JP3905686B2 - 車両用エンジン始動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のエンジンを始動する車両用エンジン始動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用エンジン始動装置は、キーを持つ運転者が車室内に設けられた操作部材を押し込み操作すると、車両内に搭載される送受信装置からキーにリクエスト信号が送信される。そのリクエスト信号をキーが受信すると、キーは予め設定されたIDコードを送受信装置に送信する。そして、そのIDコードと送受信装置に予め登録されたIDコードと一致するか否かの照合を行い、一致が確認されたときには、エンジンを始動するための操作部材が回動操作可能になる。この操作部材は、LOCK位置、ACC(アクセサリ)位置、ON(イグニッションオン)位置、及びST(スタータ駆動)位置に切り換えできるようになっている。操作部材は、IDコードが一致したときのみLOCK位置から他の位置に回動できるようになっている。従って、運転者は、キーをキー挿入口に差し込むことなく、操作部材を回動させるという簡単な操作でエンジンを始動させることができる。
【0003】
ところで、キーは通常電池を電源としている。このため、長期の使用により、その電池が消耗し電力がなくなると、キーからIDコードを発信できなくなり、エンジンを始動できなくなる。そこで、このような不具合を解消するために、キーとトランスポンダとを用いてエンジンを始動できるようにすることが考えられる。具体的にいうと、電池等の電源を必要としないトランスポンダには予め車両側のIDコードと同じIDコードを記憶させておく。そして、操作部材に設けたキー挿入口に、IDコードを一致するか否かの照合行うためのキーを差し込むと、トランスポンダからIDコードが発信され、IDコードの一致が確認される。そして、そのキーにより操作部材を回動操作させ、エンジンを始動させることが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の車両用エンジン始動装置においては、操作部材がLOCK位置以外の位置に切り換えられ、かつキーを用いてエンジンが始動されている場合において、キー挿入口からキーが抜けるおそれがある。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作部材が所定の位置にあるときに、キー挿入口からキーが抜けないようにすることが可能な車両用エンジン始動装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、ボディ内にエンジンを始動させるための操作部材を同ボディの軸線周りに回動可能かつ軸線方向に押し込み可能に設け、前記操作部材の外端部にキーが挿入されるキー挿入口を設け、前記操作部材が所定の位置に切り換えられているときに、前記キー挿入口からキーが抜けないようにする抜け止め手段を設け、前記抜け止め手段を、付勢部材によって回動付勢され、前記キーに係合可能なフック部を一端部に有する回動レバーと、前記キー挿入口に前記キーを差し込んだままの状態で、前記操作部材をボディの軸線方向に押し込んだとき、前記回動レバーの他端部に係合して回動レバーの回動をロックするロック部材とを含んで構成したことを要旨としている。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用エンジン始動装置において、前記ロック部材は、前記操作部材の回動に連動してイグニッションスイッチを作動させる部材と一体に形成されていることをその要旨としている。
【0008】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、操作部材を操作することなくキーでエンジンを始動するには、キー挿入口にキーを差し込む。そして、そのキーを介して操作部材を回動操作し、操作部材を所定の位置に切り換える。すると、付勢部材の付勢力により回動レバーに設けられたフック部がキーに係合する。そして、操作部材が所定の位置に切り換えられると、ロック部材により回動レバーの回動がロックされる。そのため、フック部がキーに対して係合した状態に保持される。
【0009】
請求項2に記載の発明によると、操作部材が所定の位置に切り換え操作されると同時に、回動レバーがロックされる。よって、回動レバーを操作するのに、操作部材の操作とは別に操作する必要がない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車のエンジン始動装置に具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
図1,図2に示すように、運転席前方のインストルメントパネルに設けられているエンジン始動装置11は、略円筒状のボディ12を備えている。ボディ12の内部には、その軸線周りに回動可能かつ軸線方向に沿って移動可能な操作部材としてのノブ13が挿入されている。ノブ13の外端部(図1の右側)は、ボディ12の外端開口部12aから突出されている。
【0012】
ノブ13の外周面には段差部13aが形成されている。その段差部13aがボディ12の内周面に形成された段部12cに当接されることにより、ノブ13は外側(図1の右側)への位置ずれが規制される。ノブ13の外端部には、その突出部分を覆うカバー14が設けられている。ノブ13の外端部中央及びカバー14の先端中央部には、長方形状のキー挿入口15が形成されている。
【0013】
図6に示すように、ノブ13は、それを回動操作することにより、LOCK位置、ACC(アクセサリ)位置、ON(イグニッションオン)位置、ST(スタータ駆動)位置に切り換えられる。そして、図7に示すキー42から送信されるIDコード信号が、予め登録してあるIDコードと一致するか否かを照合し、一致が確認されたときのみ、ノブ13がLOCK位置から他の位置に切り換え操作可能となっている。なお、本実施形態において、LOCK位置を除く他の位置(ACC位置、ON位置、ST位置)が所定の位置となっている。
【0014】
キー42には、トランスポンダ、アンテナコイル、コンデンサ、IC等(いずれも図示せず)が内蔵されている。前記ICには車両側のIDコードと同じIDコードが記憶されている。車両内に搭載される図示しない送受信装置から送信されるリクエスト信号を受信すると、キー挿入口15にキー42を挿入することなく、予め設定されたIDコードがキー42に内蔵した発信器から送受信装置に送信される。リクエスト信号は、キー42を持つ運転者がノブ13を押し込むことにより送信されるようになっている。
【0015】
又、キー42がキー挿入口15に挿入されたとき、トランスポンダは、車両側に設けた図示しない磁気発生装置からの磁気を受け、アンテナコイルに発生した電流をコンデンサに蓄電する。そして、その蓄電された電圧が所定値以上に達すると、トランスポンダに予め設定された特定のIDコードが発信される。
【0016】
ノブ13にはシャッタ収容孔16が形成され、その内部にはボディ12の軸線方向に沿って移動可能なシャッタ17が収容されている。このシャッタ17は光透過性を有する合成樹脂材料によって形成されている。シャッタ17は、キー挿入口15を開放する開口位置(図7に示す位置)と、キー挿入口15を閉じる閉止位置(図1に示す位置)とを取り得るようになっている。
【0017】
シャッタ17の中央部には、係合突起18が形成され、その係合突起18はノブ13にその軸線方向に沿って形成されたガイド溝13bに摺動可能に係合されている。この係合により、ノブ13とシャッタ17とは一体的に回動するようになっている。又、ガイド溝13bと係合突起18との係合は、シャッタ17をその軸線方向に沿って移動させるために、ガイドする役割も担っている。
【0018】
図3(a),(b)、図5に示すように、ノブ13の外周面ほぼ中央部には、前記シャッタ収容孔16に連通する収容孔19が形成されている。収容孔19には合成樹脂製の移動体20がノブ13の径方向に沿って摺動可能に設けられている。移動体20の先端部(図3(a)の上側)には傾斜面20aが形成されている。移動体20は、その中央部に取付部としてのバネ取付孔20bが形成されており、全体がほぼ四角枠状に形成されている。バネ取付孔20bには弾性体としての圧縮バネ21が設けられている。この圧縮バネ21の一端は移動体20の内側面に当接され、他端は前記収容孔19の内側に突設された突部22に当接されている。そして、この圧縮バネ21の弾性力により、移動体20の先端はボディ12の内周面に押圧されている。
【0019】
ボディ12の外端開口部12aには、その軸線方向に沿って延びる案内溝23が形成され、その案内溝23には移動体20の先端部分が係入されている。案内溝23の内奥部には、前記移動体20に形成された傾斜面20aと平行である傾斜面23aが形成されている。
【0020】
そして、ノブ13を待機位置(図3(a)に示す位置)から、押圧位置(図4(a)に示す位置)に押し込むことにより、移動体20は案内溝23に沿って移動し、その先端部が圧縮バネ21の弾性力に抗して案内溝23内から抜け出る。この動作に伴い、移動体20はその基端が収容孔19からシャッタ収容孔16内に突出するようになっている。この突出状態において、移動体20の基端が前記シャッタ17に形成された係合部としての係合凹部24に移動配置されることにより、シャッタ17が閉止位置にロックされる。従って、本実施形態においては、移動体20と圧縮バネ21とからロック手段が構成されている。
【0021】
なお、ノブ13が待機位置に配置され、かつシャッタ17が開口位置に配置されている場合において、係合凹部24に隣接するように、シャッタ17に形成された突起17dは、移動体20の延長線上に配置されないようになっている。よって、キー挿入口15にキー42を挿入した状態で、ノブ13を押し込んでも、シャッタ17に形成された突起17dに移動体20が当たらないので、ノブ13を待機位置から押圧位置に移動させることができる。
【0022】
図1、図2に示すように、ボディ12の内端部には、位置決めストッパ27が固定されている。この位置決めストッパ27にはロック部材としてのロータ28が回動可能に支持されている。ロータ28の中央部に設けられた支軸28aは位置決めストッパ27に貫通され、その支軸28aの先端はボディ12に固定されたイグニッションスイッチ29に駆動連結されている。
【0023】
ロータ28の外周面には、その軸線方向に沿って延びる係合溝31が形成され、この係合溝31にはノブ13の内端に形成された突出部32が係合されている。この係合により、ノブ13とロータ28とは一体的に回動するようになっている。従って、ノブ13を回動すると、ロータ28を介してイグニッションスイッチ29がオンするようになっている。又、係合溝31と突出部32との係合は、ノブ13をその軸線方向に沿って移動させるために、ガイドする役割も担っている。
【0024】
ロータ28の中央部には、内側バネ収容部33が形成され、その内部には付勢部材としての小径圧縮スプリング34が収容されている。この小径圧縮スプリング34の一端は内側バネ収容部33の内奥面に当接され、他端は前記シャッタ17の内端部に突設された張出し部35に係止されている。そして、小径圧縮スプリング34の弾性力により、シャッタ17は図3(a)に示す閉止位置に常に付勢されている。
【0025】
ロータ28における内側バネ収容部33の外側箇所には、外側バネ収容部36が形成され、その内部には大径圧縮スプリング37が収容されている。この大径圧縮スプリング37の一端は外側バネ収容部36の内奥面に当接され、他端はノブ13の内端面に当接されている。そして、大径圧縮スプリング37の弾性力により、ノブ13は図3(a)に示す待機位置側に付勢されている。
【0026】
図2,図7に示すように、ノブ13の外周面には、2つのレバー収容穴38が対向して凹設され、その内部には回動レバー39が軸40を中心にして揺動可能に収容されている。各回動レバー39の先端には、その回動に伴いシャッタ収容孔16内に出没可能なフック部39aがそれぞれ突設されている。各レバー収容穴38内にはバネ41がそれぞれ収容され、その弾性力により、回動レバー39の先端に形成されたフック部39aは、レバー収容穴38からシャッタ収容孔16内に突出するように付勢されている。
【0027】
又、キー42の先端部には係止突部42aが突設され、その両側部には切欠き部43が形成されている。そして、キー挿入口15内に係止突部42aが挿入されると、バネ41の付勢力により、各切欠き部43に各フック部39aが係合されるようになっている。これにより、係止突部42aは、その両側から回動レバー39によって挟持されるようになっている。
【0028】
図7,図8に示すように、回動レバー39は、ノブ13が移動するのに伴って移動するようになっている。そして、ノブ13が図7に示す待機位置に配置されている場合には、回動レバー39の基端部39bは、ロータ28の先端部(図7、図8においてロータ28の右側)から僅かに離れた位置に配置される。そのため、各回動レバー39は、そのフック部39aと切欠き部43とが係合解除される方向にバネ41の弾性力に抗して回動可能である。
【0029】
これに対して、ノブ13が図8に示す押圧位置に配置されている場合には、回動レバー39の基端部39bがロータ28の先端外周面に対して当接するように配置される。そのため、切欠き部43からフック部39aが係合解除する方向に各回動レバー39が回動すると、基端部39bがロータ28の先端部に干渉するようになっている。これにより、各回動レバー39の回動はロックされる。従って、ロータ28は、ノブ13の回動に連動してイグニッションスイッチ29をオンすることと、回動レバー39をロックすることとを兼用している。なお、本実施形態では、前記ロータ28、回動レバー39、付勢部材としてのバネ41等により、キー挿入口15からキー42の係止突部42aが抜けないようにする抜け止め手段が構成されている。
【0030】
なお、キー42が電池切れした場合には、キー42からIDコード信号を送信できなくなるため、キー42に内蔵された図示しないトランスポンダを用いてエンジンの始動を行う。即ち、電池等の電源を必要としないトランスポンダには予め車両側のIDコードと同じIDコードが記憶されており、電池切れした場合には、キー挿入口15にキー42の係止突部42aを挿入することにより、トランスポンダからIDコードが発信され、そのコードが一致した結果、ノブ13を回動操作してエンジンを始動させることができる。
【0031】
次に、上記のように構成された車両用エンジン始動装置の作用について説明する。
キー42の電池による電力が蓄積されている正常時において、自動車のエンジンを始動するには次のように行う。キー42を持つ運転者が車室内に入ると、車両内に搭載される送受信装置からキー42にリクエスト信号が送信される。そのリクエスト信号をキー42が受信すると、キー42は予め設定されたIDコードを送受信装置に送信する。そして、そのIDコードと送受信装置に予め登録されたIDコードと一致するか否かの照合を行う。IDコードの一致が確認されたときには、ノブ13が操作可能な状態になる。
【0032】
そして、ノブ13を、大径圧縮スプリング37の弾性力に抗して図3(a)に示す待機位置から、図4(a)に示す押圧位置に押し込む。すると、移動体20が案内溝23に沿ってスライドし、圧縮バネ21の弾性力に抗して案内溝23内から抜け出る。このとき、案内溝23に形成された傾斜面23aに対して、移動体20に形成された傾斜面20aが摺動するため、移動体20は案内溝23からスムーズに抜け出る。
【0033】
移動体20が抜け出ることにより、収容孔19から移動体20の基端部が突出し、係合凹部24に移動配置される。これにより、シャッタ17は閉止位置にロックされる。そして、ノブ13をLOCK位置からST位置に回動させると、ロータ28が回動することによりイグニッションスイッチ29がオンし、エンジンが始動する。ノブ13が回動しても、係合凹部24に移動体20の基端部が係合されたままである。従って、ノブ13がLOCK位置以外の位置(ACC位置、ON位置、ST位置)にあるとき、シャッタ17は閉止位置にロック保持されているため、キー挿入口15にキー42の係止突部42aを挿入不能となる。
【0034】
これに対して、キー42の電池による電力が蓄積されていない非常時において、自動車のエンジンを始動するには次のように行う。ノブ13に設けたキー挿入口15に、キー42の係止突部42aを差し込む。すると、回動レバー39の先端部は、係止突部42aの先端部両側面に沿うように、バネ41の弾性力に抗して一旦外側に開く。係止突部42aを更に差し込むと、回動レバー39はバネ41の弾性力により内側に閉じる。これにより、回動レバー39に設けたフック部39aが、キー42の係止突部42aに設けた切欠き部43に係合される。この状態で、IDコードが一致するか否かの照合行われる。すなわち、キー42に内蔵されたトランスポンダからIDコードが発信される。そして、IDコードの一致が確認されると、ノブ13が操作可能な状態になる。
【0035】
キー挿入口15にキー42の係止突部42aを差し込んだままの状態で、ノブ13を、図3(a)に示す待機位置から、図4(a)に示す押圧位置に押し込む。この押し込みにより、各回動レバー39の基端部39bはロータ28の先端部外周面に当接される。そして、キー42を回動すると、上述したようにノブ13が回動し、イグニッションスイッチ29がオンする。
【0036】
ノブ13を回動すると、ロータ28も共に回動するため、回動レバー39の基端部39bはロータ28の先端部外周面に当接したままである。すなわち、回動レバー39に設けたフック部39aが係止突部42aに形成された切欠き部43に係合された状態にロックされている。従って、ノブ13がLOCK位置以外の位置(ACC位置、ON位置、ST位置)にあるとき、キー挿入口15からキー42の係止突部42aが引き抜かれることはない。
【0037】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1) ボディ12内にはその軸線周りにノブ13が回動可能に設けられている。ノブ13の外端部にはキー42の係止突部42aが挿入されるキー挿入口15が開口されている。そして、キー挿入口15に係止突部42aが挿入されている状態で、係止突部42aの両側部が回動レバー39により挟持されるようになっている。従って、ノブ13がLOCK位置以外の位置に切り換えられているときに、キー挿入口15から係止突部42aが抜けるのを防止することができる。
【0038】
(2)キー挿入口15からキー42の係止突部42aが抜け止るのを防止する手段は、ロータ28、2つの回動レバー39及び2つのバネ41等から構成されている。従って、回動レバー39により係止突部42aを挟持するという簡単な構成でもって、キー挿入口15から係止突部42aが抜けるのを確実に防止することができる。
【0039】
(3) ロータ28は、ノブ13の回動に連動してイグニッションスイッチ29を作動させることと、回動レバー39のロックすることとを兼ねている。そのため、ノブ13がLOCK以外の位置に切り換え操作されることと同時に、各回動レバー39の回動がロックされる。従って、ノブ13の一操作でもって、エンジン始動と係止突部42aの抜け防止とを同時に行うことができる。又、イグニッションスイッチ29をオンするための部材と、回動レバー39の回動をロックするための部材とを、それぞれに設ける必要がない。この結果、製造コストを低減できるとともに、エンジン始動装置11の簡素化及び小型化を図ることができる。
【0040】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、2つの回動レバー39によりキー挿入口15からキー42の係止突部42aが抜けないようにした。これ以外にも、回動レバー39の数を1つ又は3つ以上に変更してもよい。
【0041】
・ 前記実施形態では、ロータ28の先端部に回動レバー39の基端部39bが干渉することにより、回動レバー39が回動しないようにした。これ以外にも、ロータ28とは別の部材を設け、その部材により回動レバー39の回動を阻止してもよい。
【0042】
・ 回動レバー39を回動付勢するバネ41は、コイルバネ以外にも、例えば板バネ等のように任意の部材に変更してもよい。
・ 前記実施形態では、IDコード信号を送信する送信機のみを備えたキー42を用いた。これ以外に、送信機がないキー溝付きメカニカルキー、又はキー溝と送信機両方を備えたキーに変更してもよい。
【0043】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
(1) 請求項1又は2において、前記回動レバーは複数個設けられていることを特徴とする車両用エンジン始動装置。この構成にすれば、キー挿入口からキーが抜けるのを確実に防止することができる。
【0044】
(2) 請求項1又は2、前記(1)のいずれかにおいて、前記付勢部材はコイルバネであることを特徴とする車両用エンジン始動装置。この構成にすれば、製造コストが高騰するのを抑えることができる。
【0045】
(3) 請求項1又は2、前記(1),(2)のいずれかにおいて、そのキー挿入口を開口する開口位置と、前記キー挿入口を閉じる閉止位置とをとり得るように、前記キーの挿入方向に沿って移動可能なシャッタが前記操作部材内に設けられ、前記操作部材が所定の位置に切り換えられている場合に、前記シャッタを前記閉止位置にロックさせるロック手段が設けられていることを特徴とする車両用エンジン始動装置。この構成にすれば、操作部材が所定の位置にあるときに、キー挿入口にキーを差し込むのを防止することができる。
【0046】
(4) キーから車両に設けられた送受信装置にIDコードを送信し、そのIDコードと、前記送受信装置に予め登録されたIDコードと一致するか否かの照合を行い、一致が確認されたときに、エンジンを始動可能にした車両用エンジン始動装置であって、ボディ内にエンジンを始動させるための操作部材を同ボディの軸線周りに回動可能に設け、前記操作部材の外端部にキーが挿入されるキー挿入口を設け、前記操作部材が所定の位置に切り換えられているときに、前記キー挿入口からキーが抜けないようにする抜け止め手段を設けたことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【0047】
(5)ボディ内にエンジンを始動させるための操作部材を同ボディの軸線周りに回動可能に設け、前記操作部材の外端部にキーが挿入されるキー挿入口を設け、前記操作部材が所定の位置に切り換えられているときに、前記キー挿入口からキーが抜けないようにする抜け止め手段を設け、前記抜け止め手段は、前記キーに係合可能なフック部を有する回動レバーと、前記フック部が操作部材内に設けられたキー挿入部内に突出させるように前記回動レバーを付勢する付勢部材と、前記キーに対して前記回動レバーを係合した状態に保持するために、同回動レバーの回動をロックするロック部材とを含んで構成されていることを特徴とする車両用エンジン始動装置。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、操作部材が所定の位置にあるときに、キー挿入口からキーが抜けるのを防止することができる。
【0049】
請求項2に記載の発明によれば、操作部材の一操作によって、エンジン始動と、キーの抜け防止とを同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態を示すエンジン始動装置の断面図。
【図2】ノブ、シャッタ、ロータ等を示す分解斜視図。
【図3】(a)はノブが待機位置にある場合の断面図、(b)は(a)の3b−3b断面図。
【図4】(a)はノブが押圧位置にある場合の断面図、(b)は(a)の4b−4b断面図。
【図5】シャッタや移動体等を示す分解斜視図。
【図6】エンジン始動装置の一部を示す正面図。
【図7】ーをエンジン始動装置に差し込み、かつノブが待機位置にある状態を示す断面図。
【図8】ーをエンジン始動装置に差し込み、かつノブが押圧位置にある状態を示す断面図。
【符号の説明】
12…ボディ、13…ノブ(操作部材)、15…キー挿入口、28…ロータ(抜け止め手段を構成するロック部材)、29…イグニッションスイッチ、39…回動レバー(抜け止め手段)、39a…フック部、39b…基端部(回動レバーの他端部)、41…バネ(抜け止め手段を構成する付勢部材)、42…キー、42a…係止突部

Claims (2)

  1. ボディ内にエンジンを始動させるための操作部材を同ボディの軸線周りに回動可能かつ軸線方向に押し込み可能に設け、前記操作部材の外端部にキーが挿入されるキー挿入口を設け、前記操作部材が所定の位置に切り換えられているときに、前記キー挿入口からキーが抜けないようにする抜け止め手段を設け、
    前記抜け止め手段を、
    付勢部材によって回動付勢され、前記キーに係合可能なフック部を一端部に有する回動レバーと、
    前記キー挿入口に前記キーを差し込んだままの状態で、前記操作部材をボディの軸線方向に押し込んだとき、前記回動レバーの他端部に係合して回動レバーの回動をロックするロック部材と
    を含んで構成したことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
  2. 前記ロック部材は、前記操作部材の回動に連動してイグニッションスイッチを作動させる部材と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジン始動装置。
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