JP3943180B2 - アリルエーテル化合物の製造方法 - Google Patents
アリルエーテル化合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3943180B2 JP3943180B2 JP03339497A JP3339497A JP3943180B2 JP 3943180 B2 JP3943180 B2 JP 3943180B2 JP 03339497 A JP03339497 A JP 03339497A JP 3339497 A JP3339497 A JP 3339497A JP 3943180 B2 JP3943180 B2 JP 3943180B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- general formula
- carbon atoms
- group
- reaction
- acrylate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はα−(エトキシメチル)アクリル酸メチルなどのアリルエーテル化合物の製造方法に関し、詳しくはα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルなどとエチルアルコールなどとを反応させて対応するα−(エトキシメチル)アクリル酸メチルなどのアリルエーテル化合物を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルキル α−(アルコキシメチル)アクリレート(すなわち、α−(アルコキシメチル)アクリル酸アルキルエステル)化合物は光学材料、塗料、反応性希釈剤、界面活性剤原料、医農薬製造用の中間体などとして有用なものであり、その製造法も知られている。
【0003】
例えば、Macromol.Chem.,192,2713−2722(1991)には、α−(ブロモメチル)アクリル酸メチルとアルコールとを触媒としてのトリエチルアミンの存在下に反応させて対応するα−(アルコキシメチル)アクリル酸メチル、具体的にはα−(エトキシメチル)アクリル酸メチル、α−(プロポキシメチル)アクリル酸メチルなどを製造する方法が記載されている。
また、J.Polym.Sci.,A.,Vol.1,pp.1919−1926(1963)には、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルとアルコールとを触媒としてのプロトン酸(例えば、硫酸)の存在下に反応させて対応するα−(アルコキシメチル)アクリル酸エチル、具体的にはα−(エトキシメチル)アクリル酸エチルなどを製造する方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記Macromol.Chem.に記載の方法は、原料として高価かつ入手困難なハロメチル体を用いるために工業的実施には問題がある。
【0005】
また、上記J.Polym.Sci.に記載の方法は、選択率および収率が低いという欠点がある。また、この方法の場合、副反応で生成するポリエステル化物(エステル交換反応物)が反応液の粘度の増加、さらにはゲル化の誘引となり、目的物の分離精製を困難なものとすることから、工業的実施には問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、α−(アルコキシメチル)アクリル酸アルキルエステルの製造において、上記方法に代わる新規かつ工業的に有利な方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの研究によれば、出発原料として後記の一般式(1)および(2)で表される化合物を用い、これらを三級アミンの存在下に反応させると、副反応が少なく、高収率で目的とするアリルエーテル化合物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とを三級アミンの存在下に反応させることを特徴とする一般式(3)で表されるアリルエーテル化合物の製造方法である。
【0008】
一般式(1):
【0009】
【化6】
【0010】
一般式(2):
R2−OH
一般式(3):
【0011】
【化7】
【0012】
上記一般式(1)〜(3)において、
(ア)R 1 およびR 2 は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、炭素数1〜18の直鎖または分岐状のアルキル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐状のペルハロゲノアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、もしくは炭素数6〜12のアリール基である、あるいは
(イ)R 1 およびR 2 は、それぞれ、−(CHR 4 CH 2 O)−R 3 基および−(CHR4CH2O)n−R3基(ここで、R3は水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐状のアルキル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐状のペルハロゲノアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、R4は水素原子またはメチル基であり、n=1〜3である)を表す。
また、本発明は、上記一般式(1)(ここで、R1は、炭素数1〜18の直鎖または分岐状のアルキル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐状のペルハロゲノアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を表す。)で表される化合物とポリエチレングリコールモノメチルエーテルまたはポリプロピレングリコールモノメチルエーテルとを三級アミンの存在下に反応させて対応するアリルエーテル化合物を製造することを特徴とするアリルエーテル化合物の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
一般式(1)〜(3)において、炭素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基のなかでも、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基が好適である。炭素数3〜12の直鎖または分岐状のペルハロゲノアルキル基のなかでも、炭素数6〜10の直鎖または分岐状のペルハロゲノアルキル基、特にペルフルオロアルキル基が好適である。炭素数5〜8のシクロアルキル基のなかでも、炭素数5〜6のシクロアルキル基が好適である。炭素数6〜12のアリール基のなかも、炭素数6〜8のアリール基が好適である。
【0014】
−(CHR 4 CH 2 O)−R 3 基および−(CHR4CH2O)n−R3基において、R3は、水素原子、炭素数1〜18、好ましくは1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、炭素数3〜12、好ましくは6〜10の直鎖または分岐状のペルハロゲノアルキル基、炭素数5〜8、好ましくは5〜6のシクロアルキル基、もしくは炭素数6〜12、好ましくは6〜8のアリール基であり、R 4 は水素原子またはメチル基であり、n=1〜3である。
【0015】
一般式(1)で表される化合物の代表例を挙げると次のとおりである。
【0016】
α−ヒドロキシメチル アクリル酸メチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸エチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸n−ブチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸2−エチルエキシル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸シクロヘキシル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸ベンジル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸ヒドロキシエチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸メトキシエチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸2−(ペルフルオロブチル)エチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸2−(ペルフルオロヘキシル)エチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸2−(ペルフルオロオクチル)エチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸2−(ペルフルオロデシル)エチル
これらのなかでも、次のものが好適である。
【0017】
α−ヒドロキシメチル アクリル酸エチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸n−ブチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸シクロヘキシル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸2−(ペルフルオロヘキシル)エチル、
α−ヒドロキシメチル アクリル酸2−(ペルフルオロオクチル)エチル
一般式(2)で表される化合物の代表例を挙げると次のとおりである。
【0018】
アルキルアルコール類:メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコールなど。
【0019】
シクロアルキルアルコール類:シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチルアルコールなど。
【0020】
アリールアルコール類:フェノール、ナフトール、ベンジルアルコールなど。
ペルフルオロアルキルアルコール類:2,2,2−トリフルオロエチルアルコール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアルコール、2−(ペルフルオロブチル)エチルアルコール、2−(ペルフルオロオクチル)エチルアルコール、2−(ペルフルオロデシル)エチルアルコールなど。
【0021】
ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類:メチルセロソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルなど。
【0022】
これらのなかでも、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアルコールおよび2−(ペルフルオロオクチル)エチルアルコールが好適である。
【0023】
そして、一般式(3)のアリルエーテル化合物は、上記一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物とから下記式に示される脱水反応によって得られる。
【0024】
【化8】
【0025】
本発明の三級アミンとしては、次のものを使用することができる。
【0026】
(1)一般式(4):
NR5R6R7
(式中、R5、R6およびR7は同一でも異なっていてもよく、それぞれ、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、または炭素数5〜8のシクロアルキル基である)で表される三級アミン化合物。
【0027】
代表例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N−ジメチル(2−エチルアヘキシル)アミン、N,N−ジメチルラウリルアミンなどを挙げることができる。
【0028】
(2)一般式(5):
R8R9N(CHR12)nNR10R11
(式中、R8、R9、R10およびR11は同一でも異なっていてもよく、それぞれ、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基または炭素数5〜8のシクロアルキル基であり、R12は水素原子またはメチル基であり、nは1〜8の整数である)で表される三級アミン化合物。
【0029】
代表例としては、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンなどを挙げることができる。
【0030】
(3)環状三級アミン化合物
代表例としては、1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1−アザビシクロ[3,2,1]オクタン、1−アザビシクロ[3,3,1]ノナン、1−アザビシクロ[2,3,2]ノナン、1−アザビシクロ[3,3,0]オクタン、1−アザビシクロ[4,3,0]ノナン、キヌクリジン、ピロリジン、ピロコリジン、ルピナン、キヌクリジノン、3−ヒドロキシキヌクリジン、キノリジン,N−メチルピロリジン、N−メチルピロリン、N−メチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−メチルピペラジン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを挙げることができる。
【0031】
(4)三級アミンを交換基に有するイオン交換樹脂
代表例としては、ローム・アンド・ハース社製のアンバーライトA−21、アンバーライトIRA−68、アンバーライトIRA−93ZU、アンバーライントIRA−35およびアンバーライトIRA−99;三菱化学(株)製のダイヤイオンWA−10、ダイヤイオンWA−11およびダイヤイオンWA−30;ダウ・ケミカル社製のダウエックスMWA−1、ダウエックス66およびダウエックスD−3;住友化学(株)製のデュオライトA−368、デュオライトA−561、デュオライトA−340、デュオライトA−375およびデュオライト−378、などを挙げることができる。
【0032】
(5)三級アミンを有する重合体
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの三級アミン基を有する重合性モノマーを重合して得られる重合体であり、単独重合体あるいはアルキル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリルアミド、スチレンなどの重合性モノマーとの共重合体、またはそれら重合体の架橋物などを挙げることができる。
【0033】
上記の三級アミンのなかでも、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノブタン、トリエチレンジアミン、キヌクリジン、ピロコリジンなどが好適に用いられる。
【0034】
一般式(1)の化合物と一般式(2)との割合については、通常、一般式(1)の化合物/一般式(2)の化合物(モル比)=2/1〜1/50であり、好ましくは1/1〜1/10である。
【0035】
三級アミンの使用量については、一般式(1)の化合物の1〜100モル%、好ましくは5〜50モル%、特に好ましくは10〜30モル%である。
【0036】
一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物との反応条件に関しては、温度は、通常、30〜150℃であり、好ましくは50〜120℃である。また、反応圧力については、常圧(大気圧)、減圧および加圧のいずれでもよい。
【0037】
出発原料としての一般式(1)の化合物および生成物としての一般式(3)の化合物はいずれも重合し易い性質を持っていることから、これら化合物の重合防止のために一般に用いられている重合禁止剤の存在下に反応を行うのがよい。また、反応系に分子状酸素を添加してもよい。
【0038】
上記重合禁止剤の代表例としては、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン、t−ブチルカテコール、フェノチアジンなどを挙げることができる。そして、その添加量は一般式(1)の化合物に対し、0.001〜5重量%の範囲となるようにすればよい。
【0039】
分子状酸素の供給形態としては、分子状酸素、または分子状酸素と窒素、アルゴンなどの不活性ガスとの混合ガス、あるいは空気を用いることができる。供給量は特に制限されるものではないが、好ましくは気相部の酸素濃度が0.01〜10容量%の範囲になるようにすればよい。導入法としては、気相部、または反応液中へのバブリング方式により上記分子状酸素を導入するのがよい。
【0040】
反応時のおける重合を十分防止するためには、上記のような重合禁止剤の使用および分子状酸素の添加を併用するのが好ましい。
【0041】
前記のとおり、本発明の反応は脱水反応であるため、反応によって生成する水を速やかに系外に除去するのが好ましい。水の除去方法としては、特に制限はなく、一般に用いられている方法を採用することができる。例えば、生成する水を一般式(2)の化合物との共沸混合物として除去することができる。
【0042】
水を一般式(2)の化合物との共沸混合物として除去する場合、反応を前記の30〜150℃の範囲内で行うために、反応系を減圧下におき還流下に反応を行うのが好ましい場合もある。また、一般式(2)の化合物の種類によっては、例えばラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアルコール、2−(ペルフルオロオクチル)エチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルなどにおいては、反応を30〜150℃の範囲内で行うために、溶剤を新たに添加して、水を溶剤との共沸物として留去するのが好ましい。
【0043】
上記溶剤としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられるが、反応生成物を溶解するとともに反応に不活性なものであれば特に制限されるものではない。
【0044】
三級アミンは、反応終了後に酸により中和除去するのが好ましい。この酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、硫酸水素ナトリウム塩などの水溶液を用いることができる。具体的には、上記酸水溶液を反応液に加えて中和処理した後、反応液を水相と有機相とに分液し、この有機相を更に水洗することにより三級アミンを効果的に除去することができる。
【0045】
上記中和処理に用いる酸の量は、反応に用いた三級アミンと等モル量を用いればよいが、処理効率を高めるためには酸を三級アミンに対して1〜20モル%過剰に使用するのが好ましい。また、上記水洗に使用する水の量については特に制限はないが反応液に対して10〜100容量%の範囲内で実施するのが経済的である。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0047】
実施例1
撹拌機、冷却管、温度計、ガス吹込み管および油浴を備えた500mlの4つ口フラスコに次の化合物を仕込んだ。
【0048】
一般式(1)の化合物:(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル=130g(1モル)、
一般式(2)の化合物:2−メトキシエタノール=76g(1モル)、
三級アミン:トリエチレンジアミン=11g(0.1モル)、
重合禁止剤:p−メトキシフェノール=0.1g
その後、反応液に空気を吹き込みながら、反応液を80℃にて48時間撹拌して反応させた。
【0049】
予めガスクロマトグラフィによる、原料と目的物との検量線を作成した。そして、反応終了後、反応液を分析、定量したところ、目的物である(α−メトキシエトキシメチル)アクリル酸エチルの収率は、原料である(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルに対し、35モル%であり、選択率は78%であった。
【0050】
反応終了後の反応液を、30%リン酸水溶液を添加して三級アミンを中和した後、靜置して、油層と水層とに分液した。この油層を分別蒸留して(α−メトキシエトキシメチル)アクリル酸エチル56gを無色透明液として得た。
【0051】
その結果、得られた目的物の収率は仕込んだ(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルに対して30モル%であった。得られた無色透明液体については、1H−NMR、13C−NMRおよび赤外吸収スペクトル(IR)を測定することにより、物質の同定を行った。
【0052】
実施例2
撹拌機、冷却管、温度計、ガス吹込み管および油浴を備えた1000mlの4つ口フラスコに次の化合物を仕込んだ。
【0053】
一般式(1)の化合物:(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル=130g(1モル)、
一般式(2)の化合物:n−ブタノール=370g(5モル)、
三級アミン:トリエチレンジアミン=11g(0.1モル)、
重合禁止剤:p−メトキシフェノール=0.1g
その後、反応液を130℃にて72時間撹拌して反応させた。反応途中、反応液は沸騰し、水分離管に生成水とn−ブタノールとが共沸蒸留するが、その際、生成水は分離し、n−ブタノールのみを反応系に戻しながら反応を進めた。
【0054】
予めガスクロマトグラフィによる、原料と目的物との検量線を作成した。そして、反応終了後、反応液を分析、定量したところ、目的物である(α−n−ブトキシメチル)アクリル酸エチルの収率は、原料である(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルに対し、41モル%であり、選択率は82%であった。
【0055】
反応終了後の反応液を、30%リン酸水溶液を添加して三級アミンを中和した後、靜置して、油層と水層とに分液した。この油層を分別蒸留して(α−n−ブトキシメチル)アクリル酸エチル71gを無色透明液として得た。
【0056】
その結果、得られた目的物の収率は仕込んだ(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルに対して38モル%であった。得られた無色透明液体については、1H−NMR、13C−NMRおよび赤外吸収スペクトル(IR)を測定することにより、物質の同定を行った。
【0057】
実施例3
撹拌機、冷却管、温度計、ガス吹込み管および油浴を備えた1000mlの4つ口フラスコに次の化合物を仕込んだ。
【0058】
一般式(1)の化合物:(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル=130g(1モル)、
一般式(2)の化合物:2−メトキシエタノール=76g(1モル)、
三級アミン:トリエチレンジアミン=11g(0.1モル)、
溶媒:トルエン=260g(2重量倍対一般式(1)の化合物)260g、
重合禁止剤:p−メトキシフェノール=0.1g
その後、反応液を130℃にて72時間撹拌して反応させた。反応途中、反応液は沸騰し、水分離管に生成水とトルエンとが共沸蒸留するが、その際、生成水は分離し、トルエンのみを反応系に戻しながら反応を進めた。
【0059】
実施例1と同様にして、反応液を分析、定量したところ、目的物である(α−メトキシエトキシメチル)アクリル酸エチルの収率は、原料である(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルに対し、55モル%であり、選択率は85%であった。
【0060】
反応終了後の反応液を、30%リン酸水溶液を添加して三級アミンを中和した後、靜置して、油層と水層とに分液した。この油層を分別蒸留して(α−メトキシエトキシメチル)アクリル酸エチル86gを無色透明液として得た。
【0061】
その結果、得られた目的物の収率は仕込んだ(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルに対して46モル%であった。得られた無色透明液体については、1H−NMR、13C−NMRおよび赤外吸収スペクトル(IR)を測定することにより、物質の同定を行った。
【0062】
比較例1
撹拌機、冷却管、温度計、ガス吹込み管および油浴を備えた1000mlの4つ口フラスコに次の化合物を仕込んだ。
【0063】
一般式(1)の化合物:(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル=130g(1モル)、
一般式(2)の化合物:2−メトキシエタノール=76g(1モル)、
溶媒:トルエン=260g(2重量倍対一般式(1)の化合物)260g、
重合禁止剤:p−メトキシフェノール=0.1g
反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィにより分析したところ、目的物である(α−メトキシエトキシメチル)アクリル酸エチルは得られなかった。
【0064】
比較例2
撹拌機、冷却管、温度計、ガス吹込み管および油浴を備えた1000mlの4つ口フラスコに次の化合物を仕込んだ。
【0065】
一般式(1)の化合物:(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル=130g(1モル)、
一般式(2)の化合物:2−メトキシエタノール=76g(1モル)、
溶媒:トルエン=260g(2重量倍対一般式(1)の化合物)260g、
重合禁止剤:p−メトキシフェノール=0.1g、
酸触媒:p−トルエンスルホン酸一水和物=19g(1モル)
その後、反応液を130℃にて72時間撹拌して反応させた。反応途中、反応液は沸騰し、水分離管に生成水、エタノールおよびトルエンが共沸蒸留し、生成水およびエタノールからなる水層とトルエン層とが生じるが、その際、生成水は分離し、トルエン層のみを反応系に戻しながら反応を進めた。範の終了段階において、反応液はかなり増粘していた。
【0066】
反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィにより分析、定量したところ、目的物である(α−メトキシエトキシメチル)アクリル酸エチルの収率は、原料である(α−ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルに対して11モル%、選択率は23%であった。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な方法により、一般式(3)のアリルエーテル化合物を効率よく製造することができる。
【0068】
Claims (3)
- 一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とを三級アミンの存在下に反応させることを特徴とする一般式(3)で表されるアリルエーテル化合物の製造方法。
一般式(1):
R2−OH
一般式(3):
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03339497A JP3943180B2 (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | アリルエーテル化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03339497A JP3943180B2 (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | アリルエーテル化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10226669A JPH10226669A (ja) | 1998-08-25 |
JP3943180B2 true JP3943180B2 (ja) | 2007-07-11 |
Family
ID=12385384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03339497A Expired - Lifetime JP3943180B2 (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | アリルエーテル化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3943180B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010114077A1 (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-07 | 株式会社日本触媒 | α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート組成物及びその製造方法 |
WO2011148903A1 (ja) | 2010-05-24 | 2011-12-01 | 株式会社日本触媒 | α位置換アクリル酸エステル類及びそれを含む組成物、並びに、それらの製造方法 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006233048A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Sanyo Chem Ind Ltd | 粘度指数向上剤および潤滑油組成物 |
KR101422327B1 (ko) | 2008-12-26 | 2014-07-22 | 가부시키가이샤 닛폰 쇼쿠바이 | α-알릴옥시메틸아크릴산계 공중합체, 수지 조성물 및 그 용도 |
JP5496534B2 (ja) * | 2009-03-31 | 2014-05-21 | 株式会社日本触媒 | α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートの製造方法 |
JP5583378B2 (ja) * | 2009-09-29 | 2014-09-03 | 株式会社日本触媒 | α−(アルコキシアルキル)アクリレートの製造方法 |
JP5520116B2 (ja) * | 2009-03-31 | 2014-06-11 | 株式会社日本触媒 | α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート組成物及びその製造方法 |
JP5591543B2 (ja) * | 2010-01-04 | 2014-09-17 | 株式会社日本触媒 | 反応性希釈剤 |
US9499466B2 (en) | 2010-10-06 | 2016-11-22 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Diene-based carboxylate anion and salt thereof, and polymerizable or curable composition thereof |
JP6034220B2 (ja) * | 2013-02-27 | 2016-11-30 | 株式会社日本触媒 | α位置換アクリル酸エステル類の製造方法 |
WO2016143677A1 (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 東亞合成株式会社 | (メタ)アクリレートの製造方法 |
-
1997
- 1997-02-18 JP JP03339497A patent/JP3943180B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010114077A1 (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-07 | 株式会社日本触媒 | α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート組成物及びその製造方法 |
WO2011148903A1 (ja) | 2010-05-24 | 2011-12-01 | 株式会社日本触媒 | α位置換アクリル酸エステル類及びそれを含む組成物、並びに、それらの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10226669A (ja) | 1998-08-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3943180B2 (ja) | アリルエーテル化合物の製造方法 | |
EP2630116B1 (en) | Synthesis of methylene malonates using rapid recovery in the presence of a heat transfer agent | |
JP5596562B2 (ja) | N−(1−ヒドロキシエチル)カルボン酸アミド化合物及びその製造方法 | |
JPS6023660B2 (ja) | アクリル又はメタクリルオキシ―アルキルプロパナールの製法 | |
JPH08277291A (ja) | スルホン酸のジルコニウム化合物 | |
Kurcok et al. | Reactions of β-lactones with potassium alkoxides and their complexes with 18-crown-6 in aprotic solvents | |
JP3291326B2 (ja) | α−ヒドロキシメチルアクリレート化合物の製造方法 | |
JPH029851A (ja) | 第2ホルムアミドの合成方法 | |
JP4381166B2 (ja) | α位置換アクリレート類の製造方法 | |
JP3180965B2 (ja) | N−(1−アルコキシアルキル)ホルムアミド及びビスホルムアミドの製造 | |
US7135592B2 (en) | Process for producing polyfluoroalkyl ester of unsaturated carboxylic acid | |
JP3841860B2 (ja) | アリルアミン誘導体の製造方法 | |
JPH08183758A (ja) | α−ヒドロキシメチルアクリレート化合物の製造方法 | |
JP3274609B2 (ja) | 水酸基含有ビニル化合物の安定化剤およびその使用方法 | |
JP3953133B2 (ja) | α−ヒドロキシアルキルアクリル酸類の安定化方法 | |
JP5583378B2 (ja) | α−(アルコキシアルキル)アクリレートの製造方法 | |
US6673959B2 (en) | Preparation of carboxylic esters catalyzed by a sulphonic acid | |
JPH09124607A (ja) | アルキルイミダゾリドン(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP4173378B2 (ja) | 置換アミノアルキルアクリレート誘導体またはその塩 | |
JP3859290B2 (ja) | α−ヒドロキシアルキルアクリル酸類の製造方法 | |
JPH0651664B2 (ja) | アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルアミノアルキルエステルの製造方法 | |
US5180851A (en) | Preparation of n-(l-alkoxyalkyl)formamide and alkylidene bisformamides using amine neutralized ion exchange resins | |
JPH02169544A (ja) | (メタ)アクリル酸含フッ素アルキルエステルの製造方法 | |
JPS62242652A (ja) | アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルアミノアルキルエステルの製造方法 | |
JPH0827064A (ja) | 新規プロピオン酸エステル類およびその利用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060711 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060905 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060907 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061031 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061226 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070320 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070405 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100413 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120413 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140413 Year of fee payment: 7 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |