JP3940220B2 - ミシンの制御装置、および、ボタン穴かがりミシンの制御装置 - Google Patents

ミシンの制御装置、および、ボタン穴かがりミシンの制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はミシンの制御装置およびボタン穴かがりミシンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被縫製物の上方で上糸を切断する上糸切り鋏みや、布切りメスを下降させて被縫製物を切断する布切り手段を備えたミシンとして、例えば、ボタン穴かがりミシンがある。
ボタン穴かがりミシンは、被縫製物を押えて保持する布押さえや、該布押えをY方向に前後動させる布送り手段、並びに、ミシン針をX方向に振る針振り手段等を備え、上記布送り手段と針振り手段の協働によりボタン穴部の周囲を周回するようにかがり縫いを行うと共に、この縫製中に上記布切り手段を作動させて布にボタン穴を開け、最後に、上記上糸切り鋏みで上糸を切断して1個のボタン穴かがりを完了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の上糸切り鋏みは、常時は、針落ち位置や布切りメスの下降位置から離れた位置に待機しており、例えば、ペダル操作等により糸切りの指令が出された場合に、針落ち位置の近傍までスライド移動して、布とミシン針との間に伸びる上糸を切断するようになっている。また、上糸の切断後、例えば、バネ等の作用により針落ち位置近傍から待機位置まで自動的に戻るように構成されている。
このような構成の上糸切り鋏みでは、例えば、各動作機構を誤ったストロークに設定した場合等において、糸切り動作後に機構の一部がミシンの他の機構に引っかかったり、本来、待機位置側に後退しなければならないタイミングに、上糸切り鋏みが針落ち位置や布切りメスの下降位置の近傍に残ってしまうという状況があった。
【0004】
また、従来のミシンの中には、布押えを上昇させる機構にロックを掛けて縫製中に布押えが上がってしまうことを防ぐロック機構と、このロック機構がペダルによる押さえ上げ操作がなされて縫製中に解除されてしまった場合に、ミシンの稼動を強制的に停止させる制御手段とを備えるものがある。
しかしながら、上記ロック機構の解除によりミシンが停止した場合、作業者は何が原因でミシンが停止したのかすぐに判断がつかず、原因究明のために非常に手間が掛かるといった問題があった。
【0005】
また、本出願人は、先に、布送り手段や針振り手段の運動を電気的に制御すると共に、これらの制御内容を変更することで、ボタン穴かがりの長さや形状などを自由に変更できるボタン穴かがりミシンを開発した。このボタン穴かがりミシンには、数値データの入力等が可能な操作パネル(設定入力手段)が設けられ、ユーザーが操作パネルを操作して縫製パターンの各部の長さやボタン穴の長さなどを設定入力することで、所望の縫製パターンのボタン穴かがりが行えるようになっている。ボタン穴の長さをメス長より長く設定した場合には、布を送ってメス落ち位置をずらしながら布切りメスを複数回降下させることで、所望の長さのボタン穴を形成する。
また、上述の布切り手段には、一般に、布切りメスの下降を検出するメス下降検出手段が設けられ、布切りメスが下降後に元の位置まで戻らなかった場合や、メス下降のタイミングに布切りメスが下降しなかった場合などに、布切りメスの動作異常としてミシンの縫製動作を停止させるといった制御が行われている。
しかしながら、布切りメスの動作異常によりミシンが停止した場合、作業者は何が原因でミシンが停止したのかすぐに判断がつかず、原因究明のために非常に手間が掛かるといった問題があった。
また、上記先に提案したボタン穴かがりミシンは、一般的なボタン穴かがりミシンと同様に、矩形状のフレーム枠を有する布押えにより布を押えると共にこの布押えが前後動して布を送るように構成され、そして、この布押えのフレーム枠内にボタン穴かがりの縫目を形成し、且つ、このフレーム枠内に布切りメスが落とされるように構成されている。
しかしながら、ボタン穴の長さを布切りメスのメス長より短く設定してしまったり、ボタン穴に沿った方向に見てボタン穴の長さを布押えのフレーム枠内径より大きく設定してしまった場合、これらの設定データから縫製パターンを演算することができず、ミシンが稼動しないという事態を発生させた。そして、このような事態が発生した場合、作業者は何が原因でミシンが稼動しないのかすぐに判断がつかず、原因究明のために非常に手間が掛かるといった問題があった。
【0006】
また、この種ボタン穴かがりミシンでは、布切りメスを昇降させる構成と、ミシン針を昇降させる縫製部の構成とが、ミシン面部内に隣接した状態に設けられており、ミシン針の針落ち位置と、布切りメスのメス落ち位置との間に間隔を設ける必要がある。従って、例えば、ボタン穴を、ボタン穴かがりの縫目端近くに設けようとした場合、ミシン針をボタン穴かがりの縫目端よりもはみ出した位置に落とす必要がでてくるが、縫製パターンよりはみ出した位置に針を落とすわけにはいかないので、ボタン穴の長さや配置を設定する際に、ボタン穴が縫目端の近くに開けられるように設定してしまった場合、これらの設定データから縫製パターンを演算し無いようにしていたため、作業者がそれを認知しないまま起動操作してもミシンが稼動しないという事態を発生させた。そして、このような事態が発生した場合、作業者は何が原因でミシンが稼動しないのかすぐに判断がつかず、原因究明のために非常に手間が掛かるといった問題があった。
【0007】
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、上糸切り鋏みの動作不良を自動で検出して作業者による確認作業の負担を軽減するほか、ミシンの動作不良または設定不良によりミシンが稼動しなくなった場合でも、容易に原因が究明できて、復旧作業に手間の掛からないミシンの制御装置およびボタン穴かがりミシンの制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、被縫製物上に布切りメスを下降させて被縫製物にボタン穴を開ける布切り手段と、縫目の形成個所を囲むフレーム枠を有し、該フレーム枠で被縫製物を押さえて保持すると共に、布送り方向に移動して被縫製物を送る布保持手段としての布押え(15)とを備えたボタン穴かがりミシンの制御装置において、布切りメスで形成するボタン穴の穴切り長さデータ( a )と、メスサイズデータ( L1 )、押えサイズデータ( L0 )、を含むボタン穴かがり縫製パターンを設定する設定入力手段と、前記ボタン穴かがり縫製パターンの設定値を読み込み、ボタン穴かがりの全長( L )が押えサイズ( L0 )より長くないか、及び、メスサイズ( L1 )がボタン穴の布切り長さ( a )より長くないかを判断し、いずれか一方が適正ではないときミシンの起動を禁止すると共に、報知手段からボタン穴の設定不良に関するメスサイズエラー報知、押えサイズエラー報知を表示する制御手段とを備えたボタン穴かがりミシンの制御装置とした。
【0013】
上記の請求項1に記載の発明によれば、誤って、ボタン穴の布切り長さ( a を、前記布切りメスのメスサイズ( L1 より小さく設定してしまったり、或いは、ボタン穴かがりの全長( L が前記布押え(15)の内径より大きく設定してしまって、ミシンの縫製動作が禁止された場合でも、上記報知手段からのメスサイズエラー報知、押えサイズエラー報知の表示により、何が原因でミシンの縫製動作が禁止になったのかすぐに究明され、ミシンの復旧作業が手早く済み、縫製作業の効率を上げることが出来る。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、被縫製物上に布切りメスを下降させて被縫製物にボタン穴を開ける布切り手段としての布切りメス(16)と、ボタン穴の開口位置を含むボタン穴かがりの縫製パターンを設定する設定入力手段と、前記設定入力手段による設定データから、布送り方向に見て、閂止め長さ(c)と、布切りメス−第2閂止め間スキマ長さ(h)の和を演算する演算手段と、前記演算手段による和が、ミシン針(9)と布切りメス(16)との間隔より短い場合に、ミシンの縫製動作を禁止すると共に、報知手段から布切りメスの駆動位置不良に関するエラー報知を行う制御手段とを備えたボタン穴かがりミシンの制御装置とした。
【0015】
この請求項2に記載の発明によれば、閂止め長さ(c)と、布切りメス−第2閂止め間スキマ長さ(h)の和ミシン針(9)と布切りメス(16)との間隔より短く設定され、布切り手段としての布切りメス(16)の機構部が布押えの機構とぶつかるのを回避するために、ミシンの縫製動作が禁止された場合でも、上記報知手段からのエラー報知により、何が原因でミシンの縫製動作が禁止になったのかすぐに究明され、ミシンの復旧作業が手早く済み、縫製作業の効率を上げることが出来る。
【0016】
請求項3記載の発明は、被縫製物を押さえて保持する布押えと、該布押えを上昇させて被縫製物の保持を解く押え上げ手段と、前記押え上げ手段に係止可能な係止部材を有し、ミシンの縫製動作中に前記係止部材の係止により該押え上げ手段の作動を抑止する押え上げ抑止手段とを備えたミシンの制御装置であって、前記係止部材が前記押え上げ手段に係止されていることを検出するラッチ検出手段と、前記ラッチ検出手段の検出出力に基づき、ミシンの縫製動作中に前記係止部材の係止がはずれた場合に、ミシンの縫製動作を禁止すると共に、報知手段から係止部材の係止不良に関するエラー報知を行う制御手段とを備えた構成とした。
【0017】
この請求項3記載の発明によれば、押え上げ抑止手段による押え上げ手段の係止がミシン縫製動作中にはずれてしまい、ミシンの縫製動作が停止した場合でも、上記報知手段からのエラー報知により、何が原因でミシンの縫製動作が禁止になったのかすぐに究明され、ミシンの復旧作業が手早く済み、縫製作業の効率を上げることが出来る。
【0018】
なお、請求項2及び3に記載の報知手段は、表示によりエラー内容を報知する表示手段としても良いし、音声によりエラー内容を報知する音声出力手段としても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1〜図27の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の制御装置が備わるボタン穴かがりミシンの概観を示す斜視図である。
このボタン穴かがりミシン1は、昇降動作と左右への針振り動作を行うミシン針9、布(被縫製物)を押さえる布押さえ15、下側で布を保持すると共に布送り方向に前後動する布保持板14、布押さえ15の上側で上糸を切断する上糸切り鋏み80、布切りメス16により布を切断してボタン穴を形成する布切り装置(布切り手段)、各設定データ等の入力を行う設定入力手段としての操作パネル110(図12)、並びに、該ボタン穴かがりミシン1を制御する制御装置(図13)等を備えてなる。
【0020】
図2は、布押えとボタン穴かがりの縫製パターンとの配置関係を示す上面図である。
布押え15は、矩形のフレーム枠形状をしており、このフレーム枠内にボタン穴かがりの縫目とボタン穴が設けられる。布押さえ15および布保持板14は、布送りとしても機能し、縫製中を通して布を保持すると共に、布送り方向(図中の矢印Y方向)に前後動して布を前後に送るようになっている。そして、この布押えのY方向の布送り運動と、上記ミシン針9のX方向の針振り運動との協働により、例えば図2に示すように、順次、左平行部A、第1閂止め部B、右平行部C、第2閂止め部Dと、ボタン穴部Eの周囲を周回するようにかがり縫いが行われ、更に、上記布切りメス16によりボタン穴部Eにボタン穴Fが開けられて、1個のボタン穴かがりが完了される。
ボタン穴かがりの縫製パターンは、後述の操作パネル110から入力される設定データを変更することで、自由に変更可能になっており、縫製パターンを変更することで、布押え15のフレーム枠内に変更されたボタン穴かがりの縫製が行われる。図2中、全長を大きくした縫製パターンを2点鎖線で示している。
【0021】
図3は、ボタン穴かがりミシンに備わる布切り装置(布切り手段)の構成を示す斜視図である。
布切り装置は、下端部に布切りメス16を取り付けたメス取付け板31、支軸35aを中心に回動自在に設けられメス取付け板31を上下に駆動する駆動アーム35、ミシンの上軸(図示しない)にリンクされ上軸の回転を伝達して一端部を常に高速に上下動させているメス駆動アーム36、このメス駆動アーム36に着脱可能に設けられメス駆動アーム36の上下駆動を駆動アーム35に伝達するためのメス駆動フック37、このメス駆動フック37と上記メス駆動アーム36とを連結/非連結とする布切りメス下降シリンダ(例えばソレノイド)75、布切りメス16の下降を検知するメス下降検知スイッチ34等から構成される。
【0022】
この布切り装置によれば、常時は、メス下降シリンダ75のプランジャ75aが押し出されて、メス駆動フック37とメス駆動アーム36とが非連結とされ、バネ33の作用により布切りメス16が上方に引かれて停止した状態にあるが、メス駆動の指令に基づきメス下降シリンダ75のプランジャ75aが引き戻されると、バネ37bの作用によりメス駆動フック37が引かれて、その係合凹部37aをメス駆動アーム36に係合させる。そして、メス駆動アーム36の上下運動が、メス駆動フック37および駆動アーム35と伝達されて、メス取付け板31を布上に下降させる。布切りメス16が降下すると、メス下降センチスイッチ34がオンとなって検出信号を制御装置に出力する。
【0023】
図4は、布切りメスとミシン針と配置関係を説明するための側面図である。
布切りメス16の降下位置は固定されており、布送りにより布を所定量送ったタイミングで布切りメス16を降下させることで、布の所望の位置を切断することが出来る。また、同図に示すように、ミシン針9の針落ち位置と布切りメス16のメス落ち位置との間には、針棒8と布切りメス16の機構とが衝突しないように微小間隔設ける必要がある。この間隔は、布送り方向(Y方向)に見て常に一定(例えば2mm)のものである。
【0024】
図5は、ボタン穴かがりミシン1の押え上げ機構と押えロック機構(押え上げ抑止手段)とを主に示した透視図である。
押え上げ機構は、例えば、図示略のペダルの操作により、ペダルリンク部材47を支点47Aを中心に図中矢印方向に回動して引きおろすことで、この運動が、第1リンク45、回動アーム44、第2リンク43、回動アーム42と伝達されて、押え棒41を上昇させる。
なお、ペダルリンク部材47の駆動をペダルの操作により行わずに、押え上昇ソレノイドやモータなどの駆動手段により行うようにしても良い。
【0025】
押え棒41は、このガイド部材26に連接される一方、ガイド部材26は布押え15に固定的に取り付けられており、押え棒41が上昇することで布押え15が上昇する。ガイド部材26と押え棒41とは、ガイド部材26のガイド溝26aに押え棒41下端のコロ41aが可動な状態に連接されており、コロ41aがガイド溝26aに沿って移動することで、布押え15が前後動した場合でも、押え棒41がその運動を妨げることがない。
また、この押え上げ機構には、例えば、押え棒41の位置を検知することで押え棒41が下降した状態にあることを検出する押え下降検知スイッチ28が設けられている。
【0026】
押えロック機構は、上記布押えが下降して縫製が実行されている間に、誤って布押え15が上がらないように上記布押え手段にロックを掛ける安全装置である。押えロック機構は、例えば、図示略のペダル等の操作により、スタートレバー54を支点54aを中心に矢印方向に回動させることで、スタート操作桿52が後方に引かれ、係止部材51が支点51Aを中心に回動して、係止部材51のラッチ部51aをペダルリンク部材47に掛け止めする。それにより、ペダルリンク部材47が引き下げられないようになる。
スタートレバー54が回動されると、スタートレバー54の係止部54bがラッチ部材56のラッチ部56aにラッチされ、このラッチが解かれるまで、スタート操作桿52が後方に引かれた状態に維持される。ラッチ部材56は、終了時ソレノイド57の駆動により支点56aを中心に持ち上げられることでスタートレバー54のラッチを解く。
【0027】
この押えロック機構には、押え上げ機構をロックした状態か否かを検出するスタートスイッチ53Bや、ラッチ移動検知スイッチ58が設けられている。スタートスイッチ53Bは、例えば近接センサなどであり、スタート操作桿52に取り付けられた検出片53Aを検出することで、スタート操作桿52が引き戻された状態にあるか否かを検出する。ラッチ移動検知スイッチ58は、ラッチ部材56の移動を検知する近接スイッチなどであり、ラッチの位置を検出することで、ラッチ部材56がスタートレバー54をラッチした状態にあるか否かの検出を行う。
【0028】
図6は、ボタン穴かがりミシンに備わる上糸切り鋏みの概略構成を示す斜視図である。
上糸切り鋏み80は、固定刃86、可動刃87、糸保持ばね90等からなり、可動刃87が、固定刃86と糸保持バネ90との間にスライド移動してくることで、可動刃87と固定刃86との間で上糸を切断し、切断後、可動刃87と糸保持バネ90との間で針側の糸を挟んで保持するようになっている。
可動刃87には、この可動刃87と同一部材上にカム当接部87cが設けられており、このカム当接部に所定のカム(鋏み開きカムや鋏み閉じカム)が当接することで、上記可動刃87の運動を導き出す。この可動刃87を動かすカムは、例えば、布押え15などに固定的に取り付けられており、上糸切り鋏み80がX−Y方向に運動して、針落ち位置および布切りメス16のメス落ち位置から離れた待機位置から針落ち位置の近傍の動作位置まで移動することで、カム当接部87cが上記カムに当接して可動刃87が稼動するようになっている。
【0029】
図7〜図9には、上糸切り鋏み80が待機位置にいる状態の図を示す。図7は、その側方図、図8は上面図、図9はミシン面部側から眺めた図である。また、図10と図11には、上糸切り鋏み80が動作位置にいる状態の図を示す。図10は、その上面図、図11はミシン面部側から眺めた図である。
【0030】
上糸切り鋏み80をX−Y方向に移動させる鋏み駆動機構は、図6と図7〜図10に示すように、鋏みレバー81、バネ82,84、連結軸83、鋏みアーム85、カム部材71、ペダルリンク部材47等から構成される。また、この鋏み駆動機構には、上糸切り鋏み80が待機位置にあるか動作位置にあるかを検出するためのハサミ前後検知スイッチ98とおよびハサミ左右検知スイッチ99とが設けられている。
連結軸83は、軸線方向への直動および軸線を中心に回転可能な状態で軸受け95に支持されており、この連結軸83の直動および回転により、上糸切り鋏み80がY方向の前後移動およびX方向へのスライド移動を行う。連結軸83には鋏みレバー81が固着されており、鋏みレバー81の運動により連結軸83の直動運動および回動運動が生起される。
【0031】
鋏みレバー81には、コロ当接部81Aと、カム当接部81Bとが設けられ、ペダルリンク部材47が支点47Aを中心に回動することで、ペダルリンク部材47に設けられたコロ72が上記コロ当接部81Aに当接して鋏みレバー81を前方(Y方向)に押し出すと共に、カム部材71がカム当接部81Bを押して鋏みレバー81をCCW方向に回動させるようになっている。カム部材71は、ペダルリンク部材47にリンクされており、ペダルリンク部材47が引き下げられることで、支点71Aを中心に回動して、鋏みレバー81のカム当接部81Bを押す。
【0032】
ハサミ前後検知スイッチ98は、例えば近接スイッチなどからなり、連結軸83と鋏みアーム85との接合個所近傍にベース部材200を介して取り付けられ、鋏みアーム85の接合金具85Aの端部である被検知部85aの位置を検知することで連結軸83(即ち上糸切り鋏み80)が前方に押し出されて針落ち位置に近づいたか、待機位置まで戻されたかを検知する。
ハサミ左右検知スイッチ99は、例えば近接スイッチなどからなり、鋏みレバー81の一端側に設けられた係止部81aの位置を検知することで、鋏みレバー81、即ち上糸切り鋏み80が中央にスライドされて布切りメス16の下降位置に近づいたか、メス下降位置から離れた待機位置に戻されたかを検知する。
【0033】
上記のような構成の鋏み駆動機構によれば、図7〜図9に示すように、縫製中などペダル操作が行われずにペダルリンク部材47がバネ48の作用で上がっている場合には、ペダルリンク部材47のコロ72が鋏みレバー81のコロ当接部81Aから離れた位置にあり、且つ、カム部材71が鋏みレバー81のカム当接部81Bを押し込んでない状態にあり、それゆえ、鋏みレバー81は、バネ82の作用により押し戻され、且つ、バネ84の作用によりCW方向に引き戻されて、所定の待機位置まで戻された状態にある。すなわち、上糸切り鋏み80が針落ち位置やメス落ち位置から離れた待機位置に戻された状態にある。そして、この状態においては、ハサミ前後検知スイッチ98の検知部98aに鋏みアーム85の被検知部85aが近接して、ハサミ前後検知スイッチ98がオン状態になると共に、ハサミ左右検知スイッチ99の検知部99aに鋏みレバー81の係止部81aが近接して、ハサミ左右検知スイッチ99がオン状態となる。
【0034】
一方、図10と図11に示すように、縫製終了後にペダル操作が行われてペダルリンク部材47が押し下げられた場合には、ペダルリンク部材47のコロ72が鋏みレバー81のコロ当接部81Aを押し込むと同時に、カム部材71が鋏みレバー81のカム当接部81BをCCW方向に押し込んで、鋏みレバー81を前方に押し出すと共にCCW方向に回動させる。そして、この運動により、上糸切り鋏み80が待機位置からY方向に進みX方向にスライドして針落ち位置近傍の動作位置まで移動する。そして、この状態においては、ハサミ前後検知スイッチ98の検知部98aから鋏みアーム85の被検知部85a離れて、ハサミ前後検知スイッチ98がオフ状態に切り替わると共に、ハサミ左右検知スイッチ99の検知部99aから鋏みレバー81の係止部81aが離れて、ハサミ左右検知スイッチ99がオフ状態に切り替わる。
【0035】
なお、ペダルリンク部材47は、上糸切り鋏み80を駆動させる部材であると共に、先に示したように、布押え15の押え上げ機構を駆動させる部材でもある。そして、ペダルリンク部材47か押し下げられる過程の前半で、鋏み駆動機構に働き上糸切り鋏み80を駆動し、その後、後半で押え上げ機構に働いて布押え15を上昇させるように構成されている。
【0036】
図12は、図1のボタン穴かがりミシンに備わる操作パネルを示す図である。操作パネル110は、各種の縫製パラメーターを設定入力したり、設定値の表示出力や縫製制御上のエラーの表示出力を行ったりするもので、例えば、ボタン穴かがりミシン1が載置されるミシンテーブルの上に設けられる。
操作パネル110には、縫製をスタートするための縫製キー131、縫製キー131が押されて縫製モードであることを点灯により表示するLED(Light Emitting Diode)表示部132、入力モードを選択する選択キー133、該選択キー133の操作により選択されている入力モードを点灯により表示するパターンナンバー表示部134およびパラメータナンバー表示部135、2桁の7セグメント表示部からなるモード表示部141と4桁の7セグメント表示部からなるパラメータ表示部142とを備えた表示部140、入力パラメータ値を「−1」するマイナスキー143、入力パラメータ値を「+1」するプラスキー144、入力パラメータ値を所定単位で減算するダウンキー145、入力パラメータ値を所定単位で加算するアップキー146、ミシン針9への糸通しおよび釜の位置合わせを知らせるセットキー147等が設けられている。
そして、上記表示部140が、ボタン穴かがりミシン1のエラー発生時にエラーの報知を行う報知手段を構成している。なお、報知手段は表示部のほか、音声や音出力によりエラー報知を行う構成としても良い。
【0037】
図13は、ボタン穴かがりミシンの回路構成を示すブロック図である。
ボタン穴かがりミシン1の制御装置は、同図に示すように、CPU(Central Processing Unit )100、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)101、各パルスモータの回転量をカウントするY送りカウンタ103、基線送りカウンタ104、および針振り送りカウンタ105、布切りメスの駆動数をカウントする布切りメスカウンタ106、各パルスモータの駆動を行うY送りパルスモータドライバ111、基線送りパルスモータドライバ112、および針振り送りパルスモータドライバ113、各種センサーや各駆動部のドライバおよび操作パネル110等とCPU100とを接続するI/Oインターフェース109、ミシンモータ5の駆動制御を行うミシンモータドライバ115、ミシンモータ5の回転量を上軸6の回転角度としてコード付けするミシンモータエンコーダ119、アクティブテンション(張力可変糸調子)19の上糸張力VCM(ボイスコイルモータ)60を駆動するアクティブテンションドライバ120、布押え15を昇降させる押え上昇ソレノイド122の押え上昇ソレノイド駆動回路121、布切りメス下降シリンダ30を駆動する布切りメス下降シリンダ駆動回路123、並びに、所定の割り込み条件(各パルスモータの回転量を示すカウンタ値、布の送り位置、上軸6の回転角度など)によりCPU100に割り込み信号を出力する割り込みコントローラ108等から構成される。
上記Y送りパルスモータ20は、布押さえ15と布保持板14とをY方向に移動させるモータであり、基線送りパルスモータ40はミシン針9の針振り動作の基線位置を変更するモータ、針振送りパルスモータ41はミシン針9の針振り量を変更するモータである。
【0038】
上記ミシンモータドライバ115には、ミシンモータ5の他、ミシン針9が上方位置にあることを検出する針上位置センサ116、布押さえ15や布保持板14の基準位置を検出する送り基準位置センサ117、上軸6の回転角度を検出するTG(Tacho Generator)発生器118等が接続されている。
I/Oインターフェース109には、操作パネル110や上述の各駆動部のドライバや駆動回路のほか、布切りメス16の下降を検知するメス下降検知スイッチ34、上糸切り鋏み80の前後位置を検知するハサミ前後検知スイッチ98、上糸切り鋏み80の左右位置を検知するハサミ左右検知スイッチ99(図6参照)、布押さえ15の下降を検知する押え下降検知スイッチ28、ラッチ部材56の移動を検知するラッチ移動検知スイッチ58、布送り(布押さえ15と布保持板14)が原点位置にある状態を検出するY送り原点センサ26、針振り機構の基線位置が原点にあることを示す基線送り原点センサ124、針振り機構の振り幅が原点にあることを示す針振送り原点センサ125、布押さえ15の下降を指示する押さえスイッチ126、スタート操作桿52の位置を検知するスタートスイッチ53B、並びに、縫製終了時にラッチ部材56のラッチを解く終了時ソレノイド(図5参照)57などが接続されている。
【0039】
CPU100は、RAM102の所定領域を作業領域としてROM101に記憶されている制御プログラムに従い、操作パネル110からのデータや、接続された各種センサーから検出信号を入力したり、各ドライバを介して各種駆動部の制御を行ったりする。
ROM101には、操作パネル110からの入力処理や、操作パネル110を介して入力された縫製データに基づいてボタン穴かがりの縫製パターン(縫い始めから縫い終わりまでの全ての針落ち位置や布切りメス16を落とすタイミング)を演算するパターン演算処理、演算された縫製パターンに従って縫製を行う縫製処理、エラーを検知した場合にミシンの稼動を禁止(停止又は稼動不能)してエラー表示を行うエラー表示処理等を含む、ボタン穴かがり処理の制御データや制御プログラムが記憶されている。
つまり、上記CPU100、ROM101およびRAM102により、縫製パターンを演算する演算手段や、縫製制御やエラー報知を行う制御手段が構成されている。
【0040】
この実施の形態の糸調子装置を備えたボタン穴かがりミシン1は、上記のように構成され、次に示すように、操作パネル110からの各設定データの入力処理や、ボタン穴かがりミシン1の駆動制御が行われて、ボタン穴かがりを縫製するボタン穴かがり処理が行われると共に、このボタン穴かがり処理のなかでエラーを検知した場合に該エラーを報知するエラー表示処理を行うようになっている。
【0041】
先ず、操作パネル110から入力される設定データの項目について説明する。
図14は、図12の操作パネルより入力される設定データの内容を示すチャート図、図15は、縫製パターンの各部の長さパラメータを説明する図である。
操作パネル110から入力可能なデータ内容は、同図のパラメータテーブルに示すとおりである。
即ち、縫製パターン各部の長さデータ(図15参照)である布切り長さデータ、メス巾データ、閂止め長さデータ、閂止め巾データ、平行部ピッチデータ、閂止め部ピッチデータ、布切りメス−第1閂止め間すきま長さデータ、布切りメス−第2閂止め間すきま長さデータ、および、メス落ち位置の左右方向のずれ量を示すメス落ち左右位置データ、糸調子器19に張力を付加する上糸張力VCM60の補正値を示すアクティブテンション補正データ、各縫製タイミングにおける糸調子器19の張力データである平行部張力データ、閂止め部張力データ、縫い始め張力データ、縫い終わり張力データ、および、糸切り時張力データ、メスサイズ(布切りメス16の1回の作動による切断長さ)データ、押さえサイズ(Y方向の布押え15のフレーム枠の内径)データ、縫い始めの送り位置を示す縫い始め送り位置データ、縫い始めの基線位置(ミシン針9の針振り運動の基線位置)を示す縫い始め基線位置データ、並びに、布切りメス16の駆動時におけるミシンスピードを示すメス駆動時ミシンスピードデータ等のデータである。
これらのデータが、縫製前に操作パネル110を操作して入力されてRAM102中に記憶される。
【0042】
作業者は、上記設定データを入力し、操作パネル110の縫製キー131をオン操作することで、先ず、入力された設定データに基づく縫製パターンの演算と、布切りメス16の作動タイミングの演算とが行われる。次いで、布をミシンにセットして布押え15を下げ、ペダル等の操作によりスタートレバー54を下ろして押え上げ機構にロックをかける。ロックが掛けられると、スタートスイッチ53Bやラッチ移動検知スイッチ58のセンサ出力により、ロックが掛けられたことが制御装置に伝えられ、ミシンの縫製動作が可能となる。
ミシンモータ5が始動して、演算された縫製パターンに基づいて布押え15と布保持板14がY方向に送られると共に、ミシン針9が針振り動作を行って縫製が行われていく。また、この縫製の最中、演算されたメス駆動タイミングに基づいて布切りメス16が駆動されてボタン穴が開けられる。
【0043】
縫製が完了すると、ミシンモータ5が停止されると共に、終了時ソレノイド57が駆動してラッチ部材56が上げられる(図5参照)。そして、このラッチ部材56の上昇によりスタートレバー54のラッチがはずれ、スタート操作桿52が引き戻されて押え上げ機構のロックが解かれる。この状態になったら、作業者はペダル操作やスイッチ操作などにより鋏み駆動手段を作動させ、上糸切り鋏み80により上糸を切断すると共に、次いで、布押え15が上げられて、1個のボタン穴かがりの縫製が完了する。
【0044】
また、上記の縫製キー131がオン操作されてから1個のボタン穴かがりの縫製が完了するまでの間には、ミシンの制御部により入力データの設定不良や、ミシンの動作不良などが検知され、該検知に基づきミシンの縫製動作を禁止すると共にエラーの内容を表示するエラー表示処理が行われる。
図16には、このエラー表示処理で表示されるエラー内容を示すチャート図を、図17には、エラー表示処理で行われる表示例の図を示す。
制御部により検知されるエラーの内容は、図16の図表に示すとおりである。すなわち、布切りメス16の動作後に該布切りメス16が元の位置(上方位置)に戻らない「布切りメス戻りエラー」、布切りメス16の動作タイミングに該メスが下降しない「布切りメス駆動エラー」、ボタン穴の全長が布切りメス16のメスサイズより小さいか、布押え15の布押えサイズ(布送り方向の内径)よりも大きく設定されている「メスサイズ、押えサイズエラー」、ボタン穴かがりの縫製パターンの端部から該端部側のボタン穴端部までの長さが所定長さ(例えば2mm)よりも短くて、布切りメス16の駆動タイミングが演算できない「メス駆動タイミングエラー」、縫製動作中に押え上げ機構のロックが解除される「ラッチかみ合いエラー」、布切りメス16の作動時に上糸切り鋏み80が動作位置に残ってしまう「上糸切り鋏みエラー」等である。
【0045】
そして、上記エラー内容のそれぞれに対応してエラーナンバー(図16参照)が割り当てられており、図17に示すように、エラーを検知した場合、操作パネル110の表示部140に、エラー発生を示す「Er」の表示と、エラーの内容を示すエラーナンバー(例えば「3」)の表示とが行われる。
エラーが発生してミシンの縫製動作が禁止(停止又は駆動不能)された場合には、作業者は表示部140の表示内容から、何が原因でミシンが駆動しないのかをすぐに究明することができ、ミシンの復旧作業も容易に行える。
なお、上記「メス駆動タイミングエラー」は、図4に示すように、ミシン針9と布切りメス16との間が所定間隔開いていることに起因して起こるものである。即ち、縫製パターンの端部からボタン穴の端部までの距離が上記所定間隔より短い場合、ミシン針9の針落ち位置を縫製パターンの端部よりはみ出させないとボタン穴を開けることができないため、結果として、縫製パターンの演算やメス落ちのタイミング演算が正常に行われずにエラーとなる。
【0046】
以下に、ボタン穴かがりミシン1の制御部により行われる上記エラー表示処理を含んだボタン穴かがり処理の処理手順について詳述する。
【0047】
図18は、ボタン穴かがりミシンの制御部により行われるボタン穴かがり処理のゼネラルフローの処理手順を示すフローチャートである。
このボタン穴かがり処理は、例えば、ボタン穴かがりミシン1の起動とともに開始される。
ボタン穴かがりミシン1が起動すると、先ず、ステップS1,S2において、操作パネル設定処理のサブルーチン処理(ステップS1)を、操作パネル110の縫製キー131がオン操作されるまで高速で繰り返す。この繰り返しの処理により、操作パネル110から図14に示す全てのデータ項目のデータ入力が可能となる。
【0048】
縫製キー131が押されるとステップS3に移行され、該ステップで設定データに基づき縫製パターンの演算や布切りメス16の駆動タイミングを演算する縫製データ作成のサブルーチン処理を行って、ステップS4に移行する。
ステップS4では、例えばRAM102中のエラーフラグを読み込んで、前段のステップでエラーが記録されているか否かを判定して、エラーの記録がなければそのままステップS6に移行し、エラーの記録があればステップS5に移行してエラー表示処理を行いボタン穴かがり処理を中断する。即ち、以降のステップに移行させないことでミシンの縫製動作を禁止とする。
【0049】
エラーがなくてステップS6に移行した場合には、順次、押さえ上昇ソレノイド駆動回路121に布押さえ15を下降させる信号の出力(ステップS6)、Y送りパルスモータ20、基線送りパルスモータ40、針振り送りパルスモータ41を微動して布送り機構と針振り機構の各原点を検索する処理(ステップS7)、ミシン針9を縫い始めの第1針落ち位置の上方に移動する処理(ステップS8)、布押え15を上昇させる処理(ステップS9)を行ってステップS10に移行する。
【0050】
その後、縫製キー131のオン操作が行なわれたかの判定処理(ステップS10)、押さえスイッチ126がオン状態か否かの判定処理(ステップS11)、押え下降検知スイッチ28の検出出力により布押さえ15が上昇中かの判定処理(ステップS12)により、縫製キー131と押えスイッチ126がオン状態で布押えが上昇していることを確認してステップS13に移行する。縫製キー131がオンされればステップS1からの処理に戻り、押えが上昇していなければステップS14で布押え15を上昇させて再び前段の処理を繰り返す。
【0051】
確認の後、ステップS13に移行すると、該ステップで布押え15を下降させ、更に、ステップS15,S16で押えスイッチ126とスタートスイッチ53Bがオン状態にあるか否かを確認し、オン状態であればステップS17に移行する。が、スタートスイッチ53Bがオフであれば、次のステップに移行せずに、確認されるまで前段の処理を繰り返す。
【0052】
ステップS17では,ステップS3の縫製データ作成処理で作成された縫製データに従い、ミシンモータ5を駆動して1個のボタン穴かがりの始めから終わりまでの縫製、布切りメス16の駆動、並びに、各縫製タイミングで糸調子器19に設定された張力を掛ける縫製処理を行い、その後、ステップS18に移行する。
【0053】
ステップS18では、例えばRAM102中のエラーフラグを読み込んで、前段のステップでエラーが記録されているか否かを判定して、エラーの記録がなければそのままステップS19に移行し、エラーの記録があればステップS20に移行してエラー表示処理を行ってボタン穴かがり処理を中断する。
【0054】
その後、順次、アクティブテンションドライバ120への信号出力により糸調子器19に糸切り時張力を掛ける処理(ステップS20)、上糸切り鋏み80を作動させてミシン糸を切断した後、布押さえ15を上昇させる糸切り・押え上げ処理(ステップS21)を行い、更に、ステップS22で布押え15の上昇を確認した後、アクティブテンションドライバ120への信号出力を停止して再びステップS10からの処理を繰り返す。
【0055】
図19には、図18のゼネラルフローのステップS3で行われる縫製データ作成サブルーチンのフローチャートを示す。
このサブルーチンが開始されると、先ず、先の操作パネル設定処理(図18のステップS1)で入力された設定データに反駁がないかをチェックする入力データエラーチェック(ステップS31)を行い、次いで、入力データにエラーがあったか否かの判定処理(ステップS32)を行って、エラーがあればこのサブルーチンを終了してゼネラルフローに戻るが、エラーがなければ、順次、縫製パターンを演算するパターン演算のサブルーチン処理(ステップS33)、布切りメス16の駆動タイミングを演算するメス駆動タイミング演算処理(ステップS34)を実行して、このサブルーチンを終了する。
【0056】
図20には、図19の縫製データ作成サブルーチンのステップS31で行われる入力データエラーチェック処理のフローチャートを示す。
この処理が開始されると、先ず、ステップS41〜S44において、設定データの中から押えサイズ「L0」、メスサイズ「L1」、ボタン穴かがりの全長「L」、ボタン穴の長さである布切り長さ「a」、の各データを読み込んで、ステップS45に移行する。
ステップS45では、設定されたボタン穴かがりの全長「L」が押えサイズ「L0」より長くないかを判定し、長ければステップS47で押えメスサイズエラーのフラグを立てて、このサブルーチンを抜けて図19の縫製データ作成サブルーチンに戻る。一方、短くて正常である場合にはステップS46に移行する。
ステップS46では、メスサイズ「L1」がボタン穴の長さである布切り長さ「a」より長くないかを判定し、長ければステップS47で押えメスサイズエラーのフラグを立てて、このサブルーチンを抜けるが、短ければステップS48に移行する。
【0057】
ステップS48では、設定データから閂止め長さ「c」と布切りメス−第2閂止め間スキマ長さ「h」のデータを得て、これらの和が2mmより短くないか判定する。即ち、縫製パターン端部から該端部側のボタン穴端までの長さが、ミシン針9と布切りメス16との間隔よりも短くないかを判定する。その結果、短かくい場合にはステップS49でメス駆動タイミングエラーのフラグを立てて、このサブルーチンを抜け、短くない場合にはそのままこのサブルーチンを抜けて、図19の縫製データ作成サブルーチンに戻る。
【0058】
図21には、図18のゼネラルフローのステップS17で行われる縫製サブルーチンのフローチャートを示す。
この縫製処理が開始されると、順次、「残糸数」パラメータにパターン演算処理で演算された縫製パターンの総針数を割り当てる処理(ステップS51)、ミシンモータ5を駆動させるミシン起動出力(ステップS52)を行い、ステップS53に移行する。
そして、ステップS53でミシンの状態が回転中になったことを確認し、その後、ミシンの状態が停止するまで、ステップS54〜ステップS65の高速ループ処理を繰り返し、このループ処理の繰り返しの中で実際の縫製処理を行っていく。
【0059】
即ち、ステップS54では、ミシンの回転状態を監視してミシンが停止した場合にこのループを抜ける処理を行う。
ステップS55では、TG発生器118に基づく上軸6の回転角度を監視して、所定の回転角度になったタイミングでステップS56に移行し、該ステップで、Y送りパルスモータ20、基線送りパルスモータ40、針振り送りパルスモータ41を駆動して、演算して得た縫製パターンに従って針落ち位置を移動させていく。つまり、このステップS55,S56の処理により、縫製パターンに従って布が送られ実際の縫製が行われていく。
ステップS57では、針上位置センサ116の出力に基づき針棒8が所定位置より上方に上がった場合に、ステップS58に移行し、該ステップで針数をカウントしていくと共に、針数が布切りメス16の駆動回数「M1」〜「Mn」になった場合に、布切りメス16の駆動処理を行う。
【0060】
ステップS59では、送り基準位置センサ117からの出力により送り基準割り込み信号が入力された場合にステップS60に移行し、該ステップで布送りが基準位置にきた場合の設定処理を行う。
ステップS61では、針数カウントが布切りメス16の駆動回数である場合に、布切りメス16の駆動チェックを行う。
ステップS62では、スタートスイッチ53Bからの検出出力に基づき布押え15の上昇機構のロックが外れていないかチェックして、外れている場合に、順次ラッチかみ合いエラーのフラグを立てる処理(ステップS63)、ミシンモータ5を停止する処理(ステップS64)を行う。
【0061】
ステップS65では、ハサミ前後検知スイッチ98の検出出力に基づき上糸切り鋏み80がミシン針9の針落ち位置近傍に来てないことを確認し、来ていた場合に、順次上糸切り鋏みエラーのフラグを立てる処理(ステップS66)、ミシンモータ5を停止する処理(ステップS67)を行って、ステップS54に移行しこのサブルーチンを抜ける。
つまり、このステップS63,S66の処理でエラーフラグが立てられた上で、図18のゼネラルフローに戻った場合に、ステップS18のエラー判定処理でエラーと判定されて、エラー表示処理が実行されることになる。
【0062】
図22は、図21の縫製サブルーチンのステップS58で行われる針上位置割込処理の処理手順を示すフローチャートである。
この針上位置割込処理では、先ず、残りの針数を示す残針数パラメーターに「1」ディクリメントする処理(ステップS81)、縫い始めからの針数を示す針数パラメータに「1」インクリメントする処理(ステップS82)を順次行って、ステップS83に移行する。
ステップS83では、残針数パラメータが「0」になったか否かを判定し、「0」になった場合にミシン停止の出力(ステップS84)を行い、「0」でない場合にはステップS85のメス駆動処理のサブルーチンを行って、図21の縫製処理に戻る。
【0063】
図23は、図22の針上位置割込処理のステップS85で行われるメス駆動処理の処理手順を示すフローチャートである。
このメス駆動処理に移行すると、先ず、ステップS91〜ステップS103において、布切りメスの駆動タイミングであるメス駆動針数(「M1」〜「Mn」)に近づいたときに、布切りメスの駆動に掛かるタイムラグを制御するために、ミシンスピードを下げたり、ミシンスピードに応じて布切りメス16を始動するタイミングを補正(針数「α」早める補正)したりする。
そして、ステップS104において、布切りメス16を始動するタイミングになっていなければ、このサブルーチンを抜けるが、上記タイミングになっていれば、布切りメス16を始動させるべくステップS105に移行する。
【0064】
ステップS105では、ハサミ左右検知スイッチ99の検知出力に基づき、上糸切り鋏み80がメス落ち位置の近傍に寄っていないか判定し、寄っていなけれステップS108に移行して、布切りメスを下降させる布切りメス下降サブルーチン処理を行い、次のステップS109で布切りメス16の駆動回数を示すパラメータ「n」を「1」インクリメント更新して、このサブルーチンを抜ける。
しかし、ステップS105の判定処理で、上糸切り鋏み80がメス落ち位置の近傍に寄っていると判定された場合には、ステップS106で上糸切り鋏みエラーのフラグを立て、更に、ステップS107でミシンモータ5の回転を停止する出力を行って、このサブルーチンを抜ける。
【0065】
図24は、図23のメス駆動処理のステップS108で行われる布切りメス下降処理の処理手順を示すフローチャートである。
この処理が開始されると、先ず、ステップS111で布切りメス下降シリンダ駆動回路123に布切りメス下降シリンダ75を駆動させる信号を出力してステップS112に移行する。
その後、順次、メス駆動中の布切りメス16の動作チェック用パラメータである布切りメスカウンタに布切りメス16の下降時間分のカウント値を出力する処理(ステップS112)、布切りメスカウンタを起動させる処理(ステップS113)、布切りメス16の動作状態を示す布切りメス下降フラグに下降中を示す「1」を記録する処理(ステップS114)を行って、このサブルーチンを抜け、図23のメス駆動処理に戻る。
【0066】
図25には、図21の縫製サブルーチンのステップS61で行われる布切りメスカウンタ割込処理のフローチャートを示す。
この処理に移行すると、先ずステップS121〜S123において、布切りメスカウンタの更新(「1」デクリメント)と、布切りメスカウンタのカウント値に応じた分岐処理を行う。即ち、布切りメスカウンタが既に「0」であった場合には何も行わずにこのサブルーチンを抜け、布切りメスカウンタに「0」以外の値があれば上記カウンタの更新を行い、更新後も「0」になってなければ、そのままこのサブルーチンを抜け、更新後「0」であればステップS124に移行する。
つまり、図24の布切りメス下降処理で布切りメス16の下降が開始された後、下降しきるまでカウントが繰り返され、下降しきったところでステップS124に移行する。或いは、下記の処理で布切りメス16の上昇出力が行われた後、上昇しきるまでカウントが行われ、上昇しきったところでステップS124に移行する。
【0067】
ステップS124では、布切りメス16の駆動が正しく行われているかをチェックするメス駆動チェック処理を行ってステップS125に移行する。
ステップS125では、布切りメス16の動作状態を示す布切りメス下降フラグが上昇中であることを示す「2」であるか否かを判定し、そうであれば布切りメス16が上昇しきったと判断して、順次、布切りメスカウンタを停止する処理(ステップS126)、布切りメス下降フラグに停止中を示す「0」を記録してこのサブルーチンを抜ける。
一方、ステップS125の判定処理で、「2」でなく布切りメス16が下降しきった状態であると判断された場合には、順次、布切りメス16を上昇させる出力(ステップS128)、布切りメスカウンタを一旦停止する処理(ステップS129)、布切りメスカウンタにメス上昇にかかるカウント値を入れる処理(ステップS130)、布切りメスカウンタを起動する処理(ステップS131)、布切りメス下降フラグに上昇中を示す「2」を記録する処理(ステップS132)を行ってこのサブルーチンを抜ける。
【0068】
図26には、図25の布切りメスカウンタ割込処理のステップS125で行われるメス駆動チェックサブルーチンのフローチャートを示す。
この処理が開始されると、先ず、ステップS141でメス下降出力中か上昇出力中かを判別され、下降出力中であれば、ステップS142においてメス下降検知スイッチ34の検知出力に基づき布切りメス16が正常に下降しているかを確認し、一方、上昇出力中であれば、ステップS143においてメス下降検知スイッチ34の検知出力に基づき布切りメス16が正常に戻っているかを確認する。
【0069】
そして、ステップS142又はステップS143の確認処理で正常と判定された場合には、そのままこのサブルーチンを抜けるが、ステップS142の確認処理で布切りメス16が下降していなかった場合には、布切りメス16の動作不良として、順次、メス駆動エラーのフラグを立てる処理(ステップS144)、ミシンモータ5を停止させる出力(ステップS146)を行ってこのサブルーチンを終了する。また、ステップS143の確認処理で布切りメス16が上昇していなかった場合には、布切りメス16の動作不良として、順次、メス戻りエラーのフラグを立てる処理(ステップS145)、ミシンモータ5を停止させる出力(ステップS146)を行ってこのサブルーチンを終了する。そして、図25の布切りメスカウンタ割込み処理の次のステップに移行する。
【0070】
図27は、図18のゼネラルフローのステップS5,S20で行われるエラー表示サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
この処理は、図20の入力データエラーチェック処理中、押えメスサイズエラー或いはメス駆動タイミングエラーのフラグが立てられて、ゼネラルフローのエラー判定処理(図18:ステップS4)でエラーと判定された場合に呼び出される。
或いは、図21の縫製処理中、ラッチかみ合いエラー或いは上糸切り鋏みエラーのフラグが立てられてミシンが停止した場合、図23のメス駆動処理中、上糸切り鋏みエラーのフラグが立てられてミシンが停止した場合、図26のメス駆動チェック処理中、メス駆動エラー又はメス戻りエラーのフラグが立てられてミシンが停止した場合に、ゼネラルフローのエラー判定処理(図18:ステップS18)でエラーと判定されて呼び出される。
エラー表示サブルーチンが開始されると、順次、エラーフラグの種類から発生したエラーに対応するエラーナンバー(図16参照)を取得する処理(ステップS151)、操作パネル110の表示部140にエラー発生を報知する「Er」の表示と、エラーの内容を示すエラーナンバー(例えば「3」)の表示を行う。このエラー表示が呼び出された場合には、ゼネラルフロー(図18)中でこのエラー表示処理が繰り替えされるので、上記エラー表示を行ったまま、ボタン穴かがり処理が中断される。
【0071】
以上のように、この実施の形態のボタン穴かがりミシン1の制御装置によれば、図21の縫製処理のステップS65で縫製中に上糸切り鋏み80が針落ち位置に近接した場合に自動的にミシンの縫製動作が禁止されるので、従来、作業者がいちいち目視により上糸切り鋏み80が待機位置に戻っているか確かめる必要があったのに対して、本発明では、この確認作業を必要とせず作業者の負担を軽減することが出来る。
【0072】
また、図27のエラー表示処理により、ミシンの動作不良や縫製パターンの設定不良により、ミシンの縫製動作が禁止(停止又は稼動不能)となった場合に、操作パネル110の表示部140にエラーの内容を示す表示が行われるので、作業者は、何が原因でミシンの縫製動作が禁止になったのかすぐに究明でき、ミシンの復旧作業を手早く行い、縫製作業の効率を上げることが出来る。
【0073】
なお、本発明のミシンの制御装置およびボタン穴かがりミシンの制御装置は、この実施の形態に示された制御装置に限られず、例えば、上糸切り鋏みの位置を検出するセンサーの取り付けられる個所は変更可能であるし、また、例えば上糸切り鋏みの移動が1次元的に行われるタイプのものであれば、センサーの数は2個でなく1個でも十分に役割を果すことが出来る。また、この実施の形態では、ミシンとしてボタン穴かがりミシンを挙げて説明してきたが、上糸切り鋏みの動作不良の検知および報知、布切りメスの動作不良の報知、押え上げ機構をロックするロック機構(押え抑止手段)の動作不良の報知は、ボタン穴かがりミシンに限られず、その他の種類のサイクルミシン、或いは通常のミシンにも適用可能である。
【0075】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ボタン穴の布切り長さ( a )を、前記布切りメスのメスサイズ( L1 )より小さく設定してしまったり、或いは、ボタン穴かがりの全長( L )が前記布押え(15)の内径より大きく設定してしまって、ミシンの縫製動作が禁止された場合でも、報知手段からのメスサイズエラー報知、押えサイズエラー報知の表示により、何が原因でミシンの縫製動作が禁止になったのかすぐに究明することが出来る。従って、ミシンの復旧作業が手早く済み、縫製作業の効率を上げることが出来る。
また、請求項2及び3記載の発明によれば、ミシンの動作不良や縫製パターンの設定不良により、ミシンの縫製動作が禁止(停止又は稼動不能)となった場合でも、報知手段からのエラー報知により、何が原因でミシンの縫製動作が禁止になったのかすぐに究明することが出来る。従って、ミシンの復旧作業が手早く済み、縫製作業の効率を上げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の制御装置が備わるボタン穴かがりミシンの概観を示す斜視図である。
【図2】布押えとボタン穴かがりの縫製パターンとの配置関係を示す上面図である。
【図3】同、ボタン穴かがりミシンに備わる布切り手段の構成を示す斜視図である。
【図4】布切りメスとミシン針と配置関係を説明するための側面図である。
【図5】同、ボタン穴かがりミシンの布押え、押え上げ機構および押えロック機構を示す透視図である。
【図6】同、ボタン穴かがりミシンに備わる上糸切り鋏みの概略構成を示す斜視図である。
【図7】同、上糸切り鋏みが待機位置にいる状態を示す側方図である。
【図8】同、上糸切り鋏みが待機位置にいる状態を示す上面図である。
【図9】同、上糸切り鋏みが待機位置にいる状態をミシン面部側から眺めた図である。
【図10】同、上糸切り鋏みが動作位置にいる状態を示す上面図である。
【図11】同、上糸切り鋏みが動作位置にいる状態をミシン面部側から眺めた図である。
【図12】図1のボタン穴かがりミシンに備わる操作パネルを示す図である。
【図13】同、ボタン穴かがりミシンの回路構成を示すブロック図である。
【図14】図12の操作パネルより入力される設定データの内容を示すチャート図である。
【図15】縫製パターンの各部の長さパラメータを説明する図である。
【図16】エラー表示処理で表示されるエラー内容を示すチャート図である。
【図17】エラー表示処理で行われる表示例を示す図である。
【図18】ボタン穴かがりミシンの制御部により行われるボタン穴かがり処理のゼネラルフローの処理手順を示すフローチャートである。
【図19】図18のゼネラルフローのステップS3で行われる縫製データ作成サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図20】図19の縫製データ作成サブルーチンのステップS31で行われる入力データエラーチェック処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】図18のゼネラルフローのステップS17で行われる縫製サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図22】図21の縫製サブルーチンのステップS50で行われる針上位置割込処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図23】図22の針上位置割込処理のステップS85で行われるメス駆動処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図24】図23のメス駆動処理のステップS108で行われる布切りメス下降処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図25】図21の縫製サブルーチンのステップS61で行われる布切りメスカウンタ割込処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】図25の布切りメスカウンタ割込処理のステップS125で行われるメス駆動チェックサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図27】図18のゼネラルフローのステップS5,S20で行われるエラー表示サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ボタン穴かがりミシン
9 ミシン針
14 布保持板
15 布押さえ
16 布切りメス
31 メス取付け板(布切り手段を構成)
34 メス下降検知スイッチ(メス下降検出手段)
35 駆動アーム(布切り手段を構成)
36 メス駆動アーム(布切り手段を構成)
37 メス駆動フック(布切り手段を構成)
41 押え棒(押え上げ手段)
42 回動アーム(押え上げ手段)
43 第2リンク(押え上げ手段)
44 回動アーム(押え上げ手段)
45 第1リンク(押え上げ手段)
47 ペダルリンク部材(押え上げ手段)
51 係止部材(押え上げ抑止手段)
52 スタート操作桿(押え上げ抑止手段)
53B スタートスイッチ(ラッチ検出手段)
54 スタートレバー(押え上げ抑止手段)
56 ラッチ部材(押え上げ抑止手段)
57 終了時ソレノイド(押え上げ抑止手段)
58 ラッチ移動検知スイッチ(ラッチ検出手段)
75 布切りメス下降シリンダ(布切り手段を構成)
80 上糸切り鋏み
81 鋏みレバー
83 連結軸
85 鋏みアーム
98 ハサミ前後検知スイッチ(鋏み位置検出手段)
99 ハサミ左右検知スイッチ(鋏み位置検出手段)
100 CPU(演算手段、制御手段)
110 操作パネル(設定入力手段)
140 表示部(報知手段)

Claims (3)

  1. 被縫製物上に布切りメスを下降させて被縫製物にボタン穴を開ける布切り手段と、縫目の形成個所を囲むフレーム枠を有し、該フレーム枠で被縫製物を押さえて保持すると共に、布送り方向に移動して被縫製物を送る布保持手段としての布押え(15)とを備えたボタン穴かがりミシンの制御装置において、布切りメスで形成するボタン穴の穴切り長さデータ( a )と、メスサイズデータ( L1 )、押えサイズデータ( L0 )、を含むボタン穴かがり縫製パターンを設定する設定入力手段と、前記ボタン穴かがり縫製パターンの設定値を読み込み、ボタン穴かがりの全長( L )が押えサイズ( L0 )より長くないか、及び、メスサイズ( L1 )がボタン穴の布切り長さ( a )より長くないかを判断し、いずれか一方が適正ではないときミシンの起動を禁止すると共に、報知手段からボタン穴の設定不良に関するメスサイズエラー報知、押えサイズエラー報知を表示する制御手段と、を備えたことを特徴とするボタン穴かがりミシンの制御装置。
  2. 縫製中に、被縫製物上に布切りメスを下降させて被縫製物にボタン穴を開ける布切り手段としての布切りメス(16)と、ボタン穴の開口位置を含むボタン穴かがりの縫製パターンを設定する設定入力手段と、前記設定入力手段による設定データから、布送り方向に見て、閂止め長さ(c)と、布切りメス−第2閂止め間スキマ長さ(h)の和を演算する演算手段と、前記演算手段による和が、ミシン針(9)と布切りメス(16)との間隔より短い場合に、ミシンの縫製動作を禁止すると共に、報知手段から布切りメスの駆動位置不良に関するエラー報知を行う制御手段とを備えたことを特徴とするボタン穴かがりミシンの制御装置。
  3. 被縫製物を押さえて保持する布押えと、該布押えを上昇させて被縫製物の保持を解く押え上げ手段と、前記押え上げ手段に係止可能な係止部材を有し、ミシンの縫製動作中に前記係止部材の係止により該押え上げ手段の作動を抑止する押え上げ抑止手段とを備えたミシンの制御装置であって、前記係止部材が前記押え上げ手段に係止されていることを検出するラッチ検出手段と、前記ラッチ検出手段の検出出力に基づき、ミシンの縫製動作中に前記係止部材の係止がはずれた場合に、ミシンの縫製動作を禁止すると共に、報知手段から係止部材の係止不良に関するエラー報知を行う制御手段とを備えたことを特徴とするミシンの制御装置。
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