JP4404974B2 - ミシンの糸張力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、布に連なる糸端を短くするために上糸の張力を制御するミシンの糸張力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のボタン孔かがりミシンにおいては、ボタン孔かがりの各縫製部分(ボタン孔に平行する両側の平行部やボタン孔の両端の閂止め部)によって設定されるべき上糸張力が異なるため、各縫製部分に対応して異なる糸張力に設定した2個(平行部用と閂止め部用)の糸調子器を設けるとともに、各縫製部分の縫製時に対応する糸調子器のみを有効にし他方の糸調子器を不作用とするために、それぞれの糸調子器に張力解放機構(皿浮かし機構)を設けていた。
この張力解放機構は、例えば該機構に連結された張力解放用のカムを設け、該カムを縫製パターンを設定するメインカムに連動させて所定時期に一方の糸調子器の張力を解放するようにしていた。このメインカムは、ミシン主軸に連動して回転するため、所定のボタン孔かがりを形成するための必要針数、即ちミシン主軸の所定回転回数について一回転するように設定されている。
【0003】
また、従来のボタン孔かがりミシンにおいては、上糸を切断する上糸切断機構として、作業者によるペダル等の操作により布押えを上昇させるのに伴い、布押えが上昇する前に布押え上方の針孔近傍にスライド移動し、布と針との間の上糸を挟んで保持して切断し、その後、針孔に連なる上糸切断端を保持したままスライド移動により待機位置まで後退する上糸切り部材、いわゆる上糸切り鋏を有する機構のものが知られている。
【0004】
一方、例えば上記したボタン孔かがりミシンのように、上糸を布上方で切断してから下糸を布下方で切断するミシンにおいては、布に連なる上糸端の長さをできるだけ短くするために、下糸切断時に切断されている上糸端を布中に引き込むように処理している。
即ち、図13の概略図に示すように、下糸L2を切断する動メス201に先行する手繰り腕202が下糸L2を手繰る際に、下糸L2を引っ張り上糸L1を布CL中に引き込むことで、上糸L1の切断端が布上に残らない或いは飛び出さないようにして、布の表(上)側をきれいに仕上げていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記ボタン孔かがりミシンにおいては、主軸に連動するメインカムにより上記カムを制御して張力解放機構を作用しているため、縫製終了後に押さえ上げ、糸切り処理を行なう際にはミシン主軸は停止しており、糸調子器を解放することができなくなる。
【0006】
糸調子器が解放されない場合には、上糸に張力がかかるため、上糸交換時に糸通しができなくなったり、縫い始め時に針が下降する際に上糸の供給が得られず上糸の切断端側が針孔から抜け落ちる等の原因となる。
このため、メインカムが停止する前に前記カムに作用して張力解放機構を作用状態にしておく必要があった。
しかしながら、繊維で構成される上糸は、糸調子器の張力がなくなると弛緩する作用のために糸供給源側から多く引き出された状態となって弛み、これにより針と布に連なる上糸経路が長くなってしまう。
【0007】
糸切前に張力が解放された上糸は弛んでいるため、この状態で糸切を行なうと図12(b)に示すように、切断された上糸L1の糸端長さが長いものとなる。一方、緊張状態で切断する場合は図12(a)に示すように糸経路は短いため切断端の長さも短いものとなる。
【0008】
この発明は、被縫製物の上方で上糸を切断する上糸切断部材を備えたミシンにおいて、上糸切断まで上糸張力を保持することで、切断後の上糸端の長さを短くすることを可能としたミシンの糸張力制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ミシンの上糸をその間に挟むことが可能な一対の調子皿と、前記一対の調子皿を支持する中空軸と、前記中空軸に支持され、移動可能な動作軸と、前記一対の調子皿と前記中空軸と前記動作軸から構成され、上糸を一対の調子皿で挟んで、該上糸に張力を付与する糸調子器と、電気的な駆動により前記糸調子器の動作軸が前記調子皿に作用すると共に、駆動力に比例して該糸調子器が上糸に付与する張力を連続的に増加可能とした駆動手段と、針板上方の針落ち位置の近傍において、被縫製物と針との間の上糸を切断し、切断後に針側の上糸端を保持する上糸切り部材と、左右平行部縫製時と閂止め部縫製時と前記上糸の切断処理時に、個別に前記糸調子器から上糸に付与する抵抗力の設定値データを入力可能な設定入力手段と、を備え、ボタン穴かがりを形成するミシンの糸張力制御装置であって、縫製終了後、上糸切り部材の駆動開始から終了までの間、前記駆動手段を制御して、上糸切断処理時に上糸の弛みがないように、糸調子器の張力をあらかじめ設定された糸切り時張力に変更すると共に、糸を切断した後に前記糸調子張力を開放するように制御する構成とした。
【0010】
この請求項1記載の発明によれば、上糸切り部材による上糸の切断処理時に、適宜上糸に張力を付与することができるので、上糸切断時に上糸の弛みがなくなり、切断後に被縫製物から飛び出る上糸切断端の残り長さを短くすることができる。
また、上糸切断後に下糸を切断するミシンにおいては、上糸の切断端が短いので、下糸切断時に下糸を手繰る際に上糸を布下に確実に引き込み易くなる。
また、糸調子器から上糸に付与される張力は、電気的な制御による連続的な変化が可能であるので、各縫製工程に応じた適正な上糸張力が付与できるとともに、糸切処理時に、縫製時の糸張力と異なる糸切処理に適した張力を付与することができ、全工程において美しい縫目が得られる。
さらに、電気的な制御によるものであるので、ペダル等の操作により上糸切断部材の動作が行なわれるものであっても、ミシン動作時以外において適時上糸張力を付与或いは不作用にする制御ができ、上糸の交換時の糸通しが確実に行なえ、上糸抜けを防止するとともに、上記のとおり上糸切断端を短くしたり、布下への引き込みを容易にすることができる。
そして、この発明を、ボタン孔かがりミシンのようなカムの制御を受けるサイクルミシン以外の、いわゆる鳥の巣対策用のミシンに実施することにより、上糸の残り長さを短くすることができるから、鳥の巣の発生を防止するためにも有用となる。
【0011】
ここで、駆動手段は、例えば、ボイスコイルメータ、比例ソレノイド、エアピストンと比例電磁ソレノイド弁との組み合わせなど、電気的な制御により駆動量を連続的に変化可能なものであれば、どのようなものでも良く、この連続的な駆動量を糸調子器に作用させることで、糸調子器から糸に付与される抵抗力を連続的に変化させることが出来る。
【0013】
また、左右平行部縫製時と閂止め部縫製時と上糸の切断処理時に糸調子器から掛けられる上糸張力を個別に設定変更できるので、上糸の種類や太さ、並びに、被縫製物の種類や厚さ等の縫製条件に応じて、これら縫製条件に適合した上糸切り時の糸張力に設定変更することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1〜図11の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の糸張力制御装置が備わるボタン穴かがりミシンの概観を示す斜視図である。
このボタン穴かがりミシン1は、ミシン針9、布を挟んで保持すると共に布送り方向に前後動して布を送る布押さえ15および布保持板14、布押さえ15の上側で上糸を切断する上糸切り鋏み80、布を切断してボタン穴を形成する布切りメス16等を備え、ミシン針9が昇降運動を行うと共に布送り方向とほぼ直行する方向に往復動(針振り運動)しながら縫製を行い、例えば、図8に示すように、ボタン穴部Hを周回するように左平行部A、第1閂止め部B、右平行部C、第2閂止め部Dと縫製を行って、被縫製物にボタン穴かがりを形成するミシンである。
そして、このボタン穴かがりミシン1に、ボタン穴かがりミシン1を制御すると共に本実施の形態の糸張力制御装置を構成する制御装置(図6)と、該制御装置に制御される糸調子装置としての糸調子器(アクティブテンション)19、および、駆動手段である上糸張力VCM(ボイスコイルモータ)60、並びに、設定入力手段としての操作パネル110(図5)等が設けられている。
【0015】
図2は、上記糸調子器19と上糸張力VCM60とを示す断面図である。糸調子器19は、一対の調子皿(固定皿67と可動皿66)の間に上糸を挟んで該上糸に抵抗力(張力)を与えると共に、動作軸63の動作により縫製中に上記抵抗力を連続的に変化させることの可能な糸調子器(アクティブテンション)である。この糸調子器19は、ミシンのアーム部4に固定されるベース部材64、中空軸65、中空軸65に固定される固定皿67、中空軸65に沿って可動的に設けられた可動皿66コイルバネ68等から構成され、更に、中空軸65中には、可動皿66と一体の当接片66aと、中空軸65に沿って移動し当接片66aに当接可能な動作軸63とが挿入されている。コイルバネ68は部材69を付勢するもので可動皿66を押圧するものではない。
【0016】
上糸張力VCM60は、動作慣性が低く、電流−駆動力の関係でリニア特性を有するボイスコイルモータであり、プランジャ61、磁気回路を構成する円形型ヨーク601、永久磁石による外極602、中央極603、補償銅管605の周りにコイル606を配してなる円筒状の可動コイル604等から構成され、コイル606の通電量を制御することで、高速に、且つ、プランジャ61の駆動力を電流値にほぼ比例して制御することが出来る。
上糸張力VCM60のプランジャ61は、中間部のピン62aを支点とするレバー62を介して、糸調子器19の動作軸63に連結されており、上記上糸張力VCM60の駆動力を連続的に変化させることで、糸調子器19の可動皿66の押圧力を連続的に変化させ、糸調子器19から上糸に掛けられる抵抗力を連続的に変化させることが可能になっている。
【0017】
図3には、ボタン穴かがりミシン1の上糸切り鋏み80を移動させる主要構成図を、図4には、上糸切り鋏み80の動作を説明するための図を示す。図4(a)は上糸切り鋏みが上糸を切断する直前の状態を示す上面図、(b)は上糸切り鋏みが上糸を切断した状態を示す上面図、(c)は上糸切り鋏みが切断後の上糸を保持している状態を示す上面図である。
上糸切り鋏み80は、図4に示すように、固定刃86、可動刃87、糸保持ばね90等からなる。
【0018】
可動刃87は、ピン88を中心に回動可能な状態で固定刃86に固定されており、この可動刃87の同一部材上に突出したカム当接部87cを備えている。そして、このカム当接部87cが鋏み開きカム92や鋏み閉じカム91に当接して固定刃86が所定方向に所定量押されることで、可動刃87が固定刃86に対して動作するようになっている。
上記鋏み開きカム92や鋏み閉じカム91は、布押さえ15に対して固定的に取り付けられ、布押さえ15の前後動によって、上糸切り鋏み80との相対配置を変化させる。
詳細には、上糸切り鋏み80が待機位置より後退(図4で上方に移動)することで、カム当接部87cが鋏み開きカム92に当接して押され可動刃87が開く。そして、この状態で上糸切り鋏み80が前進(図4で下方に移動)し、その後、右に移動して針落ち位置の上側をスライド移動することで、可動刃87と固定刃86との間に上糸が入り込み、更に、カム当接部87cが鋏み閉じカム91に当接して押され可動刃87が閉じて、ミシン針9から伸びる上糸が切断される。
【0019】
糸保持ばね90は,切段後の上糸を可動刃87との間で挟んで保持する板ばねであり、この上糸の保持により、複数個のボタン穴かがりを行う縫製処理において、1個のボタン穴かがりの縫製終了後に、そのままの状態で次のボタン穴かがりに移行することが可能となる。
【0020】
上糸切り鋏み80は、例えば、1個のボタン穴かがりが終了して布押さえ15を上げる直前に、前後方向および左右方向に移動して上述のような糸切り動作を行う。
上糸切り鋏み80を移動させる主要構成は、図3に示すように、鋏みレバー81、連結軸83、鋏みアーム85等からなる。連結軸83は、軸線方向への直動および軸線を中心に回転可能な状態で軸受け95に支持されており、この連結軸83の直動および回転に従って上糸切り鋏み80は前後移動および左右方向へのスライド移動を行う。連結軸83には鋏みレバー81が固着されており、この鋏みレバー81により連結軸83の直動運動および回動運動が生起される。
【0021】
鋏みレバー81は、例えば、図示略のリンク機構を介してミシンペダル(或いはソレノイドやパルスモータなど)に連結されており、ミシンペダル(或いはソレノイドやパルスモータなど)の駆動力により、前方(ミシン頭部側)に押され且つ時計方向(図中のCW方向で上糸切り鋏み80を針側に移動させる方向)に回動する。また、鋏みレバー81にはバネ82,84が接続されており、これらバネ82,84の作用により、ミシンペダル(或いはソレノイドやパルスモータなど)の駆動力がない場合に、所定の待機位置まで後退し且つ所定の待機角度までCCW方向に回動し停止するようになっている。また、鋏みレバー81の一端部には係止部81aが設けられ、ミシン針9の稼動中、該係止部81aが係脱板96に係止されて、ミシン針9の稼動中に上糸切り鋏み80に保持された上糸が縫目に巻き込まれ易くなるようになっている。
【0022】
図5には、ボタン穴かがりミシン1に備わる操作パネル110の図を示す。
操作パネル110は、各種の縫製パラメーターを設定入力したり、設定値の表示出力や縫製制御上のエラーの表示出力を行ったりするもので、例えば、ボタン穴かがりミシン1が載置されるミシンテーブル上に設けられる。
【0023】
操作パネル110には、縫製をスタートするための縫製キー131、縫製キー131が押されて縫製モードであることを点灯により表示するLED(Light Emitting Diode)表示部132、入力モードを選択する選択キー133、該選択キー133の操作により選択されている入力モードを点灯により表示するパターンナンバー表示部134およびパラメータナンバー表示部135、2桁の7セグメント表示部からなるモード表示部141、4桁の7セグメント表示部からなるパラメータ表示部142、入力パラメータ値を「−1」するマイナスキー143、入力パラメータ値を「+1」するプラスキー144、入力パラメータ設定値を所定単位で減算するダウンキー145、入力パラメータ設定値を所定単位で加算するアップキー146、ミシン針9への糸通しおよび釜の位置合わせを知らせるセットキー147等が設けられている。
【0024】
図6には、ボタン穴かがりミシン1の回路構成のブロック図を示す。
ボタン穴かがりミシン1の制御装置は、同図に示すように、CPU(Central Processing Unit )100、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)101、各パルスモータの回転量をカウントするY送りカウンタ103、基線送りカウンタ104、および針振り送りカウンタ105、布切りメスの駆動数をカウントする布切りメスカウンタ106、各パルスモータの駆動を行うY送りパルスモータドライバ111、基線送りパルスモータドライバ112、および針振り送りパルスモータドライバ113、各種センサーや各駆動部のドライバおよび操作パネル110等とCPU100とを接続するI/Oインターフェース109、ミシンを駆動するミシンモータ5の駆動制御を行うミシンモータドライバ115、ミシンモータ5の回転量を上軸6の回転角度としてコード付けするミシンモータエンコーダ119、糸調子器19の上糸張力VCM(ボイスコイルモータ)60を駆動するアクティブテンションドライバ120、布押さえ15を上昇させる押さえ上昇ソレノイド122を駆動する押さえ上昇ソレノイド駆動回路121、布切りメス16を下降させる布切りメス下降シリンダ30を駆動する布切りメス下降シリンダ駆動回路123、並びに、所定の割り込み条件(各パルスモータの回転量を示すカウンタ値、布の送り位置、上軸6の回転角度など)によりCPU100に割り込み信号を出力する割り込みコントローラ108等から構成される。
【0025】
Y送りパルスモータ20は、布押さえ15と布保持板14とをY方向に移動させるモータで、基線送りパルスモータ40はミシン針9の針振りの基線位置を変更するモータ、針振り送りパルスモータ41はミシン針9の針振り量を変更するモータである。
【0026】
上記ミシンモータドライバ115には、ミシンモータ5の他、ミシン針9が上方位置にあることを検出する針上位置センサ116、布押さえ15や布保持板14の基準位置を検出する送り基準位置センサ117、上軸6の回転角度を検出するTG(タコジェネレータ)発生器118等が接続されている。
I/Oインターフェース109には、操作パネル110や各駆動部のドライバや駆動回路のほか、布切りメス16の下降を検知するメス下降検知スイッチ34、布押さえ15の下降を検知する押え下降検知スイッチ28、布送り(布押さえ15と布保持板14)が原点位置にある状態を検出するY送り原点センサ26、針振り機構の基線位置が原点にあることを示す基線送り原点センサ57、針振り機構の振り幅が原点にあることを示す針振り送り原点センサ58、布押さえ15の下降を指示する押さえスイッチ124、並びに、ミシンモータ5の駆動スタートを指示するスタートスイッチ125などが接続されている。
【0027】
CPU100は、RAM102の所定領域を作業領域としてROM101に記憶されている制御プログラムに従い、操作パネル110からのデータや、接続された各種センサーから検出信号を入力したり、各ドライバを介して各種駆動部の制御を行う。
ROM101には、操作パネル110を介して入力された縫製データに基づいてボタン穴かがりの縫製を実行する縫製処理のほか、本発明の特徴である上糸を切断するタイミングに糸調子器19に掛ける糸張力値など各設定データを操作パネル110から入力させる設定入力処理、並びに、上糸の切断処理時に糸調子器19の制御を行う糸切り時の糸張力制御処理等の制御データや制御プログラムが記憶されている。
【0028】
この実施の形態の制御装置(糸張力制御装置)を備えたボタン穴かがりミシン1は、上記のように構成され、次に示すように、操作パネル110から各種の設定データの入力、糸調子装置を含むボタン穴かがりミシン1の駆動制御が行われて、縫製開始から上糸が切断されて布押さえ15が上昇されるまでのボタン穴かがり処理が行われるようになっている。
【0029】
先ず、操作パネル110から入力される設定データの項目について説明する。図7には、操作パネルから入力可能なデータを示すデータテーブルのチャート図を示す。
操作パネル110から入力可能なデータ内容は、同図のパラメータテーブルに示すとおりである。
【0030】
即ち、ボタン穴かがりの縫製パターン各部の長さデータである布切り長さデータ、メス巾データ、閂止め長さデータ、閂止め巾データ、平行部ピッチデータ、閂止め部ピッチデータ、布切りメス−第1閂止め間すきま長さデータ、布切りメス−第2閂止め間すきま長さデータ、および、メス落ち位置の左右方向のずれ量を示すメス落ち左右位置データ、糸調子器19に張力を付加する上糸張力VCM60の補正値を示すアクティブテンション補正データ、各縫製タイミングにおける糸調子器19の張力データである平行部張力データ、閂止め部張力データ、縫い始め張力データ、縫い終わり張力データ、および、糸切り時張力データ、布切りメスサイズデータ、押さえサイズデータ、並びに、布切りメス16の駆動時におけるミシンスピードを示すメス駆動時ミシンスピードデータ等である。
上記のデータ項目中、項目ナンバー「16」の「糸切り時張力」が本発明の特徴のデータ項目であり、上糸切り鋏み80による上糸切断処理時に、このデータ値に応じた糸張力が糸調子器19に掛けられるようになっている。
【0031】
ユーザーは、ボタン穴かがりミシン1を駆動すると、先ず、上記各設定データを操作パネル110から入力する設定入力処理を行う。入力する各データ項目には、予めデフォルトの設定データや、前回入力した設定データが記憶されており、ユーザーは変更の必要なデータ項目のみを入力変更する。
設定データの各項目には、該項目に対応して入力可能なデータ値の範囲を示す設定範囲データが予め記憶されており、この設定範囲データから外れたデータが入力された場合にエラー判定が行われるようになっている。
上記の設定データは、縫製パターンナンバーに対応させて複数セット登録することが可能になっており、ユーザーが任意の縫製パターンナンバーを選択し呼び出すことで該ナンバーに対応した設定データのセットが読み込まれて実際の縫製制御に使用される。
【0032】
上述の設定入力処理が完了したら、次いで、布をセットし操作パネル110の縫製キー131をオン操作することで、ボタン穴かがりの縫製パターンの図である図8に示すように、設定された縫製パターンに基づき、順次、同図▲1▼〜▲9▼に示す縫製が行われていく。これらの縫製中、縫製処理の各タイミングにおいて各タイミングに応じた張力データ値に対応する張力が糸調子器19に掛けられる。すなわち、同図▲1▼に示す縫製処理の開始時に「縫い始め張力」の設定張力が、同図▲2▼に示す左平行部Aの縫製時に「平行部張力」の設定張力が、同図▲4▼に示す第1閂止め部Bの縫製時に「閂止め部張力」の設定張力が、同図▲6▼に示す右平行部Cの縫製時に「平行部張力」の設定張力が、同図▲8▼に示す第2閂止め部Dの縫製時に「閂止め部張力」の設定張力が、同図▲9▼に示す最終針落ち位置までの縫製時に「縫い終り張力」の設定張力が、それぞれ糸調子器19に掛けられる。
【0033】
そして、上記の縫製処理により所望のボタン穴かがりが形成されると、最後に、「糸切り時張力」の設定データに対応する張力が糸調子器19に掛けられる。そして、例えば作業者のペダル操作等により糸切り処理と布押さえ15の上昇を指示する要求が出されると、上記「糸切り時張力」の張力がかけられたまま、順次、上述した上糸切り鋏み80による糸切り処理、布押さえ15の上昇駆動が行われ、その後、糸調子器19の糸張力が解放されて、1個のボタン穴かがりの縫製処理が終了する。
なお、上記糸切り処理と布押さえ15の上昇処理は、ペダル操作に基づいて開始せず、例えば、ボタン操作や自動制御により開始するようにしても良い。
【0034】
以下に、ボタン穴かがりミシン1の制御部により行われる上記設定入力処理や糸切り時の上糸張力制御処理を含んだボタン穴かがり処理の処理手順について詳述する。
図9は、ボタン穴かがりミシンの制御部により行われるボタン穴かがり処理のゼネラルフローの処理手順を示すフローチャートである。
このボタン穴かがり処理は、例えば、ボタン穴かがりミシン1を起動とともに開始される。
ボタン穴かがりミシン1が起動すると、先ず、ステップS1において、操作パネル設定処理のサブルーチン処理を行ってステップS2に移行する。
【0035】
ステップS2では、操作パネル110の縫製キー131がオン状態か否かを判定してオン状態であればステップS3に移行するが、オフ状態であればステップS1に戻って操作設定処理を繰り返す。
縫製キー131が押されてステップS3に移行すると、該ステップS3で縫製パターンの演算等を行う縫製データ作成のサブルーチン処理を行って、ステップS4に移行する。
ステップS4では、例えばRAM102中のエラーフラグを読み込んで、前段のステップでエラーが記録されているか否かを判定して、エラーの記録がなければそのままステップS6に移行し、エラーの記録があればステップS5に移行して操作パネル110の表示部140に対応するエラー表示を行いボタン穴かがり処理を中断する。
【0036】
ステップS6では、押さえ上昇ソレノイド駆動回路121に布押さえ15を下降させる信号出力を行ってステップS7に移行する。
ステップS7では、Y送りパルスモータ20、基線送りパルスモータ40、針振り送りパルスモータ41の微動、および、Y送り原点センサ26、基線送り原点センサ57、針振り送り原点センサ58の検出出力を基に、布送り機構と針振り機構の各原点検索を行ってステップS8に移行する。
ステップS8では、ミシン針9が縫い始めの第1針落ち位置の上方に位置するように、Y送りパルスモータ20、基線送りパルスモータ40、針振り送りパルスモータ41を駆動して、ステップS9に移行する。
【0037】
ステップS9では、押さえ上昇ソレノイド駆動回路121に布押さえ15を上昇させる信号出力を行ってステップS10に移行する。
ステップS10では、縫製キー131のオン操作が行われたか判定して、オン状態であればそのままステップS11に移行し、オフ状態であればステップS1に戻る。
ステップS11では、押さえスイッチ124がオン状態か否かを判定して、オン状態であればそのままステップS12に移行するが、オフ状態であればステップS10に戻ってステップS10,S11の処理を繰り返す。
押さえスイッチ124が押されてステップS12に移行すると、該ステップで押え下降検知スイッチ28の検出出力を読み込んで、布押さえ15が上昇していれば、ステップS13に移行して布押さえ15を下降させる出力を行ってステップS15に移行するが、布押さえ15が下降していれば、ステップS14に移行して布押さえ15を上昇させる出力を行って再びステップS10からの処理に戻る。
【0038】
ステップS15では、押さえスイッチ124のオン操作が行われたかを判定して、オン状態であればそのままステップS16に移行するが、オフ状態であればステップS14に移行して布押さえ15を上昇させてステップS10からの処理に戻る。
ステップS16では、縫製スタートを指示するスタートスイッチ125がオン操作されたか否かを判定して、オン操作されずにオフ状態のままであれば、ステップS15からの処理を繰り返し、オン操作された場合にステップS17に移行する。
ステップS17では,ステップS3の縫製データ作成処理で作成された縫製データに従い、ミシンモータ5を駆動して1個のボタン穴かがりの始めから終わりまでの縫製、布切りメス16の駆動、並びに、各縫製タイミングで糸調子器19に設定された張力を掛ける縫製処理を行い、その後、ステップS18に移行する。
【0039】
ステップS18では、例えばRAM102中のエラーフラグを読み込んで、前段のステップでエラーが記録されているか否かを判定して、エラーの記録がなければそのままステップS19に移行し、エラーの記録があればステップS20に移行して操作パネル110の表示部140に対応するエラー表示を行いボタン穴かがり処理を中断する。
【0040】
ステップS19では、ステップS1の操作パネル設定処理で入力されRAM102中に記憶されている「糸切り時張力」の設定データに対応する信号をアクティブテンションドライバ120に出力し、糸調子器19に上記設定された糸切り時張力を掛けてステップS21に移行する。
ステップS21では、上糸切り鋏み80を作動させてミシン糸を切断し、その後、布押さえ15を上昇させる糸切り・押え上げ処理を行ってステップS22に移行する。
ステップS22では、押え下降検知スイッチ28の検出出力を読み込んで、布押さえ15の上昇を確認した後、ステップS23に移行して、アクティブテンションドライバ120に信号出力を行って糸調子器19の張力を開放し、その後、ステップS10に戻って、再び、ステップS10からの処理を繰り返す。
【0041】
つまり、上記ステップS19,S21,S23の処理により、上糸切り鋏み80による上糸切断処理時に、予め設定された糸切り時張力を上糸にかける糸切り時の上糸張力制御処理が行われている。
【0042】
図10は、ゼネラルフローのステップS1で行われる設定入力処理である操作パネル設定処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
このサーブルーチンが呼び出されると、先ず、ステップS31で選択キー133のオン/オフを判定して、オンであればステップS32で、RAM102中に記憶されている選択番号(設定モードを示す値)を「+1」してステップS33に移行する。が、選択キー133がオフであればステップS35にジャンプする。
ステップS33では、RAM102中に記憶されている選択番号の値が最大値を超えたか判定して、超えていればステップS34で選択番号に「0」を代入してステップS35に移行し、超えていなければそのままステップS35に移行する。
【0043】
次いで、ステップS35,S37で、選択番号に応じた分岐処理を行い、選択番号が0であれば、縫製パターンのパターン番号を変更するパターン変更処理(ステップS36)を、選択番号が1であれば、パラメータ変更処理(ステップS38)のサブルーチン処理を行い、その後、この操作パネル設定処理のサブルーチンを終了しゼネラルフローに戻る。
【0044】
図11は、図10の操作パネル設定処理のステップS38で行われるパラメータ変更処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
パラメータ変更処理のサブルーチンが呼び出されると、先ず、ステップS41で操作パネル110のプラスキー144が押されたか否かを判定し、押されていればステップS42で、RAM102中に記憶されているパラメータナンバー(入力データの設定項目(図7)を示す値)を「+1」してステップS43に移行する。が、押されていなければステップS45にジャンプする。
ステップS43では、RAM102中のパラメータナンバーの値が最大値を超えたか判定して、超えていればステップS44で選択番号に「1」を代入してステップS45に移行し、超えていなければそのままステップS45に移行する。つまり、上記ステップS41〜S44の処理で、入力する設定項目を「+1」方向に移動選択可能となる。
【0045】
次いで、ステップS45〜ステップS48で、上記ステップS41〜S44と同様の処理を「−1」方向に行い、ステップS49に移行する。
ステップS49では、ステップS41〜ステップS49と同様の処理により、アップキー146、ダウンキー145を用いてRAM102中のパラメータナンバーで指定された設定項目のパラメータ値を変更していく処理を行う。
そして、ステップS50に移行して、該ステップでRAM102中のパラメータナンバーが糸調子器19の張力設定のナンバーか否かを判定し、そうであればステップS51に移行して設定データの張力を糸調子器19に出力させ、このサブルーチン処理を終了する。が、張力データの設定項目ナンバーでなければそのままこのサブルーチン処理を終了して、図10の操作パネル設定処理に戻る。
【0046】
上述の操作パネル設定処理およびパラメータ変更処理のサブルーチンは、ゼネラルフロー(図9)のステップS1,S2において、縫製キー131が押されるまで高速で繰り返し行われ、この繰り返しの間に、全ての設定データの入力を行うことが出来る。
【0047】
以上のように、この実施の形態のボタン穴かがりミシン1の制御装置(糸張力制御装置)によれば、ゼネラルフロー(図9)のステップS19〜ステップS23の処理で、上糸切り鋏み80による上糸切り時に適宜上糸張力が掛けられるので、上糸切断時の上糸のたるみがなくなって、切断後に被縫製物から出る上糸の残り長さを短くすることが出来る。
また、糸調子器19から上糸に掛けられる張力は、電気的な制御により連続量で制御可能であるので、縫製時の糸張力と異なる糸切り処理に適した糸張力を糸切り処理時に掛けることが可能となり、それにより、縫い終り個所の美しい縫製を行うことが出来る。
また、糸調子器の張力を変化させる構成が電気的な制御に基づく構成であるので、上糸切り鋏みの動作が、縫製動作以外の例えばペダル操作等に基づいて行われるミシンであっても、この縫製動作以外の動作に連動させて上糸張力VCM60を駆動させ、糸張力を掛けることが可能となる。
【0048】
また、ゼネラルフロー(図9)のステップS1で行われる操作パネル設定処理により、上糸の切断処理時に糸調子器から掛けられる上糸張力を設定変更できるので、上糸の種類や太さ、並びに、被縫製物の種類や厚さ等の縫製条件に応じて、これら縫製条件に適合した上糸切り時の糸張力に設定変更することが出来る。
【0049】
なお、本実施の形態では、上糸切り鋏み80の駆動開始から終了まで糸切り時張力をかけるようにしているが、少なくとも上糸切り鋏み80が上糸に掛かるタイミングから上糸を切断するタイミングまでの間に、糸切り時張力をかけるようにすれば、上記同様の効果を得ることが出来る。また、この実施の形態では、糸調子器として調子皿タイプのものを例示したが、ロータリーテンションやその他のタイプのものでも良い。また、駆動手段はボイスコイルメータに限らず、比例ソレノイド、エアピストンと比例電磁ソレノイド弁との組み合わせなど、電気的な制御により駆動量を連続的に変化可能なものであればどのようなものでも良い。また、この実施の形態では、本発明の糸調子装置をボタン穴かがりミシンに適用した例を示したが、ボタン付けミシンや刺繍用ミシンなどのサイクルミシンや、その他のミシンに適用しても良い。
【0050】
【発明の効果】
この請求項1記載の発明によれば、上糸切断時に上糸の弛みがなくなり、切断後に被縫製物から飛び出る上糸切断端の残り長さを短くすることができる。
また、上糸切断後に下糸を切断するミシンにおいては、上糸の切断端が短いので、下糸切断時に下糸を手繰る際に上糸を布下に確実に引き込み易くなる。
また、糸調子器から上糸に付与される張力は、電気的な制御による連続的な変化が可能であるので、各縫製工程に応じた適正な上糸張力が付与できるとともに、糸切処理時に、縫製時の糸張力と異なる糸切処理に適した張力を付与することができ、全工程において美しい縫目が得られる。
さらに、電気的な制御によるものであるので、ペダル等の操作により上糸切断部材の動作が行なわれるものであっても、ミシン動作時以外において適時上糸張力を付与或いは不作用にする制御ができ、上糸の交換時の糸通しが確実に行なえ、上糸抜けを防止するとともに、上記のとおり上糸切断端を短くしたり、布下への引き込みを容易にすることができる。
そして、この発明を、いわゆる鳥の巣対策用のミシンに、本発明と同様の糸切部材、糸調子器、駆動手段を設けて実施することにより、上糸切断端の長さを短くすることができるから、鳥の巣の発生を防止するためにも有用となる。
【0051】
また、設定入力手段により、左右平行部縫製時と閂止め部縫製時と上糸の切断処理時に糸調子器から掛けられる上糸張力を個別に設定変更できるので、上糸の種類や太さ、並びに、被縫製物の種類や厚さ等の縫製条件に応じて、これら縫製条件に適合した上糸切り時の糸張力に設定変更することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の糸張力制御手段が備わるボタン穴かがりミシンの外観を示す斜視図である。
【図2】同、ボタン穴かがりミシンに備わる糸調子装置の糸調子器と駆動手段とを示す断面図である。
【図3】同、ボタン穴かがりミシンの上糸切り鋏みを移動させる主要構成を示す構成図である。
【図4】図3の上糸切り鋏みの動作を説明するためもので、(a)は上糸切り鋏みが上糸を切断する直前の状態を示す上面図、(b)は上糸切り鋏みが上糸を切断した状態を示す上面図、(c)は上糸切り鋏みが切断後の上糸を保持している状態を示す上面図である。
【図5】図1のボタン穴かがりミシンに備わる操作パネルを示す図である。
【図6】同、ボタン穴かがりミシンの回路構成を示すブロック図である。
【図7】操作パネルから入力可能なデータを示すデータテーブルのチャート図である。
【図8】ボタン穴かがりミシンにより縫製されるボタン穴かがりの縫製パターンを示す図である。
【図9】ボタン穴かがりミシンの制御部により行われるボタン穴かがり処理のゼネラルフローの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図9のゼネラルフロー中にある操作パネル設定処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図10の操作パネル設定処理中にあるパラメータ変更処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】上糸切り処理で上糸が切断される状態を正面から見た図であり、(a)は上糸に張力がかけられている場合、(b)は上糸に張力がかけられてない場合を示すものである。
【図13】従来より行われている下糸の切断時の上糸の引き込みを示す図である。
【符号の説明】
1 ボタン穴かがりミシン
9 ミシン針
14 布保持板
15 布押さえ
19 糸調子器
60 上糸張力VCM(駆動手段)
80 上糸切り鋏み
81 鋏みレバー
83 連結軸
85 鋏みアーム
86 固定刃
87 可動刃
87c カム当接部
90 糸保持ばね
91 ハサミ閉じカム
92 ハサミ開きカム
100 CPU(制御手段)
110 操作パネル(設定入力手段)

Claims (1)

  1. ミシンの上糸をその間に挟むことが可能な一対の調子皿と、
    前記一対の調子皿を支持する中空軸と、
    前記中空軸に支持され、移動可能な動作軸と、
    前記一対の調子皿と前記中空軸と前記動作軸から構成され、上糸を一対の調子皿で挟んで、該上糸に張力を付与する糸調子器と、
    電気的な駆動により前記糸調子器の動作軸を前記調子皿に作用させると共に、駆動力に比例して該糸調子器が上糸に付与する張力を連続的に増加可能とした駆動手段と、
    針板上方の針落ち位置の近傍において、被縫製物と針との間の上糸を切断し、切断後に針側の上糸端を保持する上糸切り部材と、
    左右平行部縫製時と閂止め部縫製時と前記上糸の切断処理時に、個別に前記糸調子器から上糸に付与する抵抗力の設定値データを入力可能な設定入力手段と、
    を備え、ボタン穴かがりを形成するミシンの糸張力制御装置であって、
    縫製終了後、前記上糸切り部材の駆動開始から終了までの間、前記駆動手段を制御して、上糸切断処理時に上糸の弛みがないように、前記糸調子器の張力をあらかじめ設定された糸切り時張力に変更すると共に、糸を切断した後に前記糸調子張力を開放するように制御することを特徴としたミシンの糸張力制御装置。
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