JP6882948B2 - 制震壁 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物を含む系内の第1部位と、第1部位よりも下側の第2部位との間に設けられ、構造物の振動を抑制するための制震壁に関する。
従来、この種の制震壁として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この制震壁は、粘性体を用いたものであり、構造物の天井側に取り付けられる内壁と、構造物の床側に取り付けられる収容部を備えている。内壁は、矩形状の鋼板で構成され、上下方向に延びるとともに、その上端が、内壁の厚さ方向の両側に突出するフランジに、溶接により取り付けられている。また、内壁は、このフランジを介して天井側に取り付けられる。収容部は、複数の鋼板の組み合わせによって上方に開口した箱状に形成されており、収容部内には、粘性体が収容されている。また、収容部内の粘性体には、内壁の上部以外の部分が上方から没入されており、内壁は、収容部に対してその幅方向に移動自在である。この従来の制震壁では、構造物が振動するのに伴い、天井側と床側の間で内壁の幅方向の相対変位が発生すると、それに伴って内壁が収容部に対して幅方向に移動し、粘性体のせん断抵抗が、内壁及び収容部を介して天井側及び床側にそれぞれ作用することにより、構造物の振動が抑制される。
特開平11−71935号公報
また、近年、制震壁のより大きな制震力を得るために、収容部内に複数の仕切り壁で仕切られた複数の収容室と、これらの複数の収容室の各々に収容された内壁から成る複数の内壁を有する制震壁が用いられている。従来のこの種の制震壁では、上述したフランジへの複数の内壁の取付けは、裏当金を用いた突き合わせ溶接によって1つずつ順に行われるとともに、隣り合う2つの内壁の間に所定の間隔を保持するように行われる。
また、各内壁が突き合わせ溶接で取り付けられるごとに、その溶接部分の欠陥の有無が、非破壊検査(例えば超音波探傷検査)によって判定され、欠陥が有ると判定された場合には、この溶接部分に対して補修溶接が行われる。さらに、この種の非破壊検査は一般に、その信頼性を担保するために、第三者機関によって行われることが多い。また、突き合わせ溶接による溶接ひずみが発生することによって、隣り合う2つの内壁の間隔が所定の間隔に対してずれる場合があり、その場合には、この溶接ひずみを直さなければならない。
以上より、複数の内壁が突き合わせ溶接で取り付けられる従来の制震壁では、その製造が非常に煩雑になってしまうとともに、製造に比較的長い時間を要することで製造効率が低下してしまう。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の間隔を所定の間隔に保持しながら、容易に製造できるとともに、製造効率を高めることができる制震壁を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、構造物を含む系内の第1部位と、第1部位よりも下側の第2部位との間に設けられ、構造物の振動を抑制するための制震壁であって、各々が板状に形成され、上下方向に延びるとともに、厚さ方向に所定の間隔を互いの間に存した状態で互いに並んだ複数の内壁と、複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の間に設けられ、2つの内壁の間に所定の間隔を保持するためのスペーサと、板状に形成されるとともに、第1部位に連結される連結部材と、内壁の幅方向に互いに並ぶとともに、複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の各々の上部の間に連結部材を挟み込んだ状態で、連結部材に複数の内壁を、内壁の厚さ方向に締め付けることによって固定するための複数のボルトと、上方に開口した箱状に形成され、上方から複数の内壁が内壁の幅方向に移動自在に収容されるとともに、第2部位に連結される収容部と、収容部と内壁の間に設けられた粘性体と、を備え、収容部の上端部には、その下側部分よりも内壁の厚さ方向に広がるように形成された溜まり部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、板状の連結部材が、構造物を含む系内の第1部位に連結されるとともに、上方に開口する箱状に形成された収容部が、第1部位よりも下側の第2部位に連結される。また、各々が板状に形成された複数の内壁が、連結部材に固定されており、上下方向に延びるとともに、厚さ方向に所定の間隔を互いの間に存した状態で互いに並んでいる。このように、複数の内壁は、連結部材を介して第1部位に連結されている。さらに、複数の内壁は、上方から収容部にその幅方向に移動自在に収容されており、収容部と内壁の間には、粘性体が設けられている。以上の構成の制震壁では、例えば地震などにより構造物が振動するのに伴い、第1部位と第2部位の間で内壁の幅方向の相対変位が発生すると、それに伴って内壁が収容部に対して幅方向に移動し、両者の間に設けられた粘性体のせん断抵抗が、内壁及び収容部を介して第1及び第2部位にそれぞれ作用することにより、構造物の振動が抑制される。
また、複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の間には、上記の所定の間隔を保持するためのスペーサが設けられており、複数の内壁は連結部材に、互いに隣り合う2つの内壁の各々の上部の間に連結部材を挟み込んだ状態で、複数のボルトを用いた締め付けによって固定されている。このように、複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の間隔を所定の間隔にスペーサで保持しながら、従来の突き合わせ溶接を用いずに、ボルトを用いた締め付けによって複数の内壁を連結部材に容易に固定できるので、前述したような非破壊検査や溶接ひずみの補修などといった煩雑な作業を行わずに、制震壁を容易に製造できるとともに、その製造効率を高めることができる。
また、構造物の振動中、上述した粘性体のせん断抵抗による反力は、内壁を、連結部材に対して、内壁の幅方向に移動させるように作用する。これに対して、上記の複数のボルトが内壁の幅方向に互いに並んでいるので、この粘性体による反力に抗し、連結部材に複数の内壁を強固に固定でき、ひいては、構造物の振動中、粘性体のせん断抵抗を第1及び第2部位に適切に作用させ、構造物の振動を適切に抑制することができる。
請求項2に係る発明は、構造物を含む系内の第1部位と、第1部位よりも下側の第2部位との間に設けられ、構造物の振動を抑制するための制震壁であって、各々が板状に形成され、上下方向に延びるとともに、厚さ方向に所定の間隔を互いの間に存した状態で互いに並んだ複数の内壁と、複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の間に設けられ、2つの内壁の間に所定の間隔を保持するためのスペーサと、板状に形成されるとともに、第1部位に連結される連結部材と、内壁の幅方向に互いに並ぶとともに、複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の各々の上部の間に連結部材を挟み込んだ状態で、連結部材に複数の内壁を、内壁の厚さ方向に締め付けることによって固定するための複数のボルトと、上方に開口した箱状に形成され、上方から複数の内壁が内壁の幅方向に移動自在に収容されるとともに、第2部位に連結される収容部と、収容部と内壁の間に設けられた粘性体と、を備え、複数の内壁のうちの両外側に位置する一対の内壁の各々の上部を介して、複数の内壁、スペーサ及び連結部材を内壁の厚さ方向に挟み込むことにより、複数の内壁の各々の上部の座屈を防止するための一対の座屈防止部材をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、上述した請求項1と同様の作用、効果を得ることができる。また、上記の構成によれば、一対の座屈防止部材によって、複数の内壁のうちの両外側に位置する一対の内壁の各々の上部を介して、複数の内壁及び連結部材を内壁の厚さ方向に挟み込むことにより、複数の内壁の各々の上部の座屈を防止することができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の制震壁において、一対の座屈防止部材の各々は、内壁の幅方向全体にわたって延びており、複数の内壁の各々の上部、スペーサ、連結部材、及び一対の座屈防止部材には、各々が、複数の内壁の各々の上部、スペーサ、連結部材、及び一対の座屈防止部材全体を内壁の厚さ方向に貫通するとともに、内壁の幅方向に互いに並んだ複数の挿入孔が形成され、複数のボルトの各々は、複数の挿入孔の各々に挿入されており、複数のボルトと、複数のボルトの各々に螺合するナットとによる締め付けによって、複数の内壁、スペーサ及び連結部材が、一対の座屈防止部材の間に挟み込まれるとともに、複数の内壁が連結部材に固定されていることを特徴とする。
この構成によれば、内壁の幅方向全体にわたって延びる一対の座屈防止部材で複数の内壁の各々の上部、スペーサ及び連結部材を内壁の厚さ方向に挟み込むことによって、複数の内壁の各々の上部の座屈を防止するという効果を、適切に得ることができる。また、複数の内壁の各々の上部、スペーサ、連結部材、及び一対の座屈防止部材には、各々が、それら全体を内壁の厚さ方向に貫通するとともに、内壁の幅方向に互いに並んだ複数の挿入孔が形成されており、これらの複数の挿入孔の各々に、前述した複数のボルトの各々が挿入されている。また、挿入された複数のボルトの各々と、各ボルトに螺合するナットとによる締め付けによって、複数の内壁、スペーサ及び連結部材が一対の座屈防止部材により内壁の厚さ方向に挟み込まれるとともに、複数の内壁が連結部材に固定されている。
このように、連結部材に複数の内壁を固定するためのボルト及びナットを、内壁などを座屈防止部材と協働して挟み込む部材として、兼用することができる。また、内壁の幅方向に互いに並んだ複数のボルトとナットを座屈防止部材と協働させ、一対の座屈防止部材で複数の内壁の各々の上部などを内壁の厚さ方向にきつく挟み込むことができるので、複数の内壁の各々の上部の座屈を防止するという効果をより適切に得ることができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の制震壁において、複数の挿入孔の一部の径は、内壁の厚さ方向の一方側ほど、より小さくなるように設定され、複数の挿入孔の残りの径は、内壁の厚さ方向の他方側ほど、より小さくなるように設定されており、複数のボルトの各々は、鍔状の頭部と、一端が頭部に一体に設けられ、他端を含む所定の部分に雄ねじが形成された軸部を有し、複数のボルトのうち、複数の挿入孔の一部に挿入されたボルトは、その軸部のうちの雄ねじが形成されていない部分が、複数の挿入孔の一部のうちの内壁の厚さ方向の一方側の端部に隙間なく嵌合しており、複数の挿入孔の残りに挿入されたボルトは、その軸部のうちの雄ねじが形成されていない部分が、複数の挿入孔の残りのうちの内壁の厚さ方向の他方側の端部に隙間なく嵌合していることを特徴とする。
この構成によれば、複数の内壁の各々の上部、スペーサ、連結部材、及び座屈防止部材全体を貫通する複数の挿入孔の一部の径が、内壁の厚さ方向の一方側ほど、より小さくなるように設定され、複数の挿入孔の残りの径が、内壁の厚さ方向の他方側ほど、より小さくなるように設定されている。複数のボルトの各々は、鍔状の頭部と、一端が頭部に一体に設けられ、他端を含む所定の部分に雄ねじが形成された軸部を有している。また、複数のボルトのうち、複数の挿入孔の一部に挿入されたボルト(以下「一部のボルト」という)は、その軸部のうちの雄ねじが形成されていない部分が、複数の挿入孔の一部のうちの内壁の厚さ方向の一方側の端部に隙間なく嵌合しており、複数の挿入孔の残りに挿入されたボルト(以下「残りのボルト」という)は、その軸部のうちの雄ねじが形成されていない部分が、複数の挿入孔の残りのうちの内壁の厚さ方向の他方側の端部に隙間なく嵌合している。
以上により、粘性体による反力が連結部材に対して複数の内壁を幅方向に移動させるように作用したときに、複数のボルト全体を、いわゆるせん断ボルトとして機能させ、一部及び残りのボルトに主に、一方側及び他方側に配置された内壁に作用する粘性体による反力をそれぞれ負担させ、粘性体による反力により複数の内壁が連結部材に対して幅方向に移動するのを抑制することができる。これにより、構造物の振動中に、前述した粘性体のせん断抵抗を第1及び第2部位に適切に作用させ、構造物の振動をより適切に抑制することができる。
請求項に係る発明は、構造物を含む系内の第1部位と、第1部位よりも下側の第2部位との間に設けられ、構造物の振動を抑制するための制震壁であって、各々が板状に形成され、上下方向に延びるとともに、厚さ方向に所定の間隔を互いの間に存した状態で互いに並んだ複数の内壁と、複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の間に設けられ、2つの内壁の間に所定の間隔を保持するためのスペーサと、板状に形成されるとともに、第1部位に連結される連結部材と、内壁の幅方向に互いに並ぶとともに、複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の各々の上部の間に連結部材を挟み込んだ状態で、連結部材に複数の内壁を、内壁の厚さ方向に締め付けることによって固定するための複数のボルトと、上方に開口した箱状に形成され、上方から複数の内壁が内壁の幅方向に移動自在に収容されるとともに、第2部位に連結される収容部と、収容部と内壁の間に設けられた粘性体と、を備え、複数の内壁の各々の上部に設けられた係合部と、連結部材に連結され、係合部が係合することによって、複数の内壁が連結部材に対して内壁の幅方向に移動するのを阻止する係止部と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、上述した請求項1と同様の作用、効果を得ることができる。また、上記の構成によれば、複数の内壁の各々の上部に設けられた係合部が、連結部材に連結された係止部に係合することによって、複数の内壁が連結部材に対して幅方向に移動するのが阻止されるので、構造物の振動中、粘性体のせん断抵抗を第1及び第2部位に適切に作用させ、構造物の振動をより適切に抑制することができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の制震壁において、係合部は、複数の内壁の各々の上部の幅方向の両端部に設けられ、係止部は、複数の内壁の各々の上部の幅方向の両端部に対応する連結部材の部分に設けられていることを特徴とする。
前述した構成から明らかなように、構造物の振動中、粘性体のせん断抵抗による反力は、内壁を連結部材に対して内壁の幅方向に移動させるように作用し、内壁の幅方向の中央部では比較的小さく、幅方向の両端部では比較的大きくなる傾向にある。上述した構成によれば、係合部が複数の内壁の各々の上部の幅方向の両端部に設けられ、係止部が複数の内壁の各々の上部の幅方向の両端部に対応する連結部材の部位に設けられているので、粘性体による反力により複数の内壁が連結部材に対して幅方向に移動するのを効果的に阻止することができる。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の制震壁において、連結部材が複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の各々の上部の間に挟み込まれることによって、2つの内壁の間に所定の間隔が保持されるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、連結部材をスペーサとして兼用できるので、その分、制震壁の部品点数を削減することができる。
本発明の実施形態による制震壁を、これを適用した構造物の一部とともに概略的に示す正面図である。 図1の制震壁の上部を破断して示す側面図である。 図1の制震壁の複数の内壁や連結部材の一部を拡大するとともに破断して示す側面図である。 図1の制震壁の一部を拡大するとともに破断して示す平面図である。 実施形態の変形例による制震壁などを概略的に示す正面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。以下の説明では便宜上、図1の手前側及び奥側をそれぞれ「前」及び「後」とし、図1の左側及び右側をそれぞれ「左」及び「右」、上側及び下側をそれぞれ「上」及び「下」とする。図1〜図3に示すように、実施形態による制震壁1は、上方に開口する箱状に形成された収容部2を備えている。収容部2は、前後の外壁3、4と、前外壁3と後外壁4の間に互いに等間隔に設けられた3つの仕切り壁5、5、5と、前後の外壁3、4及び仕切り壁5、5、5の左端部に一体に設けられた左側壁6と、前後の外壁3、4及び仕切り壁5、5、5の右端部に一体に設けられた右側壁7と、前後の外壁3、4及び仕切り壁5、5、5の下端部に一体に設けられた底壁8を有している。
前後の外壁3、4、各仕切り壁5、左右の側壁6、7及び底壁8はいずれも、矩形状の鋼板で構成され、前後の外壁3、4及び仕切り壁5はいずれも、前後方向を厚さ方向として、上下方向及び左右方向に延びており、左右の側壁6、7は縦長に、底壁8は横長に、それぞれ形成されている。また、前後の外壁3、4の上端部には、溜まり部3a、4aがそれぞれ設けられており、溜まり部3a、4aは、前後にそれぞれ突出するとともに、各仕切り壁5よりも上方に若干、延びている。また、収容部2内には、前後の外壁3、4、仕切り壁5、5、5、左右の側壁6、7及び底壁8によって、4つの収容室2a、2a、2a、2aが画成されている。さらに、底壁8の前端部及び後端部には、上下方向に貫通する複数の挿入孔(図示せず)が形成されており、これらの挿入孔は互いに左右方向に並んでいる。
なお、前後の外壁3、4、各仕切り壁5、及び左右の側壁6、7は、例えば、溶接により互いに接合されているが、左右の側壁6、7を削除するとともに、前後の外壁3、4及び各仕切り壁5を、ボルトやナット、スペーサなどを用いて接合してもよい。
この場合、前外壁3の左右端部と前側の仕切り壁5の左右端部との間、前側の仕切り壁5の左右端部と中央の仕切り壁5の左右端部との間、中央の仕切り壁5の左右端部と後ろ側の仕切り壁5の左右端部との間、後ろ側の仕切り壁5の左右端部と後外壁4の左右端部との間、及び、前溜まり部3aの左右端部と後溜まり部4aの左右端部との間の各々の上下方向の全体には、スペーサと、後述する粘性体21の漏れを防止するためのシールが設けられる。また、これらの壁3、4、5、5、5の各々の左右端部、スペーサ及びシール全体を前後方向に貫通するとともに、上下方向に互いに並んだ複数のボルトの各々に、ナットを螺合させ、締め付けることによって、これらの壁3、4、5、5、5の各々の左右端部が、スペーサ及びシールを介して互いに接合される。さらに、前後の溜まり部3a、4aの各々の左右端部、スペーサ及びシール全体を前後方向に貫通するボルトに、ナットを螺合させ、締め付けることによって、前後の溜まり部3a、4aの各々の左右端部が、スペーサ及びシールを介して互いに接合される。
また、制震壁1は、収容部2の4つの収容室2a、2a、2a、2aに対応して設けられた4つの内壁15、15、15、15と、隣り合う2つの内壁15、15の間に所定の間隔DI(図3参照)を保持するためのスペーサ16と、内壁15、15、15、15を制震対象物に連結するための連結部材17と、内壁15、15、15、15を連結部材17に固定するためのボルト18及びナット19と、内壁15、15、15、15の座屈を防止するための前後一対の座屈防止部材20、20を、さらに備えている。
各内壁15は、矩形状の鋼板で構成され、上下方向及び左右方向に延びており、前後の外壁3、4及び仕切り壁5よりも短い左右方向の長さを有している。また、4つの内壁15、15、15、15は、厚さ方向(前後方向)に互いに上記の所定の間隔DIを存した状態で並ぶとともに、各々が、上方から収容部2の対応する収容室2aに収容されており、収容室2a内を、左右方向及び上下方向に所定の範囲内で移動自在である。さらに、各内壁15の上部には、厚さ方向に貫通する複数の挿入孔15a(明細書中では便宜上、符号を1つのみ記載)が、上下に2組、形成されている(図4参照)。各組の複数の挿入孔15aは、互いに内壁15の幅方向(左右方向)に並ぶとともに、内壁15の左部及び右部に配置されている。なお、図2では便宜上、挿入孔15aのかくれ線による図示を省略している。
スペーサ16は、矩形状の肉厚の鋼板で構成されており、横長に形成されている。スペーサ16の左右方向の長さは、各内壁15のそれと同じ大きさに設定され、スペーサ16の左右の端面は、内壁15の左右の端面とそれぞれ面一になっており、スペーサ16の厚さ(前後方向の長さ)は、前記所定の間隔DIと同じ大きさに設定されている。また、スペーサ16には、複数の挿入孔16a(明細書中では便宜上、符号を1つのみ記載)が、上下に2組、形成されている(図4参照)。
各組の複数の挿入孔16aは、スペーサ16の厚さ方向(前後方向)に貫通し、互いに左右方向に並ぶとともに、スペーサ16の左部及び右部に配置されており、各挿入孔16aは、前側及び後ろ側に位置する内壁15、15の各挿入孔15aに連通している。また、スペーサ16は、前側の互いに隣り合う2つの内壁15、15の上部の間、及び、後ろ側の互いに隣り合う2つの内壁15、15の上部の間の各々に、きつく挟み込まれており、これらの2つのスペーサ16、16によって、前側の2つの内壁15、15の間、及び、後ろ側の2つの内壁15、15の間にそれぞれ、所定の間隔DIが保持されている(図3参照)。なお、図2では便宜上、挿入孔16aのかくれ線による図示を省略している。
連結部材17は、矩形状の肉厚の鋼板で構成され、横長に形成されている。連結部材17は、その厚さ(前後方向の長さ)が前記所定の間隔DIと同じ大きさに設定され、内壁15よりも上方に延びるとともに、内壁15よりも左方及び右方に延びている。また、連結部材17には、複数の挿入孔17a(明細書中では便宜上、符号を1つのみ記載)が上下に2組、形成されている(図4参照)。
各組の複数の挿入孔17aは、連結部材17の厚さ方向(前後方向)に貫通し、互いに左右方向に並ぶとともに、連結部材17の左部及び右部に配置されており、各挿入孔17aは、前側及び後ろ側に位置する内壁15、15の各挿入孔15aに連通している。さらに、連結部材17は、4つの内壁15、15、15、15のうち、前後方向の中央に位置する互いに隣り合う2つの内壁15、15の上部の間にきつく挟み込まれており、それにより、所定の間隔DIが両者15、15の間に保持されている。なお、図2では便宜上、挿入孔17aのかくれ線による図示を省略している。
また、連結部材17の上端には、矩形状の鋼板で構成されたフランジFLが一体に設けられている。フランジFLは、連結部材17と同じ左右方向の長さで平行に延び、連結部材17から前後に突出するとともに、その前端部及び後端部には、上下方向に貫通する複数の挿入孔(図示せず)が形成されており、これらの挿入孔は互いに左右方向に並んでいる。以上の構成から明らかなように、連結部材17及びフランジFLを、T形鋼で構成することができる。
前記一対の座屈防止部材20、20の各々は、矩形状の肉厚の鋼板で構成され、横長に形成されるとともに、スペーサ16と同じ左右方向及び上下方向の長さを有しており、その左右の端面は、内壁15の左右の端面とそれぞれ面一になっている。このように、各座屈防止部材20は、内壁15の幅方向の全体にわたって延びている。また、各座屈防止部材20には、複数の挿入孔20a(明細書中では便宜上、符号を1つのみ記載)が、上下に2組、形成されている(図4参照)。
各組の複数の挿入孔20aは、座屈防止部材20の厚さ方向(前後方向)に貫通し、互いに左右方向に並ぶとともに、座屈防止部材20の左部及び右部に配置されており、各挿入孔20aは、前後方向の一方側に位置する内壁15の各挿入孔15aに連通している。さらに、一対の座屈防止部材20、20は、前記ボルト18及びナット19とともに、4つの内壁15、15、15、15のうちの前後方向の両外側にそれぞれ位置する一対の内壁15、15の各々の上部を介して、4つの内壁15、15、15、15、スペーサ16、16及び連結部材17を前後方向にきつく挟み込んでおり、それにより、4つの内壁15、15、15、15の各々の上部の座屈が防止される。なお、図2では便宜上、挿入孔20aのかくれ線による図示を省略している。
また、図4に示すように、各内壁15の複数の挿入孔15a、スペーサ16の複数の挿入孔16a、連結部材17の複数の挿入孔17a、及び各座屈防止部材20の複数の挿入孔20aによって、各々が、4つの内壁15、15、15、15、スペーサ16、16、連結部材17、及び一対の座屈防止部材20、20全体を前後方向に貫通する上下2組の複数の挿入孔が構成されている。これら2組の複数の挿入孔のうち、上側の組の複数の挿入孔の各々の径は、後ろ側ほど、より小さくなるように設定されており、各挿入孔の一部を構成するとともに最も後ろ側に位置する座屈防止部材20の挿入孔20aの径は、ボルト18の後述する軸部18bが隙間なく嵌合するとともに、挿入孔20aに挿入された軸部18bが回転する程度の大きさに設定されている。
一方、下側の組の挿入孔の各々の径は、前側ほど、より小さくなるように設定されており、各挿入孔の一部を構成するとともに最も前側に位置する座屈防止部材20の挿入孔20aの径は、ボルト18の軸部18bが隙間なく嵌合するとともに、挿入孔20aに挿入された軸部18bが回転する程度の大きさに設定されている。なお、図4では、挿入孔15a、16a、17a、20aの径の違いを、分かりやすくするために、誇張して描いている。
また、図4では、挿入孔15a、16a、17a、20aから成る挿入孔の径を、テーパ状に、すなわち円錐状に小さくなるように描いているが、テーパ状に小さくならなくてもよく、周方向の一部のみが小さくなるように設定してもよいことは、もちろんである。
ボルト18は、例えば一般的な六角ボルトであって、横断面が六角形の鍔状の頭部18aと、一端が頭部18aに一体に設けられ、他端を含む所定の部分に雄ねじが形成されるとともに、一定の径に形成された丸棒状の軸部18bを有しており、各内壁15の複数の挿入孔15aと同じ数の複数のボルトで構成されている。これらの複数のボルト18は、上記の上下2組の複数の挿入孔に対応して設けられている。明細書中では便宜上、複数のボルト18の符号を1つのみ記載している。
上側の組の複数の挿入孔の各々に対応するボルト18は、その軸部18bが後方から、上記の挿入孔に挿入され、すなわち、挿入孔20a、挿入孔15a、挿入孔16a、挿入孔15a、挿入孔17a、挿入孔15a、挿入孔16a、挿入孔15a、挿入孔20aに共通に挿入されており、前側の座屈防止部材20よりも前方に突出するとともに、その頭部18aが後ろ側の座屈防止部材20の後面に、ワッシャを介して接触している。また、上側の組の複数の挿入孔の各々に対応するボルト18の軸部18bのうち、雄ねじが形成されていない部分は、上側の組の複数の挿入孔の各々の後端部に隙間なく嵌合している。
一方、下側の組の複数の挿入孔の各々に対応するボルト18は、その軸部18bが前方から、上記の挿入孔に挿入され、すなわち、挿入孔20a、挿入孔15a、挿入孔16a、挿入孔15a、挿入孔17a、挿入孔15a、挿入孔16a、挿入孔15a、挿入孔20aに共通に挿入されており、後ろ側の座屈防止部材20よりも後方に突出するとともに、その頭部18aが前側の座屈防止部材20の前面に、ワッシャを介して接触している。また、下側の組の複数の挿入孔の各々に対応するボルト18の軸部18bのうち、雄ねじが形成されていない部分は、下側の組の複数の挿入孔の各々の前端部に隙間なく嵌合している。
ナット19は、例えば六角ナットであって、ボルト18の軸部18bの雄ねじが形成された他端部であって座屈防止部材20から突出した部分に螺合しており、ワッシャを介して座屈防止部材20の外面に接触している。ボルト18及びナット19による締め付けによって、4つの内壁15、15、15、15、スペーサ16、16及び連結部材17が、一対の座屈防止部材20、20の間に、内壁15の厚さ方向にきつく挟み込まれるとともに、4つの内壁15、15、15、15が連結部材17に強固に固定されている。なお、ボルト18の頭部18a及びナット19を、前後逆に配置してもよく、それに応じて、上側の組の複数の挿入孔の径を、前側ほど、より小さくなるように設定してもよく、下側の組の複数の挿入孔の径を、後ろ側ほど、より小さくなるように設定してもよい。
また、ボルト18は、その軸部18bの径が一定に形成されているが、ボルトの軸部の雄ねじが形成されていない部分(以下「円筒部」という)を、その径が、雄ねじが形成された部分(以下「ねじ部」という)側ほどより小さくなるように、テーパ状に形成し、前述したようにテーパ状に形成された挿入孔全体に隙間なく嵌合するように、構成してもよい。この場合、このボルトのねじ部は、その径がねじ部側の円筒部の端の径と同径に又はより小径に設定され、対応する座屈防止部材から前方又は後方に突出し、ナットが、このねじ部に螺合するとともに、座屈防止部材の外面に接触しており、ボルト及びナットによって、複数の内壁などが内壁の厚さ方向に締め付けられる。
また、制震壁1は、粘性体21をさらに備えており、粘性体21は、粘性が比較的高い流体、例えばポリイソブチレンから成る流体で構成されている。また、粘性体21は、各収容室2aにおける収容部2と各内壁15との間に充填されている。なお、図2では便宜上、粘性体21の符号の図示を省略している。
制震壁1はさらに、4つの内壁15、15、15、15が連結部材17に対して左右方向(内壁15の幅方向)及び上下方向に移動するのを阻止するための係止部及び係合部を備えている。係止部は、左右一対で前後2組の計4つの係止部17b、17b、17b、17bで構成されている。各係止部17bは、横断面が矩形の比較的短い棒状に形成されており、連結部材17に一体に設けられている。また、前側の左右の係止部17b、17bは、連結部材17の前面の左部及び右部にそれぞれ配置され、連結部材17から前方に突出しており、後ろ側の左右の係止部17b、17bは、連結部材17の後面の左部及び右部にそれぞれ配置され、連結部材17から後方に突出している。
上記の係合部は、4つの係止部17b、17b、17b、17bの各々に各々が係合する4つの係合部で構成され、各係合部は、4つの内壁15、15、15、15、スペーサ16及び連結部材17全体に設けられた切欠き溝で構成されている。具体的には、各内壁15、各スペーサ16及び各座屈防止部材20の左端部及び右端部の各々には、矩形状の切欠き15b、16b、20bがそれぞれ形成されている。これらの切欠き15b、16b、20bは、前後方向に互いに連続しており、各部材の左端部に設けられた切欠き15b、16b、20bは左方に、各部材の右端部に設けられた切欠き15b、16b、20bは右方に、それぞれ開放している。以上の構成の切欠き15b、16b、20bによって、上記の係合部としての切欠き溝が構成されている。
連結部材17よりも前側に配置された内壁15、スペーサ16、内壁15及び座屈防止部材20の各々の左側の切欠き15b、16b、15b、20bで構成された切欠き溝(以下「前側左切欠き溝」という)には、連結部材17の左部から前方に突出する係止部17bが係合しており、この係止部17bの上下面及び右面は、前側左切欠き溝の上下の壁面及び左壁面にそれぞれ接触している。さらに、これらの前側の部材15、16、15、20の各々の右側の切欠き15b、16b、15b、20bで構成された切欠き溝(以下「前側右切欠き溝」という)には、連結部材17の右部から前方に突出する係止部17bが係合しており、この係止部17bの上下面及び左面は、前側右切欠き溝の上下の壁面及び右壁面にそれぞれ接触している。
また、連結部材17よりも後ろ側に配置された内壁15、スペーサ16、内壁15及び座屈防止部材20の各々の左側の切欠き15b、16b、15b、20bで構成された切欠き溝(以下「後ろ側左切欠き溝」という)には、連結部材17の左部から後方に突出する係止部17bが係合しており、この係止部17bの上下面及び右面は、後ろ側左切欠き溝の上下の壁面及び左壁面にそれぞれ接触している。さらに、これらの後ろ側の部材15、16、15、20の各々の右側の切欠き15b、16b、15b、20bで構成された切欠き溝(以下「後ろ側右切欠き溝」という)には、連結部材17の右部から後方に突出する係止部17bが係合しており、この係止部17bの上下面及び左面は、後ろ側右切欠き溝の上下の壁面及び右壁面にそれぞれ接触している。
以上の構成の制震壁1は、構造物、例えば、住居用や商用の高層の建築物の上梁BUの下面に、フランジFLが、上間柱PUを介して連結されるとともに、この建築物の下梁BDの上面に、底壁8が、下間柱PDを介して連結される。上下の間柱PU、PDは、例えばH形鋼で構成されており、それらの上下のフランジの前端部及び後端部には、底壁8及びフランジFLと同様に、上下方向に貫通する複数の挿入孔(図示せず)が形成されている。上下の梁BU、BDは、例えばH形鋼で構成され、左右方向に水平に延びており、それらの上下のフランジの前端部及び後端部には、底壁8及びフランジFLと同様に、上下方向に貫通する複数の挿入孔(図示せず)が形成されている。
この場合、フランジFLの複数の挿入孔及び上間柱PUの下側の複数の挿入孔の各々に挿入したボルトに、ナット(いずれも図示せず)を螺合させ、締め付けることによって、フランジFLが上間柱PUに固定される。このように、内壁15、15、15、15及び連結部材17と一体のフランジFLは、いわゆる高力ボルトを用いた引張接合によって、上間柱PUに接合される。また、上間柱PUの上側の複数の挿入孔及び上梁BUの複数の挿入孔の各々に挿入したボルトに、ナット(いずれも図示せず)を螺合させ、締め付けることによって、上間柱PUが上梁BUに固定される。
同様に、底壁8の複数の挿入孔及び下間柱PDの上側の複数の挿入孔の各々に挿入したボルトに、ナット(いずれも図示せず)を螺合させ、締め付けることによって、底壁8が下間柱PDに固定される。このように、底壁8を含む収容部2は、いわゆる高力ボルトを用いた引張接合によって、下間柱PDに接合される。また、下間柱PDの下側の複数の挿入孔及び下梁BDの複数の挿入孔の各々に挿入したボルトに、ナット(いずれも図示せず)を螺合させ、締め付けることによって、下間柱PDが下梁BDに固定される。
以上のように、実施形態によれば、板状の連結部材17が、上梁BUに連結されるとともに、上方に開口する箱状に形成された収容部2が下梁BDに連結される。また、各々が板状に形成された4つの内壁15、15、15、15が、連結部材17に固定されており、上下方向に延びるとともに、厚さ方向に所定の間隔DIを互いの間に存した状態で並んでいる。さらに、各内壁15は、上方から収容部2の対応する収容室2aに、その幅方向及び上下方向に移動自在に収容されており、収容部2と内壁15の間には、粘性体21が設けられている。以上の構成の制震壁1では、例えば地震などにより構造物が振動するのに伴い、上下の梁BU、BDの間で内壁15の幅方向や上下方向の相対変位が発生すると、それに伴って各内壁15が収容部2に対して幅方向に移動し、内壁15及び収容部2の間の粘性体21のせん断抵抗が、内壁15及び収容部2を介して上下の梁BU、BDにそれぞれ作用することにより、構造物の振動が抑制される。
また、4つの内壁15、15、15、15のうちの互いに隣り合う2つの内壁15、15の間には、上記の所定の間隔DIを保持するためのスペーサ16が設けられており、4つの内壁15、15、15、15は連結部材17に、互いに隣り合う2つの内壁15、15の各々の上部の間に連結部材17を挟み込んだ状態で、複数のボルト18を用いた締め付けによって固定されている。このように、4つの内壁15、15、15、15のうちの互いに隣り合う2つの内壁15、15の間隔を所定の間隔DIにスペーサ16で保持しながら、従来の突き合わせ溶接を用いずに、ボルト18を用いた締め付けによって4つの内壁15、15、15、15を連結部材17に容易に固定できるので、前述したような非破壊検査や溶接ひずみの補修などといった煩雑な作業を行わずに、制震壁1を容易に製造できるとともに、その製造効率を高めることができる。
また、構造物の振動中、上述した粘性体21のせん断抵抗による反力は、各内壁15を、連結部材17に対して、内壁15の幅方向に移動させるように作用する。これに対して、上記の複数のボルト18が内壁15の幅方向に互いに並んでいるので、この粘性体21による反力に抗し、連結部材17に4つの内壁15、15、15、15を強固に固定でき、ひいては、構造物の振動中、粘性体21のせん断抵抗を上下の梁BU、BDに適切に作用させ、構造物の振動を適切に抑制することができる。
また、連結部材17が前後方向の中央の互いに隣り合う2つの内壁15、15の各々の上部の間に挟み込まれることによって、2つの内壁15、15の間に所定の間隔DIが保持されるように構成されているので、連結部材17をスペーサとして兼用でき、ひいては、その分、制震壁1の部品点数を削減することができる。
さらに、一対の座屈防止部材20、20によって、4つの内壁15、15、15、15のうちの両外側に位置する一対の内壁15、15の各々の上部を介して、4つの内壁15、15、15、15、スペーサ16、16及び連結部材17を内壁15の厚さ方向に挟み込むことにより、4つの内壁15、15、15、15の各々の上部の座屈を防止することができる。この場合、内壁15の幅方向全体にわたって延びる一対の座屈防止部材20、20を用いるので、4つの内壁15、15、15、15の各々の上部の座屈を防止するという効果を、適切に得ることができる。
また、4つの内壁15、15、15、15の各々の上部、スペーサ16、16、連結部材17、及び一対の座屈防止部材20、20には、複数の挿入孔15a、16a、17a、及び20aがそれぞれ形成されている。これらの挿入孔15a、16a、17a、20aによって、内壁15の幅方向に互いに並んだ上下2組の複数の挿入孔が構成されており、各挿入孔は、4つの内壁15、15、15、15の各々の上部、スペーサ16、16、連結部材17、及び一対の座屈防止部材20、20全体を前後方向(内壁15の厚さ方向)に貫通している。また、これらの複数の挿入孔の各々に、複数のボルト18の各々が挿入されており、挿入された複数のボルト18の各々と、各ボルト18に螺合するナット19とによる締め付けによって、4つの内壁15、15、15、15、スペーサ16、16及び連結部材17が一対の座屈防止部材20、20により前後方向に挟み込まれるとともに、4つの内壁15、15、15、15が連結部材17に固定されている。
このように、連結部材17に4つの内壁15、15、15、15を固定するためのボルト18及びナット19を、内壁15などを座屈防止部材20と協働して挟み込む部材として、兼用することができる。また、内壁15の幅方向に互いに並んだ複数のボルト18とナット19を座屈防止部材20と協働させ、一対の座屈防止部材20、20により4つの内壁15、15、15、15の各々の上部などを前後方向にきつく挟み込むことができるので、各内壁15の上部の座屈を防止するという効果をより適切に得ることができる。
また、4つの内壁15、15、15、15の各々の上部、スペーサ16、16、連結部材17、及び座屈防止部材20、20全体を貫通する上下2組の複数の挿入孔(15a、16a、17a、20a)のうち、上側の組の複数の挿入孔の各々の径が、後ろ側ほど、より小さくなるように設定され、下側の組の複数の挿入孔の各々の径が、前側ほど、より小さくなるように設定されている。また、上側の組の複数の挿入孔の各々の後端部には、対応する上側の組のボルト18の軸部18bのうちの雄ねじが形成されていない部分が隙間なく嵌合し、下側の組の複数の挿入孔の各々の前端部には、対応する下側の組のボルト18の軸部18bのうちの雄ねじが形成されていない部分が隙間なく嵌合している。
以上により、粘性体21による反力が連結部材17に対して4つの内壁15、15、15、15を幅方向や上下方向に移動させるように作用したときに、上側及び下側の組のボルト18全体を、いわゆるせん断ボルトとして機能させ、上側及び下側の組のボルト18に主に、後ろ側及び前側の2つの内壁15、15に作用する粘性体21による反力をそれぞれ負担させ、粘性体21による反力により各内壁15が連結部材17に対して幅方向及び上下方向に移動するのを抑制することができる。これにより、構造物の振動中に、粘性体21のせん断抵抗を上下の梁BU、BDに適切に作用させ、構造物の振動をより適切に抑制することができる。
さらに、4つの内壁15、15、15、15の各々に設けられた切欠き15bが、連結部材17に設けられた係止部17bに係合することによって、各内壁15が連結部材17に対して幅方向及び上下方向に移動するのが阻止されるので、構造物の振動中、粘性体21のせん断抵抗を上下の梁BU、BDにより適切に作用させ、構造物の振動をさらに適切に抑制することができる。
この場合、切欠き15bで構成される切欠き溝が、4つの内壁15、15、15、15の左右端部(幅方向の両端部)に設けられ、係止部17bが、連結部材17の前面及び後面の左部及び右部に、すなわち、内壁15の上部の左右端部に対応する連結部材17の部位に設けられているので、粘性体21による反力により各内壁15が連結部材17に対して幅方向に移動するのを効果的に阻止することができる。さらに、この場合、内壁15に加え、内壁15とともに連結部材17に固定されるスペーサ16及び座屈防止部材20にも切欠き16b、20bを形成し、これらの切欠き16b、20bを内壁15の切欠き15bに連続させることで構成された切欠き溝を、係止部17bに係合させるので、粘性体21のせん断抵抗による反力により各内壁15が連結部材17に対して幅方向に移動するのをより効果的に阻止することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、連結部材17及び収容部2(底壁8)を上下の間柱PU、PDに、高力ボルトを用いた引張接合によって接合しているが、高力ボルトを用いた摩擦接合によって接合してもよい。図5は、この場合における本発明による制震壁を示している。
図5に示すように、この場合には、内壁15が固定される連結部材31の上端には、フランジFLが設けられず、その幅方向の両端部(左端部及び右端部)の各々に、厚さ方向の両側(前側・後側)に突出するフランジが一体に設けられる。すなわち、この場合には、連結部材31及びこれらのフランジをH形鋼で構成することができる。連結部材31の他の構成は、実施形態の連結部材17のそれと同様であり、連結部材31には、ボルト18がそれぞれ挿入される複数の挿入孔(図示せず)が形成されるとともに、前後に計4つの係止部31a、31a(前側の2つのみ図示)が一体に設けられており、各内壁15は、実施形態の場合と同様にして、連結部材31に固定されている。
上間柱PU’は、例えばH形鋼で構成されており、そのフランジが内壁15の幅方向に直交するように、配置されている。連結部材31の上端部と上間柱PU’のウェブの下端部、及び、連結部材31のフランジと上間柱PU’のフランジはそれぞれ、一対のスプライスプレートSPによりそれらの厚さ方向に挟み込まれ、その状態で、これらの連結部材31、上間柱PU’及びスプライスプレートSPを厚さ方向に貫通する複数のボルトBOの各々に、ナットを螺合させ、締め付けることによって、連結部材31が上間柱PU’に摩擦接合される。
また、収容部2の底壁32には、前記底壁8と異なり、挿入孔が形成されておらず、左右の側壁6、7は、底壁32よりも下方に延びている。底壁32の下面、及び底壁32よりも下側の左右の側壁6、7の部分の互いに対向する内面には、板状の連結部材33が一体に設けられており、連結部材33の厚さ方向は、内壁15などの厚さ方向と同じ方向である。さらに、下間柱PD’は、例えば、上間柱PU’と同様、H形鋼で構成されており、そのフランジが内壁15の幅方向に直交するように、配置されている。
連結部材33の下端部と下間柱PD’のウェブの上端部、及び、連結部材33のフランジと下間柱PD’のフランジはそれぞれ、一対のスプライスプレートSPによりそれらの厚さ方向に挟み込まれ、その状態で、これらの連結部材33、下間柱PD’及びスプライスプレートSPを厚さ方向に貫通する複数のボルトBOの各々に、ナットを螺合させ、締め付けることによって、連結部材33が下間柱PD’に摩擦接合される。なお、図5では便宜上、複数のボルトBOの一部の符号を省略している。
前述した従来の制震壁では、複数の内壁の上端が、内壁の厚さ方向に突出するフランジに溶接により取り付けられているので、上記のように上間柱への接合を摩擦接合により行わなければならない場合には、このフランジに、摩擦接合用の連結部材をさらに取り付けなければならず、その分、制震壁の製造コストが増大してしまう。これに対して、本発明によれば、任意に選択された連結部材17及び31の一方に、ボルト18及びナット19を用いて各内壁15を容易に固定できるので、制震壁の製造コストを削減することが可能になる。
また、実施形態では、複数の挿入孔15aを、上下に2組、設けているが、1組だけ設けてもよく、3組以上設けてもよい。さらに、実施形態では、挿入孔15aを、内壁15の幅方向の中央に設けていないが、設けてもよいことは、もちろんである。これらのことは、挿入孔16a、17a、20aについても、同様に当てはまる。また、実施形態では、内壁15の数は、4つであるが、複数であればいくつでもよい。このことは、収容室2aについても同様に当てはまる。さらに、実施形態では、収容室2aの数を、内壁15の数と同じに設定しているが、より少なく設定してもよい。
また、実施形態では、スペーサ16を、内壁15の幅方向の全体にわたって延びるように構成しているが、スペーサのサイズは任意であり、例えば、内壁の幅方向の一部にわたって延びるように構成してもよく、その場合には、複数のスペーサを内壁の幅方向に部分的に設けてもよい。また、スペーサの形状も任意である。さらに、実施形態では、スペーサ16に形成された挿入孔16aにボルト18を挿入し、スペーサ16を、ボルト18及びナット19による締め付けにより内壁15に固定しているが、スペーサに挿入孔を形成せずに、スペーサを、溶接などにより1つの内壁に仮固定した後に、ボルト18及びナット19による締め付けにより、互いに隣り合う2つの内壁に固定してもよい。この場合にも、スペーサの大きさや形状は、任意である。
また、実施形態では、連結部材17を、前後方向の中央の互いに隣り合う2つの内壁15、15の間に所定の間隔DIを保持するためのスペーサとして兼用しているが、スペーサとして兼用せずに、連結部材17と内壁15の間にスペーサを設けてもよい。さらに、実施形態では、ボルト18にナット19を螺合させているが、ナット19を削除するとともに、後ろ側の座屈防止部材20に貫通するねじ孔を形成し、このねじ孔にボルト18を螺合させ、締め付けてもよい。また、実施形態では、一対の座屈防止部材20、20を設けているが、これらを省略してもよい。この場合にも、ナット19を削除するとともに、ボルト18のねじ部側に位置する最も外側の内壁15に貫通するねじ孔を形成し、このねじ孔にボルト18を螺合させ、締め付けてもよい。上記のいずれの場合にも、ねじ孔として、貫通しないねじ穴を用いてもよい。
さらに、実施形態では、各座屈防止部材20を、内壁15の幅方向の全体にわたって延びるように構成しているが、座屈防止部材のサイズは任意であり、例えば、内壁の幅方向の一部にわたって延びるように構成してもよく、その場合には、複数の座屈防止部材を内壁の幅方向に部分的に設けてもよい。また、座屈防止部材の形状も任意である。また、実施形態では、ボルト18及びナット19を、一対の座屈防止部材20、20と協働して内壁15などを挟み込む部材として兼用しているが、兼用せずに、一対の座屈防止部材を内壁よりも幅方向の両側に延びるように構成するとともに、それらの両外側の部分を貫通する座屈防止部材用のボルトを用いて、複数の内壁を一対の座屈防止部材で挟み込んでもよい。あるいは、ばねなどの弾性体を用いて複数の内壁を挟み込むように構成された座屈防止部材を用いてもよい。
さらに、実施形態では、挿入孔15a、16a、17a、20aで構成された複数の挿入孔の径を、上下2組の間で異ならせているが(図4参照)、左右方向で異ならせてもよい。その場合、1つずつ交互に異ならせたり、左右方向に複数組ずつ交互に異ならせたりしてもよく、あるいは、左右方向の2組を互いに異ならせてもよい。
また、実施形態では、挿入孔15a、17a、16a、20aで構成された複数の挿入孔の各々の径を、前側ほど又は後ろ側ほど、より小さくなるように設定しているが、前後方向(内壁の厚さ方向)に一定に設定し、ボルト18の軸部18bが若干の隙間をもって挿入孔に挿入されるように設定してもよい。さらに、実施形態では、ボルト18を、連結部材17を貫通するように設けているが、例えば、頭部を有さない複数のボルトを、連結部材の前面及び後面に、連結部材から前方及び後方にそれぞれ延びるように一体に設けてもよい。この場合、前側及び後ろ側の複数のボルトが、前側の内壁などの挿入孔及び後ろ側の内壁などの挿入孔にそれぞれ挿入されるとともに、内壁などから外方に突出した各ボルトの端部に、ナットが螺合し、これらのボルト及びナットによる前後方向の締め付けによって、複数の内壁などが連結部材に固定される。
また、実施形態では、スペーサ16及び各座屈防止部材20に切欠き16b、20bをそれぞれ設けているが、これらを省略し、内壁15をスペーサ16及び各座屈防止部材20よりも幅方向の両外側に突出させるとともに、切欠き15bのみを係止部17bに係合させてもよい。さらに、実施形態では、切欠き15bを、内壁15の上部の幅方向の両端部の各々に設けているが、他の適当な部位に設けてもよく、それに応じて、切欠き16b、20b及び係止部17bを他の適当な部位に設けてもよい。また、実施形態では、本発明における係合部を切欠き15bで構成し、凹状に形成するとともに、係止部17bを凸状に形成しているが、これとは逆に、係合部を凸状に形成するとともに、係止部を凹状に形成してもよい。
さらに、実施形態では、本発明における係合部に相当する切欠き15bと係止部17bを、4つの内壁15、15、15、15が連結部材17に対して内壁15の幅方向及び上下方向に移動するのを阻止するように構成しているが、幅方向への移動のみを阻止するように構成してもよい。この場合、例えば、複数の内壁の幅方向の両端面の各々に、切欠き15bを設けずに、これらの両端面を係合部として、係止部17bに係合(接触)させてもよく、その場合には、本発明における係止部を、連結部材に一体に設けずに、フランジFLに一体に設けるとともに、フランジFLから下方に延びるように構成してもよい。
また、実施形態では、粘性体21は、ポリイソブチレンから成る流体であるが、他の適当な粘性体、例えばシリコンオイルなどでもよい。さらに、実施形態では、上下の梁BU、BDに、フランジFL及び収容部2をそれぞれ、上下の間柱PU、PDを介して連結しているが、直接、連結してもよい。また、実施形態では、各内壁15を収容部2に対してその幅方向及び上下方向に移動自在に設けているが、幅方向にのみ移動自在に設けてもよい。さらに、実施形態では、本発明における第1及び第2部位はそれぞれ、上梁BU及び下梁BDであるが、構造物の他の適当な部位でもよく、例えば、構造物の基礎梁及び地下構造体でもよい。
また、実施形態では、構造物は、住居用や商用の高層の建築物であるが、他の適当な構造物、例えば、橋梁や鉄塔などでもよい。なお、これまでに述べたバリエーション(図5に示す変形例や、実施形態で説明したバリエーションを含む)を適宜、組み合わせて適用してもよいことは、もちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
BU 上梁(第1部位)
BD 下梁(第2部位)
1 制震壁
2 収容部
15 内壁
15a 挿入孔
15b 切欠き(係合部)
16 スペーサ
16a 挿入孔
17 連結部材
17a 挿入孔
17b 係止部
18 ボルト
18a 頭部
18b 軸部
19 ナット
20 座屈防止部材
20a 挿入孔
21 粘性体
DI 所定の間隔
31 連結部材
31a 係止部

Claims (7)

  1. 構造物を含む系内の第1部位と、当該第1部位よりも下側の第2部位との間に設けられ、前記構造物の振動を抑制するための制震壁であって、
    各々が板状に形成され、上下方向に延びるとともに、厚さ方向に所定の間隔を互いの間に存した状態で互いに並んだ複数の内壁と、
    当該複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の間に設けられ、当該2つの内壁の間に前記所定の間隔を保持するためのスペーサと、
    板状に形成されるとともに、前記第1部位に連結される連結部材と、
    前記内壁の幅方向に互いに並ぶとともに、前記複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の各々の上部の間に前記連結部材を挟み込んだ状態で、当該連結部材に前記複数の内壁を、当該内壁の厚さ方向に締め付けることによって固定するための複数のボルトと、
    上方に開口した箱状に形成され、上方から前記複数の内壁が当該内壁の幅方向に移動自在に収容されるとともに、前記第2部位に連結される収容部と、
    前記収容部と前記内壁の間に設けられた粘性体と、
    を備え
    前記収容部の上端部には、その下側部分よりも前記内壁の厚さ方向に広がるように形成された溜まり部が設けられていることを特徴とする制震壁。
  2. 構造物を含む系内の第1部位と、当該第1部位よりも下側の第2部位との間に設けられ、前記構造物の振動を抑制するための制震壁であって、
    各々が板状に形成され、上下方向に延びるとともに、厚さ方向に所定の間隔を互いの間に存した状態で互いに並んだ複数の内壁と、
    当該複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の間に設けられ、当該2つの内壁の間に前記所定の間隔を保持するためのスペーサと、
    板状に形成されるとともに、前記第1部位に連結される連結部材と、
    前記内壁の幅方向に互いに並ぶとともに、前記複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の各々の上部の間に前記連結部材を挟み込んだ状態で、当該連結部材に前記複数の内壁を、当該内壁の厚さ方向に締め付けることによって固定するための複数のボルトと、
    上方に開口した箱状に形成され、上方から前記複数の内壁が当該内壁の幅方向に移動自在に収容されるとともに、前記第2部位に連結される収容部と、
    前記収容部と前記内壁の間に設けられた粘性体と、
    を備え、
    前記複数の内壁のうちの両外側に位置する一対の内壁の各々の上部を介して、前記複数の内壁、前記スペーサ及び前記連結部材を前記内壁の厚さ方向に挟み込むことにより、前記複数の内壁の各々の上部の座屈を防止するための一対の座屈防止部材をさらに備えることを特徴とする制震壁。
  3. 前記一対の座屈防止部材の各々は、前記内壁の幅方向全体にわたって延びており、
    前記複数の内壁の各々の上部、前記スペーサ、前記連結部材、及び前記一対の座屈防止部材には、各々が、当該複数の内壁の各々の上部、当該スペーサ、当該連結部材、及び当該一対の座屈防止部材全体を前記内壁の厚さ方向に貫通するとともに、前記内壁の幅方向に互いに並んだ複数の挿入孔が形成され、
    前記複数のボルトの各々は、前記複数の挿入孔の各々に挿入されており、
    前記複数のボルトと、当該複数のボルトの各々に螺合するナットとによる締め付けによって、前記複数の内壁、前記スペーサ及び前記連結部材が、前記一対の座屈防止部材の間に挟み込まれるとともに、前記複数の内壁が前記連結部材に固定されていることを特徴とする、請求項に記載の制震壁。
  4. 前記複数の挿入孔の一部の径は、前記内壁の厚さ方向の一方側ほど、より小さくなるように設定され、前記複数の挿入孔の残りの径は、前記内壁の厚さ方向の他方側ほど、より小さくなるように設定されており、
    前記複数のボルトの各々は、鍔状の頭部と、一端が前記頭部に一体に設けられ、他端を含む所定の部分に雄ねじが形成された軸部を有し、
    前記複数のボルトのうち、前記複数の挿入孔の前記一部に挿入された前記ボルトは、その前記軸部のうちの前記雄ねじが形成されていない部分が、前記複数の挿入孔の前記一部のうちの前記内壁の厚さ方向の一方側の端部に隙間なく嵌合しており、前記複数の挿入孔の前記残りに挿入された前記ボルトは、その前記軸部のうちの前記雄ねじが形成されていない部分が、前記複数の挿入孔の前記残りのうちの前記内壁の厚さ方向の他方側の端部に隙間なく嵌合していることを特徴とする、請求項に記載の制震壁。
  5. 構造物を含む系内の第1部位と、当該第1部位よりも下側の第2部位との間に設けられ、前記構造物の振動を抑制するための制震壁であって、
    各々が板状に形成され、上下方向に延びるとともに、厚さ方向に所定の間隔を互いの間に存した状態で互いに並んだ複数の内壁と、
    当該複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の間に設けられ、当該2つの内壁の間に前記所定の間隔を保持するためのスペーサと、
    板状に形成されるとともに、前記第1部位に連結される連結部材と、
    前記内壁の幅方向に互いに並ぶとともに、前記複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の各々の上部の間に前記連結部材を挟み込んだ状態で、当該連結部材に前記複数の内壁を、当該内壁の厚さ方向に締め付けることによって固定するための複数のボルトと、
    上方に開口した箱状に形成され、上方から前記複数の内壁が当該内壁の幅方向に移動自在に収容されるとともに、前記第2部位に連結される収容部と、
    前記収容部と前記内壁の間に設けられた粘性体と、
    を備え、
    前記複数の内壁の各々の上部に設けられた係合部と、
    前記連結部材に連結され、前記係合部が係合することによって、前記複数の内壁が前記連結部材に対して当該内壁の幅方向に移動するのを阻止する係止部と、
    をさらに備えることを特徴とする制震壁。
  6. 前記係合部は、前記複数の内壁の各々の上部の幅方向の両端部に設けられ、前記係止部は、前記複数の内壁の各々の上部の幅方向の両端部に対応する前記連結部材の部分に設けられていることを特徴とする、請求項に記載の制震壁。
  7. 前記連結部材が前記複数の内壁のうちの互いに隣り合う2つの内壁の各々の上部の間に挟み込まれることによって、当該2つの内壁の間に前記所定の間隔が保持されるように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の制震壁。
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