JP3883392B2 - シート後処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置において印字されたシートに対して、ステープル処理等を行うための後処理装置に関し、より詳しくは、画像形成装置の小型化に寄与することが可能な後処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像形成装置には、シートに対して後処理を施すためのステープラ等の後処理手段を備えたものがあり、この後処理手段に関して様々な技術が開示されている。
例えば、特開昭64−34868号公報や特開平1−209270号公報には、後処理を施すシートを載置するための後処理トレイの下方に、後処理手段を配置したシート後処理装置が示されている。
【0003】
このシート後処理装置では、後処理トレイの下方に配置した後処理手段により、後処理トレイ上のシートの角部に後処理を施した後に、後処理済みのシートを後処理トレイから排出するように構成している。このような構成とすることにより、後処理手段がシートの排出に際して移動する必要がなくなる。また、後処理トレイから後処理済みのシートを排出するためのシートガイドも、後処理トレイに近接して固設することにより実現可能としている。
【0004】
また、特開平8−310717号公報および特開平10−324445号公報には、シートに対する後処理を、単にシートの角部だけではなく、シートの各辺の中央部にも施すことが可能なシート後処理装置が開示されている。
【0005】
特開平8−310717号公報に開示されたシート後処理装置は、後処理手段が排出済みシートの排出方向に沿う方向に移動して、シートの排出方向に直角な側の辺に後処理を施し、後処理手段が排出済みシートの排出方向に直角な方向へ待避して、後処理済みのシートを取り出すようになっている。なお、このシート後処理装置は、排出トレイヘ排出後のシートに後処理を施すようになっているので、排出トレイが後処理トレイの機能を果たしている。
【0006】
また、特開平10−324445号公報に開示されたシート後処理装置は、後処理トレイに対して、後処理済みシートの排出方向とは反対側に後処理手段を配置し、後処理手段に対向するシートの辺に後処理を施して、後処理済みシートをプッシャで排出するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−310717号公報に開示されたシート後処理装置では、後処理トレイ上に載置されたシートの排出方向に直角な方向で、後処理手段がシートに対して接近および待避するように構成されている。このため、シートの排出方向側に位置する辺の中央部に後処理を施す場合に、シート上の後処理位置とシートの排出方向に直角な方向の辺縁との距離が大きくなるため、後処理手段の腕部が長くなり、その分だけ後処理手段が大型化するという問題があった。
【0008】
また、ステープラのようにシートに針を打ち込んだり、パンチのようにシートに対して穿孔するような後処理を施す場合に、後処理用の駆動力を比較的大きくする必要があるが、後処理手段の腕部が長くなる分だけ一層大きな駆動力が必要となり、モータ等の駆動源の大型化や減速手段の多段化等により、後処理手段が複雑化および大型化するという問題があった。
このような後処理手段の場合、後処理手段がシートに対して進退する方向が、シートの長手方向となっていると、前述した問題がさらに一層顕著になる。
【0009】
また、特開平8−310717号公報に開示されたシート後処理装置では、後処理手段の大型化を極力抑えるために、後処理トレイに対するシートの搬入方向と後処理トレイからのシートの排出方向とが同じであれば、シートの搬送を縦方向で行うことにより、シート上の後処理位置とシートの排出方向に直角な方向の辺縁との距離が、大きくなることを防止する手法が採られている。
しかしながら、このような構成とすると、シートを横方向に搬送した場合に得られる利点、すなわちシート搬送時間の短縮化およびジョブ完了時間の短縮化を図ることができなくなるという新たな問題が発生する。
【0010】
また、特開平10−324445号公報に開示されたシート後処理装置では、特開平8−310717号公報に開示されたシート後処理装置の場合のような後処理手段の大型化、後処理手段の駆動機構の複雑化、後処理手段の駆動源の大型化等の問題は解消することができる。
しかしながら、後処理手段が移動に際して占有する空間と、シートを後処理トレイに搬入する搬入手段や、シートを後処理トレイから排出する排出手段が占有する空間とが、夫々別個に装置内に設けられているために、その分だけ後処理装置内に無駄な空間が配置され、設計の自由度を阻害したり、装置の大型化を招来してしまう。
このような問題点は、特開平8−310717号公報に開示されたシート後処理装置においても同様である。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、後処理済みシートを排出トレイ上に排出する側に配置された後処理手段が、シートヘの後処理や、シートの排出のためにシートに対して進退するように構成した場合であっても、後処理手段の腕部の大型化、後処理手段の駆動源の大型化、後処理手段の駆動機構の複雑化等を抑制して、後処理手段が移動に際して占有する空間や、シートを後処理トレイに搬入する搬入手段や、シートを後処理トレイから排出する排出手段が占有する空間とが、夫々別個に装置内に設けられていることに起因する、装置の大型化を防止することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のシート後処理装置は、シートを載置するための後処理台と、前記後処理台に載置された前記シートに対して後処理を行うための後処理位置および前記後処理台に載置された前記シートから待避して前記シートの排出を可能にする待避位置との間を前記後処理台におけるシート排出方向に対して直交する方向に延びる軸を中心に回動して移動する後処理手段と、前記後処理台に対してシートを搬入・排出するとともに、前記後処理手段が前記後処理位置に移動した際に、前記後処理手段が占有する空間から待避し、前記後処理手段が前記待避位置に移動した際に、前記後処理台におけるシート排出方向に対して直交する方向に延びる軸を中心に回動して前記後処理手段が占有する空間内にその一部分を位置させる搬送手段と、前記後処理手段が前記後処理位置に移動した際に、前記後処理手段が占有する空間から待避し、前記後処理手段が前記待避位置に移動した際に、前記後処理手段が占有する空間内に位置するように、前記後処理手段および前記搬送手段の一部分を移動するための移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
また、前記シート後処理装置において、 前記後処理台上の後処理済みシートの排出を阻止する阻止位置および前記後処理台上の後処理済みシートの排出を許容する開放位置との間で前記後処理台におけるシート排出方向に対して直交する方向に延びる軸を中心に回動して移動するストッパ手段を備え、前記後処理手段が待避位置へ移動するとともに、前記搬送手段の一部分が前記後処理手段が占有する空間内に移動して搬送準備ができた段階で、前記ストッパ手段を前記阻止位置から前記開放位置に移動することが可能である。
【0014】
また、前記シート後処理装置において、前記後処理手段が、前記後処理台のシート載置面の反対側に待避することが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明に係るシート後処理装置の一実施形態を説明する。
【0016】
<プリンタ本体>
図1は、本発明のシート後処理装置が適用される画像形成システムの一例を示すプリンタ本体の断面構成図である。
このプリンタ本体1は、図1に示すように、プリンタ2に対して、スキャナ3、自動原稿搬送装置4、シート後処理装置5、多段給紙ユニット6、および両面搬送ユニット10が接続されており、プリンタ2の機能が拡張されている。スキャナ3はその上部に配置された自動原稿搬送装置4とともに、スキャナ支持台7に支持されており、プリンタ2およびシート後処理装置5の上方に配置されている。
【0017】
<プリンタ>
プリンタ2は、スキャナ3により読み込まれた画像の記録出力はもとより、パーソナルコンピュータなどの画像処理装置が接続されている場合に、この外部接続された画像処理装置からの画像データを記録出力するものである。
また、プリンタ本体1の略中央右側には、感光体ドラムを主な構成要素とする電子写真プロセス部20が配置されている。
【0018】
この電子写真プロセス部20を簡単に説明すると、感光体ドラムの周囲に、感光体ドラム表面を均一に帯電させる帯電ローラと、均一に帯電された感光体ドラム上に光像を走査して静電潜像を書き込むための光走査装置22と、光走査装置22により書き込まれた静電潜像を現像剤により再現するための現像ユニットと、感光体ドラム上に記憶再現された画像を記録材上に転写するための転写ユニットと、感光体ドラム上に残留した現像剤を除去して、感光体ドラム上に新たな画像を記録することを可能とするクリーニングユニットと、感光体ドラム表面の電荷を除去するための除電ランプユニットなどが順次配置されている。
【0019】
プリンタ2の下側には、プリンタ2に内装された記録材供給部21が配置されている。この記録材供給部21から1枚ずつ分離供給された記録材は、電子写真プロセス部20の感光体ドラムと転写ユニットの間に順次供給され、感光体ドラム上に記録再現された画像が転写される。なお、この記録材供給部21への記録材の供給は、プリンタ本体1の正面側に記録材収容トレイ210を引き出して行う。
【0020】
プリンタ2の下面には、周辺機器として準備されている多段給紙ユニット6等から送られてくる記録材を受け入れて、電子写真プロセス部20の感光体ドラムと、転写ユニットの間に向かって順次供給するための拡張記録材受け入れ口24が設けられている。
【0021】
電子写真プロセス部20の上方には定着ユニット23が配置されており、画像が転写された記録材を順次受け入れて、記録材上に転写された現像剤を加熱定着して、記録材を装置外へ排出する。画像が記録された記録材は、プリンタ2の上部に設けた排出部25へ排出される。
【0022】
光走査装置22の上下空間部には、電子写真プロセスをコントロールするためのプロセスコントロールユニット(PCU)基板、装置外部からの画像データを受け入れるためのインターフェイス基板、インターフェイス基板から受け入れられた画像データに対して所定の画像処理を施し、光走査装置22により画像として走査記録させるためのイメージコントロールユニット(ICU)基板、これら各種基板、ならびにユニットに対して電力を供給するための電源ユニットなどが配置されている。
【0023】
<多段給紙ユニット>
多段給紙ユニット6は、外付けの記録材供給部であって、記録材を収容し、収容されている記録材を1枚ずつ分離して、多段給紙ユニット6の上部に設けられた記録材排出部62に向かって供給するためのものである。ここでは、記録材供給部が1段並列積層されており、2つの並んだトレイにより大量印宇への対応が可能な大容量用紙トレイ65が構成される。
記録材供給部への記録材の供給は、多段給紙ユニット6の正面側に記録材収容トレイ650等を引き出して行う。
なお、上述した説明では、2つの記録材供給部が積層された装置として説明しているが、少なくとも1つ、もしくはそれ以上の記録材供給部と記録材排出部から構成される多段給紙ユニットとしてもよい。
【0024】
<シート後処理装置>
シート後処理装置5は、プリンタ2から排出される画像記録がなされた記録材を受け取り、この記録材に対して後処理を施すためのものである。
シート後処理装置5で行われる後処理としては、ステープル処理、ソート処理等があるが、図1に示すシート後処理装置5は、2つの排紙トレイ51を備えた構成からなり、必要に応じて排出トレイ51を切り替えてシートを排出することができるとともに、各トレイには大量のシートを載置することができる。
このシート後処理装置5の処理機構の詳細については、後述する。
【0025】
<スキャナ>
スキャナ3は、シート状の原稿を自動原稿搬送装置4により自動的に供給して、1枚ずつ順次露光走査して原稿画像を読み取るための自動読み取りモードと、ブック状の原稿、もしくは自動原稿搬送装置4により自動供給が不可能なシート状の原稿を、マニュアル操作によりセットして原稿画像を読み取るための手動読み取りモードとを備えている。
そして、透明な原稿載置台30上にセットされた原稿の画像を、露光走査して光電変換素子上に結像した後に、原稿画像を電気的信号に変換して出力するようになっている。
【0026】
<記録材導入ユニット>
記録材導入ユニット8は、プリンタ2の排紙部に装着されて、プリンタ2から排出される画像が記録された記録材を、プリンタ2の下流側に位置するシート後処理装置5に向かって導入するための搬送ユニットである。
また、この記録材導入ユニット8の記録材搬送経路の途中には、記録材を記録材導入ユニット8の上部ヘ一時的に導き、記録材両面搬送装置に向かって記録材がスイッチバック搬送されるように、案内支持するための記録材保持面を備えている。
【0027】
<両面搬送ユニット>
両面搬送ユニット1は、搬送方向を入れ替えた記録材をプリンタ2から受け取り、既に記録が行われた印字側と反対側の面に再度画像形成するためのもので、プリンタ2の画像形成部の搬送上流側の搬送路に、記録材を戻すための搬送路機構を有している。
【0028】
<シート後処理装置の詳細な構成および動作>
上述したシート後処理装置5の構成、および動作手順について、図2、4を用いて説明する。なお、ここでは、シート束に対してステープル処理を行う後処理を例に挙げて説明する。
図2は、図1に示すシート後処理装置5の詳細断面図である。
なお、図2において、シート束S2に対して後処理を施した後のストッパ53、ステープラ54およびガイド55の状態を点線で示す。
【0029】
本実施形態に係るシート後処理装置5は、シート束S2に対して後処理を行った後、ステープラ54等が連動して位置移動することを特徴としている。また、これらの各部材に対して位置移動スペースを共有することにより、これらの各部材が位置移動するために必要なスペースを少なくして、装置の大型化を防止している。
【0030】
プリンタ2により印刷されたシートS1は、図2に示すように、搬送ローラ50を通じて後処理シート戴置台52上へ戴置される。このシートS1は、搬送先端部が一旦可動式搬送ローラ56と搬送ローラ57との間に位置決めされた後に、可動式搬送ローラ56が、図2において矢印方向へ移動することにより、シートS1が落下してストッパ53へ到達する。そして、既に後処理シート戴置台52上に載置されたシートS1を保持しながら、新たに搬送されるシートの載置を可能としている。
後処理後のシート束S2は、自重と搬送ローラ57、および可動式搬送ローラ56の駆動により、ガイド55に沿って搬送された後、可動式排紙ローラ59と排紙ローラ58との間を通過して、排紙トレイ51上へ排紙される。
【0031】
なお、シート束S2の厚みに応じて、ソレノイド61を制御することにより、スプリングシャフト60を介して可動式排紙ローラ59を上下に移動させるようになっている。また、排紙トレイ51は、シート後処理装置5の筐体内側に設けたラック51Rと、排紙トレイ51の一部に固定したピニオン51Pとにより上下動が可能となっている。このため、排紙トレイ51上に予めシートが戴置されている場合であっても、新たなシートを載置することが可能となっている。
【0032】
<ステープラ>
ステープラ54は、シート束S2に対してステープル処理を行った後に、シート束S2の搬送の邪魔にならないよう退避する必要がある。このため、本実施形態では、図2において点線で示すように、シート束S2の搬送方向と直角な方向に延びる軸に対してステープラ54の一部が固定されており、ステープラ54が、弧を猫いて後処理シート載置台52の載置面裏側へ退避することにより、シート束S2の搬送の邪魔にならないような位置に退避することができる。
【0033】
<ストッパ>
ストッパ53は、シート束S2の搬送方向と直角な方向に延びる軸に対して一部が固定されており、前述したようにステープラ54が退避しても、シート束S2が落下しないためのシート位置規制部材となっている。そして、後述するように、ガイド55がシート束S2を搬送する準備ができた段階で、図2において点線で示す状態へ弧を描いて移動することにより、ステープラ54やガイド55と互いに干渉しないようになっている。
【0034】
<ガイド>
ガイド55は、シート束S2の搬送方向と直角な方向に延びる軸に対して一部が固定されており、ステープラ54が図2において点線で示す位置へ退避した後、ガイド55も図2において点線で示す位置へ移動する。このようにして、ストッパ53が退避した後におけるシート束S2を、スムーズに排紙ローラ58側へ搬送することが可能となる。
なお、上述した本実施形態において、ステープラ54やストッパ53、およびガイド55の駆動方式には触れていないが、各部材が固定される軸がステッピングモータ等の駆動機構と連携することにより、容易に実現可能であることは言うまでもない。
【0035】
<後処理の手順>
上述したシート後処理装置5により、後処理が行われる手順について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下に記載する“STEP”は、図3中の各STEPを示している。
【0036】
ユーザにより印字・後処理要求がなされると、プリンタ2により印刷が行われたシートS1が搬送される(STEP101)。そして、搬送ローラ50を通過中のシートS1の先端部が可動式搬送ローラ56へ到達した時点で、可動式搬送ローラ56が位置移動することにより、シートS1の自重と搬送ローラ50の駆動とにより、シートS1の先端部がストッパ53へ到達し、可動式搬送ローラ56を元の位置へ復帰させて、シートS1を後処理シート戴置台52上ヘ載置する(STEP102)。
後処理を行うシートS1の全てが後処理シート戴置台52上へ載置されると(STEP103)、ステープラ54によりステープル処理を行い(STEP104)、ステープラ54が図2において点線で示す位置へ退避する(STEP105)。
【0037】
ステープラ54が退避すると、ガイド55を図2において点線で示す位置へ移動させた後(STEP106)、ストッパ53に関しても図2において点線で示す位置へ退避させる(STEP107)。そして、シート束S2の自重や可動式搬送ローラ56、および搬送ローラ57の駆動により、シート束S2が排紙ロ一ラ58側へ搬送される(STEP108)。
続いて、シート束S2の厚みに応じてソレノイド61が制御された後に、排紙ローラ58を駆動することにより、シート束S2が排紙トレイ51側へ搬送される。そして、シート束S2の排出が完了した時点で(STEP109)、排紙ローラ58や搬送ローラ57等の駆動を停止する(STEP110)。
続いて、次の後処理要求に備えて、ストッパ53を元の位置へ復帰させた後(STEP111)、ガイド55も元の位置へ復帰させ(STEP112)、最後にステープラ54を元の位置へ復帰させて(STEP113)、一連の後処理工程を終了する。
【0038】
<ステープラの駆動機構>
次に、上述したステープラ54、ガイド55およびストッパ53の駆動機構を、それぞれ、図4、図5および図6を用いて説明する。
図4は、ステープラ54の駆動機構を示す斜視図である。
ステープラ54は、図4に示すように、回動キャリッジ71に対して、ステープラ作動モータ72とともに保持されている。
【0039】
回動キャリッジ71は、移動キャリッジ70に対して回動自在に軸支されている。また、この回動キャリッジ71には、ステープラ回動ギヤ73が設けられており、移動キャリッジ70に固定されたステープラ回動モータ74の出力ギヤ75が、このステープラ回動ギヤ73に噛み合っている。
そして、ステープラ回動モータ74が正転または逆転すると、ステープラ54が回動キャリッジ71の回転軸を中心に回動して、ステープル位置と待避位置との間を回動する。
【0040】
また、移動キャリッジ70には、駆動軸76とガイド軸77とが挿通されている。ガイド軸77は、移動キャリッジ70が、図2において、紙面垂直方向に移動できるようにガイドするための軸である。また、駆動軸76は、その外周面に螺旋状の雄ネジが切られた軸であり、移動キャリッジ70の挿通孔内に切られた雌ネジに嵌合している。
駆動軸76の一端部には、移動ギヤ78が設けられており、ステープラ移動モータ79の出力ギヤ75と噛み合っている。ステープラ移動モータ79が、正転または逆転すると、ステープラ54が図2において紙面垂直方向裏向きまたは表向きに移動する。
【0041】
<ガイドの駆動機構>
図5は、ガイド55の駆動機構を示す斜視図である。
ガイド55は、図5に示すように、シート後処理装置5のフレーム80に前側端部および後側端部を回動自在に軸支されている。ガイド55の後側を支持するフレーム80のさらに後側には、ギヤ81、82が上下に噛み合わせて配設されている。
上側ギヤ82の内側にはプーリ83が固定されており、このプーリ83にワイヤ84の中央部が固定されている。また、ワイヤ84の一端部は、ソレノイド85に固定されており、ワイヤ84の他端部は、後側のフレーム80bに係止されたバネ86に固定されている。
【0042】
そして、ソレノイド85がオンとなりバネ86の付勢力に抗して作動すると、ワイヤ84がA方向に引かれて、ギヤ81、82がC方向に回動し、ガイド55がM方向に回動して待避する(図2において実線の位置)。
一方、ソレノイド85がオフとなると、バネ86の付勢力により、ワイヤ84がB方向に引かれて、ギヤ81、82がD方向に回動し、ガイド55がN方向に回動して作用位置に移動する(図2において点線の位置)。
【0043】
<ストッパの駆動機構>
図6は、ストッパ53の駆動機構の斜視図である。
ストッパ53は、図6に示すように、シート後処理装置5のフレーム80に対して、前側端部および後側端部が回動自在に軸支されている。
ストッパ53の後側を支持するフレーム80bのさらに後側には、ギヤ90が配設されている。ギヤ90の内側には、プーリ91が固定されており、このプーリ91にワイヤ92の中央部が固定されている。また、ワイヤ92の一端部は、ソレノイド93に固定されており、ワイヤ92の他端部は、後側のフレーム80bに係止されたバネ94に固定されている。
【0044】
そして、ソレノイド93がオンとなりバネ94の付勢力に抗して作動すると、ワイヤ92がE方向に引かれて、ギヤ90がG方向に回動し、ストッパ53がR方向に回動して待避する(図2において実線の位置)。
一方、ソレノイド93がオフとなると、バネ94の付勢力により、ワイヤ92がF方向に引かれて、ギヤ90がH方向に回動し、ストッパ53がS方向に回動して作用位置に移動する(図2において点線の位置)。
【0045】
【発明の効果】
本発明のシート後処理装置は、上述した構成を備えているため、以下に説明する効果を奏することができる。
【0046】
すなわち、本発明のシート後処理装置では、シートを搬入する搬入手段の占有する空間の一部と、後処理トレイ上のシートに後処理を施す後処理手段が移動に際して占有する空間の一部とが、同一空間上となるように構成されている。
したがって、シートヘの後処理やシートの排出のために、シートに対して後処理手段が進退するように構成した場合であっても、後処理手段の腕部の大型化、後処理手段の駆動源の大型化、および後処理手段の駆動機構の複雑化等を抑制することができる。
このため、後処理手段が移動に際して占有する空間と、シートを後処理トレイに搬入する搬入手段や、シートを後処理トレイから排出する排出手段が占有する空間とが、それぞれ別個の位置に設けられていることに起因する装置の大型化を防止することができる。
【0047】
また、本発明のシート後処理装置では、後処理台上にストッパ手段を設けたことにより、後処理手段の移動に際してシートが邪魔にならない。
特に、後処理トレイの排出方向が下向きの場合に、搬送手段の一部が、後処理手段が占有していた空間内に移動する以前に重力の作用で落下して、搬送手段の一部の移動を妨げる不具合を防止することができる。
【0048】
また、本発明のシート後処理装置では、後処理手段が、後処理台のシートが載置される側と反対の側、すなわち他の部品の配置が少ない広い空間部に待避するため、装置の大型化を伴わずに搬送手段の一部の移動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るシート後処理装置を適用した画像形成システムの一例を示す断面構成図である。
【図2】シート後処理装置の断面図である。
【図3】シート後処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図4】ステープラの駆動機構を示す斜視図である。
【図5】ガイドの駆動機構を示す斜視図である。
【図6】ストッパの駆動機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プリンタ本体
2 プリンタ
3 スキャナ
4 自動原稿搬送装置
5 シート後処理装置
6 多段給紙ユニット
7 スキャナ支持台
8 記録材導入ユニット
10 両面搬送ユニット
20 電子写真プロセス部
21 記録材供給部
210 記録材収容トレイ
22 光走査装置
23 定着ユニット
24 拡張記録材受け入れ口
25 排出部
30 原稿載置台
50 搬送ローラ
51 排紙トレイ
51P ピニオン
51R ラック
52 後処理シート載置台
53 ストッパ
54 ステープラ
55 ガイド
56 可動式搬送ローラ
57 搬送ローラ
58 排紙ローラ
59 可動式排紙ローラ
60 スプリングシャフト
61 ソレノイド
62 記録材排出部
65 大容量用紙トレイ
650 記録材収容トレイ
70 移動キャリッジ
71 回動キャリッジ
72 ステープラ作動モータ
73 ステープラ回動ギヤ
74 ステープラ回動モータ
75 出力ギヤ
76 駆動軸
77 ガイド軸
78 移動ギヤ
79 ステープラ移動モータ
80 フレーム
81 下側ギヤ
82 上側ギヤ
83 プーリ
84 ワイヤ
85 ソレノイド
86 バネ
90 ギヤ
91 プーリ
92 ワイヤ
93 ソレノイド
94 バネ
S1 シート
S2 シートの束

Claims (3)

  1. シートを載置するための後処理台と、
    前記後処理台に載置された前記シートに対して後処理を行うための後処理位置および前記後処理台に載置された前記シートから待避して前記シートの排出を可能にする待避位置との間を前記後処理台におけるシート排出方向に対して直交する方向に延びる軸を中心に回動して移動する後処理手段と、
    前記後処理台に対してシートを搬入・排出するとともに、前記後処理手段が前記後処理位置に移動した際に、前記後処理手段が占有する空間から待避し、前記後処理手段が前記待避位置に移動した際に、前記後処理台におけるシート排出方向に対して直交する方向に延びる軸を中心に回動して前記後処理手段が占有する空間内にその一部分を位置させる搬送手段と、
    前記後処理手段が前記後処理位置に移動した際に、前記後処理手段が占有する空間から待避し、前記後処理手段が前記待避位置に移動した際に、前記後処理手段が占有する空間内に位置するように、前記後処理手段および前記搬送手段の一部分を移動するための移動手段とを備えたことを特徴とするシート後処理装置。
  2. 前記後処理台上の後処理済みシートの排出を阻止する阻止位置および前記後処理台上の後処理済みシートの排出を許容する開放位置との間で前記後処理台におけるシート排出方向に対して直交する方向に延びる軸を中心に回動して移動するストッパ手段を備え、
    前記後処理手段が待避位置へ移動するとともに、前記搬送手段の一部分が前記後処理手段が占有する空間内に移動して搬送準備ができた段階で、前記ストッパ手段を前記阻止位置から前記開放位置に移動することを特徴とする請求項1記載のシート後処理装置。
  3. 前記後処理手段が、前記後処理台のシート載置面の反対側に待避することを特徴とする請求項1又は2記載のシート後処理装置。
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