JP3918877B2 - ヒトパピローマウイルス11型l1タンパク質をコードする合成hpv6/11ハイブリッドl1 dna - Google Patents

ヒトパピローマウイルス11型l1タンパク質をコードする合成hpv6/11ハイブリッドl1 dna Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、精製ヒトパピローマウイルス11型L1タンパク質及びその誘導体をコードする合成DNA分子に関する。
【図面の簡単な説明】
図1は、合成オリゴヌクレオチドを用いたHPV6/11ハイブリッドL1遺伝子構築の概略図である。
図2は、HPV6/11ハイブリッド遺伝子、公表されたHPV6a及びHPV11 L1遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
図3は、パピローマウイルス L1キャプシドタンパク質の発現に用いた二方向型酵母発現ベクターpGAL1−10を示す。
図4は、酵母由来のHPV11 L1 mRNAのノザン分析である。
図5は、ウエスタン分析(イムノブロット)による酵母中でのHPV11 L1タンパク質の発現を示す。
図6は、HPV6/11 ハイブリッドDNAと比較した、野生型(wt)HPV11から発現したHPV11 L1 VLPのELISA反応性を示す。
図7は、酵母中で発現したHPV11 L1 VLPの電子顕微鏡写真である。
図8は、HPV6/11ハイブリッド遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
発明の背景
パピローマウイルス(PV)感染は、ヒト、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、サル、ヘビ及びウシを含む多様な動物に発生する。パピローマウイルスは上皮細胞に感染し、一般に感染部位に良性の上皮腫又は線維上皮腫を誘発する。PVは種特異的感染物質であり、ヒトパピローマウイルスは非ヒト動物には感染し得ない。
パピローマウイルスは、感染する宿主に基づいて異なるグループに分類し得る。ヒトパピローマウイルス(HPV)は、DNA配列の相同性に基づいてさらに70以上もの型に分類される。PVの型は、ある型のパピローマウイルスによる感染に対する中和免疫が別の型のパピローマウイルスに対する免疫を付与することはないという型特異的免疫原であると考えられる。
ヒトでは、種々の型のHPVがそれぞれ異なる疾患を引き起こす。1、2、3、4、7、10及び26〜29型のHPVは、正常な個体にも免疫力が低下した個体にも良性のいぼをつくる。5、8、9、12、14、15、17、19〜25、36及び46〜50型のHPVは、免疫力低下個体に扁平な病変をつくる。6、11、34、39、41〜44及び51〜55型のHPVは、生殖器又は呼吸器の粘膜の非悪性コンジロームを引き起こす。16、18、31、33、35、45及び58型のHPVは、生殖器粘膜の上皮形成異常を引き起こし、頚部、膣部、外陰部及び肛門管の殆どのin situ及び潜在的なガンの原因物質である。
パピローマウイルスは、最大8個の初期遺伝子と2個の後期遺伝子とをコードする、エンベロープを有さない小型(50〜60nm)の正20面体DNAウイルスである。該ウイルスゲノムの読み取り枠(ORF)はE1〜E8及びL1、L2(ここで、「E」は初期を、「L」は後期を表す)と称されている。L1及びL2はウイルスのキャプシドタンパク質をコードする。初期(E)遺伝子は、ウイルスの複製、転写調節及び細胞の形質転換のような機能に関与する。
L1タンパク質は、主要キャプシドタンパク質であり、55〜60kDaの分子量を有している。L2タンパク質は、55〜60kDaの予測分子量及びポリアクリルアミドゲル電気泳動で測定して75〜100kDaの見かけ分子量を有するマイナーのキャプシドタンパク質である。免疫学的データにより、殆どのL2タンパク質はL1タンパク質の内側のウイルスキャプソメア内に存在することが示唆されている。L1 ORFは、種々のパピローマウイルス中に高度に保存されている。L2タンパク質は、種々のパピローマウイルス中でほとんど保存されていない。
L1及びL2遺伝子は、免疫予防剤の良好な標的とみなされている。初期遺伝子のなかには、ワクチン開発の潜在的標的となることが証明されたものもある。ワタオノウサギパピローマウイルス(CRPV)及びウシパピローマウイルス(BPV)系での実験により、(細菌中で発現させるか、ワクシニアベクターを用いて発現させた)組換えL1及び/又はL2タンパク質で免疫感作すると、動物がウイルス感染から保護されることが証明された。バキュロウイルス発現系中でパピローマウイルスL1遺伝子を発現させるか又はワクシニアベクターを用いることにより、ウイルスチャレンジからの動物保護と相関関係を有する高タイターウイルス中和抗体応答の誘発に用いられているウイルス様粒子(VLP)のアセンブリーが得られた。さらに、L1及びL2遺伝子は、動物のパピローマウイルス感染を予防及び治療するためのワクチンの製造にも用いられている。
大量の精製ウイルス及び精製タンパク質が得られないために、L1タンパク質、L1+L2タンパク質、又は修飾L1若しくはL1+L2タンパク質を含む、PVの感染及び疾患に対する予防及び治療用ワクチンの開発や商品化が遅れている。PVはin vitroでの培養が難しく、そのために必要量のL1及びL2タンパク質をPVのin vitro増殖により産生させることは困難である。その結果、供給量不足により、PV及びPVタンパク質の特性決定に困難をきたしている。従って、粗PVタンパク質、特にPV L1及びL2タンパク質又は修飾L1及びL2タンパク質の容易に再生可能な供給源を開発することが有用である。さらに、大量の粗パピローマウイルスタンパク質を免疫学的研究及びワクチンの開発に適した純度レベルに精製する方法を開発することも有用である。また、天然タンパク質のコンホメーションのような、天然タンパク質の免疫付与特性を有する大量のパピローマウイルスタンパク質を製造することも有用である。さらに、PVタンパク質の分析法、及び該タンパク質や該タンパク質を含む組成物の相対純度の測定法を開発することも有用である。そのような高度に精製されたタンパク質は、PV感染の研究に有用な種々の試薬の製造にも有用である。そのような試薬には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及び分析標準が含まれるがそれらには限定されない。
HPV6及び11は、〜90%の良性の陰部ゆう贅の原因物質であり、悪性のものに関与することは極くまれである(Gissmannら,1983,PNAS 80,560−563)。HPV6aは、尖形コンジロームに最も多く見られるHPV6のサブタイプであると考えられる(Brown,D.B.ら,J.Clin.Microbiol.31:1667−1673)。最近、陰部ゆう贅(尖形又は扁平コンジローム)患者が増大傾向にあり、一般人(15〜49才)の〜10%が生殖管HPV感染を有していると予想される(Koutskyら,1988,Epidemiol.Rev.10,122−163)。殆どのコンジロームはHPV6が原因物質であるが、喉頭乳頭腫の場合には、HPV11が主要な型である。気道の上皮細胞中でHPV11が複製されると、これらの細胞の増殖が刺激されて、隔離された臨床的にはあまり関連のない病変又は多発性の伝染性病変及び再発性疾患を招き得る。若年層が多く罹患する疾患である再発性呼吸器乳頭腫は、気道の閉塞を起こすことにより致命的な疾患となり得る。最近、感染性HPV11の複製を可能にする動物モデルが開発された(Kreiderら,1985,Nature 317,639−640;Kreiderら 1987,J.Virol.61、590−593)。該モデルにより、モノクローナル抗体を用いて、天然ウイルス粒子及びバキュロウイルスで発現したVLPの高次構造中和エピトープの同定が可能になった(Christensenら1990,J.Virol.64,5678−5681;Christensen及びKreider 1991,Virus Res.21,169−179;Christensen及びKreider 1993,Virus Res.28,195−202;Christensenら 1994,75,2271−2276)。
HPV11 L1タンパク質を含むウイルス様粒子が昆虫細胞系及び哺乳動物細胞系で発現した。酵母細胞中でVLPを発現させれば、費用効率が高く且つ発酵槽での大量増殖に容易に適合させ得るという利点が得られる。しかし、HPV11 L1タンパク質は酵母細胞中では低レベルでしか発現しない。これは、HPV11 L1 mRNAの切断の結果であることが判明した。それに対し、HPV6 L1遺伝子は、全長のmRNAとして転写され、高レベルで発現する。HPV6 L1 DNAを修飾してHPV11 L1タンパク質をコードさせれば、全長のmRNAの転写が容易になり、HPV11 L1タンパク質の発現を増大させることができる。本発明は、HPV6/11ハイブリッドL1遺伝子配列及び合成オリゴヌクレオチドを用いたHPV6/11ハイブリッドL1遺伝子の構築法を提供する。該ハイブリッド遺伝子は、HPV6a L1配列(Hofmann,K.J.ら,1995,Virology,公表に同意を得た)を用いて設計したが、該遺伝子は、HPV11 L1タンパク質をコードするのに必要な最小数の塩基変化しか含んでいない。野生型HPV11 L1遺伝子とは異なり、HPV6/11ハイブリッド遺伝子は、酵母により認識される内部転写終結シグナルを含んでおらず、その結果、全長のHPV6/11 mRNAが産生され、HPV11 L1タンパク質の発現が増大する。
本発明は、高度に精製されたPV L1タンパク質に関する。本発明はさらに、天然パピローマウイルスタンパク質の免疫付与特性を有する組換えパピローマウイルスタンパク質の製造法及び精製法をも包含する。本発明は、パピローマウイルス感染を予防及び治療するためのワクチンの製造に関する。電子顕微鏡検査法及び高次構造抗体との結合により、本発明の組換えタンパク質がウイルス様粒子(VLP)を形成し得ることを示す。
発明の要旨
本発明は、精製ヒトパピローマウイルス11型 L1タンパク質及びその誘導体をコードする合成DNA分子に関する。
発明の詳細な説明
本発明は、精製ヒトパピローマウイルス11型 L1タンパク質及びその誘導体をコードする合成DNA分子に関する。本発明の種々の実施態様には、組換えHPV DNA分子、該組換えHPV DNA分子に相補的なRNA、該組換えDNA分子によりコードされるタンパク質、該組換えDNA分子及び関連タンパク質に対する抗体、該DNA、RNA、タンパク質又は抗体を含む組成物、該DNA、RNA、タンパク質又は抗体並びにそれらの誘導体の使用法が含まれるがそれらには限定されない。そのような誘導体には、該DNAによりコードされるペプチド及びタンパク質、該DNAに対する抗体又は該DNAによりコードされるタンパク質に対する抗体、該DNAを含むワクチン又は該DNAによりコードされるタンパク質を含むワクチン、該DNA又は該DNAによりコードされるタンパク質を含む免疫組成物、該DNA、該DNA由来のRNA又は該DNAによりコードされるタンパク質を含むキットが含まれるがそれらには限定されない。
HPV6及び11は、〜90%の良性の陰部ゆう贅の原因物質であり、悪性のものに関与することは極くまれである(Gissmannら,1983,PNAS 80,560−563)。最近、陰部ゆう贅(尖形又は扁平コンジローム)患者が増大傾向にあり、一般人(15〜49才)の〜10%が生殖管HPV感染を有していると予想される(Koutskyら,1988,Epidemiol.Rev.10,122−163)。殆どのコンジロームはHPV6が原因物質であるが、喉頭乳頭腫の場合には、HPV11が主要な型である。気道の上皮細胞中でHPV11が複製されると、これらの細胞の増殖が刺激されて、隔離された臨床的にはあまり関連のない病変又は多発性の伝染性病変及び再発性疾患を招き得る。若年層が多く罹患する疾患である再発性呼吸器乳頭腫は、気道の閉塞を起こすことにより致命的な疾患となり得る。最近、感染性HPV11の複製を可能にする動物モデルが開発された(Kreiderら,1985,Nature 317,639−640;Kreiderら 1987,J.Virol.61,590−593)。該モデルにより、モノクローナル抗体を用いて、天然ウイルス粒子及びバキュロウイルスで発現したVLPの高次構造中和エピトープの同定が可能になった(Christensenら 1990,J.Virol.64,5678−5681;Christensen及びKreider 1991,Virus Res.21,169−179;Christensen及びKreider 1993,Virus Res.28,195−202;Christensenら 1994,75,2271−2276)。
大量の精製ウイルス及び精製タンパク質が得られないために、L1タンパク質、L1+L2タンパク質、又は修飾L1若しくはL1+L2タンパク質を含む、PVの感染及び疾患を予防及び治療するためのワクチンの開発や商品化が遅れている。PVはin vitroでの培養が難しいために、必要量のL1及びL2タンパク質をPVのin vitro増殖により合成することは困難である。PVのin vitro培養が困難なために、PV及びPVタンパク質の化学的、免疫学的及び生物学的特性決定にも困難をきたしている。従って、粗PVタンパク質、特にPV L1及びL2タンパク質又は修飾L1及びL2タンパク質の容易に再生可能な供給源を開発することは有用である。さらに、大量の粗パピローマウイルスタンパク質を免疫学的研究及びワクチンの開発に適した純度レベルに精製する方法を開発することも有用である。また、天然タンパク質のコンホメーションのような、天然タンパク質の免疫付与特性を有する大量のパピローマウイルスタンパク質を合成することも有用である。さらに、PVタンパク質の分析法、及び該タンパク質や該タンパク質を含む組成物の相対純度の測定法を開発することも有用である。そのような高度に精製されたタンパク質は、PV感染の研究に有用な種々の試薬の製造にも有用である。そのような試薬には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及び分析標準が含まれるがそれらには限定されない。
HPV11 L1タンパク質を含むウイルス様粒子が昆虫細胞系及び哺乳動物細胞系で発現した。酵母細胞中でVLPを発現させれば、費用効率が高く且つ発酵槽での大量増殖に容易に適合させ得るという利点が得られる。しかし、HPV11 L1タンパク質は酵母細胞中では低レベルでしか発現しない。これは、HPV11 L1 mRNAの切断の結果であることが判明した。それに対し、HPV6 L1遺伝子は、全長のmRNAとして転写され、高レベルで発現する。HPV6 L1 DNAを修飾してHPV11 L1タンパク質をコードさせれば、全長のmRNAの転写が容易になり、HPV11 L1タンパク質の発現を増大させることができる。本発明は、HPV6/11ハイブリッドL1遺伝子配列及び合成オリゴヌクレオチドを用いたHPV6/11ハイブリッドL1遺伝子の構築法を提供する。該ハイブリッド遺伝子は、HPV6a L1配列を用いて設計したが、該遺伝子は、HPV11 L1タンパク質をコードするのに必要な最小数の塩基変化しか含んでいない。野生型HPV11 L1遺伝子とは異なり、HPV6/11ハイブリッド遺伝子は、酵母により認識される内部転写終結シグナルを含んでおらず、その結果、より高レベルのmRNAが得られ、HPV11 L1タンパク質の発現が増大する。
DNA又は該DNAによりコードされるタンパク質を含む医薬上有用な組成物は、公知方法により、例えば、医薬上許容し得る担体を添加して配合し得る。そのような担体及び配合法の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。有効な投与に適した医薬上許容し得る組成物を形成するためには、該組成物は、有効量のタンパク質又はVLPを含む。そのような組成物は1つ以上の型のHPV由来のタンパク質又はVLPを含み得る。
本発明の治療又は診断用組成物は、PV感染の治療又は診断に十分な量で個体に投与する。有効量は、個体の症状、体重、性別及び年齢のような多様な要素に応じて異なり得る。他の要素には投与形態が含まれる。一般に、該組成物は、約1μg〜約1mgの用量範囲で投与される。
該医薬組成物は、皮下、局所、経口、経粘膜、静脈内及び筋肉内のような種々の経路を介して個体に投与し得る。
本発明のワクチンは、宿主に中和抗体の形成を誘発させるのに必要な抗原決定基を含む、DNA、RNA、又はDNAによりコードされるタンパク質を含む。そのようなワクチンは、臨床感染の恐れなく投与し得るに十分なほど安全であり、毒性の副作用が無く、効果的な経路を介して投与し得、安定であり且つワクチン担体との相容性を有する。
該ワクチンは、種々の経路を介して、例えば、経口的に、非経口的に、皮下に、粘膜を介して、静脈内又は筋肉内に投与し得る。投与量は、個体の症状、性別、体重及び年齢;投与経路;並びにワクチンのPV型に応じて異なり得る。該ワクチンは、カプセル剤、懸濁剤、エリキシル剤又は液体溶剤のような剤形で用いることができる。該ワクチンは、免疫学的に許容し得る担体と配合し得る。
本発明のワクチンは、治療上有効量、即ち、免疫保護応答を生起させるに十分な量で投与される。治療上有効な量は、PVのタイプに応じて異なり得る。該ワクチンは単一又は多重用量で投与し得る。
本発明の精製タンパク質は、免疫原性組成物の配合に用いることができる。そのような組成物は、適当な宿主に導入されると、該宿主に免疫応答を誘発し得る。
本発明の精製タンパク質又はその誘導体は、抗体の産生に用いることができる。本明細書に用いられている「抗体」という用語は、抗原又はハプテンに結合し得る、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体、並びにその断片、例えば、Fv、Fab及びF(ab)2断片を包含する。
本発明のタンパク質及びその誘導体は、HPV感染及びHPVスクリーニングの血清型分類に用いることができる。精製タンパク質、VLP及び抗体は、HPVの検出及び血清型の分類に適したキットの調製に有用である。そのようなキットは、少なくとも1個の容器を密封保持するのに適したコンパートメント化キャリアーを含む。該キャリアーは、L1若しくはL2タンパク質、組換えHPV6/11由来のVLP、他の組換えHPV型DNA分子又はこれらのタンパク質に対する抗体のような試薬をさらに含み得る。また該キャリアーは、標識した抗原又は酵素基質などのような検出手段をも含み得る。
該精製タンパク質は、免疫標準、分子量マーカー及び分子サイズマーカーとしても有用である。
特定のアミノ酸をコードする種々のコドンにかなりの量の重複性が存在することは公知である。従って、本発明は、最終的翻訳としての同一アミノ酸をコードする代替コドンを含むDNA配列にも関する。本明細書では、1個以上の置換コドンを有する配列は、縮重変異体と定義される。また、発現したタンパク質の基本的物性を実質的に変性させない、DNA配列又は翻訳タンパク質における突然変異体も本発明の範囲内に包含される。例えば、ロイシンをバリンに、リシンをアルギニンに、又はグルタミンをアスパラギンに置換しても、ポリペプチドの機能に変化は起こらない。
ペプチドをコードするDNA配列を、天然ペプチドの特性とは異なる特性を有するペプチドをコードするように改変し得ることは公知である。DNA配列の改変方法には、部位特異的突然変異形成が含まれるがそれには限定されない。
本明細書に用いられている、HPV6/11ハイブリッド遺伝子の「機能性誘導体」とは、実質的にHPV6/11の生物学的活性に類似した生物学的活性(機能性又は構造性)を有する化合物である。用語「機能性誘導体」とは、HPV6/11の「断片」、「変異体」、「縮重変異体」、「類似体」及び「同族体」又は「化学誘導体」を包含するものとする。
用語「類似体」とは、全HPV6/11分子又はその断片と実質的に類似の機能を有する分子を指す。
本明細書に記載の方法により得られたクローン化HPV6/11のDNA又はその断片を、適当なプロモーター及び他の適切な転写調節成分を含む発現ベクター中に分子クローン化して組換え体として発現させ、原核又は真核宿主細胞に移入して、組換えHPV11を作製し得る。そのような操作方法は、Sambrookら,前掲に詳細に記載されており、当業界では公知である。
本明細書において、発現ベクターとは、適切な宿主における遺伝子のクローン化コピーの転写及びそれらのmRNAの翻訳に必要とされるDNA配列であると定義される。そのようなベクターを用いて、細菌、藍藻、植物細胞、昆虫細胞、菌類細胞及び動物細胞のような多様な宿主中で真核生物遺伝子を発現させることができる。特異的に設計されたベクターにより、細菌−酵母、細菌−動物細胞、細菌−真菌細胞又は細菌−無脊椎動物細胞のような宿主間でのDNAの移動(shuttling)が可能になる。適切に構築された発現ベクターは、宿主細胞中での自律複製用複製起点、選択可能マーカー、限定数の有用な制限酵素部位、高コピー数の能力、及び活性プロモーターを含む。プロモーターとは、RNAポリメラーゼをDNAに結合させてRNA合成を開始するように誘導するDNA配列と定義される。強力なプロモーターは、mRNAに高頻度で開始させるようにし向けるプロモーターである。発現ベクターには、クローニングベクター、改変クローニングベクター、特異的に設計されたプラスミド又はウイルスが含まれ得るがそれらには限定されない。
種々の哺乳動物発現ベクターを用いて、哺乳動物細胞中でHPV6/11のDNA又はその断片を発現させることができる。組換えHPV6/11のDNAの発現に適当であり得る市販の哺乳動物発現ベクターには、pcDNA3(Invitrogen)、pMC1neo(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、EBO−pSV2−neo(ATCC 37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC 37110)、pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC 37224)、pRSVgpt(ATCC 37199)、pRSVneo(ATCC 37198),pSV2−dhfr(ATCC 37146)、pUCTag(ATCC 37460)及びλZD35(ATCC 37565)が含まれるがそれらには限定されない。
種々の細菌発現ベクターを用いて、細菌細胞中でHPV6/11 DNA又はその断片を発現させることができる。組換えHPV6/11 DNAの発現に適当であり得る市販の細菌発現ベクターには、pET11a(Novagen)、ラムダgt11(Invitrogen)、pcDNAII(Invitrogen)、pKK223−3(Pharmacia)が含まれるがそれらには限定されない。
種々の菌類細胞発現ベクターを用いて、菌類細胞中でHPV6/11 DNA又はその断片を発現させることができる。組換えHPV6/11 DNAの発現に適当であり得る市販の菌類細胞発現ベクターには、pYES2(Invitrogen)、Pichia発現ベクター(Invitrogen)及びHansenula発現ベクター(Rhein Biotech,Dusseldorf,Geermany)が含まれるがそれらには限定されない。
種々の昆虫細胞発現ベクターを用いて、昆虫細胞中でHPV6/11 DNA又はその断片を発現させることができる。組換えHPV6/11 DNAの発現に適当であり得る市販の昆虫細胞発現ベクターには、pBlue BacIII(Invitrogen)が含まれるがそれには限定されない。
HPV6/11 DNA又はその断片を含む発現ベクターを用いて、細胞、組織、器官、又は動物中で、HPV11タンパク質又はその断片を発現させることができる。本明細書に用いられている動物という用語にはヒトが含まれる。宿主細胞は、細菌(例えば、E.coli)、菌類細胞(例えば、酵母)、哺乳動物細胞(ヒト、ウシ、ブタ、サル及びげっ歯類由来の細胞系を含むがそれらには限定されない)、並びに昆虫細胞(ショウジョウバエ及びカイコ由来の細胞系を含むがそれらには限定されない)を含むがそれらには限定されない原核細胞又は真核細胞であってよい。適当であり得且つ市販されている哺乳動物種由来の細胞系には、L細胞L−M(TK-)(ATCC CCL 1.3)、L細胞L−M(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C1271(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)及びMRC−5(ATCC CCL 171)が含まれるがそれらには限定されない。
発現ベクターは、形質転換、トランスフェクション、リポフェクション(lipofection)、プロトプラスト融合及びエレクトロポレーションを含む(但し、それらには限定されない)多くの方法のいずれかを用いて宿主細胞中に導入し得る。発現ベクター含有細胞をクローン増幅し、個別に分析して、該細胞がHPV11タンパク質を産生するかどうかを決定する。HPV11を発現する宿主細胞のクロる。HPV11を発現する宿主細胞のクローンは、抗HPV11抗体との免疫反応性を含む(但し、それらには限定されない)いくつかの手段により同定し得る。
HPVのDNA断片は、in vitroで作製された合成mRNA又は天然mRNAを用いて発現させることもできる。合成mRNA又はHPV6/11ハイブリッドDNAを発現する細胞から単離されたmRNAは、コムギ胚芽抽出物及び網状赤血球抽出物を含む(但し、それらには限定されない)種々の無細胞系に効率的に翻訳することもできるし、またカエルの卵母細胞を含む(但し、それには限定されない)細胞ベース系にも顕微注入することによって効率的に翻訳され得るが、カエルの卵母細胞に顕微注入するのが好ましい。
宿主細胞中でHPV11タンパク質を発現させた後で、該タンパク質を回収して、精製形態のHPV11タンパク質を得ることができる。利用可能且つ使用に適したHPV11精製手順がいくつかある。本明細書に記載のように、組換えHPV11タンパク質は、細胞の溶解物及び抽出物から、塩分別、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト吸着クロマトグラフィー及び疎水的相互作用クロマトグラフィーを組み合わせたり、別個に用いたりして精製し得る。
さらに、組換えHPV11タンパク質は、全長の新生HPV11又はHPV11のポリペプチド断片に特異的なモノクローナル又はポリクローナル抗体を用いて作製したイムノアフィニティーカラムを用いて、他の細胞タンパク質から分離することができる。モノクローナル及びポリクローナル抗体は、当業界で公知の種々の方法に従って産生させ得る。本明細書に用いられているモノクローナル又は単一特異性抗体とは、HPV11とホモジニアスな結合特性を有する単一抗体種又は多重抗体種であると定義される。本明細書に用いられているホモジニアス結合とは、抗体種が特異的抗原又はエピトープに結合する能力であると定義される。
単一特異性抗体産生法を利用してHPVポリペプチド断片又は全長の新生HPVポリペプチドに特異的な抗体を産生させ得ることは当業者には明らかである。特に、十分に機能性のHPVタンパク質又はその断片に特異的な単一特異性抗体を産生し得ることは当業者には明らかである。
本発明はさらに、HPVをコードするDNA又はRNAの発現並びにin vivoでのHPV11タンパク質の機能を調節する化合物のスクリーニング法にも関する。これらの活性を調節する化合物は、DNA、RNA、ペプチド、タンパク質又は非タンパク性有機分子であり得る。化合物は、HPV11をコードするDNA若しくはRNAの発現又はHPV11タンパク質の機能を増強若しくは減弱させたりして調節し得る。HPV11をコードするDNA若しくはRNAの発現又はHPV11タンパク質の機能を調節する化合物は、種々のアッセイにより検出し得る。該アッセイは、発現又は機能が変化したかどうかを決定する単純な「イエス/ノー」アッセイであってよい。該アッセイは、テスト試料の発現又は機能を標準試料の発現又は機能レベルと比較することにより定量し得る。
HPV6/11ハイブリッドDNA、HPV6/11ハイブリッドDNAの断片、HPV6/11 DNA又はHPV11タンパク質に対する抗体、HPV6/11ハイブリッドRNA又はHPV11タンパク質を含むキットを作製し得る。そのようなキットを用いて、HPV6/11DNAにハイブリダイズするDNAを検出したり、試料中のHPV11タンパク質又はペプチド断片の存在を検出する。そのような特性決定は、法廷分析及び疫学的研究を含むがそれらには限定されない多様な目的に有用である。
アンチセンス療法用に、HPV6/11 DNA配列に相補的なヌクレオチド配列を合成し得る。これらのアンチセンス分子は、DNA、ホスホロチオエート又はメチルホスホネートのような安定なDNA誘導体、RNA、2′−O−アルキルRNAのような安定なRNA誘導体、又は他のHPV6/11アンチセンスオリゴヌクレオチド模擬体であってよい。HPV6/11アンチセンス分子は、マイクロインジェクション、リポソーム封入又はアンチセンス配列を有するベクターから発現させることにより細胞に導入し得る。HPV6/11アンチセンス療法は、HPV11活性を低減させることが有利である疾患の治療に特に有用である。
用語「化学誘導体」とは、通常、基礎分子の一部ではない追加の化学部分を含む分子を指す。そのような部分は、基礎分子の溶解度、半減期、吸収率などを改善することができる。あるいは、該部分は、基礎分子の望ましくない副作用を減弱させたり、又は基礎分子の毒性を低減させたりし得る。そのような部分の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesのような様々な文献に記載されている。
本明細書に開示されている方法で同定された化合物は、日常的試験によって定義された適切な用量で単独で用いて、潜在的な毒性を最小限にしながらHPV11又はその活性を最適に阻害することができる。また、他の薬剤との同時投与又は順次投与も望ましい。
本発明の化合物は、1日1回用量で投与するか、1日当たりの全用量を数回分に分割して投与するのが有利である。さらに、本発明の化合物は、経鼻、経皮、座薬、経口などの経路を含む(但し、それらには限定されない)多様な経路を介して投与し得る。
別々の剤形の1種以上の活性剤との組み合わせ治療の場合、該活性剤を同時に投与してもよいし、別個に時間をずらせて投与してもよい。
本発明の化合物を用いる投薬計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別及び医学的な症状;治療すべき症状の重篤度;投与経路;患者の腎臓及び肝臓の機能;並びに用いられる特定の化合物を含む(但し、それらには限定されない)様々な要素に応じて選択する。通常の技術を有する医師であれば、該症状の進行の予防、治療又は治癒に必要な薬剤の有効用量を容易に決定・処方し得るであろう。毒性なしに効能を生じる範囲内の薬剤濃度の最適且つ正確な量を知るには、標的部位に対する薬剤の利用性についての動力学に基づく投薬計画が必要である。これには、薬剤の分布、平衡状態及び排泄についての考慮が含まれる。
本発明の方法において、本明細書に詳細に記載されている化合物は有効成分を形成し得、意図する投与形態、即ち、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤、座薬、ゲルなどに適当であるとして選択され、且つ慣用医療に合致した適当な医薬稀釈剤、賦形剤又は担体(本明細書では、集合的に「担体」物質と称する)と混合して投与する。
例えば、錠剤又はカプセル剤の形態で経口投与する場合、有効薬剤成分を、エタノール、グリセロール、水などのような、医薬上許容し得る無毒性の経口不活性担体と組み合わせることができる。さらに、所望又は必要な場合には、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤及び着色剤を混合物中に配合することもできる。適当な結合剤には、非限定的に、スターチ、ゼラチン、天然糖類(例えば、グルコース若しくはβ−ラクトース)、コーン甘味剤、天然及び合成ガム(例えば、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。これらの剤形に用いられる滑沢剤には、非限定的に、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、非限定的に、スターチ、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる。
液体形態の場合、有効薬剤成分を、合成及び天然ガム、例えば、トラガカント、アカシア、メチルセルロースなどのような、適当に賦香した懸濁剤又は分散剤と組み合わせることができる。用い得る他の分散剤には、グリセリンなどが含まれる。非経口投与の場合、滅菌懸濁剤及び溶剤が望ましい。静脈内投与が望ましい場合には、一般に適当な保存剤を含む等張製剤を用いる。
有効薬剤成分を含む局所用製剤は、例えば、アルコール類、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びE油、鉱油、PPG2ミリスチルプロピオネートなどのような、当業界では周知の種々の担体物質と混合して、例えば、アルコール性溶剤、局所用洗浄剤、クレンジングクリーム、スキンゲル、スキンローション及びクリーム若しくはゲル配合物状のシャンプーを形成し得る。
本発明の化合物は、小型の単層小胞、大型の単層小胞及び多層小胞のようなリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンのような種々のリン脂質から形成し得る。
本発明の化合物は、該化合物の分子が結合する個々の担体としてモノクローナル抗体を用いて送達することもできる。また、本発明の化合物は、指向性薬剤担体として可溶性ポリマーと結合させてもよい。そのようなポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール又はパルミトイル残基で置換したポリエチレンオキシドポリリシンを包含し得る。さらに、本発明の化合物は、薬剤の制御放出に有用な生分解性ポリマー種、例えば、ポリ乳酸、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタル、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート及びヒドロゲルの架橋結合性又は両親媒性ブロックコポリマーに結合し得る。
以下の実施例は本発明を例示するものであって、本発明は該実施例には限定されない。
実施例1
合成L1遺伝子の構築
HPV11 L1の1.5kbpの読み取り枠は、Midland Reagent Companyから取り寄せた合成DNAオリゴマーを用いて構築した。5′末端ホスフェートを含むオリゴマーを購入した。必要とされた合計24のオリゴマーを以下に列記する:
Figure 0003918877
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相補対を形成するオリゴマー(#241−1と#241−24、#241−2と#241−23、#241−3と#241−22、#241−4と#241−21、#241−5と#241−20、#241−6と#241−19、#241−7と#241−18、#241−8と#241−17、#241−9と#241−16、#241−10と#241−15、#241−11と#241−14、#241−12と#241−13、図1)を、2.5mM Tris、pH7.5、0.25mM EDTAを含む別々の管中でアニーリングした。管を4分間98℃に加熱し、次いで、250ml容量のビーカー中の200mlの水(98℃)に入れてゆっくり冷却した。水が室温まで冷却されたら、以下のようなアニーリングされたオリゴマー対を管に加えた:断片A(オリゴマー対#241−1と24、及び#241−2と23);断片B(#241−3と22、#241−4と21、#241−5と20及び#241−6と19);断片C(#241−7と18、#241−8と17、#241−9と16及び#241−10と15)並びに断片D(#241−11と14及び#241−12と13)。これらのオリゴマー対混合物を2分間62℃に加熱し、次いで、前と同様にゆっくり冷却した。T4 DNAリガーゼ(Boehringer Mannheim,Inc.)及び製造業者により供給された試薬を用い、各管の内容物を23℃で一晩連結反応させた。
連結反応後に、断片Bは、PCR増幅により全長産物の量を増大させる必要があった。これには、Boehringer Mannheim Taqポリメラーゼ及び以下のオリゴマープライマー:
Figure 0003918877
を用いる、Applied Biosystemsサーモサイクラー中での10サイクルの増幅(94℃で1分;48℃で1分;72℃で1分、次いで72℃で10分)を必要とした。
連結反応生成物と断片BのPCR産物を以下のように制限酵素(Boehringer Mannheim,Inc.)で消化した:断片AはBglII及びSphIで消化;断片BはSphI及びKpnIで消化;断片CはKpnI及びXhoIで消化;断片DはXhoI及びBglIIで消化した。消化した断片を低融点アガロース(FMC BioProducts)ゲル上で分離し、バンドを切断し、供給業者により推薦されたAgarase(商標)(Boehringer Mannheim,Inc.)を用いてアガロースを消化して、正しいサイズの断片を分離した。エタノール沈降法により断片A、B及びDを回収し、次いで、同様に制限酵素で消化して連結される各断片にマッチさせておいたベクターpSP72(Promega,Inc.)に別々に連結した。
先ず、KpnI XhoIで消化した断片Cを、アニーリングしたオリゴマー:
Figure 0003918877
に連結した。
次いで、断片CをXhoIで再切断し、450bpのKpnI XhoI断片をKpnI、XhoIで消化したpSP72ベクターと連結した。連結混合物を用いて、E.coli株DH5コンピテント細胞(Gibco BRL,Gaithersburg,MD)を形質転換した。形質転換体を、コロニーハイブリダイゼーション(J.Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)により、挿入物含有クローンについてスクリーニングした。Wizardミニプレプキット(Promega Corp.)を用い、陽性クローンからプラスミドDNAを分離し、次いで、Applied Biosystems 373A DNA Sequencerを用いて配列決定した。4つの断片それぞれの正しいDNA配列を含むクローンを前と同じように消化して、pSP72ベクターから該断片を分離した。KpnI、XhoIで消化した断片Cを、XhoI、BglIIで消化した断片D及びKpnI、BglIIで切断したpSP72と3者間連結した。次いで、連結反応生成物を用いてE.coliを形質転換した。得られた形質転換体を配列決定し、正しい配列のクローン(CDと称する)を得た。CDの750bpのBglII KpnI挿入体をpSP72ベクターから再切断し、前と同じように、BglII、SphIで消化した断片A及びSphI、KpnIで消化した断片Bと3者間連結したが、但し、BglIIを加えて不要な連結反応生成物を減少させた。連結反応生成物をアガロースゲル上で分離し、1.5kbpの断片を単離して、D361−1と称した。
実施例2
配列の比較
HPV6/11ハイブリッド、HPV6a及びHPV11 L1のDNA配列のヌクレオチド配列の比較を図2に示す。HPV6バックボーン配列をHPV11をコードする翻訳枠に変換するために、HPV6のバックボーン配列に対して合計55のヌクレオチド置換を行った。さらに、HPV11には見出されたがHPV6には見出されなかった追加のアミノ酸(チロシン132)をコードする3つの塩基対挿入体を#411−413bpで加えた。これらの改変を合わせると、11型特異的コンホメーション依存性中和モノクローナル抗体(Chemicon 8740 MAb)と、酵母中で発現させたHPV6/11 L1 DNAのL1タンパク質との結合が可能になる。これは、HPV6/11ハイブリッド遺伝子から誘導されたタンパク質が天然HPV11と免疫学的に区別がつかないように見えることを示唆している。
HPV6/11ハイブリッドDNA配列と公表されたHPV11 L1配列とを比較すると、194の塩基対の置換が示される。野生型11 L1配列に対するかなりの数の置換が存在し、該置換を組み合わせたり、又は全ての改変を行うことにより、酵母中での11型L1タンパク質の発現を増大させ得ると考えられる。
実施例3
L1遺伝子のDNA配列決定
製造業者(ABI,Inc.,Foster City,CA)により指定された、色素ターミネーター配列決定反応〔PRIZM(商標)Sequencing Kit〕を用いるApplied Biosystems DNA Sequencer #373Aを用いて、HPV6/11 L1遺伝子の配列決定を行った。
実施例4
HPV6/11 L1、HPV11 L1及びHPV6 L1酵母発現ベクターの構築
(Mark Johnston,Washington University,St.Louis,MOにより提供された)プラスミドpBM272由来のSaccharomyces cervisiaeのダイバージェントなGAL1−GAL10プロモーターを含むpUC18/二方向型GALプロモータープラスミドから1.4kbpのSphI断片を分離して、pGAL1−10酵母発現ベクターを構築した。ダイバージェントなプロモーターのの両側には、酵母ADH1転写ターミネーター〔Benntzen,J.L.及びHall,B.D.(1982)J.Biol.Chem.257:3018−3025〕のコピー、GAL1プロモーターとADH1転写ターミネーターの最初のコピーとの間に位置するBamHI部位及びGAL10プロモーターとADH1転写ターミネーターの2番目のコピーとの間に位置するSmaIクローニング部位が位置している。pBR322、酵母LEU2d遺伝子(Erhart,E.及びHollenberg,C.P.,1983,J.Bacteriol.156:625−635)及び酵母2μプラスミド(Benjamin Hall,University of Washington,Seattle,WAから恵与)からなる酵母シャトルベクター(Broach,J.R.及びVolkert,F.C.,1991,Circular DNA Plasmid of Yeasts,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York)を、SphIで消化し、1.4kbpのSphIダイバージェントGALプロモーター断片と連結して、pGAL1−10を得た(図3)。
HPV11 L1タンパク質をコードするHPV6/11ハイブリッドL1 DNA(実施例1からの試料D361−1)は、HPV6/11 L1開始メチオニンコドンに対してすぐ上流の酵母非翻訳リーダー配列(Kniskern,P.J.ら,1986,Gene 46:135−141)を含む。pGAL1−10プラスミドを、GAL1プロモーターとADH1転写ターミネーターとの間で切断するBamHIを用いて線状にし、1.5kpbのHPV6/11 L1遺伝子断片(試料D361−1)と連結した。E.coli DH5(Gibco BRL,Inc.)形質転換体をスクリーニングし、HPV6/11 L1遺伝子を含むpGAL1−10プラスミドを単離して、D362−1と称した。
尖形コンジローム病変(Darron Brown博士から恵与)から野生型HPV11(wt−HPV11)DNAをクローン化した。全ヒトゲノムDNAを抽出し、制限エンドヌクレアーゼで消化した。wt−HPV11 DNAを含む画分をE.coliクローニングベクターと連結して、PCR用のテンプレートとして用いた。Ventポリメラーゼ(New England Biolabs、Inc.)、10サイクルの増幅(94℃で1分、48℃で1分、72℃で1分45秒)、及びプランキングBglII部位(下線)を含む以下のオリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRにより、wt−HPV11 L1遺伝子を増幅した:
Figure 0003918877
該センスプライマーは、wt−HPV11 L1開始メチオニンコドン(太字で強調)に対してすぐ上流の酵母非翻訳リーダー配列(Kniskern,P.J.ら,1986,Gene 46:135−141)を導入する。1.5kpbのwt−HPV11 L1 PCR産物をBglIIで消化、ゲル精製し、BamHIで消化したpGAL1−10プラスミドと連結して、プラスミド、p329−1を得た。
HPV6a陽性尖形コンジローム病変(Darron Brown博士から恵与)から全ゲノムDNAを抽出した。テンプレートとして生検試料DNA、Ventポリメラーゼ(New England Biolabs,Inc.)、35サイクルの増幅(94℃で1分、48℃で1分、72℃で1分45秒)、wt−HPV11 L1のPCR用に上記に列記したプライマー、及び以下の配列を有するアンチセンスプライマーを用いるPCRにより、HPV6a L1遺伝子を増幅した:
Figure 0003918877
1.5kbpのHPV6a L1 PCR産物をBglIIで消化、ゲル精製し、BamHIで消化したpGAL1−10プラスミドと連結して、プラスミドD128を得た。
実施例5
株1558の作製
ステップa酵母株U9の作製
Saccharomyces cerevisiae株2150−2−3(MATalpha,leu2−04,ade1,cir°)は、Leland Hartwell博士(University of Washington,Seattle,WA)から得た。株2150−2−3の細胞を、5mlのYEHD培地(Cartyら,J.Ind Micro 2(1987)117−121)中30℃で一晩増殖させた。細胞を滅菌蒸留水中で3回洗浄し、2mlの滅菌蒸留水に再懸濁し、ura3突然変異体(Cold Spring Harbor Laboratory Manual for Yeast Genetics)を選択するために、0.1mlずつの細胞懸濁液を6個の5−フルオロ−オロト酸(FOA)プレートに入れた。プレートを30℃でインキュベートした。該培地は、250mlの蒸留水当たり:アミノ酸及び硫酸アンモニウムを含まない、3.5gのDifco Yeast Nitogen Base;0.5gの5−フルオロ−オロト酸;25mgのウラシル;及び10.0gのデキストロースを含んでいた。
0.2μmの膜を通して濾過して培地を殺菌し、次いで、50℃に維持した4%Bacto−Agar(Difco)250ml、アデニンの1.2mg/ml溶液10ml及びL−ロイシン溶液(180mg/50ml)5mlと混合した。得られた培地をペトリ皿1個当たり20mlで分注した。
5日間インキュベートした後、多くのコロニーが出現した。初期FOAプレート由来のコロニーから新鮮なFOAプレート上に再画線培養して単コロニーを分離し、次いで、30℃でインキュベートした。第2セットのFOAプレート由来の数個のコロニーを、YEHDプレート及びウラシルを欠くプレート上にレプリカプレーティングしてura3突然変異体の存在についてテストした。結果は、YEHD培地上で所望の良好な増殖が見られ、ウラシルを欠く培地上では増殖が見られなかった。これらの特性を示す1つの単離体(U9)を得た。該単離体を、後で使用するために、凍結グリセロール保存株(株#325)として−70℃で保存した。
ステップb酵母MNN9遺伝子を破壊するためのベクターの作製
MNN9遺伝子を破壊(disrupt)するためのベクターを作製するためには、先ず、S.cerevisiaeのゲノムDNAからMNN9遺伝子をクローン化する必要があった。これは、標準ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により行った。全長のMNN9コード配列のPCR用5′センスプライマーと3′アンチセンスプライマーを、酵母MNN9遺伝子(Zymogenetics:EPO特許出願第88117834.7号,公開番号0−314−096−A2)の公開配列に基づいて設計した。フランキングHindIII部位(下線)を含む以下のオリゴデオキシヌクレオチドプライマーを用いた:
Figure 0003918877
MNN9遺伝子の開始メチオニンコドンは太字で強調してある。PCRは、テンプレートとしてS.cerevisiae株JRY188、Taq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)及び25サイクルの増幅(94℃で1分、37℃で2分、72℃で3分)を用いて行った。得られた1.2kbpのPCR断片をHindIIIで消化、ゲル精製し、HindIIIで消化し且つアルカリ−ホスファターゼで処理したpUC13(Pharmacia)と連結した。得られたプラスミドをp1183と称した。
酵母URA3遺伝子でMNN9遺伝子を破壊するために、(pBR322のHindIII部位にサブクローン化したS.cerevisiae URA3遺伝子をコードする1.1kpbのHindIII断片を含む)プラスミドpBR322−URA3をHindIIIで消化し、機能性URA3遺伝子を有する1.1kbpのDNA断片をゲル精製し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端とし、次いで、PmlIで消化したプラスミドp1183(PmlIがMNN9コード配列内部で切断する)と連結した。得られたプラスミドp1199は、機能性URA3遺伝子によるMNN9遺伝子の破壊体を含む。
ステップcMNN9遺伝子破壊体を含むU9誘導体株1372の構築
株U9(#325)のMNN9遺伝子を破壊するために、30μgのプラスミドp1199をHindIIIで消化して、線状mnn9::URA3破壊カセットを作成した。スフェロプラスト法(Hinnenら,1978,Proc Natl.Acad.Sci.USA 75:1929−1933)に従い、株325の細胞を、HindIIIで消化したp1199DNAで形質転換し、ウラシルを欠き、1.0M ソルビトールを含む合成寒天培地上で形質転換体を選択した。該合成培地は、蒸留水1リットル当たり:寒天、20g;アミノ酸を含まない酵母窒素ベース、6.7g;アデニン、0.04g;L−チロシン、0.05g;ソルビトール、182g;グルコース、20g;及びLeucine Minus Solusion #2、10mlを含んでいた。Leucine Minus Solution #2は、蒸留水1リットル当たり:L−アルギニン、2g;L−ヒスチジン、1g;L−ロイシン、6g;L−イソロイシン、6g;L−リシン、4g;L−メチオニン、1g;L−フェニルアラニン、6g;L−トレオニン、6g;L−トリプトファン、4gを含む。
プレートを30℃で5日間インキュベートしたが、その間に多くのコロニーが出現した。10個のコロニーから染色体DNA調製物を作り、次いで、EcoRI+HindIIIで消化した。次いで、DNA消化体を、プローブとして(プラスミドp1199から分離した)MNN9遺伝子を有する1.2kbpのHindIII断片を用いるサザーンブロット(J.Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)により評価した。サザーンブロット上で予測DNAバンドシフトを示し、且つmnn9突然変異体に典型的な極端な凝集性(clumpiness)を示す分離体を同定した(株#1372)。
ステップd酵母HIS3遺伝子の破壊用ベクターの構築
S.cerevisiae HIS3遺伝子がURA3遺伝子で破壊される破壊カセットを構築するために、プラスミドYEp6(K.Struhlら,1979,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 76:1035)をBamHIで消化し、HIS3遺伝子を有する1.7kbpのBamHI断片をゲル精製し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端とし、あらかじめBamHIで消化し、T4 DNAポリメラーゼで処理しておいたpUC18と連結した。得られた(p1501又はpUC18−HIS3と称される)プラスミドを(HIS3コード配列内部を切断する)NheIで消化し、ベクター断片をゲル精製し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端とし、次いで、仔ウシ腸アルカリホスファターゼで処理した。HindIIIで消化して、URA3遺伝子をプラスミドpBR322−URA3から分離し、URA3遺伝子を有する1.1kbp断片をゲル精製し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端とし、上記のpUC18−HIS3 NheI断片と連結した。得られた(pUC18−his3::URA3又はp1505と称される)プラスミドは、酵母HIS3遺伝子を機能性URA3遺伝子で破壊する破壊カセットを含む。
ステップeHIS3遺伝子による酵母PRB1遺伝子破壊用ベクターの構築
S.cerevisiae PRB1遺伝子を保有するプラスミドFP8ΔHは、Carnegie−Mellon UniversityのE.Jones博士から提供された(C.M.Moehleら,1987,Genetics 115:255−263)。該プラスミドをHindIII+XhoIで消化し、PRB1遺伝子を保有する3.2kbpのDNA断片をゲル精製し、T4 DNAポリメラーゼで処理して平滑末端とした。プラスミドpUC18をBamHIで消化、ゲル精製し、T4 DNAポリメラーゼで処理して平滑末端とした。得られたベクター断片を上記のPRB1遺伝子断片に連結して、プラスミドpUC18−PRB1を得た。HIS3遺伝子を含むプラスミドYEp6をBamHIで消化した。得られた、機能性HIS3遺伝子を保有する1.7kbpのBamHI断片をゲル精製し、次いで、T4 DNAポリメラーゼで処理して平滑末端とした。プラスミドpUC18−PRB1を、PRB1コード配列内で切断するEcoRV+NcoIで消化し、プロテアーゼB活性部位及びプランキング配列を分離した。pUC18中のPRB1コード配列の残りの5′及び3′部分を保有する5.7kbpのEcoRV−NcoI断片をゲル精製し、T4 DNAポリメラーゼで処理して平滑末端とし、仔ウシ腸アルカリホスファターゼで脱リン酸化して、上記の平滑末端HIS3断片と連結した。得られた(pUC18−prb1::HIS3、保存株#1245と称される)プラスミドは、上記のように欠失したPRB1遺伝子部分の代わりに機能性HIS3遺伝子を含む。
ステップfMNN9遺伝子及びPRB1遺伝子の破壊体を含むU9関連酵母株の構築
MNN9遺伝子破壊体を含むU9関連株1372は実施例5cに記載した。株1372のクローン分離体を、(実施例5aに記載のように)FOAプレート上で継代して、ura3突然変異体を選択した。株1372からいくつかのura3分離体を得、引き続きHIS3遺伝子を破壊するために1つの特定の分離体(株12930−190−S1−1)を選択した。pUC18−his3::URA3遺伝子破壊ベクター(p1505)をXbaI+EcoRIで消化して、線状his3::URA3破壊カセットを形成し、酢酸リチウム法〔Methods in Enzymology,194:290(1991)〕による株12930−190−S1−1の形質転換に用いた。ウラシルを欠く合成寒天培地上でUra+形質転換体を選択し、該培地上でクローン分離体を再画線培養し、次いで、ウラシル又はヒスチジンを欠く培地上にレプリカプレートして、該分離体をUra+及びHis-であるものについてスクリーニングした。引き続きPRB1遺伝子を破壊するために1つの分離体(株12930−230−1)を選択した。PRB1遺伝子破壊ベクター(pUC18−prb1::HIS3、保存株#1245)をSacI+XbaIで消化して、線状Prb1::HIS3破壊カセットを形成し、酢酸リチウム法による株12930−230−1の形質転換に用いた。ヒスチジンを欠く寒天培地上でHis+形質転換体を選択し、該培地上でクローン分離体を再画線培養した。得られたHis+分離体のいくつかからゲノムDNAを作製し、EcoRIで消化、次いで、0.8%アガロースゲル上で電気泳動させた。次いで、放射性標識した617bpプローブを用い、以下のオリゴデオキシヌクレオチドプライマーを用いたPCRで作製しておいたPRB1遺伝子についてサザーンブロット分析を行った:
Figure 0003918877
プローブと2.44kpbのprb1::HIS3 DNA断片との予測ハイブリダイゼーションを示した11個の分離体を得た。これは、該プローブと野生型PRB1遺伝子の1.59kbpの断片とのハイブリダイゼーションとは対照的であった。所望のprb1::HIS3破壊体を含むこれらの分離体のうちの1つをその後の使用のために選択し、株#1558と称した。
実施例6
酵母におけるHPV11 L1及びHPV6 L1の発現
スフェロプラスト法(Hinnenら,1978,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 75,1929−1933)に従い、プラスミドD362−1(pGAL1−10+HPV6/11 L1)、p329−1(pGAL1−10+wt−HPV11 L1)、D128(pGAL1−10+HPV6 L1)及びpGAL1−10を用いて、S.cerevisiae株#1558(MATa、leu2−04、prbl::HIS3、mnn9::URA3、adel、cir°)を形質転換した。プラスミドD362−1で形質転換した#1558酵母株を株#1782と称した。RNA実験用には、酵母のクローナル分離体を、0.1M ソルビトール及び2%グルコース又はガラクトースを含むYEH複合培地(Cartyら,1987,J.Ind.Micro.2,117−121)中30℃で26時間増殖させた。細胞を収穫した後、(Current Protocols in Molecular Biology,第2巻,Current Protocol,1993)に記載のような高温酸性フェノール法(hot acidic phenol method)を用いて酵母RNAを抽出した。タンパク質の分析には、同一分離体を0.1M ソルビトール、2%グルコース及び2%ガラクトースを含むYEH複合培地中で70時間30℃で増殖させた。細胞を収穫した後、細胞ペレットをガラスビーズで破壊し、イムノブロット分析により、細胞溶解物をHPV11 L1又はHPV6 L1タンパク質の発現について分析した。
実施例7
酵母中で発現させたHPV L1 RNAのノザンブロット分析
10μgの全RNAを含む試料を、グリオキサル及びDMSO(Current Protocols in Molecular Biology,第1巻,Current Protocols、1993)で処理して、変性させ、リン酸緩衝した1.2%アガロースゲルを通して電気泳動させた。RNAをナイロン膜上に移し、HPV11及びHPV6 L1 DNA配列に相補的な32P−標識したオリゴヌクレオチドを用いて検出した。
ノザンブロットを図4に示す。グルコース培地上で増殖させた試料には予測サイズの全長のHPV L1 RNAに対応するバンドは検出されなかった(レーン1、3及び5)。これは、グルコースが酵母GAL1プロモーターからの転写を抑制するためであると考えられる。それに対し、GAL1プロモーターからの転写を誘発させるガラクトース培地中で増殖させた試料は強力なHPV L1 RNAシグナルを示す。HPV6 L1は全長のRNA種として転写される(レーン2)が、野生型(wt)−HPV11 L1の大多数は、切断形態として転写される(レーン4)。この結果は、酵母転写終結シグナルがwt−HPV11L1 ORF内に位置し、HPV6 L1配列には存在しないことを示唆していた。HPV6/11ハイブリッド遺伝子から転写されたRNAは全長のようである(レーン6)。pGAL1−10対照酵母試料にはHPV特異的RNAは検出されない(レーン7)。
実施例8
酵母中で発現したHPV L1タンパク質のウエスタン分析
20μgの全細胞タンパク質を含む試料を変性条件下に10%Tris−Glycineゲル(Novex、Inc.)を通して電気泳動させ、ニトロセルロースフィルター上に電気ブロットした。一次抗体としてtrpE−HPV11 L1融合タンパク質に対して産生されたウサギ抗血清(Brown,D.R.ら,1994,Virology 201:46−54)及び二次抗体として西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ロバ抗ウサギIgG(Amersham,Inc.)を用い、L1タンパク質を免疫検出した。化学ルミネセントECL(商標)Detection Kit(Amersham,Inc.)でフィルターを処理した。pGAL1−10陰性対照(レーン4)を除く全ての試料に50〜55kDaのL1タンパク質バンドが検出された(図5)。さらに、HPV6/11ハイブリッド遺伝子(レーン3)によって発現したHPV11L1タンパク質の量は、wt−HPV11遺伝子(レーン2)又はHPV6 L1遺伝子(レーン1)によって発現したL1タンパク質の量の〜10倍も大きいようである。
実施例9
酵母中で発現したHPV11 L1 VLPのELISA
ELISAを用いてwt−HPV11又はHPV6/11ハイブリッドを発現する酵母クローンから産生させたVLPの相対量を測定した。ELISAを用い、強度に中和性の抗体応答に対して形成される高次構造エピトープがHPV6/11ハイブリッドDNAから誘導されたVLP上に保持されることも証明された。この高次構造エピトープは、Chemicon Mab8740としてChemicon International(Temecula,CA)から入手し得るモノクローナル抗体H11.B2(Christensenら1990,J.Virol.64,5678−5681)により定義されている。手短に言えば、ELISAプレート(Maxisorb,Nunc Inc.,Naperville,IL)のウエルを、100μlのPBS中にHPV6/11(ハイブリッド)又はwt−HPV11 VLPを含む減少量の全酵母タンパク質でコーティングした。対照として、CsCl精製したwt−HPV11ウイルス粒子(D.Brown博士から恵与)及び対照酵母タンパク質を用いた。プレートを4℃で一晩インキュベートし、プレートを室温で2時間、TTBS(50mM Tris,pH7.6、150mM NaCl、0.1% Tween 20)中の250μlの10%粉乳(Carnation)で吸引・ブロックした。プレートを、PBS/0.1%Tween 20で1回洗浄し、ウエルを室温で1時間、TTBS中1%粉乳中の抗HPV11ウイルス粒子モノクローナル抗体Chemicon MAB8740の1:1000稀釈液100μlと共にインキュベートした。プレートをPBS/Tween 20で3回洗浄し、次いで、プレートを室温で1時間、1%粉乳+TTBS中1:1000に稀釈したアルカリホスファターゼ(Kierkegard & Perry,Gaithersburg,MD)に結合した抗マウスIgG100μlと共にインキュベートした。プレートを再びPBS/Tween 20で3回洗浄し、ホスファターゼ基質(ジエタノールアミン緩衝液中のp−ニトロフェニルホスフェート)100μlを加えた。プレートを室温で30分間インキュベートした。50μlの3N NaOHを加えて反応を停止した。ELISAプレート読み取り装置により405nmでプレートの読み取りを行った。
対照酵母タンパク質から得られたバックグラウンド読み取り値に対して補正した2つのウエルの平均OD405nmの読み取り値を、ウエル中の全酵母タンパク質に対してプロットし、図6に示す。HPV6/11ハイブリッド酵母クローンは、wtクローンと比べて、10倍以上の量の天然VLPを産生させた。さらに、これらのVLP上にはChemicon Mab8740により認識される強度に中和性のエピトープが示されている。
実施例10
電子顕微鏡実験
EM分析(Structure Probe,West Chester,PA)では、各試料(粗な清澄化溶解物又は精製VLP)のアリコートを200メッシュ炭素コーティングした銅グリッド上に置いた。該グリッド上に1滴の2%リンタングステン酸(PTA)、pH7.0を20秒間置いた。透過EM検査の前にグリッドを風乾した。100kVの加速電圧でJEOL 100CX透過電子顕微鏡(JEOL USA,Inc.)を用いて全顕微鏡検査を行った。作製された顕微鏡写真は、100,000×の最終倍率を有する。図7に示されているように、全てのHPV11試料に45〜55nmの粒径範囲のVLPが認められたが、酵母対照試料には検出されなかった。
実施例11
HPV6/11 L1(株#1782)の発酵
株1782を平板培養した表面増殖体を、(1L当たり):アミノ酸及び硫酸アンモニウムを含まない、8.5gのDifco酵母窒素ベース;0.2gのアデニン;0.2gのウラシル;10gのコハク酸;5gの硫酸アンモニウム;及び0.25gのL−チロシンを含む、ロイシンを欠く液体培地に無菌移入した。この培地は、滅菌前にNaOHを加えてpHを5.0〜5.3に調整した。回転振とう機上250rpmで25時間28℃で増殖させた後、滅菌グリセロールを加えて最終濃度を17%(w/v)にして、凍結培養バイアルを作製し、−70℃で保存した(低温バイアル1個当たり1ml)。該培地(2L容量のフラスコ1個当たり750ml)中で株1782の発酵用接種材料を増殖させ、2つの凍結培養バイアルから解凍した内容物を2L容量のフラスコに移し、回転振とう機上250rpmで25時間28℃でインキュベートして発酵を開始した。株1782の発酵には、接種後18L作業容量でChemap 23L発酵槽を用いた。用いた産生培地は、(1L当たり):20gのDifco酵母エキス;10gのSheffield HySoyペプトン;20gのガラクトースを含んでいた。該培地は、滅菌する前にpHを5.3に調整した。2L容量の接種材料フラスコの全内容物(500ml)を発酵槽に移し、28℃、毎分9Lの空気、500rpm、圧力3.5psiでインキュベートした。必要に応じて攪拌数を増大させ、40%を超える溶解酸素飽和レベルに維持した。発酵の進行をオフライングルコース測定法(Beckman Glucose 2 Analyzer)及びオンライン質量分析法(Perkin−Elmer 1200)でモニターした。66時間インキュベートした後では、1L当たり9.32gの乾燥細胞重量の細胞密度に達した。そのような2つの発酵槽内容物(合計17.5Lブイヨン)をプールし、細胞を回収した。培養体を、ホローファイバー濾過(Amicon DC−10濾過システム中のAmicon H5MP01−43カートリッジ)により約2Lに濃縮し、2Lのリン酸緩衝塩水で透析濾過(diafilter)し、さらに(約1Lに)濃縮して、500ml容量の遠心ボトルに分注した。8,000rpmで20分間4℃で遠心(Sorval GS3ローター)して細胞ペレットを補集した。上清をデカントした後、ペレット(合計358gの湿潤細胞)を使用時まで−70℃で保存した。
実施例12
組換えHPV11型L1キャプシドタンパク質の精製
特に断りのない限り、全てのステップは4℃で実施した。
細胞を−70℃で凍結した。凍結細胞(湿潤重量=180g)を20〜23℃で解凍し、900mlの「破壊緩衝液」(50mM MOPS、pH7.2、500mM Nacl、1mM CaCl2)に再懸濁した。プロテアーゼ阻害剤AEBSF及びペプスタチンAを加えて、それぞれ1mM及び1.7μMの最終濃度とした。約16,000psiの圧力下に、M110−Y Microfluidizer(Microfluidics Corp.,Newton,MA)に4回通して細胞スラリーを破壊した。破壊された細胞スラリーに、十分量の10%TritonX−100▲R▼界面活性剤(Pierce,Rockford,IL)を加え、TX−100の濃度を0.5%とした。スラリーを20時間攪拌した。Triton X−100で処理した溶解物を12,000×gで40分間遠心して細胞片を除去した。L1タンパク質を含む上清液を回収した。
300K 接面流動膜(tangential flow membrane)カセット(Filtron,Northborough,MA)を用いて、上清液を5容量の20mM リン酸ナトリウム、pH7.2,0.5M NaClに対して透析濾過した。ラジオイムノアッセイ及びウエスタンブロッティングにより、該膜によって保持された物質はL1タンパク質を含むことが示された。
保持物質を、20mM リン酸ナトリウム、pH7.2、0.5M NaCl中で平衡にした、SP Spherodex(M)▲R▼樹脂(IBF,Villeneuve−la−Garenne,France)の高分離能アフィニティーカラム〔11.0cm(内径)×5.3cm〕にかけた。平衡緩衝液で洗浄し、20mM リン酸ナトリウム、pH7.2、1.0M NaClで段階洗浄した後、L1タンパク質を、20mM リン酸ナトリウム、pH7.2、2.5M NaClで段階洗浄して溶離した。洗浄・溶離中に画分を補集した。Bradford法に従い、カラム画分を全タンパク質についてアッセイした。次いで、画分を、ウエスタンブロッティング、及びコロイドクーマシー検出を用いるSDS−PAGEにより分析した。画分をさらにラジオイムノアッセイにより分析した。
同程度の純度及び濃度のL1タンパク質を示すSP Spherodex画分をプールした。
最終生成物を、ウエスタンブロッティング、及びコロイドクーマシー検出を用いるSDS−PAGEにより分析した。L1タンパク質は>90%ホモジニアスであると予測された。L1タンパク質をウエスタンブロッティングにより同定した。最終生成物を0.22μm膜を通して無菌濾過し、4℃で保存した。この処理により、合計100mgのタンパク質を得た。
Structure Probe(West Chester,PA)により電子顕微鏡分析を行う。試料のアリコートを200メッシュ炭素コーティング銅グリッド上に置く。該グリッド上に1滴の2%リンタングステン酸、pH7.0を20秒間置く。TEM検査の前にグリッドを風乾する。全ての顕微鏡検査は、100kVの加速電圧でJEOL 100CX透過電子顕微鏡(JEOL USA,Inc.)を用いて実施する。作製された顕微鏡写真は100,000×の最終倍率を有する。
全タンパク質についてのBradfordアッセイ
市販のCoomassie Plus▲R▼キット(Pierce,Rockford,IL)を用いて全タンパク質をアッセイした。試料をMilli−Q−H2Oに適切なレベルで稀釈した。必要な容量は、標準プロトコル及びマイクロアッセイプロトコルに対して、それぞれ0.1ml及び1.0mlであった。どちらのプロトコルでも、BSA(Pierce,Rockford,IL)を用いて標準曲線を作製した。アッセイは、製造業者の指示に従って実施した。標準曲線は、Macintosh IIciコンピューターでCricketGraph▲R▼ソフトウエアを用いてプロットした。
SDS−PAGE及びウエスタンブロットアッセイ
全てのゲル、緩衝液及び電気泳動装置はNovex(San Diego,CA)から入手し、製造業者の指示に従って操作した。簡潔に言えば、試料をMilli−Q−H2Oに等タンパク質濃度に稀釈し、200mM DTTを含む試料インキュベーション緩衝液と1:1混合した。試料を100℃で15分間インキュベートし、予形成した12%トリス−グリシンゲル上に充填した。試料を125Vで1時間45分電気泳動させた。市販のキット(Integrated Separation Systems,Natick,MA)を用いてコロイドクーマシー染色によりゲルを発色させた。
ウエスタンブロット法では、タンパク質を25Vで40分間PVDF膜に移し取った。膜をMilli−Q−H2Oで洗浄し、風乾した。一次抗体は、TrpE−HPV11 L1融合タンパク質に対して産生されたポリクローナルウサギ抗血清(D.Brown博士から恵与)であった。抗血清をブロッティング緩衝液(6.25mM リン酸ナトリウム、pH7.2、150mM NaCl、0.02%NaN3中5%脱脂粉乳)に稀釈して抗体溶液を調製した。インキュベーションは20〜23℃で少なくとも1時間行った。PBS(6.25mM リン酸ナトリウム、pH7.2、150mM NaCl)を3回変えて、各1分ずつブロットを洗浄した。二次抗体溶液は、ヤギ抗ウサギIgGアルカリホスファターゼ結合抗血清(Pierce,Rockford,IL)をブロッティング緩衝液に稀釈して調製した。上記と同じ条件下に少なくとも1時間インキュべーションを行った。
ブロットを上記のように洗浄し、1ステップNBT/BCIP基質(Pierce,Rockford,IL)を用いて検出した。
実施例13
免疫原性組成物の調製
精製したVLPを、医薬上許容し得る担体、安定剤又はワクチンアジュバントの混合によるような公知方法に従って配合する。本発明の免疫原性VLPは、例えば、PBS、生理的食塩水又は蒸留水のような生理学的に許容し得る組成物と組み合わせてワクチン用に製造し得る。免疫原性VLPは、所望の免疫原性効果を得るために、約0.1〜100μg、好ましくは約1〜約20μgの用量範囲で投与する。製剤当たりのVLPの量は、個体の症状、体重、年齢及び性別を含む(但し、それらには限定されない)種々の要素に応じて異なり得る。VLP製剤は、経口、皮下、局所、経粘膜、及び筋肉内を含む(但し、それらには限定されない)種々の経路を介して投与し得る。そのようなVLP製剤は、単一型VLP(即ち、HPV11由来のVLP)か、VLP混合物(即ち、HPV6、HPV11,HPV16及びHPV18由来のVLP)から構成し得る。
場合によって、抗菌性保存剤、例えば、チメロサルが存在してもよい。所望なら、本発明の免疫原性抗原をワクチン安定剤及びワクチンアジュバントと組み合わせて用いてもよい。典型的な安定剤は、特異的化合物、例えば、ヘパリン、イノシトールヘキサ硫酸、硫酸化β−シクロデキストリンのようなポリアニオン、特異性の低い賦形剤、例えば、アミノ酸、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、グリセロール、スクロース、デキストロース、トレハロース、及び溶液条件、例えば、中性pH、高イオン強度(約0.5−2.0M 塩)、2価のカチオン(Ca2+、Mg2+)を変動させる成分である。アジュバントの例には、Al(OH)3及びAl(PO4)がある。本発明のワクチンは、凍結又は凍結乾燥形態で保存し得る。
実施例14
VLPに対する抗体の調製
精製されたVLPを用いて抗体を産生させる。本明細書に用いられている用語「抗体」には、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体並びにそれらの断片、例えば、抗原又はハプテンに結合し得るFv、Fab及びF(ab)2断片が含まれる。抗体は、組換えVLPの精製、天然L1又はL2タンパク質の精製及びキットを含む(但し、それらには限定されない)種々の用途に用いられる。キットは、少なくとも1個の容器を密閉保持するのに適したコンパートメント化されたキャリアーを含む。該キャリアーはさらに、HPV、HPVの断片又はHPVに対する抗体の検出に適した抗VLP抗体又はVLPのような試薬を含む。キャリアーはさらに、標識抗原又は酵素基質などのような検出媒体をも含み得る。抗体、VLP又はキットは法廷用分析及び疫学的研究を含む(但し、それらには限定されない)多様な目的に有用である。

Claims (5)

  1. ヒトパピローマウイルス11型L1タンパク質をコードする単離・精製されたDNA分子であって、以下:
    Figure 0003918877
    Figure 0003918877
    に示される配列からなるDNA分子。
  2. 請求項1に記載のDNA分子を含む発現ベクター。
  3. 請求項1に記載のDNA分子に相補的なRNA。
  4. 精製組換えヒトパピローマウイルス11型L1タンパク質を産生させる方法であって、
    (a)適当な酵母宿主を、請求項1に記載のDNA分子を含む発現ベクターで形質転換して形質転換細胞を産生させるステップ;
    (b)組換えヒトパピローマウイルス11型L1タンパク質を発現させる条件下で形質転換細胞を培養するステップ;
    (c)組換えヒトパピローマウイルス11型L1タンパク質を精製するステップ
    を含む前記方法。
  5. 組換えヒトパピローマウイルス11型L1タンパク質を含む精製ウイルス様粒子を製造する方法であって、
    (a)適当な酵母宿主を、請求項1に記載のDNA分子を含む発現ベクターで形質転換して形質転換細胞を産生させるステップ;
    (b)組換えヒトパピローマウイルス11型L1タンパク質を発現させる条件下で形質転換細胞を培養するステップ;
    (c)組換えヒトパピローマウイルス11型L1タンパク質を精製するステップ;及び
    (d)該タンパク質をさらに精製してウイルス様粒子を産生させるステップを含む前記方法。
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