JP3933593B2 - クリーニング装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ等における画像読み取り部を清掃するクリーニング装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置において、原稿の画像面を画像読み取り部で光学的に読み取り、その読み取った画像面に基づいて記録材(例えば、紙,透明フィルム)に画像を形成するものが知られている。
【0003】
この種の画像形成装置にあっては、画像読み取り部に配設されている画像読み取りガラスに紙粉や塵埃等の異物が付着すると、これら異物によって画像読み取り時の光が遮断されて、記録材上の画像に黒スジが発生することがある。
【0004】
このような黒スジを防止するため、画像読み取りガラスを人手(ユーザーやサービスマン)を介することなく自動的に清掃するようにした技術が、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
このものは、画像読み取りガラスを覆ったり露出させたりするカバーを備えており、このカバーの動作を原稿送り装置の開閉動作に連動させて行うようにしている。すなわち、原稿送り装置が閉じられたとき(開位置から閉位置に移動されたとき)には、カバーをスライドさせて画像読み取りガラスを露出させ、原稿の画像の読み取りを可能とする。一方、原稿送り装置が開かれたとき(閉位置から開位置に移動されたとき)には、カバーをスライドさせて画像読み取りガラスを覆い、画像読み取りガラスの汚染を防止するものである。なお、ここで画像読み取りガラスの汚染とは、主に、ユーザーの手が画像読み取りガラスに触れることに起因する指紋や塵埃のことをいう。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−32218号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術によると、カバーの動作が、原稿送り装置の開閉動作に連動して行われるため、原稿送り装置を閉じる際には、完全に閉じられる前に画像読み取りガラスが露出されるおそれがある。一方、原稿送り装置を開放する際には、開放が開始されているにもかかわらず、画像読み取りガラスがカバーによって完全に覆われないおそれがある。つまり、原稿送り装置が完全に閉鎖される直前、及び開放が開始された直後の原稿送り装置が少し開いた状態においては、画像読み取りガラスが露出されている場合がある。そして、このような場合には、ユーザーが誤って画像読み取りガラスに触れて、画像読み取りガラスを汚染するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、原稿贈り装置の開閉時にユーザーが画像読み取りガラスに触れてしまうことを確実に防止するようにしたクリーニング装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、原稿送り装置によって画像読み取りガラス上を移動させられる原稿の画像を光学的に読み取るために、前記画像読み取りガラス上に設定された画像読み取り位置を清掃するように構成されたクリーニング装置に関するものである。このクリーニング装置は、前記画像読み取りガラスの少なくとも前記画像読み取り位置を覆う大きさに形成され、前記画像読み取りガラスの表面に沿って移動できるように支持されたカバー部材と、このカバー部材を前記画像読み取りガラスの表面に沿って移動させる移動機構と、前記カバー部材に取り付けられて、前記カバー部材の移動に伴って前記画像読み取り位置に摺接して清掃する清掃部材と、前記移動機構の作動を制御する制御手段と、を備えている。そして、前記制御手段は、前記原稿送り装置が前記原稿を前記画像読み取り位置に送り込める状態である閉じられた状態において、前記画像の読み取り動作開始信号が入力されると、前記移動機構を作動制御し、前記カバー部材を前記画像読み取り位置から退避させるようになっている。また、制御手段は、前記原稿送り装置が前記原稿を前記画像読み取り位置に送り込める状態である閉じられた状態において、前記画像の読み取り動作終了信号が入力されると、前記移動機構を作動制御し、前記カバー部材を前記退避させた位置から前記画像読み取り位置を覆う位置まで移動させるようになっている。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の発明に係るクリーニング装置において、前記移動機構が、前記原稿を搬送する原稿送り装置の駆動手段によって駆動されるようになっている。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1の発明に係るクリーニング装置において、前記移動機構が、前記原稿の画像面を照射する光学系を移動させるための駆動手段によって駆動されるようになっている。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1の発明に係るクリーニング装置において、前記移動機構が、前記原稿の画像面を照射する光学系の移動に連動して駆動されるようになっている。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかの発明に係るクリーニング装置と、このクリーニング装置によって清掃された画像読み取り位置で原稿の画像面の画像情報を読み取るリーダ部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0015】
[第1の実施の形態]
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として本実施の形態に係る画像形成装置1を示す。この図1は、電子写真方式のレーザビームプリンタ(以下「画像形成装置」という。)の全体構成を模式的に示す縦断面図である。なお、本発明に係る画像形成装置としてはプリンタの外に、複写機やファクシミリとすることもできる。
【0016】
(画像形成装置の構成及び動作)
まず、図1を参照して、画像形成装置1全体の構成及び動作の概略を説明し、その後、本発明に係るクリーニング装置について詳述する。
【0017】
図1に示す画像形成装置1は、画像を読み取るリーダ部2と、読み取った画像情報に基づいて画像を形成するプリンタ部3(画像形成装置本体M)と、自動原稿送り装置(原稿送り装置)4とを備えている。尚、画像形成装置1を構成する各部材、装置(構成要素)は、その動作,動作タイミング,動作時間等がいずれも制御手段(例えば、後述する図3及び図4の制御手段としてのCPU5)によって制御されているものとする。
【0018】
このうちリーダ部2は、プラテンガラス10と、シェーディング補正用の白色板11と、画像読み取りガラス12と、照射ランプ13と、反射ミラー14,15,16と、レンズ17と、CCD(受光素子)18と、画像処理部20とを備えている。このうち、照射ランプ13と反射ミラー14,15,16とは、同図中の左右方向に移動可能なキャリヤ(不図示)に搭載されている。上述の白色板11及び画像読み取りガラス12は、原稿Dの通紙幅方向(後述の流し読み時の原稿Dの搬送方向に対して直交する方向:図1中の表裏方向)に、その通紙幅よりも長く形成されている。
【0019】
上述のリーダ部2では、原稿Dは、固定読み又は流し読みが行われる。前者の固定読みにおいては、原稿Dはその画像面を下方に向けてプラテンガラス10上に載置され、押圧板としても作用する開閉自在な自動原稿送り装置4によってプラテンガラス10に押圧される。この状態で、まず白色板11の下方にシェーディング補正位置に配置されている照射ランプ13によって白色板11を照射し、その反射光を反射ミラー14,15,16、レンズ17を介してCCD18で受光する。この受光量に基づいて画像処理部20にシェーディング補正用のデータが蓄積される。その後、キャリヤを右方に移動させながら照射ランプ13によって原稿Dの画像面を照射する。このときの画像面からの反射光が順次に反射ミラー14,15,16によって反射され、レンズ17を通過してCCD18に入力され、ここで電気信号に光電変換された後、画像処理部20に入力される。
【0020】
画像処理部20に入力された電気信号は、濃度補正、シェーディング補正等の種々の補正がなされた後、パルス幅変調されて、露光装置23(後述)に入力される。後者の流し読みにおいては、後述の自動原稿送り装置4によって原稿Dを搬送し、その画像面が原稿読み取りガラス12上に設定されている画像読み取り位置Rを通過するときに、固定配置されている照射ランプ13によって光照射し、そのときの反射光から画像情報を読み取るものである。読み取り位置Rは、画像読み取りガラス12の上面に、その長手方向(通紙幅方向)に沿ってライン状に設けられている。なお、流し読みにおける反射光の処理については、上述の固定読みと同様であるので説明は省略する。
【0021】
プリンタ部3は、ドラム型の感光体(以下「感光ドラム」という。)21と、その周囲に配置された一次帯電器22、露光装置23、現像装置24、転写帯電器25、ドラムクリーナ26等を備えている。また記録媒体としてのシート状の記録材(例えば、紙、透明フィルム)Pの搬送方向(点線の矢印B方向)に沿っての上流側から順に、給紙カセット27、搬送ベルト28、定着装置29、排紙トレイ30等が配設されている。
【0022】
上述のプリンタ部3においては、感光ドラム21は、駆動手段(不図示)によって所定のプロセススピード(周速度)で矢印A方向に回転駆動され、その表面が一次帯電器22によって所定の極性・電位に均一に帯電される。帯電後の感光ドラム21は、露光装置23によって静電潜像が形成される。露光装置23は、上述の画像処理部20から入力された画像情報に基づいてON/OFF制御されるレーザ光を帯電後の感光ドラム21の表面に照射し、レーザ光照射部分の電荷を除去して画像情報に応じた静電潜像を形成する。感光ドラム21の表面に形成された静電潜像は、現像装置24によって、電荷を有するトナーが静電的に付着されてトナー像として現像される。このトナーとしては、一般に、合成樹脂製の粉体が使用される。
【0023】
こうして感光ドラム21上に形成されたトナー像は、給紙カセット27から供給される記録材Pに転写される。給紙カセット27内に収納された記録材Pは、給送ローラ、搬送ローラ、レジストローラ(いずれも不図示)によって、感光ドラム21と転写帯電器25との間に形成される転写ニップ部に供給される。この際、記録材Pは、レジストローラによって、感光ドラム21上に形成されているトナー像とタイミングを合わせるようにして転写ニップ部に供給される。供給された記録材Pは、感光ドラム21と転写帯電器25とによって挟持搬送されながら、転写帯電器25によって静電的に記録材P表面に転写される。
【0024】
トナー像転写後の感光ドラム21は、転写時に記録材Pに転写されないで表面に残ったトナー(残留トナー)がドラムクリーナ26によって除去され、次の画像形成に供される。
【0025】
一方、トナー像転写後の記録材Pは、感光ドラム21表面から分離された後、搬送ベルト28によって定着装置29に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。
【0026】
トナー像定着後の記録材Pは、排紙トレイ30上に排出される。これにより、1枚の記録材Pに対する画像形成が終了する。
【0027】
自動原稿送り装置4は、リーダ部2の上方に配置されており、例えば、リーダ部2の奥側(又は背面側)を揺動中心として、前側がほぼ上下方向に開閉できるようになっている。そして、開放状態においては、前述のプラテンガラス10に対する原稿Dの載置、また原稿Dの取り出しが可能となる。一方、閉鎖状態においては、前述のように、固定読み時の原稿Dを上方から押圧できるようになっている。なお、原稿Dの流し読みは、閉鎖状態で行われる。
【0028】
図2に、自動原稿送り装置4の縦断面図を示す。
【0029】
同図に示すように、自動原稿送り装置4には、原稿Dの搬送方向(矢印E方向)に沿って上流側からほぼ順に以下の部材が配設されている。以下の部材とは、給紙トレイ31、押上板32、給紙ローラ33、ローラ34a,34bに掛け渡された給紙ベルト34、給紙対向ローラ35、搬送ローラ36、搬送対向ローラ37、搬送ローラ38、レジストローラ40、搬送ガイド板41、搬送ローラ42、切換部材43、排出ローラ44、排出対向ローラ45、排紙トレイ46である。また切換部材43と排出対向ローラ45との間には、再給紙ローラ47及び再給紙対向ローラ48が配設され、さらに排紙トレイ46の上方には、中間トレイ(反転トレイ)50が配設されている。そして本発明に係るクリーニング装置51が、画像読み取りガラス12近傍に配設されている。なお、クリーニング装置51については、後に詳述する。
【0030】
上述の押上板32は、その基端部32aを基準にして先端部32bがほぼ上下方向に移動可能となっており、駆動手段(不図示)によって昇降されるようになっている。また、この押上板32には原稿Dの有無を検知する原稿センサ52が取り付けられている。上述の切換部材43は、基端部43aを中心に揺動して、図2中に実線で示す排出位置と、破線で示す再給紙位置と、一点鎖線で示す反転位置とに切り換えられるようになっている。上述のレジストローラ40のすぐ下流側には、原稿Dの先端及び後端を検知する読み取りセンサ53が配置されている。また、上述の排出ローラ44のすぐ上流側には、原稿Dの後端を検知する排紙センサ54が配置されている。
【0031】
上述構成の自動原稿送り装置4において、原稿Dの読み取り、すなわち原稿Dの流し読みは、以下のようにして行われる。
【0032】
給紙トレイ31及び押上板32上に、例えば複数枚の原稿Dがそれぞれの画像面を上方に向けた状態で重ねてセットされると、原稿センサ52がこれを検知し、押上板32の先端部32bが上昇して原稿Dの先端側を押し上げ、最上位の原稿Dの上面(画像面)を給紙ローラ33及び給紙ベルト34に軽く当接させる。
【0033】
ここで、ユーザーが図外の操作パネルの読み取り開始ボタン(画像形成開始ボタン)を押すと、読み取り動作開始信号が制御手段(例えば、図2〜図4に示すCPU5)に入力される。そして、その制御手段5から制御信号が出力され、その制御信号に基づいて図外の駆動手段が起動され、給紙ローラ33、給紙ベルト34、搬送ローラ36,38,42、排出ローラ44等の回転が開始する。
【0034】
給紙トレイ31及び押上板32上の複数枚の原稿Dのうちの、最上位の原稿Dは、給紙ローラ33及び給紙ベルト34の矢印方向の回転によって給紙され、搬送ローラ36,38等によって搬入ガイド55に沿って搬送され、停止中のレジストローラ40に先端を当接させる。その後、レジストローラ40が回転を開始し、原稿Dの先端が読み取りセンサ53に検知されて、実際の画像の読み取りが開始される。
【0035】
原稿Dは、画像読み取りガラス12と、搬送ガイド板41との間を移動し、画像面が画像読み取り位置Rを通過するときに、照射ランプ13(図1参照)によって照射されて前述のように画像が読み取られる。画像読み取り中の原稿Dは、その搬送速度(移動速度)が主にレジストローラ40及び搬送ローラ42によって規制される。
【0036】
こうして画像が読み取られた原稿Dは、切換部材43が図2中の排出位置(実線)に配置されていることに基づき、搬出ガイド56に沿って搬送され、排出ローラ44によって排紙トレイ46上に排出される。
【0037】
読み取り対象となる原稿Dが1枚の場合は、読み取り後の原稿Dの後端が排紙センサ54によって検知されると、その検知信号が読み取り動作終了信号として制御手段5に入力される。制御手段5は、読み取り動作終了信号を受信した後、所定時間(原稿Dの搬送速度、及び排紙センサ54から排出ローラ44までの距離から算出される時間に、余裕時間を加えた時間)の経過後に、図示しない駆動手段の作動を停止させ、各ローラの回転が停止される。すなわち、原稿センサ52が原稿無しを検知し、且つ、排紙センサ54が原稿Dの後端を検知した後に、全ての読み取り動作が終了することになる。
【0038】
一方、複数枚の原稿Dを連続して読み取る場合には、読み取りセンサ53によって、先行する原稿Dの後端が検知されたときに、後続の原稿Dの給紙が開始されるようになっている。先行の原稿Dの後端と後続の原稿Dとの間にはいわゆる紙間が設けられることになり、この紙間に相当する部分が画像読み取り位置Rを通過するとき、つまり先行の原稿Dの後端が画像読み取り位置Rを通過してから後続の原稿Dの先端が画像読み取り位置Rに到達する前は、画像読み取り位置R上には原稿Dが存在しない。
【0039】
また、原稿Dの両面(表面及び裏面)の画像を読み取る場合、表面の画像面の読み取りを終了した原稿Dは、切換部材43が反転位置(図2中の一点鎖線)に切り換えられることに基づき、再給紙ローラ47の矢印方向の回転により、中間トレイ50上に導かれる。そして、原稿Dの後端が再給紙ローラ47を通過し終える少し前に、切換部材43が再給紙位置(点線)に切り換えられ、さらに再給紙ローラ47が逆転される。原稿Dは、これにより、表裏反転された状態で、再給紙ガイド57に沿って搬送され、さらに搬入ガイド55に沿って再度、画像読み取り位置Rに搬送される。画像読み取り位置Rで裏面の画像面が読み取られた原稿Dは、切換部材43が排出位置(実線)に切り換えられることに基づき、排出ローラ44によって排紙トレイ46上に排出される。
【0040】
以上で、リーダ部2、プリンタ部3、自動原稿送り装置4を備えた画像形成装置1全体の構成及び動作の説明を終える。
【0041】
(クリーニング装置)
次に、本発明に係るクリーニング装置51について詳述する。
【0042】
図3及び図4は、図2における画像読み取りガラス21近傍の詳細を示す図である。このうち図3は、クリーニング装置51のカバー部材60がカバー位置に配置された状態を示している。また、図4は、クリーニング装置51のカバー部材60が退避位置に配置された状態を示している。ここでカバー位置とは、カバー部材60が画像読み取り位置R(画像読み取りガラス12)の上方を覆う位置をいう。また、退避位置とは、カバー部材60が画像読み取り位置R(画像読み取りガラス12)を露出させる位置をいう。尚、図4においては、矢印E方向が原稿Dの搬送方向となり、同図中の左側が搬送方向上流側、右側が搬送方向下流側となる。そこで、図3,図4の説明においては、左側を上流側、右側を下流側というものとする。
【0043】
これら図3及び図4に示すクリーニング装置51は、カバー部材60と、ソレノイド61及びばね部材62を有する移動機構63と、清掃部材64と、制御手段(CPU)5とを備えている。
【0044】
このうちカバー部材60は、画像読み取りガラス12よりも少し大きな外形形状に形成されている。すなわち、カバー部材60は、画像読み取りガラス12の上面全体を覆うことができるカバー部60aと、このカバー部60aにおける基端側(上流側)の下面に突設された係止部60bとを備えている。そして、このカバー部60aの上面は、先端側(下流側)が下方に傾斜する傾斜面60cになっている。つまり、カバー部60aは、先端側(下流側)に向かうに従って板厚が漸減する(薄くなっていく)楔形状に形成されている。このカバー部60aの上面に形成された傾斜面60cは、原稿読み取り時において、原稿Dを読み取り位置Rに案内するガイドとして機能する。また、カバー部60aの下面における先端側(下流側)には、清掃部材64としてのフェルトが取り付けられている。
【0045】
カバー部材60は、リーダ部2(図1参照)側に設けられた図示しないガイド部材によって矢印F方向にスライド可能に支持されている。すなわち、カバー部材60は、清掃部材64を画像読み取りガラス12の上面に軽く接触させた状態で、画像読み取りガラス12の長手方向に直交する方向(図3及び図4の左右方向)にスライド(移動)できるように図示しないガイド部材によって支持されている。そして、カバー部材60の係止部60bには、ばね部材62が連結されている。
【0046】
ばね部材62としての引っ張りばね(コイルばね)は、その先端部をカバー部材60の係止部60bに係合させるとともに、基端部をリーダ部2の一部(例えば、図示しないフレーム)に係合させており、カバー部材60の全体を下流側に付勢している。これにより、カバー部材60は、ばね部材62によって付勢された状態で、その係止部60bを画像読み取りガラス12の上流側の端部に当接させて、図3に示すカバー位置に配置される。このとき、上述の清掃部材64は、画像読み取りガラス12の上面における下流側に配置されるようになっている。
【0047】
上述のばね部材62とともに移動機構63を構成するソレノイド61は、そのプランジャ61aを、カバー部材60の上流側に接続させている。ソレノイド61は、そのプランジャ61aの短縮・伸長方向(往復動方向)がカバー部材60のスライド方向と一致するように配設されている。このソレノイド61は、通電状態においてプランジャ61を短縮させて、カバー部材60をばね部材62のばね力に抗して上流側に移動させ、カバー部材60を図4に示す退避位置に配置する。このとき、清掃部材64は、画像読み取りガラス12の上面における上流側に配置されるようになっている。また、ソレノイド61は、非通電状態においては、プランジャ61aがフリー(電磁的に吸引されない状態)となる。このため、カバー部材60は、ばね部材62により下流側に付勢されて、図3に示すカバー位置に保持される。そして、このカバー部材60が退避位置とカバー位置との間を移動すると、清掃部材64が画像読み取りガラス12の上面に摺動接触して画像読み取り位置Rを清掃する。
【0048】
ソレノイド61の動作は、前述の制御手段(CPU)5によって制御される。すなわち、制御手段5は、前述の読み取り動作開始信号が入力されると、ソレノイド60に対する通電を行う一方、読み取り動作終了信号が入力されると、ソレノイド60に対する通電を遮断する。
【0049】
ここで、自動原稿送り装置4の閉鎖時に、画像読み取りガラス12の上方に配置される搬送ガイド板41について説明を加える。この搬送ガイド板41は、画像読み取りガラス12の長手方向(通紙幅方向)の寸法とほぼ同様の長さ寸法に形成されており、図3及び図4に示すように、水平部41aとその上流側の傾斜部41bと、下流側の傾斜部41cとを有している。また、水平部41aの下面には、長手方向の両端部(原稿の移動を邪魔しない位置)にスペーサ41dが突設されている。搬送ガイド板41は、自動原稿送り装置4の閉鎖時において、スペーサ41dが画像読み取りガラス12の上面に当接されることにより、画像読み取りガラス12との間に1mm程度の隙間Gであって、原稿Dの通過を許容する隙間Gを形成している。
【0050】
次に、上述構成のクリーニング装置51の動作について説明する。
【0051】
ユーザーは、自動原稿送り装置4を閉鎖位置に配置し(プラテンガラス10上に自動原稿送り装置4を重ねるように閉じ)、給紙トレイ31及び押上板32上に原稿Dをセットする。このとき、ソレノイド61は、非通電状態である。従って、カバー部材60は、ばね部材62によって下流側に付勢されて、図3に示すカバー位置に配置されている。この状態では、搬送ガイド板41は、カバー部材60の上面である傾斜面60cに軽く押し当てられている。
【0052】
ユーザーが図外の読み取り動作開始ボタン(画像形成開始ボタン)を押すと、読み取り動作開始信号が制御手段5に入力され、制御手段5によってソレノイド61が通電される。これにより、ソレノイド61は、ばね部材62のばね力に抗してプランジャ61aを短縮し(図3の左方向に移動させ)、カバー部材60を上流側にスライドさせて、カバー部材60を図4に示す退避位置に保持する。このとき画像読み取りガラス12の上面は、カバー部材60と一体の清掃部材64によって払拭される。
【0053】
このようにしてカバー部材61が退避位置に保持されると、画像読み取り位置Rを有する画像読み取りガラス12の上面が露出し、搬送ガイド板41のスペーサ41dが画像読み取りガラス12の上面に当接して、画像読み取りガラス12の上面と搬送ガイド板41との間に隙間Gが形成され、原稿Dが画像読み取り位置R上を通過することが可能となる。
【0054】
また、上述の読み取り動作開始信号が制御手段5に入力されることによって、前述のように、図示しない駆動手段が起動され、図2に示す給紙ローラ33、給紙ベルト34、搬送ローラ36,38,42、排出ローラ44等が回転を開始し、原稿Dが給紙・搬送される。そして、この給紙・搬送される原稿は、レジストローラ40によって画像読み取り位置Rに所定のタイミングで供給される。このとき、図4に示すように、原稿Dは、カバー部材60の傾斜面60cにガイドされるようにして隙間Gを通過し、画像読み取り位置Rに供給される。
【0055】
尚、画像の読み取り及び画像の読み取り後の原稿Dの動作については前述したとおりである。
【0056】
原稿Dが一枚のみの場合にはその一枚の原稿Dの通過を排紙センサ54が検知し、原稿Dが複数枚の場合にはそのうちの最後の原稿Dの通過を排紙センサ54が検知すると、その検知信号(読み取り動作終了信号)が排紙センサ54から制御手段5に入力され、制御手段5によって原稿Dの画像読み取りが終了したと判断される。そして、制御手段5から図示しない駆動手段に制御信号が出力され、自動原稿送り装置4の各ローラ(33,34a,34b,36……)の回転が停止され、またソレノイド61に対する通電が遮断される。これにより、図1に示す退避位置にあったカバー部材60は、ばね部材62により付勢されて下流側にスライドし、図3に示すカバー位置まで移動されて保持される。このとき、カバー部材60は、上述のように楔形に形成されているので、画像読み取りガラス12と搬送ガイド板41との間に容易に入り込んでカバー位置に移動することができる。この状態で、自動原稿送り装置4が開放された場合でも、画像読み取りガラス12は、カバー部材60によって覆われているので、ユーザーが触ることによって汚染されるおそれはない。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態に係るクリーニング装置51によると、画像読み取り位置R(画像読み取りガラス12)は、自動原稿送り装置4が閉じられた状態で、且つ、読み取り動作開始信号が制御手段5に入力されると、カバー部材60が退避位置まで移動し、露出される。一方、画像読み取り位置Rは、自動原稿送り装置4の閉じられた状態において、読み取り動作終了信号が制御手段5に入力されると、カバー部材60が退避位置からばね部材62のばね力でカバー位置まで移動し、そのカバー部材60によって覆われる。したがって、本実施の形態のクリーニング装置51は、ユーザーやサービスマンが誤って画像読み取りガラス12に触れて画像読み取り位置Rを汚染させるのを防止することができると共に、原稿の読み取り動作前及び原稿の読み取り動作後に清掃部材64で画像読み取りガラス12を清掃することができる。
【0058】
[第2の実施の形態]
図5〜図7は、クリーニング装置51の第2の実施の形態を示すものであり、特に、カバー部材60を移動させるための移動機構71の他の例を示すものである。このうち、図5(a)は、カバー部材60がカバー位置に保持された状態を示す図である。また、図5(b)は、カバー部材60が退避位置に保持された状態を示す図である。また、図6は、図5(a)のX方向から見た図であり、移動機構71の動力伝達機構部72を示す図である。また、図7は、図6に示した動力伝達機構部72の一例を模式的に示した断面図である。尚、これらの図において、説明に不要な部材等は省略してある。また、本実施の形態において、前述の第1の実施の形態と同様の構成部分には同一符号を付し、重複することになる説明を省略する。
【0059】
これらの図に示す移動機構71は、カバー部材60と一体に構成されたラック73と、このラック73に噛合するピニオン74と、カバー部材60を下流側(図5中の右方)に付勢するばね部材62と、駆動手段6とを有している。この駆動手段6は、自動原稿送り装置4(図2参照)の各ローラ(33,36…)等を駆動するための駆動手段を流用する。ラック73は、図5(a)に示すように、カバー部材60の図中左側(上流側)の側面60dに一体に形成されている。また、ラック73の上面には、カバー部材60の移動方向(矢印F方向)に沿って歯部73aが形成されている。そして、このラック73の歯部73aには、ピニオン74の歯部74aが噛合するようになっている。ピニオン74は、自動原稿送り装置4(図2参照)側に配設されていて、トルクリミッタ75及び電磁クラッチ76からなる動力伝達機構部72を介して自動原稿送り装置4側の駆動手段6に連結されている。
【0060】
ここで、動力伝達機構部72は、駆動手段としてのモータ6に連繋された回転軸77に電磁クラッチ76を介してトルクリミッタ75が取り付けられており、ピニオン74がトルクリミッタ75を介して電磁クラッチ76に連繋されるようになっている。そして、トルクリミッタ75は、ピニオン74に作用する回転に対する負荷が所定値以上になると、電磁クラッチ76又はピニオン74に対して滑りを生じ、ピニオン74に過負荷が作用するのを防止している。また、電磁クラッチ76は、制御手段5によって通電のオン・オフ制御が行われるようになっており、通電されている場合において、動力を回転軸77からトルクリミッタ75側に伝達する(クラッチを繋ぐ)。一方、この電磁クラッチ76は、制御手段5によって通電が遮断されている場合において、動力が回転軸77からトルクリミッタ75側に伝達されるのを遮断する(クラッチを切る)。
【0061】
この構成によると、自動原稿送り装置4を閉じることにより、ピニオン74の歯部74aがラック73の歯部73aに噛合される。そして、読み取り動作開始信号が制御手段5に入力されると、駆動手段6が作動すると共に電磁クラッチ76が通電され、駆動手段6に連繋された回転軸77の回転が電磁クラッチ76及びトルクリミッタ75を介してピニオン74に伝達され、ピニオン74が矢印方向に回転する。その結果、ラック73と一体のカバー部材60は、図5(a)のカバー位置から上流側の図5(b)の退避位置まで移動する。そして、カバー部材60が退避位置のストッパ78に当接すると、動力伝達機構部72のトルクリミッタ75の作用により、ピニオン74に動力を伝達する回転軸77が空回転し、カバー部材60が退避位置に保持される。尚、ストッパ78は、画像形成装置本体M側の図示しないフレーム等に固定されている。
【0062】
画像の読み取りが終了して、読み取り動作終了信号が制御手段5に入力されると、その制御手段5によって自動原稿送り装置4の駆動手段6の作動が停止されると共に電磁クラッチ76への通電が遮断される。これにより、ピニオン74は、回転軸77が停止しているにもかかわらず、自由に回転する。その結果、カバー部材60は、カバー部材60を図5の右方向に付勢するばね部材62の作用によって、図5(b)の退避位置から図5(a)に示すカバー位置に移動し、ばね部材62のばね力でカバー位置に保持される。
【0063】
本実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態の作用・効果、すなわちユーザーやサービスマンが誤って画像読み取りガラス12に触れてこれを汚染させるような不具合を有効に防止することができる。また、本実施の形態によれば、カバー部材60を移動させるための専用の駆動手段を移動機構71に備える必要がなく、その分だけクリーニング装置51の構成を簡略化することができる。
【0064】
尚、本実施の形態は、図7において、動力伝達機構部72の一例を示したが、これに限られず、ピニオン74に上述のような作動をさせることができる態様のものであれば、移動機構71に使用することができる。
【0065】
[第3の実施の形態]
図8(a),(b)に、カバー部材60を移動させるための移動機構81の別の例を示す。このうち、図8(a)は、リーダ部2における光学系を駆動するためのワイヤの張り渡し状態を示している。また、図8(b)は、移動機構81を構成する動力伝達機構部82を示す断面図であり、図8(a)のY方向から見た動力伝達機構部82の断面図である。尚、この図8において、説明に不要な部材等は省略してある。また、本実施の形態において、前述の第1の実施の形態と同様の構成部分には同一符号を付し、前述の第1の実施の形態の説明と重複することになる説明を省略する。
【0066】
この図8に示す移動機構81は、駆動手段(モータ)83と、ベルト84を介して駆動手段83によって駆動されるプーリ85と、プーリ85のカバー部材駆動用プーリ86に巻き掛けられると共に、ローラ87,88を介してカバー部材60に連結された中継ワイヤ90と、カバー部材60を下流側(図8(a)中の右側)に付勢するばね部材62とを有している。このうち、駆動手段83は、原稿を読み取るための光学系を駆動するための駆動手段を流用する。また、プーリ85のカバー部材駆動用プーリ86は、プーリ85のボス部85aに動力伝達機構部82を介して連繋されている。動力伝達機構部82は、トルクリミッタ91及び電磁クラッチ92から構成されており、プーリ85のボス部85aに電磁クラッチ92を介してトルクリミッタ91が取り付けられている。そして、カバー部材駆動用プーリ86は、トルクリミッタ91を介して電磁クラッチ92に接続されている。
【0067】
ここで、トルクリミッタ91は、カバー部材駆動用プーリ86に作用する回転に対する負荷が所定値以上になると、電磁クラッチ92又はカバー部材駆動用プーリ86に対して滑りを生じ、中継ワイヤ90に過度の引っ張り力が作用したり、中継ワイヤ90とカバー部材駆動用プーリ86とが過度に擦れ合うのを防止している。また、電磁クラッチ92は、制御手段5によって通電のオン・オフ制御が行われるようになっており、通電されている場合において、動力をプーリ85のボス部85aからトルクリミッタ91側に伝達する(クラッチを繋ぐ)。一方、この電磁クラッチ92は、制御手段5によって通電が遮断されている場合において、動力がプーリ85のボス部85aからトルクリミッタ91側に伝達されるのを遮断する(クラッチを切る)。
【0068】
以上のように構成することにより、プーリ85の回転は、動力伝達機構部82及びカバー部材駆動用プーリ86を介して中継ワイヤ90に伝達されるようになっている。尚、プーリ85には、光学系を駆動するための光学ワイヤ93が巻き掛けられている。しかし、この光学系及び光学ワイヤ93はクリーニング装置51に直接的には関係しないので、これらの説明は省略する。
【0069】
このような本実施の形態の構成によると、ユーザーにより自動原稿送り装置4が閉じられ、読み取り動作開始信号が制御手段5に入力されると、制御手段5から出力される制御信号によって駆動手段83が回転を開始する。これにより、プーリ85が矢印方向に回転し、中継ワイヤ90が巻き取られて、カバー部材60がばね部材62のばね力に抗してカバー位置から上流側に移動する。カバー部材60がストッパ94に当接する位置(退避位置)まで移動すると、カバー部材60の上流側への移動がストッパ94によって阻止されるため、中継ワイヤ90に比較的大きな張力が作用する。この中継ワイヤ90に作用する張力が所定値以上になると、トルクリミッタ91が電磁クラッチ92又はカバー部材駆動用プーリ86に対して滑りを生じて、カバー部材駆動用プーリ86に対してプーリ85が空回転する。この際、中継ワイヤ90にはほぼ一定の張力が作用しているため、カバー部材60は、中継ワイヤ90の張力でストッパ94に押し付けられ、退避位置が保持される。
【0070】
画像の読み取りが終了して、読み取り動作終了信号が制御手段5に入力されると、制御手段5から出力される制御信号によって駆動手段83の回転が停止されて、プーリ85の回転が停止すると共に、電磁クラッチ92への通電が遮断される。これにより、カバー部材駆動用プーリ86がプーリ85に対して相対回動できるようになる。その結果、カバー部材60は、ばね部材62の元に戻ろうとするばね力でもって図8(a)の図中右側方向に引っ張られ、退避位置からカバー位置まで移動し、カバー位置にばね部材62のばね力で保持される。
【0071】
以上のように、本実施の形態によると、上述の第1の実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施の形態の構成を備えたクリーニング装置51は、ユーザーやサービスマンが誤って画像読み取りガラス12に触れるのを防止でき、ユーザーやサービスマンの手によって画像読み取りガラス12が汚染されるのを防止することができる。また、本実施の形態によれば、カバー部材60を移動させるための専用の駆動手段を移動機構81に設ける必要がなく、その分だけ移動機構81及びこれを備えたクリーニング装置51の構成を簡略化することができる。
【0072】
[第4の実施の形態]
図9は、カバー部材60を移動させるための移動機構96のさらに別の例を示すものであり、本発明の第4の実施の形態に係る移動機構96を示すものである。本実施の形態は、光学系を移動させるための第1のキャリヤ97(後述)によって、カバー部材60を直接移動させるようにしている。尚、本実施の形態において、前述の第1の実施の形態と同様の構成部分には同一符号を付し、前述の第1の実施の形態と重複することになる説明を省略する。
【0073】
図9において、プラテンガラス10、シェーディング補正用の白色板11、画像読み取りガラス12、照射ランプ13、反射ミラー14,15,16は、図1に示す第1の実施の形態のものと同様である。
【0074】
本実施の形態において、照射ランプ13及び反射ミラー14は、第1のキャリヤ97に搭載されていて、この第1のキャリヤ97と共に図9中の左右方向に移動できるようになっている。また、反射ミラー15,16は、第2のキャリヤ98に搭載されていて、この第2のキャリヤ98とともに図9中の左右方向に移動可能である。
【0075】
また、本実施の形態において、カバー部材60は、上述の第1の実施の形態のカバー部材60と同様、図9中の左右方向にスライド可能(移動可能)に支持されている。そして、このカバー部材60の下面の上流側(図9中の左側)には、係止部60eが図9中の下方に向けて突出するように形成されている。この係止部60eにおける下流側の面(右側面)には、第1のキャリヤ97の上流側において上方に向けて突設されたフック97aが係脱されるようになっている。さらに係止部60eには、カバー部材60を下流側に付勢するばね部材(引っ張りばね)62が連結されている。
【0076】
この構成によると、ユーザーにより自動原稿送り装置4が閉じられた状態において、照射ランプ13は、白色板11の下方のシェーディング補正位置に配置されている。また、カバー部材60は、ばね部材62によって図9中の右側方向に付勢されて、その係止部60eを第1のキャリヤ97のフック97aに当接させている。
【0077】
読み取り動作開始信号が制御手段5に入力されると、制御手段5からの制御信号によって第1のキャリヤ97を移動させる駆動手段99が作動する。その結果、照射ランプ13は、第1のキャリヤ97の上流側への移動により、図9に示すシェーディング補正位置から画像読み取り位置Rの下方の位置まで移動する。これに伴い、カバー部材60は、第1のキャリヤ97のフック97aによって上流側に押されて退避位置まで移動し、画像読み取り位置R(画像読み取りガラス12)を露出させる。これにより、原稿の画像の読み取りが可能となる。
【0078】
画像の読み取りが終了して、読み取り動作終了信号が制御手段5に入力されると、第1のキャリヤ97が駆動手段99によって下流側に移動させられ、照射ランプ13が上述のシェーディング補正位置に配置される。このとき、カバー部材60は、ばね部材62によって下流側(図9中右側方向)に付勢されているので、第1のキャリヤ97に追随して、図9に示すカバー位置まで移動させられて、そのカバー位置にばね部材62のばね力で保持される。
【0079】
尚、前述の原稿の固定読み時において、第1のキャリヤ97(及び第2のキャリヤ98)は、図9に図示する位置よりもさらに下流側(右方)に移動することになる。しかしながら、カバー部材60は、図9に示すカバー位置よりも下流側には移動しないように、ストッパ100によって移動が阻止されるようになっている。
【0080】
このように、本実施の形態において、移動機構96は、専用のものを設けることなく、光学系を移動させるための機構を利用している。
【0081】
このような本実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態の効果と同様に、ユーザーやサービスマンが誤って画像読み取りガラス12の画像読み取り位置Rに触れるのを効果的に防止でき、ユーザーやサービスマンの手によって画像読み取りガラス12を汚染させるような不具合を有効に防止することができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、カバー部材60を移動させる専用の移動機構を設置せず、光学系を移動させるための機構でカバー部材60をカバー位置と退避位置とに移動させるようになっているため、クリーニング機構51の構成が簡単化する。
【0083】
以上の第1〜第4の実施の形態において、カバ−部材60をカバー位置から退避位置に移動させるタイミング、また、逆に、カバー部材60を退避位置からカバー位置に移動させるタイミングは、読み取り動作開始信号や読み取り動作終了信号に基づいて設定した。そして、これら読み取り動作開始信号や読み取り動作終了信号は、自動原稿送り装置4が閉じられた状態で発生するように構成されている。その結果、自動原稿送り装置4が少しでも開かれている状態、すなわちユーザーが触れることで画像読み取りガラス12が汚染されるおそれがある状態では、画像読み取りガラス12が露出しないようになっている。
【0084】
尚、以上の各実施の形態において、画像の読み取り動作開始信号は読み取り動作開始ボタンのオン操作信号であり、画像の読み取り動作終了信号は排紙センサ54の原稿通過検知信号であるが、読み取り動作開始信号及び読み取り動作終了信号はこれらに限定されるものではない。すなわち、読み取り動作開始信号は、パソコン等の外部操作装置からのコピースタート信号やデータ送信信号等としてもよい。また、読み取り動作終了信号は、読み取りセンサ53の原稿検知信号やその他の検知センサの検知信号等としてもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、原稿送り装置が閉じられた状態において、読み取り動作開始信号が制御手段に入力されると、カバー部材が画像読み取り位置を覆うカバー位置から画像読み取り位置を露出させる退避位置まで移動させられる一方、読み取り動作終了信号が制御手段に入力されると、カバー部材が退避位置からカバー位置まで戻されるようになっているため、原稿送り装置が完全に閉じられる前に画像読み取り位置が露出されるようなことがなく、ユーザー等によって画像読み取りガラスの画像読み取り位置が汚染されることを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る自動原稿送り装置の構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、カバー部材がカバー位置に配置された状態を示すクリーニング装置の拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、カバー部材がカバー位置に配置された状態を示すクリーニング装置の拡大図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るクリーニング装置を示す図であり、図5(a)はカバー部材がカバー位置に配置された状態を示す拡大図であり、図5(b)はカバー部材が退避位置に配置された状態を示す拡大図である。
【図6】図5(a)のX方向から見た図であり、動力伝達機構部を模式的に示す図である。
【図7】図6の動力伝達機構部を断面して示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るクリーニング装置を示す図であり、図8(a)がクリーニング装置の駆動機構を示す概略構成図であり、図8(b)が図8(a)のY方向から見た動力伝達機構部の構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るクリーニング装置の拡大構成図である。
【符号の説明】
1……画像形成装置、2……リーダ部、4……自動原稿送り装置(原稿送り装置)、5……制御手段(CPU)、6,83,99……駆動手段、12……画像読み取りガラス、51……クリーニング装置、60……カバー部材、63,71,81,96……移動機構、64……清掃部材、D……原稿、R……画像読み取り位置
Claims (5)
- 原稿送り装置によって画像読み取りガラス上を移動させられる原稿の画像を光学的に読み取るために、前記画像読み取りガラス上に設定された画像読み取り位置を清掃するように構成されたクリーニング装置において、
前記画像読み取りガラスの少なくとも前記画像読み取り位置を覆う大きさに形成され、前記画像読み取りガラスの表面に沿って移動できるように支持されたカバー部材と、
このカバー部材を前記画像読み取りガラスの表面に沿って移動させる移動機構と、
前記カバー部材に取り付けられて、前記カバー部材の移動に伴って前記画像読み取り位置に摺接して清掃する清掃部材と、
前記移動機構の作動を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記原稿送り装置が前記原稿を前記画像読み取り位置に送り込める状態である閉じられた状態において、
前記画像の読み取り動作開始信号が入力されると、前記移動機構を作動制御し、前記カバー部材を前記画像読み取り位置から退避させ、
前記画像の読み取り動作終了信号が入力されると、前記移動機構を作動制御し、前記カバー部材を前記退避させた位置から前記画像読み取り位置を覆う位置まで移動させることを特徴とするクリーニング装置。 - 前記移動機構は、前記原稿を搬送する原稿送り装置の駆動手段によって駆動されることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
- 前記移動機構は、前記原稿の画像面を照射する光学系を移動させるための駆動手段によって駆動されることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
- 前記移動機構は、前記原稿の画像面を照射する光学系の移動に連動して駆動されることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリーニング装置と、このクリーニング装置によって清掃された画像読み取り位置で原稿の画像面の画像情報を読み取るリーダ部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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