JP4718737B2 - 折り畳みコンテナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、底部を囲むように配設された側壁が、底部に重なるように折り畳むことができる折り畳みコンテナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先ず最初に、図3〜図12を用いて、従来の折り畳みコンテナーについて説明する。
【0003】
先ず最初に、図3、図5及び図7を用いて、合成樹脂で一体に成形された底部について説明する。
【0004】
1は、平面形状が略長方形状の底部であり、底部1の相対する短辺側には、短辺に垂直な断面形状が、略逆U字状の短辺側土手部1aが形成されており、短辺側土手部1aの水平部1a1の上面1a1’の外側縁には、上方に延在する外壁(以下、単に、短辺側外壁という。)1bが、短辺側土手部1aの外壁面と略面一になるように立設されている。また、短辺側土手部1aの水平部1a1の上面1a1’の内側縁には、所定の間隔で、略垂直な板状部h1が立設されており、板状部h1の上端には、短辺側外壁1bの方向に延在するとともに下方に湾曲したフックh2が形成されており、板状部h1とフックh2とにより、短辺側ヒンジ雌部材H1が構成されている。短辺側ヒンジ雌部材H1は所定の間隔を置いて、適当数、形成されている。短辺側ヒンジ雌部材H1のフックh2の上端と、短辺側外壁1bの上端1b1とは同じ高さに形成されている。
【0005】
短辺側外壁1bの内面1b2と短辺側土手部1aの水平部1a1の上面1a1’とにより形成される隅部には、方形状の規制片1cが、所定数、形成されており、規制片1cの上端1c1は、短辺側外壁1bの上端1b1と同じ高さか或いは若干、高くなるように形成されており、また、規制片1cの垂直端1c2は、短辺側土手部1aの内壁面1a2と面一になるように構成されている。
【0006】
また、底部1の相対する長辺側には、短辺側土手部1aより低い、同様の長辺側土手部1dが形成されており、長辺側土手部1dの上面1d1の外側縁には、上方に延在する外壁(以下、単に、長辺側外壁という。)1eが、長辺側土手部1dの外壁面と略面一になるように、且つ、所定の間隙を置いて形成されている。図3には、長辺側外壁1eが、外壁中央部1e1と、外壁中央部1e1と所定の間隔を置いて配置された外壁端部1e2とから構成されている例が示されている。また、長辺側外壁1eの高さは、短辺側外壁1bの高さより低く形成されている。
【0007】
長辺側土手部1dの上面1d1の内側縁には、長辺側外壁1eを構成する外壁中央部1e1及び外壁端部1e2と対向するように、所定の間隔で、略垂直な板状部h1が立設されており、板状部h1の上端には、長辺側外壁1e方向に延在するとともに下方に湾曲したフックh2が形成されており、板状部h1とフックh2とにより、長辺側ヒンジ雌部材H2が構成されている。また、長辺側ヒンジ雌部材H1のフックh2の上端と、長辺側外壁1eを形成する外壁中央部1e1の上端1e1’及び外壁端部1e2の上端1e2’とは同じ高さに形成されている。この長辺側ヒンジ雌部材H2は、上述した短辺側ヒンジ雌部材H1と同一構造を有している。長辺側ヒンジ雌部材H2は、所定の間隔を置いて、適当数、形成されている。
【0008】
底部1の4つの角部には、長辺側外壁1e及び短辺側外壁1bを越えて上方に延在する、平面形状が略L字状の角部ブロック1fが形成されている。角部ブロック1fの内側には、短辺側ヒンジ雌部H1と略同じ高さを有する段部1f1が形成されている。
【0009】
次に、図4及び図5を用いて、合成樹脂で一体に成形された長側壁2について説明する。
【0010】
長側壁2は、横長の板状部2aと、横長の板状部2aの下端から水平方向に延在する下部フランジ2bと、横長の板状部2aの上端から水平方向に延在する上部フランジ2cと、横長の板状部2aの両端に形成されるとともに、下部フランジ2bの両端と上部フランジ2cの両端を連結する側部フランジ2dを有しており、下部フランジ2b、上部フランジ2c及び側部フランジ2dとにより囲まれた板状部2aには、長側壁2を補強するために、必要に応じて、適宜、適当数の横リブ2e及び縦リブ2fが形成されている。
【0011】
長側壁2の下部フランジ2bの下面には、上述した底部1の長辺側土手部1dに形成された長辺側ヒンジ雌部材H2に対応して、長側壁側ヒンジ雄部H3が形成されており、長側壁側ヒンジ雄部H3は、下部フランジ2bの下面に、所定の間隔を置いて垂設された一対の下端縁が略半円形状に形成された支持片h3と、一対の支持片h3に架橋された水平ピンh4とから構成されている。なお、2g1は、長側壁2の上部両端部に形成された一例としての長側壁側係止部材2gを形成する凸条である。
【0012】
2hは、長側壁2の下部角部に形成された切り欠き凹部であり、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、底部1の4つの角部に形成された略L字状の角部ブロック1fのうち、長側壁2側に延在する部分1f2が、長側壁2に干渉しないように、入り込むことができるように構成されている。なお、2iは、隣り合う支持片h3を連結する連結梁である。
【0013】
次に、図6及び図7を用いて、合成樹脂で一体に成形された短側壁3について説明する。
【0014】
短側壁3は、横長の板状部3aと、横長の板状部3aの下端から水平方向に延在する下部フランジ3bと、横長の板状部3aの上端から水平方向に延在する上部フランジ3cと、横長の板状部3aの両端に形成されるとともに、下部フランジ3bの両端と上部フランジ3cの両端を連結する側部フランジ3dを有しており、下部フランジ3b、上部フランジ3c及び側部フランジ3dとにより囲まれた板状部3aには、長側壁3を補強するために、必要に応じて、適宜、適当数の横リブ3e及び縦リブ3fが形成されている。
【0015】
短側壁3の下部フランジ3bの下面には、上述した底部1の短辺側土手部1bに形成された短辺側ヒンジ雌部材H1に対応して、短側壁側ヒンジ雄部H4が形成されており、短側壁側ヒンジ雄部H4は、下部フランジ3bの下面に、所定の間隔を置いて垂設された一対の下端縁が略半円形状に形成された支持片h3と、一対の支持片h3に架橋された水平ピンh4とから構成されている。短側壁側ヒンジ雄部H4は、上述した長側壁側ヒンジ雄部H3と同一構造を有している。なお、3gは、短側壁3の上部両端部から、板状部3aに対して略垂直に延在する一例としての短側壁側係止部材であり、短側壁側係止部材3gには、上述した長側壁側係止部材2gを構成する凸条2g1が挿入可能な嵌合孔3g1が形成されているとともに、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、長側壁2の内壁に当接する、上下スリット3g2間に形成された弾性を有する舌片3g3が形成されている。
【0016】
3hは、短側壁3の下部角部に形成された切り欠き凹部であり、折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた際に、底部1の4つの角部に形成された略L字状の角部ブロック1fのうち、短側壁3側に延在する部分1f3が、短側壁2に干渉しないように、入り込むことができるように構成されている。なお、3iは、短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3と同様の下部フランジ3bの下面に形成された垂下片であり、隣り合う支持片h3と垂下片3iとは、連結梁3jで連結されている。3kは、垂下片3i間に形成された間隙であり、折り畳みコンテナーを組み立てた際に、底部1に形成された方形状の規制片1cが挿入されるように構成されている。3mは、手持ち用開口である。
【0017】
次に、主として、図5及び図7を用いて、底部1、長側壁2及び短側壁3を、折り畳みコンテナーに組み立てる作業について説明する。
【0018】
底部1に、長側壁2を連結するには、底部1に形成された長辺側ヒンジ雌部材H2のフックh2と、長辺側外壁1eを構成する外壁中央部1e1と外壁端部1e2との間隙に、長側壁2に形成された長側壁側ヒンジ雄部H3の水平ピンh4を嵌入するとともに、水平ピンh4を、上記底部1に形成された長辺側ヒンジ雌部材H2のフックh2に引っ掛けることにより、底部1と長側壁2とをヒンジ連結する。
【0019】
また、底部1に、短側壁3を連結するには、同様にして、底部1に形成された短辺側ヒンジ雌部材H1のフックh2と、短辺側外壁1bとの間隙に、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4の水平ピンh4を嵌入するとともに、水平ピンh4を、上記底部1に形成された短辺側ヒンジ雌部材H1のフックh2に引っ掛けることにより、底部1と短側壁3とをヒンジ連結する。このヒンジ連結の際に、垂下片3i間に形成された間隙3kに、底部1に形成された規制片1cが挿入されるように構成されている。
【0020】
上述したようにして、底部1、長側壁2及び短側壁3をヒンジ連結して、折り畳みコンテナーを組み立てる。
【0021】
図8に示されているように、底部1の上に、長側壁2が重ねられ、更に、長側壁2の上に、短側壁3が重ねられた状態の折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態から、図10に示されているように、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てるには、先ず最初に、図9に示されているように、底部1及び長側壁2の上に重ねられている短側壁3を、略垂直に立てる。次いで、底部1の上に重ねられている長側壁2を垂直方向に回動させて、長側壁側係止部材2gの凸条2g1を.略垂直に立てられている短側壁3の短側壁側係止部材3gの嵌合孔3g1に挿入するとともに、短側壁側係止部材3gの弾性を有する舌片3g3を、長側壁2により押圧して外方向に移動させながら、更に長側壁2を回動すると、長側壁2と短側壁側係止部材3gの舌片3g3との衝合が外れて、舌片3g3が内側方向に、その弾性により戻り、長側壁2の内壁に当接し、後から略垂直に立てられた長側壁2が、簡単には、内側に倒れないように構成されている。
【0022】
上述したようにして、図10に示されているように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを、図8に示されているように、折り畳むには、短側壁3の短側壁側係止部材3gを構成する舌片3g3を外方向に移動させて、舌片3g3と長側壁2の内壁との当接状態を解除し、この状態で、長側壁2を底部1方向に倒して、長側壁2を底部1に重ねる。次いで、短側壁3を、底部1方向に倒して、短側壁3を底部1に重ねことにより、折り畳むことができる。なお、図8に示されているように、折り畳んだ状態においては、長辺側外壁1eを構成する外壁中央部1e1と外壁端部1e2との間に形成された長辺側外壁1eの間隙に、短側壁3に形成された短側壁側係止部材3gが挿入可能なように構成されており、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの高さが、より低くなるように構成されている。
【0023】
箱型に組み立てられた状態においては、図11に示されているように、短側壁3の下部フランジ3bの下面に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4の支持片h3の内側垂直端面(板状部3aに略平行で、且つ、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部側に位置する端面)h3aは、短側壁3の板状部3aの内面3a1と略面一になるように構成されており、また、支持片h3の外側垂直端面(板状部3aに略平行で、且つ、組み立てられた折り畳みコンテナーの短辺側外壁1b側に位置する端面)h3bは、短辺側外壁1bに近接して位置するように構成されている。支持片h3の板状部3aに対して直角方向の長さw1は、下部フランジ3bの下面の板状部3aに対して直角方向の長さw2より、短辺側外壁1bの肉厚w3分だけ短く形成されている。そして、箱型に組み立てられた状態においては、下部フランジ3bの支持片h3から外側に飛び出た部分が、短辺側外壁1bの上面1b3に載置されるように構成されている。
【0024】
上述した従来の折り畳みコンテナーが図8に示されているように、折り畳まれた状態においては、図12に示されているように、後から倒される短側壁3の下部フランジ3bに形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3の内側垂直端面h3aは、短辺側土手部1aの水平部1a1の上面1a1’に載置されることになる。そして、折り畳まれた状態においては、略水平状の短側壁3の上面3’(下部フランジ3bや上部フランジ3cや側部フランジ3d等により形成される仮想平面)は、角部ブロック1fの段部1f1と同じ高さか、或いは、段部1f1より、若干、低くなるように構成されている。なお、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの高さT’は、底部1の裏面(底部1の裏面1’には、交差リブ1gが形成されているので、交差リブ1gの下端が形成する仮想水平面ということになる。)1’から角部ブロック1fの上端1f2までとなる。
【0025】
折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを段積みした際には、上に位置する底部1の下面に形成された嵌合凸部1”の角部が、下に位置する折り畳みコンテナーの底部1の4つの角部に形成された角部ブロック1fの段部1f1に嵌合されるように構成されているとともに、底部1の短辺側土手部1a及び長辺側土手部1dの裏面が、角部ブロック1fの上端1f2に載置されるように構成されているので、折り畳まれた状態においては、角部ブロック1fの段部1f1の上面は、上述したように、後から倒される短側壁3の上面3’と同じ高さか、或いは、短側壁3の上面3’より、若干、上方に位置していなければならない。角部ブロック1fの段部1f1の上面が、後から倒される短側壁3の上面3’より低いと、段積みの際に、上に位置する折り畳みコンテナーの底部1の下面1’が、下に位置する折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの短側壁3の上面3’に当接し、短側壁3を損傷するという問題が発生することになる。
【0026】
上述した従来の折り畳みコンテナーにおいては、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの全体の高さが高く、従って、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの収納効率が悪いという問題があった。
【0027】
上述した従来の折り畳みコンテナーが有する課題を解決するために、本出願人は、先の出願である特願2001−207464号において、図13〜図15に記載されているような折り畳みコンテナーを提案した。即ち、この折り畳みコンテナーにおいては、後から倒される短側壁3の下部フランジ3bに形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3の内側垂直端面h3aが、可能な限り、短側壁3の板状部3aの内面3a1より引っ込むように構成されている。
【0028】
上述したように、支持片h3の内側垂直端面h3aを、短側壁3の板状部3aの内面3a1より、所定距離Dだけ引っ込ませることにより、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態においては、図14及び図15に示されているように、短側壁3の下部フランジ3bに形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3の内側垂直端面h3aが、短辺側土手部1aの水平部1a1の上面1a1’に載置された際には、支持片h3の内側垂直端面h3aが、短側壁3の板状部3aの内面3a1より引っ込んだ距離Dだけ、底部1の裏面1’から短側壁3の上面3’までの高さT1が、上述した従来の底部1の裏面1’から短側壁3の上面3’までの高さT1’より低くなる。
【0029】
上述したように、折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態において、底部1の裏面1’から短側壁3の上面3’までの高さT1が、上述した従来の高さT1’より、距離Dだけ低くなるので、角部ブロック1fの段部1f1の上面の高さ及び上端1f2の高さを、上記の距離Dだけ低くすることができ、従って、底部1の裏面1’から角部ブロック1fの上端1f2までの折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの全体の高さTを、従来の折り畳みコンテナーの全体の高さT’に比べて、距離D分だけ、低くすることができ、よって、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの収納効率を高めることができる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーを箱型に組み立てる際には、後から倒された相対する短側壁3を、先ず最初に、底部1に対して垂直に立てることになるが、先に倒された相対する長側壁2を垂直に立てる作業の間、上記の先に垂直に立てられた相対する短側壁3が、底部1方向に倒れないように、短側壁3には、自立手段が配設されている。
【0031】
上述したような自立手段として、図16に示されているように、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する下端縁が略半円形状に形成された支持片h3の下端部で、且つ、板状部3aの内面3a1側に、内側垂直端面h3aに対して略垂直な自立突起4を形成した場合には、短側壁3を、略水平に倒した際に、自立突起4が、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1の上面1a1’に載置され、従って、底部1の裏面1’から短側壁3の上面3’までの高さT1が、図15に示されている自立突起4が形成されていない場合に比べて、高くなってしまうという問題がある。
【0032】
本発明の目的は、上述した本出願人の先の出願に係る特願2001−207464号に開示されている折り畳みコンテナーに、上述したような自立手段を配設した場合に生ずる課題を解決することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、底部と、折り畳まれた状態から最初に、略垂直に立てられる一方の相対する側壁と、次いで、折り畳まれた状態から、略垂直に立てられるもう一方の相対する側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、前記最初に立てられる側壁の下部フランジには、支持片と該支持片に突設された水平ピンとからなるヒンジ雄部材が形成されているとともに、前記底部を構成する略逆U字状の土手部の水平部の上面には、板状部と該板状部の上端から下方に湾曲するフックとからなる、弾性変形可能なヒンジ雌部材が形成されており、前記最初に立てられる側壁に形成された前記ヒンジ雄部材の水平ピンを、前記底部に形成された前記弾性変形可能なヒンジ雌部材のフックに引っ掛けることにより、前記最初に立てられる側壁と前記底部とがヒンジ連結されるように構成されており、また、前記最初に立てられる側壁に形成されたヒンジ雄部材を構成する支持片の下端部で、且つ、前記支持片の前記側壁の板状部の内面側には、前記支持片の内側垂直端面に略垂直な自立突起が形成されており、更に、前記底部を構成する土手部の水平部には、前記最初に立てられる側壁を略水平に倒した際に、前記最初に立てられる側壁に形成されたヒンジ雄部材を構成する支持片に形成された自立突起が挿入される透孔が形成されており、なお更に、前記最初に立てられる側壁のヒンジ雄部を構成する支持片を、前記最初に立てられる側壁の内面より引っ込んで配置したものである。
【0034】
【実施例】
以下に、図1及び図2を用いて、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものでない。なお、上述した従来の折り畳みコンテナー及び本出願人の先の出願に係る特願2001−207464号に開示されている折り畳みコンテナーと同じ構成部材については、同じ符号を用いるとともに、その詳細な説明は省略する。
【0035】
本発明においても、図8に示されている折り畳まれた状態から、先に立てられる短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する下端縁が略半円形状に形成された支持片h3には、支持片h3の下端部で、且つ、板状部3aの内面3a1側に、内側垂直端面h3aに対して略垂直な自立突起4が形成されている。
【0036】
また、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1には、図2に示されているように、短側壁3を、略水平に倒した際に、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3の下端部に形成された自立突起4が挿入される透孔5が形成されている。
【0037】
上述したように、短側壁3が略水平に倒された状態においては、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3の下端部に形成された自立突起4が、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1に形成された透孔5に挿入されているので、図16に示されているように、自立突起4が、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1の上面1a1’に載置され、従って、底部1の裏面1’から短側壁3の上面3’までの高さT1が、自立突起4が形成されていない場合に比べて高くなってしまうというような問題を解消することができるとともに、短側壁3の自立の保持力も得られる。
【0038】
図2に示されているように、短側壁3が略水平に倒され、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3の下端部に形成された自立突起4が、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1に形成された透孔5に挿入された状態の折り畳みコンテナーが折り畳まれた状態から、短側壁3を、垂直方向に回動させて、図1に示されているように、略垂直に立てた際には、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3に形成された自立突起4は、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1に形成された透孔5から抜け出るとともに、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1の上面1a1’に載置されることになる。従って、短側壁3が、底部1方向に回動しようとしても、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3に形成された自立突起4により、その回動が阻止されることになり、短側壁3が、簡単には、底部1方向に倒れるようなことがなく、その自立状態を維持することができる。
【0039】
合成樹脂で一体に成形された短側壁3の短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3に形成された自立突起4は、それ自体、弾性を有するとともに、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1に形成された短辺側ヒンジ雌部材H1のフックh2も、それ自体、弾性を有しているので、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3に形成された自立突起4が、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1に形成された透孔5から抜け出る際には、自立突起4及び短辺側ヒンジ雌部材H1のフックh2が弾性変形し、従って、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3に形成された自立突起4は、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1に形成された透孔5から抜け出ることができるように構成されている。また、短側壁3を、図1に示されている略垂直に立てられた状態から、図2に示されているように、略水平に倒す場合も同様である。
【0040】
なお、上述した実施例には、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1に透孔5が形成されている例が示されているが、上述した自立突起4が挿入可能であれば、凹部でもよい。いずれにせよ、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1には、透孔5や凹部等の自立突起4が挿入可能な自立突起挿入部が形成されている。
【0041】
図13に示されているように、支持片h3の内側垂直端面h3aが、短側壁3の板状部3aの内面3a1より距離Dだけ引っ込んでいる場合における、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する水平ピンh4の中心と短側壁3の板状部3aの内面3a1との距離M1は、図11に示されている短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4の支持片h3の内側垂直端面h3aが、短側壁3の板状部3aの内面3a1と略面一の場合における、水平ピンh4の中心と短側壁3の板状部3aの内面3a1との距離M2より長いので、従って、支持片h3の内側垂直端面h3aが、短側壁3の板状部3aの内面3a1より距離Dだけ引っ込んでいる場合には、最初に立てられる短側壁3が、底部1方向に倒れやすいことになる。従って、本実施例においては、より確実に、最初に立てられる短側壁3の自立を確保するために、内側垂直端面h3aに対して略垂直な自立突起4を、より長くすることが好ましい。このように、自立突起4を長くしても、短側壁3が、略水平に倒された場合には、自立突起4は、上述したように、自立突起挿入部を構成する透孔5に挿入されるように構成されているので、図16を用いて説明したように、底部1の裏面1’から短側壁3の上面3’までの高さT1が、高くなるようなことがない。
【0042】
上述した実施例においては、本出願人の先の出願である特願2001−207464号において開示されているような、後から倒される短側壁3の下部フランジ3bに形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3の内側垂直端面h3aが、可能な限り、短側壁3の板状部3aの内面3a1より引っ込むように構成されている例が示されているが、上述した実施例は、図11及び図12に示されているような、短側壁3の下部フランジ3bの下面に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4の支持片h3の内側垂直端面h3aが、短側壁3の板状部3aの内面3a1と略面一になるように構成されている場合にも適用することができる。この場合にも、短側壁3に形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3に自立突起4が形成されているが、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1に透孔5が形成されていない場合には、図16を用いて説明したと同様に、短側壁3を、略水平に倒した際に、自立突起4が、底部1を構成する短辺側土手部1aの水平部1a1の上面1a1’に載置されることになり、従って、底部1の裏面1’から短側壁3の上面3’までの高さT1’が、図12に示されている自立突起4が形成されていない場合に比べて、高くなってしまうという問題が生じることになる。
【0043】
しかしながら、本実施例を、本出願人の先の出願である特願2001−207464号において開示されているような、後から倒される短側壁3の下部フランジ3bに形成された短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3の内側垂直端面h3aが、可能な限り、短側壁3の板状部3aの内面3a1より引っ込むように構成されている例に適用することにより、支持片h3の内側垂直端面h3aを、可能な限り、短側壁3の板状部3aの内面3a1より引っ込むように構成した作用効果が損なわれることを防止することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0045】
折り畳まれた状態から最初に立てられる側壁のヒンジ雄部を構成する支持片に、自立突起を形成するとともに、底部には、前記自立突起が挿入可能な自立突起挿入部を形成したので、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの底部の裏面から上記側壁の上面までの高さを低くすることができる。
【0046】
最初に立てられる側壁のヒンジ雄部を構成する支持片が、最初に立てられる側壁の内面より引っ込んで配置されているので、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナーの底部の裏面から上記側壁の上面までの高さを、より低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の折り畳みコンテナーの底部と略垂直状態の短側壁の長側壁に沿った部分垂直側断面図である。
【図2】図2は本発明の折り畳みコンテナーの底部と倒された状態の短側壁の長側壁に沿った垂直側断面図である。
【図3】図4は従来の折り畳みコンテナーの底部の斜視図である。
【図4】図4は従来の折り畳みコンテナーの長側壁の斜視図である。
【図5】図5は従来の折り畳みコンテナーの底部と長側壁の分解部分斜視図である。
【図6】図6は従来の折り畳みコンテナーの短側壁の斜視図である。
【図7】図7は従来の折り畳みコンテナーの底部と短側壁の分解部分斜視図である。
【図8】図8は従来の折り畳みコンテナーの折り畳まれた状態の斜視図である。
【図9】図9は従来の折り畳みコンテナーの折り畳み途中の斜視図である。
【図10】図10は従来の折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図11】図11は従来の折り畳みコンテナーの底部と略垂直状態の短側壁の長側壁に沿った部分垂直側断面図である。
【図12】図12は従来の折り畳みコンテナーの底部と倒された状態の短側壁の長側壁に沿った垂直側断面図である。
【図13】図13は本出願人の先の出願において開示された折り畳みコンテナーの底部と略垂直状態の短側壁の長側壁に沿った部分垂直側断面図である。
【図14】図14は図13に示されている短側壁が略水平に倒された状態の長側壁に沿った部分垂直側断面図である。
【図15】図15は図14に示されている底部と短側壁の拡大された垂直側断面図である。
【図16】図16は図15に示されている短側壁の支持片に自立突起が形成された場合の部分垂直側断面図である。
【符号の説明】
H1・・・・・・・短辺側ヒンジ雌部材
H4・・・・・・・短辺側ヒンジ雄部材
h3・・・・・・・支持片
1・・・・・・・・底部
2・・・・・・・・長側壁
3・・・・・・・・短側壁
4・・・・・・・・自立突起
5・・・・・・・・透孔(自立突起挿入部)
Claims (1)
- 底部と、折り畳まれた状態から最初に、略垂直に立てられる一方の相対する側壁と、次いで、折り畳まれた状態から、略垂直に立てられるもう一方の相対する側壁とからなる折り畳みコンテナーにおいて、前記最初に立てられる側壁の下部フランジには、支持片と該支持片に突設された水平ピンとからなるヒンジ雄部材が形成されているとともに、前記底部を構成する略逆U字状の土手部の水平部の上面には、板状部と該板状部の上端から下方に湾曲するフックとからなる、弾性変形可能なヒンジ雌部材が形成されており、前記最初に立てられる側壁に形成された前記ヒンジ雄部材の水平ピンを、前記底部に形成された前記弾性変形可能なヒンジ雌部材のフックに引っ掛けることにより、前記最初に立てられる側壁と前記底部とがヒンジ連結されるように構成されており、また、前記最初に立てられる側壁に形成されたヒンジ雄部材を構成する支持片の下端部で、且つ、前記支持片の前記側壁の板状部の内面側には、前記支持片の内側垂直端面に略垂直な自立突起が形成されており、更に、前記底部を構成する土手部の水平部には、前記最初に立てられる側壁を略水平に倒した際に、前記最初に立てられる側壁に形成されたヒンジ雄部材を構成する支持片に形成された自立突起が挿入される透孔が形成されており、なお更に、前記最初に立てられる側壁のヒンジ雄部を構成する支持片が、前記最初に立てられる側壁の内面より引っ込んで配置されていることを特徴とする折り畳みコンテナー。
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