JP3898443B2 - 電子部品装着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームにこれに沿った方向に駆動源により夫々移動可能な装着ヘッドを設け、該装着ヘッドに電子部品を吸着してプリント基板上に装着する吸着ノズルが設けられた電子部品装着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2000−136904号公報に示すような多機能型電子部品装着装置、即ちAビーム8AとBビーム8Bの2ビームを備え1ビームにつき1つの装着ヘッド7A又は7Bに2本の吸着ノズル17A、17B又は17C、17Dを有する電子部品装着装置1を例として、従来例について図1、図2、図7、図8及び図9に基づき説明する。
【0003】
RAM22に記憶された図7に示す装着データで「ペアリング」の指定を行うデータ「S」があり、動作としては常に左右2つの吸着ノズル17A、17B又は17C、17Dに電子部品を吸着して装着していくのと、これを2つのビーム8A、8B交互の装着で動かすのが一番効率のよい方法である。
【0004】
ここで、「S」が「2」と指定されると左右の吸着ノズル17A、17B又は17C、17Dに電子部品を吸着させて2ステップ分をまとめて処理し(吸着優先指定)、「S」に「2」と入力されたステップと次のステップがペアリング処理され、また「S」が「1」と指定されると左右の吸着ノズル17A、17B又は17C、17D間のピッチと部品供給ユニット3配置のピッチが同じ場合に2ステップ分処理されるもので吸着動作が左右の吸着ノズル17A、17B又は17C、17Dが同時に実施され(同時吸着指定)、「S」に「1」と入力されたステップと次のステップが「ペアリング」処理されるものである。
【0005】
そして、FDR番号(各部品供給ユニット3の配置番号)の百の位の判定で、自動的に2つのビーム8A、8Bの処理が振り分けられる。即ち、100番台はAビーム8A処理で、200番台はBビーム8B処理であり、部品装着動作の内容は次のようになり、特に図8及び図9に従い説明する。
【0006】
先ず、プリント基板Pが上流装置より供給コンベア4を介して位置決め部5に搬送され、位置決め機構により位置決め固定される。そして、RAM22に格納されたプリント基板Pの装着すべきXY座標位置、鉛直軸線回りへの回転角度位置及びFDR番号(各部品供給ユニット3の配置番号)等が指定された装着データに従い、電子部品の部品種に対応した吸着ノズルが装着すべき電子部品を所定の部品供給ユニット3から吸着して取出すこととなる。
【0007】
この場合、先ず装着ヘッド7A、7Bに装備している吸着ノズル17A、17B、17C、17Dを次の2ステップ分の電子部品の指定吸着ノズルに合わせるために吸着ノズルの交換を実施する。即ち、各装着ヘッド7A、7Bがノズルストッカ18、18の所定の吸着ノズル上方に位置するよう移動するが、Y方向は駆動回路28によりY軸モータ9、9が駆動して一対のガイド11に沿ってビーム8A、8Bが移動し、X方向は駆動回路25によりX軸モータ12が駆動して装着ヘッド7A、7Bが衝突することなく移動し、ノズルの交換動作を行う。
【0008】
次に、装着ステップ番号0001の「S」に「2」とあり、装着ヘッド7Aの吸着ノズル17Aは装着ステップ番号0001の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に位置するよう移動するが、Y方向は駆動回路28によりY軸モータ9が駆動して一対のガイド11に沿ってビーム8Aが移動し、X方向は駆動回路25によりX軸モータ12が駆動して装着ヘッド7Aが移動し、既に所定の供給ユニット3は駆動されて部品吸着位置にて部品が取出し可能状態にあるため、駆動回路30により上下軸モータ14が駆動して前記ノズル17Aが下降して電子部品を吸着し取出し、次に装着ヘッド7Aは上昇すると共に吸着ノズル17Bが装着ステップ番号0002の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に移動し、同じく前記ノズル17Bが下降して電子部品を吸着し取出す。
【0009】
このとき、装着ステップ番号0009の「S」に「2」とあり、装着ヘッド7Bの吸着ノズル17Cは装着ステップ番号0009の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に移動し、前記ノズル17Cが下降して電子部品を吸着し取出し、次に装着ヘッド7Bは上昇すると共に吸着ノズル17Dが装着ステップ番号0010の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に移動し、同じく前記ノズル17Dが下降して電子部品を吸着し取出す。
【0010】
そして、吸着ノズル17A及び17Bが各部品認識カメラ16上方に位置するよう、前述の如くY軸モータ9及びX軸モータ12により移動し、前記ノズル17A及び17Bに吸着されている各電子部品は撮像され、更に該吸着ノズル17C及び17Dが部品認識カメラ16上方に位置するよう移動し、前記ノズル17C及び17Dに吸着されている各電子部品は撮像され、各電子部品が当該ノズルに対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、部品認識処理部33により認識結果が算出される。
【0011】
この後CPU21は「装着エリアが未使用か否か」を判断し、未使用であればBビーム8Bが装着エリアを占有し、その旨をRAM22に記憶する。そして、各ビームの移動による最初の電子部品装着前に夫々のビームに基板認識処理動作をさせる。従って、Bビーム8Bが装着エリアを占有し基板認識動作をすべく、プリント基板P上のマークMの位置を認識するためにY軸モータ9及びX軸モータ9を駆動させて基板認識カメラ19により該マークMを撮像し、その認識処理が該基板認識処理部13にて行われ、CPU21に処理結果が送出され、RAM22に記憶される。
【0012】
そして、Bビーム8B及び装着ヘッド7Bを移動させて前記ノズル17C及び17Dに吸着されている各電子部品をプリント基板P上に装着する。このとき、CPU21は前記基板認識処理結果に部品認識処理結果を加えてプリント基板P上に装着する。
【0013】
そして、Bビーム8Bの吸着ノズル17C、17Dによる装着ステップ番号0009、0010の電子部品を装着した後に、シーケンスデータを歩進して次ステップを切出して、次のステップデータがあるので、装着エリアを開放し(未使用状態とし)、装着ステップ番号0011、0012の電子部品の吸着動作及び部品認識動作に移る。
【0014】
一方、装着エリアが開放されたので、Aビーム8Aが装着エリアを占有する処理をし、基板認識動作をすべく、プリント基板P上のマークMの位置を認識するために基板認識カメラ19を移動させてマークMを撮像し、その認識処理が該基板認識処理部13にて行われ、RAM22に記憶される。
【0015】
そして、Aビーム8A及び装着ヘッド7Aを移動させて前記ノズル17A及び17Bに吸着されている各電子部品を前記基板認識処理結果に部品認識処理結果を加えてプリント基板P上に装着する。その後シーケンスデータを歩進して次ステップを切出して、次のステップデータがあるので、装着エリアを開放し(未使用状態とし)、装着ステップ番号0003、0004の電子部品の吸着動作及び部品認識動作に移る。
【0016】
この装着エリアの開放により、今度はBビーム8B及び装着ヘッド7Bを移動させて、既に認識処理された前記ノズル17C及び17Dに吸着されている装着ステップ番号0011、0012の電子部品をCPU21が前記基板認識処理結果に部品認識処理結果を加えてプリント基板P上に装着する。
【0017】
以上のように、前記Aビーム8A、Bビーム8Bは、それぞれ自分の装着指定部品を順次装着していくが、各々のビームが自分で処理するステップを割出し、動作を行う。この際に、各ビームは電子部品を吸着し、認識カメラ16による部品位置認識を終えたタイミングで、装着エリアの取得可否を判定し、未使用状態を待って、自ビームを装着エリア占有にした後、吸着部品の装着を行う。
【0018】
そして、部品装着が完了し、装着エリアを開放するタイミングで、装着エリアを開放して未使用状態にして、次のステップの処理に移行する。このため、部品認識完了後に速やかに装着エリアに入れるか否か(装着エリア取得バッティング有無)が、2ビームの運転効率を左右することになる。
【0019】
最適化処理において、2つのビームの装着ステップのペアリング方法、吸着ノズル交換頻度(装着順序)、ペアリングされたステップの動作時間、2ビーム間の組合せ(処理時間の長短をうまく整合させて装着エリア取得バッティングを回避)の考慮等が重要な要因になる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来例では、個々のビームのペアリング処理等は無駄なく作成されているにも関わらず、装着エリア取得タイミングのズレにより、Aビーム8Aの装着エリア未使用までの待機が多く発生し、結果として基板仕上げ時間が長くなってしまっている。即ち、図9に示すようなシーケンスの流れとなり、装着待ちにより2つのビームの協調動作が崩れ、2つのビームの全部品終了タイミングが大きくズレてしまい、これが基板仕上げ時間を余計に伸ばしてしまっているのが問題となる。
【0021】
特に、2つのビームの割振りが偏っているような場合(部品荷姿の絡みで生じる)に、装着点数(総所要時間)の多いビーム側で装着待ちロスが発生すると、その影響は基板仕上げ時間の伸びとして顕著に現れる。
【0022】
そこで本発明は、前記偏りからくる装着点数の多い(総所要時間の長い)側のビームの装着待ちを、強制的に回避させることにより、言いかえると、所要時間の少ないビーム側に装着待ちを集中させて、結果としてプリント基板の仕上げ時間を短縮することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
このため第1の発明は、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームにこれに沿った方向に駆動源により夫々移動可能な装着ヘッドを設け、該装着ヘッドに電子部品を吸着して装着エリアにてプリント基板上に装着する吸着ノズルが設けられ、装着エリアがいずれかのビームにより取得されていないときには、部品を装着可能な装着ヘッドが設けられたビームが装着エリアを取得する電子部品装着装置において、いずれかのビームによる装着エリアの取得を優先するための調停制御データを記憶する記憶装置と、前記調停制御データが自ビーム側に設定されているか否かを判断し、設定されていると判断され、且つそのときに装着エリアが空いているときには、自ビームによる装着エリアの取得より他のビームによる装着エリアの取得を優先させるように制御する制御装置とから成ることを特徴とする。
【0024】
また第2の発明は、同電子部品装着装置において、いずれかのビームによる装着エリアの取得を優先するための調停制御データを記憶する記憶装置と、自ビームによる装着エリアの取得前に、前記調停制御データが自ビーム側に設定されているか否かを判断し、設定されていると判断されたときには、装着エリアが空いているか否かを判断し、装着エリアが空いているときには、他のビームが装着エリアを取得したか否かを判断し、他のビームが装着エリアを取得していないときには、他のビームが装着エリアを取得するまで他のビームが装着エリアを取得したか否かの判断を繰り返し、前記他のビームによる装着エリアの取得が行われて装着エリアが空いたときに、自ビームにより装着エリアが取得されるように制御する制御装置とから成ることを特徴とする。
【0025】
第3の発明は、同電子部品装着装置において、いずれかのビームによる装着エリアの取得を優先するための調停制御データを記憶する第1の記憶装置と、リカバリ動作発生の履歴を記憶する第2の記憶装置と、前記第2の記憶装置に前記履歴が記憶されていない場合には、前記第1の記憶装置に記憶された調停制御データに基づいていずれかのビームに設けられた装着ヘッドによる装着エリア取得を優先させるように制御する制御装置とから成ることを特徴とする。
【0026】
更に第4の発明は、同電子部品装着装置において、いずれかのビームによる装着エリアの取得を優先するための調停制御データを記憶する第1の記憶装置と、リカバリ動作発生の履歴を記憶する第2の記憶装置と、各ビームの装着エリア占有の前に第1の記憶装置に前記調停制御データが設定されていて前記第2の記憶装置に前記履歴が記憶されているか否かを判断し記憶されていない場合にはいずれかのビームに設けられた装着ヘッドによる装着エリア取得を優先させるように制御する制御装置とから成ることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
図に基づき、本発明の実施の形態を以下説明するが、従来例と同一の符号・番号は同一又は類似の機能を果たすものとする。図1は電子部品装着装置1の平面図で、該装置1の基台2上には種々の電子部品を夫々その部品取出し部(部品吸着位置)に1個ずつ供給する部品供給ユニット3が複数並設されている。対向するユニット3群の間には、供給コンベア4、位置決め部5及び排出コンベア6が設けられている。供給コンベア4は上流より受けたプリント基板Pを前記位置決め部5に搬送し、位置決め部5で図示しない位置決め機構により位置決めされた該基板P上に電子部品が装着された後、排出コンベア6に搬送される。
【0028】
8A、8BはX方向に長い一対のビームであり、夫々Y軸モータ9の駆動によりネジ軸10を回転させ、左右一対のガイド11に沿ってプリント基板Pや部品供給ユニット3の部品取出し部(部品吸着位置)上方を個別にY方向に移動する。
【0029】
各ビーム8A、8Bにはその長手方向、即ちX方向にX軸モータ12によりガイド(図示せず)に沿って移動する装着ヘッド7A、7Bが夫々設けられている。各装着ヘッド7A又は7Bには2本の吸着ノズル17A、17B又は17C、17Dを上下動させるための上下軸モータ14が2個搭載され、また鉛直軸周りに回転させるためのθ軸モータ15が2個搭載されている。したがって、2個の装着ヘッド7A、7Bの各吸着ノズルはX方向及びY方向に移動可能であり、垂直線回りに回転可能で、かつ上下動可能となっている。尚、吸着ノズルを垂直線回りに回転可能とするθ軸モータを1個設け、また吸着ノズルを上下動させる上下軸モータを1個設けることにより、結果として選択された吸着ノズルのみを上下動させることも可能である。
【0030】
16は部品位置認識用の部品認識カメラで、前記各吸着ノズル17A、17B、17C、17Dに対応して4個設けられ、電子部品が吸着ノズルに対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、位置認識するために電子部品を撮像するが、それぞれ同時に2個の電子部品を撮像可能である。18、18は種々の吸着ノズルを収納するノズルストッカで、最大10本収納可能であるが9本収納している。
【0031】
19、19は基板認識カメラで、前記装着ヘッド7A、7Bにそれぞれ設けられ、プリント基板Pに付されたマークMの位置を認識するために該マークMを撮像する。
【0032】
図2は本電子部品装着装置1の制御ブロック図であり、便宜上X軸モータ12、Y軸モータ9、θ軸モータ15及び上下軸モータ14などは、各1個のみ図示して以下説明する。
【0033】
本装着装置1の電子部品装着に係る動作を統括制御する制御部としてのCPU21、記憶装置としてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)22及びROM(リ−ド・オンリー・メモリ)23などから構成されている。前記RAM22には、図3に示すように、電子部品の装着順序毎にプリント基板P内でのX方向、Y方向及び角度位置情報や、FDR番号(各部品供給ユニット3の配置番号)情報や、「ペアリング」の指定を行うデータ「S」情報や、装着点毎の基板個々認識の指定データ及びビーム調停制御データである「V」情報等から成る装着データが格納されている。
【0034】
即ち、「ペアリング」の指定を行うデータ「S」情報において、「S」が「2」と指定されると左右の吸着ノズル17A、17B又は17C、17Dに個別に電子部品を吸着させて2ステップ分をまとめて処理し(吸着優先指定)、「S」に「2」と入力されたステップと次のステップが「ペアリング処理(組として処理)」され、また「S」が「1」と指定されると左右の吸着ノズル17A、17B又は17C、17D間のピッチと部品供給ユニット3配置のピッチが同じ場合に2ステップ分処理されるもので吸着動作が左右の吸着ノズル17A、17B又は17C、17Dが同時に実施され(同時吸着指定)、「S」に「1」と入力されたステップと次のステップが「ペアリング」処理されるものである。
【0035】
そして、FDR番号の百の位の判定で、自動的に2つのビーム8A、8Bの処理が振り分けられる。即ち、100番台はAビーム8Aが処理し、200番台はBビーム8Bが処理する。
【0036】
また、装着点毎の基板個々認識の指定データ及びビーム調停制御データである「V」情報について説明すると、「V」情報は2桁からなり、一の位は前者の指定データで、十の位は後者のビーム調停制御データである。
【0037】
「V」情報の一の位の「0」は「個々基板認識の指定なし」を意味し、「1」は「個々基板認識で1点認識」を意味し装着点に対してXY位置補正をピンポイントチューニングし、「2」は「個々基板認識で2点認識」を意味し装着点に対しXYθ位置補正をピンポイントチューニングする。この個々認識は、基板パターン印刷の局部的な伸縮を吸収したり、XYビーム系精度の自浄作用に効果がある。
【0038】
「V」情報の十の位の「1」は「装着エリア譲りモード」が設定されたことを意味する。即ち、電子部品の吸着後、部品認識カメラ16がある位置へ移動し部品認識が終了した後の装着エリア取得判定シーケンスにおいて、部品認識完了後に装着エリアが空いている場合、装着エリアの取得をせず、一回だけ相手ビームに装着エリアの取得を譲る。これにより、装着エリアへの2ビーム乗入れ動作を強制的に是正できる。
【0039】
ビーム調停制御データは、ビームの装着エリア取得タイミングで作用させるものであるため、単独ステップ及びペアリングステップに対して、1回有効にする。単独ステップの場合は、そのステップの「V」情報(十の位)に「1」を設定し、ペアリングステップの場合には先頭ステップ(主側ステップ)の「V」情報(十の位)に「1」を設定する。
【0040】
尚、ここで装着エリアは、プリント基板P上に電子部品を装着する場合に各装着ヘッド7A、7Bがバッティング(衝突)しないように、いずれかの装着ヘッドのみが装着できるようにいずれかの装着ヘッドのみが取得できるものである。
【0041】
そして、CPU21は前記RAM22に記憶されたデータに基づき、前記ROM23に格納されたプログラムに従い、電子部品装着装置1の部品装着動作に係る動作を統括制御する。即ち、CPU21は、駆動回路25を介して前記X軸モータ12の駆動を、駆動回路28を介して前記Y軸モータ9の駆動を、また駆動回路32を介して前記θ軸モータ15の駆動を、更に駆動回路30を介して前記上下軸モータ14の駆動を制御している。
【0042】
33はインターフェース24を介して前記CPU21に接続される部品認識処理部で、前記部品認識カメラ16により撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理部33にて行われ、CPU21に処理結果が送出される。即ち、CPU21は、部品認識カメラ16に撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を部品認識処理部33に出力すると共に、認識処理結果を認識処理部33から受取るものである。
【0043】
即ち、前記部品認識処理部33の認識処理により位置ずれ量が把握されると、その結果がCPU21に送られ、CPU21はビーム8A又は8BがY軸モータ9の駆動によりY方向に、装着ヘッド7A又は7BがX軸モータ12の駆動によりX方向に移動させることにより、またθ軸モータ15によりθ回転させ、X,Y方向及び鉛直軸線回りへの回転角度位置の補正がなされるものである。
【0044】
13は基板認識処理部で、前記基板認識カメラ19により撮像して取込まれた画像の認識処理が該基板認識処理部13にて行われ、CPU21に処理結果が送出される。即ち、CPU21は、基板認識カメラ19に撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を基板認識処理部13に出力すると共に、認識処理結果を基板認識処理部13から受取るものである。
【0045】
即ち、前記基板認識処理部13の認識処理により位置ずれ量が把握されると、その結果がCPU21に送られ、CPU21はビーム8A又は8BがY軸モータ9の駆動によりY方向に、装着ヘッド7A又は7BがX軸モータ12の駆動によりX方向に移動させることにより、またθ軸モータ15によりθ回転させ、X,Y方向及び鉛直軸線回りへの回転角度位置の補正が可能となる。
【0046】
尚、上述の基板認識処理動作は、夫々のビームによる最初の電子部品装着前に限り、行なわれる。それは、プリント基板Pの特性ばかりか、各ビーム、各装着ヘッドなどの特性を部品装着の位置補正に反映するためである。
【0047】
34はキーボードドライバー35及びインターフェース24を介して前記CPU21に接続される入力手段としてのキーボードで、36は認識部品画像等の画像を表示するモニターである。尚、前記入力手段としてのキーボード34に代えてタッチパネルなどの入力手段でも良い。
【0048】
以上の構成により、以下特に図3、図4及び図5に基づき動作について説明する。先ず、プリント基板Pが図示しないコンベアにより上流装置より供給コンベア4を介して位置決め部5に搬送され、位置決め機構により位置決め固定される。
【0049】
そして、RAM22に格納されたプリント基板Pの装着すべきXY座標位置、鉛直軸線回りへの回転角度位置及びFDR番号(各部品供給ユニット3の配置番号)等が指定された装着データに従い、電子部品の部品種に対応した吸着ノズルが装着すべき電子部品を所定の部品供給ユニット3から吸着して取出すこととなる。
【0050】
この場合、先ず装着ヘッド7A、7Bに装備している吸着ノズル17A、17B、17C、17Dを次の2ステップ分の電子部品の指定吸着ノズルに合わせるために吸着ノズルの交換を実施する。即ち、各装着ヘッド7A、7Bがノズルストッカ18、18の所定の吸着ノズル上方に位置するよう移動するが、Y方向は駆動回路28によりY軸モータ9、9が駆動して一対のガイド11に沿ってビーム8A、8Bが移動し、X方向は駆動回路25によりX軸モータ12が駆動して装着ヘッド7A、7Bが衝突することなく移動し、ノズルの交換動作を行う。
【0051】
次に、装着ステップ番号0001の「S」に「2」とあり、装着ヘッド7Aの吸着ノズル17Aは装着ステップ番号0001の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に位置するよう移動するが、Y方向は駆動回路28によりY軸モータ9が駆動して一対のガイド11に沿ってビーム8Aが移動し、X方向は駆動回路25によりX軸モータ12が駆動して装着ヘッド7Aが移動し、既に所定の供給ユニット3は駆動されて部品吸着位置にて部品が取出し可能状態にあるため、駆動回路30により上下軸モータ14が駆動して前記ノズル17Aが下降して電子部品を吸着し取出し、次に装着ヘッド7Aは上昇すると共に吸着ノズル17Bが装着ステップ番号0002の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に移動し、同じく前記ノズル17Bが下降して電子部品を吸着し取出す。
【0052】
このとき、装着ステップ番号0009の「S」に「2」とあり、装着ヘッド7Bの吸着ノズル17Cは装着ステップ番号0009の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に移動し、前記ノズル17Cが下降して電子部品を吸着し取出し、次に装着ヘッド7Bは上昇すると共に吸着ノズル17Dが装着ステップ番号0010の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に移動し、同じく前記ノズル17Dが下降して電子部品を吸着し取出す。
【0053】
そして、吸着ノズル17A及び17Bが各部品認識カメラ16上方に位置するよう、前述の如くY軸モータ9及びX軸モータ12により移動し、前記ノズル17A及び17Bに吸着されている各電子部品は撮像され、また該吸着ノズル17C及び17Dが部品認識カメラ16上方に位置するよう移動し、前記ノズル17C及び17Dに吸着されている各電子部品は撮像され、各電子部品が当該ノズルに対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、部品認識処理部33により認識結果が算出される。
【0054】
そして、CPU21が他方のビームの部品装着が全て終了していなくて、かつ調停制御データの設定があるか否かがRAM22に記憶された内容に基づき判断するが、Bビーム8Bにとっては設定されているので、次に装着エリアが未使用か否かが判断され、未使用なのでAビーム8Aが装着エリアを取得したかを判断し取得していなければこの判断を繰り返す。一方、前述の他方のビームの部品装着が全て終了していなくて、かつ調停制御データの設定があるか否かがRAM22に記憶された内容に基づき判断されたときに、Aビーム8Aにとっては設定されていないので、装着エリアが未使用か否かが判断され、未使用なのでAビーム8Aが装着エリアをBビーム8Bより優先して取得する。
【0055】
具体的には、CPU21がRAM22にAビーム8Aが装着エリアを占有した旨を書き込み、装着エリアを占有する処理をしたAビーム8Aにとっての基板認識動作をすべく、Aビーム8A及び装着ヘッド7Aを移動させてプリント基板P上のマークMの位置を認識するために基板認識カメラ19により各マークMを撮像し、その認識処理が該基板認識処理部13にて行われ、RAM22に記憶させ、再びAビーム8A及び装着ヘッド7Aを移動させ、吸着ノズル17Aがプリント基板P上に前記基板認識結果に部品認識結果を加味して位置ずれを補正しつつ装着ステップ番号0001の電子部品を装着し、次いでノズル17Bも同じく装着ステップ番号0002の電子部品を装着し、シーケンスデータを歩進して次ステップを切出して、次のステップデータがあるので、装着エリアを開放する(未使用状態とする)。
【0056】
このとき、Bビーム8Bにとっては前述したように相手のAビーム8Aが装着エリアを取得したかの判断を繰り返していたが、Aビーム8Aが取得した後は装着エリアが未使用か否かが判断され、装着動作中は使用中なのでAビーム8Aが装着を終了して未使用となるまで未使用か否かの判断を繰り返し、Aビーム8Aにより装着ステップ番号0001、0002の電子部品が装着されて、Aビーム8Aによる装着エリアの開放後にBビーム8Bが装着エリアを占有する。
【0057】
従って、装着エリアを占有する処理をしたBビーム8Bにとっての基板認識動作をすべく、Bビーム8B及び装着ヘッド7Bを移動させてプリント基板P上のマークMの位置を認識するために基板認識カメラ19により各マークMを撮像し、その認識処理が該基板認識処理部13にて行われ、RAM22に記憶させ、吸着ノズル17Cがプリント基板P上に前記基板認識結果に部品認識結果を加味して位置ずれを補正しつつ装着ステップ番号0009の電子部品を装着し、次いでノズル17Dも同じく装着ステップ番号0010の電子部品を装着し、シーケンスデータを歩進して次ステップを切出して、次のステップデータがあるので、装着エリアを開放する(未使用状態とする)。
【0058】
このBビーム8Bが装着エリア占有している間に、前記吸着ノズル17A及び17Bによる装着ステップ番号0003及び0004の電子部品の吸着動作に移り、認識カメラ16により電子部品を撮像し認識処理に移り、Bビーム8Bの吸着ノズル17C、17Dによる装着ステップ番号0009、0010の電子部品の装着を終えて、装着エリアが未使用となればAビーム8Aが装着エリア占有する。
【0059】
このため、吸着ノズル17A、17Bはプリント基板P上に装着ステップ番号0003、0004の電子部品を装着し、装着エリアを開放する(未使用状態とし)。この装着動作中前記吸着ノズル17C及び17Dによる装着ステップ番号0011及び0012の電子部品の吸着動作に移り、部品認識カメラ16により電子部品を撮像し認識処理に移る。そして、Aビーム8Aの吸着ノズル17A及び17Bが装着ステップ番号0003、0004の電子部品を装着し、シーケンスデータを歩進して次ステップを切出して、次のステップデータがあるので、装着エリアを開放したとき、Bビーム8Bが装着エリアを占有する処理をし、吸着ノズル17C、17Dはプリント基板P上に装着ステップ番号0011、0012の電子部品を装着する。
【0060】
この装着動作中に装着ステップ番号0005の「S」に「1」とあるので前記吸着ノズル17A及び17Bによる装着ステップ番号0005及び0006の電子部品の同時吸着動作に移り、認識カメラ16により電子部品を撮像し認識処理に移る。この認識処理を終了しても、Bビーム8Bが装着エリアを占有した状態のままであり、装着エリアが開放されるまで待機する。やがて、前記吸着ノズル17Dがプリント基板P上に装着ステップ番号0012の電子部品を装着し終えて装着エリアが開放されると、Aビーム8Aが装着エリアを占有し、吸着ノズル17A及び17Bによる装着ステップ番号0005及び0006の電子部品の装着に移る。
【0061】
このAビーム8Aが装着エリアを占有し、吸着ノズル17A及び17Bによる装着動作中に装着ヘッド7Bのノズルの交換動作及び交換後の吸着ノズル17C、17Dにより装着ステップ番号0013及び0014の電子部品の吸着動作に移り、その後認識カメラ16により電子部品を撮像し認識処理に移る。
【0062】
そして、吸着ノズル17A及び17Bによる装着ステップ番号0005及び0006の電子部品の装着動作が終わって、シーケンスデータを歩進し次ステップを切出し装着エリアを開放しても、Bビーム8Bの吸着ノズル17C、17Dにより吸着された装着ステップ番号0013及び0014の電子部品の認識処理が終了していないため、装着エリアは開放されたままとなる。また、この開放状態のとき装着ヘッド7Aに装備している吸着ノズル17A、17Bを次の2ステップ分の電子部品の指定吸着ノズルに合わせるために吸着ノズルの交換を実施する。
【0063】
やがて、装着ステップ番号0013及び0014の電子部品の認識処理が終了すると、Bビーム8Bが装着エリアを占有し、吸着ノズル17C、17Dにより吸着された装着ステップ番号0013及び0014の電子部品の装着が行われる。
【0064】
このとき、装着ステップ番号0007の「S」に「1」とあるので吸着ノズル17A及び17Bによる装着ステップ番号0007及び0008の電子部品の同時吸着動作に移り、認識カメラ16により電子部品を撮像し認識処理に移るが、該認識処理が終了しても、吸着ノズル17C、17Dによる装着動作が終了しておらず装着エリアが開放していないため、開放(未使用状態)するまでAビーム8Aは待機する。
【0065】
やがて、吸着ノズル17C、17Dによる装着動作が終了すると、Bビーム8Bによる装着エリアが開放され、Aビーム8Aにより装着エリアが占有され、吸着ノズル17A及び17Bによる装着ステップ番号0007及び0008の電子部品の装着動作が行われ、一方Bビーム8Bは次ステップデータが無いため原点に移動する。
【0066】
そして、吸着ノズル17Bによる装着ステップ番号0008の電子部品の装着動作が終了すると、次ステップデータが無いため、Aビーム8Aも原点に移動する。
【0067】
尚、両ビームによる装着についてシュミレーションを行なって、いずれかのビームの装着待機がどこで生じて、その待機が基板仕上げ時間(AビームとBビームの終了のずれ)に影響しているかを見つけ、作業者が任意のステップ番号の位置に、更には自動的に適切な箇所に調停制御データを設定するような最適化ツールの構築により自動決定可能なシステムを用いることもできる。
【0068】
次に、第2の実施形態について図6に基づき説明する。先ず、第1の実施形態では、部品吸着後、部品認識カメラ位置へ移動し、部品認識が終了した後の装着エリア取得判定シーケンスで、部品認識完了後に装着エリアが空いている場合、装着エリアの取得をせず、一回だけ他方のビームに装着エリアの取得を譲り、これにより、装着エリアへの2ビーム乗入れ動作を強制的に是正できるようにした。
【0069】
通常起こり得る装着バッティング現象では、2ビーム間の協調動作繰返しの中で、部分的にある装着ステップで、大きな装着待ちロスが起こり、このズレが、その後の2ビーム運転に作用してしまい、結果として、基板仕上げ時間を長くしてしまう原因になる。このステップのポイントで、強制的に装着エリア取得をコントロールして協調運転の是正を図り、基板仕上げ時間を短くするのが、前記第1の実施形態の狙うところである。
【0070】
しかし、そのため、吸着異常(吸着できなかったり、いわゆる立ち吸着等)によるリカバリ動作や、部品切れ異常等で、正規の2ビーム運転の協調進行が狂った場合、その後の運転に対しても、設定された調停制御データ通りに遵守していくと、かえって、その効果が仇となって現れる場合がある。
【0071】
即ち、2ビームの処理時間が、結構均衡している場合に、本機能の運用で、装着エリア取得を強制的に是正して基板仕上げ時間短縮を図るケースでは、リカバリ動作等の例外処理が発生した場合は、それ以降の調停制御データ内容を反映しない方が適する場合があり、また逆にAビーム8AとBビーム8Bの装着点数の隔たりが極端な場合には、リカバリ動作等の例外処理が起ころうとも、その後の装置運転に対し、恒久的に、調停制御データを遵守して、進行を早めたいビームの装着動作を最優先に実施することが有利な場合もある。
【0072】
そこで、第2の実施形態では、これら2つのケースに対応するため、「V」情報として次の2通りの設定パターンを設ける。即ち、「V」情報の十の位が「1」の場合には、調停制御データが恒久的に維持される設定であり、前述の説明におけるAビーム8AとBビーム8Bの装着点数の隔たりが極端な場合に、この設定が適する。また、「V」情報の十の位が「2」の場合には、調停制御データが、リカバリ動作等の例外処理が発生するまで継続される設定である。即ち、吸着異常等により、リカバリ動作等が発生すると、その時点で、それ以降の残りの装着ステップ中の「V」情報の十の位のデータは、その基板の仕上げが完了するまでは、未設定状態と同じ処理にして、CPU21はデータ設定を無視する。
【0073】
尚、このリカバリ動作は、当該吸着動作後であればいずれの装着ステップにおいて行なっても良い。
【0074】
以下図6に基づき、ステップ番号0009の「V」情報の十の位が「2」と設定されているものとして動作につき説明する。先ず、プリント基板Pが図示しないコンベアにより上流装置より供給コンベア4を介して位置決め部5に搬送され、位置決め機構により位置決め固定される。そして、RAM22に格納された装着データに従い、電子部品の部品種に対応した吸着ノズルが装着すべき電子部品を所定の部品供給ユニット3から吸着して取出すこととなる。
【0075】
この場合、先ず装着ヘッド7A、7Bに装備している吸着ノズル17A、17B、17C、17Dを次の2ステップ分の電子部品の指定吸着ノズルに合わせるために吸着ノズルの交換を実施する。
【0076】
次に、装着ステップ番号0001の「S」に「2」とあり、装着ヘッド7Aの吸着ノズル17Aは装着ステップ番号0001の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に位置するよう移動し、既に所定の供給ユニット3は駆動されて部品吸着位置にて部品が取出し可能状態にあるため、上下軸モータ14が駆動して前記ノズル17Aが下降して電子部品を吸着し取出し、次に装着ヘッド7Aは上昇すると共に吸着ノズル17Bが装着ステップ番号0002の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に移動し、同じく前記ノズル17Bが下降して電子部品を吸着し取出す。
【0077】
このとき、装着ステップ番号0009の「S」に「2」とあり、装着ヘッド7Bの吸着ノズル17Cは装着ステップ番号0009の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に移動し、前記ノズル17Cが下降して電子部品を吸着し取出し、次に装着ヘッド7Bは上昇すると共に吸着ノズル17Dが装着ステップ番号0010の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に移動し、同じく前記ノズル17Dが下降して電子部品を吸着し取出す。
【0078】
そして、吸着ノズル17A及び17Bが各部品認識カメラ16上方に位置するよう移動し、前記ノズル17A及び17Bに吸着されている各電子部品は撮像され、また該吸着ノズル17C及び17Dが部品認識カメラ16上方に位置するよう移動し、前記ノズル17C及び17Dに吸着されている各電子部品は撮像され、各電子部品が当該ノズルに対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、部品認識処理部33により認識結果が算出される。
【0079】
そして、CPU21が他方のビームの部品装着が全て終了していなくて、かつ調停制御データが「2」と設定されているかをRAM22に記憶された内容に基づき判断するが、Bビーム8Bにとっては設定されているので、次にリカバリ動作発生履歴がRAM22にメモリされているかが判断され、吸着異常がなくてメモリされていなければ、次に装着エリアが未使用か否かが判断され、未使用なのでAビーム8Aが装着エリアを取得したかを判断し取得していなければこの判断を繰り返す。一方、前述の他方のビームの部品装着が全て終了していなくて、かつ調停制御データが設定されているか(「2」と設定されているか)をRAM22に記憶された内容に基づき判断されたときに、Aビーム8Aにとっては設定されていないので、装着エリアが未使用か否かが判断され、未使用なのでAビーム8Aが装着エリアを取得する。
【0080】
具体的には、CPU21がRAM22にAビーム8Aが装着エリアを占有した旨を書き込み、装着エリアを占有する処理をしたAビーム8Aにとっての基板認識動作をすべく、Aビーム8A及び装着ヘッド7Aを移動させてプリント基板P上のマークMの位置を認識するために基板認識カメラ19により各マークMを撮像し、その認識処理が該基板認識処理部13にて行われ、RAM22に記憶させ、再びAビーム8A及び装着ヘッド7Aを移動させ、吸着ノズル17Aがプリント基板P上に前記基板認識結果に部品認識結果を加味して位置ずれを補正しつつ装着ステップ番号0001の電子部品を装着し、次いでノズル17Bも同じく装着ステップ番号0002の電子部品を装着し、シーケンスデータを歩進して次ステップを切出して、次のステップデータがあるので、装着エリアを開放する(未使用状態とする)。
【0081】
このとき、Bビーム8Bにとっては前述したように相手のAビーム8Aが装着エリアを取得したかの判断を繰り返していたが、Aビーム8Aが取得した後は装着エリアが未使用か否かが判断され、装着動作中は使用中なのでAビーム8Aが装着を終了して未使用となるまで未使用か否かの判断を繰り返し、Aビーム8Aにより装着ステップ番号0001、0002の電子部品が装着されて、Aビーム8Aによる装着エリアの開放後にBビーム8Bが装着エリアを占有する。
【0082】
従って、装着エリアを占有する処理をしたBビーム8Bにとっての基板認識動作をすべく、Bビーム8B及び装着ヘッド7Bを移動させてプリント基板P上のマークMの位置を認識するために基板認識カメラ19により各マークMを撮像し、その認識処理が該基板認識処理部13にて行われ、RAM22に記憶させ、吸着ノズル17Cがプリント基板P上に前記基板認識結果に部品認識結果を加味して位置ずれを補正しつつ装着ステップ番号0009の電子部品を装着し、次いでノズル17Dも同じく装着ステップ番号0010の電子部品を装着し、シーケンスデータを歩進して次ステップを切出して、次のステップデータがあるので、装着エリアを開放する(未使用状態とする)。
【0083】
以下、第1の実施形態で説明した動作と同様な動作となるので、以下省略するが、吸着異常等により、リカバリ動作等が発生すると、その時点で、それ以降の残りの装着ステップ中の「V」情報の十の位のデータ「2」は、その基板の仕上げが完了するまでは、未設定状態と同じ処理にして、CPU21はデータ設定を無視することとなる。
【0084】
尚、リカバリ動作発生すると、その履歴がRAM22にメモリされるが、どちらかのビームでリカバリ動作が発生したらメモリされ、前記プリント基板Pへの装着が終了し、次のプリント基板Pが当該装着装置の位置決め部5に搬送され、位置決め機構により位置決め固定され、電子部品の装着動作開始により前記メモリがクリアされるものである。
【0085】
【発明の効果】
以上のように本発明は、他ビームによる装着エリアの取得を優先するための調停制御データが自ビーム側に設定されているか否かを判断し、調停制御データの設定の有無に基づいて他ビームによる装着エリアの取得を優先し、全体の2ビーム協調度を調整又は是正可能にして、結果としてプリント基板の仕上げ時間を短縮することができる。また、吸着異常によるリカバリ動作等で、2ビーム運転の協調進行が狂った場合、その後の運転に対しても、設定された調停制御データ通りに遵守していくと、かえって基板の仕上げ時間が遅れることになるが、特に第3及び第4の発明によればそのようなことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子部品装着装置の平面図である。
【図2】電子部品装着装置の制御ブロック図である。
【図3】装着データを示す図である。
【図4】概略フローチャートを示す図である。
【図5】電子部品装着に関する動作を示す図である。
【図6】第2の実施形態の電子部品装着に関する動作を示す図である。
【図7】従来の装着データを示す図である。
【図8】従来の概略フローチャートを示す図である。
【図9】従来の電子部品装着に関する動作を示す図である。
【符号の説明】
1 電子部品装着装置
7A、B 装着ヘッド
8A、B Aビーム、Bビーム
13 基板認識カメラ
16 部品認識カメラ
17A、B、C、D 吸着ノズル
21 CPU
22 RAM

Claims (4)

  1. 駆動源により一方向に移動可能な一対のビームにこれに沿った方向に駆動源により夫々移動可能な装着ヘッドを設け、該装着ヘッドに電子部品を吸着して装着エリアにてプリント基板上に装着する吸着ノズルが設けられ、装着エリアがいずれかのビームにより取得されていないときには、部品を装着可能な装着ヘッドが設けられたビームが装着エリアを取得する電子部品装着装置において、いずれかのビームによる装着エリアの取得を優先するための調停制御データを記憶する記憶装置と、前記調停制御データが自ビーム側に設定されているか否かを判断し、設定されていると判断され、且つそのときに装着エリアが空いているときには、自ビームによる装着エリアの取得より他のビームによる装着エリアの取得を優先させるように制御する制御装置とから成ることを特徴とする電子部品装着装置。
  2. 駆動源により一方向に移動可能な一対のビームにこれに沿った方向に駆動源により夫々移動可能な装着ヘッドを設け、該装着ヘッドに電子部品を吸着して装着エリアにてプリント基板上に装着する吸着ノズルが設けられ、装着エリアがいずれかのビームにより取得されていないときには、部品を装着可能な装着ヘッドが設けられたビームが装着エリアを取得する電子部品装着装置において、いずれかのビームによる装着エリアの取得を優先するための調停制御データを記憶する記憶装置と、自ビームによる装着エリアの取得前に、前記調停制御データが自ビーム側に設定されているか否かを判断し、設定されていると判断されたときには、装着エリアが空いているか否かを判断し、装着エリアが空いているときには、他のビームが装着エリアを取得したか否かを判断し、他のビームが装着エリアを取得していないときには、他のビームが装着エリアを取得するまで他のビームが装着エリアを取得したか否かの判断を繰り返し、前記他のビームによる装着エリアの取得が行われて装着エリアが空いたときに、自ビームにより装着エリアが取得されるように制御する制御装置とから成ることを特徴とする電子部品装着装置。
  3. 駆動源により一方向に移動可能な一対のビームにこれに沿った方向に駆動源により夫々移動可能な装着ヘッドを設け、該装着ヘッドに電子部品を吸着して装着エリアにてプリント基板上に装着する吸着ノズルが設けられ、装着エリアがいずれかのビームにより取得されていないときには、部品を装着可能な装着ヘッドが設けられたビームが装着エリアを取得する電子部品装着装置において、いずれかのビームによる装着エリアの取得を優先するための調停制御データを記憶する第1の記憶装置と、リカバリ動作発生の履歴を記憶する第2の記憶装置と、前記第2の記憶装置に前記履歴が記憶されていない場合には、前記第1の記憶装置に記憶された調停制御データに基づいていずれかのビームに設けられた装着ヘッドによる装着エリア取得を優先させるように制御する制御装置とから成ることを特徴とする電子部品装着装置。
  4. 駆動源により一方向に移動可能な一対のビームにこれに沿った方向に駆動源により夫々移動可能な装着ヘッドを設け、該装着ヘッドに電子部品を吸着して装着エリアにてプリント基板上に装着する吸着ノズルが設けられ、装着エリアがいずれかのビームにより取得されていないときには、部品を装着可能な装着ヘッドが設けられたビームが装着エリアを取得する電子部品装着装置において、いずれかのビームによる装着エリアの取得を優先するための調停制御データを記憶する第1の記憶装置と、リカバリ動作発生の履歴を記憶する第2の記憶装置と、各ビームの装着エリア占有の前に第1の記憶装置に前記調停制御データが設定されていて前記第2の記憶装置に前記履歴が記憶されているか否かを判断し記憶されていない場合にはいずれかのビームに設けられた装着ヘッドによる装着エリア取得を優先させるように制御する制御装置とから成ることを特徴とする電子部品装着装置。
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