JP3973493B2 - 携帯機スロット装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯機スロット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載されるエンジン始動装置は、ユーザによって所持されるメカキーとの照合を機械的に行うキーシリンダを備えている。キーシリンダ内にはロータが回動可能に収容されている。メカキーがロータ内に収容されたとき、ロータ内に設けられた複数のタンブラの端縁がメカキーによって揃えられることにより、ロータが回動可能になる。この状態においてメカキーを回動操作したとき、ロータの回動によってエンジンが始動されるとともに、メカキーがロータから抜けるのを防止することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジン始動装置には、ユーザによって所持される携帯機を収容する携帯機スロット装置がキーシリンダの代わりに設けられているものがある。しかし、このような携帯機スロット装置は回動動作によって携帯機を機械的にロックするものではないため、携帯機が操作されると、エンジンが始動されているか否かに拘わらず携帯機が排出されてしまう可能性がある。その問題を解決するためには、携帯機をロックする手段を新たに設けることが必要になる。
【0004】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、機械的なロック構造を有する場合であっても携帯機が排出されるのを防止することができる携帯機スロット装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両のユーザによって所持される携帯機が収容される収容ホルダを機械的にロックして同携帯機を排出不能にロックする状態と、前記収容ホルダを機械的にアンロックして同携帯機を排出可能にアンロックする状態とを前記携帯機の押圧操作そのものにより交互に切り替える板カムを設け、前記携帯機を排出不能にロックする状態に保持すべく、前記板カムを切り替え不能にする保持手段を設けたことを要旨とする。
【0006】
本発明においては、携帯機を押圧操作することによって携帯機をアンロックしようとしても、板カムは保持手段によって切り替え不能になっているため、携帯機をアンロックさせることができない。したがって、機械的にロックされた携帯機が排出されるのを防止することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記保持手段は前記板カムに機械的に連動して出没するプランジャを備えたソレノイドであって、そのソレノイドは、前記携帯機が排出不能にロックされた状態にあるときに且つエンジンが始動されたときに通電されることにより、前記プランジャを保持して前記板カムを切り替え不能な状態にロックさせることを要旨とする。
【0008】
本発明においては、携帯機が排出不能にロックされた状態にあるときに板カムを切り替え不能な状態にロックさせるには、エンジンの始動を通じてソレノイドの通電を開始してプランジャを保持するだけでよく、プランジャを出没させる必要はない。そのため、プランジャを作動させる力が比較的小さくて済むことから、小型かつ軽量なるソレノイドを使用することが可能になる。このことは、ソレノイドを設置するスペースを小さくすることができ、携帯機スロット装置の小型化に貢献する。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記保持手段は前記板カムに機械的に連動して出没するプランジャを備えたソレノイドであって、そのソレノイドは、前記携帯機が排出不能にロックされた状態にあるときに通電されることにより、前記プランジャをそのときの板カムに対応する位置に保持して前記板カムを切り替え不能な状態にロックさせるとともに、前記携帯機を排出可能にアンロックする際には非通電状態とされることにより、前記プランジャを出没させることなく前記板カムを切り替え可能な状態にアンロックさせることを要旨とする。
本発明においては、携帯機が排出不能にロックされた状態にあるときに板カムを切り替え不能な状態にロックさせるには、ソレノイドの通電を開始してプランジャをそのときの板カムに対応する位置に保持するだけでよく、プランジャを出没させる必要はない。そのため、プランジャを作動させる力が比較的小さくて済むことから、小型かつ軽量なるソレノイドを使用することが可能になる。このことは、ソレノイドを設置するスペースを小さくすることができ、携帯機スロット装置の小型化に貢献する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した自動車に搭載される携帯機スロット装置の一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
【0010】
図1に示すように、車両1の室内において、インストルメントパネル2には携帯機スロット装置11が設けられている。携帯機スロット装置11を構成する本体ケース12は、収容ホルダとしてのシャッタホルダ21を備えている。シャッタホルダ21の携帯機収容口21aには、車両1のユーザによって所持され、略直方体状をなす携帯機31が挿脱可能となっている。
【0011】
シャッタホルダ21は、携帯機31に押圧されて移動する前の待機位置P1と、携帯機31が本体ケース12内の最奥部に押し込まれるときの押し込み位置P2と、ロックされたときのロック位置P3との間で移動可能になっている。なお、シャッタホルダ21の待機位置P1は図3、図4及び図9に示し、押し込み位置P2は図6,図8に示し、ロック位置P3は図7に示す。シャッタホルダ21は、携帯機31が収容されていないときにシャッタ51によって塞がれるようになっている。なお、本実施形態において携帯機スロット装置11は縦置きに搭載されているが、横置きに搭載されていてもよい。
【0012】
図3に示すように、シャッタホルダ21には、ロックレバー91が2つ設けられている。両ロックレバー91は、シャッタホルダ21に取り付けられた回動軸92によって回動可能に支持されている。各ロックレバー91の一端部には、前記携帯機31に形成された係合凹部32に係脱する先細り状の係合突部93が設けられている。両係合突部93が両係合凹部32に係合することで、携帯機31がロックレバー91によって挟持される。両係合突部93においてシャッタホルダ21の携帯機収容口21aとは反対側にある面93aは、係合突部93の先端に行くに従って携帯機31の収容方向とは反対方向に傾斜している。また、係合突部93においてシャッタホルダ21の携帯機収容口21a側にある面93bは、係合突部93の先端に行くに従って携帯機31の収容方向と同一方向に傾斜している。
【0013】
また、両ロックレバー91の他端側にはそれぞれ節度機構94が設けられている。節度機構94は、ロックレバー91が係合凹部32に係合することで携帯機31がロックされるロック位置(閉位置)P12と、ロックレバー91によって携帯機31がアンロックされるアンロック位置(開位置)P11とを選択的に保持するためのものである。節度機構94は、半球凹状面を有する2つの節度凹部95a,95bが連設されたベース部材としての基部95、弾性体としての押圧バネ97及び半球凸状面を有する凸状部材としてのボール96を備えている。
【0014】
押圧バネ97及びボール96は、各ロックレバー91の他端部に形成されたバネ収容部98内に収容されている。ボール96は球状をなしており、その一部がバネ収容部98の開口端から突出されている。そして、押圧バネ97の弾性力によってボール96は基部95に対し押さえ付けられており、そのボール96がいずれか一方の節度凹部95a,95bに係合されている。ロックレバー91が揺動することで、ボール96は押圧バネ97の弾性力に抗してバネ収容部98内に後退しつつ、節度凹部95a,95bの間に形成された山部を乗り越えることで、ロックレバー91に節度が付与される。
【0015】
図3に示すように、シャッタホルダ21の内端部には一対の設置部24が設けられている。各設置部24には収容ホルダ付勢手段である複数の圧縮バネ23の一端が接続され、各圧縮バネ23の他端が前記本体ケース12側の設置部25にそれぞれ接続されている。シャッタホルダ21は一対の圧縮バネ23によって本体ケース12の開口端方向に付勢されている。
【0016】
また、前記シャッタ51は、シャッタホルダ21の携帯機収容口21aを開閉するためのものであり、携帯機31が押し当てられる接触部53と、接触部53の裏面に突設されたロッド54とからなっている。シャッタ51は、携帯機31がシャッタホルダ21内に挿入されるのに伴って、携帯機収容口21aを開く開位置に移動する。シャッタ51は、シャッタホルダ21のバネ収容部21b内に収容された圧縮バネ52によってシャッタホルダ21の携帯機収容口21aを塞ぐ方向に付勢されている。すなわち、シャッタホルダ21はシャッタ51と同一方向に付勢されている。
【0017】
図3,図4(c)に示すように、本体ケース12のバー係合部15には、後記するラチェットカム71のロックを解除するロック解除手段としてのロック解除バー111が設けられている。ロック解除バー111は連動部材115を備えており、連動部材115の一端部に抜け防止片116が設けられるとともに、他端部に前記シャッタ51の前記ロッド54が接離可能な円板部117が設けられている。また、ロック解除バー111は、そこに外挿された付勢部材としての圧縮バネ112によって連動部材115をシャッタ51に当接させる方向に付勢されている。そのため、ロック解除バー111は、シャッタ51がシャッタホルダ21の携帯機収容口21aを塞ぐ閉位置に移動するのに伴って作動する。なお、シャッタ51が携帯機収容口21aを塞ぐ方向と同一方向にロック解除バー111が移動しても、ロック解除バー111は抜け防止片116がバー係合部15に当接することによって係止される。ゆえに、ロック解除バー111がバー係合部15から脱落するのが防止される。
【0018】
図2(a)、図4(b)及び図4(c)に示すように、本体ケース12には板カムとしてのラチェットカム71が取り付けられている。このラチェットカム71は、その基端部に形成された長孔75に、本体ケース12に固定された回動ピン74が挿通されていることから、長孔75に沿って移動可能であるともに、回動ピン74を中心として回動可能となっている。
【0019】
図2(a)に示すように、ラチェットカム71の基端部には、弾性部材としてのトーションスプリング72が設けられている。トーションスプリング72は長孔75を形成するリブに外挿された状態になっており、一端部がラチェットカム71の基端部に突設された係合片76の端縁に係合されているとともに、他端部が本体ケース12に設けられた係合突起13に圧接されている。これにより、トーションスプリング72は、時計回り方向(図6(b)に示す矢印A2方向)にラチェットカム71を付勢するようになっている。また、トーションスプリング72は、本体ケース12の一側面に接する方向にラチェットカム71を付勢するようになっている。
【0020】
図2(a)、図3及び図11に示すように、前記本体ケース12にはラチェットカム71をロック状態に保持する保持手段としてのソレノイド41が取り付けられている。ソレノイド41は、コイル部41aと、その内部に挿入されたプランジャ41bとを備えている。プランジャ41bの先端部には、接続軸101bを介して回動レバー101が連結されている。この回動レバー101の基端部は本体ケース12に取り付けられ、先端部は前記ラチェットカム71の基端部から突設された連動片73に係合している。そして、ソレノイド41が通電されると、トーションスプリング72の弾性力によるラチェットカム71の回動が阻止され、ラチェットカム71はロック位置に保持されることとなる。
【0021】
回動レバー101の基端部には、ソレノイド41のプランジャ41bを没入方向に付勢するとともに、回動レバー101の先端部が連動片73に当接する方向に付勢するトーションスプリング102が設けられている。なお、本実施形態では、回動レバー101とトーションスプリング102とからプランジャ付勢機構100が構成されている。
【0022】
本実施形態のように、省スペース化を図るために小型の保持タイプのソレノイド41を用いると、プランジャ41bが一旦突出すれば没入できなくなる。そのため、トーションスプリング102の弾性力によってソレノイド41のプランジャ41bを没入位置に保持している。従って、プランジャ41bは、没入した状態で通電されるようになっている。
【0023】
図4(c)に示すように、ラチェットカム71の裏面には作動片114が突設されている。作動片114は、前記ロック解除バー111の移動方向から見てそこに設けられた押圧片113と重なり合うように配置されている。そして、ロック解除バー111がその軸線方向に沿って移動することにより、作動片114が押圧片113によって押圧され、ラチェットカム71の先端部が同ラチェットカム71の厚さ方向に跳ね上げられるようになっている。この跳ね上げにより、ラチェットカム71がロックされているときでも、強制的にロック解除される。
【0024】
図2(a)に示すように、シャッタホルダ21の一側面には係合部としての係合ピン22が突設されている。図2(a),(b)に示すように、係合ピン22と対峙するラチェットカム71の裏面には、係合ピン22が係脱する肉薄部77が形成されている。肉薄部77には、係合ピン22を係合させるためのロック凹部77aが形成されている。係合ピン22は肉薄部77の下側に形成された入口を介してロック凹部77aに係合するようになっている。
【0025】
ロック凹部77aに係合ピン22が係合されるとき、シャッタホルダ21に弾性力を付与している圧縮バネ23の弾性力によって、ラチェットカム71及びシャッタホルダ21は携帯機収容口21a側にわずかに前進する。このとき、トーションスプリング72の弾性力によって、ラチェットカム71が元の位置に引き戻されようとするが、トーションスプリング72の弾性力は、2つの圧縮バネ23のそれよりも小さく設定されているため、そのようなことはない。
【0026】
肉薄部77においてロック凹部77aに隣接して位置する箇所には、係合ピン22との係合を解除させるためのロック解除用傾斜面77bが形成されている。そして、シャッタホルダ21が押し込み位置P2から待機位置P1に移動することにより、係合ピン22の先端面がロック解除用傾斜面77bに摺動しながら移動する。これにより、トーションスプリング72の付勢力に抗してラチェットカム71がその厚さ方向に跳ね上げられ、肉薄部77から係合ピン22が抜け出るようになっている。
【0027】
ロック解除用傾斜面77bと係合ピン22との係合が解除されたとき、シャッタホルダ21はアンロックされる。シャッタホルダ21のロック状態及びアンロック状態は、シャッタホルダ21に収容されている携帯機31を押圧操作する度に交互に切り替えられるようになっている。これは、携帯機31を押圧操作すると、係合ピン22がラチェットカム71の肉薄部77に入り込んでロック凹部77aに係合し、次回に携帯機31を押圧操作すると肉薄部77から抜け出るためである。つまり、携帯機31を押圧操作するたびに、係合ピン22がロック凹部77aに係合されることと、係合解除されることとを交互に繰り返すからである。なお、「シャッタホルダ21のロック状態」とは請求項における「携帯機をロックする状態」を示し、「シャッタホルダ21のアンロック状態」とは請求項における「携帯機をアンロックする状態」を示す。
【0028】
図2(a)に示すように、前記本体ケース12には、検出スイッチとしてのマイクロスイッチ61が取り付けられている。マイクロスイッチ61はボタン状の接点62を備えている。また、本体ケース12においてラチェットカム71とは異なる箇所には、略L字状をなす作動部材としての作動レバー81が回動軸83を中心として回動可能に取り付けられている。シャッタホルダ21がロックされると、その先端部によって作動レバー81の一端が押圧されることにより、他端が接点62から離間するようになっている。このとき、ラチェットカム71がそのロック凹部77aに係合ピン22が係合しているロック位置をマイクロスイッチ61によって検出することで、シャッタホルダ21がロック位置P3にあること、つまりシャッタホルダ21内に収容された携帯機31がロックされた状態にあると見なされる。
【0029】
また、作動レバー81には、付勢手段としてのトーションスプリング82が設けられている。トーションスプリング82は本体ケース12に設けられた回動軸83に外挿された状態になっており、一端部が作動レバー81に係合するとともに、他端部が本体ケース12の側面に圧接している。これにより、トーションスプリング82は、マイクロスイッチ61の接点62を押圧する側に作動レバー81を付勢するようになっている。
【0030】
次に、携帯機スロット装置11の動作を説明する。
両ロックレバー91がアンロック位置P11に保持された状態で、携帯機31をシャッタホルダ21内に収容する。このとき、シャッタ51は、携帯機31に押圧されることにより、シャッタホルダ21の携帯機収容口21aを塞ぐ閉位置(図3に図示)から携帯機収容口21aを開く開位置(図4(a)に図示)に移動する。
【0031】
そして、携帯機31を押圧し続けると、図5(a)に示すように、シャッタホルダ21が携帯機31が挿入される前の待機位置P1から本体ケース12内に収容されるのに伴って、両ロックレバー91が本体ケース12の内側面に押圧される。このとき、両係合突部93がそれぞれ携帯機31の係合凹部32に向かい合い、両ロックレバー91が回動軸92を中心として両係合突部93同士が互いに接近する方向(矢印F1方向)に回動する。また、シャッタホルダ21に設けられた係合ピン22がラチェットカム71の先端縁を押圧することにより、トーションスプリング82の付勢力に抗して図5(b)に示す矢印A1方向に回動する。その結果、図6(a)〜(c)に示されるように、係合ピン22が肉薄部77の入り口付近に到達する。このとき、携帯機31が本体ケース12内の最奥部に押し込まれることによりシャッタホルダ21が押し込み位置P2に到達した状態になる。また、両係合突部93がそれぞれ携帯機31の係合凹部32に係合し、ロックレバー91が節度機構94によってロック位置P12に保持される。
【0032】
この状態において携帯機31を離すと、ラチェットカム71がトーションスプリング72に付勢されて図6(b)に示す矢印A2方向に回動する。それとともに、シャッタホルダ21が両圧縮バネ23に付勢されて本体ケース12の開口端側に移動することにより、係合ピン22が肉薄部77のロック凹部77aに係合する。この係合により、シャッタホルダ21及びラチェットカム71は、携帯機収容口21a側にわずかに前進して停止する。このラチェットカム71の移動によって、作動レバー81の一端部が押圧され、マイクロスイッチ61の接点62から作動レバー81が離れることでマイクロスイッチ61がオンされる。それにより、シャッタホルダ21がロック位置P3にあることが検出される。その結果、図7(a)〜(c)に示すように、携帯機31がシャッタホルダ21内に収容されたままの状態でロックされる。
【0033】
このマイクロスイッチ61がオンされかつ、所定の条件(イモビ照合OK等)によってソレノイド41が通電され、プランジャ41bが没入位置で保持される。これにより、車両の走行中に携帯機31が押圧操作されても、ラチェットカム71がロック状態に保持される(図11(a),(b)に図示)。また、携帯機31から送信したIDコードと車両1に予め割り当てられたIDコードとの照合が行われる。そして、これらIDコード同士が一致したことを条件として図示しないスタートボタンを操作することにより、エンジンが始動される。
【0034】
なお、プランジャ41bは没入位置で保持されているため、エンジンの稼動中に、携帯機31を押圧操作したときに係合ピン22がロック凹部77aから離間しても、ラチェットカム71は回動しない(図11(b)に図示)。ゆえに、エンジンの稼動時に携帯機31が押圧操作されても、ソレノイド41によってラチェットカム71がロック位置に保持されているため、係合ピン22とラチェットカム71との係合が解除されるのが防止される。したがって、携帯機31の排出が防止される。
【0035】
図8(a)〜(c)に示すように、エンジンが停止されたことを条件としてソレノイド41が非通電状態になり、プランジャ41bのロックが解除されることによりラチェットカム71のロックが解除される。この状態において携帯機31を再び押圧操作すると、ラチェットカム71がトーションスプリング72に付勢されて作動レバー81の一端部から離間する方向に移動する。それとともに、作動レバー81がトーションスプリング82に付勢されて矢印B1方向とは反対方向に回動することにより、作動レバー81とマイクロスイッチ61の接点62とが接触状態になる。その結果、マイクロスイッチ61がオフされることにより、シャッタホルダ21がアンロック状態にあることが検出される。この状態において携帯機31を離すと、シャッタホルダ21が待機位置P1に移動するとともに、係合ピン22がロック凹部77aから離れてラチェットカム71がトーションスプリング72に付勢されて回動する。そして、係合ピン22の先端部がロック解除用傾斜面77bを乗り上げて、ラチェットカム71が図8(c)に示す矢印A3方向に跳ね上げられる。その結果、ラチェットカム71のロック凹部77aと係合ピン22との係合が解除される。
【0036】
そして、図9(a)〜(c)に示すように、シャッタホルダ21は、両係合突部93が互いに離間する方向に両ロックレバー91を回動させることが可能となる待機位置P1に移動する。この状態において、携帯機31に対してシャッタホルダ21が移動している方向と同一方向に力を加えることにより、両ロックレバー91の係合突部93が互いに離間して、携帯機31がシャッタホルダ21から引き抜かれる。
【0037】
シャッタ51がシャッタホルダ21の携帯機収容口21aを塞ぐ閉位置にあるときにシャッタホルダ21内に携帯機31以外の指などが挿入された場合、シャッタ51は指に押圧されて携帯機収容口21aを開く開位置に移動する。そして、ロック解除バー111が押圧されるとともに、シャッタホルダ21がロックされる。しかし、図10(a),(b)に示すように、シャッタホルダ21内には携帯機31が挿入されている訳ではないので、指によって押し込まれたシャッタ51は圧縮バネ52に付勢されて閉位置に移動する。それに伴い、ロック解除バー111も圧縮バネ112に付勢されてシャッタ51と同一方向に移動する。このとき、ロック解除バー111の押圧片113がラチェットカム71の作動片114を押圧することにより、係合ピン22がロック凹部77aに係合する直前にラチェットカム71がその厚さ方向に跳ね上げられる。それにより、シャッタホルダ21のロックが解除されて、シャッタホルダ21が圧縮バネ23の付勢力によって待機位置P1に移動する。そのため、作動レバー81の他端部がマイクロスイッチ61の接点62から離れることはない。ゆえに、マイクロスイッチ61によってシャッタホルダ21がロックされた状態にあるとみなされるのを防止できる。
【0038】
なお、シャッタホルダ21内に携帯機31を挿入したとき、携帯機31は両ロックレバー91の両係合突部93が係合することによってシャッタホルダ21内に収容されたままの状態でロックされる。この場合、携帯機31に両ロックレバー91が係合しているため、携帯機31がシャッタホルダ21からずれようとしなくなるので、携帯機31に押圧されているシャッタ51は閉位置側に移動できなくなる。よって、ロック解除バー111の押圧片113によってラチェットカム71の作動片114が押圧されなくなり、ラチェットカム71が跳ね上げられない。したがって、携帯機31を挿入したときにはロック解除バー111が作動しない。
【0039】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)エンジンの稼動中に携帯機31を押圧操作することによって係合ピン22がロック凹部77aから離間しても、ラチェットカム71はソレノイド41によって動かないようになっている。よって、ラチェットカム71を回動させて係合ピン22をロック解除用傾斜面77bに当接させることができないため、係合ピン22とラチェットカム71との係合を解除することができない。したがって、エンジンの稼動中に機械的にロックされた携帯機31がシャッタホルダ21から排出されるのを防止することができる。
【0040】
(2)ソレノイド41の通電前にプランジャ41bは予め没入位置に待機されているため、シャッタホルダ21がロック状態にあるとき、通電が開始されてもプランジャ41bは没入位置に配置されたままである。そのため、プランジャ41bを作動させる力が比較的小さくて済むことから、小型かつ軽量なソレノイド41を使用することが可能になる。このことは、ソレノイド41を設置するスペースを小さくすることができ、携帯機スロット装置11の小型化にも貢献する。
【0041】
また、ラチェットカム71をロックするためにはプランジャ41bを通電させるだけでよい。そのため、作動音を生じさせずにラチェットカム71をロックした状態に保持することができる。
【0042】
(3)プランジャ付勢機構100によって、プランジャ41bは没入位置に常に付勢される。言い換えれば、プランジャ41bがコイル部41aから不用意に突出するのが阻止される。よって、シャッタホルダ21をロック状態に保持する機能が損なわれることがない。
【0043】
(4)ソレノイド41が携帯機31の収容方向においてシャッタホルダ21とラチェットカム71の連動片73との間に配置されているため、本体ケース12が携帯機31の収容方向において長くなるのを防止することができる。よって、携帯機スロット装置11を小型化することができる。
【0044】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、ラチェットカム71の肉薄部77に係脱する係合ピン22はシャッタホルダ21に突設されていた。しかし、係合ピン22は、携帯機31やシャッタ51に突設されていてもよい。
【0045】
・前記実施形態において、保持タイプのソレノイド41を用いる代わりに、通電時にプランジャ41bがコイル部41aから突出するタイプまたは通電時にプランジャ41bがコイル部41a内に没入するタイプのソレノイドを用いてもよい。
【0046】
・前記実施形態において、プランジャ付勢機構100を省略するとともに、連動片73において回動レバー101の先端部が当接していた面にプランジャ41bの先端面が接離するようにソレノイド41を配置してもよい。そして、プランジャ41bがコイル部41aから突出したときに、ラチェットカム71をロックした状態に保持するようにしてもよい。このように構成すれば、携帯機スロット装置11を構成する部品点数を低減できる。
【0047】
・ラチェットカム71を、スタートスイッチの操作によってエンジンを始動したときに、ソレノイド41を通電させてロックした状態に保持するようにしてもよい。
【0048】
・前記実施形態において略直方体状の携帯機31を用いる代わりに、カード型の携帯機を用いてもよい。
次に、上記実施形態及び別例によって把握される技術的思想を以下に記載する。
【0049】
(1)請求項2において、前記ソレノイドのプランジャに連結され、同プランジャを没入方向に付勢するプランジャ付勢機構が設けられていることを特徴とする携帯機スロット装置。よって、技術的思想(1)によれば、プランジャが不用意に突出するのが阻止される。
【0050】
(2)請求項2または技術的思想(1)において、前記ソレノイドは、エンジンを始動させるときに前記携帯機を押圧操作して前記収容ホルダをロックしたことを条件として通電状態となることを特徴とする携帯機スロット装置。
【0051】
(3)請求項2、技術的思想(1),(2)のいずれか一項において、前記ソレノイドはエンジンが停止したことを条件として非通電状態となることを特徴とする携帯機スロット装置。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、機械的にロックされた携帯機が排出されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における携帯機スロット装置の配設状態を示す車両室内の概略斜視図。
【図2】 (a)は、携帯機スロット装置の全体斜視図、(b)は、ラチェットカムの要部斜視図。
【図3】 携帯機スロット装置の正断面図。
【図4】 (a)〜(c)は、携帯機スロット装置の説明図。
【図5】 (a)〜(c)は、携帯機スロット装置の説明図。
【図6】 (a)〜(c)は、携帯機スロット装置の説明図。
【図7】 (a)〜(c)は、携帯機スロット装置の説明図。
【図8】 (a)〜(c)は、携帯機スロット装置の説明図。
【図9】 (a)〜(c)は、携帯機スロット装置の説明図。
【図10】 (a)及び(b)は、携帯機スロット装置の説明図。
【図11】 (a)及び(b)は、携帯機スロット装置の説明図。
【符号の説明】
1…車両、11…携帯機スロット装置、31…携帯機、41…保持手段としてのソレノイド、41b…プランジャ、71…板カムとしてのラチェットカム。
Claims (3)
- 車両のユーザによって所持される携帯機が収容される収容ホルダを機械的にロックして同携帯機を排出不能にロックする状態と、前記収容ホルダを機械的にアンロックして同携帯機を排出可能にアンロックする状態とを前記携帯機の押圧操作そのものにより交互に切り替える板カムを設け、前記携帯機を排出不能にロックする状態に保持すべく、前記板カムを切り替え不能にする保持手段を設けたことを特徴とする携帯機スロット装置。
- 前記保持手段は前記板カムに機械的に連動して出没するプランジャを備えたソレノイドであって、そのソレノイドは、前記携帯機が排出不能にロックされた状態にあるときに且つエンジンが始動されたときに通電されることにより、前記プランジャを保持して前記板カムを切り替え不能な状態にロックさせることを特徴とする請求項1に記載の携帯機スロット装置。
- 前記保持手段は前記板カムに機械的に連動して出没するプランジャを備えたソレノイドであって、そのソレノイドは、前記携帯機が排出不能にロックされた状態にあるときに通電されることにより、前記プランジャをそのときの板カムに対応する位置に保持して前記板カムを切り替え不能な状態にロックさせるとともに、前記携帯機を排出可能にアンロックする際には非通電状態とされることにより、前記プランジャを出没させることなく前記板カムを切り替え可能な状態にアンロックさせることを特徴とする請求項1に記載の携帯機スロット装置。
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