JP3917843B2 - 小型艇 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハルにデッキを組付けて艇体を構成し、この艇体で囲まれた空間にエンジンを搭載し、エンジンの吸気系に縦長のエアボックスを設けた小型艇に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型艇として、例えば特開平8−48287号公報「小型滑走艇」が知られている。以下、この公報に示す図1を次図に再掲(但し、符号は振り直す)して小型艇を詳しく説明する。
【0003】
図7は従来の小型艇の断面図である。小型艇100は、デッキ101の略中央に左右の側壁102,103を備え、左右の側壁102,103の上端に鞍乗り式のシート104を備え、このシート104の下方にエンジン105を艇体106の前後方向に向けて配置し、エンジン105の左側空間に吸気系機器108を設けたものである。
【0004】
吸気系機器108は、エンジン105のシリンダ105a・・・にエアファンネル108a・・・を介して吸気サイレンサ108bを連通し、この吸気サイレンサ108bに吸気管108cを連通したものである。
この吸気系機器108よれば、吸気管108cの吸込口108dから吸気管108c内に吸込んだ空気を吸気サイレンサ108b内に導き、吸気サイレンサ108b内に導いたエアをエアファンネル108a・・・を介してシリンダ105a・・・内に導入することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、吸気管108cを吸気サイレンサ108bの後壁から後方に、かつ艇体106の中心106aに向けて水平に延ばしており、吸気管108cが吸気サイレンサ108bの後壁に連結する連結部下端108eが吸気サイレンサ108bの底面108fの上方に位置する。
これにより、万が一吸気サイレンサ108b内に海水や水が侵入した場合に、海水や水が吸気系機器108、特に吸気サイレンサ108b内に溜まってしまう。
【0006】
また、小型艇を運転中に艇体内に海水や水が侵入することが考えられる。艇体内に海水や水が侵入すると、エアファンネル108a・・・から海水や水がシリンダ105a・・・内に侵入することが考えられる。
このため、万が一艇体106内に海水や水が侵入した場合でも、シリンダ105a・・・内に海水や水が侵入することを防ぐことができる小型艇100の実用化が望まれていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、吸気系機器内に海水や水が溜まることを防止することができ、さらに万が一艇体内に海水や水が侵入した場合でもエンジン内に海水や水が侵入することを防止できる小型艇を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1は、艇体の下部を構成するハルと、艇体の上部を構成するデッキとを組合せて艇体を構成し、この艇体で囲まれた空間にエンジンを搭載した小型艇において、前記エンジンの吸気系に縦長のエアボックスを設け、このエアボックスの下部にエアを吸込むエア吸込口を設け、エアボックスからエンジンへエアを導くエア通路の入口をエアボックスの上半部に開口させた小型艇であって、前記エアボックスの下半部に、エアボックスの下部まで下方に延びたエア吸込チューブを形成し、このエア吸込チューブの下端部に前記エア吸込口を形成するとともに、エア吸込チューブを前記エアボックスの下半部に連通させたことを特徴とする。
【0009】
エンジンの吸気系にエアボックスを設け、エアボックスの下部にエアを吸込むエア吸込口を設けた。これにより、万が一小型艇が反転してエアボックス内に海水や水が侵入した場合でも、小型艇を正常の姿勢に戻すことにより、エアボックス内の海水や水をエア吸込口から排水することができる。
【0010】
また、エンジンへエアを導くエア通路の入口をエアボックスの上半部に開口させることで、エア通路の入口を高い位置に配置することができる。これにより、万が一艇体内に海水や水が侵入した場合でも、海水や水がエア通路の入口まで上昇することを抑えることができる。
【0011】
請求項2は、エア吸込口とエア通路の入口との間にエアフィルタを設け、このエアフィルタでエアボックス内を上下に仕切ることを特徴とする。
【0012】
エア吸込口とエア通路の入口との間にエアフィルタを設けることで、エア吸込口から吸込んだエアをエアフィルタを介してエア通路の入口に導くことができる。これにより、エア内に含まれている塵埃などをエアフィルタで除去することができるので、クリーンなエアをエア通路の入口に導くことができる。
【0013】
請求項3は、エアボックスの天板上に止水壁を巡らせ、この止水壁のうちのエア吸込口を避けた部位に排水のための切欠き部を設けたことを特徴とする。
【0014】
エアボックスを構成する天板の外周に沿って止水壁を巡らせることで、天板の外周と止水壁とで凹部を形成することができる。このため、天板にかかった海水や水を凹部に導くことができる。さらに、止水壁に切欠き部を設けることで、切欠き部を凹部に連通することができる。これにより、凹部に導いた海水や水を切欠き部から排水することができる。
加えて、切欠き部をエア吸込口を避けた部位に形成することで、切欠き部から排水した海水や水がエア吸込口にかかることを防止できる。
請求項4は、前記エア吸込チューブは、前記エアボックスの前記下半部の壁に形成されたことを特徴とする。
請求項5は、前記エア吸込チューブは、前記エアボックスの前記下半部の床に形成されたことを特徴とする。
請求項6は、前記エアフィルタの上側に位置する前記上半部に、前記エア通路の入口を開口させたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る小型艇の側面図である。
小型艇10は、艇体11の下部を構成するハル12と、艇体11の上部を構成するデッキ13とを組合せて艇体11を構成し、この艇体11で囲まれた空間14の前部に燃料タンク15を配置し、この燃料タンク15の上方に操舵ハンドル16を備え、この操舵ハンドル16の後方に鞍乗り式のシート17を備え、このシート17下方の空間14にエンジン18を配置し、このエンジン18の側面に備えた吸気系に縦長のエアボックス30を設け、このエンジン18後方の艇尾19にジェット推進機室21を設け、このジェット推進機室21にジェット推進機22を備えたジェット推進艇である。
【0016】
ジェット推進機22は、艇底20の入口20aから後方へ延びたハウジング23を有し、このハウジング23内にインペラ24を回転自在に取り付け、インペラ24をエンジン18の駆動軸25に連結したものである。
【0017】
小型艇10を推進する際には、空間14内のエアをエアボックス30内に吸込み、エアボックス30内に吸込んだエアをエア通路60を介してターボチャージャ28に導き、ターボチャージャ28を通過したエアに燃料タンク15の燃料を混合し、この混合ガスをエンジン18のシリンダ(図示しない)内に導入する。
【0018】
この混合ガスでエンジン18を駆動することにより、エンジン18でインペラ24を回転する。これにより、艇底20の入口20aから水を吸引し、吸引した水をハウジング23を通してジェット水としてステアリングノズル26に導く。
ステアリングノズル26に導いたジェット水をステアリングノズル26から噴射することにより、小型艇10を推進させることができる。
【0019】
図2は本発明に係る小型艇に備えたエアボックスを示す分解斜視図である。
エアボックス30は、エア通路60を固定するとともに下部30aに第1、第2のエア吸込口36a,37aを備えたボックス本体31と、このボックス本体31内に配置しボックス本体31を上下に仕切るエアフィルタ44と、このエアフィルタ44の浮き上がりを防止する押え部材45と、ボックス本体31の上端30bに着脱自在にボルト止めする蓋体50とからなる。
【0020】
ボックス本体31は、下半部32を矩形状に形成し、この下半部32の上端に上半部33を一体に形成した樹脂製の部材である。
すなわち、ボックス本体31は、下半部32の後壁34に第1エア吸込チューブ36を形成し、下半部32の床部35に第2エア吸込チューブ37を形成するととともにエア通路60の環状溝69を嵌め込み係止する係止孔35aを形成し、上半部33の下端部にエアフィルタ44を載せる段部33aを形成し、上半部33の下端部から上端部に向けて徐々に開口面積が大きくなるように上半部33の左側壁38a及び右側壁38bを上がり勾配に形成し、上半部33の上端部を前後左右の辺39a〜39dで略矩形状の開口に形成し、これらの前後左右の辺39a〜39dにねじ孔41・・・を形成したものである。
【0021】
第1、第2のエア吸込チューブ36,37をボックス本体31の内部に連通することで、第1エア吸込チューブ36の吸込口(第1吸込口)36a及び第2エア吸込チューブ37の吸込口(第2エア吸込口)37aからボックス本体31の下半部32にエアを吸込むことができる。
ここで、ボックス本体31内へのエアの吸込みは、第1エア吸込チューブ36からの吸込みを主とし、第2エア吸込チューブ37から吸込みは従とする。このため、第1エア吸込チューブ36の流路面積を、第2エア吸込チューブ37の流路面積と比較して大きく確保している。
なお、第2エア吸込チューブ37を備えた、主な理由については図5で詳しく説明する。
【0022】
また、上半部33の左側壁38aにはブリーザパイプ42を備え、このブリーザパイプ42にエンジンのシリンダヘッドカバー等から延びるブリーザホースを接続する。
【0023】
エアフィルタ44は、ボックス本体31の段部33aに載置可能に、段部33aに合せて外周44aを略矩形状に形成し、後端近傍にエア通路60を差込み可能な貫通孔44bを備える。エアフィルタ44にエアを通過させることにより、エアに含まれている塵埃などを除去することができる。
【0024】
押え部材45は、枠体46をエアフィルタ44の外形に合せて略矩形状に形成し、この枠体46に取付孔46aを形成し、枠体46に補強用のリブ47を一体に形成し、このリブ47でリング48を保持した部材である。
取付孔46aにボルト49(図3に示す)を差込み、差込んだボルト49をボックス本体31のボス30cにねじ結合することにより、押え部材45でフィルタ44の浮き上がりを防止する。
リング48は、エア通路60を差込み可能に形成した部材であり、エアフィルタ44の貫通孔44bと同径で、かつ貫通孔44bに同軸上に配置した部材である。
【0025】
蓋体50は、ボックス本体31の上端開口に合せて略矩形状に形成した部材で、矩形の天板51外周沿って止水壁52を巡らせ、この止水壁52のうちの第1エア吸込チューブ36及び第2エア吸込チューブ37を避けた部位に排水のための第1、第2の樋部(切欠き部)53,54を備え、止水壁52の外側にボルト取付孔55・・・を備える。
これらのボルト取付孔55・・・にボルト(図示しない)を差込み、差込んだボルトをボックス本体31のねじ孔41・・・にねじ結合することで、蓋体50をボックス本体31に取付けることができる。
【0026】
天板51の外周と止水壁52とで凹部56(図3も参照)を形成し、この凹部56を第1、第2の樋部53,54に連通させることで、天板51にかかった海水や水を凹部56に導き、凹部56に導いた海水や水を第1、第2の樋部53,54まで導き、第1、第2の樋部53,54から排水することができる。
【0027】
エア通路60は、ボックス本体31の上半部33に配置するファンネル61と、このファンネル61の下端部62に連通する連結チューブ65とからなる。連結チューブ65は、上端部66をファンネル61の下端部62に連結し、ボックス本体31の上半部33から下方に延びて下半部32を貫通し、下半部32の床部35に形成した係止孔35aから蛇腹部67を突出させ、蛇腹部67下方のエルボ(下端部)68をパイプ75を介してターボチャージャ28に連通するゴム製の吸気管である。
【0028】
連結チューブ65の上端部66に突片66aを形成する。この突片66aは、組付けの際に、弾性変形させて略鉛直に立上げ、この状態で連結チューブ65の上端部66を、エアフィルタ44の貫通孔44bや押え部材45のリング48に差込む。これにより、組付け後に突片66aの復元力でリング48に押圧することができ、エアフィルタ44の浮き上がりを防止することができる。
【0029】
図3は本発明に係る小型艇に備えたエアボックスを示す断面図であり、エアボックス30にエア通路60を取付けた状態を示す。
具体的には、ボックス本体31の下半部32の係止孔35aに連結チューブ65中央の環状溝69を嵌め込み、連結チューブ65の突片66aを上向きに弾性変形させた状態で連結チューブ65の上端部66にエアフィルタ44の貫通孔44aを嵌め込むとともに押え部材45のリング48(図2も参照)を嵌め込み、突片66aの復元力で押え部材45を下方に押し下げるとともに、ボルト49を段部33aのボス30cにねじ結合することで押え部材45及びエアフィルタ44の浮き上がりを防止する。
【0030】
この状態で、連結チューブ65の上端部66にファンネル61の下端部62を嵌め込むことにより連結チューブ65上端部66の環状凹部71にファンネル61下端部62の環状膨出部63を係止させ、ファンネル61の位置決め突片64を押え部材45の位置決め凹部46bに配置し、連結チューブ65の下端部65a(すなわち、エルボ68の出口)をパイプ75に差込んだ状態で、締付けリングを締付け、このパイプ75を介して連結チューブ65をターボチャージャ28に連結し、ボックス本体31の上端開口を蓋体50で閉じる。
【0031】
これにより、エアボックス30の下部30aにエアを吸込む第1、第2のエア吸込口(エア吸込口)36a,37aを設け、エアボックス30からエンジン18(図1に示す)へエアを導くエア通路60の入口(すなわち、ファンネル61の入口61a)をエアボックス30の上半部33に開口させることができる。
【0032】
また、第1、第2のエア吸込口36a,37aとファンネル61の入口61aとの間にエアフィルタ44を設け、このエアフィルタ44でエアボックス30内を上下に仕切ることができる。
第1、第2のエア吸込口36a,37aとファンネル61の入口61aとの間にエアフィルタ44を設けることで、第1、第2のエア吸込口36a,37aから吸込んだエアをエアフィルタ44を介してファンネル61の入口61aに導くことができる。
【0033】
ここで、エアボックス30にエア通路60を組付ける際に、エア通路60の蛇腹部67を、第1エア吸込チューブ36と第2エア吸込チューブ37との間の空間を利用して配置する。これにより、エアボックス30にエア通路60を組付けたユニットの状態をコンパクトにすることができる。
【0034】
次に、小型艇10に備えたエアボックス30の作用を図4〜図6に基づいて説明する。
図4は本発明に係る小型艇の作用を示す第1作用説明図であり、エアを吸込む状態を示す。
エアボックス30の下部に第1、第2の吸込チューブ36,37を備え、第1、第2の吸込チューブ36,37のそれぞれの吸込口(第1、第2の吸込口)36a,37aから矢印▲1▼の如くエアを吸込む。
この吸込んだエアを矢印▲2▼の如く第1、第2の吸込チューブ36,37を通して、エアフィルタ44まで導き、矢印▲3▼の如くエアフィルタ44を通過させてファンネル61の入口61aからエア通路60内に導く。
【0035】
エア通路60内に導いたエアをパイプ75及びターボチャージャ28を介してエンジン18(図1に示す)のシリンダ内に導く。
第1、第2の吸込口36a,37aから吸込んだエアを、エアフィルタ44に通すことでエアから塵埃などを除去して、クリーンなエアをエンジン18に供給することができる。
【0036】
図5は本発明に係る小型艇の作用を示す第2作用説明図であり、エアボックス内の海水や水を排水する状態を示す。
エアボックス30の下部30aにエアを吸込む第1、第2のエア吸込口(エア吸込口)36a,37aを設け、エアボックス30からエンジン18(図1に示す)へエアを導くエア通路60の入口(すなわち、ファンネル61の入口61a)をエアボックス30の上半部33に開口させることができる。
【0037】
このため、万が一小型艇10(図1に示す)が反転してエアボックス30内に海水や水78が侵入した場合でも、小型艇10を正常の姿勢に戻すことにより、エアボックス30内の海水や水78を第1、第2の吸込チューブ36,37に矢印▲4▼の如く流して、第1、第2のエア吸込口36a,37aから排水することができる。
【0038】
特に、エアボックス30の床部35の略中央に第2エア吸込チューブ37を設けることにより、エアボックス30の床部35に海水や水が残らないように、第2エア吸込チューブ37を通して第2エア吸込口37aから確実に排水することができる。
【0039】
一方、エンジン18(図1に示す)へエアを導くファンネル61の入口61aをエアボックス30の上半部33に開口させることで、ファンネル61の入口61aを高い位置に配置することができる。
これにより、万が一艇体11(図1に示す)内に海水や水78が侵入した場合でも、海水や水78がファンネル61の入口61aまで上昇することを抑えて、ファンネル61の入口61aからエア通路60内に海水や水78が侵入することを防止できる。
【0040】
図6は本発明に係る小型艇の作用を示す第3作用説明図であり、蓋体の天板にかかった海水や水を樋部から排水する状態を示す。
エアボックス30を構成する蓋体50の天板51の外周と止水壁52とで凹部56を形成し、この凹部56を第1、第2の樋部53,54に連通させた。
これにより、天板51にかかった海水や水を矢印▲5▼の如く凹部56に導き、凹部56に導いた海水や水を第1、第2の樋部53,54まで導き、矢印▲6▼の如く第1、第2の樋部53,54から排水することができる。
【0041】
この際に、第1、第2の樋部53,54を、止水壁52のうちの第1エア吸込チューブ36の吸込口36a及び第2エア吸込チューブ37の吸込口37aを避けた部位に備えた。
このため、第1、第2の樋部53,54から排水した海水や水が第1エア吸込チューブ36の吸込口36a及び第2エア吸込チューブ37の吸込口37aにかかることを防止できる。
【0042】
なお、前記実施形態では、エアボックス30を略矩形の縦長なボックスとした例について説明したが、これに限らないで、エアボックス30の形状は小型艇の形状に合せて任意に決めることができる。
また、前記実施形態では、小型艇10としてジェット推進機で推進するジェット推進艇を例に説明したが、小型艇の推進手段はこれに限定するものではない。
【0043】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、エンジンの吸気系にエアボックスを設け、エアボックスの下部にエアを吸込むエア吸込口を設けた。これにより、万が一小型艇が反転してエアボックス内に海水や水が侵入した場合でも、小型艇を正常の姿勢に戻すことにより、エアボックス内の海水や水をエア吸込口から排水することができる。このため、エアボックス内に海水や水が溜まることを防止できる。
【0044】
また、エンジンへエアを導くエア通路の入口をエアボックスの上半部に開口させることで、エア通路の入口を高い位置に配置することができる。これにより、万が一艇体内に海水や水が侵入した場合でも、海水や水がエア通路の入口まで上昇することを抑え、エンジン内に海水や水が侵入することを防止できる。
【0045】
請求項2は、エア吸込口とエア通路の入口との間にエアフィルタを設けることで、エア吸込口から吸込んだエアをエアフィルタを介してエア通路の入口に導くことができる。これにより、エア内に含まれている塵埃などをエアフィルタで除去することができるので、クリーンなエアをエア通路の入口に導くことができる。このため、エンジンを好適に駆動することができる。
【0046】
請求項3は、エアボックスを構成する天板の外周に沿って止水壁を巡らせることで、天板の外周と止水壁とで凹部を形成することができる。このため、天板にかかった海水や水を凹部に導くことができる。
さらに、止水壁のうちのエア吸込口を避けた部位に排水のための切欠き部を設けることで、切欠き部を凹部に連通することができる。これにより、凹部に導いた海水や水を切欠き部から排水することができる。
加えて、切欠き部をエア吸込口を避けた部位に形成したので、切欠き部から排水した海水や水がエア吸込口にかかることを防止できる。
請求項4は、エア吸込チューブがエアボックスの下半部の壁に形成されている。
請求項5は、エア吸込チューブがエアボックスの下半部の床に形成されている。
請求項6は、エアフィルタの上側に位置する上半部に、エア通路の入口が開口されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小型艇の側面図
【図2】本発明に係る小型艇に備えたエアボックスを示す分解斜視図
【図3】本発明に係る小型艇に備えたエアボックスを示す断面図
【図4】本発明に係る小型艇の作用を示す第1作用説明図
【図5】本発明に係る小型艇の作用を示す第2作用説明図
【図6】本発明に係る小型艇の作用を示す第3作用説明図
【図7】従来の小型艇の断面図
【符号の説明】
10…小型艇、11…艇体、12…ハル、13…デッキ、14…空間、18…エンジン、30…エアボックス、30a…エアボックスの下部、32…エアボックスの下半部、33…エアボックスの上半部、36…第1エア吸込チューブ、36a…第1エア吸込口(エア吸込口)、37…第2エア吸込チューブ、37a…第2エア吸込口(エア吸込口)、44…エアフィルタ、51…天板、52…止水壁、53…第1樋部(切欠き部)、54…第2樋部(切欠き部)、60…エア通路、61a…ファンネルの入口(エア通路の入口)。
Claims (6)
- 艇体の下部を構成するハルと、艇体の上部を構成するデッキとを組合せて艇体を構成し、この艇体で囲まれた空間にエンジンを搭載した小型艇において、
前記エンジンの吸気系に縦長のエアボックスを設け、このエアボックスの下部にエアを吸込むエア吸込口を設け、エアボックスからエンジンへエアを導くエア通路の入口をエアボックスの上半部に開口させた小型艇であって、
前記エアボックスの下半部に、エアボックスの下部まで下方に延びたエア吸込チューブを形成し、
このエア吸込チューブの下端部に前記エア吸込口を形成するとともに、エア吸込チューブを前記エアボックスの下半部に連通させたことを特徴とする小型艇。 - 前記エア吸込口と前記エア通路の入口との間にエアフィルタを設け、このエアフィルタで前記エアボックス内を上下に仕切ることを特徴とする請求項1記載の小型艇。
- 前記エアボックスの天板上に止水壁を巡らせ、この止水壁のうちの前記エア吸込口を避けた部位に排水のための切欠き部を設けたことを特徴とする請求項1記載の小型艇。
- 前記エア吸込チューブは、前記エアボックスの前記下半部の壁に形成されたことを特徴とする請求項1記載の小型艇。
- 前記エア吸込チューブは、前記エアボックスの前記下半部の床に形成されたことを特徴とする請求項1記載の小型艇。
- 前記エアフィルタの上側に位置する前記上半部に、前記エア通路の入口を開口させたことを特徴とする請求項2記載の小型艇。
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