JP3941277B2 - 制震壁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、事務所用のビル、集合住宅、戸建住宅の建物の壁、特にこれらの建物に加わる地震等の振動を減衰させる制震壁に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
制震壁として、下梁及び上梁と、上部に開口を有して、下部で下梁に固定された箱体と、この箱体に対して隙間をもって当該箱体内に配されており、上部で上梁に固定された抵抗板と、箱体と当該各箱体内に配された抵抗板との間の隙間に充填された粘性体とを具備し、地震等の振動に際して、下梁に対する上梁の相対的水平変位に基づく箱体と抵抗板との間の同じく相対的水平変位において箱体内に収容された粘性体に粘性剪断を生じさせて、この粘性剪断による減衰力により地震等の振動を減衰させるものが提案されている。
【0003】
斯かる制震壁においては、箱体及び抵抗板を夫々下梁及び上梁に固定する必要があるが、この固定手段としては、特開平10−46865号公報に記載されているようなものがあるが、この公報に記載の固定手段によれば、箱体又は箱体及び抵抗板からなる組み合わせ体を自立構造とすることが困難であり、これらの運搬、保管、設置作業における取り扱いが面倒となる上に、安全性に特別の配慮が必要となる虞がある。
【0004】
また、地震等に起因する箱体と抵抗板との間の相対的水平変位においては、箱体及び抵抗板には大きな水平力と曲げモーメントとが加わることになるが、公報に記載の固定手段では、この水平力と曲げモーメントとに基づく剪断力と引っ張り力とに耐え得るために、多数のボルトと、相当の厚みの固定用の鋼板とを用いなければならず、作業工数の増大とコストアップを招来する虞がある。
【0005】
加えて、箱体及び抵抗板からなる組み合わせ体を複数個並設してこれらのうちの隣接する箱体又は抵抗板を互いに相互に連結する場合には、公報に記載の固定手段では、これに容易に直ちに対処できず、他の連結手段を新たに必要として、多くの部品を準備する必要があり、これによっても、作業工数の増大とコストアップを招来する虞がある。
【0006】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、十分な耐力をもって箱体又は抵抗板を下梁又は上梁に固定でき、作業工数の低減とコストダウンを図り得、しかも、箱体及び抵抗板からなる組み合わせ体を下梁及び上梁間に複数個並設する際にも、これらのうちの隣接する箱体又は抵抗板を互いに相互に簡単に強固に連結できる制震壁を提供することにある。
【0007】
本発明の第一の態様の制震壁は、建物壁における下支持手段及び上支持手段と、上部に開口を有して、下部で下支持手段に下部固定手段を介して固定された少なくとも一つの箱体と、この箱体に対して隙間をもって当該箱体内に配されており、上部で上支持手段に上部固定手段を介して固定されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している抵抗板と、箱体と当該箱体内に配された抵抗板との間の隙間に充填された粘性体とを具備しており、箱体は、横方向において互いに対向して配された一対の狭幅側壁板と、縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対向して配された一対の幅広側壁板と、これら狭幅側壁板及び幅広側壁板の下端に固着されていると共に両側面が縦方向において互いに対面している底壁板とを一体的に具備しており、下部固定手段は、下支持手段の横方向の一方の側端の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している一方の下梁側ガセットプレートと、下支持手段の横方向の他方の側端の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している他方の下梁側ガセットプレートと、横方向の一方の最縁部に位置した箱体の狭幅側壁に固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している一方の箱体側ガセットプレートと、横方向の他方の最縁部に位置した箱体の狭幅側壁に固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している他方の箱体側ガセットプレートと、一方の下梁側ガセットプレートと一方の箱体側ガセットプレートとをその両側面から挟持した一方の側部スプライスプレートと、他方の下梁側ガセットプレートと他方の箱体側ガセットプレートとをその両側面から挟持した他方の側部スプライスプレートと、一方の下梁側ガセットプレート、箱体側ガセットプレート及び側部スプライスプレートを共締めした一方の高力ボルトと、他方の下梁側ガセットプレート、箱体側ガセットプレート及び側部スプライスプレートを共締めした他方の高力ボルトとを具備しており、下支持手段は、両側面が縦方向において互いに対面している上端フランジプレートを具備しており、箱体の底壁板は、下支持手段の上端フランジプレートに重ね合わされており、下部固定手段は、箱体の底壁板と下支持手段の上端フランジプレートとを共締めした高力ボルトを具備しており、上支持手段は、下端フランジプレートを具備しており、上部固定手段は、上支持手段の下端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している上梁側ガセットプレートと、この上梁側ガセットプレートと抵抗板の上部とをその両側面側から挟持した上部スプライスプレートと、上梁側ガセットプレート及び上部スプライスプレートを共締めした高力ボルトとを具備している。
【0008】
第一の態様の制震壁によれば、一方の下梁側ガセットプレートと側部スプライスプレートとを、また一方の箱体側ガセットプレートと側部スプライスプレートとを、夫々高力ボルトにより二面摩擦接合させ、同じく、他方の下梁側ガセットプレートと側部スプライスプレートとを、また他方の箱体側ガセットプレートと側部スプライスプレートとを、夫々高力ボルトにより二面摩擦接合させ、しかも、箱体の横方向の両最縁部で当該箱体を下部固定手段に固定しているために、高力ボルトに加わる剪断力を低減でき、地震等に際する箱体と抵抗板との間の相対的水平変位において、箱体及び抵抗板に大きな水平力と曲げモーメントとが加わっても、それに基づく剪断力と引っ張り力とに十分耐えることができ、而して、高力ボルトの個数を削減できる上に、ガセットプレート並びにスプライスプレートにそれほど厚肉の鋼板を用いる必要がなく、大幅な作業工数の低減及びコストダウンを図ることができる。第一の態様の制震壁によれば、箱体の底壁板と支持手段の上端フランジプレートとが高力ボルトにより互いに一面摩擦接合をもって固着されているために、箱体の支持手段への固定を更に強固なものとできる。第一の態様の制震壁によれば、抵抗板の上部を上梁側ガセットプレートと一対の上部スプライスプレートとにより二面摩擦接合をもって固定できるために、抵抗板を上部支持手段にしっかりと固定できる。
【0009】
本発明の第二の態様の制震壁では、第一の態様の制震壁において、一方及び他方の下梁側ガセットプレートと一方及び他方の箱体側ガセットプレートとは、その互いに対面する上部及び下部縁部に、箱体の底壁板と下支持手段の上端との重ね合わせ面近傍に空間を形成すべく、切欠きを具備している。
【0010】
第二の態様の制震壁によれば、一方及び他方の下梁側ガセットプレートと同じく一方及び他方の箱体側ガセットプレートとが切欠きを具備しているために、底壁板及び下支持手段の上端の横方向外側への多少の突出を許容でき、また、支持手段の上端への箱体の載置後に、底壁板と下支持手段の上端との重ね合わせ面が多少横方向に突出しても、この突出を許容でき、更に、当該載置後に、切欠きによって形成される空間を利用して、重ね合わせ面に溶接を施すことができ、而して、底壁板と下支持手段の上端とを、高力ボルトに加えて、この溶接によっても相互にしっかりと固着できるようになる。
【0013】
本発明の第三の態様の制震壁では、第一又は第二の態様のいずれかの制震壁において、下支持手段は、下大梁と、この下大梁に固着された嵩上げ金物板とを具備しており、両側端フランジプレートの夫々は、嵩上げ金物板に固着されている。
【0014】
第三の態様の制震壁によれば、嵩上げ金物板を介して箱体を下大梁に固定できるために、下大梁にボルト孔等を穿孔して、下大梁の強度を劣化させることがなく、しかも、箱体の取り替えの際には、容易にその作業を行い得る。
【0015】
本発明の第四の態様の制震壁では、第一から第三の態様のいずれかの制震壁において、一方及び他方の下梁側ガセットプレート及び箱体側ガセットプレートのうちの少なくとも一つのガセットプレートにおいて、高力ボルトが挿通されるその貫通孔は、当該ガセットプレートに対してこれに共締めされるスプライスプレートを位置決め調節できるように、高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されている。
【0016】
第四の態様の制震壁によれば、ガセットプレートにおいて高力ボルトが挿通されるその貫通孔が、当該高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されているので、ガセットプレートに対してこれに共締めされるスプライスプレートを位置決め調節でき、而して、製作誤差などを吸収して、ガセットプレートとスプライスプレートとを設置作業中に問題なしに共締めすることができる。
【0019】
本発明の第五の態様の制震壁では、第一から第四の態様のいずれかの制震壁において、前記の箱体、抵抗板及び粘性体の組を横方向に並置して複数個具備しており、隣接する箱体同士は、連結手段により相互に連結されている。
【0020】
第五の態様の制震壁によれば、箱体、抵抗板及び粘性体の組を複数個具備するために、制震効果が増大し、しかも、夫々が連結手段により相互に連結されているために、これらをしっかりと上下支持手段間に固定できる。
【0021】
本発明の第六の態様の制震壁では、第五の態様の制震壁において、連結手段は、隣接する箱体の対面する狭幅側壁板に夫々固着された連結ガセットプレートと、この連結ガセットプレートをその両側面から挟持した連結スプライスプレートと、これら連結ガセットプレート及び連結スプライスプレートを共締めした高力ボルトとを具備している。
【0022】
第六の態様の制震壁によれば、連結ガセットプレートと一対の連結スプライスプレートとを二面摩擦接合により固定しているために、箱体相互の連結が強固となる。
【0023】
本発明の第七の態様の制震壁では、第六の態様の制震壁において、連結ガセットプレートにおいて、高力ボルトが挿通されるその貫通孔は、当該連結ガセットプレートに対してこれに共締めされる連結スプライスプレートを位置決め調節できるように、高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されている。
【0024】
第七の態様の制震壁によれば、連結ガセットプレートにおいて高力ボルトが挿通されるその貫通孔が、当該高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されているので、連結ガセットプレートに対してこれに共締めされる連結スプライスプレートを位置決め調節でき、而して、製作誤差などを吸収して、連結ガセットプレートと連結スプライスプレートとを連結作業中に問題なしに共締めすることができる。
【0025】
本発明の第八の態様の制震壁では、第五から第七の態様のいずれかの制震壁において、連結手段は、隣接する箱体間において少なくともその二個が縦方向に並置されて配されている。
【0026】
第八の態様の制震壁によれば、連結手段を箱体間に複数個併置するために、箱体同士の連結を更に強固なものとでき、而して、箱体を下支持手段にしっかりと固定できる。
【0027】
本発明の第九の態様の制震壁は、建物壁における下支持手段及び上支持手段と、上部に開口を有して、下部で下支持手段に下部固定手段を介して固定された少なくとも一つの箱体と、この箱体に対して隙間をもって当該箱体内に配されており、上部で上支持手段に上部固定手段を介して固定されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している抵抗板と、箱体と当該箱体内に配された抵抗板との間の隙間に充填された粘性体とを具備しており、箱体は、横方向において互いに対向して配された一対の狭幅側壁板と、縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対向して配された一対の幅広側壁板と、これら狭幅側壁板及び幅広側壁板の下端に固着されていると共に両側面が縦方向において互いに対面している底壁板とを一体的に具備しており、上部固定手段は、上支持手段の横方向の一方の側端の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している一方の上梁側ガセットプレートと、上支持手段の横方向の他方の側端の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している他方の上梁側ガセットプレートと、横方向の一方の最縁部に位置した抵抗板の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している一方の抵抗板側ガセットプレートと、横方向の他方の最縁部に位置した抵抗板の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している他方の抵抗板側ガセットプレートと、一方の上梁側ガセットプレートと一方の抵抗板側ガセットプレートとをその両側面から挟持した一方の側部スプライスプレートと、他方の上梁側ガセットプレートと他方の抵抗板側ガセットプレートとをその両側面から挟持した他方の側部スプライスプレートと、一方の上梁側ガセットプレート、抵抗板側ガセットプレート及び側部スプライスプレートを共締めした一方の高力ボルトと、他方の上梁側ガセットプレート、抵抗板側ガセットプレート及び側部スプライスプレートを共締めした他方の高力ボルトとを具備しており、上支持手段は、両側面が縦方向において互いに対面している下端フランジプレートを具備しており、抵抗板は、両側面が縦方向において互いに対面している上端フランジプレートを具備しており、抵抗板の上端フランジプレートは、上支持手段の下端フランジプレートに重ね合わされており、上部固定手段は、抵抗板の上端フランジプレートと上支持手段の下端フランジプレートとを共締めした高力ボルトを具備しており、下部固定手段は、下支持手段の上端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している下梁側ガセットプレートと、箱体の底壁板に固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している箱体側ガセットプレートと、この箱体側ガセットプレートと下梁側ガセットプレートとをその両側面から挟持した下部スプライスプレートと、箱体側ガセットプレート、下梁側ガセットプレート及び下部スプライスプレートを共締めした高力ボルトとを具備している。
【0028】
本発明の第十の態様の制震壁では、第九の制震壁において、一方及び他方の上梁側ガセットプレートと一方及び他方の抵抗板側ガセットプレートとは、その互いに対面する下部及び上部縁部に、協同して空間を形成すべく、切欠きを具備している。
【0030】
本発明の第十一の態様の制震壁では、第九又は第十の制震壁において、上支持手段は、上大梁と、この上大梁に固着された嵩下げ金物板とを具備しており、上支持手段の下端フランジプレート及び両側端フランジプレートの夫々は、嵩下げ金物板に固着されている。
【0031】
本発明の第十二の態様の制震壁では、第九から第十一の態様のいずれかの制震壁において、一方及び他方の上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプレートのうちの少なくとも一つのガセットプレートにおいて、高力ボルトが挿通されるその貫通孔は、当該ガセットプレートに対してこれに共締めされるスプライスプレートを位置決め調節できるように、高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されている。
【0033】
本発明の第十三の態様の制震壁では、第九から第十二の態様のいずれかの制震壁において、前記の箱体、抵抗板及び粘性体の組を横方向に並置して複数個具備しており、隣接する抵抗板同士は、連結手段により相互に連結されている。
【0034】
本発明の第十四の態様の制震壁では、第十三の態様の制震壁において、連結手段は、隣接する抵抗板の対面する側端フランジプレートに夫々固着された連結ガセットプレートと、この連結ガセットプレートをその両側面から挟持した連結スプライスプレートと、これら連結ガセットプレート及び連結スプライスプレートを共締めした高力ボルトとを具備している。
【0035】
本発明の第十五の態様の制震壁では、第十四の態様の制震壁において、連結ガセットプレートにおいて、高力ボルトが挿通されるその貫通孔は、当該連結ガセットプレートに対してこれに共締めされる連結スプライスプレートを位置決め調節できるように、高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されている。
【0036】
以上の第九から第十五の態様の制震壁は、抵抗板に関して、先に述べた第一から第八の制震壁と同等の効果を得ることができる。
【0037】
本発明の制震壁を適用し得る建物として、事務所用のビル、集合住宅、戸建住宅を好ましい例として挙げることができるが、特にこれに限定されない。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に何等限定されないのである。
【0039】
図1から図11において、本例の制震壁1は、建物の一対の柱2及び3間に形成されており、建物壁における下支持手段4及び上支持手段5と、上部に開口6を有して、下部で下支持手段4に下部固定手段7を介して固定された箱体8と、箱体8に対して隙間9をもって当該箱体8内に配されており、上部で上支持手段5に上部固定手段10を介して固定された抵抗板11と、箱体8と当該箱体8内に配された抵抗板11との間の隙間に充填された粘性体12とを具備している。
【0040】
箱体8は、互いに対向して配された一対の狭幅側壁板15及び16と、狭幅側壁板15及び16を橋絡して当該狭幅側壁板15及び16に溶接固着されており、互いに対向して配された一対の幅広側壁板17及び18と、狭幅側壁板15及び16を橋絡して、当該狭幅側壁板15及び16並びに幅広側壁板17及び18の上端に溶接固着されたL型鋼からなる開口形成部材19及び20と、これら狭幅側壁板15及び16並びに幅広側壁板17及び18の下端に溶接固着された底壁板21と、狭幅側壁板15及び16を橋絡し、狭幅側壁板15及び16並びに幅広側壁板17及び18に溶接固着され、縦方向に所定間隔をもって配されて、当該幅広側壁板17及び18の夫々を補強したU型鋼からなる複数の補強部材22と、幅広側壁板17及び18間の所定間隔を保持する複数の間隔保持手段23と、底壁板21並びに幅広側壁板17及び18に溶接固着されて、横方向に所定間隔をもって配された複数の補強リブ24とを一体的に具備している。
【0041】
箱体8は、その底壁板21が下支持手段4の上端としての後述の上端フランジプレート25に重ね合わされ、しかも、複数の高力ボルト26により当該上端フランジプレート25に固着されて、下支持手段4と上支持手段5との間に配されている。
【0042】
間隔保持手段23の夫々は、特に図8に詳細に示すように、幅広側壁板17及び18を貫通したボルト31と、ボルト31に螺着されたナット32と、ボルト31が挿通されて幅広側壁板17と18との間に配された円筒カラー33とを具備しており、円筒カラー33によって幅広側壁板17及び18間の所定間隔を保持するようになっている。
【0043】
抵抗板11は、幅広の抵抗板本体35と、抵抗板本体35の箱体8外に位置した上部側縁に溶接固着されたフランジ片36及び37と、箱体8の幅広側壁板17及び18に対して所定の隙間9を保持する複数個の隙間保持手段38とを具備しており、幅広側壁板17及び18に対して抵抗板本体35が相対的に移動できるように、円筒カラー33の夫々を取り囲んで抵抗板本体35には、楕円形の貫通孔34が穿孔されている。
【0044】
隙間保持手段38の夫々は、特に図9に示すように、抵抗板本体35を貫通して当該抵抗板本体35に取り付けられた両鍔39及び40付き隙間保持部材41からなり、隙間保持部材41は、鍔39及び40において幅広側壁板17及び18に摺動自在に接触して、抵抗板本体35と幅広側壁板17及び18との間の隙間9を保持している。
【0045】
箱体8又は箱体8及び抵抗板11からなる組み合わせ体45では、特に図11に示すように、箱体8が底壁板21を具備して形成されているために自立構造となり、これらの運搬、保管、設置作業における取り扱いが容易となり、安全性に極めてすぐれたものとなる。
【0046】
下支持手段4は、本例では、補強リブ51が溶接固着されたH型鋼からなり、建物の所定階の床側の下大梁52と、下大梁52上に配された嵩上げ金物53とを具備しており、嵩上げ金物53は、下大梁52の上部のフランジ部54に溶接固着された嵩上げ金物板55と、嵩上げ金物板55の上縁に溶接固着された上端フランジプレート25と、嵩上げ金物板55の両側端に溶接固着された側端フランジプレート56及び57と、上端フランジプレート25、嵩上げ金物板55及びフランジ部54に溶接固着された補強リブ58とを具備している。
【0047】
下支持手段4において嵩上げ金物53を具備していると、下大梁52にボルト孔等を穿孔して、下大梁52の強度を劣化させることがなく、しかも、箱体8の取り替えの際には、容易にその作業を行い得るので、好ましいが、このような嵩上げ金物53を具備しないで、下大梁52のみをもって下支持手段4を構成してもよい。
【0048】
上支持手段5は、補強リブ61が溶接固着されたH型鋼からなり、建物の所定階の天井側の上大梁62を具備しており、上大梁62は、下端フランジプレートとしての下部のフランジ部63を有している。
【0049】
下部固定手段7は、下支持手段4の横方向の一方の側端の側端フランジプレート56に溶接固着された一方の下梁側ガセットプレート71と、下支持手段4の横方向の他方の側端の側端フランジプレート57に溶接固着された他方の下梁側ガセットプレート72と、横方向の一方の最縁部に位置した箱体8の狭幅側壁、本例では狭幅側壁15に溶接固着された一方の箱体側ガセットプレート73と、横方向の他方の最縁部に位置した箱体8の狭幅側壁、本例では狭幅側壁16に溶接固着された他方の箱体側ガセットプレート74と、下梁側ガセットプレート71と箱体側ガセットプレート73とをその両側面から挟持した一対の一方の側部スプライスプレート75と、下梁側ガセットプレート72と箱体側ガセットプレート74とをその両側面から挟持した一対の他方の側部スプライスプレート77と、下梁側ガセットプレート71、箱体側ガセットプレート73及び側部スプライスプレート75を共締めした複数個の一方の高力ボルト79と、下梁側ガセットプレート72、箱体側ガセットプレート74及び側部スプライスプレート77を共締めした複数個の他方の高力ボルト80と、箱体8の底壁板21と下支持手段4の上端フランジプレート25とを共締めした複数個の高力ボルト81とを具備している。
【0050】
下梁側ガセットプレート71と箱体側ガセットプレート73とは夫々、その互いに対面する上部及び下部縁部91及び92に、箱体8の底壁板21と下支持手段4の上端フランジプレート25との重ね合わせ面93近傍に空間94を形成すべく、切欠き95を具備しており、同じく、下梁側ガセットプレート72と箱体側ガセットプレート74とは夫々、その互いに対面する上部及び下部縁部96及び97に、箱体8の底壁板21と下支持手段4の上端フランジプレート25との重ね合わせ面93近傍に空間98を形成すべく、切欠き99を具備している。
【0051】
下梁側ガセットプレート71、72及び箱体側ガセットプレート73、74において、高力ボルト79及び80が挿通されるその貫通孔は、当該ガセットプレート71、72、73及び74に対してこれに共締めされるスプライスプレート75及び77を位置決め調節できるように、高力ボルト79及び80に対して若干クリアランスをもった径を有して形成されている。このような貫通孔の形状としては、本例では、縦方向に伸びた長孔が好ましいが、必ずしもこれに限定されない。また、位置決め調節のために、高力ボルト79及び80に対して若干クリアランスをもった径を有した斯かる貫通孔を、ガセットプレート71、72、73及び74に穿孔する代わりに又はそれと共に、スプライスプレート75及び77に穿孔してもよいのは勿論である。
【0052】
下部固定手段7においては、下梁側ガセットプレート71と側部スプライスプレート75とを、また箱体側ガセットプレート73と側部スプライスプレート75及び76とを、夫々高力ボルト79により二面摩擦接合させ、同じく、下梁側ガセットプレート72と側部スプライスプレート77とを、また箱体側ガセットプレート74と側部スプライスプレート77とを、夫々高力ボルト80により二面摩擦接合させ、しかも、箱体8の横方向の両最縁部で当該箱体8を下支持手段4に固定しているために、高力ボルト79、80及び81に加わる剪断力を低減でき、地震等に際する箱体8と抵抗板11との間の相対的水平変位において、箱体8及び抵抗板11に大きな水平力と曲げモーメントとが加わっても、それに基づく剪断力と引っ張り力とに十分耐えることができ、而して、高力ボルト79、80及び81の個数を削減できる上に、ガセットプレート71、72、73及び74並びにスプライスプレート75及び77にそれほど厚肉の鋼板を用いる必要がなく、作業工数の大幅な低減及びコストダウンを図ることができる。
【0053】
また下部固定手段7においては、下梁側ガセットプレート71と箱体側ガセットプレート73との夫々が切欠き95を具備し、下梁側ガセットプレート72と箱体側ガセットプレート74との夫々が切欠き99を具備しているために、底壁板21及び上端フランジプレート25の横方向外側への多少の突出を許容でき、また、支持手段4の上端フランジプレート25への箱体8の載置後に、重ね合わせ面93が多少横方向に突出しても、この突出を許容でき、更に、当該載置後に、切欠き95及び切欠き99によって形成される空間94及び98を利用して、重ね合わせ面93に溶接を施すことができ、而して、底壁板21と上端フランジプレート25とを、高力ボルト81に加えて、この溶接によっても相互にしっかりと固着できるようになる。
【0054】
上部固定手段10は、上支持手段5のフランジ部63に溶接固着された上梁側ガセットプレート111と、上梁側ガセットプレート111と抵抗板本体35の上部とをその両側面から挟持した三対の上部スプライスプレート112、113及び114と、上梁側ガセットプレート111及び上部スプライスプレート112、113及び114の夫々を共締めした夫々複数個の高力ボルト115、116及び117と、上梁側ガセットプレート111及びフランジ部63の夫々に溶接固着された複数の補強リブ118と、上梁側ガセットプレート111の横方向の一端及びフランジ部63に夫々溶接固着された一方の側端フランジプレート120と、上梁側ガセットプレート111の横方向の他端及びフランジ部63に夫々溶接固着された他方の側端フランジプレート121とを具備している。
【0055】
上部固定手段10においては、上梁側ガセットプレート111と上部スプライスプレート112、113及び114とを、また、抵抗板本体35の上部と上部スプライスプレート112、113及び114とを、夫々高力ボルト115、116及び117により二面摩擦接合させているために、高力ボルト115、116及び117に加わる剪断力を低減でき、高力ボルト115、116及び117の個数を低減できる。
【0056】
なお上部固定手段10において、上部スプライスプレート112、113及び114を用いることなしに、上梁側ガセットプレート111に抵抗板本体35の上部を重ね合わせて、この重ね合わせ部に高力ボルト115、116及び117を適用して、一面摩擦接合させてもよい。
【0057】
以上の制震壁1は、地震等の振動に際して、箱体8と抵抗板11との間の相対的水平変位において箱体8内に収容された粘性体12に粘性剪断を生じさせて、この粘性剪断による減衰力により地震等の振動を減衰させる。
【0058】
上部固定手段10は、下部固定手段7と同様に、図12及び図13に示すように、上梁側ガセットプレート131、132及び抵抗板側ガセットプレート133、134を、フランジ部63及び側端フランジプレート120、121並びにフランジ片36及び37に夫々溶接固着し、上梁側ガセットプレート131、132及び抵抗板側ガセットプレート133、134をその両側面から挟持するようにして側部スプライスプレート135及び136を夫々配して、これらを夫々複数の高力ボルト137及び138により共締めするようにして構成されていてもよい。
【0059】
また、上支持手段5を、図14及び図15に示すように、上大梁62と、上大梁62下に配された嵩下げ金物板151とを具備して構成してもよい。本例の嵩下げ金物板151は、上大梁62の下部のフランジ部56に溶接固着された嵩下げ金物板152と、嵩下げ金物板152の下縁に溶接固着された下端フランジプレート153と、嵩下げ金物板152の両側端に溶接固着された側端フランジプレート154及び155と、下端フランジプレート153、嵩下げ金物板152及びフランジ部56に溶接固着された補強リブ156とを具備している。
【0060】
図14及び図15に示す上支持手段5を用いる際には、抵抗板11は、抵抗板本体35の上縁に溶接固着されたフランジプレート161を具備して構成し、下端フランジプレート153とこれに重ね合わされたフランジプレート161とを複数の高力ボルト162により固着するように上部固定手段10を構成してもよい。
【0061】
更に図12及び図13又は図14及び図15に示す上部固定手段10において、上梁側ガセットプレート131及び132並びに抵抗板側ガセットプレート133及び134とは夫々、下梁側ガセットプレート71及び72並びに箱体側ガセットプレート73及び74と同様に、その互いに対面する下部及び上部縁部に、空間165及び166を形成すべく、切欠き(図示せず)を具備してもよく、また、上梁側ガセットプレート131及び132及び抵抗板側ガセットプレート133及び134において、高力ボルト137及び138が挿通されるその貫通孔は、当該ガセットプレートに対してこれに共締めされるスプライスプレート135及び136を位置決め調節できるように、高力ボルト137及び138に対して若干クリアランスをもった径を有して形成されていてもよい。
【0062】
上記では、柱2及び3間に箱体8、抵抗板11及び粘性体12の組み合わせ体45を一組設けた例であるが、このような組を横方向に並置して複数個、例えば図16に示すように三組設け、隣接する箱体8同士を、連結手段171により相互に連結して制震壁1を形成してもよい。
【0063】
図16に示す制震壁1における各連結手段171は、隣接する箱体8の対面する狭幅側壁板15及び16に夫々固着された連結ガセットプレート172及び173と、連結ガセットプレート172及び173をその両側面から挟持した一対の連結スプライスプレート174と、これら連結ガセットプレート172及び173並びに連結スプライスプレート174を共締めした複数個の高力ボルト176とを具備している。
【0064】
連結ガセットプレート172及び173においてもまた、高力ボルト176が挿通されるその貫通孔が、当該連結ガセットプレート172及び173に対してこれに共締めされる連結スプライスプレート174を位置決め調節できるように、高力ボルト176に対して若干クリアランスをもった径を有して形成されていてもよく、また、連結手段171は、隣接する箱体8間において少なくともその二個が縦方向に並置されて配されていてもよい。
【0065】
図16に示す制震壁1においては、各連結手段171の高力ボルト176のボルト締め作業を片面から行うことができ、連結作業が極めて簡単になる。
【0066】
連結ガセットプレート172及び173としては、箱体側ガセットプレート74及び73をそのまま用いることができる。
【0067】
上記では一枚の抵抗板本体35を有した抵抗板11の例であるが、図17、図18及び図19に示すように、複数枚、本例では二枚の抵抗板本体201及び202を有した抵抗板11でもよく、これらの例の場合、箱体8は、抵抗板本体201及び202の間に隙間もって配された幅広中間壁板203を更に具備して形成され、幅広中間壁板203は、幅広側壁板17及び18と同様に、狭幅側壁板15及び16を橋絡して、両側では当該狭幅側壁板15及び16に、下端では底壁板21に夫々溶接固着されており、抵抗板本体201及び202と幅広中間壁板203との間の両隙間にも粘性体12が充填されている。
【0068】
図17の例においては、抵抗板本体201及び202は、その上端部で上梁側ガセットプレート111を直接挟持するように配されて、高力ボルト116により当該上梁側ガセットプレート111に固着されており、図18の例においては、抵抗板本体201及び202は、当該抵抗板本体201及び202の上端部の間にスペーサ204が配されて、上部スプライスプレート113により若干厚肉の上梁側ガセットプレート111と共に上端部で挟持されて高力ボルト116により当該上部スプライスプレート113に共締め固着されており、上梁側ガセットプレート111もまた、高力ボルト116により当該上部スプライスプレート113に共締め固着されており、図19の例においては、抵抗板本体201及び202は、当該抵抗板本体201及び202の上端部の間にスペーサ204が配されて、上部スプライスプレート113により一対の上梁側ガセットプレート111と共に上端部で挟持されて高力ボルト116により当該上部スプライスプレート113に共締め固着されており、一対の上梁側ガセットプレート111もまた、当該一対の上梁側ガセットプレート111の下端部の間にスペーサ205が配されて、高力ボルト116により上部スプライスプレート113に共締め固着されている。
【0069】
図17、図18及び図19に示すように構成しても、上記と同様の効果を得ることができる上に、更に、地震等の振動に際し、箱体8と抵抗板11との間の相対的水平変位での箱体8内に収容された粘性体12の粘性剪断において、先の例と比較して更に大きな粘性剪断による減衰力を生じさせることができ、而して、地震等の振動を更に効果的に減衰させることができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、十分な耐力をもって箱体又は抵抗板を下梁又は上梁に固定でき、作業工数の低減とコストダウンを図り得、しかも、箱体及び抵抗板からなる組み合わせ体を下梁及び上梁間に複数個並設する際にも、これらのうちの隣接する箱体又は抵抗板を互いに相互に簡単に強固に連結できる制震壁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の一例を示す正面図である。
【図2】図1に示す例のII−II及び(II)−(II)線断面図である。
【図3】図1に示す例の一部拡大正面図である。
【図4】図2の一部拡大図である。
【図5】図1に示す例のV−V線断面図である。
【図6】図5の上部一部拡大図である。
【図7】図5の下部一部拡大図である。
【図8】図1に示す例のVIII−VIII線断面図である。
【図9】図1に示す例のIX−IX線断面図である。
【図10】図1に示す例の一部拡大正面図である。
【図11】図1に示す例の箱体等の組み合わせ体の斜視図である。
【図12】本発明の好ましい実施の形態の他の例の一部の正面図である。
【図13】図12に示す例のXIII−XIII及び(XIII)−(XIII)線断面図である。
【図14】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の一部の正面図である。
【図15】図14に示す例のXV−XV線断面図である。
【図16】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の正面図である。
【図17】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の一部の断面図である。
【図18】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の一部の断面図である。
【図19】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例の一部の断面図である。
【符号の説明】
1 制震壁
4 下支持手段
5 上支持手段
6 開口
7 下部固定手段
8 箱体
9 隙間
10 上部固定手段
11 抵抗板
12 粘性体
15、16 狭幅側壁板
17、18 幅広側壁板
21 底壁板
56、57 側端フランジプレート
71、72 下梁側ガセットプレート
73、74 箱体側ガセットプレート
75、76、77、78 側部スプライスプレート
80、81 高力ボルト

Claims (15)

  1. 建物壁における下支持手段及び上支持手段と、上部に開口を有して、下部で下支持手段に下部固定手段を介して固定された少なくとも一つの箱体と、この箱体に対して隙間をもって当該箱体内に配されており、上部で上支持手段に上部固定手段を介して固定されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している抵抗板と、箱体と当該箱体内に配された抵抗板との間の隙間に充填された粘性体とを具備しており、箱体は、横方向において互いに対向して配された一対の狭幅側壁板と、縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対向して配された一対の幅広側壁板と、これら狭幅側壁板及び幅広側壁板の下端に固着されていると共に両側面が縦方向において互いに対面している底壁板とを一体的に具備しており、下部固定手段は、下支持手段の横方向の一方の側端の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している一方の下梁側ガセットプレートと、下支持手段の横方向の他方の側端の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している他方の下梁側ガセットプレートと、横方向の一方の最縁部に位置した箱体の狭幅側壁に固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している一方の箱体側ガセットプレートと、横方向の他方の最縁部に位置した箱体の狭幅側壁に固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している他方の箱体側ガセットプレートと、一方の下梁側ガセットプレートと一方の箱体側ガセットプレートとをその両側面から挟持した一方の側部スプライスプレートと、他方の下梁側ガセットプレートと他方の箱体側ガセットプレートとをその両側面から挟持した他方の側部スプライスプレートと、一方の下梁側ガセットプレート、箱体側ガセットプレート及び側部スプライスプレートを共締めした一方の高力ボルトと、他方の下梁側ガセットプレート、箱体側ガセットプレート及び側部スプライスプレートを共締めした他方の高力ボルトとを具備しており、下支持手段は、両側面が縦方向において互いに対面している上端フランジプレートを具備しており、箱体の底壁板は、下支持手段の上端フランジプレートに重ね合わされており、下部固定手段は、箱体の底壁板と下支持手段の上端フランジプレートとを共締めした高力ボルトを具備しており、上支持手段は、下端フランジプレートを具備しており、上部固定手段は、上支持手段の下端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している上梁側ガセットプレートと、この上梁側ガセットプレートと抵抗板の上部とをその両側面側から挟持した上部スプライスプレートと、上梁側ガセットプレート及び上部スプライスプレートを共締めした高力ボルトとを具備している制震壁。
  2. 一方及び他方の下梁側ガセットプレートと一方及び他方の箱体側ガセットプレートとは、その互いに対面する上部及び下部縁部に、箱体の底壁板と下支持手段の上端との重ね合わせ面近傍に空間を形成すべく、切欠きを具備している請求項1に記載の制震壁。
  3. 下支持手段は、下大梁と、この下大梁に固着された嵩上げ金物板とを具備しており、両側端フランジプレートの夫々は、嵩上げ金物板に固着されている請求項1又は2に記載の制震壁。
  4. 一方及び他方の下梁側ガセットプレート及び箱体側ガセットプレートのうちの少なくとも一つのガセットプレートにおいて、高力ボルトが挿通されるその貫通孔は、当該ガセットプレートに対してこれに共締めされるスプライスプレートを位置決め調節できるように、高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の制震壁。
  5. 前記の箱体、抵抗板及び粘性体の組を横方向に並置して複数個具備しており、隣接する箱体同士は、連結手段により相互に連結されている請求項1から4のいずれか一項に記載の制震壁。
  6. 連結手段は、隣接する箱体の対面する狭幅側壁板に夫々固着された連結ガセットプレートと、この連結ガセットプレートをその両側面から挟持した連結スプライスプレートと、これら連結ガセットプレート及び連結スプライスプレートを共締めした高力ボルトとを具備している請求項5に記載の制震壁。
  7. 連結ガセットプレートにおいて、高力ボルトが挿通されるその貫通孔は、当該連結ガセットプレートに対してこれに共締めされる連結スプライスプレートを位置決め調節できるように、高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されている請求項6に記載の制震壁。
  8. 連結手段は、隣接する箱体間において少なくともその二個が縦方向に並置されて配されている請求項5から7のいずれか一項に記載の制震壁。
  9. 建物壁における下支持手段及び上支持手段と、上部に開口を有して、下部で下支持手段に下部固定手段を介して固定された少なくとも一つの箱体と、この箱体に対して隙間をもって当該箱体内に配されており、上部で上支持手段に上部固定手段を介して固定されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している抵抗板と、箱体と当該箱体内に配された抵抗板との間の隙間に充填された粘性体とを具備しており、箱体は、横方向において互いに対向して配された一対の狭幅側壁板と、縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対向して配された一対の幅広側壁板と、これら狭幅側壁板及び幅広側壁板の下端に固着されていると共に両側面が縦方向において互いに対面している底壁板とを一体的に具備しており、上部固定手段は、上支持手段の横方向の一方の側端の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している一方の上梁側ガセットプレートと、上支持手段の横方向の他方の側端の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している他方の上梁側ガセットプレートと、横方向の一方の最縁部に位置した抵抗板の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している一方の抵抗板側ガセットプレートと、横方向の他方の最縁部に位置した抵抗板の側端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している他方の抵抗板側ガセットプレートと、一方の上梁側ガセットプレートと一方の抵抗板側ガセットプレートとをその両側面から挟持した一方の側部スプライスプレートと、他方の上梁側ガセットプレートと他方の抵抗板側ガセットプレートとをその両側面から挟持した他方の側部スプライスプレートと、一方の上梁側ガセットプレート、抵抗板側ガセットプレート及び側部スプライスプレートを共締めした一方の高力ボルトと、他方の上梁側ガセットプレート、抵抗板側ガセットプレート及び側部スプライスプレートを共締めした他方の高力ボルトとを具備しており、上支持手段は、両側面が縦方向において互いに対面している下端フランジプレートを具備しており、抵抗板は、両側面が縦方向において互いに対面している上端フランジプレートを具備しており、抵抗板の上端フランジプレートは、上支持手段の下端フランジプレートに重ね合わされており、上部固定手段は、抵抗板の上端フランジプレートと上支持手段の下端フランジプレートとを共締めした高力ボルトを具備しており、下部固定手段は、下支持手段の上端フランジプレートに固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している下梁側ガセットプレートと、箱体の底壁板に固着されていると共に両側面が縦方向及び横方向に交差する方向において互いに対面している箱体側ガセットプレートと、この箱体側ガセットプレートと下梁側ガセットプレートとをその両側面から挟持した下部スプライスプレートと、箱体側ガセットプレート、下梁側ガセットプレート及び下部スプライスプレートを共締めした高力ボルトとを具備している制震壁。
  10. 一方及び他方の上梁側ガセットプレートと一方及び他方の抵抗板側ガセットプレートとは、その互いに対面する下部及び上部縁部に、協同して空間を形成すべく、切欠きを具備している請求項9に記載の制震壁。
  11. 上支持手段は、上大梁と、この上大梁に固着された嵩下げ金物板とを具備しており、上支持手段の下端フランジプレート及び両側端フランジプレートの夫々は、嵩下げ金物板に固着されている請求項9又は10に記載の制震壁。
  12. 一方及び他方の上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプレートのうちの少なくとも一つのガセットプレートにおいて、高力ボルトが挿通されるその貫通孔は、当該ガセットプレートに対してこれに共締めされるスプライスプレートを位置決め調節できるように、高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されている請求項9から11のいずれか一項に記載の制震壁。
  13. 前記の箱体、抵抗板及び粘性体の組を横方向に並置して複数個具備しており、隣接する抵抗板同士は、連結手段により相互に連結されている請求項9から12のいずれか一項に記載の制震壁。
  14. 連結手段は、隣接する抵抗板の対面する側端フランジプレートに夫々固着された連結ガセットプレートと、この連結ガセットプレートをその両側面から挟持した連結スプライスプレートと、これら連結ガセットプレート及び連結スプライスプレートを共締めした高力ボルトとを具備している請求項13に記載の制震壁。
  15. 連結ガセットプレートにおいて、高力ボルトが挿通されるその貫通孔は、当該連結ガセットプレートに対してこれに共締めされる連結スプライスプレートを位置決め調節できるように、高力ボルトに対して若干クリアランスをもった径を有して形成されている請求項14に記載の制震壁。
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