JP3944412B2 - 折り畳みコンテナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、底部を囲むように配設された側壁が、底部に重なるように折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来,一例として、図13〜図16に示されているように、平面形状が略長方形の底部1’が、その相対する長辺側に形成された高さの低い土手部(以下、単に、長辺側土手部という。)1a’と、相対する短辺側に形成された高さの高い土手部(以下、単に、短辺側土手部という。)1b’とを有するとともに、長辺側土手部1a’に、長側壁2’がヒンジ連結され、また、短辺側土手部1b’に、短側壁3’がヒンジ連結された折り畳みコンテナーが知られている。
【0003】
底部1’の短辺側土手部1b’の両端部からは、長辺側土手部1a’方向に延在する角部載置ブロック1c’が形成されており、また、必要に応じて、長辺側土手部1a’の上面中央部には、正面形状(長辺側土手部1a’側から見た形状)が略方形状の載置ブロック1d’が突設されている。
【0004】
上述したように、底部1’の短辺側土手部1b’の両端部からは、長辺側土手部1a’方向に延在する角部載置ブロック1c’が形成されているので、長側壁2’の下部角部には、折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際に、角部載置ブロック1c’が入り込む切り欠き凹部2a’が形成されている。なお、底部1’の長辺側土手部1a’の上面中央部に、載置ブロック1d’が突設されている場合には、長側壁2’の下部中央部には、折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際に、載置ブロック1d’が入り込むことが可能な切り欠き凹部2b’が形成されることになる。
【0005】
4’は、短側壁3’の両端部から、短側壁3’の内面3a’に対して直角方向に延在する係合枠であり、係合枠4’には、適当数の嵌合孔4a’が穿設されている。5’は、係合枠4’付近の短側壁3’に形成された係止弾性片であり、係止弾性片5’の先端部には、短側壁3’の内面3a’を越えて内側に突出した係止突部5a’が形成されている。6’は、長側壁2’の両端部付近に形成された張出枠であり、張出枠6’には、短側壁3’の係合枠4’に穿設された嵌合孔4a’に挿入可能な嵌合突部6a’が形成されている。
【0006】
図13に示されているように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳むには、先ず最初に、底部1’の長辺側土手部1a’にヒンジ連結された長側壁2’を、底部1’方向に倒して、図14に示されているように、底部1’の上に重ね、次いで、底部1’の短辺側土手部1b’にヒンジ連結された短側壁3’を、底部1’方向に倒して、底部1’に重ねられた長側壁2’の上に重ねることにより、図15に示されているように、高さの低いコンパクトな状態に折り畳むことができるように構成されている。
【0007】
また、折り畳まれた状態から、後から倒された短側壁3’を、略垂直に立て、次いで、先に倒された長側壁2’を略垂直に立てることにより、箱型に組み立てることができるように構成されている。折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際には、短側壁3’の係合枠4’に穿設された嵌合孔4a’に、長側壁2’の張出枠6’に形成された嵌合突部6a’が挿入されるとともに、長側壁2’の内面2c’が、短側壁3’の係止弾性片5’の係止突部5a’に当接し、箱型に組み立てられた状態において、長側壁2’が、簡単には、底部1’方向に倒れないように構成されている。
【0008】
また、底部1の長辺側土手部1a’には、図14や図16に示されているように、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態において、係合枠4’付近の短側壁3’に形成された係止弾性片5’の先端部から、短側壁3’の内面3a’を越えて内側に突出した係止突部5a’が挿入可能な内側及び上部が開放された凹部1a1’が形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の折り畳みコンテナーにおいては、折り畳みコンテナーが折り畳まれた際に、短側壁3’に形成された係止弾性片5’の係止突部5a’が挿入可能な凹部1a1’が、底部1’の長辺側土手部1a’に形成されているために、折り畳みコンテナーが、図13に示されているように、箱型に組み立てられた際には、図13や図16に示されているように、底部1’の長辺側土手部1a’の内面1a2’側に、凹部1a1’が露出することになり、この凹部1a1’に、収容された物品が入り込んだり、収容された物品を取り出す際に、物品が、この凹部1a1’の上方に位置する長側壁2’の下端面2d’に引っ掛かり、物品の取り出し作業性が悪くなるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、上述した従来の折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、底部にヒンジ連結された4つの側壁を有するとともに、底部に側壁を重ねるようにして折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳む際に、後から倒される側壁には、先端に係止突部が突設された係止弾性片が形成されており、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態においては、前記係止弾性片の係止突部が、先に倒された側壁の周辺リブを形成する下部水平部と底部の外壁と底部の底板とにより形成され、且つ、上方が開放された空間部に挿入されるように構成したものである。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものでない。なお、以下に説明する本実施例には、上述した従来の折り畳みコンテナーと異なり、箱型に組み立てられた状態から、先に短側壁が倒され、その後、長側壁が倒される例が示されているが、当然のことながら、従来の折り畳みコンテナーと同様に、先に長側壁が倒され、その後、短側壁が倒されるように構成することもできる。
【0013】
本発明の全体構成は、底部1と、底部1にヒンジ連結された相対する長側壁2と、同じく、底部1にヒンジ連結された相対する短側壁3とから構成されており、図1に示されている箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、短側壁3を、図2に示されているように、底部1に重なるように倒し、次いで、長側壁2を、底部1に重ねられた短側壁3に重なるように倒すことにより、図3に示されているように、折り畳みコンテナーをコンパクトに折り畳むことができるように構成されている。また、図3に示されている状態から、先ず最初に、長側壁2を略垂直に立て、次いで、短側壁3を略垂直に立てることにより、図1に示されているように、折り畳まれていた折り畳みコンテナーを、箱型に組み立てることができる。
【0014】
次に、主として、図4を用いて、底部1について説明する。
【0015】
底部1は、平面形状が略長方形に形成されており、底部1の相対する長辺側には、長手方向に対して垂直な断面形状が略逆U字状の長辺側土手部1aが形成されている。長辺側土手部1aの外側上面には、長辺側土手部1aの外側面と面一な、上方に延在する外壁(以下、長辺側外壁という。)1bが形成されており、また、長辺側土手部1aの内側上面には、長辺側ヒンジ雌部H1を構成する板状部h1が上方に延在するとともに、板状部h1の上部には、その先端が長辺側外壁1b方向に湾曲したフックh2が形成されている。長辺側土手部1aには、長辺側ヒンジ雌部H1が、所定の間隔で適当数、形成されている。なお、本実施例には、7個の長辺側ヒンジ雌部H1が形成されている例が示されている。そして、長辺側ヒンジ雌部H1は、長辺側外壁1bと略同じ高さに形成されている。
【0016】
底部1の相対する短辺側には、長辺側土手部1aに形成された長辺側外壁1bより、高さの低い外壁(以下、短辺側外壁という。)1cが形成されており、短辺側外壁1cには、所定の間隔を置いて、外側及び上方が開口された一対の嵌合凹部1c1が形成されている。また、短辺側外壁1cに沿って、且つ、短辺側外壁1cに接近して、底部1には、板状部h1と、短辺側外壁1c方向に湾曲したフックh2とからなる、上述した長辺側ヒンジ雌部H1と同様の短辺側ヒンジ雌部H2が形成されている。なお、本実施例には、短辺側ヒンジ雌部H2が、3個、配設されている例が示されている。そして、短辺側ヒンジ雌部H2は、短辺側外壁1cの高さと略同じ高さに形成されている。短辺側外壁1cは、底部1の短辺側より、若干、内側に配設されており、短辺側外壁1cの外側に位置する底部1には、帯状領域1c2が形成されている。
【0017】
底部1の4つの角部には、短辺側外壁1c及び長辺側外壁1bを越えて上方に延在する、平面形状が略L字状の角部載置ブロック1dが形成されている。角部載置ブロック1dは、長辺側土手部1aと略同じ幅で、長辺側土手部1a方向に延在する長辺側部分1d1と、短辺側外壁1cより内側で、且つ、短辺側外壁1cに沿って延在する短辺側部分1d2とを有しており、短辺側部分1d2の外側には、段部1d3が形成されている。
【0018】
1eは、長辺側土手部1aの上面と長辺側外壁1bの内壁面とにより形成される隅部に、所定の間隔を置いて適当数形成された長辺側載置ブロックであり、長辺側載置ブロック1eは、上述した角部載置ブロック1dと同じ高さを有している。本実施例においては、角部載置ブロック1dと角部載置ブロック1dに隣接する長辺側ヒンジ雌部H1との間、及び、隣接する長辺側ヒンジ雌部H1間に形成されており、合計で、6個の長辺側載置ブロック1eが形成されている。1fは、長辺側土手部1aの上面と長辺側外壁1bの内壁面とにより形成される隅部の適当な箇所に形成された板状の補強リブであり、補強リブ1fは、長辺側外壁1bを越えて上方に延在しないように形成されている。
【0019】
次に、主として、図5及び図6を用いて、長側壁2について説明する。
【0020】
長側壁2は、横長の略長方形状の板状部2aを有しており、板状部2aには、板状部2aの上下端辺及び左右端辺に沿って、板状部2aの面に対して垂直に延在する周辺リブ2bが延設されている。周辺リブ2bにより囲まれた板状部2aには、適宜、垂直方向及び水平方向に延在する補強リブ2cが、適当本数、形成されている。周辺リブ2bや補強リブ2cが形成されている側が、箱型に組み立てられた際の折り畳みコンテナーの外側に位置し、長側壁2の外壁面を形成するとともに、このような周辺リブ2bや補強リブ2cが形成されていない、平坦な側が、箱型に組み立てられた際の折り畳みコンテナーの内側に位置し、長側壁2の内壁面を形成することになる。
【0021】
長側壁2の両垂直端には、板状部2aに略垂直に、且つ、長側壁2の内壁面方向に延在する、縦長の係合枠2dが形成されており。係合枠2dには、上下方向に所定の間隔を置いて、板状部2aに略平行な嵌合孔2e1、2e2、2e3が形成されている。嵌合孔2e1、2e2、2e3のうち、中央に位置する嵌合孔2e2の周囲には、板状部2aと共働して、嵌合孔2e2を囲むように、且つ、板状部2aに連結された略コの字状の補強土手部2e4が形成されており、このような、補強土手部2e4を形成することにより、係合枠2dの強度及び剛性を高めることができる。
【0022】
長側壁2の板状部2aの上部両端角部付近には、それぞれ、コの字状のスリット2fが形成されており、コの字状のスリット2fを形成することにより、スリット2fで囲まれた部分が、片持ち状の係止弾性片2gに形成されている。係止弾性片2gの内壁面側の先端には、板状部2aの内壁面から所定量、突出する係止突部2g1が突設されている。
【0023】
2hは、長側壁2の周辺リブ2bを構成する下部水平部2b1の裏面に、所定の間隔を置いて形成された、横長の下部ブロックであり、下部ブロック2h間には、上述した底部1に形成された長辺側載置ブロック1eが挿入可能な凹部2iが形成されている。各下部ブロック2hの下面には、所定の間隔を置いて、下端が半円形状の一対の支持片h3が垂設されており、また、支持片h3間には、水平ピンh4が架橋されており、一対の支持片h3と水平ピンh4とにより、上述した底部1の長辺側ヒンジ雌部H1に対応した長側壁側ヒンジ雄部H3が形成されている。なお、下部ブロック2hの下面の長側壁側ヒンジ雄部H3が形成されていない部分には、支持片h3と同様の補強片2jが垂設されており、また、隣り合う補強片2jと支持片h3或いは隣り合う補強片2j同士とは、連結板2kにより連結されている。長側壁側ヒンジ雄部H3を構成する支持片h3及び補強片2jの幅(長側壁2の板状部2aに対して、直交する方向の長さ)は、下部水平部2b1の幅(長側壁2の板状部2aに対して、直交する方向の長さ)より、狭く形成されているとともに、下部水平部2b1より引っ込んで配設されている。また、下部ブロック2h及び連結板2kの内壁面は、長側壁2の板状部2aの内壁面と、略面一になるように構成されている。
【0024】
2mは、長側壁2の周辺リブ2bを構成する下部水平部2b1の両端部付近に形成された、下方が解放された凹部であり、折り畳みコンテナーを、図3に示されているように、折り畳んだ際に、上述した底部1に形成された角部載置ブロック1dの短辺側部分1d2が挿入されるように構成されている。また、長側壁2の周辺リブ2bを構成する下部水平部2b1と、長側壁側ヒンジ雄部H3を構成する支持片h3とにより、角部切り欠き部2nが形成されており、この角部切り欠き部2nには、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、上述した底部1に形成された角部載置ブロック1dの長辺側部分1d1が挿入されるように構成されている。なお、2pは、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、上述した補強リブ1fが挿入可能なスリットである。
【0025】
次に、図7及び図8を用いて、短側壁3について説明する。
【0026】
短側壁3は、横長の略長方形状の板状部3aを有しており、板状部3aには、板状部3aの上下端辺及び左右端辺に沿って、板状部3aの面に対して垂直に延在する周辺リブ3bが延設されている。周辺リブ3bを形成する略垂直な側部3b1の外側には、張出枠3cが形成されている。張出枠3cの下面と周辺リブ3bを形成する略垂直な側部3b1とにより、張出枠3cの下部には、角部切り欠き部3dが形成されており、この角部切り欠き部3dには、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、上述した底部1に形成された角部載置ブロック1dの短辺側部分1d2が挿入されるように構成されている。
【0027】
張出枠3cには、嵌合突部3e1、3e2、3e3が形成されており、嵌合突部3e1、3e2、3e3は、上述した長側壁2の係合枠2dに形成された嵌合孔2e1、2e2、2e3に挿入されるように構成されている。中央に位置する嵌合突部3e2の上下部分には、凹部3fが形成されており、中央に位置する嵌合突部3e2は、上下に位置する嵌合突部3e1、3e3に比べて、その長さが長く形成されており、そして、上記の凹部3fには、折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際に、長側壁2の係合枠2dの中央に位置する嵌合孔2e2の周囲に形成された補強土手部2e4が挿入されるように構成されている。
【0028】
周辺リブ3bを形成する下部水平部3b2の下面には、上述した長側壁側ヒンジ雄部H3を構成する支持片h3と同様の一対の支持片h3が垂設されており、また、支持片h3間には、同様の水平ピンh4が架橋されており、一対の支持片h3と水平ピンh4とにより、上述した底部1の短辺側ヒンジ雌部H2に対応した短側壁側ヒンジ雄部H4が形成されている。また、短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3に隣接して、上述した長側壁2に形成された補強片2jと同様の補強片3jが垂設されており、そして、隣り合う補強片3jと支持片h3とは、上述した長側壁2に形成された連結板2kと同様の連結板3kにより連結されている。短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3及び補強片3jの幅(板状部3aに対して、直交する方向の長さ)は、下部水平部3b2の幅(板状部3aに対して、直交する方向の長さ)より、狭く形成されているとともに、その先端が、下部水平部3b2の先端より引っ込んで配設されている。また、隣り合う補強片3jと支持片h3とを連結する連結板3kの内壁面は、短側壁3を形成する板状部3aの内壁面と、略面一になるように構成されている。なお、短側壁3の板状部3aには、必要に応じて、補強用の縦リブ3nや横リブ3pが、適宜、形成されている。3qは、下部水平部3b3の下面に垂設された補強片3j間に位置する一対の間隙であり、この間隙3qには、折り畳みコンテナーを折り畳んだ際に、底部1の短辺側外壁1cに形成された一対の嵌合凹部1c1を構成する膨出部1c3が挿入されるように構成されている。
【0029】
上述した構成を有する底部1、長側壁2及び短側壁3は、それぞれ、射出成形等により、合成樹脂で一体に成形することが好ましい。
【0030】
次に、底部1、長側壁2及び短側壁3を、折り畳みコンテナーに組み立てる作業について説明する。
【0031】
底部1に、長側壁2をヒンジ連結するには、底部1の長辺側土手部1aに沿って形成された長辺側ヒンジ雌部H1のフックh2と長辺側外壁1bとの間隙に、長側壁2の長側壁側ヒンジ雄部H3の水平ピンh4を嵌入するとともに、水平ピンh4を、上記底部1の長辺側ヒンジ雌部H1のフックh2に引っ掛けることにより、底部1と長側壁2をヒンジ連結する。この際、上述したように、長側壁2の周辺リブ2bを構成する下部水平部2b1の裏面に配設された下部ブロック2h間に形成されている凹部2iには、底部1に形成された長辺側載置ブロック1eが挿入されるように構成されている。
【0032】
また、底部1に、短側壁3を連結するには、底部1の短辺側外壁1cに沿って形成された短辺側ヒンジ雌部H2のフックh2と短辺側外壁1cとの間隙に、短側壁3の短側壁側ヒンジ雄部H4の水平ピンh4を嵌入するとともに、水平ピンh4を、上記底部1の短辺側ヒンジ雌部H2のフックh2に引っ掛けることにより、底部1と短側壁3をヒンジ連結する。
【0033】
上述ようにして、底部1と長側壁2とがヒンジ連結されるとともに、底部1と短側壁3とがヒンジ連結されて、折り畳みコンテナーが組み立てられることになる。
【0034】
図3に示されているように折り畳まれた状態から、図1に示されているように、箱型に折り畳みコンテナーを組み立てるには、先ず最初に、図2に示されているように、長側壁2を略垂直に立てる。次いで、底部1に重なるようにして折り畳まれている短側壁3を、略水平状態から垂直方向に回動させると、短側壁3の張出枠3cが、長側壁2に形成された係合枠2dに対向するように接近し、更に、短側壁3を、垂直方向に回動させると、短側壁3の張出枠3cの端部垂直リブ3c2が、長側壁2の内壁面から突出している係止弾性片2gの係止突部2g1を押して、係止弾性片2gを、外側面方向に、係止弾性片2gの弾性に抗して、回動させる。更に、短側壁3を、垂直方向に回動させると、短側壁3の張出部3cに突設された嵌合突部3e1、3e2、3e3が、長側壁2の係合枠2dに形成された嵌合孔2e1、2e2、2e3に挿入される。この短側壁3の張出枠3cに突設された嵌合突部3e1、3e2、3e3が、長側壁2の係合枠2dに形成された嵌合孔2e1、2e2、2e3に挿入される過程において、短側壁3の張出部3cの端部垂直リブ3c2から、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1が外れて、係止弾性片2gが、その弾性により、元の位置に戻り、係止弾性片2gの係止突部2g1が、短側壁3の内壁面に当接し、従って、短側壁3の底部1方向への回動が阻止されることになる。
【0035】
箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳む際には、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1を、係止突部2g1が、短側壁3の内壁面から外れる方向、即ち、外側方向に押して、長側壁2の係止弾性片2gを、その弾性に抗して湾曲させる。長側壁2に形成された長側壁2の係止弾性片2gの係止突部2g1が、短側壁3の内壁面から外れた時点で、短側壁3を、底部1方向に回動させて、一対の相対する短側壁3を、底部1上に重ねる。次いで、一対の相対する長側壁2を、底部1上に重ねられた一対の相対する短側壁3の上に重ねることにより、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳むことができる。
【0036】
箱型に組み立てられている折り畳みコンテナーを折り畳むには、上述したように、先ず最初に、短側壁3を、底部1に重ねるように倒すことになるが、短側壁3が倒された際には、短側壁3の下部水平部3b2と底部1の短辺側外壁1cと底部1の底板1gとにより、上方が開放された空間部Sが形成されるように構成されている。本実施例においては、底部1の短辺側外壁1cには、折り畳み時に、長側壁2の係合枠2dの補強土手部2e4が挿入可能な嵌合凹部1c1を形成する膨出部1c3が配設されているので、空間部Sは、膨出部1c3間に位置する1つの中央空間部S1と、膨出部1c3と底部1に形成された角部載置ブロック1dとの間に位置する2つの端部空間部S2とから構成されている。勿論、長側壁2の係合枠2dの補強土手部2e4が形成されていない場合には、上記の嵌合凹部1c1を形成する必要がないので、1つの大きな空間部が形成されることになる。
【0037】
上述したように、短側壁3を、底部1に重ねるように倒した後に、長側壁2を倒すことになるが、長側壁2が、底部1に重ねられた短側壁3の上に倒された際には、上述したように、長側壁2の係合枠2dの補強土手部2e4が、底部1の短辺側外壁1cに形成された嵌合凹部1c1に挿入されるとともに、長側壁2の係合枠2dが、底部1の短辺側外壁1cの外側に形成された帯状領域1c2に載置或いは帯状領域1c2の上方に位置するように構成されている。また、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1が、上述した短側壁3の下部水平部3b2と底部1の短辺側外壁1cと底部1の底板1gとにより形成された空間部Sに挿入されるように構成されている。なお、本実施例においては、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1は、上述した短側壁3の下部水平部3b2と底部1の短辺側外壁1cと底部1の底板1gとにより形成された空間部Sのうち、膨出部1c3間に位置する1つの中央空間部S1に挿入されるように構成されている。
【0038】
上述したように、長側壁2が、底部1に重ねられた短側壁3の上に倒された際には、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1が、短側壁3の下部水平部3b2と底部1の短辺側外壁1cと底部1の底板1gとにより形成された空間部Sに挿入されるように構成されているので、従来の折り畳みコンテナーのように、折り畳み時に、短側壁3’に形成された弾性係止舌片5’の突出部5a’を挿入するための内側及び上部が開放された凹部1a1’を、底部1に形成する必要がないので、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの長側壁2の内壁面と底部1の短辺側外壁1cの内壁面とを略面一に形成することができ、従って、折り畳みコンテナーに収容された物品が、凹部1a1’に入り込んだり、凹部1a1’の上方に位置する長側壁2’の下端面2d’に引っ掛かり、物品の取り出し作業性が悪くなるというような問題を解消することができる。
【0039】
また、長側壁2が、底部1に重ねられた短側壁3の上に倒された際には、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1が、短側壁3の下部水平部3b2と底部1の短辺側外壁1cと底部1の底板1gとにより形成された空間部Sに挿入されるように構成されているので、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1が、底部1の短辺側外壁1cや短側壁3に載置されて、長側壁2が浮き上がり、折り畳みコンテナ−の折り畳み時の高さが高くなったり、長側壁2が略水平状に折り畳まれずに、長側壁2が傾斜するようなことを防止することができる。
【0040】
なお、折り畳みコンテナーの折り畳み作業の際に、後から倒される長側壁2に形成された係止弾性片2g、特に、係止弾性片2gの係止突部2g1が、先に倒された短側壁3に形成された周辺リブ3bの下部水平部3b2に当接する場合には、周辺リブ3bの下部水平部3b2に、係止弾性片2gが入り込むような切り欠き凹部を設け、係止弾性片2gが、周辺リブ3bの下部水平部3b2に当接しないように構成する。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0042】
底部と底部にヒンジ連結された4つの側壁を有するとともに、底部に側壁を重ねるようにして折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、後から倒される側壁に配設された係止弾性片の係止突部が、先に倒された側壁の下部水平部と底部の外壁と底部の底板とにより形成された空間部に挿入されるように構成されているので、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの先に倒される側壁の内壁面と底部の外壁の内壁面とを略面一に形成することができ、従って、折り畳みコンテナーに収容された物品が、従来の折り畳みコンテナーのように、凹部に入り込んだり、或いは、物品の取り出し作業性が悪くなるというような問題を解消することができる。
【0043】
また、底部と底部にヒンジ連結された4つの側壁を有するとともに、底部に側壁を重ねるようにして折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、後から倒される側壁に配設された係止弾性片の係止突部が、先に倒された側壁の下部水平部と底部の外壁と底部の底板とにより形成された空間部に挿入されるように構成されているので、後から倒される側壁に形成された係止弾性片の係止突部が、底部の外壁や先に倒された側壁に載置されて、後から倒される側壁が浮き上がり、折り畳みコンテナ−の折り畳み時の高さが高くなったり、後から倒される側壁が略水平状に折り畳まれずに傾斜するようなことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の折り畳みコンテナーの箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図2】図2は本発明の折り畳みコンテナーの組み立て或いは折り畳み途中の斜視図である。
【図3】図3は本発明の折り畳みコンテナーの折り畳まれた状態の斜視図である。
【図4】図4は本発明の折り畳みコンテナーの底部の斜視図である。
【図5】図5は本発明の折り畳みコンテナーの長側壁の外壁面側から見た斜視図である。
【図6】図6は本発明の折り畳みコンテナーの長側壁の内壁面側から見た斜視図である。
【図7】図7は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の外壁面側から見た斜視図である。
【図8】図8は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の内壁面側から見た斜視図である。
【図9】図9は本発明の折り畳みコンテナーを構成する底部と長側壁と短側壁の部分分解斜視図である。
【図10】図10は本発明の折り畳みコンテナーの折り畳み途中の部分斜視図である。
【図11】図11は本発明の折り畳みコンテナーの折り畳み途中の部分拡大斜視図である。
【図12】図12は本発明の折り畳みコンテナーの折り畳まれた状態の部分拡大斜視図である。
【図13】図13は従来の折り畳みコンテナーの箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図14】図14は従来の折り畳みコンテナーの組み立て或いは折り畳み途中の斜視図である。
【図15】図15は従来の折り畳みコンテナーの折り畳まれた状態の斜視図である。
【図16】図16は従来の折り畳みコンテナーの底部と長側壁の部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
S・・・・・・・・・・・・空間部
1・・・・・・・・・・・・底部
1c・・・・・・・・・・・短辺側外壁
1g・・・・・・・・・・・底板
2・・・・・・・・・・・・長側壁
2g・・・・・・・・・・・係止弾性片
2g1・・・・・・・・・・係止凸部
3・・・・・・・・・・・・短側壁
Claims (1)
- 底部にヒンジ連結された4つの側壁を有するとともに、底部に側壁を重ねるようにして折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳む際に、後から倒される側壁には、先端に係止突部が突設された係止弾性片が形成されており、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態においては、前記係止弾性片の係止突部が、先に倒された側壁の周辺リブを形成する下部水平部と底部の外壁と底部の底板とにより形成され、且つ、上方が開放された空間部に挿入されるように構成されていることを特徴とする折り畳みコンテナー。
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