JP3895328B2 - 難燃性ポリエステル系繊維およびそれを用いた人工毛髪 - Google Patents

難燃性ポリエステル系繊維およびそれを用いた人工毛髪 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル、ポリアリレート系ポリマーアロイ、リン系難燃剤およびホスファイト系化合物を溶融混練して得られる組成物から形成された難燃性ポリエステル系繊維およびそれを用いた人工毛髪に関する。
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステルからなる繊維は、高融点、高弾性率で優れた耐熱性、耐薬品性を有していることから、カーテン、敷物、衣料、毛布、シーツ地、テーブルクロス、椅子張り地、壁装材、人工毛髪、自動車内装資材、屋外用補強材、安全ネットなどに広く使用されている。
かつら、ヘアーウィッグ、付け毛、ヘアーバンド、ドールヘアーなどの頭髪製品においては、従来、人毛や人工毛髪(モダクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維)などが使用されてきている。
しかし、人毛の提供は困難になってきており、人工毛髪の重要性が高まってきている。
人工毛髪素材として、難燃性の特徴を生かしてモダクリル繊維が多く使用されてきているが、耐熱性の点では不充分である。
近年、耐熱性に優れたポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルを主成分とする繊維を用いた人工毛髪が提案されるようになってきている。
しかしながら、ポリエチレンテレフタレートを代表とするポリエステルからの繊維は、可燃性素材であるため、耐燃性が不充分である。
従来、ポリエステル繊維の耐燃性を向上させようとする試みは種々なされており、たとえばリン原子を含有する難燃性モノマーを共重合させたポリエステルからの繊維にする方法や、ポリエステル繊維に難燃剤を含有させる方法などが知られている。
前者の難燃性モノマーを共重合させる方法としては、たとえば、リン原子が環員子となっていて熱安定性の良好なリン化合物を共重合させる方法(特許文献1)、また、カルボキシホスフィン酸を共重合させる方法(特許文献2)、ポリアリレートを含むポリエステルにリン化合物を配合または共重合させる方法(特許文献3)などが提案されている。
一方、後者の難燃剤を含有させる方法としては、ポリエステル繊維に、微粒子のハロゲン化シクロアルカン化合物を含有させる方法(特許文献4)、臭素原子含有アルキルシクロヘキサンを含有させる方法(特許文献5)などが提案されている。
前記難燃化技術を人工毛髪に適用したものとしては、たとえばリン化合物を共重合させたポリエステル繊維が提案されている(特許文献6、特許文献7など)。
しかしながら、人工毛髪には高い耐燃性が要求されるため、これらの共重合ポリエステル繊維を人工毛髪に使用するには、その共重合量を多くしなければならず、その結果、ポリエステルの耐熱性が大幅に低下し、溶融紡糸が困難になったり、火炎が接近した場合、着火・燃焼はしないが、溶融・ドリップするという別の問題が発生する。
一方、ポリエステル繊維に難燃剤を含有させる方法では、充分な耐燃性を得るために、含有処理温度を150℃以上の高温にすることが必要であったり、含有処理時間を長時間にする必要があったり、あるいは大量の難燃剤を使用しなければならないといった問題があり、繊維物性の低下や生産性の低下、製造コストがアップするなどの問題が発生する。
このように、従来のポリエステル繊維の難燃性、耐熱性、強伸度などの繊維物性を維持し、セット性に優れた人工毛髪は、いまだ得られていないのが実状である。
特公昭55−41610号公報 特公昭53−13479号公報 特開平11−124732号公報 特公平3−57990号公報 特公平1−24913号公報 特開平3−27105号公報 特開平5−339805号公報
本発明は、前述のごとき従来の問題を解決した、通常のポリエステル繊維の耐熱性、強伸度など繊維物性を維持し、難燃性、セット性に優れ、さらに、繊維の艶がコントロールされた難燃性ポリエステル系繊維およびそれを用いた人工毛髪を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリエステル、ポリアリレート系ポリマーアロイ、リン系難燃剤およびホスファイト系化合物を溶融混練して得られる組成物を溶融紡糸することにより、通常のポリエステル繊維の耐熱性、強伸度など繊維物性を維持し、難燃性、セット性に優れた難燃性ポリエステル系繊維が得られることを見出し、さらに、有機微粒子および/または無機微粒子を前記組成物に混合することにより、繊維物性の低下を招くことなく、繊維の艶をコントロールすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)ポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上からなるポリエステル、(B)ポリアルキレンテレフタレートとポリアリレートからなるポリマーアロイ、(C)リン系難燃剤、および(D)ホスファイト系化合物からなる難燃性ポリエステル系繊維に関する。
前記(B)ポリマーアロイが、ポリアルキレンテレフタレートとポリアリレートを、エステル交換反応させることによりポリマーアロイ化したものであることが好ましい。
(A)成分と(B)成分の重量比が、(A)/(B)=90/10〜50/50であり、(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対して、(C)成分がリン原子量換算で0.05〜10重量部、(D)成分が0.05〜5重量部であることが好ましい。
(A)成分が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種のポリマーであることが好ましい。
(B)成分が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレート、テレフタル酸および/またはテレフタル酸誘導体とイソフタル酸および/またはイソフタル酸誘導体との混合物と、一般式(1):
Figure 0003895328
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、カルボニル基、スルホニル基、1,3−フェニレンジイソプロピリデン基、または1,4−フェニレンジイソプロピリデン基を示す)
で表わされるビスフェノール化合物とから得られるポリアリレートからなるポリマーアロイであることが好ましい。
(C)成分が、ホスフェート系化合物、ホスホネート系化合物、ホスフィネート系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物および縮合リン酸エステル化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
(C)成分が、一般式(2):
Figure 0003895328
(式中、R2は1価の芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、R3は2価の芳香族炭化水素基であり、2個以上含まれる場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい、nは0〜15を示す)
で表わされる縮合リン酸エステル化合物であることが好ましい。
(C)成分が、(A)成分と共重合可能な反応型リン系難燃剤であることが好ましい。
反応型リン系難燃剤が、一般式(3)〜(8):
Figure 0003895328
(式中、R4は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R5は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、mは1〜11の整数を示す)、
Figure 0003895328
(式中、R6は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)、
Figure 0003895328
(式中、R7は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R8は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、lは1〜12の整数を示す)、
Figure 0003895328
(式中、R9は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R10は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、pは1〜11の整数を示す)、
Figure 0003895328
(式中、R11は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、Yは水素原子、メチル基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、r、sはそれぞれ1〜20の整数を示す)、および
Figure 0003895328
(式中、R12は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R13は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、tは1〜20の整数を示す)
で表されるリン含有化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
(D)成分が、トリアルキルホスファイト類、トリアリルホスファイト類、アルキルアリルホスファイト類および一般式(9)〜(12):
Figure 0003895328
(式中、R14は炭素数4〜20の直鎖または分岐を有する炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)、
Figure 0003895328
(式中、R15は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)、
Figure 0003895328
(式中、R16は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、R17は炭素数4〜20の炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である)、および
Figure 0003895328
(式中、R18は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、R19は炭素数4〜20の炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、カルボニル基、スルホニル基、1,3−フェニレンジイソプロピリデン基、または1,4−フェニレンジイソプロピリデン基を示す)
で表わされるホスファイト系化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
(A)〜(D)成分からなる組成物に、さらに有機微粒子(E)および/または無機微粒子(F)が混合されていることが好ましい。
(E)成分が、ポリアリレート、ポリアミド、フッ素樹脂、シリコン樹脂、架橋アクリル樹脂、および架橋ポリスチレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
(F)成分が、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト、およびマイカよりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
前記難燃性ポリエステル系繊維が、非捲縮生糸状であることが好ましい。
前記難燃性ポリエステル系繊維が、原着されていることが好ましい。
前記難燃性ポリエステル系繊維が、人工毛髪用糸であることが好ましい。
難燃性ポリエステル系繊維からなる人工毛髪に関する。
本発明によると、通常のポリエステル繊維の耐熱性、強伸度など繊維物性を維持し、難燃性、セット性に優れ、繊維の艶がコントロールされたポリエステル系繊維およびそれを用いた人工毛髪が得られる。
本発明の難燃性ポリエステル系繊維は、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上からなるポリエステル(A)、ポリエチレンテレフタレートとポリアリレートからなるポリマーアロイ(B)、リン系難燃剤(C)およびホスファイト系化合物(D)を溶融混練して得られる組成物であり、好ましくはこれら成分からなる組成物に有機微粒子(E)および/または無機微粒子をさらに添加して混合した組成物を、溶融紡糸した繊維である。
本発明において、ポリエステル(A)は、繊維形成のベースポリマーとして使用される成分であり、ポリアルキレンテレフタレートとポリアリレートからなるポリマーアロイ(B)は、耐ドリップ性向上のために使用される成分であり、リン系難燃剤(C)は、難燃性付与のために使用される成分であり、ホスファイト系化合物(D)は、(A)成分と(B)成分のエステル交換を抑制するために使用される成分であり、有機微粒子(E)および無機微粒子(F)は、溶融紡糸して得られる繊維の表面に微細な突起を形成する成分である。
本発明に用いられるポリエステル(A)は、ポリアルキレンテレフタレート、およびポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上からなる。
ポリアルキレンテレフタレートとしては、耐熱性、機械的特性、入手の容易性、コストの点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
ポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルとしては、上記ポリアルキレンテレフタレートを主体とし、少量の共重合成分を含有する共重合ポリエステルがあげられる。
ここで、主体とするとは、ポリエステル(A)中に80モル%以上含有することをいう。
前記共重合成分としては、たとえばイソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スぺリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの多価カルボン酸、それらの誘導体、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルなどのスルホン酸塩を含むジカルボン酸、その誘導体、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどがあげられる。
共重合ポリエステルは、通常、主体となるテレフタル酸および/またはその誘導体(たとえばテレフタル酸メチル)と、アルキレングリコールとの重合体に少量の共重合成分を含有させて反応させる製造方法が、安定性、操作の簡便性の点から好ましい。また、主体となるテレフタル酸および/またはその誘導体(たとえばテレフタル酸メチル)と、アルキレングリコールとの混合物に、さらに少量の共重合成分であるモノマーまたはオリゴマー成分を含有させたものを重合させてもよい。
共重合ポリエステルは、主体となるポリアルキレンテレフタレートの主鎖および/または側鎖に共重合成分が重縮合していればよく、共重合の仕方などには特別な限定はない。
ポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルの具体例としては、たとえばポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルを共重合したポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルを共重合したポリエステルなどがあげられる。これらの中でも、耐熱性、製造の容易性の点から、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルを共重合したポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステルが好ましい。
前記ポリアルキレンテレフタレートおよび共重合ポリエステルは、単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
(A)成分の固有粘度としては、0.5〜1.4が好ましく、0.6〜1.2がより好ましい。固有粘度が0.5未満の場合、得られる繊維の機械的強度が低下する傾向であり、1.4をこえると、分子量の増大に伴い溶融粘度が高くなり、溶融紡糸が困難になったり、繊度が不均一になる傾向である。
本発明で用いられるポリアルキレンテレフタレートとポリアリレートからなるポリマーアロイ(B)は、前述のごとく、耐ドリップ性向上のために使用される成分であり、溶融粘度が高い樹脂である。
(B)成分は、ポリアルキレンテレフタレートと、芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジオール成分とからなる全芳香族ポリエステルであるポリアリレートを、エステル交換反応させることにより、ポリマーアロイ化したものであり、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて調製したものを使用すればよい。また、(B)成分は、水酸基を末端に持つポリアルキレンテレフタレートと水酸基を末端に持つポリアリレートを、テレフタル酸および/またはその誘導体(たとえばテレフタル酸ジクロライド)、2個のイソシアネート基を有する化合物(たとえばトリレンジイソシアネート)などを用い反応させて製造することもできる。
(B)成分の製造に用いられるポリアルキレンテレフタレートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートがあげられる。
ポリアリレートとしては、たとえばテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルなどのスルホン酸塩などの芳香族ジカルボン酸誘導体などの芳香族ジカルボン酸成分と、たとえば一般式(1):
Figure 0003895328
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、カルボニル基、スルホニル基、1,3−フェニレンジイソプロピリデン基または1,4−フェニレンジイソプロピリデン基を示す)
で表わされる2価フェノール類、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシルビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテルなどの芳香族ジオール成分とから得られるポリアリレートがあげられる。ただし、これらに限られるものではない。
これらの中でも、入手の容易性、コスト、ポリアルキレンテレフタレートとのポリマーアロイ調整の容易性の点から、テレフタル酸および/またはテレフタル酸誘導体とイソフタル酸および/またはイソフタル酸誘導体との混合物と上記一般式(1)で示される2価フェノール類からなるポリアリレートが好ましい。
(B)成分を構成するポリアルキレンテレフタレートとポリアリレートの比率は、5/95〜50/50が好ましく、10/90〜40/60がより好ましい。ポリアルキレンテレフタレートの割合が前記範囲より多くなると、得られるポリマーアロイ成分の耐熱性が低下したり、ポリアリレート成分の特性が発現され難くなる傾向にあり、一方、少なくなると、(A)成分との相溶性が悪くなるため、(A)成分中に相溶または半相溶あるいは微分散することが難しくなる傾向にある。
(B)成分の固有粘度としては、0.5〜1.4、さらに0.6〜1.2であるのが好ましい。固有粘度が0.5未満の場合、得られる繊維の機械的性質が低下する傾向があり、1.4をこえると、分子量の増大に伴い溶融粘度が高くなり、溶融紡糸が困難になったり、繊度が不均一になる傾向がある。
本発明に用いられるリン系難燃剤(C)にはとくに限定はなく、一般に用いられているリン系難燃剤であれば使用することができる。ここでリン系難燃剤(C)は、非共重合型のリン系難燃剤を他の成分と混合して用いてもよいし、反応型のリン系難燃剤を(A)成分と共重合させて使用しても良い。
非共重合型の(C)成分としては、ホスフェート系化合物、ホスホネート系化合物、ホスフィネート系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物、たとえば一般式(2):
Figure 0003895328
(式中、R2は1価の芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、R3は2価の芳香族炭化水素基であり、2個以上含まれる場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい、nは0〜15を示す)
で表わされる縮合リン酸エステル系化合物があげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、耐熱性、耐加水分解性、繊維物性への影響が少ない点から、一般式(2)で表わされる縮合リン酸エステル系化合物が好ましい。
非共重合型のリン系難燃剤(C)の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリネフチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチルなどのほか、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェート、式:
Figure 0003895328
Figure 0003895328
があげられる。
また、反応型のリン系難燃剤(C)は、難燃剤共重合による繊維物性の低下を制御しつつ、高い難燃性が得られる点から好ましい。
反応型の(C)成分としては、(A)成分と共重合可能な反応型リン系難燃剤を使用することができ、特に限定されないが、一般式(3)〜(8):
Figure 0003895328
(式中、R4は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R5は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、mは1〜11の整数を示す)、
Figure 0003895328
(式中、R6は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)、
Figure 0003895328
(式中、R7は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R8は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、lは1〜12の整数を示す)、
Figure 0003895328
(式中、R9は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R10は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、pは1〜11の整数を示す)、
Figure 0003895328
(式中、R11は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、Yは水素原子、メチル基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、r、sはそれぞれ1〜20の整数を示す)、および
Figure 0003895328
(式中、R12は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R13は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、tは1〜20の整数を示す)
で表されるリン系化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが、共重合性、耐熱性、難燃性の点で好ましい。
これらの中でも、繊維物性、難燃性の点で、一般式(4)および(8)で表される反応型リン系難燃剤が好ましい。
具体例としては、たとえば、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(4−ヒドロキシブチル)ホスフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド、トリス(3−ヒドロキシブチル)ホスフィンオキシド、3−(ヒドロキシフェニルホスフィノイル)プロピオン酸、式:
Figure 0003895328
などがあげられる。
反応型リン系難燃剤を共重合させる熱可塑性共重合ポリエステルの製造は、公知の方法を用いることができ、ジカルボン酸およびその誘導体とジオール成分およびその誘導体と反応型リン系難燃剤を混合し重縮合する方法や熱可塑性ポリエステルをエチレングリコールなどのジオール成分を用いて解重合し、解重合時に反応型リン系難燃剤を混在させ、再度、重縮合させて共重合体を得る方法などが好ましい。
本発明で用いるホスファイト系化合物(D)は、上述したように、(A)成分と(B)成分のエステル交換反応を抑制するためのものであり、トリアルキルホスファイト類、トリアリルホスファイト類、アルキルアリルホスファイト類および一般式(9)〜(12):
Figure 0003895328
(式中、R14は炭素数4〜20の直鎖または分岐を有する炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)、
Figure 0003895328
(式中、R15は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)、
Figure 0003895328
(式中、R16は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、R17は炭素数4〜20の炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である)、
Figure 0003895328
(式中、R18は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、R19は炭素数4〜20の炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、カルボニル基、スルホニル基、1,3−フェニレンジイソプロピリデン基または1,4−フェニレンジイソプロピリデン基を示す)
で表わされるホスファイト系抗酸化剤などのホスファイト系化合物などがあげられる。
これらの中でも、エステル交換抑制効果の点から、一般式(9)および(10)で表されるホスファイト系化合物が好ましい。
(D)成分である前記トリアルキルホスファイト類、トリアリルホスファイト類、アルキルアリルホスファイト類および一般式(9)〜(12)で表わされるホスファイト系抗酸化剤などのホスファイト系化合物の具体例としては、たとえば、トリオクチルホスファイト、トリデカニルホスファイトなどのトリアルキルホスファイト類、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ(t−ブチル)フェニル)ホスファイト、トリアリルホスファイト類、ジデカニルフェニルホスファイト、デカニルジフェニルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイトなどのアルキルアリルホスファイト類、式:
Figure 0003895328
Figure 0003895328
などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分のポリエステルと(B)成分のポリマーアロイとの使用割合は、重量比で(A)/(B)=90/10〜50/50であることが好ましく、88/12〜55/45がより好ましい。(A)成分の割合が前記範囲より多くなると、耐ドリップ性改善効果が発現されなくなり、一方、少なくなると、機械的性質や熱的性質が低下したり、溶融粘度が高くなりすぎ、溶融紡糸が困難になったりしやすくなる。
(C)成分のリン系難燃剤(C)は、(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対して、リン原子量換算で0.05〜10重量部が好ましく、0.1〜8重量部添加するのがより好ましい。(C)成分の添加量が0.05重量部未満の場合、難燃効果が得られにくくなり、10重量部より多いと、機械的特性が損なわれやすくなる。
また、リン系難燃剤(C)が反応型リン系難燃剤である場合は、(A)成分に対して、リン原子量換算で0.01〜8重量%の範囲であることが好ましく、0.05〜5重量%がより好ましく、0.1〜3重量%がさらに好ましい。使用量が0.01重量%より少ないと難燃効果が得られ難くなる傾向にあり、8重量%より多いと機械的特性が損なわれる傾向がある。
(D)成分のホスファイト系抗酸化剤(D)は、(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対して、0.05〜5重量部であることが好ましく、0.1〜3重量部添加するのがより好ましい。(D)成分の添加量が0.05重量部未満の場合、エステル交換反応を抑制できにくくなるため、機械的性質の低下や艶消効果が得られにくくなり、5重量部をこえると、耐熱性や繊維の機械的性質が低下したり、溶融粘度の低下により溶融紡糸加工時に糸切れを起こしやすくなり、工程が不安定になる。
本発明に使用する難燃性ポリエステル系組成物は、たとえば、(A)、(B)、(C)および(D)成分をドライブレンドしたのち、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練することにより製造することができる。
前記混練機の例としては、たとえば一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどがあげられる。これらの中でも、混練度の調整、操作の簡便性の点から、二軸押出機が好ましい。
(A)、(B)、(C)および(D)成分を溶融混練した場合、(D)成分のホスファイト系化合物のエステル交換反応抑制効果により、(A)成分と(B)成分とのエステル交換反応が抑制され、溶融混練される。
本発明の難燃性ポリエステル系繊維には、上述したような(A)〜(D)成分からなる組成物に、さらに、有機微粒子(E)および/または無機微粒子(F)を混合して、繊維表面に微細な突起を形成し、繊維表面の光沢、艶を調整することができる。
(E)成分としては、主成分である(A)成分および/または(B)成分と相溶しないか、部分的に相溶しない構造を有する有機樹脂成分であれば使用することができ、たとえば、ポリアリレート、ポリアミド、フッ素樹脂、シリコン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレンなどがあげられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(F)成分としては、繊維の透明性、発色性への影響から、(A)および/または(B)成分の屈折率に近い屈折率を有するものが好ましく、たとえば、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト、マイカなどがあげられる。これらの中でも、繊維の透明性低下への影響が小さく、艶消し効果、コストの点から、酸化ケイ素、酸化チタン、タルクが好ましい。
上記(E)成分および(F)成分は、それぞれどちらかを単独で使用しても良いし、併用しても良い。(E)成分および(F)成分の添加量は、(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対して、合計で0.05〜5重量部であることが好ましく、0.1〜4重量部の範囲であることがより好ましい。(E)成分および(F)成分の添加量が0.05重量部未満の場合、十分な艶消し効果が得られにくくなり、5重量部より多いと、艶が消えすぎたり、機械的特性が損なわれやすくなる。ここで(E)成分および(F)成分は、(A)〜(D)成分を溶融混練して得られた組成物に添加し混合させて、その後溶融紡糸するのが好ましいが、場合によっては、溶融混練前の(A)〜(D)成分に混合させて一緒に溶融混練しても構わない。
本発明の難燃性ポリエステル系繊維は、前記ポリエステル系組成物を通常の溶融紡糸法で溶融紡糸することにより製造することができる。
すなわち、たとえば、押出機、ギアポンプ、口金などの温度を270〜310℃とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒を通過させたのち、ガラス転移点以下に冷却し、50〜5000m/分の速度で引き取ることにより紡出糸が得られる。また、紡出糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行なうことも可能である。加熱筒の温度や長さ、冷却風の温度や吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間、引取速度は、吐出量および口金の孔数によって適宜調整することができる。
得られた未延伸糸は熱延伸されるが、延伸は未延伸糸を一旦巻き取ってから延伸する2工程法、および巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。熱延伸は、1段延伸法または2段以上の多段延伸法で行なわれる。熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
本発明の難燃性ポリエステル系繊維には、必要に応じて、(C)成分以外の難燃剤、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。顔料を含有させることにより、原着繊維を得ることができる。
このようにして得られる本発明の難燃性ポリエステル系繊維は、非捲縮生糸状の繊維であり、その繊度が、通常、30〜70dtex、さらには35〜65dtex、強度が1.0〜4.0cN/dtex、さらには1.2〜3.0cN/dtex、伸度が25〜60%、さらには30〜50%、限界酸素指数が25〜30であることが、人工毛髪用として適しているため好ましい。また、人工毛髪用繊維としては、160〜180℃で美容熱器具(ヘアーアイロン)が使用できる耐熱性を有しており、着火しにくく、自己消火性を有していることが好ましい。さらに、人工毛髪用繊維としては、光沢は、目視で太陽光のもと人毛に等しいレベルに光沢が調整されていることが好ましい。
本発明の難燃性ポリエステル系繊維が原着されている場合、そのまま使用することができるが、原着されていない場合、通常の難燃性ポリエステル系繊維と同様の条件で染色することができる。
染色に使用される顔料、染料、助剤などとしては、耐候性および難燃性のよいものが好ましい。
本発明の難燃性ポリエステル系繊維は、美容熱器具(ヘアーアイロン)を用いたカールセット性に優れ、カールの保持性にも優れる。また、繊維表面の凹凸により、適度に艶消されており、人工毛髪として使用することができる。さらに、繊維表面処理剤、柔軟剤などの油剤を使用し、触感、風合を付与して、より人毛に近づけることができる。
また、本発明の難燃性ポリエステル系繊維を人工毛髪として使用する場合には、モダアクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ナイロン繊維など、他の人工毛髪素材と併用してもよいし、人毛と併用してもよい。
つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、特性値の測定法は、以下のとおりである。
(強度および伸度)
インテスコ社製、INTESCO Model 201型を用いて、フィラメントの引張強伸度を測定する。長さ40mmのフィラメント1本をとり、フィラメントの両端10mmを、接着剤を糊付けした両面テープを貼り付けた台紙(薄紙)で挟み、一晩風乾させて、長さ20mmの試料を作製する。試験機に試料を装着し、温度24℃、湿度80%以下、荷重1/30gf×繊度(デニール)、引張速度20mm/分で試験を行ない、強伸度を測定する。同じ条件で試験を10回繰り返し、平均値をフィラメントの強伸度とする。
(熱収縮性)
セイコー電子工業(株)製、SSC5200H熱分析TMA/SS150Cを用いて、フィラメントの熱収縮率を測定する。長さ10mmのフィラメント10本をとり、5.55mg/dtexの荷重をかけ、昇温速度3℃/分で30〜280℃の範囲での熱収縮率を測定する。
(限界酸素指数)
16cm/0.25gのフィラメントを秤量し、端を軽く両面テープでまとめ、懸撚器で挟み撚りをかける。充分に撚りがかかったら、試料の真中を二つに折り、2本を撚り合わせる。端をセロテープ(登録商標)で止め、全長7cmになるようにする。105℃で60分間前乾燥を行ない、さらにデシケーターで30分以上乾燥させる。乾燥したサンプルを、所定の酸素濃度に調整し、40秒後8〜12mmに絞った点火器で上部より着火し、着火後点火器を離し、5cm以上燃えるか、3分以上燃え続けるかした酸素濃度を調べ、同じ条件で試験を3回繰り返し、限界酸素指数とする。
(ドリップ性)
繊度約50dtexのフィラメント100本を束ねて、一方の端をクランプで挟んでスタンドに固定して垂直に垂らす。固定したフィラメントに20mmの炎を接近させ、長さ100mmを燃焼させ、そのときのドリップ数をカウントし、ドリップ数が5以下を○、6〜10を△、11以上を×として評価する。
(光沢)
長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを太陽光のもと、目視により評価する。
◎:人毛に等しいレベルに光沢が調整されている。
○:適度に光沢が調整されている。
△:若干光沢が多すぎる、または、若干光沢が少なすぎる。
×:光沢が多すぎる、または、光沢が少なすぎる。
(コールドセット性)
160mmのフィラメントを真っ直ぐに伸ばし、両端をテープで固定して、100℃で40分間加熱する。室温まで冷却したのち、85mmにカットし、2つ折りにして両端をミシン糸で結び、4mmΦの棒に釣り下げ、荷重が6.7mg/dtexになるように錘を付け、30℃、60%RHで24時間保持する。錘を外し、5分間静置したのちに80mmにカットし、フィラメントの曲がり具合(角度)を測定する。これを低温での癖の付きやすさの指標とし、真っ直ぐ(180℃)に回復するのが最も好ましい。
(カール保持力)
蓑毛にしたフィラメントを32mmΦのパイプに捲きつけ、100〜180℃の各温度で60分間カールセットし、室温で60分間エイジングしたのちに、カールしたフィラメントの一端を固定し釣り下げ、初期のフィラメント長、7日後までのフィラメント長の経時変化を調べる。これをカールの付きやすさ、保持性の指標とし、初期長は短い方がよく、低温でカールセットが可能で、かつ、より高温でセットできるのが好ましい。
(アイロンセット性)
ヘアーアイロンによるカールセットのしやすさ、カール形状の保持性の指標である。フィラメントを180℃に加熱したヘアーアイロンにかるく挟み、3回扱き予熱する。このときのフィラメント間の融着、櫛通り、フィラメントの縮れ、糸切れを目視評価する。つぎに、予熱したフィラメントをヘアーアイロンに捲きつけ、10秒間保持し、アイロンを引き抜く。このときの抜きやすさ(ロッドアウト性)、抜いたときのカールの保持性を目視評価する。
製造例1
水分量100ppm以下に乾燥したポリエチレンテレフタレート(カネボウ合繊(株)製、ベルペットEFG−10、IV=0.60)1kgとポリアリレート(ユニチカ(株)製、U−ポリマーU−100、IV=0.60)9kgとをドライブレンドし、L/D=38のTEX44(日本製鋼所(株)製)を用いて、同方向回転で、シリンダー設定温度を240〜300℃、吐出量を10kg/hr、回転数200rpmとして溶融混練を行い、ポリマーアロイA(固有粘度0.74)を得た。
製造例2
使用するポリエチレンテレフタレートを2kg、ポリアリレートを8kgに変更した以外は、製造例1と同様にし、ポリマーアロイB(固有粘度
0.72)を得た。
製造例3
使用するポリエチレンテレフタレートを3kg、ポリアリレートを7kgに変更した以外は、製造例1と同様にし、ポリマーアロイC(固有粘度
0.64)を得た。
実施例1〜10
水分量100ppm以下に乾燥した原料樹脂、リン系難燃剤(但し、実施例10はリン系難燃剤が共重合したポリエステルを使用したのでリン系難燃剤は別途使用していない)、ホスファイト系化合物、有機微粒子、無機微粒子からなる表1に示す比率の組成物に、着色用ポリエステルペレットPESM6100 BLACK(大日精化工業(株)製、カーボンブラック含有量30%:ポリエステルとしてその含量は(A)成分に含む)2重量部を添加してドライブレンドし、二軸押出機に供給し、280℃で溶融混練し、ペレット化したのちに、水分量100ppm以下に乾燥させた。ついで、溶融紡糸機を用いて280℃でノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、口金下30mmの位置に設置した水温50℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃の温水浴中で延伸を行ない、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行ない、非捲縮生糸状の単繊維繊度が50dtex前後のポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
Figure 0003895328
*1:カネボウ合繊(株)製、ベルペットEFG−85A、IV=0.85
*2:HUVIS社製、STB−3、リン原子含有量0.7%
*3:大八化学工業(株)製、PX−200、リン原子含有量9%
*4:旭電化工業(株)製、アデカスタブPEP−36
*5:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、トレフィルE−500
*6:ユニチカ(株)製、U−ポリマーU−100、IV=0.60
*7:石原産業(株)、タイペークCR−60
*8:日本タルク(株)、ミクロンエースK−1
得られた繊維を用いて、強伸度、熱収縮率、限界酸素指数、耐ドリップ性、光沢、コールドセット性、カール保持力、アイロンセット性を評価した結果を表2に示す。
Figure 0003895328
比較例1
水分量100ppm以下に乾燥したポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)100重量部に対し、トリフェニルホスフェート10重量部、着色用ポリエステルペレットPESM6100 BLACK(大日精化工業(株)製、カーボンブラック含有量30%)2重量部を添加してドライブレンドし、ノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、口金下25cmの位置に設置した水温30℃の水浴中で冷却し、100m/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃の温水浴中で延伸を行い、4倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、100m/分の速度で巻き取り、熱処理を行い、単繊維繊度が52dtexのポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
比較例2
ポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)100重量部に対し、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)10重量部、ポリアリレート(UポリマーU−100、ユニチカ(株)製)5重量部、着色用ポリエステルペレットPESM6100 BLACK(大日精化工業(株)製、カーボンブラック含有量30%)1.5重量部を添加し、比較例1と同様にし、単繊維繊度が50dtexの熱収縮性ポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
比較例3
ポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)100重量部に対し、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)10重量部、酸化チタン1重量部、着色用ポリエステルペレットPESM6100 BLACK(大日精化工業(株)製、カーボンブラック含有量30%)1.5重量部を添加し、比較例1と同様にし、単繊維繊度が48dtexの熱収縮性ポリエステル系繊維(マルチフィラメント)を得た。
得られた繊維を用いて、強伸度、熱収縮率、限界酸素指数、耐ドリップ性、光沢、コールドセット性、カール保持力、アイロンセット性を評価した結果を表3に示す。
Figure 0003895328

Claims (17)

  1. (A)ポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上からなるポリエステル、(B)ポリアルキレンテレフタレートとポリアリレートからなるポリマーアロイ、(C)リン系難燃剤、および(D)ホスファイト系化合物からなる難燃性ポリエステル系繊維。
  2. 前記(B)ポリマーアロイが、ポリアルキレンテレフタレートとポリアリレートを、エステル交換反応させることによりポリマーアロイ化したものである請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  3. ポリエステル(A)成分とポリマーアロイ(B)成分の重量比が、(A)/(B)=90/10〜50/50であり、(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対して、リン系難燃剤(C)成分がリン原子量換算で0.05〜10重量部、ホスファイト系化合物(D)成分が0.05〜5重量部である請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  4. ポリエステル(A)成分が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種のポリマーである請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  5. ポリマーアロイ(B)成分が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレート、テレフタル酸および/またはテレフタル酸誘導体とイソフタル酸および/またはイソフタル酸誘導体との混合物と、一般式(1):
    Figure 0003895328
    (式中、R1は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、カルボニル基、スルホニル基、1,3−フェニレンジイソプロピリデン基または1,4−フェニレンジイソプロピリデン基を示す)
    で表わされるビスフェノール化合物とから得られるポリアリレートからなるポリマーアロイである請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  6. リン系難燃剤(C)成分が、ホスフェート系化合物、ホスホネート系化合物、ホスフィネート系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物、および縮合リン酸エステル化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  7. リン系難燃剤(C)成分が、一般式(2):
    Figure 0003895328
    (式中、R2は1価の芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、R3は2価の芳香族炭化水素基であり、2個以上含まれる場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい、nは0〜15を示す)
    で表わされる縮合リン酸エステル化合物である請求項5記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  8. リン系難燃剤(C)成分が、ポリエステル(A)成分と共重合可能な反応型リン系難燃剤である請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  9. 反応型リン系難燃剤が、一般式(3)〜(8):
    Figure 0003895328
    (式中、R4は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R5は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、mは1〜11の整数を示す)、
    Figure 0003895328
    (式中、R6は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)、
    Figure 0003895328
    (式中、R7は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R8は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、lは1〜12の整数を示す)、
    Figure 0003895328
    (式中、R9は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R10は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、pは1〜11の整数を示す)、
    Figure 0003895328
    (式中、R11は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、Yは水素原子、メチル基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、r、sはそれぞれ1〜20の整数を示す)、および
    Figure 0003895328
    (式中、R12は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、R13は水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、tは1〜20の整数を示す)
    で表されるリン含有化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項7記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  10. ホスファイト系化合物(D)成分が、トリアルキルホスファイト類、トリアリルホスファイト類、アルキルアリルホスファイト類および一般式(9)〜(12):
    Figure 0003895328
    (式中、R14は炭素数4〜20の直鎖または分岐を有する炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)、
    Figure 0003895328
    (式中、R15は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)、
    Figure 0003895328
    (式中、R16は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、R17は炭素数4〜20の炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である)、および
    Figure 0003895328
    (式中、R18は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい、R19は炭素数4〜20の炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、カルボニル基、スルホニル基、1,3−フェニレンジイソプロピリデン基または1,4−フェニレンジイソプロピリデン基を示す)
    で表わされるホスファイト系化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  11. 有機微粒子(E)および/または無機微粒子(F)が混合された請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  12. 有機微粒子(E)成分が、ポリアリレート、ポリアミド、フッ素樹脂、シリコン樹脂、架橋アクリル樹脂、および架橋ポリスチレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項10記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  13. 無機微粒子(F)成分が、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト、およびマイカよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項10記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  14. 前記難燃性ポリエステル系繊維が、非捲縮生糸状である請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  15. 前記難燃性ポリエステル系繊維が、原着されている請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  16. 前記難燃性ポリエステル系繊維が、人工毛髪用糸である請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  17. 請求項1記載の難燃性ポリエステル系繊維からなる人工毛髪。
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