JP3623618B2 - N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法 - Google Patents

N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水剤、増粘剤等に利用できるポリN−ビニルカルボン酸アミド系のポリマーの原料モノマーとして、あるいはタウリン、システアミン等の化学薬品の合成材料として極めて有用なN−ビニルカルボン酸アミドの中間体である、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造方法に関する。
さらに詳しくは、カルボン酸アミドと、アセトアルデヒド及びアルコールを含む原料、及び/またはアセタールを含む原料を用い、強酸性イオン交換樹脂を触媒として水溶性の強酸の存在下に反応させる改良されたN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの合成法としては、数多くの製造方法が提案されている。これらの方法について出発原料に注目すると、アセトアルデヒドを用いる方法、アセタールを用いる方法、エチリデンビスカルボン酸アミドを用いる方法等に分類される。
その中でアセトアルデヒドを主発原料とする方法は、入手容易でかつ安価であるカルボン酸アミド、アセトアルデヒド、アルコールの3種類の化合物から酸性触媒の存在下、一段階で反応を行うことにより、比較的収率よく目的とするN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを合成できることから、工業的に有利にN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造する方法として期待される。
特開昭62−289549号および特開昭63−96160号には、カルボン酸アミド、アセトアルデヒドおよびアルコールを原料として、酸性触媒を用いて、比較的高収率で目的とするN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造する方法が提案されている。これらの方法は、反応を一段で行うことができ、また、高選択率、高収率で目的物が得られるうえに、更に触媒として不均一系触媒である強酸性イオン交換樹脂を使用しているため、反応生成物と触媒の分離が容易であるという利点がある。
【0003】
しかし、強酸性イオン交換樹脂を触媒として使用する場合、使用中に被毒され、失活することがある。これは反応中に副生するごく微量の塩基性イオンや、原料中に含まれる金属イオンあるいは塩基性物質などによるものと推定される。したがって該製造方法を採用するにあたっては、触媒の失活に伴う製造の中断、失活樹脂の再生コスト等の観点から工業的に満足できるものではない。
またこれらの方法とは別に、特開平6−100515号では均一系触媒を使用する方法が提案されている。しかしこの方法は原料に対して多量の酸触媒を必要とするため、反応後の中和工程において副生する中和塩の廃棄が問題になる。
以上のように、従来提案されてきたN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造方法は、収率、副生物の生成、原料入手の困難さ、触媒の寿命、反応工程や精製工程の煩雑さ等の点において多くの改良を必要としているものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを工業的に連続して有利に製造する方法を開発することである。従って良好な収率で、且つ、触媒寿命の観点からも高価な強酸性イオン交換樹脂を失活させずに、また反応を中断させることなく連続的にN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを効率的に製造する方法を開発することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1) カルボン酸アミドと、アセトアルデヒド及びアルコールを含む原料、及び/またはアセタールを含む原料を、強酸性イオン交換樹脂を触媒として使用し反応させる際に、水溶性の強酸を存在させるN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法、
(2) 反応の際に存在させる水溶性の強酸の量が、原料のカルボン酸アミド1モルに対して、2×10−3〜3×10−1当量である(1)記載の製造法、および(3) 強酸性イオン交換樹脂を充填した触媒層に、カルボン酸アミドと、アセトアルデヒド及びアルコールを含む原料、及び/またはアセタールを含む原料を水溶性の強酸の存在下に反応を行い、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを連続的に製造する(1)〜(2)記載のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法を開発することにより上記の目的を達成した。
【0006】
【発明の実施の形態】
強酸性イオン交換樹脂を触媒として用い、カルボン酸アミドと、アセトアルデヒド及びアルコールを含む原料、及び/またはアセタールを含む原料から、一段でN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを高収率で製造する方法において、使用中に触媒である強酸性イオン交換樹脂の失活が起こり、これが生産性の低下及びコストアップの原因となっていた。
本発明者らはかかる状況に鑑み、原料、触媒、反応条件、反応操作、分離工程等製造プロセス全体にわたって、総合的に鋭意検討した結果、反応を行う際に水溶性の強酸の存在下に行うこと、好ましくは原料のカルボン酸アミド1モルに対して2×10−3〜3×10−1当量の水溶性の強酸を存在させることにより、副生産物として多量の中和塩を生成することなく、触媒の失活を抑え、長寿命化が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明の方法についてさらに詳細に説明する。
【0007】
N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを得る反応、及び得られたN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドからN−ビニルカルボン酸アミドを得る反応は、それぞれ平衡反応である。したがってN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド製造工程においては、カルボン酸アミドの転化率は平衡転化率でしか得られないため、反応液中には目的物質のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの他に未反応のカルボン酸アミドが存在する。
また本製造方法において、製造されたN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドが対応するN−ビニルカルボン酸アミドへ変換される場合も同様に目的物質のN−ビニルカルボン酸アミドの他に未反応のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド及びN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド中のカルボン酸アミド、不純物であるエチリデンカルボン酸アミドが存在する。これらは一部または全量本N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド製造工程にリサイクルして原料として使用することができる。
【0008】
本発明の原料として使用するカルボン酸アミドとしては、一般に脂肪族の第一カルボン酸アミド、エチリデンビスカルボン酸アミド、N−ビニルカルボン酸アミドの少なくとも一つあるいはそれらの混合物が使用できる。また上記のように目的物のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドが上記のカルボン酸アミドの混合物に含まれていてよい。
第一カルボン酸アミドとしては、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、酪酸アミド、イソ酪酸アミド等が挙げられる。またエチリデンビスカルボン酸アミドとしては、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミドなどの脂肪族の第一カルボン酸アミドから導かれるビスカルボン酸アミドが挙げられ、これらは本製造工程において、アセトアルデヒド及びアルコール、及び/またはアセタールと反応し、目的のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを与える。
【0009】
この時リサイクル原料のうちのN−ビニルカルボン酸アミドは、本N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド製造工程において、原料のアルコールまたはアセタールと反応し、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを与える。このN−ビニルカルボン酸アミドとしては、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミドなどが挙げられる。
【0010】
またリサイクル原料中のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドはさらに反応が進行することもなく、本製造工程になんら影響なく存在することができる。またこのときのN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドとしては、炭素数1〜5のアルコキシル基を持ち、かつ、カルボン酸アミドとしては前述のようにホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミドなどの脂肪族第一カルボン酸アミドが挙げられる。
リサイクル原料中の第一カルボン酸アミドはアセトアルデヒドとアルコール、またはアセタールと反応し、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを与える。この時、リサイクル原料中のエチリデンビスカルボン酸アミドは本N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド製造工程においてアルコールと反応し、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを与える。
【0011】
原料のアルコールとしては、炭素数1〜5の脂肪族アルコールを用いることができる。たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、1−ペンタノール等が挙げられ、なかでもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールが好ましい。
【0012】
原料のアセタールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、1−ペンタノール等の脂肪族アルコールから導かれるアセタールが挙げられる。これらアセタールとアルコールは平衡反応の関係にあり、反応条件下ではアルコキシル基の交換反応が起こることから同一種類のアルコールとアセタールの組合せ、例えば、メタノールとジメチルアセタール、エタノールとジエチルアセタールの組合せなどが好ましい。
【0013】
原料のカルボン酸アミドに対して配合されるアセトアルデヒドとアルコールの系あるいはアセタールの系は、それぞれの系で反応させてもN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造することはできるが、この3者を混合した上カルボン酸アミドと混合した原料系は、反応の前後でアセタールの濃度の変動が抑制できるだけでなく、見かけ上アセタールを溶媒として反応できるので有利である。
また原料中の水分の制限は特にない。多量の水が存在するとアセタールの加水分解反応が進行し、収率の低下の原因となり好ましくないが、少量の水の存在は触媒の反応速度を上昇させるので、この観点から水を少量存在させておくことが好ましい。
【0014】
本発明で触媒として用いる強酸性イオン交換樹脂としては、原則的に強酸性タイプのものであれば特に制限はなく、また、ゲル型、ポーラス型のいずれでもよく、例えば前者の例としては、「ダイヤイオンSK−1B」、「アンバーライトIR−120B」、「ダウエックス50W」(いずれも登録商標)等が挙げられる。また、後者の例としては、「ダイヤイオンPK−216」、「アンバーライト200C」、「アンバーリスト15」、「ダウエックスMSC−1」(いずれも登録商標)などが挙げられる。
【0015】
また、反応時に存在させる水溶性の強酸としては、原則的に水溶性であって、強酸であれば特に制限はなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、リンタングステン酸等のヘテロポリ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸などが挙げられる。
【0016】
反応に供給するカルボン酸アミドと、アセトアルデヒド及びアルコールを含む原料、及び/またはアセタールを含む原料の配合比は、カルボン酸アミドとアセトアルデヒド及びアルコールを含む原料の場合、1:0.5〜10:1.5〜50の範囲から選択され、中でも1:1〜5:2〜20が好ましい。
またカルボン酸アミドとアセタールを含む原料の場合、1:2〜50の範囲から選択されるが、中でも1:14〜20が好ましい。
カルボン酸アミドに対してアセトアルデヒドのモル比を、10を超える量配合してもカルボン酸アミドの転化率の向上は期待できず、アセトアルデヒド縮合物の生成量が増すだけである。また、配合量を0.5未満にするとカルボン酸アミドの転化率が低下する。
【0017】
カルボン酸アミドに対してアルコールのモル比を、50を超える量配合するとカルボン酸アミドの転化率が低下し、アセタールの副生量が増加するとともに、生産性が低下する。また、1.5未満にするとエチリデンビスアミドの生成量が増し、アセタール濃度が減少してしまう。
カルボン酸アミドに対してアセタールのモル比を、50を超える量配合すると、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの生産性が低下する。また、配合量を2未満にするとカルボン酸アミドの転化率が低下し、エチリデンビスアミドの生成量が増すことになる。
【0018】
本発明において、強酸性イオン交換樹脂触媒の使用量は、回分式においてはカルボン酸アミドに対して1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%の範囲から適宜に選択される。30重量%以上用いても反応速度の大きな増加はなく、経済的に好ましくない。また、1%以下では反応速度が小さく、生産性の点で好ましくない。
【0019】
また水溶性の強酸の量は、原料のカルボン酸アミド1モルに対して、2×10−3〜3×10−1当量の範囲から選択されるが、2×10−3〜3×10−2当量が好ましく、2×10−3〜1×10−2当量が特に好ましい。
この時の当量とは、カルボン酸アミドに対する酸の量を表すために用いられる化学当量を表す。3×10−2当量を超える量用いても触媒の長寿命化の効果は飽和しており、それ以上の長寿命化は望めず、また強酸の使用量に応じて対応する中和塩の副生が避けられないため好ましくない。また、2×10−3当量未満の量では触媒の長寿命化に顕著な効果は認められず好ましくない。
水溶性の強酸の添加方法は、原料組成物中にあらかじめ添加しておく方法、強酸性イオン交換樹脂と接触させる直前に原料組成物に添加する方法などいずれでも良く特に制限はない。後者の場合、装置の腐食を防止する観点から水溶性の強酸を希釈して添加する方法が好ましい。
この時の希釈剤としては、強酸が均一に溶解するものであれば特に制限はないが、反応原料の組成を変えないためにも、原料として用いられる物質を使用する方法が好ましい。具体的には前述の炭素数1〜5のアルコール、アセタールが挙げられる。この時強酸の変質などの好ましくない反応を抑制するために水を少量存在させることが効果的である。
【0020】
反応温度は通常0〜150℃の範囲から選択されるが、20〜80℃が特に好ましい。0℃以下では反応速度が遅いため好ましくない。また150℃以上では不純物の生成が増加し、好ましくない。
反応時間は、反応に用いる触媒量、反応温度、原料の化合物の種類などにより異なるが、通常0.05〜1時間の範囲から選択され、特に0.1〜0.5時間が好ましい。
反応形式は回分式あるいは連続式が用いられる。回分式は、反応器に原料、触媒及び水溶性の強酸を供給して反応させる。連続式は、あらかじめ触媒を充填した攪拌槽または管状反応器に、原料と水溶性の強酸を供給して反応させる。本発明は特に触媒を充填した触媒層を用い、この中を水溶性の強酸を含む原料組成物を通過させる連続式に用いる時に効果が大きい。
【0021】
本発明の反応条件は、使用するアルコール、アセタールなどの原料化合物の種類によって最適条件が異なるので、目的物のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを収率よく得るためには、上記の範囲でその反応に適合した原料組成、反応温度、反応時間を設定することが必要である。また圧力は減圧、常圧、加圧のいずれの条件でも可能であるが、通常は常圧でさしつかえない。
【0022】
この反応において、強酸性イオン交換樹脂の長寿命化の理由は明らかではないが、原料中に含まれるごく微量の塩基性物質あるいは原料中の酸成分による装置の腐食から生成する金属イオン、また反応時における原料カルボン酸アミドの加水、加溶媒分解反応によって生成するごく微量の塩基性イオンなどが強酸性イオン交換樹脂に吸着されて失活が起こると思われるが、これが少量の水溶性の強酸を添加することによって抑えられ、触媒の失活を抑制する効果があるものと推定している。
【0023】
本発明の方法によって得られるN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドは、主として、例えばN−ビニルカルボン酸アミドの製造のための中間体として有用であり、得られたN−ビニルカルボン酸アミドは単独でまたは他の重合性モノマーとのコポリマーとして、あるいは他の有用な化学薬品へと誘導させる。
対応するN−ビニルカルボン酸アミドへの変換は、公知の方法、例えば60〜550℃での熱分解または接触分解することにより行われる。
以下本発明の実施例を示すが、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
(実施例1)
アセトアミド、アセトアルデヒド、メタノール及びアセトアルデヒドジメチルアセタールを、モル比で1:3:6.2:10.2の原料組成物を調製した。更に原料のアセトアミド1モルに対して3.76×10−3当量の硫酸を添加し十分に溶解させ、反応原料液とした。
強酸性イオン交換樹脂「ダウエックスMSC−1:(登録商標)」10mlを充填した内径25mmの触媒充填管(反応器)に反応原料液を毎時50ml供給した。反応器のジャケットには40℃の温水を流し、反応温度を40℃に制御した。反応成績は反応器出口から得られた反応液を中和処理した後、ガスクロマトグラフィーで定量分析してN−(1−メトキシエチル)アセトアミド生成量を算出した。
21時間後の反応成績は、アセトアミド転化率91.9%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率93.7%であった。
600時間経過後の反応成績は、アセトアミド転化率91.7%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率93.5%であり、活性の低下は見られなかった。反応初期のアセトアミド転化率に対するある時間後のアセトアミド転化率の低下率を活性低下率と定義すると、600時間後の活性低下率は、0.22%であった。また反応副生成物であるエチリデンビスアセトアミドの生成は3.82%であった。
【0025】
(実施例2)
実施例1における硫酸の添加量3.76×10−3当量を、1.88×10−2当量に変えたほかは実施例1とまったく同様に操作を行った。21時間経過後の反応成績は、アセトアミド転化率92.6%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドの選択率88.0%であった。また600時間経過後の反応成績は、アセトアミド転化率92.3%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドの選択率87.8%であり、活性低下率は0.32%であった。エチリデンビスアセトアミドの生成は5.3%であった。
【0026】
(実施例3)
原料組成物を実施例1と同様に、アセトアミド、アセトアルデヒド、メタノール及びアセトアルデヒドジメチルアセタールのモル比を1:3:6.2:10.2の配合比としたが、この原料のうちメタノールの1/5量を別にとり、これに原料のアセトアミド1モルに対して3.76×10−3当量の硫酸とアセトアミド1モルに対して0.5モルの水を添加し、十分に溶解した。
この2つの溶液を別々に反応器に供給した以外は実施例1と同様に操作を行った。24時間後の反応成績は、アセトアミド転化率92.6%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド転化率93.1%であった。600時間後の反応成績は、アセトアミド転化率91.8%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率92.9%であり、活性低下率は0.84%であった。反応副生成物であるエチリデンビスアセトアミドの生成は6.1%であった。
また2000時間経過後の反応成績は、アセトアミド転化率91.7%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率91.6%であり、活性低下率は0.85%であった。また反応副生成物であるエチリデンビスアセトアミドの生成は6.6%であった。
【0027】
(比較例1)
実施例1の原料組成物に対し硫酸を無添加にした以外は、実施例1と同じ操作を行った。29時間後の反応成績は、アセトアミド転化率92.9%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドの選択率92.9%と良好であった。エチリデンビスアセトアミドの生成は6.0%であった。しかし160時間後の反応成績はアセトアミド転化率89.1%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドの選択率91.3%となり、活性低下率は4.09%であった。
【0028】
(比較例2)
実施例1の反応原料液の硫酸添加量を1.88×10−6とした以外は実施例1と同様の操作を行った。23時間後の反応成績はアセトアミド転化率92.8%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率94.5%であった。エチリデンビスアセトアミドの生成は5.0%であった。しかし170時間を経過後の反応成績は、アセトアミド転化率89.3%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドの選択率94.1%であり、活性低下率は3.78%であった。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、カルボン酸アミド及び、アセトアルデヒドとアルコールを含む原料及び/またはアセタールを含む原料を用い、強酸性イオン交換樹脂を触媒として反応させる際に、原料組成物と共に水溶性の強酸を存在させて反応することにより、強酸性イオン交換樹脂の活性低下を抑制し、触媒としての長寿命化に成功したものである。
この結果、本発明による時は、触媒は高転化率、高選択率を維持し、かつ副生物の生成も少ないため、強酸性イオン交換樹脂の再生の必要の機会を大幅に延長することで生産性を向上させ、長期間安定した生産が可能となった。

Claims (3)

  1. カルボン酸アミドと、アセトアルデヒド及びアルコールを含む原料、及び/またはアセタールを含む原料を、強酸性イオン交換樹脂を触媒として使用し反応させる際に、水溶性の強酸を存在させることを特徴とするN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法。
  2. 反応の際に存在させる水溶性の強酸の量が、原料のカルボン酸アミド1モルに対して、2×10−3〜3×10−1当量である請求項1記載の製造法。
  3. 強酸性イオン交換樹脂を充填した触媒層に、カルボン酸アミドと、アセトアルデヒド及びアルコールを含む原料、及び/またはアセタールを含む原料を水溶性の強酸の存在下に反応を行いN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを連続的に製造する請求項1〜2記載の製造法。
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