JP2000027485A - 制震壁、制震壁の取付方法および制震壁を用いる制震構造物 - Google Patents

制震壁、制震壁の取付方法および制震壁を用いる制震構造物

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JP2000027485A
JP2000027485A JP10199357A JP19935798A JP2000027485A JP 2000027485 A JP2000027485 A JP 2000027485A JP 10199357 A JP10199357 A JP 10199357A JP 19935798 A JP19935798 A JP 19935798A JP 2000027485 A JP2000027485 A JP 2000027485A
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damping wall
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Shinji Sera
信次 世良
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Sumitomo Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制震壁を取り付ける取付ボルトの本数を大幅
に減らすことができ、制震壁の構造物への取付が容易で
あり、取付ボルトの設計が容易となり、断面欠損が少な
く構造部材の強度を増すことができる制震壁、その取付
方法および制震壁を用いる制震構造物を提供する。 【解決手段】 下層階の構造部材11に固定され上方に
開口し粘性流体15が注入される外容器12と、上層階
の構造部材13より垂下して固定され外容器12内に間
隔を有して非接触状態に位置する内板14とを備え、外
容器12の下部は下層階の構造部材11に固着された1
枚のガセットプレート21に対接させて水平方向の結合
部材22により固定され、内板14の上部は上層階の構
造部材13に固着された1枚のガセットプレート20に
対接させて水平方向の結合部材22により固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘性を利用して地
震等の振動を減衰させる制震装置に関し、特に壁面に取
り付けできる制震壁、その取付方法および制震壁を用い
る制震構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の制震壁1は、図10に示されるよ
うに下層階の梁等の構造部材2に取り付けられた外容器
3と、外容器3内に間隔を有して非接触状態に位置し上
層階の梁等の構造部材4に取り付けられた内板5と、外
容器3内に収納された粘性体6とから構成されている。
そして、地震等により上下の構造部材4、2間に振動に
よる相対変位が生ずると粘性体6内を内板5が移動し、
このときの粘性抵抗により振動が減衰されて制震するも
のである。
【0003】この種の制震壁1においては、内板5はそ
の上部に固着されたフランジプレート5aが上部の構造
部材4にねじ止めされ、外容器3も同様にその下部に固
着されたフランジプレート3aが下部の構造部材2にね
じ止めされている。そして、フランジプレートを固定す
る取付ボルトは、図10には概略示されているが実際に
は複数列に多数本が配列されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した制震壁1にお
いては、上下の両フランジプレート3a、5aがねじ止
めにより固定され、取付ボルトには引っ張り荷重とせん
断荷重がかかるため、取付ボルトの本数が多数本必要と
なり、必然的にフランジプレート3a、5aが大きくな
るという問題がある。また、フランジプレート3a、5
aを上下の梁等の構造部材2、4に多数本の取付ボルト
により固定するため、取付が煩雑となり、手間を要する
とともに、ボルト孔の断面欠損が大きくなるという問題
がある。
【0005】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、取付ボルトの本数を大幅に減らすこ
とができ、制震壁の構造物への取付が容易に行え、取付
ボルトの設計が容易となり、断面欠損が少なく構造部材
の強度を増すことができる制震壁、制震壁の取付方法お
よび制震壁を用いる制震構造物を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る制震壁は、下層階の構造部材に固定さ
れ上方に開口し粘性流体が注入される外容器と、上層階
の構造部材より垂下して固定され外容器内に間隔を有し
て位置する内板とを備え、外容器の下部は下層階の構造
部材に固着された1枚のガセットプレートに対接させて
水平方向の結合部材により固定され、内板の上部は上層
階の構造部材に固着された1枚のガセットプレートに対
接させて水平方向の結合部材により固定されることを特
徴とする。
【0007】本発明に係る制震壁の取付方法は、下層階
の構造部材に固定され上方に開口し粘性流体が注入され
る外容器と、上層階の構造部材より垂下して固定され外
容器内に間隔を有して位置する内板とを備える制震壁の
外容器と内板とを連結し、上層階の構造部材に固着され
た1枚のガセットプレートに内板の上部を対接させて水
平方向の結合部材により固定して制震壁を吊り上げ、制
震壁を降下させながら下層階の構造部材に固着された1
枚のガセットプレートに外容器の下部を対接させ、水平
方向の結合部材により外容器の下部を下層階の構造部材
に固定することを特徴とする。
【0008】本発明に係る制震壁を用いる制震構造物
は、上方に開口し粘性流体が注入される外容器と、外容
器内に間隔を有して位置する内板とを備える制震壁の上
部を、上層階の構造部材に固着された1枚のガセットプ
レートに対接させて水平方向の結合部材により固定し、
制震壁の下部を下層階の構造部材に固着された1枚のガ
セットプレートに対接させて水平方向の結合部材により
固定することを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る他の制震壁は、下層階
の構造部材に固定され上方に開口し粘性流体が注入され
る外容器と、上層階の構造部材より垂下して固定され外
容器内に間隔を有して位置する内板とを備え、外容器の
下部は下層階の構造部材に溶接により固着され、内板の
上部は上層階の構造部材に固着された1枚のガセットプ
レートに対接させて水平方向の結合部材により固定され
ることを特徴とする。
【0010】本発明に係る他の制震壁の取付方法は、下
層階の構造部材に固定され上方に開口し粘性流体が注入
される外容器と、上層階の構造部材より垂下して固定さ
れ外容器内に間隔を有して位置する内板とを備える制震
壁の外容器と内板とを連結し、上層階の構造部材に固着
された1枚のガセットプレートに内板の上部を対接させ
て水平方向の結合部材により仮止めして制震壁を吊り上
げ、外容器の下部に仮止め部材を固定して制震壁を降下
させ、仮止め部材を下層階の構造部材に仮止めして1枚
のガセットプレートと内板の上部とを本止めし、仮止め
部材を外したあと、外容器の下部を下層階の構造部材に
溶接により固着することを特徴とする。
【0011】本発明に係る他の制震壁を用いる制震構造
物は、上方に開口し粘性流体が注入される外容器と、外
容器内に間隔を有して位置する内板とを備える制震壁の
上部を、上層階の構造部材に固着された1枚のガセット
プレートに対接させて水平方向の結合部材により固定
し、制震壁の下部を下層階の構造部材に溶接により固着
することを特徴とする。
【0012】本発明に係るさらに他の制震壁は、下層階
の構造部材に固定され上方に開口し粘性流体が注入され
る外容器と、上層階の構造部材より垂下して固定され外
容器内に間隔を有して位置する内板とを備え、外容器の
下部は下層階の構造部材に溶接により固着され、内板の
上部は上層階の構造部材に固着された2枚のガセットプ
レートに対接させて水平方向の結合部材により固定され
ることを特徴とする。
【0013】本発明に係るさらに他の制震壁の取付方法
は、下層階の構造部材に固定され上方に開口し粘性流体
が注入される外容器と、上層階の構造部材より垂下して
固定され外容器内に間隔を有して位置する内板とを備え
る制震壁の外容器と内板とを連結し、上層階の構造部材
に固着された2枚のガセットプレートに内板の上部を対
接させて水平方向の結合部材により固定して制震壁を吊
り上げ、外容器の下部に仮止め部材を固定して制震壁を
降下させ、仮止め部材を下層階の構造部材に仮止めして
2枚のガセットプレートと内板の上部とを本止めし、仮
止め部材を外したあと、外容器の下部を下層階の構造部
材に溶接により固着することを特徴とする。
【0014】本発明に係るさらに他の制震壁を用いる制
震構造物は、上方に開口し粘性流体が注入される外容器
と、外容器内に間隔を有して位置する内板とを備える制
震壁の上部を、上層階の構造部材に固着された2枚のガ
セットプレートに対接させて水平方向の結合部材により
固定し、制震壁の下部を下層階の構造部材に溶接により
固着することを特徴とする。
【0015】前記のように構成された、制震壁、制震壁
の取付方法および制震壁を用いる制震構造物によれば、
制震壁を少ない本数の水平方向の結合部材により取り付
けることができるので、取付が極めて容易となる。ま
た、構造部材に取付ボルトの孔が不要となり、断面欠損
がなくなるため、構造部材の強度を増すことができる。
さらに、ガセットプレートは上下の構造部材にそれぞれ
1枚づつ固着するので施工が容易となる。
【0016】制震壁の上部は上層階の構造部材に固着さ
れた1枚のガセットプレートに水平方向の結合部材で固
定され、制震壁の下部は下層階の構造部材に溶接により
固着されるので、取付ボルトの本数をさらに減らすこと
ができ、構成を簡単にでき、取付は容易にしかも確実に
行える。ガセットプレートを2枚の構成とすることによ
り、制震壁の取付は安定する。
【0017】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。図1は本発明に係る制震壁の一実施形態の
一部破断正面図、図2(a)は図1のA−A線拡大断面
図、図2(b)は図1のB−B線拡大断面図である。図
1〜2において、制震壁10は下層階の構造部材11に
固定され上方が開口する外容器12と、上層階の構造部
材13より垂下して固定され外容器12内に間隔を有し
て非接触状態に位置する内板14と、外容器12に注入
される粘性流体15とを備える。外容器12は金属板材
を溶接等により接合した上方が開口する容器であり、下
端部には下フランジプレート16が溶接等により固着さ
れている。外容器12内には、粘性流体15として例え
ばポリイソブチレン等の高粘度の流体が注入されてい
る。内板14は金属板材等より構成され上端には上フラ
ンジプレート17が溶接等により固着されている。上下
のフランジプレート16、17には水平方向に複数の結
合孔16a、17aが穿設されている。
【0018】内板14の両側部には受け部材14a、1
4aが突設されており、この受け部材には通孔が穿設さ
れている。また、外容器12にも同様に両側部に受け部
材12a、12aが突設されており、この受け部材にも
通孔が穿設されている。両受け部材を連結する仮止め板
18、18が仮止めボルト19により固定され、内板1
4と外容器12とは仮止めされて連結される。この仮止
め板18、18は制震壁10の取付が完了すると取り外
されるものである。
【0019】上層階の構造部材13には、1枚のガセッ
トプレート20が溶接等により鉛直方向に下方に向けて
固着され、下層階の梁等の構造部材11には、1枚のガ
セットプレート21が溶接等により鉛直方向に上方に向
けて固着されている。上方のガセットプレート20は、
上フランジプレート17が対接するものであり、下方の
ガセットプレート21は、下フランジプレート16が対
接するものである。上方のガセットプレート20には、
上方のフランジプレート17に穿設された結合孔17a
に対応して、水平方向に取付孔が穿設されており、下方
のガセットプレート21には、下方のフランジプレート
16に穿設された結合孔16aに対応して、水平方向に
取付孔が穿設されている。
【0020】そして、この取付孔、結合孔16a、17
aを水平方向の結合部材である取付ボルト22が貫通
し、ガセットプレート20とフランジプレート17とを
固定するとともにガセットプレート21とフランジプレ
ート17とを固定している。取付ボルト22は図示のよ
うに中心部の本数が少なく、両側部の本数が多く設けら
れており、地震時における振動の抑制を行うときの応力
の分布に対応している。制震壁10は前記したような構
成であり、柱、梁等の構造部材で構成される建築構造物
に設置され、この建築構造物を制震構造物30(図3参
照)とするものである。
【0021】本実施形態の制震壁10は前記構成であ
り、以下にその取付方法について図3〜4を参照して説
明する。図3は本発明に係る制震壁の取付方法を示す動
作説明図、図4(a)は上層階の構造部材への制震壁の
取付動作説明図、(b)は下層階の構造部材への制震壁
の取付動作説明図である。前記したように制震壁10
は、上方に開口する外容器12と、外容器12内に間隔
を有して非接触状態に位置する内板14と、外容器12
に注入される粘性流体15とを備えるものである。制震
壁10を取り付けるとき、まず、外容器12と内板14
とを、その両側の受け部材12a、14aを仮止め板1
8、18と仮止めボルト19により固定することにより
仮止めにより両者を連結する。
【0022】そして、図4(a)に示されるように、上
層階の構造部材13に固着された上方のガセットプレー
ト20に内板14の上端部の上フランジプレート17を
対接させ、水平方向の結合部材である取付ボルト22に
より固定する。このあと、図3に示されるように、柱、
梁等により構成される建築構造物等の制震構造物30の
所定の位置に制震壁10を取り付けるべく、制震壁10
および構造部材13をワイヤ40により吊り上げる。な
お、下層階の構造部材11には、下方のガセットプレー
ト21がすでに固着されている。
【0023】制震壁10および構造部材13を徐々に降
下させ、図4(b)に示されるように、下層階の構造部
材11に固着された下方のガセットプレート21に外容
器12の下端部の下フランジプレート16の一部を対接
させ、構造部材13を梁材の突出部31、31にガセッ
トプレート(図示せず)により固定する。そして、仮止
め板18、18と仮止めボルト19とを取り外すと、外
容器12はその重力と粘性抵抗により徐々に降下して所
定時間(数時間)経過後に下フランジプレート16の結
合孔16aとガセットプレート21の取付孔とが一致す
る。このときに取付ボルト22を挿入して下層階の構造
部材11に外容器12の下端部の下フランジプレート1
6を固定し、制震壁10の取付が完了する。
【0024】構造部材11と下方のガセットプレート2
1とは溶接等により固着され、構造部材13と上方のガ
セットプレート20とは同様に溶接等により固着されて
おり、上下のガセットプレートに制震壁10の上下端部
を対接させ、水平方向に取付ボルト22を挿入して制震
壁10を固定できるので、制震壁10の取付は容易に行
える。
【0025】また、取付ボルト22には引っ張り方向の
荷重が作用することがなく、せん断方向の荷重のみが作
用するため、取付ボルトの設計は容易に行え、取付ボル
トの本数を大幅に減少させることができ、ボルト締めの
行程も大幅に削減できる。従来のように引っ張り方向と
せん断方向の荷重が作用する場合と比べ、略同一条件の
場合、取付ボルトの本数は50〜60パーセント減とす
ることができる。さらに、上下の構造部材11、13に
は取付ボルトの孔が不要となるので、構造部材である梁
等に断面欠損を生じさせないため強度が低下することが
ない。
【0026】本発明に係る制震構造物30は、前記した
ように上方に開口する外容器12と、外容器12内に間
隔を有して非接触状態に位置する内板14と、外容器1
2に注入される粘性流体15とを備える制震壁10の上
端部を、上層階の構造部材13に固着されたガセットプ
レート20に対接させて水平方向の結合部材22により
固定し、制震壁10の下端部を下層階の構造部材11に
固着されたガセットプレート21に対接させて水平方向
の結合部材22により固定することにより構成され、制
震壁10の取付が容易に行え、構造部材11、13の強
度を低下させず、頑強な制震構造物30を達成すること
ができる。
【0027】本発明に係る制震壁の他の実施形態につい
て図5を参照して説明する。図5はその一部を省略した
断面図である。制震壁10Aは基本的には前記した実施
形態と同等の構成であり、下層階の構造部材11に固定
され上方が開口する2つの収容室12A、12Aを有す
る外容器12と、上層階の構造部材13より垂下して固
定され外容器12の2つの収容室12A、12A内に非
接触状態に間隔を空けて位置する2枚の内板14A、1
4Aと、外容器12の2つの収容室12A、12Aに注
入される粘性流体15、15とを備える。
【0028】外容器12の下端部には下フランジプレー
ト16が溶接等により固着されており、下方のガセット
プレート21に対接させて水平方向の取付ボルト22に
より固定されている。内板14A、14Aの上端部には
上フランジプレート17が溶接等により固着されてお
り、上方のガセットプレート20に対接させて水平方向
の取付ボルト22により固定されている。
【0029】図5の実施形態の場合も、前記した実施形
態と同様に外容器12と内板14A、14Aとを仮止め
し、上層階の構造部材13に固着されたガセットプレー
ト20に制震壁10Aのフランジプレート17を取付ボ
ルト22により固定し、ワイヤにより吊り上げて下層階
の構造部材11に固着されたガセットプレート21にフ
ランジプレート16を対接させて取付ボルト22により
固定する。この実施形態では、内板が2枚となり粘性抵
抗力が大きくなるため、取付ボルト22の本数は前記し
た実施形態と比べて多数本が必要となる。
【0030】図5の実施形態においても、前記した取付
方法により制震壁10Aを建築構造物に取り付けて制震
構造物とすることができ、同様の効果を奏するものであ
るが、この実施形態においては、さらに、2つの収容室
12A、12Aを有する外容器12と、外容器12の2
つの収容室内に間隔を有して非接触状態に位置する2枚
の内板14A、14Aと、外容器12の2つの収容室に
注入される粘性流体15、15から構成されているた
め、地震等の振動に対する減衰性能を高めることができ
るという効果を奏する。また、粘性抵抗力が大きくな
り、減衰性能が向上しても取付ボルトにはせん断荷重し
か作用しないので、ボルトの設計は容易に行えるという
効果がある。
【0031】本発明のさらに他の実施の形態を図6〜8
を参照して説明する。図6はさらに他の実施形態の一部
破断正面図、図7(a)は図6のC−C線拡大断面図、
図7(b)は図6のD−D線拡大断面図、図8は取付方
法を示す動作説明図である。この実施形態の制震壁10
Bは、前記した図1の実施形態の制震壁10と上部の構
造は実質的に同等であるので、同じ参照符号を付して詳
細な説明を省略する。制震壁10Bは、外容器12の下
部がフランジプレート26により構成されており、この
フランジプレート26には通孔26aが穿設されてい
る。また、下層階の構造部材11には、上面に通孔11
aが穿設されている。そして、制震壁10Bの下端部は
溶接により下層階の構造部材11に固着されている。
【0032】図8を参照して、制震壁10Bの取付方法
について説明する。なお、制震壁10Bの上部の取付方
法は、前記した実施形態と実質的に同じなので説明を省
略し、下部の取付方法を中心に説明する。制震壁10B
の外容器12と内板14とを仮止めして連結し、上層階
の構造部材13に固着されたガセットプレート20に内
板14の上端部のフランジプレート17を対接させて水
平方向の結合部材である取付ボルト22により仮止めす
る。
【0033】図8(a)に示されるように、外容器12
の下端のフランジプレート26に仮止め部材であるアン
グル27、27を通孔26aに仮止めボルト28を貫通
させて固定して制震壁10Bを吊り上げる。このあと、
制震壁10Bを降下させ、図8(b)に示されるよう
に、アングル27、27を下層階の構造部材11の通孔
11aに仮止めボルト29を貫通させて仮止めし、この
仮止め状態において、ガセットプレート20とフランジ
プレート17とを取付ボルト22を増締めすることによ
り本止めする。そして、図8(c)に示されるように、
アングル27、27を外して外容器12の下端のフラン
ジプレート26と下層階の構造部材11とを矢印x部分
を溶接することにより固着する。
【0034】このように、制震壁10Bの下部を仮止め
した状態で上部を本止めするため、上部の本止めが容易
に確実に行え、また、制震壁10Bの上部を本止めした
状態で下部を溶接するため、下部の溶接も容易にしかも
確実に行うことができる。この実施形態では、下部が溶
接により固着されるため、構成が簡単になるという効果
を有する。
【0035】本発明の第4の実施の形態を図9を参照し
て説明する。図9(a)はその実施形態の上部の要部断
面図、図9(b)はその下部の要部断面図である。制震
壁10Cは前記した実施形態と略同様な構成であり、実
質的に同等な構成要件には同一の参照符号を付して、詳
細な説明は省略する。制震壁10Cは下層階の構造部材
11に固定され上方に開口し粘性流体15が注入される
外容器12と、上層階の構造部材13より垂下して固定
され外容器12内に間隔を有して非接触状態に位置する
内板14とを備えている。外容器12の下部はフランジ
プレート26が溶接により固着されており、このフラン
ジプレート26には通孔26aが穿設されている。
【0036】上層階の梁等の構造部材13には、2枚の
ガセットプレート20A、20Aが溶接等により鉛直方
向に下方に向けて固着され、その間に制震壁10Cの内
板14の上端に固着されたフランジプレート17が、水
平方向の結合部材である取付ボルト22により固定され
ている。下層階の梁等の構造部材11には、制震壁10
Cの下端部のフランジプレート26が溶接により固着さ
れている。下層階の構造部材11には、上面に通孔11
aが穿設されている。この実施形態の制震壁10Cの取
付は、前記した図6〜8の実施形態と上部のガセットプ
レートが1枚か2枚であるかの点で異なるだけであるの
で、詳細な説明を省略する。ガセットプレートが2枚の
場合は1枚の場合と比し、フランジプレートの構造部材
への取付がより安定する。
【0037】なお、内板として1枚の実施形態と、2枚
の実施形態を示したが、本発明はこれに限らず3枚以上
でも可能であり、内板の枚数に必要な収容室を設ければ
よいことは勿論である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
制震壁は水平方向の結合部材により固定できるので、取
付ボルトの本数を大幅に減らすことができるとともに構
成を簡単にでき、制震壁の構造物への取付が容易とな
る。構造部材への取付ボルトの孔が不要となるので、断
面欠損が生じなくなり、構造部材の強度を増すことがで
きる。取付ボルトはせん断荷重のみが作用するので設計
が容易となる。また、構造部材に固着する上下のフラン
ジプレートはそれぞれ1枚ですむので、溶接等の施工が
容易となるという効果を奏する。
【0039】制震壁の上部は水平方向の結合部材により
固定し、下部は溶接により固着するようにしたので、取
付ボルトの本数をさらに減らすことができ、構成が簡単
となり、取付がさらに容易となり確実となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制震壁の一実施形態の一部破断正
面図である。
【図2】(a)は図1のA−A線拡大断面図、(b)は
図1のB−B線拡大断面図である。
【図3】本発明に係る制震壁の取付方法を示す動作説明
図である。
【図4】(a)は上層階の構造部材への制震壁の取付動
作説明図、(b)は下層階の構造部材への制震壁の取付
動作説明図である。
【図5】本発明に係る制震壁の他の実施形態の断面図で
ある。
【図6】本発明に係る制震壁のさらに他の実施形態の一
部破断正面図である。
【図7】(a)は図6のC−C線拡大断面図、(b)は
図6のD−D線拡大断面図である。
【図8】本発明に係る制震壁のさらに他の実施形態の取
付方法を示す動作説明図である。
【図9】本発明の第4の実施形態を示し、(a)は上部
の要部拡大断面図、(b)は下部の要部拡大断面図であ
る。
【図10】従来技術を示し、(a)は一部を破断した状
態の概略正面図、(b)は(a)の中央縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10、10A、10B 制震壁 11、13 構造部材 12 外容器 12A、12A 収容室 14、14A 内板 15 粘性流体 16、17、26 フランジプレート 16a、17a 結合孔 18 仮止め板 19、28、29 仮止めボルト 20、20A、21 ガセットプレート 22 取付ボルト 27 アングル 30 制震構造物 31 梁材の突出部 40 ワイヤ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層階の構造部材に固定され上方に開口
    し粘性流体が注入される外容器と、上層階の構造部材よ
    り垂下して固定され前記外容器内に間隔を有して位置す
    る内板とを備え、 前記外容器の下部は下層階の構造部材に固着された1枚
    のガセットプレートに対接させて水平方向の結合部材に
    より固定され、前記内板の上部は上層階の構造部材に固
    着された1枚のガセットプレートに対接させて水平方向
    の結合部材により固定されることを特徴とする制震壁。
  2. 【請求項2】 下層階の構造部材に固定され上方に開口
    し粘性流体が注入される外容器と、上層階の構造部材よ
    り垂下して固定され前記外容器内に間隔を有して位置す
    る内板とを備える制震壁の前記外容器と内板とを連結
    し、 上層階の構造部材に固着された1枚のガセットプレート
    に前記内板の上部を対接させて水平方向の結合部材によ
    り固定して制震壁を吊り上げ、 制震壁を降下させながら下層階の構造部材に固着された
    1枚のガセットプレートに前記外容器の下部を対接さ
    せ、 水平方向の結合部材により前記外容器の下部を下層階の
    構造部材に固定することを特徴とする制震壁の取付方
    法。
  3. 【請求項3】 上方に開口し粘性流体が注入される外容
    器と、前記外容器内に間隔を有して位置する内板とを備
    える制震壁の上部を、上層階の構造部材に固着された1
    枚のガセットプレートに対接させて水平方向の結合部材
    により固定し、前記制震壁の下部を下層階の構造部材に
    固着された1枚のガセットプレートに対接させて水平方
    向の結合部材により固定することを特徴とする制震壁を
    用いる制震構造物。
  4. 【請求項4】 下層階の構造部材に固定され上方に開口
    し粘性流体が注入される外容器と、上層階の構造部材よ
    り垂下して固定され前記外容器内に間隔を有して位置す
    る内板とを備え、 前記外容器の下部は下層階の構造部材に溶接により固着
    され、前記内板の上部は上層階の構造部材に固着された
    1枚のガセットプレートに対接させて水平方向の結合部
    材により固定されることを特徴とする制震壁。
  5. 【請求項5】 下層階の構造部材に固定され上方に開口
    し粘性流体が注入される外容器と、上層階の構造部材よ
    り垂下して固定され前記外容器内に間隔を有して位置す
    る内板とを備える制震壁の前記外容器と内板とを連結
    し、 上層階の構造部材に固着された1枚のガセットプレート
    に前記内板の上部を対接させて水平方向の結合部材によ
    り仮止めして制震壁を吊り上げ、 前記外容器の下部に仮止め部材を固定して制震壁を降下
    させ、前記仮止め部材を下層階の構造部材に仮止めして
    前記1枚のガセットプレートと内板の上部とを本止め
    し、 前記仮止め部材を外したあと、前記外容器の下部を下層
    階の構造部材に溶接により固着することを特徴とする制
    震壁の取付方法。
  6. 【請求項6】 上方に開口し粘性流体が注入される外容
    器と、前記外容器内に間隔を有して位置する内板とを備
    える制震壁の上部を、上層階の構造部材に固着された1
    枚のガセットプレートに対接させて水平方向の結合部材
    により固定し、前記制震壁の下部を下層階の構造部材に
    溶接により固着することを特徴とする制震壁を用いる制
    震構造物。
  7. 【請求項7】 下層階の構造部材に固定され上方に開口
    し粘性流体が注入される外容器と、上層階の構造部材よ
    り垂下して固定され前記外容器内に間隔を有して位置す
    る内板とを備え、 前記外容器の下部は下層階の構造部材に溶接により固着
    され、前記内板の上部は上層階の構造部材に固着された
    2枚のガセットプレートに対接させて水平方向の結合部
    材により固定されることを特徴とする制震壁。
  8. 【請求項8】 下層階の構造部材に固定され上方に開口
    し粘性流体が注入される外容器と、上層階の構造部材よ
    り垂下して固定され前記外容器内に間隔を有して位置す
    る内板とを備える制震壁の前記外容器と内板とを連結
    し、 上層階の構造部材に固着された2枚のガセットプレート
    に前記内板の上部を対接させて水平方向の結合部材によ
    り固定して制震壁を吊り上げ、 前記外容器の下部に仮止め部材を固定して制震壁を降下
    させ、前記仮止め部材を下層階の構造部材に仮止めして
    前記2枚のガセットプレートと内板の上部とを本止め
    し、 前記仮止め部材を外したあと、前記外容器の下部を下層
    階の構造部材に溶接により固着することを特徴とする制
    震壁の取付方法。
  9. 【請求項9】 上方に開口し粘性流体が注入される外容
    器と、前記外容器内に間隔を有して位置する内板とを備
    える制震壁の上部を、上層階の構造部材に固着された2
    枚のガセットプレートに対接させて水平方向の結合部材
    により固定し、前記制震壁の下部を下層階の構造部材に
    溶接により固着することを特徴とする制震壁を用いる制
    震構造物。
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