JP2868396B2 - 建築物の耐火構造 - Google Patents

建築物の耐火構造

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JP2868396B2
JP2868396B2 JP20964993A JP20964993A JP2868396B2 JP 2868396 B2 JP2868396 B2 JP 2868396B2 JP 20964993 A JP20964993 A JP 20964993A JP 20964993 A JP20964993 A JP 20964993A JP 2868396 B2 JP2868396 B2 JP 2868396B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築物の耐火構造に
関し、特に、共同住宅、病院、寄宿舎等、三階建以上
で、かつ、長大な耐火建築物に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】共同住宅、病院、寄宿舎等を用途とした
三階建以上の建築物は、建築基準法に基づき、所定の耐
火性能を有する耐火構造でなければならず、また、所定
の耐震性能も有しなければならないことから、柱と梁と
がラーメン構造に接合された鉄骨骨組を有して構築され
るものが多い(特開昭63−165629号公報)。と
ころで、従来の鋼材は、350℃で降伏点が常温規格値
の2/3近くにまで低下するため、柱や梁等の鉄骨の周
りを厚い耐火被覆材で被覆する必要があった。
【0003】一方、近年、クロムやモリブデン等の元素
を微小量含めることで、高温時強度を従来鋼(以下、普
通鋼という)に較べて著しく高めた耐火鋼が開発されて
いる(”建築士”'93.6:P39-41参照)。この耐火鋼は、
600℃の高温下でも常温規格値の2/3以上の耐力
(降伏点)を維持することから、耐火建築物の柱や梁等
として用いられるようになっている(”建築技術”'92.
4:P170-183参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記耐
火鋼を用いて長大な耐火建築物を構築した場合には、火
災時、高温時耐力は保証される反面、鉄骨温度が普通鋼
より大幅に高くなることから、架構に過大な熱変形が生
じ、ひいては架構が倒壊する畏れがある。すなわち、普
通鋼の鉄骨骨組からなる耐火建築物の場合には、鉄骨の
周りは、火災時、鉄骨温度を350℃以下に抑えるため
に、厚い耐火被覆材で被覆されるので、図13(a)に
示すように、梁1,1,…や柱2,2,…の火災時の熱
膨張は小さく、したがって架構の熱変形は通常ほとんど
問題とならない。これに対して、耐火鋼の鉄骨骨組から
なる耐火建築物の場合には、火災時、鉄骨温度が600
℃まで加熱されても構造安全上許容されるので、鉄骨の
周りは、薄い耐火被覆材で被覆されることになる。それ
故、火災時、鉄骨は600℃まで加熱されるので、熱膨
張が無視できなくなる。特に、長大な耐火建築物の場合
には、同図(b)に示すように、個々の梁3,3,…や
柱4,4,…に生じる熱膨張が加算集積され、ついに
は、耐火建築物の端部において、過大な熱変形が生じ、
熱変形がさらに進めば、架構が倒壊する。
【0005】過大な熱変形や架構の倒壊を防止するに
は、建築物内の火災性状の激しい範囲を小さく抑えて、
火炎による熱影響を受ける柱や梁がなるべく少なくて済
むように、建築物内を耐火界壁によって区画することが
考えられる。しかし、耐火区画に頼り過ぎれば、間取り
等のプランに制約が加わり、室内を広く使うことができ
ない等の不都合が生じる。
【0006】この発明は上述の事情に鑑みてなされたも
ので、火災による建築物の過大な変形、ひいては建築物
の倒壊を防止することができると共に、間取り等の多様
なプランに対応できる建築物の耐火構造を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の建築物の耐火構造は、多数の梁と柱
とから躯体が構成されてなる鉄骨系の建築物において、
任意のスパンで画成された任意の躯体区画と、隣の任意
のスパンで画成された任意の躯体区画との間に火災時両
側からのスパンの熱的伸びを空間的に吸収し得る隙間を
設けると共に、前記躯体区画と隣の前記躯体区画とを火
災時両側からの前記スパンの熱的伸びを力学的に吸収し
得る熱変形吸収機構を備えた連結部材によって相互に連
結したことを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載の建築物の耐火構造
は、梁と柱とからそれぞれ箱形に躯体が構成されてなる
複数の鉄骨系の建物ユニットを水平方向及び垂直方向に
連結配置してなるユニット建築物において、水平方向に
相隣る任意の2つの建物ユニットの間に、火災時両側か
らの梁の熱的伸びを空間的に吸収し得る隙間を設けると
共に、これら両建物ユニットを火災時両側からの前記梁
の熱的伸びを力学的に吸収し得る熱変形吸収機構を備え
た連結部材によって相互に連結したことを特徴としてい
る。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の建築物の耐火構造であって、前記連結部材
が、常温時には構造上の耐力を有する一方、高温時には
耐力を消失する部位を有し、火災時、該部位が変形又は
破損することに基づいて前記スパン又は梁の熱的伸びが
吸収される機構とされていることを特徴としている。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の建築物の耐火構造であって、前記連結部材が、連結
方向と直交する平面に沿う断面の面積が比較的小さな部
位を有し、該部位にて高温時に耐力が消失される機構と
されていることを特徴としている。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項3記
載の建築物の耐火構造であって、前記連結部材が、連結
方向に所定の重合幅及び非重合幅を確保した状態で重合
された一対の連結片からなると共に、これら連結片は重
合部位において高温時耐力のない溶着金属によって互い
に溶接一体化されていることを特徴としている。
【0012】さらにまた、請求項6記載の発明は、請求
項3記載の建築物の耐火構造であって、前記連結部材
が、連結方向に所定の重合幅及び非重合幅を確保した状
態で重合された一対の連結片からなると共に、これら連
結片は重合部位にてボルト接合され、該ボルト接合は高
温時に接合緩みが生ずる機構とされていることを特徴と
している。
【0013】
【作用】この発明の構成において、相隣る2つの躯体区
画又は建物ユニットの間には火災時両側からのスパン又
は梁の熱的伸びを見込んだ隙間が設けられているが、こ
れら2つの躯体区画又は建物ユニットは、耐力性を有す
る連結部材によって相互に接合されている。それ故、通
常は、一方の躯体区画又は建物ユニットの水平力を他方
の躯体区画又は建物ユニットに伝達することができるの
で、構造安定性が確保される。一方、一旦火災になれ
ば、この連結部材は、熱変形吸収機構を備えているの
で、火災時両側からのスパン又は梁の熱的伸びを吸収し
得る。このため、長大な建築物でも、スパン又は梁毎に
熱変形が完結され、スパンからスパンへ、梁から梁へ熱
的伸びが加算集積されるのを回避できるので、火災によ
る建築物の過大な変形、ひいては建築物の倒壊を防止で
きる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。なお、この実施例を述べるにあたり、三
階建のユニット建築物を例にとり、その耐火構造につい
て説明する。 ◇第1実施例 図1は、第1実施例の建築物の耐火構造に適用される建
物ユニットの躯体構造を示す斜視図、図2は、同建物ユ
ニットの柱部を拡大して示す斜視図、図3は、同建物ユ
ニットの床部断面を拡大して示す断面図、また、図4
は、同建物ユニットの天井部断面を拡大して示す断面図
である。
【0015】まず、図1に示すように、同建物ユニット
5は、溝形鋼からなる4本の床大梁6,6,…と、角型
鋼管からなる4本の柱7,7,…と、溝形鋼からなる4
本の天井大梁8,8,…と、ALC版(Autoclaved Lig
ht Weight Concrete;気泡コンクリート版)からなる複
数の床パネル9,9,…と、溝形鋼からなる複数の天井
小梁10,10,…とから箱形状の躯体が構成され、こ
の躯体に、図2乃至図4に示す壁パネル(外壁パネル1
1、内壁パネル12、界壁パネル13や、天井面材14
が、ボルトやタッピングビス等の固定具を用いて取着さ
れることにより構成されている。なお、建物ユニットの
どの側面にどの種の壁パネルが取着されるかは、建物ユ
ニットがユニット建築物のどの部分を構成するかによっ
て決定され、壁パネルの取着個数及び配置状況によっ
て、コの字壁状の建物ユニット、L字壁状の建物ユニッ
ト等が存在する。
【0016】ここで、上記各床大梁6、柱7及び天井大
梁8には、600℃の高温下でも常温規格値の2/3以
上の耐力を維持できる耐火鋼が用いられる。図5の曲線
(イ)は、この例の天井大梁8等に用いられる耐火鋼の
鋼材温度−構造強度特性曲線を表し、この耐火鋼が60
0℃の高温下でも常温規格値の2/3以上の耐力を維持
できることを示している。
【0017】上記各柱7は、125mm角の角型耐火鋼
管からなり、各柱7の上端部には、図2に示すように、
互いに直交する2つのジョイントピース15,15が溶
接により水平方向に突設されていて、これらジョイント
ピース15,15を介して、各柱7と各天井大梁8とが
溶接により結合されている。また、各柱7の下端部に
も、2つのジョイントピース16,16が溶接により水
平方向に突設されていて、これらジョイントピース1
6,16を介して、各柱7と各床大梁6とが溶接により
結合されている。また、柱7の上端面には、鋼板からな
る上閉塞板17が溶接され、柱7の下端面には、鋼板か
らなる下閉塞板18が溶接されている。上閉塞板17に
は、中央部位に上下階接合ボルト19が植設され、ま
た、その両側で互いに対角をなす2つのコーナ寄りの部
位には、位置決め用のガイドピン20,20がそれぞれ
植設されている。
【0018】なお、各ガイドピン20は、その位置決め
機能の性質から、上下階接合ボルト19よりも長軸に形
成されている。一方、下閉塞板18には、中央部位に
(下階建物ユニット5の)上下階接合ボルト19が挿通
されるボルト挿通孔21が穿設され、また、その両側で
互いに対角をなす2つのコーナ寄りの部位には、(下階
建物ユニット5の)ガイドピン20,20がそれぞれ挿
通されるピン挿通孔22,22が穿孔されている。さら
に、柱7は、床大梁6及び天井大梁8と接合している上
下端部を除く部分のうち、建物ユニット5内部を臨む2
つの側面が、予め工場において、厚さ12.5mmのセ
ラミックファイバや珪酸カルシウム板等の耐火被覆材2
3によって耐火被覆されている。
【0019】また、上記床大梁6,6,…は、長短2種
類の溝形耐火鋼(熱膨張係数α=1.45×10-5、長
材寸法5,562mm、短材寸法2,163mm)から
なっていて、これらのうち、長材からなる床大梁6,6
は建物ユニット5の桁側(長手側)に対応し、一方、短
材からなる床大梁6,6は、建物ユニット5の妻側(短
辺側)に対応している。上記各床パネル9には、厚さ1
25mmのALC版が用いられ、これにより、耐火時間
2時間以上(JIS A 1304 建築構造部分の耐火試験方法
による)の耐火性能が確保されている。
【0020】各床パネル9は、図3に示すように、その
両端部が、床大梁6の開口側の側部にワンサイドリベッ
ト24,24,…で固定された受け部材25,25と押
さえ部材26,26とに挟持され、これらを貫通するボ
ルト27,27及びナット28,28によって固定され
ている。床大梁6には、同図に示すように、上フランジ
上面から上記床パネル9の上面にかけて、及び下フラン
ジと床パネル9との隙間の部位に、厚さ12.5mmの
セラミックファイバや珪酸カルシウム板等の耐火被覆材
29,29が被せられている。床パネル9の上面にはパ
ーティクルボード等の根太受け30が設置され、根太受
け30の上面には床根太31,31,…が取着され、さ
らに、床根太31,31,…の上面にはパーティクルボ
ード等の床面材32が貼着されている。
【0021】また、上記天井大梁8,8,…は、上記し
た床大梁6と同様に、長短2種類の溝形耐火鋼(熱膨張
係数α=1.45×10-5、長材寸法5,562mm、
短材寸法2,163mm)からなっていて、これらのう
ち、長材からなる天井大梁8,8は建物ユニット5の桁
側に対応し、一方、短材からなる床大梁8,8は、建物
ユニット5の妻側に対応している。図4に示すように、
桁側にて相対向する2つの天井大梁8,8間には、一対
のガゼットプレート33,34を介して、各天井小梁1
0が架け渡されて固定されている。各天井小梁10の下
端部には、野縁受35が設置され、野縁受35の下端部
には、この野縁受35に直交する方向に天井野縁36,
36,…が取着され、さらに、これら天井野縁36,3
6の下面に石膏ボード等の天井面材14が貼着されてい
る。各天井大梁8には、同図に示すように、下フランジ
下面から開口面経由の上フランジ上面にかけて、厚さ1
2.5mmのセラミックファイバや珪酸カルシウム板等
の耐火被覆材37が被せられている。
【0022】また、上記壁パネルのうち、外壁パネル1
1は、例えば、厚さ100mmのALC版等の耐火時間
(JIS A 1304 建築構造部分の耐火試験方法による)の
耐火材料で形成され、ロックウールを介して床大梁6及
び天井大梁8に締結されている。内壁パネル12は珪酸
カルシウム板と石膏ボードとの積層からなる厚さ68m
mの耐火性の積層版で形成され、外壁パネル11と内壁
パネル12との間には、ガラスウールやロックウール等
の断熱材・吸音材が充填されている。また、上記界壁パ
ネル13は、各戸毎に空間を仕切るもので、珪酸カルシ
ウム板とガラス繊維入り石膏ボードとの積層からなる厚
さ116mmの積層版で形成され、これにより、耐火時
間1時間以上(JIS A 1304 建築構造部分の耐火試験方
法による)の耐火区画が構成されている。
【0023】次に、第1実施例のユニット建築物を構成
する複数の建物ユニット5,5,…間の接合部の構造に
ついて説明する。この例においては、水平方向に隣接配
置される建物ユニット5,5同士の構造的に意味を持つ
連結は、もっぱら、柱頭−柱頭間及び柱脚−柱脚間をユ
ニット間ジョイントプレートを介して、接合することに
よりなされ、また、垂直方向に隣接配置される建物ユニ
ット5,5同士の構造的に意味を持つ連結は、もっぱ
ら、柱頭−柱脚間をユニット間ジョイントプレートを介
して、接合することによりなされる。ここで、この例の
ユニット間ジョイントプレートには、高温時に耐力性が
消失する普通鋼板が用いられる。図5の曲線(ロ)は、
この例のユニット間ジョイントプレートに適用される普
通鋼の鋼材温度−構造強度特性曲線を表し、この普通鋼
は600℃の高温下では耐力性がないことを示してい
る。
【0024】図6は、水平方向に隣接して配置される2
つの下階建物ユニット5,5と、各下階建物ユニット
5,5の直上に据え付けられる2つの上階建物ユニット
5,5との計4つの建物ユニット5,5,…が、それぞ
れの柱7,7,…の集まる柱集結部にて、ユニット間ジ
ョイントプレート38により、連結される接合部の構造
を分解して示す分解斜視図である。このユニット間ジョ
イントプレート38は、両側に切欠39,39を有して
くびれる連結部40と、この連結部40の前端と後端と
にそれぞれ一体的に連設されて建物ユニット5の柱頭又
は柱脚に固定される固定部41,41とからなってい
る。各固定部41には、隣接して連結されるべき下階建
物ユニット5,5の対向する2つの柱のうち、対応する
一方の柱7の上端面(上閉塞板17)に植設された上下
階接合ボルト19が挿通されるボルト挿通孔42、及び
位置決め用のガイドピン20,20が挿通されるピン挿
通孔43,43がそれぞれ穿設されている。なお、この
ユニット間ジョイントプレート38は、中央部(連結部
40)においてくびれを有するものの、激しい風圧や地
震等の水平力に充分耐え得るように設計されている。
【0025】また、図7は、水平方向に隣接集結して配
置される4つの下階建物ユニット5,5,…と、各下階
建物ユニット5,5,…の直上に据え付けられる4つの
上階建物ユニット5,5,…との計8つの建物ユニット
5,5,…が、それぞれの柱7,7,…の集まる柱集結
部にて、ユニット間ジョイントプレート44により、連
結される接合部の構造を分解して示す分解斜視図である
(なお、上階建物ユニットは図示されていない)。この
ユニット間ジョイントプレート44は、全体として略方
形の板体で、この板体の四つの隅部が、それぞれ建物ユ
ニット5の柱頭又は柱脚に固定される固定部となってい
て、上記板体の残り部分が連結部となっている。各固定
部(隅部)には、隣接して連結されるべき下階建物ユニ
ット5,5,…の4つの柱のうち、対応する一の柱7の
上端面(上閉塞板17)に植設された上下階接合ボルト
19が挿通されるボルト挿通孔45、及び位置決め用の
ガイドピン20,20が挿通されるピン挿通孔46,4
6がそれぞれ穿設されている。また、板体の連結部に相
当する部位には、孔部47,47,…と切欠48,4
8,…とが設けられている。なお、このユニット間ジョ
イントプレート44は、多数の孔部47,47,…と切
欠48,48,…とを有するものの、激しい風圧や地震
等の水平力に充分耐え得るように設計がなされている。
【0026】図8は、上記構成のユニット建物5,5,
…から構成されるこの例のユニット建築物の組立手順の
一例を示す斜視図である。上記構成の建物ユニット5
は、建物の工業生産化率を高めるために、予め工場にお
いて、運搬可能な大きさの箱形のものとして生産された
後、建築現場に輸送されて、施工・組立される。組立
は、例えば、図8(a)〜(d)に示す作業順序で行わ
れる。すなわち、まず、同図(a)に示すように、予め
構築された基礎49の上に鉄板50を置き、同図(b)
に示すように、この鉄板50の上にクレーン車51を配
置させる。そして、クレーンによって、建物ユニット5
を吊り上げ、基礎49上の片側半分に順に積み上げてい
く。まず、一階を構成する建物ユニット5,5,…が、
基礎49に対してアンカーボルトで締結される。
【0027】このとき、図7に示すように、建物ユニッ
ト5の桁方向(長手方向)に隣接する建物ユニット5,
5同士については、幅d1=60mmの柱−柱間隙間5
2が生ずるように据付を行い、また、建物ユニットの妻
方向(短手方向)に隣接する建物ユニット5,5同士に
ついては、同図に示すように、幅d2=40mmの柱−
柱間隙間53が生ずるように据付を行う。そして、互い
に隣接する建物ユニット5,5の柱頭−柱頭間をユニッ
ト間ジョイントプレート44又は38(図6)で連結す
る。ただし、この段階では、対応する各柱7の上端面
(上閉塞板17)に植設された上下階接合ボルト19、
及び位置決め用のガイドピン20,20が各ボルト挿通
孔45及びピン挿通孔46,46に挿通される状態に留
まる。
【0028】次に、クレーンにより、二階を構成する各
建物ユニット5を、対応する一階建物ユニット5の上部
に積み上げる。すなわち、一階建物ユニット5の柱頭の
ガイドピン20,20が二階建物ユニット5の柱脚のピ
ン挿通孔22に挿通される状態で、積み重ねる。そし
て、各二階建物ユニット5の柱脚と一階建物ユニット5
の柱頭とを上下階接合ボルト19とナット54(図6)
とで締結して緊結する。この後、三階を構成する建物ユ
ニット5,5,…を、上記と同様の態様で二階建物ユニ
ット5,5,…の上に積み重ね、二階ユニット5,5,
…に締結する。次に、図8(c)に示すように、クレー
ン車51を基礎49の外側に移動させて、その場所か
ら、基礎49上の残りの半分に、建物ユニット5,5,
…を、先と同様にして順に積み上げていき、屋根を設置
して、同図(d)に示すように、三階建ユニット建築物
の躯体構造を完成させる。
【0029】なお、ユニット間接合部において、桁方向
の柱−柱間隙間52を幅d1=60mmに設定し、ま
た、妻方向の柱−柱間隙間53を幅d2=40mmに設
定したのは、火災時、両側の建物ユニットから床大梁
6,6や天井大梁8,8が伸びてきて、互いに押し合う
のを防止するためである。すなわち、上記したように、
桁側の床大梁6及び天井大梁8には、梁長5,562m
mの耐火鋼(熱膨張係数α=1.45×10-5)が用い
られるので、火災により、桁側の床大梁6及び天井大梁
8が600℃まで加熱されると想定すると、各床大梁6
及び各天井大梁8の一端部は23.783mmまで熱膨
張する。それ故、桁方向の柱−柱間隙間52は、床大梁
6,6及び天井大梁8,8が両側から伸びてくるので、
23.783mmの倍の47.566mm以上の幅が必
要である。この例においては、桁方向の柱−柱間隙間5
2の幅を、多少のゆとりをもたせて、d1=60mmに
設定した。
【0030】一方、妻側の床大梁6及び天井大梁8に
は、梁長2,163mmの耐火鋼が用いられるので、火
災により、妻側の床大梁6及び天井大梁8が600℃ま
で加熱されると想定すると、各床大梁6及び各天井大梁
8の一端部は9,249mmまで熱膨張する。それ故、
妻方向の柱−柱間隙間53は、床大梁6,6及び天井大
梁8,8が両側から伸びてくるので、9,249mmの
倍の18.498mm以上の幅が必要である。この例に
おいては、妻方向の柱−柱間隙間53の幅を、多少のゆ
とりをもたせて、d1=40mmに設定した。
【0031】また、ユニット建築物の(隣接集結する建
物ユニットの柱7,7が集まる)柱集結部において、わ
たり部には、厚さ12.5mmのセラミックファイバや
珪酸カルシウム板等の耐火被覆材が現地施工で被せられ
て、こうして柱集結部における柱7,7,…は、予め工
場で取着された耐火被覆材23,23と合わせて、一括
して耐火被覆材で耐火被覆され、これによって、少なく
とも1時間継続する火災の下で、柱7,7の平均鋼材温
度が600℃を越えて昇温しないようになされている
(なお、柱7,7の平均鋼材温度が600℃まで昇温す
ることは構造安全上許容される)。また、ユニット間に
おいて、床大梁6−床大梁6間のわたり部、及び天井大
梁8−天井大梁8間のわたり部には、厚さ12.5mm
のセラミックファイバや珪酸カルシウム板等の耐火被覆
材25が現地施工で被せられて、このようにして、ユニ
ット間に集結する2つの床大梁6,6及び2つの天井大
梁8,8は、予め工場で取着された耐火被覆材29,3
7と合わせて、耐火被覆材及び床パネル9,9とによっ
て一括して耐火被覆され、これによって、少なくとも1
時間継続する火災の下で、床大梁6及び天井大梁8の平
均鋼材温度が600℃を越えて昇温しないようになされ
ている(なお、床大梁6及び天井大梁8の平均鋼材温度
が600℃まで昇温することは構造安全上許容され
る)。
【0032】さらに、床大梁6−床大梁6間のわたり部
には床面材32と同一素材の床わたり材が、天井大梁8
−天井大梁8間のわたり部には天井面材14と同一素材
の天井わたり材が、それぞれ現地施工で貼着される。こ
れら床わたり材及び天井わたり材は、耐力性のない部材
であり、構造耐力を論ずる上では、ユニット間の接合に
は何等寄与していないと考えることができる。
【0033】次に、この例の耐火構造の作用について説
明する。柱−柱間に設けられたユニット間ジョイントプ
レート38,44は、常温時には耐力性を発揮し得るの
で、一の建物ユニット5に加えられた水平力を隣の建物
ユニット5に伝達する。これにより、ユニット建築物の
構造安定性が確保される。一方、火災時には、ユニット
間ジョイントプレート38,44は普通鋼からなるもの
なので、鋼材温度が600℃近くになると、耐力性を消
失する(図5参照)。これに加えて、くびれている連結
部40において、耐力性は著しく弱められる。このた
め、 ユニット間ジョイントプレート38,44は、例
えば、図9に示すように、火災時には、両側からの床大
梁6,6、天井大梁8,8の激しい熱的伸びに起因する
圧縮力を受けて潰れてしまう。すなわち、ユニット間ジ
ョイントプレート38,44が潰れてしまうという態様
により、床大梁6,6,…、天井大梁8,8,…の熱応
力が、すべてユニット間ジョイントプレート38,44
に吸収される。それ故、梁の熱変形をユニット単位で完
結できる。
【0034】したがって、この例の構成によれば、梁の
熱的変形は、各建物ユニット5毎に完結され、隣接する
建物ユニット5の梁から梁へ、梁の伸びが加算集積され
ていくことを回避することができる。このため、建築物
全体としての過大な変形が見られなくなり、建築物の崩
壊を防止することができる。また、梁の熱的伸びが各建
物ユニット5毎に完結されるので、耐火区画をむやみに
設ける必要がない。すなわち、従来のように建築物内を
耐火間仕切壁によって区画しなくて済むので、室内を広
く使うことができ、間取り等の多様なプランに対応する
ことができる。
【0035】なお、上述の第1実施例においては、ユニ
ット間ジョイントプレート38の連結部40に切欠39
を設ける場合について延べ、また、ユニット間ジョイン
トプレート44の連結部に孔部47と切欠48とを設け
る場合について述べたが、これに限らず、連結部に孔部
のみを設けても良く、あるいは、連結部に一部肉厚の薄
い部位を設けるようにしても良い。また、上述の第1実
施例においては、普通鋼板でユニット間ジョイントプレ
ート38,44を形成する場合について述べたが、これ
に限るものではなく、例えば激しい風圧や地震力等の水
平力には充分耐え得るが、火災時の梁の激しい熱的応力
には耐えられないように、連結部に適度の孔部や切欠を
設けるようにするならば、耐火鋼で形成しても良い。
【0036】◇第2実施例 次に、図10及び図11を参照して、この発明の第2実
施例について説明する。この第2実施例が第1実施例と
異なるところは、ユニット間ジョイントプレート38,
44に代えて、別構成のユニット間ジョイントプレート
55を用いてユニット間を接合するようにした点であ
る。それ故、第1実施例と同一の構成各部については同
一の符号を付してその説明を省略する。この例のユニッ
ト間ジョイントプレート55は、図10に示すように、
鋼板で形成された上プレート56と同じく鋼板で形成さ
れた下プレート57と、これらを接合するための高力ボ
ルト58,58,…とから概略なっている。上記上プレ
ート56は、一方の建物ユニット5の柱頭又は柱脚に固
定される固定片59と連結片60とが段違い状態で一体
的に構成され、固定片59には、柱頭の上下階接合ボル
ト19が挿通されるボルト挿通孔61、及び位置決め用
のガイドピン20,20が挿通されるピン挿通孔62,
62がそれぞれ穿設され、また、連結片60の先端部に
は、上記高力ボルト58,58,…が挿通されるボルト
挿通孔63,63,…が穿設されている。
【0037】一方、上記下プレート57は、長方形平板
からなり、一方の建物ユニット5の柱頭又は柱脚に固定
される一端部(固定片59に相当する)には、柱頭の上
下階接合ボルト19が挿通されるボルト挿通孔61、及
び位置決め用のガイドピン20,20が挿通されるピン
挿通孔62,62がそれぞれ穿設され、また、他端部
(連結片60に相当する)には、高力ボルト58,5
8,…が挿通されるボルト挿通孔63,63,…が穿設
されている。上プレート56の連結片60の先端部と下
プレート57の他端部とは、重ね合わされて、高力ボル
ト58,58,…によって締結される。各高力ボルト5
8は、比較的熱膨張係数の高い高張力鋼材で形成され、
図11(a)に示すように、上プレート56の連結片6
0に設けられたボルト挿通孔63と下プレート57の一
端部に設けられたボルト挿通孔63とに挿通され、高力
ボルト58と高力ナット64とで強く締結されること
で、上プレート56と下プレート57とを緊結してい
る。
【0038】この例のユニット間ジョイントプレート5
5を用いて、ユニット間を接合して構成された長大な三
階建ユニット建築物においては、常時は、上プレート5
6と下プレート57との接合面に強い摩擦力が作用する
ので、激しい風圧や地震力等の水平力には充分耐えるこ
とができ、これら水平力を一方の建物ユニット5から他
方の建物ユニットに伝達する。それ故、ユニット建築物
の構造安全性は確保される。これに対して、火災時に
は、同図(b)に示すように、高力ボルト58が伸びる
ことにより、高力ボルト58と高力ナット64とによる
締結が緩んでしまう。この締結が緩んでしまうと、上プ
レート56と下プレート57との接合面に作用する摩擦
力が急激に弱まり、梁から加えられる熱応力は高力ボル
ト58,58,…の軸部に集中するようになる。このた
め、高力ボルト58,58,…は折れてしまい、この結
果、上プレート56と下プレート57とがスライドし
て、梁の熱応力が吸収される。このように、この例によ
れば、上述した第1実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
【0039】なお、上述の第2実施例においては、比較
的熱膨張係数の高い高力ボルト58で上プレート56と
下プレート57とを緊結する場合について述べたが、例
えば、上プレート56と下プレート57との接合面に、
低融点合金等の高温時溶ける介挿材を介在させるように
すれば、熱膨張の低い高力ボルトを用いることができ
る。また、上記介挿材に代えて、座金部65(図11)
を低融点合金等の高温時溶ける介挿材で形成しても良
い。また、常温で耐力性を有する限り、高温で溶ける樹
脂製のボルトを使用することもできる。
【0040】◇第3実施例 次に、図12を参照して、この発明の第3実施例につい
て説明する。この第3実施例が、第2実施例と異なると
ころは、第2実施例が上プレート56と下プレート57
とを高力ボルト58,58,…で緊結することにより、
ユニット間ジョイントプレート55が構成されるのに対
して、この例においては、上プレート66と下プレート
67とを常温では耐力性を有するものの高温では、溶け
る低融点合金で溶着することにより、ユニット間ジョイ
ントプレート68を構成するようにした点である。この
第3実施例によれば、上述した第2実施例と同様の効果
を得ることができる。なお、溶着材料としては、低融点
合金に代えて、高温で軟弱となる鋼材を用いるようにし
ても良い。
【0041】以上、この発明の実施例を図面を参照して
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られる
ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上記
実施例では、建築物の耐火構造を三階建のユニット建築
物に適用した例を示したが、ユニット建築物に限らず、
在来工法による建築物に適用しても良いし、三階建に限
らず、二階建あるいは四階建以上の建物に適用しても良
い。また、隣接する全ての建物ユニット間又は躯体区画
間にこの発明の耐火構造が適用される必要はなく、必要
に応じて、部分的で構わない。
【0042】また、上述の実施例においては、建物ユニ
ットがラーメン構造で構成される場合について述べた
が、架構の形式はラーメン構造に限定するものではな
く、ピンブレス構造でも壁式構造でも良い。なお、上記
実施例では、建物ユニット5,5間の桁方向及び妻方向
の両方に柱−柱間隙間52,53を設ける例を示した
が、妻方向のスパンが短く熱膨張の影響が少ないと考え
られる場合には、妻方向の柱−柱間隙間53は省略して
も構わない。また、柱−柱間の距離は、第1実施例で上
記した寸法に限定するものではなく、どの種類のユニッ
ト間ジョイントプレート38,44,55,68を用い
るかでも異なってこよう。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の建築物
の耐火構造によれば、相隣る2つの躯体区画又は建物ユ
ニットの間には火災時両側からのスパン又は梁の熱的伸
びを見込んだ隙間が設けられている。しかしながら、こ
れら2つの躯体区画又は建物ユニットは、耐力性を有す
る連結部材によって相互に接合されているので、通常
は、一方の躯体区画又は建物ユニットの水平力を他方の
躯体区画又は建物ユニットに伝達することができる。そ
れ故、構造安定性が確保される。一方、一旦火災になれ
ば、この連結部材は、熱変形吸収機構を備えているの
で、火災時両側からのスパン又は梁の熱的伸びを吸収し
得る。このため、長大な建築物でも、スパン又は梁毎に
熱変形が完結され、スパンからスパンへ、梁から梁へ熱
的伸びが加算集積されるのを回避できるので、火災によ
る建築物の過大な変形、ひいては建築物の倒壊を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である建築物の耐火構造
に適用される建物ユニットの躯体構造を示す斜視図であ
る。
【図2】同建物ユニットの柱部を拡大して示す斜視図で
ある。
【図3】同建物ユニットの床部断面を拡大して示す断面
図である。
【図4】同建物ユニットの天井部断面を拡大して示す断
面図である。
【図5】同実施例の説明に供される鋼材温度−構造強度
特性を表すグラフである。
【図6】同実施例の建物ユニット間の接合部の構造を示
す分解斜視図である。
【図7】同実施例の建物ユニット間の接合部の構造を示
す分解斜視図である。
【図8】同実施例のユニット建築物の組立手順の一例を
示す斜視図である。
【図9】同実施例の作用の説明に供される説明図であ
る。
【図10】この発明の第2実施例である建築物の耐火構
造に適用される建物ユニット間の接合部の構造を示す分
解斜視図である。
【図11】同実施例の説明に供される説明図である。
【図12】この発明の第3実施例である建築物の耐火構
造に適用される建物ユニット間の接合部の構造を示す分
解斜視図である。
【図13】従来技術の説明に供される説明図である。
【符号の説明】
5 建物ユニット(躯体区画) 6 床大梁(梁) 7 柱 8 天井大梁(梁) 39,48 切欠(熱変形吸収機構の一部) 47 孔部(熱変形吸収機構の一部) 52,53 柱−柱間隙間(隙間) 38,44,55,68 ユニット間ジョイントプ
レート(連結部材) 56,66 上プレート(熱変形吸収機構の一部) 57,67 下プレート(熱変形吸収機構の一部) 58 高力ボルト(熱変形吸収機構の一部) 64 高力ナット(熱変形吸収機構の一部) 65 座金部(熱変形吸収機構の一部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/94 E04B 1/348 E04B 1/24 E04B 1/62

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の梁と柱とから躯体が構成されてな
    る鉄骨系の建築物において、任意のスパンで画成された
    任意の躯体区画と、隣の任意のスパンで画成された任意
    の躯体区画との間に火災時両側からのスパンの熱的伸び
    を空間的に吸収し得る隙間を設けると共に、前記躯体区
    画と隣の前記躯体区画とを火災時両側からの前記スパン
    の熱的伸びを力学的に吸収し得る熱変形吸収機構を備え
    た連結部材によって相互に連結したことを特徴とする建
    築物の耐火構造。
  2. 【請求項2】 梁と柱とからそれぞれ箱形に躯体が構成
    されてなる複数の鉄骨系の建物ユニットを水平方向及び
    垂直方向に連結配置してなるユニット建築物において、
    水平方向に相隣る任意の2つの建物ユニットの間に、火
    災時両側からの梁の熱的伸びを空間的に吸収し得る隙間
    を設けると共に、これら両建物ユニットを火災時両側か
    らの前記梁の熱的伸びを力学的に吸収し得る熱変形吸収
    機構を備えた連結部材によって相互に連結したことを特
    徴とする建築物の耐火構造。
  3. 【請求項3】 前記連結部材は、常温時には構造上の耐
    力を有する一方、高温時には耐力を消失する部位を有
    し、火災時、該部位が変形又は破損することに基づいて
    前記スパン又は梁の熱的伸びが吸収される機構とされて
    いることを特徴とする請求項1又は2記載の建築物の耐
    火構造。
  4. 【請求項4】 前記連結部材は、連結方向と直交する平
    面に沿う断面の面積が比較的小さな部位を有し、該部位
    にて高温時に耐力が消失される機構とされていることを
    特徴とする請求項3記載の建築物の耐火構造。
  5. 【請求項5】 前記連結部材は、連結方向に所定の重合
    幅及び非重合幅を確保した状態で重合された一対の連結
    片からなると共に、これら連結片は重合部位において高
    温時耐力のない溶着金属によって互いに溶接されて一体
    化されていることを特徴とする請求項3記載の建築物の
    耐火構造。
  6. 【請求項6】 前記連結部材は、連結方向に所定の重合
    幅及び非重合幅を確保した状態で重合された一対の連結
    片からなると共に、これら連結片は重合部位にてボルト
    接合され、該ボルト接合は高温時に接合緩みが生ずる機
    構とされていることを特徴とする請求項3記載の建築物
    の耐火構造。
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