである。筒状側壁部5には、通常使用時に円形天板部3がステム103を押圧しないために十分な高さ寸法を持たせてある。スプレー缶着脱構造7は、着脱対象となる缶本体の形状や外環巻締部の有無等に合わせて着脱可能な形状や構造を適宜採用することができる。本実施形態では、缶本体102に嵌合させたときに外環巻締部111の下端に係合可能な係合突起を、スプレー缶着脱構造7として採用した。
(キャップの嵌合構造)
図4乃至7を参照しながら、嵌合構造9の詳細構造を説明する。嵌合構造9は、カシメ部収納凹部19と環状嵌合部21を、その主要構成要素とする。カシメ部収納凹部19は、円形天板部3略中央からキャップ1内側方向に突き出る円筒形状の環状内壁部23により囲まれている。カシメ部収納凹部19は、スプレー缶101の筒状カシメ部105を収納させるための凹みであって、その内径(環状内壁部23の内径)は、筒状カシメ部105の外径よりも僅かに小さく形成してあり、その深さ寸法は筒状カシメ部105収納に十分な高さに形成してある。すなわち、筒状カシメ部105をカシメ部収納凹部19に収納させるには、圧入が必要となるように構成してある。圧入を必要とする理由は、後で述べる。環状内壁部23の外側には、キャップ1の内側方向(環状内壁部23の突き出し方向と同じ方向)に突き出して環状内壁部23を同心状に囲む環状中壁部25を形成してある。円形天板部3から見た環状中壁部25の高さ寸法は、同じく円形天板部3から見た環状内壁部23の高さ寸法とほぼ同じである。環状内壁部23基端と環状中壁部25基端とは、円形天板部3の一部を構成する天板環状部位27により連結してある。連結によって、環状内壁部23と、環状中壁部25と、天板環状部位27と、の三者によって嵌合時縦断面略U字状の環状嵌合部21が形成される。環状嵌合部21全体は、スプレー缶101の環状凹部107に嵌め入れ可能な形状に形成してある。
(嵌合部構成片)
環状嵌合部21は、上記形状のままでは環状凹部107に嵌め入れても、大きな変位(変形)が生じさせることができない。変位がないから嵌め入れられたとしても、嵌め入れられる前と同じ形のままであるから、簡単に抜けてしまう。他方、変位を生じやすいように環状嵌合部21の径寸法、特に天板環状部位27の幅寸法を環状凹部107の径寸法よりも大きく設定すれば、圧入によって無理に嵌め入れられた環状嵌合部21が環状凹部107の中で変位(変形)することになり、この変位によって筒状カシメ部105外壁や環状巻締部109の内壁109aに対する押圧力が増すから、抜けづらくすることもできよう。しかしながら、圧入に余り大きな力が必要となると、一方の手でスプレー缶101を持ち、逆さにしたキャップ1の開口を他方の手の掌で塞ぐようにして嵌合方向に力を入れる必要がある。キャップ1の脇(側面)を持って嵌合させようとしても、思うように力が伝わらない。掌を使って嵌合させればキャップ1の嵌合は行えても、嵌合を行った途端にステム103から残存収容物(液剤やガス)が噴出するので、開口を塞いでいる掌を汚してしまう恐れがある。この問題点は、前掲した発明が解決しようとする課題の欄において既に指摘した。
上記問題点を解決するために本実施形態では、環状嵌合部21を周方向に分割して変位しやすいように構成した。すなわち、環状嵌合部21には、放射方向に延びる複数の分割スリット31,・・を等間隔形成してあり、この形成によって環状嵌合部21が複数の嵌合部構成片33,・・に分割してある。各分割スリット31は、環状嵌合部21の全体、すなわち、環状内壁部23から天板環状部位27を抜け環状中壁部25に至るまで、略U字状に形成してある。分割スリット31,・・を形成することによって環状内壁部23は内壁部構成片23aに、環状中壁部25は中壁部構成片25aに、天板環状部位27は環状部位構成片27aに、分割される。整理すると、環状嵌合部21は複数の嵌合部構成片33,・・によって構成され、各嵌合部構成片33は内壁部構成片23aと中壁部構成片25aと環状部位構成片27aにより構成されることになる。分割スリット31の数は少なくとも1本あれば分割した効果を得ることができるが、より効果的にするためには、6本以上とすることが好ましい。本実施形態では、8本の分割スリット31,・・を形成して8個の嵌合部構成片33,・・を得ている。分割スリット31の幅寸法は、たとえば、0.5〜1.0ミリメートル前後が好ましく、環状内壁部23や環状中壁部25を走る部分については、型抜きを容易にするために抜き方向に幅寸法が漸増するように形成することもよい。さらに、たとえば、デザイン上の要請から、分割スリット31の幅寸法を部分的に異ならせたり、分割目的以外のスリットを装飾的に施したりすることを妨げない。以上のとおり構成した各嵌合部構成片33は、カシメ部収納凹部19に圧入された筒状カシメ部105から押圧力を受けて放射方向に弾性変位して環状巻締部109の内壁109aの下端部を押圧可能となる。
上述した構成に加え、キャップ1には、次に述べる環状受入凹部30を形成してある。具体的に説明すると、円形天板部3には、前述した環状中壁部25と、環状中壁部25の外側からキャップ1内側方向に突き出して環状中壁部25を同心状に囲む環状外壁部28を、さらに設けてある。環状外壁部28は、円形天板部3から見て環状中壁部25とほぼ同じ高さに形成してあり、環状外壁部28の先端は、溝底環状部位29によって環状中壁部25の先端と連結してある。連結によって、環状中壁部25と、環状外壁部28と、溝底環状部位29と、の三者によって縦断面略U字状の環状受入凹部30が形成される。環状受入凹部30全体は、スプレー缶101の環状巻締部109を収納可能に形成してある。環状巻締部109を収納させることによって、環状嵌合部21を環状凹部107に嵌合させる際に妨げとならないようにするためである。なお、前述したように本実施形態では、外環巻締部111を有するスプレー缶101を対象とするものである。たとえば、35ミリメートル径のスプレー缶のように外環巻締部を有しないスプレー缶を対象とする場合は、環状受入凹部を設ける必要がないからこれを省略可能であることは言うまでない。
(ガス抜き構造)
図4乃至7を参照しながら、ガス抜き構造について説明する。本実施形態におけるガス抜き構造11は、筒状壁部37と、押圧部39により概ね構成してある。筒状壁部37は、キャップ1の内側方向に凹むカシメ部収納凹部19の底部19aから、さらにキャップ1内側方向に突き出るステム103を受け入れさせるための円筒部材であり、突き出した先端が、受け入れるステム103の先端と略一致する高さに形成してある。筒状壁部37の先端に押圧部39が位置する。押圧部39は、筒状壁部37の外径よりも僅かに小さい外径の円筒部材39aと円筒部材39a先端を閉鎖する閉鎖部材39bにより基本構成してあり、円筒部材39aには、円筒部材39aの中空部39cと連通するガス抜き孔39d,39dを対向形成してある。図4に示すように、中空部39cの外径は、筒状壁部37の内径よりも小さくステム103の外径よりもやや小さい(ステム103のガス孔103h(図3参照)の孔径とほぼ同じかやや大きい内径)に形成してあり、これによって、受け入れたステム103の上端面が、ステム103のガス孔103hを塞ぐことなく円筒部材39aの下端面に当接するように構成してある。ガス孔103hは、中空部39cを抜けガス抜き孔39d,39dを介してキャップ1の内部空間と連通する。つまり、ステム103が押圧されガス孔103hから出たガス(収容物)は、中空部39cを抜けガス抜き孔39d,39dからキャップ1の内部空間(外部と連通)に放出可能に構成してある。
(キャップの作用効果)
図3乃至7を参照しながら、本実施形態に係るキャップ1の作用効果について説明する。通常使用時におけるキャップ1は、スプレー缶101が有する缶本体102の外環巻締部111に着脱するものであって、ステム103及び筒状カシメ部105を被覆するようになっている(図3参照)。キャップ1の着脱は、スプレー缶着脱構造7を構成する係合突起の働きによって行われる。一方、ガス抜きのために使用するときのキャップ1は、上下を逆さにして、円形天板部3に形成した嵌合構造9によってスプレー缶101に嵌合させる(図4参照)。嵌合によって、逆さ状態でスプレー缶101(缶本体102)の環状凹部107に嵌合させたキャップ全体が、嵌合状態のまま保持される。次項以下で、具体的に説明する。
缶本体102の環状凹部107に嵌合させるときの嵌合構造9は、次のように作用する。すなわち、図7(a)に示すカシメ部収納凹部19に筒状カシメ部105が圧入される(前者の内径は後者の外径よりも小さい)と、環状内壁部23が放射方向に力を受ける(図7(b)参照)。換言すれば、環状内壁部23を含む嵌合部構成片33各々が円形天板部3の放射方向に力を受ける。力を受けた各嵌合部構成片33には、図7(b)が示すように次の作用が生じる。すなわち、各嵌合部構成片33を構成する内壁部構成片23aは、その基端を軸として放射方向に傾き、この傾きが環状部位構成片27aを放射方向に移動させる。環状部位構成片27aの移動は、中壁部構成片25aをその基端を軸として放射方向に傾かせる。この傾きを生じさせる一連の動作は、説明の都合上時系列的に記載したが、必ずしも上述したように時系列的に生じるのではない。嵌合させるときの缶本体102に対するキャップ1の嵌合角度等によって、各動作がほぼ同時に又は異なる順番で生じる場合もある。
嵌合部構成片33各々は、分割スリット31,・・により分割されているから、隣接する嵌合部構成片33,33の影響を受けない。つまり、嵌合部構成片33各々は、放射方向に向かう変位自由度が高い。変位自由度が高いから、筒状カシメ部105や環状巻締部109等に寸法誤差があっても、その誤差を吸収することができる(誤差に合わせた変位が可能)。上記作用によって放射方向に傾いた中壁部構成片25aは、環状巻締部109の内壁109aの下端部を押圧しその反作用により中心方向の力を内壁109aの下端部から受ける。つまり、各嵌合部構成片33は、筒状カシメ部105と環状巻締部109の内壁109aの下端部との双方から力を受ける。嵌合部構成片33各々が力(図6に矢印で示す)によって挟み撃ちにされることによって、環状嵌合部21全体がスプレー缶101の環状凹部内107に確実に保持される。
上述した作用によって環状嵌合部21全体がスプレー缶101の環状凹部内107に確実に保持されたところで嵌合が完了する。環状嵌合部21の嵌合が完了することによって、ガス抜き構造11がスプレー缶101のガス抜きを行う。具体的には、筒状壁部37の中に受け入れられたステム103が、押圧部39によって押圧されステム103の先端からガス抜きがなされる。収容物が残存していれば、同収容物もガスと共に抜かれる。押圧されたステム103は、スプレー缶101に内蔵されたバネ(図示を省略)の力によって復帰しようとするが、環状嵌合部21は前記したように抜けが阻止されているため、キャップ1の使用者が人力で解除するまで押圧状態が継続される。なお、環状受入凹部30は、環状巻締部109を受け入れてキャップ1の嵌合を妨げない機能を果たす。なお、ガス抜きする際に、キャップ1の中に液体吸収材を入れておくことが好ましい。液体吸収材として使用可能なものとして、たとえば、市販のティッシュペーパーがある。ティッシュペーパーを丸めてキャップ1内に入れてから、上記手順でガス抜きを行えば、ガスと共に抜かれた液剤がそのティッシュペーパーに吸収されるので液剤が噴霧されるのを有効に防止できるからである。手や衣服を汚す恐れも少なくなる。さらに、液剤を吸収したティッシュペーパーは、それをそのまま廃棄することができるので、液剤処理のためにたいへん都合よい。
(キャップの第1変形例)
図8に基づいて、本実施形態に係るキャップ1の第1変形例について説明する。第1変形例に係るキャップ1Aがキャップ1と異なるのは、後者が有していない抜け止め突部を前者が有する点のみであり、他の部分について両者異なる点はない。したがって、以下の説明では、抜け止め突部を中心に説明を行い、両者共通する部分についての説明は可能な限り省略する。図8は、図7(b)に対応させてあるので、両者共通する部分については、図7(b)において使用した符号と同じ符号を図8において使用する。
図8に示す符号51は、中壁部構成片25aの円形天板部3近傍に形成した抜け止め突部を示している。カシメ部収納凹部19に筒状カシメ部105を圧入することによって中壁部構成片25aを含む嵌合部構成片33が筒状カシメ部105と環状巻締部109の内壁109aの下端部との双方から力を受けること、環状凹部内107内の保持は、特に、中壁部構成片25aの傾きによるところが大きいこと、は前述した。ここで、環状巻締部109の内壁109aの下端部に当接する中壁部構成片25aに抜け止め突部51を設けておくことにより、中壁部構成片25aの変位量を抜け止め突部51の分だけ補助又は促進することができるから、その分だけ中壁部構成片25aの内部応力が大きくなる。したがって、その反作用として内壁109aの下端部から中壁部構成片25aが受ける力も大きくなり、受ける力が大きくなったことにより、中壁部構成片25a(嵌合部構成片33)を環状凹部107から抜けづらくすることができる。この結果、環状嵌合部21の抜け止め効果が補助又は促進される。抜け止め突部51は、複数ある嵌合部構成片33,・・のうち少なくとも1個に設ければ補助又は促進に寄与するが、補助又は促進をより確実なものとするためには全部の嵌合部構成片33,・・に設けることが好ましい。抜け止め突部51の形状は、上記した作用効果を奏させることのできるものであれば、どのようなものであってもよいが、上記した作用効果をより効率的に奏させるためには、環状巻締部109の内壁109aの下端部にできるだけ密着する形状が好ましい。そのためには、たとえば、図15に符号51fで示す抜け止め突部のように内壁109aに対して円弧状となる形状が好適である。抜け止め突部51の厚みも、上記した密着を考慮した上で適宜定めることができる。これらの点は、上記した抜け止め突部51、抜け止め突部51f以外の抜け止め突部についても同じである。なお、カシメ部収納凹部19の内径が筒状カシメ部105の外径よりも小さく形成してあり、これによって環状内壁部23が放射方向に力を受けることは本実施形態の説明の中で述べた通りであるが、環状内壁部23が受ける放射方向の力を不要とするなら、これを省略することを妨げるものではない。すなわち、カシメ部収納凹部19の内径を筒状カシメ部105の外径よりも大きく形成することによって、環状内壁部23が上記力を受けることがなくなるが、受けなくなる上記力に代わる力を環状中壁部25(中壁部構成片25a)自身の弾性変形及び弾性復帰によって確保しうるのであれば、上記のとおり寸法形成することができる。
(キャップの第2変形例)
図9に基づいて、本実施形態に係るキャップ1の第2変形例について説明する。第2変形例に係るキャップ1Bがキャップ1と異なるのは、円形天板部3から見た中壁部構成片25a(嵌合部構成片33)の構造のみであり、他の部分について両者異なる点はない。したがって、以下の説明では、中壁部構成片25a両者異なる部分を中心に説明を行い、両者共通する部分についての説明は可能な限り省略する。さらに、両者共通する部分については、図7において使用した符号と同じ符号を図9において使用する。図9に示す符号25pは、環状中壁部を示している。本実施形態に係る中壁部構成片25a(図6参照)と第2変形例に係る中壁部構成片25aとでは、前者は円形天板部3からキャップ1内部に向かって(図9の上方向)環状受入凹部30の幅寸法を漸減(少しずつ狭める)方向に傾斜させてあるのに対し、後者は同幅寸法を漸増(少しずつ広げる)方向に傾斜させてある点で異なっている。換言すると、嵌合部構成片33の各々が有する中壁部構成片25aを、キャップ1Bの内部から円形天板部3に向かって(図9の上から下に向かって)、環状凹部107に嵌め入れた際に環状巻締部109の内壁109a(の下端部)に近づく方向に傾斜させてある。すなわち、中壁部構成片25a(嵌合部構成片33)は、環状受入凹部30の入り口を狭くする方向に傾斜角αで傾斜しているのに対し、中壁部構成片25aは逆方向に傾斜(抜き勾配)している。中壁部構成片25a(嵌合部構成片33)を同方向に傾斜させたのは、中壁部構成片25aの変位量を傾斜分だけ補助又は促進することができるから、その分だけ中壁部構成片25aの内部応力を大きくするためである。内部応力が大きくなれば、その反作用として内壁109aから中壁部構成片25aが受ける力も大きくなり、その結果、中壁部構成片25a(嵌合部構成片33)を環状凹部107から抜けづらくすることができる。この結果、環状嵌合部21の抜け止め効果が補助又は促進される。抜け止め突部51は、複数ある嵌合部構成片33,・・のうち少なくとも1個に設ければ補助又は促進に寄与するが、補助又は促進をより確実なものとするためには全部の嵌合部構成片33,・・に設けることが好ましい。この点は、上述した第1変形例に係るキャップ1Aと異ならない。
(キャップの第3変形例)
図10を参照しながら、本実施形態に係るキャップ1の第3変形例について説明する。第3変形例に係るキャップ1Cがキャップ1(キャップ1A、キャップ1B、後述するキャップ1D等も同じ)と異なるのは、各嵌合部構成片33を構成する天板環状部位27のうち任意のものには、逃げ孔27hを貫通形成してある。逃げ孔27hは、それを形成した天板環状部位27の弾性変形を補助するためのものである。逃げ孔27hの形成は、複数ある嵌合部構成片のいずれか1個又は2個以上に行う。2個以上の逃げ孔27h,・・を形成するときは、特定部位に集中させるよりも図11に示すように1個置きに形成する方がキャップ1D全体のバランスを保つ上で好ましい。逃げ孔27hを持つ嵌合部構成片33(天板環状部位27)は持たないものに比べて変形させやすい。たとえば、屈曲方向や捻り方向の力を受けても、逃げ孔27hが応力を吸収するので、嵌合部構成片33が容易に屈曲したり捻れたりする。つまり、図外のスプレー缶の環状凹部に嵌め入れられた環状嵌合部21が、寸法誤差が生じやすい環状凹部107の中で自在に変形しやすくなる。自在変形により、環状凹部の形状に見合った状態で嵌め入れられるので、キャップ1Dの抜けがより有効に防止される。また、ガス抜き完了後に、人力をもってキャップを取り外すときに、取り外しやすくなる。
(キャップの第4変形例)
図11及び12を参照しながら、本実施形態に係るキャップ1の第4変形例について説明する。第4変形例に係るキャップ1Dがキャップ1(1A,1B,1C)と異なるのは、後者が外環巻締部を有するスプレー缶に使用するものであるのに対し、前者は外環巻締部を有しないスプレー缶に使用するものである点である。外環巻締部を有しないスプレー缶に使用するキャップ1Dは、外環巻締部を収納するための環状受入凹部30(図4参照)を有していない。環状受入凹部30を有しないキャップ1Dは、たとえば、図4に示すキャップ1に比べ、有しない分だけ外径が小さくなっている。図11及び12に示すスプレー缶101は、外径35ミリメートルの汎用缶である。前掲したスプレー缶用キャップの概略構造の説明欄を併せて参照されたい。
(キャップの第5変形例)
図13及び14を参照しながら、第5変形例に係るキャップについて説明する。図13は、第5変形例に係るキャップの平面図であり、図14は、図13に示すキャップのXe−Xe断面図である。ここで、説明を行う対象はガス抜き構造についてのみである。したがって、ここでは、ガス抜き構造を中心に説明することとし、他の共通部材については必要な場合にだけ説明する。また、共通部材については、図2及び3に示した符号を図13及び14に示す。これまで説明してきたキャップ1(1A,1B,1C,1D)が有するガス抜き構造11は、押圧部39と、押圧部39が有するガス抜き孔39d,39dと、を主要構成要素としているが(前掲したガス抜き構造の欄参照)、第5変形例に係るガス抜き構造11´はガス抜き孔を備えていない。分割スリットがキャップ内外を連通するガス抜き孔として機能するように構成してあるからである。すなわち、ガス抜き構造11´は、筒状壁部37´と、筒状壁部37´の先端(図14では下端)に位置して受け入れたステム(図示を省略)を押圧してガス噴出させるための押圧部39´と、分割スリット31,・・と、を含めて構成してある。押圧部39´のステム受入側には、ステム横断方向に延びるガス溝39´gを形成してある。ガス溝39´gは、ステム上端面との間に隙間(ガス噴出路)を形成させてのガス噴出を許し、噴出したガスを筒状壁部37´に案内させ分割スリット31,・・から放出可能とするためのものである。ここでは、ガス溝39´gという溝を採用したが押圧部39´とステム上端面との間にガス噴出路を形成可能なあらゆる凹凸を採用することができる。図示はしないが、ステム上端面に凹凸を設けることによってガス噴出路を構成するようにしてもよい。ガス抜き構造11´は前述したキャップ1(1A,1B,1C,1D)の他、後述する他の変形例にも適用することができる。
(キャップの第6変形例)
図15乃至17を参照しながら、第6変形例に係るキャップについて説明する。図15は、第6変形例に係るキャップの平面図である。図16は、図15に示すキャップのXf−Xf断面図である。図17は、ガス抜き時の嵌合構造の作用を示す縦断面図である。第6変形例に係るキャップ1Fが前述したキャップ1と相違するのは、次の2点である。第1の相違点は、キャップ1では筒状カシメ部105の外径よりも小さかった環状内壁部23の内径を、キャップ1Fでは大きく形成したことにあり、第2の相違点は、環状中壁部25を分割することによって形成された各中壁部構成片25aに、嵌め込まれた環状巻締部109の上端部109t(図17(b)参照)方向に突き出る抜け止め突部51fを形成してあることにある。上記2相違点を除いた他の部材については、キャップ1とキャップ1Fとの間で共通する。したがって、ここでは、上記2相違点を中心に説明することとし、他の共通部材については必要な場合にだけ説明する。また、共通部材については、図2に示した符号を図15に、図3に示した符号を図16に、さらに、図7に示した符号を図17に、それぞれ示す。
キャップ1Fが有する環状内壁部23の内径は、上述したように、筒状カシメ部105の外径よりも大きく形成してある。この結果、環状内壁部23が筒状カシメ部105から押圧力を受けることはなく、また、環状内壁部23と筒状カシメ部105との間に存在する隙間が、筒状カシメ部105や環状巻締部109等に寸法誤差があったとしても、その誤差を吸収する。すなわち、キャップ1Fは、多種類の、特に、異なるメーカーによって製造された種々のスプレー缶に対して柔軟に対応可能なキャップなのである。
より具体的には、環状凹部107(図17参照)に各嵌合部構成片33を嵌め入れるときの抜け止め突部51f各々は、環状巻締部109の上端部109tに当接して嵌合部構成片33を中心方向に弾性変位させて通過を許容させ、環状巻締部109の上端部109tを通過した(乗り越えた)後の弾性復帰によって環状巻締部109の上端部109tの下端に係合する。抜け止め突部51f各々が環状巻締部109の上端部109tに当接することにより、抜け止め突部51f各々を介して各嵌合部構成片33が中心方向に力を受ける。力を受けると、各嵌合部構成片33において次の作用が生じる。すなわち、各嵌合部構成片33を構成する分割スリット31,・・により分割された環状中壁部25の各分割片(中壁部構成片25a)は、その基端を軸として中心方向に傾き、この傾きが同じく円形天板部3の環状部位27の分割スリット31,・・により分割された各分割片(環状部位構成片27a)を中心方向に移動させ、さらに、この移動が同じく環状内壁部23の分割スリット31,・・により分割された各分割片(内壁部構成片23a)をその基端を軸として中心方向に傾かせる。分割スリット31,・・により分割された嵌合部構成片33各々は、隣接する嵌合部構成片33の影響を受けず独立しているから中心方向変位の自由度が高い。さらに、環状内壁部23と筒状カシメ部105との間に存在する隙間が、上述したように筒状カシメ部105や環状巻締部109等に寸法誤差があったとしても、その誤差を吸収する。
(キャップの第7変形例)
図18乃至19を参照しながら、第7変形例に係るキャップについて説明する。図18は、第7変形例に係るキャップの平面図である。図19は、図18に示すキャップのXg−Xg断面図である。第7変形例に係るキャップ1Gは、前述した第4変形例に係るキャップ1Dの変形例であって、それと相違するのは、次の1点である。すなわち、キャップ1Dが有していない環状外壁部をキャップ1Gが有している点が両者の相違点である。上記相違点を除いた他の部材については、キャップ1Gとキャップ1Dとの間で共通する。したがって、ここでは、上記相違点を中心に説明することとし、他の共通部材については必要な場合にだけ説明する。また、共通部材については、図11及び12に示した符号を図18及び19にそれぞれ示す。
すなわち、キャップ1Gの円形天板部3の上面には、環状中壁部25を囲む環状外壁部28gを起立形成してある。環状外壁部28gは、図19に示すように、逆装着時に環状巻締部109の外周に摩擦係合可能に構成してある。環状巻締部109の外周に対する環状外壁部28gの摩擦係合による保持力が加えられるから、キャップ1Dに比べてより確実なキャップ保持を行うことができる。なお、キャップ1Gは、その直径がスプレー缶の直径と略等しく形成してあるが、スプレー缶の直径がキャップ1Gの直径よりも大きい場合もある。図19に示すスプレー缶の直径(外径)が35ミリメートルだとしたときに、たとえば直径60ミリメートルや65ミリメートルのスプレー缶にもキャップ1Gが適合する。
(キャップの第8変形例)
図20乃至22を参照しながら、第8変形例に係るキャップについて説明する。図20は、第8変形例に係るキャップの平面図である。図21は、図20に示すキャップのXh−Xh断面図である。図22は、ガス抜き時の嵌合構造の作用を示す縦断面図である。第8変形例に係るキャップ1Hが前述したキャップ1と相違するのは、次の2点である。第1の相違点は、キャップ1では筒状カシメ部105に当接させたのは環状内壁部23であるのに対しキャップ1Hでは環状内壁部23から中心方向に突出させた突出部23hであることにあり、第2の相違点は、環状中壁部25を分割することによって形成された各中壁部構成片25aには、嵌め込まれた環状巻締部109の上端部109t(図17(b)参照)方向に突き出る抜け止め突部51hを形成してあることにある。上記2相違点を除いた他の部材については、キャップ1とキャップ1Hとの間で共通する。共通部材については、図2に示した符号を図20に、図3に示した符号を図21に、さらに、図8に示した符号を図22に、それぞれ示す。なお、抜け止め突部を有する点においては、キャップ1Hは前述した第6変形例に係るキャップ1Fと共通するが、キャップ1Hは後述するように突出部23hを介して筒状カシメ部105から放射方向の力を受けるように構成してあるがキャップ1Fは突出部を有しないため放射方向の力を受けるように構成していない点で両者は異なっている。
図22(b)の円内拡大図が示すように、嵌め込むときの抜け止め突部51h(中壁部構成片25a)は、同図の上から下へ下降させられながら環状巻締部109の上端部109tに当接して中心方向(同図の左から右方向)に弾性変位(弾性変形)し、さらなる下降に伴い当該上端部109tを乗り越え、乗り越えたところで元の位置に弾性復帰する(図22(b)楕円内拡大図参照)。他方、抜け止め突部51hの下降は、溝底環状部位29が上端部109tに当接することによって妨げられる。図22(b)の楕円内拡大図において、上端部109tと溝底環状部位29との間に隙間があるのは、一端は当接させられた溝底環状部位29が図外のステムから上向きの力を受けて押し上げられたからである。溝底環状部位29との間に寸法的に遊びを設けないように設計するなら、上記隙間は生じないことになる。弾性復帰した抜け止め突部51hは、環状巻締部109の内壁109aの下端に当接し上端部109tの下端に係合してキャップ1Hの抜けを防止する。抜け止め突部51hの係合には、上記の抜け止め突部51hの弾性復帰に加え、前項で述べた突出部23hが筒状カシメ部105から受ける放射方向の押圧力も寄与する。なお、キャップ1Hの抜き取りは、キャップ1Hを引き上げることにより、抜け止め突部51h(中壁部構成片25a)を中心方向に弾性変位(弾性変形)させ上端部109tとの係合を解除して行う。
(突出部の構造)
ここで、突出部23hの構造について説明する。図22に示すように、突出部23hは、各内壁部構成片23aの筒状カシメ部105に対応する面から中心方向に突き出す部位であって、キャップ1Hが嵌めこまれたときに筒状カシメ部105に当接して放射方向の押圧力を受け得るように構成してある。放射方向の押圧力を受け得るように構成したのは、前述したキャップ1の内壁部構成片23aが同方向に押圧力を受け得るように構成したのと同じ理由による。ただ、キャップ1の内壁部構成片23aと筒状カシメ部105との接触は面接触であるのに対し、キャップ1Hの突出部23hと筒状カシメ部105との接触は突出部23hの形状によって異なるものの上記面接触よりは狭い範囲における接触となる。つまり、接触面積を小さくすることによって、同じ放射方向に作用する押圧力を受ける場合に筒状カシメ部105に対する摩擦を小さくすることができる。すなわち、摩擦を小さくした分だけ嵌合させる際の力を小さくして嵌合作業をより楽なものとすることができる。
図22に示す突出部23hは、上述したように、内壁部構成片23aの筒状カシメ部105に対応する面から中心方向に突き出す部位であり、底部19aから円形天板部3(天板環状部位27)に向かって底部19aの円周方向(図22の左右方向)及び内壁部構成片23aの高さ方向(図22の上下方向、断面形状参照)に先細り形状に形成してある。先細り形状に形成した理由は、次の2点である。つまり、最初の理由は、合成樹脂性のキャップ1Hを金型から抜き取り易いようにするための抜き勾配を構成するためである。もう1つの理由は、嵌合によって筒状カシメ部105と当接して放射方向の押圧力を受ける突出部23hがその押圧力を一気に受けるのではなく徐々に大きくなるようにして受けることによって嵌合を円滑に行えるようにするためである。なお、突出部を先細り形状に形成することは、第8変形例以外の変形例においても採用可能である。
次は、突出部23hの高さ寸法について述べる。突出部23hの高さ寸法については筒状カシメ部105から放射方向の押圧力を受け得る限り原則として制限はない。しかし、底部19a(円形天板部3)から見た突出部23hの先端と、天板環状部位27から見た抜け止め突部51hの先端との間には、図22に示すように、上下方向の隔たりを持たせてある。換言すれば、突出部23hの先端を通過する水平線(図示を省略)と抜け止め突部51hの先端を通過する水平線(図示を省略)との間には、所定の間隔が生じるように、すなわち、図22において前者の水平線が後者の水平線よりも抜け止め突部51hに近くならないように構成してすることが好ましい。そのように構成すれば、突出部23hが筒状カシメ部105から押圧力を受けるタイミングを、抜け止め突部51hが環状巻締部109の上端部109tから押圧力を受けるタイミングよりも遅くすることができ、これによって、互いに異なる方向に作用する押圧力が同時作用しないようにして、キャップ1Hの嵌合をより円滑に行えるようにすることができるからである。つまり、嵌合する際に抜け止め突部51hが環状巻締部109の上端部109tから受ける押圧力は中心方向に作用する力である一方、突出部23hが筒状カシメ部105から受ける押圧力は放射方向に作用する力であるから、両押圧力は相反する方向に働く。前者の押圧力がなくなって弾性復帰が始まってから後者の押圧力を作用させるようにすることによって、相反する方向に作用する両押圧力を同時期に作用させないで済む。両押圧力が同時に作用するとキャップ嵌合を行いづらいが、一方の後に他方を作用させることによってキャップ嵌合に対する負担が小さくなり、これがキャップ1Hのより円滑な嵌合を実現する。なお、第8変形例以外の変形例において突出部を採用する場合には、その採用した突出部についても突出部23hの構成と同じ構成を採用するとよい。突出部23hについて述べた上記理由が、他の変形例に係る突出部にも当てはまる場合がほとんどだからである。
(キャップの第9変形例)
図23を参照しながら、第9変形例に係るキャップについて説明する。図23は、第9変形例に係るキャップの縦断面図であって、図22に示す縦断面図に対応する。第9変形例に係るキャップ1´Hは、上述したキャップ1Hの構造と基本的に同じ構造を備えている。両者が異なるのは、次の点である。すなわち、上述したようにキャップ1Hの抜け止め突部51hは上端部109tに当接する位置にあるのに対し、キャップ1´Hの抜け止め突部51´hは上端部109tに当接しない位置(抜け止め突部51hよりも中心よりの位置)にある(図22(b)の円内拡大図と図23(b)の円内拡大図とを比較参照)。このため、抜け止め突部51´h(中壁部構成片25´a)が上端部109tから抵抗を受けることなく(変位させられることなく)キャップ1´Hを嵌め込むことができ、抵抗を受けることがないから受けない分だけ楽に嵌め込むことができる。さらに、図23に示す突出部23hは図22に示す突出部23hと同じものではあるが、キャップ1Hが受けていた上記抵抗をキャップ1´Hは受けないから、図23に示す突出部23hの形状(特に高さ寸法)についてキャップ1Hに比べ自由度が高い。他方、抜け止め突部51´hが上端部109tから抵抗を受けないということは中壁部構成片25´aの弾性復帰力による係合補助が行われないことになるから、環状巻締部109の上端部109tの下端に対する抜け止め突部51´hの係合は、突出部51´hが筒状カシメ部105から受けた押圧力によるものとなる。なお、上記部位以外の部位についてキャップ1´Hとキャップ1Hとの間に異なる点はないから、上記部位以外の部位については図22で用いた符号を図23にも用いてある。
図24乃至27を参照しながら、抜け止め突部51h(51,51f,51´h等も同じ)の(環状巻締部109の)上端部109tの下端(内壁109a)に対する係合パターンについて説明する。図24乃至27は、いずれも係合パターンを示す縦断面図であり、図22(b)楕円内拡大図に対応させたものである。したがって、図24乃至27では原則として図22(b)楕円内拡大図に示す符号をそのまま使用するとともに、説明に必要となった部位について符号を付記してある。抜け止め突部51hは、前述したように原則としてその形状を自由に定め得る一方で上端部109tの下端(内壁109a)の形状にも多少のバラツキがある。このため、上記した係合パターンとして、たとえば、次のものが考えられるが、いずれも本発明の技術的思想に含まれる。
図24に示す抜け止め突部51hは、抜け止め突部51hの上端部51h−uのみが上端部109tの下端に係合している。これは、抜け止め突部51hの突出量が小さいため先端部51h−tが内壁109aの下端部に当接せず、かつ、中壁部構成片25aが抜け止め突部51hから遠ざかるにしたがって上端部109tから離れる方向に傾斜しているため両者の接触がほとんどない状態にあるからである。図25に示す抜け止め突部51hは、図24に示す係合パターンと異なり、その突出量が充分であるため、先端部51h−tが内壁109aの下端部に当接している。併せて、上端部51h−uが上端部109tの下端に当接している。図26に示す抜け止め突部51hは、上端部51h−uが上端部109tの下端に当接するとともに、中壁部構成片25aが上端部109tの側面(内壁109aの上端部)に当接している。先端部51h−tは内壁109aの下端部に当接していない。最後に、図27に示す抜け止め突部51hは、先端部51h−tが内壁109aの下端部に、上端部51h−uが上端部109tの下端に、さらに、中壁部構成片25aが上端部109tの側面に、それぞれ当接している。
(キャップの第10変形例)
図28を参照しながら、第10変形例に係るキャップ1Iについて説明する。図28は環状巻締部109の上端部109tとの係合構造を示す縦断面図であり、図22(b)楕円内拡大図に対応させたものである。したがって、図28では原則として図22(b)楕円内拡大図に示す符号をそのまま使用するとともに、説明に必要となった部位について符号を付記してある。すなわち、キャップ1Iに係る中壁部構成片25aには、環状巻締部109の上端部109tを部分的に嵌合可能な嵌合凹部25a−cを厚み方向(図28の横方向)に形成してある。環状巻締部109の上端部109tと嵌合凹部25a−cとの嵌合によって、図24乃至27に示す嵌合パターンと併せて補助的に、又は、同嵌合パターンとは無関係にキャップIIの保持が行われる。
(キャップの第11変形例)
図29及び30を参照しながら、第11変形例に係るキャップについて説明する。図29は、第11変形例に係るキャップの平面図である。図30は、図29に示すキャップのXj−Xj断面図である。第9変形例に係るキャップ1Jは前述した第7変形例に係るキャップ1Gの変形例である。すなわち、キャップ1Jでは肉厚に形成した環状外壁部28jがキャップ1Gでは肉厚に形成していない点である。上記相違点を除いた他の部材については、キャップ1Jとキャップ1Gとの間で共通する。作用効果についても両者間で異なる点はない。環状外壁部28jを肉厚に形成したのは、その貼り付け面積をできるだけ大きくすることによって、その上面に貼り付けた粘着シールSを保持し易くするためである。上記相違点以外の部位(共通部材)については、図18及び19に示した符号を図29及び30に、それぞれ示すに止め、それらについての説明を省略する。
(キャップの第12変形例)
図31及び32を参照しながら、第12変形例に係るキャップについて説明する。図31は、第12変形例に係るキャップの平面図である。図32は、図30に示すキャップの縦断面図である。第12変形例に係るキャップ1Kは前述した第7変形例に係るキャップ1Gの変形例である。すなわち、キャップ1Kでは、環状外壁部28kの上端部に、中心方向に突き出す複数の支持片28k´,・・を周方向所定間隔で配してある。支持片28k´各々の上面が、環状外壁部28kの上端面とともに粘着シールSを貼り付け可能に構成してある。つまり、支持片28k´,・・は、キャップ1Kが粘着シールSをより貼り付け保持し易くするための部材である。なお、キャップ1Gとキャップ1Kとの間で共通する部材については、図18に示した符号を図31及び32に示す。
(キャップの第13変形例)
図33乃至34を参照しながら、第13変形例に係るキャップについて説明する。図33は、第13変形例に係るキャップの平面図である。図34は、図33に示すキャップのXm−Xm断面図である。第13変形例に係るキャップ1Mは、キャップ1に抜け止め突部51mを設けたものである。すなわち、環状中壁部25を分割することによって形成された各中壁部構成片25aに、嵌め込まれた環状巻締部109の上端部109t方向に突き出る抜け止め突部51mを形成してある。抜け止め突部51m,・・は、環状凹部107に各嵌合部構成片33を嵌め入れるときに環状巻締部109の上端部109tに当接して嵌合部構成片33を中心方向に弾性変位させて通過を許容させ、環状巻締部109の上端部109tを通過した後の弾性復帰によって環状巻締部上端部下端に係合可能に構成してある。なお、キャップ1とキャップ1Mとの間で共通する部材については、図2及び3に示した符号を図33及び34に示す。
本実施形態に係るスプレー缶用キャップの斜視図である。 スプレー缶用キャップの平面図である。 図2に示すスプレー缶用キャップのX−X断面図である。 ガス抜き時のスプレー缶用キャップを示す縦断面図である。 図4に示すスプレー缶用キャップの斜視図である。 スプレー缶用ガスキャップの縦断面図及び同平面図である。 ガス抜き時の嵌合構造の作用を示す縦断面図である。 スプレー缶用キャップの第1変形例を示す縦断面図である。 スプレー缶用キャップの第2変形例を示す縦断面図である。 スプレー缶用キャップの第3変形例を示す平面図である。 スプレー缶用キャップの第4変形例を示す縦断面図である。 スプレー缶用キャップの第4変形例を示す縦断面図である。 第5変形例に係るキャップの平面図である。 図13に示すキャップのXe−Xe断面図である。 第6変形例に係るキャップの平面図である。 図15に示すキャップのXf−Xf断面図である。 ガス抜き時の嵌合構造の作用を示す縦断面図である。 第7変形例に係るキャップの平面図である。 図18に示すキャップのXg−Xg断面図である。 第8変形例に係るキャップの平面図である。 図20に示すキャップのXh−Xh断面図である。 ガス抜き時の嵌合構造の作用を示す縦断面図である。 第9変形例に係るキャップの縦断面図である。 係合パターンを示す縦断面図である。 係合パターンを示す縦断面図である。 係合パターンを示す縦断面図である。 係合パターンを示す縦断面図である。 第10変形例に係るキャップの係合構造を示す縦断面図である。 第11変形例に係るキャップの平面図である。 図29に示すキャップのXj−Xj断面図である。 第12変形例に係るキャップの平面図である。 図30に示すキャップの縦断面図である。 第13変形例に係るキャップの平面図である。 図33に示すキャップのXm−Xm断面図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F キャップ
1G,1H,1I,1J,1K,1M キャップ
3 円形天板部
5 筒状側壁部
7 スプレー缶着脱構造
9 嵌合構造
11,11´ ガス抜き構造
19 カシメ部収納凹部
19a 底部
21 環状嵌合部
23 環状内壁部
23a 内壁部構成片
23h 突出部
25 環状中壁部
25a 中壁部構成片
25p 環状中壁部
27 天板環状部位
27a 環状部位構成片
27h 逃げ孔
28,28g,28j,28k 環状外壁部
28k´ 支持片
29 溝底環状部位
30 環状受入凹部
31 分割スリット
33 嵌合部構成片
37,37´ 筒状壁部
39,39´ 押圧部
39a 円筒部材
39c 中空部
39b 閉鎖部材
39d ガス抜き孔
39´g ガス溝
51,51f,51h,51´h,51m 抜け止め突部
101 スプレー缶
102 缶本体
103 ステム
103h ガス孔
104 噴射ヘッド
105 筒状カシメ部
107 環状凹部
109 環状巻締部
109a 内壁
109t 上端部
111 外環巻締部
S 粘着シール

Claims (18)

  1. ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してあり、
    装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成してある合成樹脂製のスプレー缶用キャップにおいて、
    当該嵌合構造が、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、
    当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してあり、
    当該環状嵌合部が、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してあり、
    当該カシメ部収納凹部内径を筒状カシメ部外径よりも小さく形成してあり、
    環状凹部に嵌め入れた各嵌合部構成片が、当該カシメ部収納凹部に圧入された筒状カシメ部から押圧力を受けて放射方向に弾性変位して環状巻締部内壁を押圧可能に構成してある
    ことを特徴とするスプレー缶用キャップ。
  2. ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲するとともに上端部が中心方向に突出する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してあり、
    装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成してある合成樹脂製のスプレー缶用キャップにおいて、
    当該嵌合構造が、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、
    当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してあり、
    当該環状嵌合部が、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してあり、
    当該カシメ部収納凹部内径を筒状カシメ部外径よりも小さく形成してあり、
    当該環状中壁部を分割することによって形成された各中壁部構成片には、嵌め込まれた環状巻締部の上端部方向に突き出る抜け止め突部を形成してあり、
    当該抜け止め突部各々が、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときに環状巻締部の上端部に当接して嵌合部構成片を中心方向に弾性変位させて通過を許容させ、環状巻締部の上端部を通過した後の弾性復帰によって環状巻締部上端部下端に係合可能に構成してある
    ことを特徴とするスプレー缶用キャップ。
  3. 前記嵌合部構成片各々が有する中壁部構成片を、キャップ内部から前記円形天板部に向かって、環状凹部に嵌め入れた際に環状巻締部内壁に近づく方向に傾斜させてある
    ことを特徴とする請求項1記載のスプレー缶用キャップ。
  4. ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲するとともに上端部が中心方向に突出する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してあり、
    装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成してある合成樹脂製のスプレー缶用キャップにおいて、
    当該嵌合構造が、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、
    当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してあり、
    当該環状嵌合部が、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してあり、
    当該環状内壁部内径を筒状カシメ部外径よりも大きく形成してあり、
    当該環状中壁部を分割することによって形成された各中壁部構成片には、嵌め込まれた環状巻締部の上端部方向に突き出る抜け止め突部を形成してあり、
    当該抜け止め突部各々が、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときに環状巻締部の上端部に当接して嵌合部構成片を中心方向に弾性変位させて通過を許容させ、環状巻締部の上端部を通過した後の弾性復帰によって環状巻締部の上端部下端に係合可能に構成してある
    ことを特徴とするスプレー缶用キャップ。
  5. ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲するとともに上端部が中心方向に突出する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してあり、
    装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成してある合成樹脂製のスプレー缶用キャップにおいて、
    当該嵌合構造が、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、
    当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してあり、
    当該環状嵌合部が、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してあり、
    当該環状内壁部を分割することによって形成された各内壁構成片には、筒状カシメ部方向に突き出る突出部を形成してあり、
    当該環状中壁部を分割することによって形成された各中壁部構成片には、当該環状巻締部の上端部方向に突き出る抜け止め突部を形成してあり、
    当該突出部各々が、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときに筒状カシメ部から押圧力を受けて嵌合部構成片を放射方向に弾性変位させることによって、当該抜け止め突部各々が当該環状巻締部の上端部下端に係合可能に構成してある
    ことを特徴とするスプレー缶用キャップ。
  6. ステムを出没自在に気密支持する筒状カシメ部と、当該筒状カシメ部を環状凹部を介して包囲するとともに上端部が中心方向に突出する環状巻締部と、を上部に備えるスプレー缶に対して着脱自在に構成してあり、
    装着時に上面となる円形天板部と、当該円形天板部周縁と連続する筒状側壁部と、当該筒状側壁部の下部に形成したスプレー缶着脱構造と、上下逆装着時にスプレー缶と嵌合させるために当該円形天板部に形成した嵌合構造と、当該嵌合構造により嵌合させたときに受け入れたステムを押圧してガス抜きするためのガス抜き構造と、を含めて構成してある合成樹脂製のスプレー缶用キャップにおいて、
    当該嵌合構造が、当該円形天板部略中央からキャップ内側方向に突き出る環状内壁部により囲まれたカシメ部収納凹部と、
    当該環状内壁部と、当該環状内壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状内壁部を同心状に囲む環状中壁部と、当該環状内壁部基端と当該環状中壁部基端とを連結する天板環状部位と、により嵌合時縦断面略U字状に形成した環状嵌合部と、を含めて構成してあり、
    当該環状嵌合部が、スプレー缶の環状凹部に嵌め入れ可能に形成してあり、かつ、放射方向に延びる複数の分割スリットによって複数の嵌合部構成片に周方向分割してあり、
    当該環状内壁部を分割することによって形成された各内壁構成片には、筒状カシメ部方向に突き出る突出部を形成してあり、
    当該環状中壁部を分割することによって形成された各中壁部構成片には、当該環状巻締部の上端部方向に突き出る抜け止め突部を形成してあり、
    当該突出部各々が、環状凹部に各嵌合部構成片を嵌め入れるときに筒状カシメ部から押圧力を受けて嵌合部構成片を放射方向に弾性変位させるように、かつ、当該抜け止め突部が、嵌め入れるときに環状巻締部の上端部に当接して当該中壁部構成片を中心方向に弾性変形させ環状巻締部の上端部を乗り越えたところで元の位置に弾性復帰するように、構成することによって、当該抜け止め突部各々が環状巻締部の上端部下端に係合可能に構成してある
    ことを特徴とするスプレー缶用キャップ。
  7. 前記突出部が、当該抜け止め突部を環状巻締部の上端部下端に係合させるに足る押圧力を、前記抜け止め突部が環状巻締部の上端部を乗り越えた後に筒状カシメ部から受け得る形状に形成してある
    ことを特徴とする請求項6記載のスプレー缶用キャップ。
  8. 前記ガス抜き構造が、ステム受入のために前記カシメ部収納凹部の底部からキャップ内側方向に突き出る筒状壁部と、当該筒状壁部の先端に位置して受け入れたステムを押圧するための押圧部と、当該押圧部に貫通形成したガス抜き孔と、を含めて構成してある
    ことを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載のスプレー缶用キャップ。
  9. 前記ガス抜き構造が、ステム受入のために前記カシメ部収納凹部の底部からキャップ内側方向に突き出る筒状壁部と、当該筒状壁部の先端に位置して受け入れたステムを押圧してガス噴出させるための押圧部と、前記分割スリットと、を含めて構成してあり、
    当該筒状壁部が、ステムから噴出したガスを案内して当該分割スリットから放出可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載のスプレー缶用キャップ。
  10. 前記押圧部が、ステム上端面に当接してステム上端面との間にガス噴出路を形成可能な凹凸当接面を含めて構成してある
    ことを特徴とする請求項9記載のスプレー缶用キャップ。
  11. 前記円形天板部には、前記環状中壁部と、当該環状中壁部の外側からキャップ内側方向に突き出して当該環状中壁部を同心状に囲む環状外壁部と、当該環状中壁部先端と当該環状外壁部先端とを連結する溝底環状部位と、により通常使用時縦断面略U字状に形成した環状受入凹部を、さらに形成してあり、
    当該環状受入凹部が、スプレー缶が環状巻締部の外径よりも大きな外径の外環巻締部を有する場合に前記嵌合構造の嵌合を妨げることなく当該外環巻締部を収納可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載のスプレー缶用キャップ。
  12. 前記環状中壁部を囲む環状外壁部を、前記円形天板部上面から起立形成してあり、
    当該環状外壁部が、逆装着時に環状巻締部外周に係合可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項1乃至11いずれか記載のスプレー缶用キャップ。
  13. 前記環状中壁部を囲む環状外壁部を、前記円形天板部上面から起立形成してあり、
    当該環状外壁部の外周面と前記筒状側壁部の外周面とを連続面となるように形成してあり、
    当該環状外壁部の上端面と前記天板環状部位上面とに粘着シールを貼り付け可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載のスプレー缶用キャップ。
  14. 前記環状外壁部の上端部肉厚が、前記筒状側壁部の肉厚よりも厚く形成することによって粘着シールを当該環状外壁部上端面に保持し易くなるように構成してある
    ことを特徴とする請求項13記載のスプレー缶用キャップ。
  15. 前記環状外壁部の上端部には、中心方向に突き出す複数の支持片を周方向所定間隔で配してあり、
    当該支持片各々の上が、前記環状外壁部上端面とともに、若しくは、前記環状外壁部上端面の代わりに、粘着シールを貼り付け可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項13記載のスプレー缶用キャップ。
  16. 前記複数の嵌合部構成片のうち少なくとも1個が含む前記天板環状部位には、当該環状部位の弾性変形を補助するための逃げ孔を貫通形成してある
    ことを特徴とする請求項1乃至15いずれか記載のスプレー缶用キャップ。
  17. 前記中壁部構成片には、環状巻締部の上端部を部分的に嵌合可能な嵌合凹部を厚み方向に形成してある
    ことを特徴とする請求項1乃至16いずれか記載のスプレー缶用キャップ。
  18. 請求項1乃至17いずれかのスプレー缶用キャップを有するスプレー缶。
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