JP4598315B2 - ボタン穴かがりミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン穴を形成するための布切り装置を有するボタン穴かがりミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
被縫製物に対してボタン穴を形成するとともに、その周囲にかがり縫いを施すボタン穴かがりミシンが知られている。ボタン穴かがりミシンでは、布押え等によって保持した被縫製物を布送り機構により所定の方向に送りながらミシン針に通された上糸と、釜装置内のボビンに巻かれた下糸とを絡めて、縫い目を形成するようになっている。そして、穴かがり縫い目の縫製に前後して、上側のメスを下側のメス受けに向かって下降させることで、被縫製物を切開してボタン穴を形成するようになっている。
【0003】
ところで、縫製動作中に糸切れが発生した場合、糸切れ検知装置により、糸切れが検出される。そして、制御回路が糸切れ検知装置から出力された検出信号を受けて、ミシンの運転が停止する。
例えば図12に示すように、P1地点で上糸または下糸に糸切れが発生した場合、糸切れを糸切れ検知装置が感知して、 実際にミシンが停止するまで数針間かかる。その間に、ミシン針はP1地点からP2地点を通過し、さらにP3地点に位置した時点でミシンが完全に停止する。
そして、P2地点をミシン針が通過するとメスが駆動し、まだ縫製していない部分を切開しボタン穴H1を形成してしまう。
また、糸切れの発生以外の何らかの理由により、作業者が一時停止スイッチを押してミシンを停止させようとした場合でも同様の事態が起こり得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、このような場合には、再度縫い直しを行なうが、この際、糸切れが発生したP1地点以前から縫い直す必要がある。しかし、すでにメスが駆動し、ボタン穴H1を形成しているため、この状態で、作業者が再度縫製しようとしても被縫製物が上下に暴れてしまい、きれいに仕上げることが困難であった。
また、生地の暴れを防止するため、一度ミシンから生地をはずして、ボタン穴を手で縫ってから再度ミシンにセットをする方法があるが、縫い直しを開始する位置合わせに手間がかかり、また熟練を要した。
【0005】
本発明の課題は、ボタン穴かがりミシンにおいて、ボタン穴を形成した状態でも、きれいに、しかも簡単に縫い直すことを可能とすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、 請求項1記載の発明は、 ボタン穴H1の左右側縫いが一部形成されると、中央に布切りメス16を落として所定の長さのボタン穴を形成し、かがり縫いを行なうボタン穴かがりミシン1において、
布切りメスが動作したことを検出するメス検出手段(CPU111)と、上糸が切れたことを検出する糸切れ検出手段(糸切れ検知装置129)と、糸切れ検出手段によって上糸が切れたことが検出されるとミシンを停止する糸切れ制御手段(CPU111)とを備え、布切りメスの動作後、上糸が切れてミシンが停止した際には、布切りメスで開口したボタン穴を跨ぐようにジグザグ縫いする縫い合わせを可能としたことを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、ボタン穴かがり縫いの途中で糸切れが発生した際、被縫製物をミシン台にセットした状態で、ボタン穴を跨ぐようにジグザグ縫いを行なうので、作業者がミシンから生地をはずしてボタンホールを手で縫ってから再度ミシンにセットする必要がなく、きれいに、しかも簡単に縫い直すことができるとともに、時間的短縮を図ることが可能である。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のボタン穴かがりミシンであって、ジグザグ縫いの幅を設定する設定手段(操作パネル100)を設け、縫い合わせを設定した幅で行なうことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、 請求項1と同様の効果を得られると共に、ボタン穴の長さに応じて適切なジグザグ縫い幅を設定することができるので、被縫製物の暴れを確実に押さえることができる。例えば、ボタン穴が長く開口されている場合は、ジグザグ縫い幅を広くし、これに対しボタン穴が短く開口されている場合は、ジグザグ縫い幅を狭くすることができる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のボタン穴かがりミシンであって、設定手段は、ジグザグ縫いの幅を往復で独立に設定可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、縫い合わせのジグザグ縫い幅を往復で別々に設定できるので、例えば往路でジグザグ縫い幅を広くし、布押さえの長孔に囲まれた被縫製物全体を押さえる一方、復路ではジグザグ縫い幅を狭くし、ボタン穴の周縁を押さえることができるので、請求項2と同様の効果が得られる。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のボタン穴かがりミシンであって、ジグザグ縫いのピッチを往復で独立に設定するピッチ設定手段(操作パネル100)を設け、縫い合わせを設定したピッチで行なうことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、縫い合わせのジグザグ縫いピッチを往復で別々に設定できるので、例えば往路で大きなピッチとし、布押さえの長孔に囲まれた被縫製物全体を押さえる一方、復路では小さなピッチにし、ボタン穴の周縁を押さえることにより、より効果的に被縫製物を押さえることができる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1記載のボタン穴かがりミシンであって、張力設定手段(操作パネル100)を備え、縫い合わせを設定した張力で行なうことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、作業者が張力測定装置や工具を用いることなく、予め設定された値により自動的に糸張力を変更でき、また、生地の種類や厚さ等に合わせて糸張力を設定することができ、被縫製物を効果的に押さえることができるので、生地の暴れを防ぐことができる。なお、縫い合わせ時の糸張力は、幅やピッチを大きくする場合には強めに設定する。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1から5の何れかに記載のボタン穴かがりミシンであって、縫い合わせの終了を判別すると、一旦停止し、再スタート時の縫いパターンを元のかがり縫いと同じにすることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、縫い合わせ終了時にミシンが停止することで、縫い合わせの状態を作業者が確認できるので、縫い合わせの不具合があった場合は再度、縫い合わせを行なうことができる。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1から6の何れかに記載のボタン穴かがりミシンであって、縫い合わせを、布切りメスで切断した位置に関連して開始し、かつ、自動停止することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、糸切れ位置近傍の布切りメスで切断された部分のみの縫い合わせを行なうことができるので、縫い合わせ時間の短縮ができ、また切断された部分のみ縫い合わせを行なうので、かがり縫いの完成時に見栄えがよくなる。
【0020】
請求項8記載の発明は、 請求項6記載の穴かがりミシンであって、縫い合わせ終了後、ボタン穴のかがり縫いの再開位置を縫い始めから行なうか、途中から行なうかを選択する再開位置選択手段(操作パネル100)を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、縫い合わせ終了後に作業者が、かがり縫いを始めの位置から縫い直すのか、糸切れが発生した近傍から縫い直すのかを選択できるので、状況に応じた対処を行なうことができる。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項1から8の何れかに記載のボタン穴かがりミシンであって、糸切れ制御手段によるミシン停止、または布切りメスの動作後の糸切れを受けて操作された一時停止手段(一時停止スイッチ106)によるミシン停止時に、縫い合わせを行なうか否かを選択する縫い合わせ選択手段(縫い合わせ操作部105)を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の発明によれば、糸切れによるミシン停止のほかに、作業者が何らかの理由により、一時停止ボタンを押した場合でも縫い合わせを行なうか否かの選択ができるので、例えば、予め縫い合わせの設定を行なっていなくとも、この一時停止ボタンに応じて、縫い合わせの設定を行なうことも可能である。
【0024】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のボタン穴かがりミシンであって、縫い合わせ選択手段は、糸切れ制御手段によるミシン停止、または一時停止手段によるミシン停止時に表示する表示手段(縫い合わせ操作部105)と、押圧可能な押圧手段(縫い合わせ設定キー105a)とを備え、押圧手段が押された際には、設定手段(操作パネル100)にてジグザグ縫いの設定を可能としたことを特徴とする。
【0025】
請求項10記載の発明によれば、糸切れ制御手段によるミシン停止、または一時停止手段によるミシン停止時に、操作パネル上の縫い合わせ操作部に表示されるので、作業者は糸切れを知ることができ、また、縫い合わせ操作部の縫い合わせ設定キーを押すことで、予め縫い合わせの設定を行なっていなくとも縫い合わせの設定を行なうことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の一例としてのボタン穴かがりミシン1は、図1および図2に示すように、ベッド部2と縦胴部3とアーム部4とからなる。該ミシン1は、昇降動作と左右への針振り動作を行うミシン針9、布(被縫製物)を押さえる布押え15、その下側で布を保持すると共に布送り方向(Y方向)に前後動する布送り板14、布押え15の上側で上糸を切断する上糸切断装置80、布を切断してボタン穴H1を形成する布切りメス16、各設定データ等の入力を行う入力手段としての操作パネル100(図5)、並びに、該ボタン穴かがりミシン1を制御する制御回路110(図4)等を備えてなる。
【0027】
布押え15および布送り板14は、両者で布を挟んで保持すると共に、Y送り駆動手段13により駆動されて、前後方向(Y方向)に布を送るようになっている。図2に示すように、布押え15は、布送り部材23に連結された連結アーム24に固定される一方、布送り板14は布送り部材23に直接連結されている。この布送り部材23は、ラック22aを有する送り軸22に固定されており、Y送りパルスモータ20が回転するとピニオン20aを介して駆動されて、布押え15と布送り板14とを前後動させる。すなわち、Y送りパルスモータ20、送り軸22、布送り部材23、連結アーム24によりY送り駆動手段13が構成される。
布押さえ15は、押え上げソレノイド127に連結されており、該ソレノイド127がONになると上側を向き布地を開放する状態になり、ソレノイド127がOFFになると下側を向き布地を狭持できる。
【0028】
ミシン針9を昇降させる昇降機構は、図2と図3に示すように、上軸(主軸)6、ミシンモータ5、クランクカム7等から構成され、ミシンモータ5の回転駆動をクランクカム7により昇降運動に変換して針棒8に伝達することで、ミシン針9を昇降運動させる。上軸6は、傘車10a,10bを上下端に配した連結軸10を介して下軸11とリンクしており、該下軸11に連結された釜12と連動するようになっている。
【0029】
ミシン針9を左右に振る針振り機構は、ある基線を原点として所定の振り幅でミシン針9を振る主針振り機構と、この針振り幅を変更する振り幅変更機構、並びに、前記基線を左右方向に変更する基線変更機構等から構成される。
【0030】
図3に示すように、主針振り機構は、針棒揺動台18、針振り腕49、連結軸48、連結レバー47、針振りカムレバー46、三角カム35、ギヤ42a、42b等から構成され、上軸6の回転運動を三角カム35に伝達することで、針振りカムレバー46を所定の振り幅で揺動させ、この揺動を伝達して針棒揺動台18を支点18aを中心に回動させることでミシン針9を左右方向に振るようになっている。主針振り機構では、ミシン針9が一回目に降りるタイミングで針棒8を基線上にもって行き、2回目に降りるタイミングで針棒8を基線から所定の振り幅量の位置にもって行くようになっている。
【0031】
振り幅変更機構は、針振り送りパルスモータ41の回転により、リンク36、37、連結リンク45を介して、針振りカムレバー46の振り幅量を変更することでミシン針9の振り幅量を変更する。
基線変更機構は、基線送りパルスモータ40の回転により、基線変更用レバー43を支点43aを中心に回動させて、基線用レバー44の支点44aの位置を変更する。支点44aは、針振りカムレバー46の揺動運動の原点を決定しているもので、支点44aの位置が変わることで、連結リンク45を介して、針振りカムレバー46の揺動運動の原点が変わり、ミシン針9の針振りの基線位置を変更する。
【0032】
図4には、ボタン穴かがりミシン1の制御回路110の概略ブロック図を示す。
制御回路110は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、各パルスモータの駆動を行うY送りパルスモータドライバ114、基線送りパルスモータドライバ115、および針振り送りパルスモータドライバ116、上糸切りハサミアクチュエータ(ソレノイド76)を駆動する上糸切りハサミアクチュエータドライバ117、ミシンモータ5の駆動制御を行うミシンモータドライバ119、押え上げソレノイド127を駆動制御する押え上げソレノイドドライバ126、布切りメス16を下降させる布切りメス下降シリンダ19を駆動するシリンダドライバ120、上糸または下糸の糸切れを検知する糸切れ検知装置(糸切れ制御手段129)等から構成される。
【0033】
上記ミシンモータドライバ119には、ミシンモータ5の他、ミシンモータ5の回転量を上軸6の回転角度としてコード化するミシンモータエンコーダ121、ミシン針9が上方位置にあることを検出する針上位置センサ122、上軸6の回転速度を検出するTG(タコジェネレーター)発生器123等が接続されている。
さらにCPU111には、後述する操作パネル100や布押え15の上昇・下降を指示する押えスイッチ124、並びに、ミシンモータ5の駆動スタートを指示するスタートスイッチ125、ミシンモータ5の停止を指示する一時停止スイッチ(一時停止手段106)等が接続されている。
【0034】
CPU111は、RAM102の所定領域を作業領域として、ROM112に記憶されている制御プログラムに従い、操作パネル100からのデータや、接続された各種センサーからの検出信号に基づいて、各ドライバを介して各駆動部の制御を行う制御手段である。
本発明では、糸切れを電気的な接触により感知する糸切れ検知装置129を備え、この糸切れ検知装置129からの検出信号をCPU111が検知し、ミシンモータドライバ119を制御してボタン穴かがりミシン1を停止させる。
また、糸切れ発生時に、糸切れ検知装置129からの検出信号をCPU111が検知した後、さらにシリンダドライバ120において、布切りメス16が駆動したことをCPU(メス検出手段)111が検知すると、開口したボタン穴H1を跨ぐように、縫い合わせを行なう。
ROM112には、操作パネル100からの入力処理や、操作パネル100を介して入力された各種縫製データに基づいてボタン穴かがり縫製のための制御データ(縫い始めから縫い終わりまでの全ての針落ち位置など)を演算する演算処理、演算された制御データに従って縫製動作を行わせる縫製処理等が含まれる制御プログラムが記憶されている。
ROM112には、図6で示すデータ項目のそれぞれに対応して、設定可能なデータ値の範囲、後述するマイナスキー103bとプラスキー103cの1操作で増減し得るデータの単位値、標準のデータ値等が、記憶されている。
さらに、ROM112には、所定の形状パターンのボタン穴かがり縫いを縫うために、図6の全てのデータ値(No.1〜No.25)について設定されているパターンが複数記憶されている。
RAM113は、CPU111の作業領域となるとともに、操作パネル100を介して入力されたボタン穴かがり縫目の各種データを記憶する本発明の記憶手段となる。
【0035】
図5には、ボタン穴かがりミシン1に備わる操作パネル(設定手段、ピッチ設定手段、張力設定手段、再開位置設定手段)100を示す。
操作パネル100は、各種の縫製パラメーターを設定入力したり、設定値の表示出力や縫製制御上のエラーの表示出力を行ったりするもので、例えば、ボタン穴かがりミシン1が載置されるミシン台上に設けられる。
操作パネル100には、スタート操作部101、ナンバー操作部102、データ値入力操作部103、モード切替操作部104、一時停止スイッチ106及び縫い合わせ操作部(縫い合わせ選択手段105)が設けられている。
スタート操作部101には、作業者が縫製準備が整った旨及び再設定する旨を入力するための準備キー101aと、その状態を表示するLED(Light Emitting Diode)などからなる表示部101bとが設けられている。
【0036】
ナンバー操作部102には、ナンバー表示部102a、ダウンキー102bおよびアップキー102cが設けられている。ナンバー表示部102aは、2桁の7セグメント表示器からなり、データ値を入力するデータ項目のナンバーやパターンナンバーを表示する。
ダウンキー102bおよびアップキー102cは、データ項目のナンバーやパターンナンバーを1つずつずらすキーであり、ダウンキー102bは1つ繰り下げるキー、アップキー102cは1つ繰り上げるキーである。データ項目の内容については後に詳述する。
【0037】
データ値入力操作部103には、データ値表示部103a、マイナスキー103b、プラスキー103cが設けられている。データ値表示部103aは、4桁の7セグメント表示器からなり、各データ項目のデータ値を表示する。マイナスキー103bとプラスキー103cは、データ値を所定の単位値ずつ増減させるキーである。後述するように各データ項目毎に所定の単位値と設定可能範囲とが決められており、マイナスキー103bを押すとデータ値が単位値ずつ小さくなっていき、プラスキー103cを押すとデータ値が単位値ずつ大きくなっていく。
【0038】
モード切替操作部104には、パターンナンバーの設定モードに切り替えるパターンナンバキー104aと、データ入力モードに切り替えるデータキー104bとが設けられている。パターンナンバキー104aおよびデータキー104b上には、それぞれLEDなどの表示器104c、104dが設けられており、これらの点灯によりパターンナンバー設定モードかデータ入力モードかを作業者に知らせることが出来るようになっている。
作業者は、まず、パターンナンバーキー104aを操作して所望のパターンナンバーを、図6のパターンNo.1、2、3、4…の中から選択し、次いでデータキー104bを操作して各データ項目を選択し、データ値入力操作部103においてデータ値を設定・変更する。なお、パターンナンバーを選択することで、そのパターンごとに予めデータ値が設定されているので、そのデータ値でよい場合には変更する必要はない。
【0039】
図8に示すように、P1地点にて糸切れが発生し、糸切れ検知装置129からの検出信号をCPU111が検知した後、ミシンが停止する。その間に、ミシン針9がP2地点を通過してP3地点まで到達する。そして、ミシン針9がP2地点を通過すると、布切りメス16が駆動して、まだ縫製していない部分を切開してボタン穴H1が形成される。この、ボタン穴H1を形成した場合、かがり縫いを再開する前に、切開されたボタン穴H1を跨ぐように縫い合わせを行なう。
後述する図6のデータテーブルに示す、No.18の設定では糸切れ後、自動的に縫い合わせを行なうか、糸切れ後、縫い合わせのデータ値の設定を行なった後に縫い合わせを行なうかを選択する。
例えば、糸切れ後に縫い合わせの設定を行なう場合、縫い合わせのデータ値を操作パネル100上で入力する。本発明では操作パネル100上に縫い合わせ操作部105を設け、この縫い合わせ操作部105の縫い合わせ設定キー105aを押すことにより、ナンバー操作部102及びデータ値入力操作部103で縫い合わせのデータ値の設定を可能とする。
また、縫い合わせ操作部105は液晶パネルからなり、予め自動縫い合わせ機能が選択されていない場合による停止、または作業者が一時停止スイッチを押した場合にのみ縫い合わせ操作部105が表示する。
なお、予め縫い合わせのデータ値を入力している場合でも、縫い合わせ設定キー105aを押すことにより、縫い合わせのデータ値の変更が可能である。
また、縫い合わせ設定キー105a上には、LEDなどの表示器105bが設けられており、予め縫い合わせが設定されている場合には、表示器105bが点灯し、縫い合わせが設定されていない場合には、表示器105bは点灯していない状態である。このように、表示器105bの点灯の有無により縫い合わせの自動設定モードか手動設定モードかを作業者に知らせることが出来るようになっている。また、本実施例では縫い合わせ操作部105のみ液晶パネルとしているが、操作パネル100全体を液晶パネルとし、操作部はタッチパネルとしても良い。
【0040】
一時停止スイッチ106は、作業者が縫製時に何らかの不具合が生じた場合に押され、一時停止スイッチ106が押されることにより、ボタン穴かがりミシン1が停止する。また、この一時停止スイッチ106を押した場合にも、縫い合わせの設定を行なうことができる。
【0041】
ここで、操作パネル100から入力可能で、ボタン穴かがり縫目の形状・大きさなどを決定する縫製データの種類と内容について説明する。
図6には、操作パネル100から入力可能なデータ項目を示すデータテーブルを、図7には、図6の各データ項目が、ボタン穴かがり縫いのどの部分の長さを表すかを説明する図を示す。図7には、ボタン穴かがり縫目u0の各部に、データ項目名とデータナンバーを記載している。
【0042】
ボタン穴かがり縫目u0に関して、操作パネル100から入力可能なデータ項目は、図6のデータテーブルに示すとおりである。
即ち、データナンバー1〜16は、ボタン穴H1の長さである布切り長さデータ(ボタン穴溝u1の長さ)、メス溝右幅データ(ボタン穴溝u1と右側縫い部u2の左端との距離)、メス溝左幅データ(ボタン穴溝u1と左側縫い部u2の右端との距離)、かがり幅データ(側縫い部u2の左右幅長)、閂止め長さデータ(閂止め部u3の縦長さ)、すきま長さデータであるすきまデータ(上閂止め部u3の下端とボタン穴溝u1の上端との距離)および第2すきまデータ(下閂止め部u3の上端とボタン穴溝u1の下端との距離)、平行部ピッチデータ(側縫い部u2の2針間の縦方向の距離)、閂止め部ピッチデータ(閂止め部u3の2針間の縦方向の距離)、閂止め幅右補正データ(閂止め部u3の右端と右側縫い部u2の右端とのずれ長さ)、閂止め幅左補正データ(閂止め部u3の左端と左側縫い部u2の左端とのずれ長さ)、左平行部張力データ(左側縫い部u2の縫製時の糸張力)、右平行部張力データ(右側縫い部u2の縫製時の糸張力)、第1閂止め部張力データ(上閂止め部u3の縫製時の糸張力)、第2閂止め部張力データ(下閂止め部u3の縫製時の糸張力)、最高速制限データ(ミシン回転数の最高制限数)等の各項目である。
【0043】
図8に示すように、 P1地点で糸切れ発生後、ミシン針9はP3地点に位置し、またボタン穴H1が切開された状態である。 このような場合に、図9に示すように、ボタン穴H1を跨ぐように、縫い合わせを行なう。
図6のデータナンバー17〜25は、本発明において特徴的なデータ項目で、この縫い合わせに関するデータである。これらのデータは上述した図6のデータナンバー1〜16と同時に設定しても良いし、糸切れによる停止または作業者が一時停止スイッチ106を押した場合による停止後に行なっても良い。
図9に示すように、縫い合わせは、ボタン穴H1を跨ぐように、P3地点からP8地点までの往路と、P8地点からP9地点に移動した後、P9地点からP14地点までの復路とを行なう。本発明では、布切りメス16で切断したボタン穴H1を確実に縫い合わせるため、 縫い合わせの往路と復路とをそれぞれ個別に設定する。
すなわち、ボタン穴かがりミシン1では、データNo.19「縫い合わせ下縫い行き幅」、No.20「縫い合わせ下縫い帰り幅」を設定できる。例えば、図9に示すように「縫い合わせ下縫い行き幅」としてL1の長さを設定し、「縫い合わせ下縫い帰り幅」としてL2の長さを設定することができる。これらのデータは、ボタン穴H1が形成される方向に直交するX方向(布送り方向とは逆方向)における原点位置を「0」として「0.05〜5.00」mmの範囲で0.05mm間隔で設定可能になっている。
【0044】
また、図6のように、縫い合わせの往復で、それぞれの縫い合わせのピッチを別々に設定できる。
すなわち、ボタン穴かがりミシン1では、データNo.21「縫い合わせ下縫い行きピッチ」、No.22「縫い合わせ下縫い帰りピッチ」を設定できる。
例えば、図9に示すように「縫い合わせ下縫い行きピッチ」としてW1の長さを設定し、「縫い合わせ下縫い帰りピッチ」としてW2の長さを設定することができる。これらのデータは、縫目が形成される方向であるY方向(布送り方向とは逆方向)における原点位置を「0」として「0.05〜5.00」mmの範囲で0.05mm間隔で設定可能になっている。
なお、縫い合わせの設定においては、糸切れされた位置近傍の切断された部分のみの縫い合わせを行なうことも可能である。
【0045】
データNo.17では、布切りメスサイズを設定できる。設定範囲として、「6.00〜40.00」mmの範囲で0.1mm間隔で設定可能になっている。
また、データNo.25では、縫い合わせ張力を設定できる。設定範囲として、「0〜255」の範囲で1間隔で設定可能になっている。
【0046】
データNo.18は、主として糸切れ後に、そのまま自動的に縫い合わせの工程に進むか、糸切れ後に縫い合わせの設定を行なった後に、縫い合わせの工程に進むかを選択できる。 つまり、 データNo.18において、糸切れ後に自動的に縫い合わせを行なう場合は「1」、糸切れ後に縫い合わせの設定を行なった後に縫い合わせを行なう場合は「0」を入力する。
表示パネル100上のデータ値入力操作部103で、「1」を設定した場合は、縫い合わせ操作部105の表示器105bが点灯した状態になり、「0」を設定した場合は、縫い合わせ操作部105の表示器105bは消灯した状態である。
【0047】
データNo.23は、縫い合わせ終了後、ボタン穴かがりミシン1を一旦停止させて作業者が縫製物の状態を確認できるように設定するか、縫い合わせ終了後にミシン1を停止させず、続けてかがり縫い工程に進むか設定する。
つまり、 データNo.23において、縫い合わせ終了後にボタン穴かがりミシン1を一旦停止させる場合は「1」、 縫い合わせ終了後にミシン1を停止させずに、続けてかがり縫い工程に進む場合は「0」を入力する。
【0048】
データNo.24は、縫い合わせ終了後のかがり縫いの再開位置を決定する。
つまり、 データNo.24において、かがり縫いの縫い始め位置(図8に示すP0地点)から縫い直すか、かがり縫い工程を糸切れ位置近傍(図8に示すP1地点手前)から再開するか設定する。
つまり、 データNo.24において、 かがり縫いの縫い始め位置(図8に示すP0地点)から行なう場合は「0」、かがり縫いを糸切れ位置近傍(図8に示すP1地点手前)から再開する場合は「1」を入力する。
なお、かがり縫いを糸切れ位置近傍(図8に示すP1地点)から再開する場合、この再開位置の決定はRAM113に記憶された糸切れ検知装置129から検出されたデータを基に針落ち位置が算出される。
【0049】
図10〜図11に、上記構成を有するボタン穴かがりミシン1においてCPU111の制御の下で行われる各処理のフローチャートを示した。
なお、本例で示すフローチャートは、ボタン穴かがり縫いの際に、主に糸切れが発生した場合を想定したものである。
図10のフローは、例えばボタン穴かがりミシン1の電源がONした際に開始する。まず、ステップS1において、作業者により操作パネル100上で図6のデータテーブルに示すデータNo.1からデータNo.16までのかがり縫いに関するデータが入力される。また、No.17からデータNo.25までのデータは、糸切れ後の縫い合わせに関するデータであり、ここで設定しても良いし、糸切れ後に設定しても良い。
次いで、ステップS2において、準備キー101aが操作されたか否か判定され、操作されていればステップS3に移行し、操作されていなければステップS1に戻る。
ステップS3では、操作パネル100を介して設定されたデータに基づいて、針落ち位置を演算する処理を行い、次いでステップS4において、準備キー101aが押されたか否か判定する。ここで、準備キー101aが押されていれば、再びステップS1に戻り再設定可能になる。ステップS4で準備キー101aが押されていなければ、ステップS5に移行し、スタートスイッチ125がONになったか否か判定する。作業者の操作により、スタートスイッチ125がONになれば、ステップS6に移行し、ここで、かがり縫い、ボタン穴開け、糸切りなどを含む縫製処理が行われる。ステップS5でスタートスイッチ125がONになっていないと判定すれば、ステップS4に戻る。
【0050】
そして、糸切れ後の縫い合わせ処理は、まずステップS7において、上糸または下糸の糸切れを糸切れ検知装置129が検知し、さらに布切りメス16が駆動したことを、CPU111が検知しミシンを停止させることにより開始する。ステップS7において、糸切れによる停止でないと判定すれば、再びステップS4に戻る。糸切れと判断すれば、ステップS8に移行し、自動縫い合わせ機能が選択されているか否か判定する。予め自動縫い合わせ機能が選択されていない場合は、操作パネル100の縫い合わせ操作部105が点灯し、ステップS9に移行する。なお、作業者が糸切れ以外の理由により、操作パネル100上の一時停止スイッチ106を押した場合にも、操作パネル100の縫い合わせ操作部105が点灯する。
ステップS8において、自動縫い合わせ機能が選択されている場合は、ステップS11に移行し、ここで、操作パネル100を介して予め設定されたデータに基づいて、縫い合わせ針落ち演算が行なわれる。
なお、ステップS8において、自動縫い合わせ機能が選択されている場合であっても、再度操作パネル100上の縫い合わせ操作部105を押せば、ステップS9に移行し、図6のデータテーブルに示すデータナンバー17〜25の縫い合わせ設定項目の設定を行うことができる。
【0051】
ステップS9では、作業者により操作パネル100上で図6のデータテーブルに示すデータナンバー17〜25の縫い合わせ設定項目の設定を行う。すでに設定を行なっている場合は、そのままステップS10に移行する。ステップS9において、縫い合わせ項目の設定が終了後、ステップS10に移行し、縫い合わせを行なうか否か判定する。作業者が縫い合わせを行なうと判定した場合、縫い合わせ操作部105のスイッチを選択すれば、ステップS11に移行し、縫い合わせ針落ち演算が行なわれる。また、ステップS10において、縫い合わせを行なわない場合は、ステップS4に戻る。
ステップS11においては、データナンバー19及び20で設定された、縫い合わせ下縫いピッチ及び縫い合わせ下縫い行き幅に基づき、例えば図 9に示すようにP3からP8までの針落ち位置が求められる。同様に、データナンバー21及び22で設定されたデータに基づきP9からP14までの針落ち位置が求められる。
【0052】
ステップS11において、縫い合わせ針落ち演算が終了後、ステップS12に移行し、スタートスイッチ125がONになったか否か判定する。作業者の操作により、スタートスイッチ125がONになれば、ステップS13に移行し、ここで、縫い合わせ縫製が終了後にミシン針9の動作を一旦停止させるか否か操作パネル100上で設定する。ステップS13で、ミシン針9の動作を一旦停止させる設定をした場合は、ステップS14に移行し、ステップS11で行なった縫い合わせ針落ち演算に従って、縫い合わせ縫製を行なう。ステップS14で、縫い合わせ縫製が終了後、ミシン針9の動作が一旦停止し、ステップS16に移行し、スタートスイッチ125がONになったか否か判定する。作業者の操作により、スタートスイッチ125がONになれば、ステップS17に移行し、ここで縫い直しの縫製処理を再開する。ステップS13で、ミシン針9の動作を一旦停止させる設定をしない場合は、自動的にステップS17に移行する。
【0053】
図11には、縫い直しの縫製処理のフローを示した。縫い直しの縫製処理においては、ステップS17で、縫い始め位置から縫い直すか否かを判定する。予め、入力されたデータに基づき、縫い始め位置から縫い直す場合は、ステップS18に移行し、糸切り処理を行ない、次いで、ステップS19にてミシン針9が図10で示す縫い始め位置に移動し、ステップS20の縫い直し縫製を行なう。
ステップS17で、糸切れ位置から縫い直しを再開する場合は、例えばミシン針が停止した地点から3針前の地点に自動的にミシン針9が移動し、ステップS20の縫い直し縫製を行なう。そして、かがり縫いが完成する。
【0054】
以上のように、 本発明の実施の形態におけるボタン穴かがりミシン1によれば、
かがり縫いの際に糸切れが発生して、布切りメス16が駆動し、被縫製物に対しボタン穴H1が切開された場合、糸切れ検知装置129からの検出信号をCPU111が検知し、さらにシリンダドライバ120により布切りメス16が駆動したことをCPU111が検知した際には、表示パネル100上で設定されたデータに基づき、自動的にボタン穴H1の縫い合わせを行うので、作業者が被縫製物をミシン台から取り出し、手で縫ってから再びミシン台にセットをする場合に比べ時間的な短縮を図ることができる。
【0055】
また、ボタン穴H1の縫い合わせが終了した際は、ROM112に記憶されたミシン針9の停止位置に基づいて、CPU111にて糸切れ位置を算出し、続いて糸切れが発生した位置近傍に自動的にミシン針9を移動し、かがり縫いの縫い直しを行なうことができるので、かがり縫いの完成時に見栄えが良い。
【0056】
さらに、表示パネル100上には、縫い合わせ操作部105を設け、予め縫い合わせのデータを入力していなくとも、縫い合わせ操作部105の縫い合わせ設定キー105aを押すことにより、縫い合わせのデータを入力できるので、便宜上好ましい。
また、縫い合わせ設定キー105a上には、LEDなどの表示器105bが設けられており、予め縫い合わせが設定されている場合には、表示器105bが点灯し、縫い合わせが設定されていない場合には、表示器105bは点灯していない状態である。このように、表示器105bの点灯の有無により縫い合わせの自動設定モードか手動設定モードかを作業者が知ることが出来る。
【0057】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ボタン穴かがり縫いの途中で糸切れが発生した際、被縫製物をミシン台にセットした状態で、自動的にボタン穴を跨ぐようにジグザグ縫いを行なうので、作業者がミシンから生地をはずしてボタンホールを手で縫ってから再度ミシンにセットする必要がなく、きれいに、しかも簡単に縫い直すことができるとともに、時間的短縮を図ることが可能である。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、 請求項1と同様の効果を得られると共に、ボタン穴の長さに応じて適切なジグザグ縫い幅を設定することができるので、被縫製物の暴れを確実に押さえることができる。例えば、ボタン穴が長く開口されている場合は、ジグザグ縫い幅を広くし、これに対しボタン穴が短く開口されている場合は、ジグザグ縫い幅を狭くすることができる。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、縫い合わせのジグザグ縫い幅を往復で別々に設定できるので、例えば往路でジグザグ縫い幅を広くし、布押さえの長孔に囲まれた被縫製物全体を押さえる一方、復路ではジグザグ縫い幅を狭くし、ボタン穴の周縁を押さえることができるので、請求項2と同様の効果が得られる。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、縫い合わせのジグザグ縫いピッチを往復で別々に設定できるので、例えば往路で大きなピッチとし、布押さえの長孔に囲まれた被縫製物全体を押さえる一方、復路では小さなピッチにし、ボタン穴の周縁を押さえることにより、より効果的に被縫製物を押さえることができる。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、 作業者が張力測定装置や工具を用いることなく、予め設定された値により自動的に糸張力を変更できる。また、生地の種類や厚さ等に合わせて糸張力を設定することができ、より被縫製物が押さえられ、生地の暴れを防ぐことができる。また、縫い合わせ時の糸張力は、幅やピッチを大きくする場合には強めに設定する。
【0062】
請求項6記載の発明によれば、縫い合わせ終了時にミシンが停止することで、縫い合わせの状態を作業者が確認できるので、縫い合わせの不具合があった場合は再度、縫い合わせを行なうことができる。
【0063】
請求項7記載の発明によれば、糸切れ位置近傍のメスで切断された部分のみの縫い合わせを行なうことができるので、縫い合わせ時間の短縮ができ、また切断された部分のみ縫い合わせを行なうので、かがり縫いの完成時に見栄えがよくなる。
【0064】
請求項8記載の発明によれば、縫い合わせ終了後に作業者が、かがり縫いを始めの位置から縫い直すのか、糸切れが発生した近傍から縫い直すのかを選択できるので、状況に応じた対処を行なうことができる。
【0065】
請求項9記載の発明によれば、糸切れによるミシン停止のほかに、作業者が何らかの理由により、一時停止ボタンを押した場合でも縫い合わせを行なうか否かの選択ができるので、例えば、予め縫い合わせの設定を行なっていなくとも、この一時停止ボタンに応じて、縫い合わせの設定を行なうことも可能である。
【0066】
請求項10記載の発明によれば、糸切れ制御手段によるミシン停止、または一時停止手段によるミシン停止時に、操作パネル上の縫い合わせ操作部に表示されるので、作業者は糸切れを知ることができ、また、縫い合わせ操作部の縫い合わせ設定キーを押すことで、予め縫い合わせの設定を行なっていなくとも縫い合わせの設定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例としてのボタン穴かがりミシンの外観を示す斜視図である。
【図2】図1のボタン穴かがりミシンの布送り機構と針の昇降機構を主に示す透視図である。
【図3】図1のボタン穴かがりミシンの針の昇降機構と針振り機構を主に示す透視図である。
【図4】図1のボタン穴かがりミシンの制御回路を示すブロック図である。
【図5】操作パネルの正面図である。
【図6】操作パネルから入力可能なパラメータを示すデータテーブルである。
【図7】図6の各データ項目と、ボタン穴かがり縫いとの対応を説明する図である。
【図8】ボタン穴かがり縫いの糸切れ時を説明する図である。
【図9】ボタン穴に縫い合わせを行なった状態を示した図である。
【図10】ボタン穴かがり縫い始めから、縫い直し処理までのフローチャートである。
【図11】ボタン穴かがり縫いの縫い直し処理のフローチャートである。
【図12】ボタン穴かがり縫いの糸切れからミシン停止までの針落ち位置を示した図である。
【符号の説明】
H1 ボタン穴
1 ボタン穴かがりミシン
5 ミシンモータ
9 ミシン針
13 Y送り駆動手段
15 布押え
16 布切りメス
76 ソレノイド(アクチュエータ)
100 操作パネル(設定手段、ピッチ設定手段、張力設定手段、再開位置選択手段)
105 縫い合わせ操作部(縫い合わせ選択手段)
106 一時停止スイッチ(一時停止手段)
110 制御回路
111 CPU(メス検出手段、糸切れ制御手段)
112 ROM
113 RAM
129 糸切れ検知装置(糸切れ検出手段)

Claims (10)

  1. ボタン穴の左右側縫いが一部形成されると、中央に布切りメスを落として所定の長さのボタン穴を形成し、かがり縫いを行なうボタン穴かがりミシンにおいて、
    布切りメスが動作したことを検出するメス検出手段と、上糸が切れたことを検出する糸切れ検出手段と、糸切れ検出手段によって上糸が切れたことが検出されるとミシンを停止する糸切れ制御手段とを備え、
    布切りメスの動作後、上糸が切れてミシンが停止した際には、布切りメスで開口したボタン穴を跨ぐようにジグザグ縫いする縫い合わせを可能としたことを特徴とするボタン穴かがりミシン。
  2. ジグザグ縫いの幅を設定する設定手段を設け、縫い合わせを設定した幅で行なうことを特徴とする請求項1記載のボタン穴かがりミシン。
  3. 設定手段は、ジグザグ縫いの幅を往復で独立に設定可能であることを特徴とする請求項1記載のボタン穴かがりミシン。
  4. ジグザグ縫いのピッチを往復で独立に設定するピッチ設定手段を設け、縫い合わせを設定したピッチで行なうことを特徴とする請求項1記載のボタン穴かがりミシン。
  5. 張力設定手段を備え、縫い合わせを設定した張力で行なうことを特徴とする請求項1記載のボタン穴かがりミシン。
  6. 縫い合わせの終了を判別すると、一旦停止し、再スタート時の縫いパターンを元のかがり縫いと同じにすることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のボタン穴かがりミシン。
  7. 縫い合わせを、布切りメスで切断した位置に関連して開始し、かつ、自動停止することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のボタン穴かがりミシン。
  8. 縫い合わせ終了後、ボタン穴のかがり縫いの再開位置を縫い始めから行なうか、途中から行なうかを選択する再開位置選択手段を備える請求項6記載の穴かがりミシン。
  9. 糸切れ制御手段によるミシン停止、または布切りメスの動作後の糸切れを受けて操作された一時停止手段によるミシン停止時に、縫い合わせを行なうか否かを選択する縫い合わせ選択手段を備えたことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のボタン穴かがりミシン。
  10. 縫い合わせ選択手段は、糸切れ制御手段によるミシン停止、または一時停止手段によるミシン停止時に表示する表示手段と、押圧可能な押圧手段とを備え、押圧手段が押された際には、設定手段にてジグザグ縫いの設定を可能としたことを特徴とする請求項9記載のボタン穴かがりミシン。
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