JP3180965B2 - N−(1−アルコキシアルキル)ホルムアミド及びビスホルムアミドの製造 - Google Patents

N−(1−アルコキシアルキル)ホルムアミド及びビスホルムアミドの製造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はN−(1−アルコキシアルキル)
ホルムアミドと、重合して水可溶性のホモポリマー及び
コポリマーを生成するN−アルケニルホルムアミドの前
駆体であるアルキリデンビスホルムアミドとを製造する
ための改良された方法に関する。
【0002】
【発明の背景】N−ビニールアミドは貴重な特性を有す
るホモポリマー及びコポリマー製造用のモノマーとして
長い間使用されてきた。N−ビニールアミドの重合によ
り得られる重合体は、活性化された基質の付加物のこの
重合体への橋かけ結合を果たすための反応部位として用
いることのできる反応性水素を含んでいるか、あるいは
このアミドは加水分解されて他の用途に適するポリビニ
ールアミンを生成することもあり得る。
【0003】Parris et al. は米国特許第4,942,2
59号において、N−(アルコキシアルキル)ホルムア
ミド、N−(アルコキシアルキル)アミド並びにこれら
に対応するビス−アミドを分解して対応するN−アルケ
ニルアミドを製造するための接触反応方法を開示してい
る。このN−アルケニルアミドは次に重合することがで
きる。これらアミドの中で、N−ビニールホルムアミド
を生成するParris etal. の接触分解法に役立つのは、
N−(1−アルコキシエチル)ホルムアミド及びビスホ
ルムアミドである;またそれはN−アルケニルアミドか
ら生成した重合体よりも容易に加水分解することのでき
るN−ビニールホルムアミドから生成した重合体であ
る。
【0004】N−ビニールカルボキシルアミドを製造す
るための多くの方法が提案されてきたが、これらの方法
は一般にN−(α−アルコキシエチル)アミドか又はN
−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドと呼ばれ
ているもののいずれかの製造を含んでいる。N−ビニー
ルアミドの製造を示す代表的な特許及び論文には下記の
ようなものがある。
【0005】Stackmanは米国特許第4,554,377号
及び「Synthesis of N-vinylacetamide and Preparatio
n of Some Polymers andCopolymers」,(24.Ind. En
g. Chem. Prod. Res. Dev., 242〜246(198
5))と題する論文において、アセトアミドとジメチル
アセタールとを反応させてN−(α−アルコキシエチ
ル)カルボン酸アミドを生成する反応を開示している。
この反応には競争平衡反応が存在し、これは引続いて起
るN−(α−アルコキシエチル)カルボキサミドとアル
キルアミドのもう1つ別の分子との反応を伴っていて、
望ましくない副生物であるエチリデン−ビス(アルキル
アミド)を生成する。この反応は酸、例えばメタンスル
ホン酸又は硫酸の存在下で行われる。アセトアミドの代
りにホルムアミドを用いたときこの反応は不成功に終っ
た(p.244)。
【0006】Schmidtは米国特許第4,334,097号
において、第1及び第2カルボキサミドをα−ハロゲン
アルキルエーテルと反応させて、N−(α−アルコキシ
アルキル)カルボキサミドを製造する方法を開示してい
る。第3アミンを反応系に加えてハロゲン化水素の発生
に応じてこれと反応させる。第3アミンハロゲン化水素
は次いで反応生成物から濾過され除去される。
【0007】Bestianはドイツ特許第1,273,533
号において、第2アミドをアセタール又はヘミアセター
ルと反応させて、N−(α−アルコキシアルキル)カル
ボン酸アミドを製造する方法を開示している。代表的な
アセタール類はアルデヒドと第1及び第2アルコール、
例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール及び
イソブタノールとの反応によって生成するものを含む。
塩酸、酸塩化物、塩化スルフリルのような無機酸及びp
−トルエンスルホン酸並びにそれの塩化物のような芳香
族スルホン酸及び酸塩化物等を含有する酸触媒は、第2
カルボン酸アミドとアセタール又はヘミアセタールとの
反応を行なうのに適しているものとして提案されてい
る。
【0008】N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミドはN−エチルカルボン酸アミドの電気化学的なア
ルコキシル化及びホルムアミドとアルデヒドとの反応に
よって製造されてきた。この点に関して、Murao et a
l.は米国特許第4,567,300号及び対応の英国特
許第2 152 929号において、アセトアルデヒドは
弱塩基性触媒の存在下でホルムアミドと反応し固体のN
−(1−ヒドロキシエチル)ホルムアミドを生成し、こ
れは触媒を中和すると酸触媒の存在下でアルコールと反
応してN−(1−アルコキシエチル)ホルムアミドを生
成する方法を開示している。この方法は2つの別個の工
程、固体中間体の取扱い及び塩類の廃棄を必要とすると
いう点で魅力のあるものではない。
【0009】欧州特許公報0 332 083はホルムア
ミドを第1アルコールから誘導されたアセタールと反応
させてビスホルムアミドと共にN−(1−アルコキシア
ルキル)ホルムアミド系を生成する、N−(1−アルコ
キシアルキル)カルボン酸アミドの製造を開示してい
る。この反応はStackman et al. による記載とは対照的
に成功しているが、しかし第1アルコールからのアセタ
ールとホルムアミドと反応をさせてN−(1−アルコキ
シアルキル)ホルムアミドを生成するのに大量の酸の使
用を必要とする。
【0010】
【発明の要約】本発明は酸触媒の存在下でホルムアミド
をアセタール又はヘミアセタールと反応させることから
なる、N−(1−アルコキシアルキル)ホルムアミドを
製造するための改良された方法に関する。本改良点は、
アルデヒドを第2又は第3アルカノール又はアルコキシ
アルカノール又はヘミアセタールカルボキシレートエス
テルとの反応により誘導されるアセタールの利用にあ
る。ヘミアセタールは、式Iで示され、アセタールは式
IIで示される。
【0011】
【化2】 式中、RはC1〜C8のアルキル、アラルキル又はアリー
ルであり;R1とR2はC 1〜C8のアルキル又はアリール
であり、そしてR3は3〜8個の炭素原子を有する第2
又は第3アルキルである。
【0012】本発明の方法で得られる数多くの利点には
ホルムアミドのN−(1−アルコキシアルキル)ホルム
アミドへのより高度の変換及びこれまで報告されたもの
よりも低い触媒濃度で達成する能力及びホルムアミドの
N−(1−アルコキシアルキル)ホルムアミドへのすぐ
れた変換を達成するのに酸性触媒の消費を最小化する能
力がある。
【0013】
【発明の詳細な記述】N−(1−アルコキシアルキル)
ホルムアミドの製造は上記の式によって表わされるアセ
タール及びヘミアセタールカルボン酸エステルとホルム
アミドとの反応によって行われる。アセタールの1つの
種類はアルキルアルデヒドを第2又は第3アルコール
と、もしくは第2又は第3アルコール基をもつアルコキ
シアルカノールと反応させることによって生成する。も
う1つの種類はアルキルアルデヒドをアルコール及びア
ルキルカルボン酸と反応させて生成するヘミアセタール
エステルである。代表的なアセタール及びヘミアセター
ルカルボン酸エステルには以下のものがある:アセトア
ルデヒドジイソプロピルアセタール;アセトアルデヒド
ジイソブチルアセタール;アセトアルデヒドエチルイソ
プロピルアセタール;アセトアルデヒドイソプロピルイ
ソブチルアセタール;イソブチルアルデヒドジイソブチ
ルアセタール;イソブチルアルデヒドジイソプロピルア
セタール。
【0014】ヘミアセタールカルボン酸エステルには以
下のものがある:アセトアルデヒドエチルヘミアセター
ルアセテートエステル;アセトアルデヒドイソプロピル
ヘミアセタールアセテートエステル;アセトアルデヒド
イソブチルヘミアセタールアセテートエステル;アセト
アルデヒド第3−ブチルヘミアセタールアセテートエス
テル及び類似物。アセタール類の中で、アセタール基の
両方共、R3基の1つが第1アルコールにより、またそ
の他のR3基は第2又は第3アルコールにより与えられ
る混合アセタールと異なる同じ第2又は第3アルコール
から誘導されるのが好ましい。ヘミアセタールカルボン
酸エステルがホルムアミドとの反応に使用される場合
は、対応するカルボン酸が副生物として生成される。
【0015】第1と第2又は第3アルコールから誘導さ
れたアセタールとホルムアミドとの反応は、アセタール
基の両方共第2又は第3アルコールから誘導された場合
よりも僅かに悪くなる傾向がある。第1と第2アルコー
ル両方の混合物から誘導されたエーテル基を有するアセ
タールの使用はまた、分離に問題を起す傾向があって転
化率を減少させる。この点でそれらは総括的な反応性能
に逆効果を与えることになる。
【0016】ホルムアミドとアセタールとの反応を行う
のに適した触媒は、先行技術で使われる酸を含む酸性触
媒である。これらは塩酸や硫酸のような無機酸、メタン
スルホン酸やp−トルエンスルホン酸のような脂肪族又
は芳香族スルホン酸、トリフルオロ酢酸のようなハロゲ
ン化脂肪族酸及びNafionの商標名で販売されている弗素
化重合体の網状構造に担持された又はAmberlystの商標
名で販売されている巨大網状イオン交換樹脂中に組込ま
れたスルホン酸のような固体酸触媒;塩化第2鉄、四塩
化錫及び三塩化アルミニウムのようなルイス酸を包含す
る。操作を容易にするためには、イオン交換樹脂及び固
相触媒のような固体酸触媒系が反応媒体からの分離及び
再生を容易にするので好ましい。
【0017】ホルムアミドとアセタールの反応を行うの
に適した温度は約0℃〜200℃の範囲であり、好まし
くは30℃〜50℃の範囲である。反応に要求される圧
力はほぼ大気圧から自生圧の範囲である。一般に指定さ
れた反応条件下では、反応時間は約1〜24時間の範囲
であろうが、典型的な反応では約2〜4時間の範囲であ
る。
【0018】第2又は第3アルコール等から誘導される
ホルムアルデヒド対アセタールのモル比は0.5/1〜
4/1、好ましくは2/1〜3/1の範囲でよい。ホル
ムアミド対アセタールのモル比が約4:1以上に増大し
ても、特に有意な利点は見られず、またこの比が約1:
1以下に低下するとアセタールに関する選択率が不利に
なる。先行技術の方法とは対照的に、第2又は第3アル
コールから得たアセタールとホルムアルデヒドとの反応
は、N−(1−アルコキシアルキル)ホルムアミドの高
収率達成をもたらし、またアミドに対するアセタールの
比較的低いモル比でビスホルムアミドの高収率を達成す
る。
【0019】触媒は反応系に注入されるアセタールのモ
ル基準で約0.01〜0.1モルの範囲で反応物に混合す
る。モル比0.2のように高い濃度を使用することもで
きるが、過剰の酸は有意な利点を与えるとも思われず、
そして事実低い濃度の場合よりもずっと急速に活性を失
う。
【0020】反応はストレートに又は溶媒中で行うこと
ができる。代表的な溶媒には、炭素原子1〜8個を有す
る第2及び第3アルカノール、例えばイソプロパノー
ル、イソブタノール、第3−ブタノールその他;アセト
ニトリル及びジイソブチルエーテル、ジメチルグリコー
ルエーテル、テトラグリム(tetraglyme)、テトラヒド
ロフラン及びジオキサンのような高沸点エーテルがあ
る。溶媒に対して本質的に3つの基準がある、すなわち (1) アセタール/アミド/溶媒の単一液相を形成す
ることができること、(2) 反応性水素にとって良好
な求核性を有しないこと、(3) 溶媒は反応媒体中で
不活性であること。
【0021】〔実施例1〕N−(1−イソプロポキシエ
チル)ホルムアミド及び比較用ホルムアミドの調製 N−(1−イソプロポキシエチル)ホルムアミドと関連
組成物を慣用の方法で、ホルムアミドを適当なアセター
ルと反応させて調製した。更に詳しくは、試薬を撹拌さ
れたフラスコに投入し、その際スルホン酸基をもった固
相の巨大網状のイオン交換樹脂(Amberlyst 15)を添
加し、予め選定されたホルムアミドの1モル(n)当り
アセタールのモル(m)当量を準備した。反応完結時、
樹脂は濾過して取り除いた。生成物を集めて分析した。
【0022】下記の表1は反応条件及び投入したホルム
アミドを基準にした転化率を含めて生成物の分析値を示
す。
【0023】
【表1】 a 制限試薬に対する触媒モル%及び収率% b 初期反応剤量に対するパーセントとして表わされた
転化率 c アセタールに対する選択率=〔収率(%)(REF+
Bis)/(アセタール転化率×m)〕×100 d ホルムアミドに対する選択率=〔収率(%)(REF
+2×Bis)/(ホルムアミド転化率×n)〕×10
0 e REF=N−(1−アルコキシエチル)ホルムアミ
ド、CH3CH(OR)NHCHO f Bis=エチリデンビスホルムアミド、CH3CH
(NHCHO)2
【0024】実験1及び2は良好な選択率で高いホルム
アミド転化率を得るには、高い触媒量(18モル%)と
過剰の第1アセタール、すなわちアセトアルデヒドエチ
ルアセタール対ホルムアミドの比(2:1)が必要であ
ることを示している。この種類の反応ではアセタールの
リサイクルが多くなるが、この多量の酸触媒が、実験中
にホルムアミド及びアルコールとの化学量論的反応によ
り完全に失活するので再生させなければならない。実験
4は、エタノールの添加とアセタール対アミドの比の低
下は選択率を向上させるが、しかし転化率を更に低下さ
せることを示している。これはエタノールもまた急速な
触媒失活の原因となるからであると考えられる。
【0025】実験8は第1アセタール、アセトアルデヒ
ドエチルアセタールの代りに第2アルコール;例えばイ
ソプロパノールから誘導されたヒンダードアセタールそ
して溶媒としてのエタノールの代りにイソプロパノール
を用いることにより、他は同一条件下で、アセタール転
化率は2.4倍に、ホルムアミド転化率は3.2倍に増加
することを示している。比較のため実験4を参照された
い。以上のようにアセトアルデヒドイソプロピルアセタ
ールはアセトアルデヒドエチルアセタールよりも反応に
おいて本質的に効率がよい。
【0026】実験6〜9は、ホルムアミド対アセタール
の比を1から2へ増加させることにより、アセタール転
化率を80から90%に増加させることができ、一方ホ
ルムアミドの転化率は95から72%に低下する。ホル
ムアルデヒド対アセタールの比が1.5のときは優れた
選択率を維持しながら両試薬(実験8)の高い転化率を
与える。従って高いアセタール対アミドのモル比を用い
る先行技術の方法と対比して、高いホルムアミド転化率
を得るのにホルムアミドに対して過剰のアセタールを使
うことは必要なく、また両試薬のリサイクルは最少化さ
れる。
【0027】要約すると、アルデヒドと第2アルコール
との反応によって生成するアセタールは、アルデヒドと
第1アルコール基を有する化合物との反応によって生成
するアセタールよりも速く反応し又は遊離する物質を形
成する。ヘミアセタールカルボン酸エステルは第2アル
コールで生成したアセタールよりも一層速いと考えられ
る。
【0028】〔実施例2〕生成物の分布と触媒失活に与
える溶媒の効果 3種の異なる溶媒、すなわちイソプロパノール(i−P
rOH)、第3−ブタノール(第3−BuOH)及びア
セトニトリルを反応用溶媒として用いたことを除いて実
施例1の方法に従った。下記の表2はアセタール、ホル
ムアミド及び溶媒のモル数並びに結果を含めて反応条件
を示す。
【0029】
【表2】 a 制限試薬i−Prアセタールに対する収率% b 初期反応剤量に対しパーセント表示された転化率 c アセタールに対する選択率=〔収率(%)(i−Pr
EF+Bis)/(アセタール転化率)〕×100 d ホルムアミドに対する選択率=〔収率(%)(REF
+2×Bis)/(ホルムアミド転化率×1.5)〕×1
00 e i−PrEF=N−(1−イソプロポキシエチル)
ホルムアミド、CH3CH(O−i−Pr)NHCHO f Bis=エチリデンビスホルムアミド、CH3CH
(NHCHO)2
【0030】実験1〜3は種々のアルコール及びその他
の溶媒の触媒失活に与える影響を示している。これらの
特定の溶媒が転化率又は選択率を有意に変えるとは考え
られない。触媒失活の目安であるギ酸アルキルの収率は
3%(酸の投入原量の約33%)から2%(酸の投入原
量の20%)へ、イソプロパノールを第3−ブタノール
又はアセトニトリルで代替することによって低下させる
ことができる。第3−ブタノールは酸及びホルムアミド
とゆっくり反応して失活するが、一方アセトニトリルは
反応しない。イソプロパノールはアセタール/ホルムア
ミド反応の過程で遊離されるので、若干の失活は常に観
察される。イソプロパノールよりも反応性の低い溶媒を
用いると、この特定の系にとって触媒失活を最小に抑え
ることになる。
【0031】〔実施例3〕アセタールとアセトアルデヒ
ド/アルコール混合物の比較 アセトアルデヒドと対応するアルコール(実験1及び
2)とからその場で生成したアセタールとホルムアミド
との反応を、事前に調製したアセタールとホルムアミド
(実験3及び4)との対応する反応と比較したこと以外
は、実施例1の方法を繰返した。反応1〜3は、ホルム
アミド1モル当りAmberlyst 15(A−15)イオン交
換樹脂0.18モル当量を使用して、反応温度25℃、
反応時間4時間で実施した。圧力は大気圧であった。表
3に反応条件と結果を示す。
【0032】
【表3】 a 制限試薬に対する触媒モル%及び収率% b 初期反応剤量に対しパーセント表示された転化率 c アセタールに対する選択率=〔収率(%)(REF+
Bis)/(アセタール転化率)〕×100 d ホルムアミドに対する選択率=〔収率(%)(REF
+2×Bis)/(ホルムアミド転化率)〕×100 e REF=N−(1−アルコキシエチル)ホルムアミ
ド、CH3CH(OR)NHCHO f Bis=エチリデンビスホルムアミド、CH3CH
(NHCHO)2
【0033】実験1及び2はイソプロパノール又はエタ
ノールのいずれかと、アセトアルデヒド及びホルムアル
デヒドとのその場における反応を示す。これら最適のそ
の場(現場)の条件下で高い濃度の酸を用いると、匹敵
する転化率と選択率が得られる。事前に調製したエチル
アセタール(実験3)の同じ条件下の反応は実験1及び
2において記載したその場の反応に匹敵する結果を与え
る。しかしながら実験1及び2に匹敵する条件下、但し
触媒量は3.6分の1の量(3.6times lese)を用い
た、事前に調製したi−Prアセタールの反応(実験
4)は実験1〜3における反応に匹敵する転化率を与
え、そしてホルムアミドの選択率に大きな向上をもたら
す。結論として、調製したi−Prアセタールはアセト
アルデヒド/イソプロパノール混合物の使用にとって好
ましく、またこの混合物は転化率及び選択率の点におい
て事前に調製したアセタールと同等であるようには思わ
れない。
【0034】〔実施例4〕アセタールとヘミアセタール
のカルボン酸エステルの比較 アセタールの代りにヘミアセタールカルボン酸エステル
を用いた以外は実施例1の方法を繰返した。この反応も
またアセタールと比較した。結果を表4に示す。
【0035】
【表4】 a 制限試薬に対する触媒モル%及び収率% b 初期反応剤量に対してパーセント表示された転化率 c アセタール又はエステルに対する選択率=〔収率
(%)(REF+Bis)/(アセタール転化率)〕×100 d ホルムアミドに対する選択率=〔収率(%)(REF
+2×Bis)/(ホルムアミド転化率×1.5)〕×1
00 e REF=N−(1−アルコキシエチル)ホルムアミ
ド、CH3CH(OR)NHCHO f Bis=エチリデンビスホルムアミド、CH3CH
(NHCHO)2
【0036】エチルアセトアルデヒドヘミアセタールの
アセテートエステル(実験1、CH 3CH(OEt)(OC
OCH3))は極めて脱離し易い基を組込んでいるので、
i−Prアセタールで得られた結果(実験3)に匹敵す
る、優れた転化率及び選択率並びに触媒失活を与える。
ヘミアセタールエステルはホルムアミドと反応すると酢
酸を遊離し、この遊離した酢酸は触媒失活を起さない。
触媒失活の若干はやはりヘミアセタールエステルで生ず
るが、これは次の工程でエタノールが脱離してビスホル
ムアミドができるからである。それにもかかわらず、第
1アルコールからでさえも作られたヘミアセタールエス
テルを使うことによって得られる利点は、第2アルコー
ルのみから作られたアセタールを使って得られる利点に
匹敵するし、また場合によってはこれを上廻ることもあ
る。エチルアセタール(実験2)は同一条件下では満足
するに至らない、その理由はこのアセタールは反応性が
低く、また急速な触媒失活をひき起す第1アルコールを
発生するからである。
【0037】〔解説〕第2又は第3アルコールもしくは
ヘミアセタールカルボン酸エステルから誘導されたアセ
タールを用いることにより得られる利点を説明すると下
記のようになる。アセトアルデヒドを第2アルコール、
イソプロパノールに反応させて部分的に誘導したアセタ
ールであるアセトアルデヒドジイソプロピルアセター
ル、CH 3CH(O−i−Pr)2は立体障害を受け、従っ
てエタノールを失うアセトアルデヒドジエチルアセター
ルのようなアンヒンダード無障害の第1アセタールより
も容易にイソプロパノールを失う。この立体障害は、ア
セトアルデヒドジイソプロピルアセタールとの反応は、
アセトアルデヒドジエチルアセタールとの反応に比べ
て、触媒量がより少なく、より低い温度で行われると実
験的に見られる反応のための推進力を付与している。
【0038】激しい競争反応において、下記に示すよう
に(方程式1)、アミドもまた水又はアルコールの存在
下で化学量論的に酸と反応する。アミンの水との反応は
対応するカルボン酸及び強酸触媒H+-のアミン塩を生
成する。このカルボン酸もアミン塩も所望の反応を接触
作用するには充分に酸性ではない。同様に、アルコール
中でのアミドと酸との反応はエステル及び酸触媒のアミ
ン塩を生成する(方程式2)。
【0039】もしこれらの反応が有意な程度に起るなら
ば、N−(1−アルコキシアルキル)アミド合成に必要
な酸触媒は消費され、そして選択率はアミド反応物質の
消費により低下する。
【0040】 (1) R1CONHR2+H2O+H+→ R1COOH+R2NH3 +- (2) R1CONHR2+R3OH+H+→ R1COOR3+R2NH3 +-
【0041】上掲の反応は、ホルムアミドの使用及び程
度こそ比較的低いが、第1アルコールのアセタール、第
2アルコールのアセタール及びヘミアセタールカルボン
酸エステルを有する反応物質としての他アミド類の使用
に関連する問題を説明するのに助けとなる。例えば、上
記の反応(1)は反応(2)より速い速度で進行する。
しかしながら、反応(1)及び反応(2)は共に、R1
がホルムアミドにおけるような水素であるときは、R1
がアセトアミドにおけるようなアルキルであるときより
も速い速度で進行する。R1が水素であるときは、両反
応はホルムアミドとアセタールとの完全な反応が起る前
に酸触媒及びホルムアミドが消費されるような速度で進
行する。その結果、投入されるホルムアミドをベースに
した、N−(1−アルコキシエチル)ホルムアミド及び
ビスホルムアミドへの選択率は、水が存在するか又はア
ルコールがアミドに対して反応性を有するときは、不良
となる。実施例はまた反応(2)によって説明されるも
う1つの利点を例示している。第2又は第3アルコール
のアセタールから誘導された第2及び第3アルコール
は、ホルムアミドと第2アルコール又は第3アルコール
のアセタールとの反応期間中に脱離されるとき、ホルム
アミド及び酸とゆっくり反応するが、それは対応する第
1アルコールが脱離されるときよりもっとおそい。
【0042】先行技術のアセタール/アミド化学で記載
した研究はアセタールとアルデヒド/アルコール混合物
は同等であるという主張を支持してきた。これはアセタ
ールCH3CH(OR)2又はヘミアセタールCH3CH(O
R)(OH)は共に酸存在下で主要な中間体CH3CH=O
+を生成するので期待される。しかしながら、もしア
セタールが第2又は第3アルコールから誘導されるなら
ば、立体歪が主要中間体を生成するもう1つの推進力を
与えるが、この推進力は第1アルコールのヘミアセター
ル又はアセタールには存在しない。実施例3は、水が反
応で生成し、これが触媒を失活するので、CH3CHO
/i−PrOH混合物はCH3CHO/EtOH混合物
(それぞれ実験2及び1)よりも良くないことを示して
いる。
【0043】以上要約すると: (イ) 立体障害を受けるアセタール及びヘミアセター
ルエステルはホルムアミドに対してより大きい反応性を
有しており、このことは比較的低い触媒量及び反応温度
を可能にし、反応系のリサイクルを最少化する。
【0044】(ロ) 立体障害を受ける第2及び第3ア
ルコール又はカルボン酸は、ホルムアミドの存在下で、
第1アルコール又は水よりも極めてゆっくりと酸触媒を
失活する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート・クランツ・ピンシユミツト・ ジユニア アメリカ合衆国ペンシルベニア州18104. アレンタウン.ノースグレンウツドスト リート1033 (56)参考文献 特開 昭62−289549(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 231/08 C07C 233/18 C07C 233/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸触媒の存在下で、ホルムアミドと下式
    (I)を有するヘミアセタールとの反応によりN−(1−
    アルコキシアルキル)ホルムアミドおよびアルキリデン
    ビスホルムアミドを製造する方法。 【化1】 ここで、RはC1〜C8のアルキル、アラルキル又はアリ
    ールであり;R1およびR2はC1〜C8の炭素数を有する
    アルキル又はアリールである。
  2. 【請求項2】 前記Rがメチルである請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記R1がエチル、イソプロピル又は第
    3ブチルである請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記R2がメチル、エチル、イソプロピ
    ル又は第3ブチルである請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記R2がイソプロピル又は第3ブチル
    である請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記R1がメチル、R2がメチル、エチ
    ル、イソプロピル又は第3ブチルである請求項1に記載
    の方法。
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