JP2002021369A - 制震壁 - Google Patents

制震壁

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JP2002021369A JP2000208847A JP2000208847A JP2002021369A JP 2002021369 A JP2002021369 A JP 2002021369A JP 2000208847 A JP2000208847 A JP 2000208847A JP 2000208847 A JP2000208847 A JP 2000208847A JP 2002021369 A JP2002021369 A JP 2002021369A
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和彦 磯田
Masahiro Nagata
匡宏 永田
Akio Suzuki
明雄 鈴木
Takayuki Miyaji
隆之 宮治
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Shimizu Construction Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 箱体下部の密閉を確実に強固に得ることがで
き、面外方向の繰り返し応力によっても箱体下部の密閉
状態を維持できて、而して、粘性体の漏出の虞をなくし
得、しかも、十分な耐力をもって下梁等の下支持手段に
強固に固定でき、加えて、面外方向幅(厚み)を小さく
できて壁厚を狭くできる結果、広い部屋を提供できる制
震壁を提供すること。 【解決手段】 制震壁1は、建物の一対の柱間に形成さ
れており、建物壁における下支持手段4及び上支持手段
5と、上部に開口6を有すると共に下部に底壁板21を
有していると共に、底壁板21で下支持手段4に下部固
定手段7を介して固定された箱体8と、箱体8に対して
隙間9をもって箱体8内に配されていると共に、上部で
上支持手段5に上部固定手段10を介して固定された抵
抗板11と、箱体8と箱体8内に配された抵抗板11と
の間の隙間9に充填された粘性体12とを具備してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事務所用のビル、
集合住宅、戸建住宅の建物の壁、特にこれらの建物に加
わる地震や風、交通振動等の振動を減衰させる制震壁に
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】制震壁として、下梁及
び上梁と、上部に開口を有して、下部で下梁に固定され
た箱体と、この箱体に対して隙間をもって当該箱体内に
配されており、上部で上梁に固定された抵抗板と、箱体
と当該箱体内に配された抵抗板との間の隙間に充填され
た粘性体とを具備し、地震や風、交通振動等の振動に際
して、下梁に対する上梁の相対的水平変位に基づく箱体
と抵抗板との間の同じく相対的水平変位において箱体内
に収容された粘性体に粘性剪断変形を生じさせて、この
粘性剪断変形による減衰力により地震や風、交通振動等
の振動を減衰させるものが提案されている。
【0003】斯かる制震壁においては、箱体及び抵抗板
を夫々下梁及び上梁の夫々に固定しているが、地震等に
起因する下梁及び上梁を介する箱体と抵抗板との間の相
対的水平変位に際しては、箱体及び抵抗板には大きな水
平力と曲げモーメントとが加わり、この水平力と曲げモ
ーメントとに基づく剪断力と引っ張り、圧縮力とに耐え
得るために、通常、多数のボルトと相当の厚みの固定用
の鋼板とを用いて下梁及び上梁の夫々に箱体及び抵抗板
の夫々を固定するようになっており、この固定構造によ
り大きなスペースが占有されることになり、箱体及び抵
抗板の設置空間が多分に制限される上に、制震壁で囲ま
れる部屋の大きさが限定されることになる。特に、箱体
及び抵抗板の横方向の端部には、曲げモーメントに基づ
く引っ張り、圧縮力が特に集中して生じるために、その
強度が十分でないとここで局部座屈が生じる虞があり、
この局部座屈を防止する点からも固定構造が大きくな
り、減衰機能を発揮する箱体及び抵抗板の設置空間が制
限される一方、抵抗板の面積が小さくなることから制振
壁の能力が低下し、また、大きな固定構造の面外方向の
張り出しで、制震壁で囲まれる部屋が小さくなる虞があ
る。
【0004】箱体及び抵抗板を夫々下梁及び上梁の夫々
に固定する固定構造としては、特開平10−46865
号公報に記載されているようなものが提案されている
が、この提案の固定構造によれば、箱体下部を密閉する
鋼板を強固に溶接固定することが困難であって、特に面
外方向の繰り返し応力により箱体下部から粘性体が漏出
する虞を有し、しかも、箱体自体又は箱体及び抵抗板か
らなる組み合わせ体自体、更にはこれらと固定手段との
組み合わせ体自体を自立構造とすることが困難であり、
これらの運搬、保管、設置作業における取り扱いが面倒
となる上に、安全性に特別の配慮が必要となる虞があ
る。
【0005】本発明は、前記諸点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、箱体下部の密閉を
確実に強固に得ることができ、面外方向の繰り返し応力
によっても箱体下部の密閉状態を維持できて、而して、
粘性体の漏出の虞をなくし得、しかも、十分な耐力をも
って下梁等の下支持手段に強固に固定でき、加えて、面
外方向幅(厚み)を小さくできて壁厚を狭くできる結
果、広い部屋を提供できる上に、箱体自体、箱体及び抵
抗板からなる組み合わせ体自体、これらと固定手段との
組み合わせ体自体を自立構造とすることができる制震壁
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様の制
震壁は、建物壁における下支持手段及び上支持手段と、
上部に開口を有すると共に下部に底壁板を有し、当該底
壁板で下支持手段に下部固定手段を介して固定された少
なくとも一つの箱体と、この箱体に対して隙間をもって
当該箱体内に配されており、上部で上支持手段に上部固
定手段を介して固定された抵抗板と、箱体と当該箱体内
に配された抵抗板との間の隙間に充填された粘性体とを
具備しており、ここで、下部固定手段は、箱体の底壁板
に固着された第一のガセットプレートと、この第一のガ
セットプレートに対して略同一鉛直面内に配されると共
に、下支持手段に固着された第二のガセットプレート
と、第一及び第二のガセットプレートの夫々に対面して
配された下部スプライスプレート手段と、下部スプライ
スプレート手段を第一及び第二のガセットプレートの夫
々に共締めする高力ボルトとを具備している。
【0007】第一の態様の制震壁によれば、箱体が底壁
板を有し、この底壁板に第一のガセットプレートが固着
されているために、底壁板により箱体下部の密閉を確実
に強固に得ることができ、面外方向の繰り返し応力によ
っても箱体下部の密閉状態を確実に維持できて、而し
て、粘性体の漏出の虞をなくし得、しかも、箱体自体又
は箱体及び抵抗板からなる組み合わせ体自体を自立構造
とすることができ、加えて、底壁板に固着された第一の
ガセットプレートと下支持手段に固着された第二のガセ
ットプレートとが下部スプライスプレート手段と共に高
力ボルトにより共締めされるために、底壁板を介して箱
体を十分な耐力をもって下支持手段に強固に固定でき、
加えて、面外方向幅(厚み)を小さくできて壁厚を狭く
できる結果、広い部屋を提供できる。
【0008】本発明の第二の態様の制震壁は、第一の態
様の制震壁において、下部スプライスプレート手段は、
高力ボルトにより第一及び第二のガセットプレートの夫
々に少なくとも一面摩擦接合されて共締めされている。
【0009】第二の態様の制震壁によれば、高力ボルト
と少なくとも一面摩擦接合とにより、箱体を下支持手段
に極めて強固に固定でき、地震等に際する箱体と抵抗板
との間の相対的水平変位において、箱体及び抵抗板に大
きな水平力と曲げモーメントとが加わっても、それに基
づく剪断力と引っ張り力とに十分な耐力を確保できる。
【0010】本発明の第三の態様の制震壁では、第一又
は第二の態様の制震壁において、下部スプライスプレー
ト手段は、高力ボルトにより第一及び第二のガセットプ
レートの夫々に二面摩擦接合されて共締めされている。
【0011】本発明の制震壁では、下部スプライスプレ
ート手段は、第一及び第二のガセットプレートの夫々に
対して一面摩擦接合されていてもよいのであるが、本発
明の第三の態様のように、二面摩擦接合されて共締めさ
れていると、箱体を下支持手段に極めて強固に固定で
き、地震等に際する箱体と抵抗板との間の相対的水平変
位において、箱体及び抵抗板に大きな水平力と曲げモー
メントとが加わっても、それに基づく剪断力と引っ張り
力とに十分耐えることができ、しかも、高力ボルトの本
数を半減しても一面摩擦接合と同等若しくはそれ以上の
強固な固定を実現でき、而して、大幅な作業工数の低減
及びコストダウンを図ることができる上に、コンパクト
な固定構造にできる結果、与えられた階高の中で、箱体
及び抵抗板の夫々のための設置空間を大きくできて、大
きな箱体及び抵抗板を用いることができ、而して制震性
能をより高めることができる。
【0012】本発明における下部スプライスプレート手
段は、第一及び第二のガセットプレートの夫々に対して
一面摩擦接合を行う場合には、第一及び第二のガセット
プレートの夫々の一方の面に配されたスプライスプレー
トを具備していればよいのであるが、本発明の第四の態
様のように、第一及び第二のガセットプレートの夫々を
間にして挟持する少なくとも一対のスプライスプレート
を具備し、斯かる一対のスプライスプレートを、高力ボ
ルトにより第一及び第二のガセットプレートの夫々に挟
圧させると、二面摩擦接合を得ることができ、而して、
二面摩擦接合により上記の効果を好ましく得ることがで
きる。
【0013】また本発明における下部スプライスプレー
ト手段が、その第五の態様のように、第一及び第二のガ
セットプレートの夫々に対面する面に高摩擦面を有した
高摩擦鋼板からなるスプライスプレートを具備して構成
されていると、高摩擦面の作用により箱体をより極めて
強固に下支持手段に固定できる。
【0014】更に本発明における下部スプライスプレー
ト手段が、その第六の態様のように、互いに離間して横
方向に配列された複数枚のスプライスプレートを具備し
て構成され、斯かる複数枚のスプライスプレートにおい
て、水平方向両端のスプライスプレートが、主として箱
体の鉛直面内の曲げモーメントに抗し、水平方向両端の
スプライスプレートの間に配されたスプライスプレート
が、主として箱体の水平方向力に抗するように、夫々構
成されると、地震等に際する箱体と抵抗板との間の相対
的水平変位において、箱体及び抵抗板に加わる大きな水
平力と曲げモーメントとに基づく剪断力と引っ張り力と
に対する耐力を分担して確保でき、而して、箱体を下支
持手段によりより強固に固定できる。
【0015】高摩擦鋼板としては、種々のものを用いる
ことができ、例えば、特開昭51−52628号公報、
特開平11−147153号公報、特開平11−151
543号公報、特開平11−151544号公報、特開
平11−247831号公報等に記載されているような
表面、特に接合面に凹凸を形成した鋼板を好ましい例と
して挙げることができるが、本発明の第七の態様のよう
に、主として鉛直方向力に対して高摩擦抵抗を発現する
高摩擦面を有した高摩擦鋼板から水平方向両端のスプラ
イスプレートを構成し、主として水平方向力に対して高
摩擦抵抗を発現する高摩擦面を有した高摩擦鋼板から水
平方向両端のスプライスプレートの間に配されたスプラ
イスプレートを構成すると、箱体及び抵抗板に加わる大
きな水平力と曲げモーメントとに対する耐力を分担して
効率よく確保でき、斯かる水平方向両端のスプライスプ
レートとしては、本発明の第八の態様のように、鉛直方
向に配列されていると共に、各々が水平方向に伸びた複
数の凹凸からなる高摩擦面を有した高摩擦鋼板からなる
ものを、水平方向両端のスプライスプレートの間に配さ
れたスプライスプレートとしては、同じく本発明の第八
の態様のように、水平方向に配列されていると共に、各
々が鉛直方向に伸びた複数の凹凸からなる高摩擦面を有
した高摩擦鋼板からなるものを用いることにより、低コ
ストでもって水平力と曲げモーメントとに対する耐力を
効率よく好ましく確保できる。
【0016】本発明の第九の態様の制震壁では、上記の
いずれかの態様の制震壁において、下部固定手段は、箱
体の底壁板と第一のガセットプレートとの水平方向両端
に固着されていると共に、第一のガセットプレートの鉛
直方向長よりも長い鉛直方向長を有した一対の側端上フ
ランジプレートを具備している。
【0017】第九の態様の制震壁によれば、制震壁の組
み立て途中において、箱体と第一のガセットプレートと
一対の側端上フランジプレートとの組み合わせ体を、一
対の側端上フランジプレートを脚として一時的に垂直に
立てておくこと、すなわち自立させることができ、制震
壁の組み立てが極めて容易になる。
【0018】本発明の第十の態様の制震壁では、上記の
第九の態様の制震壁において、下部固定手段は、第二の
ガセットプレートの水平方向両端に固着されていると共
に、第二のガセットプレートの鉛直方向長よりも長い鉛
直方向長を有した一対の側端下フランジプレートを具備
しており、側端上フランジプレートの下端面は、対応の
側端下フランジプレートの上端面に当接している。
【0019】斯かる第十の態様の制震壁によれば、側端
上フランジプレートの下端面と対応の側端下フランジプ
レートの上端面とを互いに当接させているので、この当
接部位でも箱体及び抵抗板に加わる大きな曲げモーメン
トに対する耐力を得ることができ、しかも、第一のガセ
ットプレートの下端面と第二のガセットプレートの上端
面との当接を回避でき、スプライスプレートを介する第
一及び第二のガセットプレートの相互の支持を安定して
得ることができる。
【0020】なお、側端上フランジプレートと側端下フ
ランジプレートとに代えて又はこれらと共に、箱体の底
壁板の水平方向両端間において、箱体の底壁板と第一の
ガセットプレートとに固着させて少なくとも一個の上補
強リブプレートを配する一方、第二のガセットプレート
の水平方向両端間において、上フランジプレートに対応
させて且つ第二のガセットプレート及び下支持手段の上
端フランジプレートに固着させて少なくとも一個の下補
強リブプレートを配し、これら上下補強リブプレート
を、第九及び第十一の態様のように側端上フランジプレ
ート及び側端下フランジプレートと同様に構成してもよ
い。
【0021】本発明の第十の態様の制震壁における下部
固定手段は、その第十一の態様のように、側端上フラン
ジプレートから側端下フランジプレートまで延在する側
端スプライスプレート手段と、側端スプライスプレート
手段を側端上フランジプレート及び側端下フランジプレ
ートの夫々に共締めする高力ボルトとを具備していても
よく、ここで、側端スプライスプレート手段は、その第
十二の態様のように、側端上フランジプレート及び側端
下フランジプレートの夫々に対面する面に高摩擦面を有
した高摩擦鋼板からなる側端スプライスプレートを具備
していてもよい。
【0022】第十一の態様の制震壁によれば、箱体の底
壁板の水平方向両端間においても、箱体及び抵抗板に加
わる大きな曲げモーメントに起因する引っ張り力に対し
て更に十分な耐力を確保でき、而して、箱体を下支持手
段により強固に固定でき、第十二の態様の制震壁によれ
ば、これら耐力確保を少ない高力ボルトで行うことがで
きる。
【0023】本発明の第十から第十二のいずれかの態様
の制震壁では、好ましくは、その第十三の態様のよう
に、下支持手段が、上端フランジプレートを有した下大
梁を具備し、側端下フランジプレートが上端フランジプ
レートに固着されている。
【0024】第十三の態様のように制震壁を構成するこ
とにより、側端下フランジプレートをより強固に下支持
手段に固定でき、曲げモーメントに対する耐力をより確
実に得ることができる。
【0025】なお、第十から第十二のいずれかの態様の
制震壁においても、側端スプライスプレート手段は、側
端上フランジプレート及び側端下フランジプレートに対
して一面摩擦接合、好ましくは、二面摩擦接合できるよ
うに、少なくとも一枚、好ましくは三枚又は四枚の側端
スプライスプレートを具備している。
【0026】本発明の第十四の態様の制震壁では、第一
から第十三のいずれかの態様の制震壁において、上支持
手段は下端フランジプレートを具備しており、抵抗板は
幅広の抵抗板本体を有しており、上部固定手段は、上支
持手段の下端フランジプレートに固着されていると共
に、抵抗板本体と略同一鉛直平面内に配された上梁側ガ
セットプレートと、抵抗板本体の上部からなる抵抗板側
ガセットプレートと、上梁側ガセットプレート及び抵抗
板側ガセットプレートの夫々に対面して配された上部ス
プライスプレート手段と、この上部スプライスプレート
手段を第一及び第二のガセットプレートの夫々に共締め
する上部固定用の高力ボルトとを具備している。
【0027】第十四の態様の制震壁によれば、上梁側ガ
セットプレートと抵抗板側ガセットプレートとを上部ス
プライスプレート手段と共に高力ボルトにより共締め
し、而して抵抗板本体の上部を上部支持手段に連結して
いるために、抵抗板を上部支持手段にしっかりと固定で
きる上に、抵抗板本体の上部を抵抗板側ガセットプレー
トとして用いるために、施工工数を削減でき、コストの
低減を図り得る。
【0028】本発明の第十五の制震壁では、第一から第
十三のいずれかの態様の制震壁において、上支持手段は
下端フランジプレートを具備しており、抵抗板は幅広の
抵抗板本体と、この抵抗板本体の上端に固着された抵抗
板フランジプレートとを具備しており、上部固定手段
は、上支持手段の下端フランジプレートに固着された上
梁側ガセットプレートと、この上梁側ガセットプレート
と略同一鉛直平面内に配されていると共に、抵抗板フラ
ンジプレートに固着された抵抗板側ガセットプレート
と、上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプレ
ートの夫々に対面して配された上部スプライスプレート
手段と、この上部スプライスプレート手段を第一及び第
二のガセットプレートの夫々に共締めする上部固定用の
高力ボルトとを具備している。
【0029】第十五の態様の制震壁によれば、上記の第
十四の態様の制震壁と同様に、上梁側ガセットプレート
と抵抗板側ガセットプレートとを上部スプライスプレー
ト手段と共に高力ボルトにより共締めし、而して抵抗板
本体の上部を上部支持手段に連結しているために、抵抗
板を上部支持手段にしっかりと固定できる。
【0030】本発明の第十六の態様の制震壁では、第十
四又は第十五の態様の制震壁において、上部スプライス
プレート手段は、高摩擦面が上梁側ガセットプレート及
び抵抗板側ガセットプレートの夫々に接触して配されて
いる高摩擦鋼板からなる少なくとも一対の上部スプライ
スプレートを具備しており、この一対の上部スプライス
プレートは、上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセ
ットプレートを間にして高力ボルトにより共締めされて
おり、その高摩擦面が上梁側ガセットプレート及び抵抗
板側ガセットプレートに接触して配されている。
【0031】第十六の態様の制震壁によれば、高摩擦鋼
板からなる少なくとも一対の上部スプライスプレートに
より抵抗板側ガセットプレートを二面摩擦接合をもって
上梁側ガセットプレートに連結できる結果、抵抗板を上
部支持手段によりしっかりと固定できる上に、耐力確保
を少ない高力ボルトで行うことができる。
【0032】本発明の第十七の態様の制震壁では、第十
四から第十六のいずれかの態様の制震壁において、上部
スプライスプレートは、水平方向に並置されていると共
に、夫々上梁側ガセットプレートと抵抗板側ガセットプ
レートとをその両側面から挟持した複数枚の上部スプラ
イスプレートを具備しており、上部スプライスプレート
は、上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプレ
ートに高力ボルトにより共締めされており、その高摩擦
面が上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプレ
ートに接触して配されている。
【0033】第十七の態様の制震壁によれば、水平方向
に並置された複数対の上部スプライスプレートにより抵
抗板側ガセットプレートを二面摩擦接合をもって上梁側
ガセットプレートに連結できる結果、抵抗板を上部支持
手段によりしっかりと固定できる上に、耐力確保を少な
い高力ボルトで行うことができる。
【0034】更に本発明の制震壁における上部固定手段
の上部スプライスプレート手段は、第二から第八の態様
の制震壁の下部スプライスプレート手段と同様に、その
第十八から第二十四の態様のように、高力ボルトにより
上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプレート
の夫々に少なくとも一面摩擦接合されて共締めされてい
ても、また、高力ボルトにより上梁側ガセットプレート
及び抵抗板側ガセットプレートの夫々に二面摩擦接合さ
れて共締めされていても、或いは上梁側ガセットプレー
ト及び抵抗板側ガセットプレートの夫々を間にして挟持
する少なくとも一対の上部スプライスプレートを具備し
て、この一対の上部スプライスプレートが、高力ボルト
により上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプ
レートの夫々を挟圧していても、更に上梁側ガセットプ
レート及び抵抗板側ガセットプレートの夫々に対面する
面に高摩擦面を有した高摩擦鋼板からなる上部スプライ
スプレートを具備していても、また、互いに離間して横
方向に配列された複数枚の上部スプライスプレートを具
備して、水平方向両端の上部スプライスプレートが、主
として抵抗板の鉛直面内の曲げモーメントに抗し、水平
方向両端の上部スプライスプレートの間に配された上部
スプライスプレートが、主として抵抗板の水平方向力に
抗するように、夫々構成されていても、ここで、水平方
向両端の上部スプライスプレートが主として鉛直方向力
に対して高摩擦抵抗を発現する高摩擦面を有した高摩擦
鋼板からなり、水平方向両端の上部スプライスプレート
の間に配された上部スプライスプレートが、主として水
平方向力に対して高摩擦抵抗を発現する高摩擦面を有し
た高摩擦鋼板からなっていてもよく、また、水平方向両
端の上部スプライスプレートが、鉛直方向に配列されて
いると共に、各々が水平方向に伸びた複数の凹凸からな
る高摩擦面を有した高摩擦鋼板からなり、水平方向両端
の上部スプライスプレートの間に配された上部スプライ
スプレートが、水平方向に配列されていると共に、各々
が鉛直方向に伸びた複数の凹凸からなる高摩擦面を有し
た高摩擦鋼板からなっていてもよく、斯かる構成により
第二から第八の態様の制震壁と同様の効果を抵抗板側に
対して奏し得る。
【0035】本発明においては、製作、施工誤差などを
吸収するために、ガセットプレート及びフランジプレー
トとスプライスプレートとの間に必要に応じてフィラー
プレートを介在させてもよく、この場合、フィラープレ
ートを、両面(接合面)が高摩擦面となっている高摩擦
鋼板から構成するのが好ましい。また、高力ボルトが挿
通されると共に当該高力ボルトにより共締めされる各プ
レートの貫通孔を、相手プレートとの位置決めを調節で
きるように、高力ボルトに対して若干クリアランスをも
った径を有して形成されるのが好ましい。
【0036】本発明の制震壁を適用し得る建物として、
事務所用のビル、集合住宅、戸建住宅を好ましい例とし
て挙げることができるが、特にこれに限定されない。
【0037】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、図に
示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、
本発明はこれらの例に何等限定されないのである。
【0038】図1から図10において、本例の制震壁1
は、建物の一対の柱間に形成されており、建物壁におけ
る下支持手段4及び上支持手段5と、上部に開口6を有
すると共に下部に底壁板21を有していると共に、当該
底壁板21で下支持手段4に下部固定手段7を介して固
定された箱体8と、箱体8に対して隙間9をもって当該
箱体8内に配されていると共に、上部で上支持手段5に
上部固定手段10を介して固定された抵抗板11と、箱
体8と当該箱体8内に配された抵抗板11との間の隙間
9に充填された粘性体12とを具備している。
【0039】箱体8は、水平方向であって面内方向(横
方向)において互いに対向して配された一対の狭幅側壁
板15及び16と、狭幅側壁板15及び16を橋絡して
当該狭幅側壁板15及び16に溶接固着されていると共
に、水平方向であって面外方向に互いに対向して配され
た一対の幅広側壁板17及び18と、狭幅側壁板15及
び16を橋絡して、当該狭幅側壁板15及び16並びに
幅広側壁板17及び18の上端に溶接固着されたL型鋼
からなる開口形成部材19及び20と、狭幅側壁板15
及び16並びに幅広側壁板17及び18の下端に溶接固
着された底壁板21と、狭幅側壁板15及び16を橋絡
し、狭幅側壁板15及び16並びに幅広側壁板17及び
18に溶接固着されていると共に、鉛直方向(縦方向)
に所定間隔をもって配されて、当該幅広側壁板17及び
18の夫々を補強した溝型鋼からなる複数の補強部材2
2と、幅広側壁板17及び18間の所定間隔を保持する
複数の間隔保持手段23と、底壁板21並びに幅広側壁
板17及び18に溶接固着されていると共に、水平方向
に所定間隔をもって配された複数の補強リブプレート2
4とを一体的に具備している。
【0040】間隔保持手段23の夫々は、特に図5に詳
細に示すように、幅広側壁板17及び18を貫通したボ
ルト31と、ボルト31に螺着されたナット32と、ボ
ルト31が挿通されて幅広側壁板17及び18との間に
配された円筒カラー33とを具備しており、円筒カラー
33によって幅広側壁板17及び18間の所定間隔を保
持するようになっている。
【0041】抵抗板11は、幅広の抵抗板本体35と、
抵抗板本体35の箱体8外に位置した上端に溶接固着さ
れた抵抗板フランジプレート34と、箱体8の幅広側壁
板17及び18と抵抗板本体35との間の所定の隙間9
を保持する複数個の隙間保持手段38とを具備してお
り、幅広側壁板17及び18に対して抵抗板本体35が
相対的に移動できるように、円筒カラー33の夫々を取
り囲んで抵抗板本体35には、長円形の貫通孔39が穿
孔されている。
【0042】隙間保持手段38の夫々は、特に図6に示
すように、抵抗板本体35を貫通して当該抵抗板本体3
5に取り付けられた両鍔40及び41付き隙間保持部材
42からなり、隙間保持部材42は、鍔40及び41に
おいて幅広側壁板17及び18に摺動自在に接触して、
抵抗板本体35と幅広側壁板17及び18との間の隙間
9を保持している。
【0043】箱体8又は箱体8及び抵抗板11からなる
組み合わせ体45では、箱体8が底壁板21を具備して
形成されているために、自立構造となり、これらの運
搬、保管、設置作業における取り扱いが容易となり、安
全性に極めてすぐれたものとなる。
【0044】下支持手段4は、補強リブプレート51
と、補強リブプレート51が溶接固着されたH型鋼から
なって、建物の所定階の床側の下大梁52とを具備して
おり、下大梁52は、上端フランジプレート54を有し
ている。
【0045】上支持手段5は、補強リブプレート46
と、補強リブプレート46が溶接固着されたH型鋼から
なって、建物の所定階の天井側の上大梁47とを具備し
ており、上大梁47は、下端フランジプレート48を有
している。
【0046】下部固定手段7は、箱体8の底壁板21に
溶接固着されたガセットプレート25と、ガセットプレ
ート25に対して略同一鉛直面内に配されると共に、下
支持手段4の上端フランジプレート54に溶接固着され
たガセットプレート26と、ガセットプレート25及び
26の夫々に対面して配された下部スプライスプレート
手段27と、下部スプライスプレート手段27をガセッ
トプレート25及び26の夫々に摩擦接合させて共締め
する複数個の高力ボルト28と、箱体8の底壁板21と
ガセットプレート25との水平方向両端に溶接固着され
ていると共に、ガセットプレート25の鉛直方向長L1
よりも長い鉛直方向長L2を有した一対の側端上フラン
ジプレート29及び30と、ガセットプレート26の水
平方向両端及び上端フランジプレート54に溶接固着さ
れていると共に、ガセットプレート26の鉛直方向長L
3よりも長い鉛直方向長L4を有した一対の側端下フラ
ンジプレート36及び37と、底壁板21の水平方向両
端間において、底壁板21及びガセットプレート25に
溶接固着された複数個の上補強リブプレート53と、ガ
セットプレート26の水平方向両端間において、上補強
リブプレート53に対応させて且つガセットプレート2
6及び上端フランジプレート54に溶接固着された複数
個の下補強リブプレート55とを具備している。
【0047】下部スプライスプレート手段27は、ガセ
ットプレート25及び26の夫々を間にしてこれらを挟
持する少なくとも一対、本例では三対のスプライスプレ
ート56、57及び58を具備しており、各対のスプラ
イスプレート56、57及び58は、ガセットプレート
25及び26の夫々の面43及び44に対面する面に高
摩擦面59及び60を有した高摩擦鋼板からなり、高力
ボルト28によりガセットプレート25及び26の夫々
を挟圧して当該ガセットプレート25及び26の夫々に
二面摩擦接合されて共締めされている。
【0048】三対のスプライスプレート56、57及び
58は、互いに離間して横方向に配列されており、水平
方向両端のスプライスプレート56及び58は、主とし
て箱体8の鉛直面内の曲げモーメントに抗するように、
主として鉛直方向力に対して高摩擦抵抗を発現する高摩
擦面59を有した高摩擦鋼板、具体的には、図7に示す
ように、鉛直方向に配列されていると共に、各々が水平
方向に伸びた複数の凹凸61からなる高摩擦面59を有
した高摩擦鋼板62からなり、水平方向両端のスプライ
スプレート56及び58の間に配された一対のスプライ
スプレート57は、主として箱体8の水平方向力に抗す
るように、主として水平方向力に対して高摩擦抵抗を発
現する高摩擦面60を有した高摩擦鋼板、具体的には、
図8に示すように、水平方向に配列されていると共に、
各々が鉛直方向に伸びた複数の凹凸63からなる高摩擦
面60を有した高摩擦鋼板64からなる。
【0049】側端上フランジプレート29及び30の夫
々の下端面67は、対応の側端下フランジプレート36
及び37の上端面68に当接しており、ガセットプレー
ト25及び26の互いに対面する下端面69及び上端面
70間並びに上補強リブプレート53及び下補強リブプ
レート55の互いに対面する下端面及び上端面間には、
隙間72が形成されるようになっている。
【0050】下部固定手段7においては、高摩擦面59
及び60を介して夫々高力ボルト28によりガセットプ
レート25及び26とスプライスプレート56、57及
び58とを相互に二面高摩擦接合させているために、高
力ボルト28による剪断耐力を増大でき、高力ボルト2
8の個数を低減できる。
【0051】なお、ガセットプレート25及び26とス
プライスプレート56、57及び58との間のいずれか
に適宜高摩擦鋼板からなるフィラープレート(はさみ
板)を介在させて、製造、施工誤差を吸収、補正するよ
うにしてもよく、高力ボルト28が挿通されるスプライ
スプレート56、57及び58の貫通孔は、当該スプラ
イスプレート56、57及び58に共締めされるガセッ
トプレート25及び26に対して位置決め調節できるよ
うに、高力ボルト28に対して若干クリアランスをもっ
た径を有して形成されていてもよい。斯かる貫通孔の形
状としては、長孔が好ましいが、必ずしもこれに限定さ
れない。また、位置決め調節のために、高力ボルト28
に対して若干クリアランスをもった径を有した斯かる貫
通孔を、スプライスプレート56、57及び58に穿孔
する代わりに又はそれと共に、ガセットプレート25及
び26に穿孔してもよいのは勿論である。
【0052】上部固定手段10は、上支持手段5の下端
フランジプレート48に溶接固着された上梁側ガセット
プレート111と、上梁側ガセットプレート111と略
同一鉛直平面内に配されていると共に、抵抗板フランジ
プレート34に溶接固着された抵抗板側ガセットプレー
ト112と、上梁側ガセットプレート111及び抵抗板
側ガセットプレート112の夫々に対面して配された上
部スプライスプレート手段110と、上部スプライスプ
レート手段110を上梁側ガセットプレート111及び
抵抗板側ガセットプレート112の夫々に摩擦接合させ
て共締めする複数個の高力ボルト117と、上梁側ガセ
ットプレート111の水平方向両端間において、上梁側
ガセットプレート111及び下端フランジプレート48
の夫々に溶接固着された複数の補強リブプレート120
と、上梁側ガセットプレート111の水平方向両端及び
下端フランジプレート48に夫々溶接固着された一対の
側端上フランジプレート121及び122と、抵抗板側
ガセットプレート112及び抵抗板フランジプレート3
4の水平方向両端に夫々溶接固着された一対の側端下フ
ランジプレート236及び237と、抵抗板側ガセット
プレート112の水平方向両端間において、抵抗板側ガ
セットプレート112及び抵抗板フランジプレート34
に夫々溶接固着された複数の補強リブプレート123と
を具備している。
【0053】上部スプライスプレート手段110は、上
梁側ガセットプレート111及び抵抗板側ガセットプレ
ート112の夫々を間にしてこれらを挟持する少なくと
も一対、本例では三対のスプライスプレート114、1
15及び116を具備しており、各対のスプライスプレ
ート114、115及び116は、上梁側ガセットプレ
ート111及び抵抗板側ガセットプレート112の夫々
の面126及び127に対面する面に高摩擦面125及
び128を有した高摩擦鋼板からなり、高力ボルト11
7により上梁側ガセットプレート111及び抵抗板側ガ
セットプレート112の夫々を挟圧して当該上梁側ガセ
ットプレート111及び抵抗板側ガセットプレート11
2の夫々に二面摩擦接合されて共締めされている。
【0054】スプライスプレート56、57及び58の
夫々と同様に形成された三対のスプライスプレート11
4、115及び116は、互いに離間して横方向に配列
されており、水平方向両端のスプライスプレート114
及び116は、主として抵抗板本体35の鉛直面内の曲
げモーメントに抗するように、主として鉛直方向力に対
して高摩擦抵抗を発現する高摩擦面125を有した高摩
擦鋼板、具体的には、図7に示すように、複数の凹凸6
1からなる高摩擦面125を有した高摩擦鋼板62から
なり、水平方向両端のスプライスプレート114及び1
16の間に配された一対のスプライスプレート115
は、主として抵抗板本体35の水平方向力に抗するよう
に、主として水平方向力に対して高摩擦抵抗を発現する
高摩擦面128を有した高摩擦鋼板、具体的には、図8
に示すように、複数の凹凸63からなる高摩擦面128
を有した高摩擦鋼板64からなる。
【0055】本例では、上梁側ガセットプレート111
及び抵抗板側ガセットプレート112、側端上フランジ
プレート121及び122並びに側端下フランジプレー
ト236及び237、補強リブプレート120及び12
3の互いに対面する下端面及び上端面間には、隙間12
9が形成されるようになっているが、下部固定手段7と
同様に、側端上フランジプレート121及び122の下
端面と側端下フランジプレート236及び237とを互
いに当接させて、上部固定手段10を構成してもよい。
【0056】上部固定手段10においても、上梁側ガセ
ットプレート111と抵抗板側ガセットプレート112
とを、高摩擦面を介して夫々高力ボルト117により二
面高摩擦接合させているために、高力ボルト117によ
る剪断耐力を増大でき、高力ボルト117の個数を低減
できる。
【0057】以上の制震壁1は、地震や風、交通振動等
の振動に際して、箱体8と抵抗板11との間の相対的水
平変位において箱体8内に収容された粘性体12に粘性
剪断変形を生じさせて、この粘性剪断変形による減衰力
により地震や風、交通振動等の振動を減衰させる。
【0058】制震壁1では、箱体8が底壁板21を有
し、底壁板21にガセットプレートが固着されているた
めに、底壁板21により箱体8下部の密閉を確実に得る
ことができ、しかも、底壁板21とガセットプレートと
の溶接による固着を強固にできる結果、面外方向の繰り
返し応力によっても箱体8下部の密閉状態を確実に維持
できて、而して、粘性体12の漏出の虞をなくし得、し
かも、箱体8自体又は箱体8及び抵抗板11からなる組
み合わせ体45自体を自立構造とすることができ、加え
て、底壁板21に固着されたガセットプレート25と下
支持手段4に固着されたガセットプレート26とが下部
スプライスプレート手段27と共に高力ボルト28によ
り共締めされるために、底壁板21を介して箱体8を十
分な耐力をもって下支持手段4に強固に固定でき、加え
て、面外方向幅(厚み)を小さくできて壁厚を狭くでき
る結果、広い部屋を提供できる。
【0059】また、制震壁1では、高力ボルト28と二
面摩擦接合とにより、箱体8を下支持手段4に極めて強
固に固定でき、地震等に際する箱体8と抵抗板11との
間の相対的水平変位において、箱体8及び抵抗板11に
大きな水平力と曲げモーメントとが加わっても、それに
基づく剪断力と引っ張り力とに十分な耐力を確保できる
上に、高力ボルト28の本数を半減しても一面摩擦接合
と同等若しくはそれ以上の強固な固定を実現でき、而し
て、大幅な作業工数の低減及びコストダウンを図ること
ができる上に、コンパクトな固定構造にできる結果、与
えられた階高の中で、箱体8及び抵抗板11の夫々のた
めの設置空間を大きくできて、大きな箱体及び抵抗板を
用いることができ、而して制震性能をより高めることが
できる。
【0060】更に制震壁1では、主として鉛直方向力に
対して高摩擦抵抗を発現する高摩擦面59を有した高摩
擦鋼板62から水平方向両端のスプライスプレート56
及び58を構成し、主として水平方向力に対して高摩擦
抵抗を発現する高摩擦面60を有した高摩擦鋼板64か
らスプライスプレート57を構成しているために、箱体
8及び抵抗板11に加わる大きな水平力と曲げモーメン
トとに対する耐力を分担して効率よく且つ低コストでも
って確保できる。
【0061】加えて制震壁1では、その組み立て途中に
おいて、箱体8とガセットプレート25と側端上フラン
ジプレート29及び30との組み合わせ体を、側端上フ
ランジプレート29及び30を脚として一時的に垂直に
立ておくこと、すなわち自立させることができ、組み立
てが極めて容易になり、また、側端上フランジプレート
29及び30の下端面67と対応の側端下フランジプレ
ート36及び37の上端面68とを互いに当接させてい
るので、この当接部位でも箱体8及び抵抗板11に加わ
る大きな曲げモーメントに対する耐力を得ることがで
き、しかも、ガセットプレート25の下端面69とガセ
ットプレート26の上端面70との当接を回避でき、ス
プライスプレート56、57及び58を介するガセット
プレート25及び26の相互の支持を安定して得ること
ができる。
【0062】その上、制震壁1では、面外方向の多少の
撓みを許容できるために、柔構造の建物に影響を与える
ことなしに、制震作用を効果的に発揮することができ
る。
【0063】図1から図10に示す制震壁1では、抵抗
板本体35と抵抗板本体35の上端に溶接固着された抵
抗板フランジプレート34とを具備して抵抗板11を構
成し、抵抗板本体35とは別体の抵抗板側ガセットプレ
ート112を抵抗板フランジプレート34に溶接固着し
て上部固定手段10を構成したが、これに代えて、抵抗
板フランジプレート34を省くと共に、上部が三対のス
プライスプレート114、115及び116に挟まれる
ような抵抗板本体35を用いて、斯かる抵抗板本体35
の上部を抵抗板側ガセットプレートとして上部固定手段
10を構成してもよい。この場合、上部固定手段10の
上梁側ガセットプレート111を抵抗板本体35と略同
一鉛直平面内に配し、抵抗板本体35の上部からなる抵
抗板側ガセットプレートと上梁側ガセットプレート11
1とを、スプライスプレート114、115及び116
で挟んで、これらを高力ボルト117により共締めして
二面摩擦接合させるとよい。また、抵抗板本体35の上
部を抵抗板側ガセットプレートとして用いる場合、斯か
る抵抗板本体35の上部からなる抵抗板側ガセットプレ
ートに側端下フランジプレート236及び237並びに
補強リブプレート123を溶接固着してもよいが、これ
ら、特に補強リブプレート123を省いてもよい。
【0064】なお、図11及び図12に示すように、側
端上フランジプレート29から側端下フランジプレート
36まで延在する側端スプライスプレート手段201
と、側端スプライスプレート手段201を側端上フラン
ジプレート29及び側端下フランジプレート36の夫々
に共締めする高力ボルト202と、図示しないが、側端
上フランジプレート30から側端下フランジプレート3
7まで延在する側端スプライスプレート手段201と同
様の側端スプライスプレート手段と、この側端スプライ
スプレート手段を側端上フランジプレート30及び側端
下フランジプレート37の夫々に共締めする高力ボルト
とを更に具備して下部固定手段7を構成してもよく、こ
の場合、側端スプライスプレート手段201は、側端上
フランジプレート29及び側端下フランジプレート36
の夫々に対面する面に高摩擦面203を有した高摩擦鋼
板からなる側端スプライスプレート204を具備してお
り、側端上フランジプレート30及び側端下フランジプ
レート37側の側端スプライスプレート手段もまた、同
様に、側端上フランジプレート30及び側端下フランジ
プレート37の夫々に対面する面に高摩擦面を有した高
摩擦鋼板からなる側端スプライスプレートを具備してい
る。
【0065】図11及び図12に示す下部固定手段7を
具備した制震壁1では、箱体8の底壁板21の水平方向
両端間においても、箱体8及び抵抗板11に加わる大き
な曲げモーメントに起因する引っ張り力に対して更に十
分な耐力を確保でき、而して、箱体8を下支持手段4に
より強固に固定でき、しかも、これら耐力確保を少ない
個数の高力ボルトで行うことができる。
【0066】なお、図11及び図12に示す構成を更に
具備した下部固定手段7では、側端スプライスプレート
手段201を、一面摩擦接合を行わせるように一枚の側
端スプライスプレート204で構成したが、これに代え
て二面摩擦接合を行わせるように、側端上フランジプレ
ート29及び側端下フランジプレート36を挟んで配さ
れる三枚又は四枚の側端スプライスプレートを具備して
側端スプライスプレート手段201を構成してもよく、
更に、図11及び図12に示す下部固定手段7と同様の
構成を、上部固定手段10の側端上フランジプレート1
21及び122並びに側端下フランジプレート236及
び237に関しても適用してもよい。
【0067】また、制震壁1においては、一枚の幅広の
抵抗板本体35を具備して抵抗板11を構成したが、こ
れに代えて、複数枚、例えば図13に示すように、互い
に隙間をもって対峙した二枚の幅広の抵抗板本体135
及び136を具備して抵抗板11を構成してもよく、こ
の場合には、抵抗板本体135及び136間の隙間に、
当該抵抗板本体135及び136に対して隙間138を
もって配されていると共に、底壁板21に固着された中
間板137を更に具備して箱体8を構成し、抵抗板本体
135及び136をその上端で抵抗板フランジプレート
34に溶接固着して抵抗体11を構成し、中間板137
と抵抗板本体135及び136との間の隙間138にも
粘性体12を充填して、制震壁1を構成するとよい。
【0068】図13に示す制震壁1では、上記の効果を
同等に得ることができる上に、更に制震性能をより高め
ることができる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、箱体下部の密閉を確実
に強固に得ることができ、面外方向の繰り返し応力によ
っても箱体下部の密閉状態を維持できて、而して、粘性
体の漏出の虞をなくし得、しかも、十分な耐力をもって
下梁等の下支持手段に強固に固定でき、加えて、面外方
向幅(厚み)を小さくできて壁厚を狭くできる結果、広
い部屋を提供できる上に、箱体自体又は箱体及び抵抗板
からなる組み合わせ体自体を自立構造とすることができ
る制震壁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の一例を示す正面
図である。
【図2】図1に示すII−II線矢視断面図である。
【図3】(a)は、図1に示すIII−III線矢視断
面、(b)は、図1に示す例の左側面図である。
【図4】図3の(a)の一部省略拡大説明図である。
【図5】図1に示す例のV−V線矢視断面図である。
【図6】図1に示すVI−VI線矢視断面図である。
【図7】(a)は、図1に示すスプライスプレートに用
いられる高摩擦鋼板の説明図であり、(b)は、(a)
に示す高摩擦鋼鈑の側面図である。
【図8】(a)は、図1に示すスプライスプレートに用
いられる高摩擦鋼板の説明図であり、(b)は、(a)
に示す高摩擦鋼鈑の底面図である。
【図9】図1に示す一部拡大説明図である。
【図10】図9に示すX−X線矢視断面図である
【図11】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例を
示す一部説明図である。
【図12】図11に示すXII−XII線矢視断面図で
ある。
【図13】本発明の好ましい実施の形態の更に他の例を
示す一部説明図である。
【符号の説明】
1 制震壁 4 下支持手段 5 上支持手段 6 開口 7 下部固定手段 8 箱体 9 隙間 11 抵抗板 12 粘性体 21 底壁板 25、26 ガセットプレート 27 下部スプライスプレート手段 28 高力ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯田 和彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 永田 匡宏 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 鈴木 明雄 東京都港区芝大門一丁目3番2号 オイレ ス工業株式会社内 (72)発明者 宮治 隆之 東京都港区芝大門一丁目3番2号 オイレ ス工業株式会社内 Fターム(参考) 2E002 EB12 EB13 FB08 FB11 GA14 GA16 JA01 JA02 JB02 MA12 MA13 3J048 AC05 BD08 DA06 EA38

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物壁における下支持手段及び上支持手
    段と、上部に開口を有すると共に下部に底壁板を有し、
    当該底壁板で下支持手段に下部固定手段を介して固定さ
    れた少なくとも一つの箱体と、この箱体に対して隙間を
    もって当該箱体内に配されており、上部で上支持手段に
    上部固定手段を介して固定された抵抗板と、箱体と当該
    箱体内に配された抵抗板との間の隙間に充填された粘性
    体とを具備しており、下部固定手段は、箱体の底壁板に
    固着された第一のガセットプレートと、この第一のガセ
    ットプレートに対して略同一鉛直面内に配されると共
    に、下支持手段に固着された第二のガセットプレート
    と、第一及び第二のガセットプレートの夫々に対面して
    配された下部スプライスプレート手段と、下部スプライ
    スプレート手段を第一及び第二のガセットプレートの夫
    々に共締めする高力ボルトとを具備した制震壁。
  2. 【請求項2】 下部スプライスプレート手段は、高力ボ
    ルトにより第一及び第二のガセットプレートの夫々に少
    なくとも一面摩擦接合されて共締めされている請求項1
    に記載の制震壁。
  3. 【請求項3】 下部スプライスプレート手段は、高力ボ
    ルトにより第一及び第二のガセットプレートの夫々に二
    面摩擦接合されて共締めされている請求項1又は2に記
    載の制震壁。
  4. 【請求項4】 下部スプライスプレート手段は、第一及
    び第二のガセットプレートの夫々を間にして挟持する少
    なくとも一対のスプライスプレートを具備しており、一
    対のスプライスプレートは、高力ボルトにより第一及び
    第二のガセットプレートの夫々を挟圧している請求項1
    から3のいずれか一項に記載の制震壁。
  5. 【請求項5】 下部スプライスプレート手段は、第一及
    び第二のガセットプレートの夫々に対面する面に高摩擦
    面を有した高摩擦鋼板からなるスプライスプレートを具
    備している請求項1から4のいずれか一項に記載の制震
    壁。
  6. 【請求項6】 下部スプライスプレート手段は、互いに
    離間して横方向に配列された複数枚のスプライスプレー
    トを具備しており、水平方向両端のスプライスプレート
    は、主として箱体の鉛直面内の曲げモーメントに抗し、
    水平方向両端のスプライスプレートの間に配されたスプ
    ライスプレートは、主として箱体の水平方向力に抗する
    ように、夫々構成されている請求項1から5のいずれか
    一項に記載の制震壁。
  7. 【請求項7】 水平方向両端のスプライスプレートは、
    主として鉛直方向力に対して高摩擦抵抗を発現する高摩
    擦面を有した高摩擦鋼板からなり、水平方向両端のスプ
    ライスプレートの間に配されたスプライスプレートは、
    主として水平方向力に対して高摩擦抵抗を発現する高摩
    擦面を有した高摩擦鋼板からなる請求項6に記載の制震
    壁。
  8. 【請求項8】 水平方向両端のスプライスプレートは、
    鉛直方向に配列されていると共に、各々が水平方向に伸
    びた複数の凹凸からなる高摩擦面を有した高摩擦鋼板か
    らなり、水平方向両端のスプライスプレートの間に配さ
    れたスプライスプレートは、水平方向に配列されている
    と共に、各々が鉛直方向に伸びた複数の凹凸からなる高
    摩擦面を有した高摩擦鋼板からなる請求項6又は7に記
    載の制震壁。
  9. 【請求項9】 下部固定手段は、箱体の底壁板と第一の
    ガセットプレートとの水平方向両端に固着されていると
    共に、第一のガセットプレートの鉛直方向長よりも長い
    鉛直方向長を有した一対の側端上フランジプレートを具
    備している請求項1から8のいずれか一項に記載の制震
    壁。
  10. 【請求項10】 下部固定手段は、第二のガセットプレ
    ートの水平方向両端に固着されていると共に、第二のガ
    セットプレートの鉛直方向長よりも長い鉛直方向長を有
    した一対の側端下フランジプレートを具備しており、側
    端上フランジプレートの下端面は、対応の側端下フラン
    ジプレートの上端面に当接している請求項9に記載の制
    震壁。
  11. 【請求項11】 下部固定手段は、側端上フランジプレ
    ートから側端下フランジプレートまで延在する側端スプ
    ライスプレート手段と、側端スプライスプレート手段を
    側端上フランジプレート及び側端下フランジプレートの
    夫々に共締めする高力ボルトとを具備している請求項1
    0に記載の制震壁。
  12. 【請求項12】 側端スプライスプレート手段は、側端
    上フランジプレート及び側端下フランジプレートの夫々
    に対面する面に高摩擦面を有した高摩擦鋼板からなる側
    端スプライスプレートを具備している請求項11に記載
    の制震壁。
  13. 【請求項13】 下支持手段は、上端フランジプレート
    を有した下大梁を具備しており、側端下フランジプレー
    トは、上端フランジプレートに固着されている請求項1
    0から12のいずれか一項に記載の制震壁。
  14. 【請求項14】 上支持手段は下端フランジプレートを
    具備しており、抵抗板は幅広の抵抗板本体を有してお
    り、上部固定手段は、上支持手段の下端フランジプレー
    トに固着されていると共に、抵抗板本体と略同一鉛直平
    面内に配された上梁側ガセットプレートと、抵抗板本体
    の上部からなる抵抗板側ガセットプレートと、上梁側ガ
    セットプレート及び抵抗板側ガセットプレートの夫々に
    対面して配された上部スプライスプレート手段と、この
    上部スプライスプレート手段を第一及び第二のガセット
    プレートの夫々に共締めする上部固定用の高力ボルトと
    を具備している請求項1から13のいずれか一項に記載
    の制震壁。
  15. 【請求項15】 上支持手段は下端フランジプレートを
    具備しており、抵抗板は幅広の抵抗板本体と、この抵抗
    板本体の上端に固着された抵抗板フランジプレートとを
    具備しており、上部固定手段は、上支持手段の下端フラ
    ンジプレートに固着された上梁側ガセットプレートと、
    この上梁側ガセットプレートと略同一鉛直平面内に配さ
    れていると共に、抵抗板フランジプレートに固着された
    抵抗板側ガセットプレートと、上梁側ガセットプレート
    及び抵抗板側ガセットプレートの夫々に対面して配され
    た上部スプライスプレート手段と、この上部スプライス
    プレート手段を第一及び第二のガセットプレートの夫々
    に共締めする上部固定用の高力ボルトとを具備している
    請求項1から13のいずれか一項に記載の制震壁。
  16. 【請求項16】 上部スプライスプレート手段は、高摩
    擦面が上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプ
    レートの夫々に接触して配されている高摩擦鋼板からな
    る少なくとも一対の上部スプライスプレートを具備して
    おり、この一対の上部スプライスプレートは、上梁側ガ
    セットプレート及び抵抗板側ガセットプレートを間にし
    て高力ボルトにより共締めされており、その高摩擦面が
    上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプレート
    に接触して配されている請求項14又は15に記載の制
    震壁。
  17. 【請求項17】 上部スプライスプレート手段は、水平
    方向に並置されていると共に、夫々上梁側ガセットプレ
    ートと抵抗板側ガセットプレートとをその両側面から挟
    持した複数枚の上部スプライスプレートを具備してお
    り、上部スプライスプレートは、上梁側ガセットプレー
    ト及び抵抗板側ガセットプレートに高力ボルトにより共
    締めされており、その高摩擦面が上梁側ガセットプレー
    ト及び抵抗板側ガセットプレートに接触して配されてい
    る請求項14から16のいずれか一項に記載の制震壁。
  18. 【請求項18】 上部スプライスプレート手段は、高力
    ボルトにより上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセ
    ットプレートの夫々に少なくとも一面摩擦接合されて共
    締めされている請求項14から17のいずれか一項に記
    載の制震壁。
  19. 【請求項19】 上部スプライスプレート手段は、高力
    ボルトにより上梁側ガセットプレート及び抵抗板側ガセ
    ットプレートの夫々に二面摩擦接合されて共締めされて
    いる請求項14から18のいずれか一項に記載の制震
    壁。
  20. 【請求項20】 上部スプライスプレート手段は、上梁
    側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプレートの夫
    々を間にして挟持する少なくとも一対の上部スプライス
    プレートを具備しており、この一対の上部スプライスプ
    レートは、高力ボルトにより上梁側ガセットプレート及
    び抵抗板側ガセットプレートの夫々を挟圧している請求
    項14から19のいずれか一項に記載の制震壁。
  21. 【請求項21】 上部スプライスプレート手段は、上梁
    側ガセットプレート及び抵抗板側ガセットプレートの夫
    々に対面する面に高摩擦面を有した高摩擦鋼板からなる
    上部スプライスプレートを具備している請求項14から
    20のいずれか一項に記載の制震壁。
  22. 【請求項22】 上部スプライスプレート手段は、互い
    に離間して横方向に配列された複数枚の上部スプライス
    プレートを具備しており、水平方向両端の上部スプライ
    スプレートは、主として抵抗板の鉛直面内の曲げモーメ
    ントに抗し、水平方向両端の上部スプライスプレートの
    間に配された上部スプライスプレートは、主として抵抗
    板の水平方向力に抗するように、夫々構成されている請
    求項14から21のいずれか一項に記載の制震壁。
  23. 【請求項23】 水平方向両端の上部スプライスプレー
    トは、主として鉛直方向力に対して高摩擦抵抗を発現す
    る高摩擦面を有した高摩擦鋼板からなり、水平方向両端
    の上部スプライスプレートの間に配された上部スプライ
    スプレートは、主として水平方向力に対して高摩擦抵抗
    を発現する高摩擦面を有した高摩擦鋼板からなる請求項
    22に記載の制震壁。
  24. 【請求項24】 水平方向両端の上部スプライスプレー
    トは、鉛直方向に配列されていると共に、各々が水平方
    向に伸びた複数の凹凸からなる高摩擦面を有した高摩擦
    鋼板からなり、水平方向両端の上部スプライスプレート
    の間に配された上部スプライスプレートは、水平方向に
    配列されていると共に、各々が鉛直方向に伸びた複数の
    凹凸からなる高摩擦面を有した高摩擦鋼板からなる請求
    項22又は23に記載の制震壁。
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