JP3894462B2 - 消臭物質 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、悪臭物質、例えばメチルメルカプタン、トリメチルアミン、アンモニア等の消臭に有効な消臭物質に関し、さらに詳しくは、食品、飼料、サニタリー用品、嗜好品、医薬品、医薬部外品等の用途に使用できる前記消臭物質に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年、生活水準の向上に伴い、女性のみならず男性の間でも、口臭や体臭の消去に関する関心が高まり、口臭予防や体臭予防のための製品(口臭予防キャンディ、口臭予防ガムなど)、あるいは脱臭を目的とした製品(例えば靴の中敷など)等、消臭効果をうたった製品が多数上市されている。さらに、消臭に関するニーズは幅広い年齢層に広がり、市場規模は年々拡大している。また、室内、車内、冷蔵庫、トイレ、畜舎、魚水槽、工場などの環境で使用されたり、家庭の廃棄物、産業廃棄物等から発生する悪臭物質を除去するために使用される消臭剤なども多数上市されている。
【0003】
従来、不快臭の発生を予防したり、発生した不快臭を消失させる手段およびメカニズムとして、感覚的消臭(香料等の芳香性物質により、不快臭をマスキングする方法)、物理的消臭(不快臭を活性炭などに吸着、サイクロデキストリンのように包括、あるいは換気、拡散により希釈、除去する方法)、化学的消臭(中和、付加、縮合、酸化などの化学反応により消臭する方法)、生物的消臭(バクテリアを滅菌して腐敗を防止し、不快臭の発生を防止する方法)などがあり、このような消臭メカニズムに応じた消臭剤が開発されている。
【0004】
中でも、食品分野において使用される消臭物質は、飲食しても人体に安全であることが必要である。そのため、従来食用とされてきた植物を中心に、消臭物質が研究されてきた。例えば緑茶エキス(特開昭60-185558 号公報)、レッドビート、カカオ、コーヒー、パセリのエキス(特開昭60-207664 号公報)、シソエキス(特開昭60-214726 号公報)、柿エキス(特開昭61-87562号公報)、フキエキス(特開昭61-206448 号公報)、海藻(特開昭62-152463 号公報)、マンネンタケの細砕物(特開昭62-181048 号公報)、トウキ抽出液(特開平5-317397号公報)、茶葉タンニン画分(特開平2-284997号公報)、セリ科植物抽出液(特開平6-190027号公報)、ヨモギエキス(特開平7-33636 号公報)、マッシュルーム抽出液(特開平2-277456号公報、特開平5-38358 号公報)などが、消臭に有効であるとされている。
【0005】
また、上記以外にも、食品分野で使用され得る消臭物質として、ジメチルアミノスルホネート、グルコサミン(特開昭48-23946号公報)、サイクロデキストリン(特開昭55-122700 号公報)、有機酸(L-アスコルビン酸、安息香酸、グルコン酸、葉酸、ニコチン酸)およびその塩(特開昭60-136506 号公報)などが知られている。
【0006】
上記したような安全性が高いとされている消臭物質は、苦味などの味を有していたり、強い匂いがあったり、特有の色を呈するなどという問題がある。そこで、このような物質を消臭物質として有効量使用すると、適用した食品の味質、風味、色などに影響を及ぼす可能性があるため、食品への適用範囲が限定される。また、各悪臭物質に対する消臭効果の選択性が大きい、消臭効果が弱いといった問題があるものもある。あるいは、天然物由来の消臭物質は、その原料自体が高価であったり、また抽出のコストがかかるために、一般に価格が高く、これらを適用した食品、医薬品などでは価格が上昇してしまうという問題もある。さらに、食用に供する場合の安全性、保存性など品質的に問題のあるものもある。
【0007】
そこで本発明は、安価で安全性の高い、食品分野、環境分野等で広く使用できる消臭物質を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することによって得られる画分であることを特徴とする消臭物質を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において「甘蔗汁」という語は、甘蔗(さとうきび)を圧搾して得られる圧搾汁または、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、または原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、精製糖製造工場における樹脂塔再生液、あるいは、植物由来の成分抽出法において汎用の溶媒で抽出された抽出液を濃縮、乾固後、水に再溶解した抽出液を意味する。そのような抽出溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル類が挙げられ、これらを単独でも組合せて使用してもよい。さらに、アルコール類、ケトン類の場合には、水との組合せで使用してもよい。
【0010】
また、「甘蔗由来の製糖蜜」とは、甘蔗汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分を意味し、例えば原糖製造工場における一番白下、二番白下、製糖廃蜜、および精製糖製造工場における洗糖蜜、ブラウンリカー、精糖廃蜜などが挙げられる。特に製糖廃蜜および精糖廃蜜とは甘蔗汁から糖の大部分を除去して残った糖蜜部分を意味し、製糖工場で最終的に得られる、もはや経済的に糖を回収しえない部分である。
【0011】
本発明の消臭物質は、上記甘蔗汁および/または製糖蜜を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理する。上記甘蔗汁または製糖蜜をそのまま、または水で任意の濃度に調整して、固定担体を充填したカラムで処理する。なお異物除去のために、カラムで処理する前に、甘蔗汁および/または製糖蜜を濾過することが好ましい。濾過の手法は特に限定されず、食品工業で広く使用されているスクリーン濾過、ケイソウ土濾過、精密濾過、限外濾過等の手段を好ましく使用できる。
【0012】
固定担体として、合成吸着剤である無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂を用いる。合成吸着剤には、有機系樹脂、例えば、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、アクリロニトリル脂肪族系樹脂等がある。合成吸着剤には、例えばスチレン‐ジビニルベンゼン系樹脂の芳香族系樹脂等があり、芳香族系樹脂としては、例えば疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂等の多孔性樹脂がある。そのような合成吸着剤は市販されており、例えばダイアイオン(商標)系としてHP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50 (以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト (商標)系として、XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(商標)系として、SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)系として、XAD−7、XAD−8(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(商標)系として、HP1MG、HP2MG (以上、アクリル酸系メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);セファデックス(商標)系としてLH20、LH60(以上、架橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製)等が挙げられる。なかでも、SP−850が特に好ましい。
【0013】
固定担体の量は、カラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化する。原料(甘蔗汁および製糖蜜から選ばれる)の固形分に対して、0.01〜5倍湿潤体積量が好ましい。
【0014】
原料(甘蔗汁および製糖蜜から選ばれる)を上記カラムに通すことにより、原料中の消臭効果を有する成分は固定担体に吸着され、糖類の大部分がそのまま流出して除去される。
【0015】
固定担体に吸着された成分は、溶媒により溶出する。ここで、消臭活性を有する成分を効率よく溶出するには、その前に残留する糖類や塩類などを水洗により十分に洗い流すことが好ましい。これにより、吸着されている目的とする消臭物質をより効率よく回収することができる。溶出溶媒は、50/50 〜 60/40 (体積/体積)エタノール‐水混合溶媒である。このように、消臭活性を有する成分は、前記溶媒で溶出される画分に存在するが、カラムに残留する糖がまず溶出(もしくは流出)するので、好ましくは糖類(特にスクロース、グルコースおよびフルクトース)がほとんど溶出し終わった画分以降の溶出画分を回収する。溶出速度はカラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化するので特に限定されないが、SV=0.1〜10(時間-1)が好ましい。なお、SV(Space Velocity の略)は、空間速度のことで、1時間当たりの樹脂容積の何倍量を通液するかという単位である。
【0016】
本発明の消臭物質は特に、次のようにして得ることができる。すなわち、原料の固形分に対して0.01〜5倍湿潤体積量の無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度60〜97℃にて原料を通液した後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜40℃にて50/50 〜 60/40(体積/体積)エタノール‐水混合溶媒で溶出させ、エタノール‐水混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が前記樹脂の4倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。
【0017】
かくして回収された画分(消臭活性を有する)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥など)により濃縮して、本発明の消臭物質を得ることができる。このようにして得られた消臭物質は、固形分60%以上に濃縮した液状または粉末状で保存することができる。保存は、特に液状の場合、冷蔵保存が好ましい。
【0018】
本発明の消臭物質においては、糖類の含有量は、固形分量に対して好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。ここで、糖類とは、スクロース、グルコースおよびフルクトースをいい、糖類の含有量とは、これらの合計の含有量を意味する。糖類の含有量が多すぎると、糖類に起因する甘味により用途が限定されてしまう。シュガーフリーの機能性食品に応用する場合には、糖含量の点からも問題になる。さらに、消臭物質中の消臭有効成分の割合が少なくなるために固形分量に対する消臭効果が低下してしまう。糖類は通常0.1 重量%以上含まれる。固定担体で処理した消臭物質における糖類の含有量は、高速液体クロマトグラフィーで検出することができるが、薄層クロマトグラフィーでは、その糖類の濃度によっては、検出できない場合がある。
【0019】
本発明の消臭物質は、さらに精製することができる。精製は、例えば固定担体を用いたクロマトグラフィーによる精製法および/または液液分配法を使用することができる。固定担体を用いたクロマトグラフィーによる精製法としては、例えば合成吸着剤またはイオン交換樹脂を用いた吸着型、分配型、分子ふるい等のクロマト型のクロマトグラフィーが挙げられる。また液液分配法としては、例えば分液ロートを用いる方法、向流分配または液滴向流クロマトグラフィーによる方法が挙げられる。種々の精製法を任意の順序で、組合せて使用できる。それぞれの精製法を複数回繰り返し行ってもよい。好ましくは、固定担体を用いたクロマトグラフィーと液液分配法とを組合せて行う。また、イオン交換樹脂を用いた分配型のクロマトグラフィーにより精製する方法が好ましい。
【0020】
吸着型のクロマトグラフィーにおいては、例えば上記した合成吸着剤およびその溶出溶媒、またはイオン交換樹脂を使用できる。イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂がいずれも使用できる。市販されているそのようなイオン交換樹脂としては、例えばアンバーライト(商標)系陽イオン交換樹脂として、CG−4000、CG−5000、CG−6000、CG−8000(以上、官能基としてスルホン酸塩基を有する樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);IR−116、IR−118、IR−120B、IR−122、IR−124(以上、官能基としてスルホン酸塩基を有する樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);XT−1007、XT−1009、XT−1002(以上、官能基としてスルホン酸塩基を有する樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);弱塩基性陰イオン交換樹脂として、OPTIPORE−XUS 40285.00、OPTIPORE−XUS 40390.00(以上、官能基として4級アミンを有する樹脂、いずれも商品名、ダウケミカル株式会社製)が挙げられる。イオン交換樹脂を用いる際の溶出溶媒は、水が好ましく、カラム温度は50〜120℃、カラム内は常圧または加圧された状態であるのが好ましい。また合成吸着剤、イオン交換樹脂の他に、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、活性白土、逆相シリカゲル等の吸着剤を固体担体として使用できる。
【0021】
分配型のクロマトグラフィーにおいては、固定担体として例えば上記したイオン交換樹脂およびその溶出溶媒を分配型にも使用できる。また、セファデックス(商標) LH−20およびLH−60(商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製)が使用できる。移動相としては、エタノール、メタノール、水、アセトン等からなる群より選ばれる溶媒を使用する。
【0022】
分子ふるい(ゲル濾過)クロマトグラフィーにおいては、固定担体として例えば上記したセファデックス(商標) LH−20およびLH−60(商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製)が使用できる。溶出溶媒としては、エタノール、メタノール、水、アセトン等からなる群より選ばれる溶媒を使用する。
【0023】
上記クロマトグラフィーにより得られた溶出画分(消臭活性を有する)は、上記した慣用の手段により濃縮することができる。
【0024】
液液分配法においては、上記で得られた本発明の消臭物質を溶解する水と、抽出溶媒である疎水性溶媒を使用する。疎水性溶媒としては、例えばイソプロピルアルコール、ブタノール(水飽和)、イソアミルアルコール等の炭素数3〜5個のアルコール類;クロロホルム、塩化メチレン等の塩化炭素;酢酸エチル、酢酸n−プロピル等の酢酸エステル類などの有機溶媒が挙げられる。
【0025】
向流クロマトグラフィーは、固定担体を使用しない液液分配クロマトグラフィーであり、固定相となる液体(水)を相互に混合し難い多数の分配単位に分け、この中を移動相となる液体(上記した疎水性溶媒)を通過させる。移動相が通過する間に、各単位内で効率よく分配が行われ、かつ移動相の流出は可及的に少ない。この方法は、分液ロートでの液液分配を多数回行ったのと同じ効果が得られる。
【0026】
本発明の消臭物質において、固形分当たりの消臭活性が強い物質は、疎水性溶媒中に回収され、液液分配を行った後、疎水性溶媒を集めて濃縮することにより得ることができる。さらにこれよりは消臭活性は低いが消臭活性を有する物質は、水溶性溶媒中に大部分回収され、液液分配を行った後、水溶性溶媒を集めて濃縮することにより得ることができる。濃縮は、上記した慣用の手段により行うことができる。
【0027】
本発明の消臭物質は、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、アンモニア等の悪臭物質に作用して、悪臭を消失もしくは大幅に減少させることができる。
【0028】
本発明における固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーにより得られた消臭物質は、使用する物質に0.01〜2%添加すればよいことから、これまでの消臭剤に比べて、物質本来の色、匂い、味を損なうことがない。特に液々分配により回収した消臭活性を有する物質は、前記に比べてさらに着色が少なく、匂いは微弱で甘蔗由来のほのかなよい香りであり、また味もわずかで穏やかなものである。したがって、種々の物質に添加しても、その物質本来の色、匂い、味を損なうことがない。このように、本発明の消臭物質の、上記悪臭物質に対する消臭作用は、強い匂いによるマスキング効果を利用した感覚的消臭ではなく、物理的、化学的な消臭であるものと推測される。本発明における消臭物質の成分については明らかではないが、おそらく、甘蔗汁または廃糖蜜に含まれる有機酸、フラボン系化合物、フェノール系化合物、不飽和アルデヒド化合物等が多数含まれていることから、これらの化合物の悪臭物質に対する付加、中和、包接反応等に基づくものと推測される。したがって、このような消臭効果は、従来の黒糖などの強い匂いを利用した、マスキングによる消臭とはメカニズムを異にする。しかも、黒糖には、メチルメルカプタンに対する消臭効果は認められなかった。さらに、消臭効果のみを期待して黒糖を使用する場合には、非常に多量の黒糖を使用する必要があり、消臭剤として実用的でない。
【0029】
本発明の消臭物質は、原糖製造工場および精製糖製造工場における、通常の原糖製造ラインおよび精製糖製造ラインにおいて、簡単な装置にて容易に得ることができるので、安価に製造できる。したがって、従来のような天然物から消臭成分を抽出する場合に要した繁雑な原料の収集、抽出操作、および抽出後の廃液処理にかかる設備が不要であり、設備投資が非常に少なくてすむ。また、糖蜜中の不純物を除くということは、製糖上、砂糖の回収量が上がり、産業上有用である。さらには、甘蔗汁から砂糖の製造の際に出る廃棄物(廃蜜)を減らし、しかも廃棄物を再利用するという観点からも、有用である。
【0030】
本発明の消臭物質は、甘蔗由来の物質であるので、食用に適し、安全性が高い。また、加工特性、物性が良好であり、取扱いが容易である。さらに、保存性も良好である。
【0031】
本発明の消臭物質は、種々の消臭剤の主成分として使用できる。適用分野としては、例えば食品分野(例えば菓子類、清涼飲料、機能性調味料、健康食品等)、飼料分野(例えばペットフード等)、サニタリー分野(例えば歯磨粉、体臭防止剤、シャンプー、石鹸、洗剤、清掃用品、デオドラント剤、制汗剤、入浴剤、スキンローション、生理用品等)、医薬品分野(例えば腸内環境の改善による糞尿の消臭剤、病院内の環境改善のための患者への飲食物への応用等)、医薬部外品分野(例えば口臭防止剤、口中清涼剤、栄養補給剤等)、たばこのフィルター、灰皿の脱臭剤、靴の中敷などが挙げられる。
【0032】
本発明の消臭物質の消臭剤への適用は、種々の形態(例えば固体、液体、エアゾールなど)で可能である。
【0033】
本発明を以下の実施例においてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
なお以下では、特に記載しない限り%は、重量%である。また糖類とは、スクロース、グルコースおよびフルクトースを指し、これらの検出は、薄層クロマトグラフィーにより標準物質(スクロース、グルコースおよびフルクトース)と比較することによって行った。なお、薄層クロマトグラフィーの条件は、プレートTLC plates silica gel 60 F254 precoated (MERCK 製)、層開溶媒 クロロホルム:メタノール:水=65:37:9(体積比)、発色剤 1%バニリン・50%硫酸水溶液であった。
【0035】
糖類の定量は、高速液体クロマトグラフィーによる内部標準法により標準物質(スクロース、グルコースおよびフルクトース)と比較することによって行い、スクロース、グルコースおよびフルクトースの合計を定量した。なお、高速液体クロマトグラフィーの条件は、カラム ERC−NH−1171(エルマ(株)製)、流速1.0 ml/分、温度20℃、溶媒 アセトニトリル:水=80:20(体積比)、検出器RI−8010(東ソー(株)製)、内部標準物質 グリセリン(和光純薬(株))、クロマトレコーダー SC−8020(東ソー(株))であった。
【0036】
実施例1
(1) 消臭物質の分離
原糖製造工場の製糖工程にて得られた甘蔗汁(タイ国産、固形分18.8%)600 リットルを、ジュースヒーターで80℃に加温し、管型限外濾過(ダイセル化学工業(株)製、MH−25型、有効膜面積2m2 ×3本、分画分子量10万)で濾過処理した。合成吸着剤(SP−850;商品名、三菱化学(株)製)15リットルを、ウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径17.0cm、高さ100 cm)に充填し、これに前記の甘蔗汁濾過処理物を、流速30リットル/時間 (SV=2(時間-1))の速度で通液した。なお甘蔗汁通過中は、ウォータージャケットには、80℃の水を常に循環させた。次に、45リットルの蒸留水を、流速30リットル/時間でカラムに通液して洗浄した。次いで、55%エタノール水溶液(エタノール/水=55/45 (体積/体積))45リットルを、流速30リットル/時間(SV=2(時間-1))にてカラムに通液して、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。なお溶出溶媒通過中は、ウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。カラムから溶出した画分を、濃縮機にて約20倍濃度に減圧濃縮した後、1晩凍結乾燥して、茶褐色の粉末(I) 655 gを得た。
【0037】
粉末(I) の糖類を定量したところ、3.7 %であった。
(2) 消臭物質の精製A(液液分配による消臭物質の精製)
上記(1) で得た粉末(I) 40gに蒸留水100 mlを加えて溶解し、2N水酸化ナトリウムによりpH7.0に調整した。これに、酢酸エチル100 mlを加え、分液ロートを用いて、激しく振とうした後、30分間静置し、上層(酢酸エチル層)を取り出した。さらに下層(水層)に酢酸エチル100 mlを加えて抽出を繰り返した。この抽出操作をさらに3回繰り返した。得られた酢酸エチル層を集めて、濃縮機にて減圧濃縮した後、1晩凍結乾燥して、黄橙色の粉末(II)2.2 gを得た。
【0038】
粉末(II)の糖類を定量したところ、0.4 %であった。
(3) 消臭物質の精製B(イオン交換樹脂での分配型カラムクロマトグラフィーによる消臭物質の精製)
上記(1) で得た粉末(I) 75gに蒸留水175 mlを加えて、固形分濃度約30%の溶液を調製した。次に、アンバーライトCG−6000(Na型)((株)オルガノ製)5リットルを、カラム(カラムサイズ:内径4.5cm、高さ315cm、ウォータージャケット付)に充填し、これに前記の溶液を通液した。ウォータージャケットには常に、80℃の水を循環させておいた。移動相溶媒として蒸留水を使用し、流速は2.5リットル/時間(SV=0.5(時間-1))に設定した。カラム流出液は100mlずつ分取した。カラムから溶出した画分について、糖の検出を行い、スクロース、グルコースおよびフルクトースの溶出より前の画分(a)および後の画分(b)を回収した。溶出パターンを図1に示す。集めた画分(a)、(b)について、それぞれ濃縮機にて減圧濃縮した後、1晩凍結乾燥して、前の画分(a)からは茶色の粉末(III-1) 18.8gおよび、後の画分(b)からは黄色の粉末(III-2) 6.1gを得た。
【0039】
糖類を定量したところ、粉末(III-1) では0.1%、粉末(III-2) では0.3%であった。
【0040】
なお、図1において消臭率は次のようにして求めたものである。
【0041】
悪臭溶液として、メチルメルカプタン0.05%ベンゼン溶液を準備した。また試料溶液として、各フラクションを凍結乾燥して得られた粉末の3%水溶液を2N水酸化ナトリウムを加えてpH7.0に調整したものをそれぞれ準備した。1.5ml容のバイアルビンに、上記悪臭溶液を各々0.1mlに対して試料溶液1mlを入れ密封した。対照には、試料溶液の代わりに同量の蒸留水を入れ密封した。20秒間タッチミキサーで撹拌した後、300ml容の三角フラスコに全量を移して、パラフィルムで堅く密閉した。これを30℃で1時間インキュベートして飽和状態にした後、ヘッドスペースのガス濃度を悪臭測定検出用ガス検知管(メチルメルカプタン用:No.71 、(株)ガステック製)を用いて測定した。悪臭除去率、すなわち消臭率は、対照(蒸留水)のガス濃度を基準とし、それに対して除去されたガス濃度の割合(百分率)として求めた。
【0042】
実施例2
原糖製造工場の製糖工程にて得られた、甘蔗汁を石灰処理後の清浄汁(タイ国産、固形分18.7%)1950リットルを、ジュースヒーターで80℃に加温し、カートリッジフィルター(アドバンテック(株)製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−100−CSD型)3本で濾過処理した。合成吸着剤(SP−850;商品名、三菱化学(株)製)45リットルを、ウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径26.0cm、高さ120cm)に充填し、これに前記の清浄汁濾過処理物を、流速90リットル/時間(SV=2.0(時間-1))の速度で通液した。なお清浄汁通過中はウォータージャケットには、65℃の水を常に循環させた。次に、135リットルのイオン交換水を、流速90リットル/時間(SV=2.0(時間-1))でカラムに通液して洗浄した。イオン交換水で洗浄後カラムから溶出した画分について糖の検出を行ったところ、ハンドレフ ブリックス(Bx)計(アタゴ(株)製、N−1E型)において、Bxが約0になっているのを確認した。その後、溶出溶媒として55%エタノール水溶液(エタノール/水=55/45 (体積/体積))を、流速90リットル/時間(SV=2.0(時間-1))にてカラムに通液して、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。なお溶出溶媒通過中はウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。カラム溶出液は、15リットルずつ分取した。溶出パターンを図2に示す(▲1▼:甘蔗汁通液開始時点、▲2▼:イオン交換水での洗浄開始時点、および▲3▼:55%エタノール水溶液での溶出開始時点)。55%エタノール水溶液でカラムから溶出した画分(図2においてcの部分)を、濃縮機にて減圧濃縮した後、1晩凍結乾燥して、茶色の粉末(IV)670gを得た。
【0043】
粉末(IV)の糖類を定量したところ、0.8%であった。
【0044】
試験例1
実施例1で得られた粉末(I) および(II)を使用して、魚臭の消臭効果を試験した。鰹のあら500 gを水1000mlで15分間煮沸した後、冷却し、東洋濾紙No.2にて濾過した濾液を、魚臭溶液として用いた。上記粉末の10%水溶液1mlおよび上記魚臭溶液9mlを、50ml容のバイアルビンに加えて密閉し、1時間後における匂いを調べた。対照には、上記粉末の溶液の代わりに同体積の蒸留水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表1に示したように、5段階で評価した。結果を表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
表2から、本発明の消臭物質を添加した魚臭溶液では、魚臭が除かれていることが分かる。
【0047】
試験例2
実施例1で得られた粉末(I) 、(II)、(III-1) 、(III-2) および実施例2で得られた粉末(IV)を用いて、メチルメルカプタンの消臭試験を行った。0.1ppmメチルメルカプタン1mlを30mlのバイアルビンに入れ、これに上記の粉末の3%水溶液(2N水酸化ナトリウムを加えてpH7.0に調整したもの)1mlを加え、密閉してからよく撹拌した。これを25℃で15分間インキュベートした後、開封して匂いの官能検査を行った。対照には、試料溶液の代わりに同体積の蒸留水を入れたものを用いた。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、上記表1に示したように、5段階で評価した。結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
試験例3
悪臭溶液として、メチルメルカプタン0.05 %ベンゼン溶液、トリメチルアミン0.1 %水溶液およびアンモニア0.5 %水溶液をそれぞれ準備した。また試料溶液として、実施例1で得られた粉末(I) および(II)の3%水溶液を2N水酸化ナトリウムを加えてpH7.0に調整したものを、それぞれ準備した。
【0049】
1.5 ml容のバイアルビンに、上記悪臭溶液を各々0.1 mlに対して試料溶液1mlを入れ密封した。対照には、試料溶液の代わりに同量の蒸留水を入れ密封した。20秒間タッチミキサーで撹拌した後、300 ml容の三角フラスコに全量を移して、パラフィルムで堅く密閉した。これを30℃で1時間インキュベートして飽和状態にした後、ヘッドスペースのガス濃度をそれぞれの悪臭測定検出用ガス検知管(メチルメルカプタン用:No.71 、アミン類用:No.180、アンモニア用:NoLa 、(株)ガステック製)を用いて測定した。悪臭物質除去率は、対照(蒸留水)のガス濃度を基準とし、それに対して除去されたガス濃度の割合(百分率)として求めた。
【0050】
【表4】
【0051】
上記表4から、本発明の消臭物質は、魚臭の1つの原因物質であるトリメチルアミン、便臭、尿臭の1つの原因物質であるアンモニア臭に対して優れた悪臭物質除去効果を示すことがわかる。さらに、黒糖では消臭できない、硫黄系化合物であるメチルメルカプタンに対しても、優れた悪臭物質除去率を示した。
【0052】
試験例4
実施例1の(2) で得られた粉末(II)を用いて、表5に示す配合で、キャンディを製造した。対照品には、粉末(II)の代わりに同量の蒸留水を使用した。
【0053】
【表5】
まず、還元パラチノース(商品名:パラチニット、三井製糖(株))を蒸留水に溶解し、温度180 ℃まで加熱して濃縮した後、120 ℃まで冷却し、酸味料(クエン酸、扶桑化学工業(株)製)、着色料(イエローカラー TH−S(ベニバナ色素)、長谷川香料(株)製)および粉末(II)を加え、よく練り合わせた。これを、キャンディ1個当たり3gになるように型にはめて成形した。
【0054】
消臭効果は次のようにして調べた。被検者が、タバコ(セブンスター)1本をフィルター根元2cmまで喫煙し、次いで上記のキャンディを3分間なめ、次の1分間で噛み砕いて飲み込んだ後、その口臭について官能検査した。官能検査は、15名のパネラーが、被検者3名および対照者(対照品のキャンディをなめた)の口臭をかぐことにより行った。評価は、次の表6に示す5段階の評価基準にしたがって行った。結果を表7に示す。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
表7から、本発明の消臭物質を添加したキャンディをなめると、タバコ臭が取り除かれることがわかる。
【0057】
試験例5
実施例1の(1) で得られた粉末(I) を用いて、表8に示す配合で、ドッグフードを製造した。対照品には、粉末(I) の代わりに同量の蒸留水を使用した。
【0058】
【表8】
ドッグフードの製造は常法により行った。なお、調味料は、「調味ベース」K−120液(かつおタイプ)、味の素(株)製)、増粘剤はペットフード用カラギーナン(バイオカー)(日本バイオコン(株)製)、安定剤はキミツアルギン(君津化学工業(株)社製)を使用した。
【0059】
消臭効果は次のようにして調べた。3頭の成犬に、1日2食各200gのドッグフードを与えた。まず対照品を1週間与え、次に試験品を1週間与え、さらに対照品を1週間与えて、1日目、8日目、11日目、15日目、18日目および22日目に採取した排便の臭いを官能検査した。
【0060】
官能検査は、次のようにして行った。上記の犬の排便10gを無臭袋に取り、37℃で30分間インキュベートした後、鼻の効く同一人による官能検査を行った。評価は、次の表9に示す5段階の評価基準にしたがって行った。結果を表10に示す。
【0061】
【表9】
【0062】
【表10】
表10から、本発明の消臭物質を含むペットフードを成犬に与えると、数日後には排便臭が除かれることがわかる。これは、排便の悪臭、特にメチルメルカプタン、硫化水素などに由来する臭いが胃腸内において消臭されたものと推測される。
【0063】
試験例6
実施例1の(2) で得られた粉末(II)を用いて、マウスウォッシュを製造した。蒸留水500 mlに、粉末(II)1gを添加して溶解し、この溶液をマウスウォッシュとして使用した。被検者が市販のニンニク入りギョウザ5個を食した後、マウスウォッシュ60mlで3回うがいをし、その後の呼気3リットルを無臭袋に採取した。対照者は、同様にギョウザを食した後、マウスウォッシュの代わりに蒸留水で3回うがいをした。
【0064】
官能検査は、15名のパネラーによって行い、以下の表11に示す5段階の評価基準にしたがって行った。結果を表12に示す。
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
表12から、本発明の消臭物質を用いたマウスウォッシュでは、ニンニクを食した直後の口臭に対して高い消臭効果を示すことがわかる。
【0067】
試験例7
実施例1の(2) で得られた粉末(II)を用い、表13に示す配合にて各成分を混合し、エアゾールを製造した。対照品は、粉末(II)の代わりに同量の蒸留水を使用した。
【0068】
【表13】
悪臭溶液として、メチルメルカプタン0.1 %エーテル溶液、トリメチルアミン0.1 %水溶液およびアンモニア2%水溶液を使用し、悪臭溶液0.5 mlを、各々3リットル容の無臭袋に入れ、これを30℃で2時間インキュベートした後、この中に、噴射口より、上記のエアゾールを4秒間噴霧した。袋を密閉して10分後に、ヘッドスペースのガス濃度をそれぞれの悪臭測定検出用ガス検知管(メチルメルカプタン用:No.71 、アミン類用:No.180、アンモニア用:No.3La、(株)ガステック製)を用いて測定した。悪臭物質除去率は、対照品のガス濃度を基準とし、それに対して除去されたガス濃度の割合(百分率)として求めた。
【0069】
【表14】
【0070】
表14から、本発明の消臭物質を含むエアゾールは、メチルメルカプタン、トリメチルアミンおよびアンモニアの臭いに対して、優れた悪臭物質除去効果を示すことがわかる。
【0071】
試験例8
実施例1で得られた粉末(I) および(II)ならびに実施例2で得られた粉末(IV)をそれぞれ用いて、あさりの缶詰の消臭効果を試験した。100mlのビーカー中に、あさりの水煮(稲葉食品(株)製)50gおよび上記のいずれかの粉末の0.1%水溶液1mlを入れてよくかき混ぜた。パラフィルムで密閉し、30分間放置した後、開封して中のあさりの水煮を食べて、その風味を調べた。対照には、上記粉末の溶液の代わりに同体積の蒸留水を入れたものを用いた。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表15に示したように、5段階で評価した。結果を表16に示す。
【0072】
【表15】
【0073】
【表16】
表16から、本発明の消臭物質を添加したあさりの水煮では、その生臭さが除かれていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の(3) 精製法Bにおける、イオン交換樹脂を用いた分配カラムクロマトグラフィーの溶出パターンである。
【図2】実施例2における吸着カラムクロマトグラフィーの溶出パターンである。
【符号の説明】
a:糖類の溶出より前の画分
b:糖類の溶出より後の画分
c:55%エタノール水溶液で溶出した画分
▲1▼:甘蔗汁通液開始時点
▲2▼:イオン交換水での洗浄開始時点
▲3▼:55%エタノール水溶液での溶出開始時点
Bx(ブリックス):ブリックス測定用屈折計を用いて測定した固形分濃度
Claims (5)
- 甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を、固定担体として合成吸着剤である無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂を充填されたカラムに通液し、前記芳香族系樹脂に吸着された成分を、カラム温度20〜40℃にて50/50 〜 60/40(体積/体積)エタノール‐水混合溶媒で溶出することによって得られる画分であることを特徴とする消臭物質。
- 前記カラムクロマトグラフィーでの処理において、
前記通液について、原料の固形分に対して0.01〜5倍湿潤体積量の前記芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度60〜97℃にて原料を通液し、
前記溶出について、該エタノール‐水混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が前記樹脂の4倍湿潤体積量以内に溶出する画分である請求項1記載の消臭物質。 - スクロース、グルコースおよびフルクトースの合計の含有量が、固形分量に対して50重量%以下である請求項1又は2記載の消臭物質。
- スクロース、グルコースおよびフルクトースの合計の含有量が、固形分量に対して20重量%以下である請求項1又は2記載の消臭物質。
- スクロース、グルコースおよびフルクトースの合計の含有量が、固形分量に対して5重量%以下である請求項1又は2記載の消臭物質。
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