JP2006219224A - 画像形成装置 - Google Patents

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Hideshi Izumi
英志 泉
Hidetoshi Kaneko
英敏 金子
Jinichi Osada
甚一 長田
Genichi Nakao
元一 中尾
Masatsugu Hatanaka
正嗣 畑中
Yoshinori Shiraishi
嘉儀 白石
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Abstract

【課題】 用紙後処理装置と原稿読取部との間の僅かな空間を、スイッチバンク用の搬送路の一部として使用する場合において、片面印字が終了した直後の画像情報が用紙後処理装置の外装上面に擦られることによる画像品位の低下やJAMの発生を防止する。
【解決手段】 スキャナ部と印字部と給紙部とによって形成される装置本体の空間部にステープルユニット70を含む用紙後処理部と排紙部とが配置され、ステープルユニット70の上面70aに両面印字のためのスイッチバック搬送路52の搬送路出口52aが形成された画像形成装置において、ステープルユニット70の上面70aに、搬送路出口52aから送り出された記録用紙Pの印字面である下面を受けて従動回転するローラ等55が配置されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、用紙後処理部の上面に両面印字のためのスイッチバック搬送路の搬送路出口が形成された画像形成装置に係り、より詳細には、スイッチバック搬送される記録用紙の印字面が用紙後処理部の上面に接触して擦れることを防止した画像形成装置に関する。
近年、画像形成装置の多機能化に伴い、印字された用紙を後処理する用紙後処理装置の開発が進んでいる。このような用紙後処理装置の機能としては、例えば、ステープル機能、パンチ穴開け機能、製本機能等がある。ところが、いずれの機能を有する用紙後処理装置も処理機構が大型化しており、用紙後処理装置をコンパクトな画像形成装置に設ける場合には、用紙後処理装置を画像形成装置の外部に配置しなければならかった。
そして、上述のように、用紙後処理装置を画像形成装置の外部に配置することは、装置全体の占有面積の増大を招くだけでなく、装置全体の消費電力の増大を招来するという問題点があった。
そこで、用紙後処理装置自体をコンパクトに構成し、用紙後処理装置を、画像形成装置の外部にではなく、画像形成装置に形成される空間内に配置する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、用紙後処理装置を、原稿読取部と印字部と給紙部とによって形成されている「コ」字状の空間を利用して設けることによって、上述のような問題点の解消を図ろうとしている。
特開2003−335449号報
ところで、このような構成の画像形成装置では、図10に示すように、用紙後処理装置105の上面106に両面印字のためのスイッチバック搬送路107の搬送路出口107aが形成されており、両面印刷時、用紙後処理装置105と原稿読取部108との間の僅かな空間C11に、片面印字された記録用紙Pの搬送先端部P1がスイッチバックのために送り出される構造となっている。つまり、用紙後処理装置105と原稿読取部108との間の僅かな空間C11を、スイッチバック搬送路107の一部として使用している。この空間C11の幅(高さ幅)は、実機では3〜5mm程度である。この場合、スイッチバック搬送路107に搬送される記録用紙Pは、用紙下面に画像情報が印字されている。この画像情報は、図示しない定着工程を通過した直後のため、用紙表面温度は概ね50〜70℃位の温度でスイッチバック搬送路107に進入し、用紙後処理装置105の上面106に送り出される。そして、排出ローラ154に用紙後端が到達した時点でスイッチバックし、再び引き戻されて裏面印字を行うようになっている。なお、図中の符号155は、切替ゲート(分岐爪)である。
このような反転機構では、片面印字が終了した直後の画像情報が用紙後処理装置105の外装上面106に擦られる形で送り出されるため、印字品位の低下を招くといった問題があった。また、擦られた結果、熱を帯びた現像剤(画像情報部分)が用紙後処理装置105の外装上面106に転移し、繰返し使用で堆積することによって、搬送用紙PのJAMが発生するといった問題もあった。
このような問題は、装置のコンパクト設計と多機能化が大きな原因であり、スイッチバックのための反転搬送路のスペースが装置内部に十分とれないことが原因となっている。また、装置の操作性も上記問題発生の一因となっている。すなわち、ユーザの操作性を考えると、概ね床からの高さが80〜130cm位の位置に操作部、排紙部、原稿読み取り用の原稿載置部を配置する必要があるため、多機能化が進むと、この高さスペース内に全ての機能を組み込むために、各機能部の間隔を詰めて配置する必要が生じるからである。その結果、上記のように、用紙後処理装置105の上面106に両面印字のためのスイッチバック搬送路107の搬送路出口107aを形成して、用紙後処理装置105と原稿読取部108との間の僅かな空間C11を、スイッチバンク搬送用の搬送路の一部として使用することになる。
本発明はかかる実情に鑑みて創案されたもので、その目的は、用紙後処理装置と原稿読取部との間の3〜5mm程度の僅かな空間を、スイッチバンク用の搬送路の一部として使用する画像形成装置において、片面印字が終了した直後の画像情報が用紙後処理装置の外装上面に擦られることによる画像品位の低下やJAMの発生を確実に防止し得る画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、装置本体上部に原稿読取部が配置され、装置本体下部に給紙部が配置され、前記原稿読取部と給紙部との間に印字部が配置され、前記原稿読取部と印字部と給紙部とによって形成される装置本体の空間部に用紙後処理部と排紙部とが配置され、前記用紙後処理部の上面に両面印字のためのスイッチバック搬送路の搬送路出口が形成されており、両面印刷時、片面印字された記録用紙は、その搬送先端部が前記搬送路出口から用紙後処理部の上面に送り出された後、再び引き戻されてスイッチバック搬送が行われるように構成された画像形成装置において、前記用紙後処理部の上面に、前記搬送路出口から送り出された記録用紙の印字面である下面を受けて回転する回転部材が配置されていることを特徴とする。
搬送路出口の近傍にこのような回転部材を配置することで、搬送路出口から用紙後処理部の上面に送り出された記録用紙は、用紙後処理部の上面に接触することなく送り出される。また、回転部材に接触することによって、転写時や定着時に蓄積されていた熱が記録用紙側から回転部材側に伝導(放熱)されるため、記録用紙の表面温度が低下して画像情報の記録用紙への定着が促進されることになる。そのため、送り出された記録用紙の先端部が、その後、自重によって用紙後端処理部の上面に接触したとしても、その時点では画像情報がすでに記録用紙に定着しているため、印字擦れ等が発生することもない。
この場合、前記回転部材を、記録用紙の送り出し方向に沿って複数個配置してもよい。このように複数個配置することで、送り出された記録用紙が順次回転部材に接触し、記録用紙の先端部が用紙後端処理部の上面に接触することがない。また、複数個の回転部材に接触することで、放熱効果がさらに促進され、画像情報の記録用紙への定着がより促進されることになる。
また、前記回転部材は、前記搬送路出口から送り出された記録用紙の印字面と反対側の上面が、対向する前記原稿読取部の下面に接触するように、前記記録用紙を若干持ち上げるように配置している。このような配置構造とすることで、用紙に蓄積された熱が原稿読取部(具体的には、原稿読取部の外装)にも伝導(放熱)されるため、用紙への画像情報の定着がさらに促進されることになる。
また、前記搬送路出口と前記回転部材との間には、前記搬送路出口から送り出された記録用紙の先端部を前記回転部材の最適な位置に当接させるように案内するガイド部材を配置した構成としている。このようにガイド部材を設けることで、記録用紙の先端部を回転部材の最適な位置に確実に当接させることができるため、記録用紙の先端部が回転部材に巻き込まれてしまうといったJAMの発生を防止することができる。
ここで、回転部材としては、円筒形状のローラまたは球体のボールを使用することが可能である。この場合、前記ローラまたはボールは、搬送される記録用紙によって回転する従動ローラまたは従動ボールとする。
本発明によれば、搬送路出口の近傍に記録用紙を受ける回転部材を配置することで、搬送路出口から用紙後処理部の上面に送り出された記録用紙が、用紙後処理部の上面に接触することがない。そのため、記録用紙に印字された画像情報が用紙後処理部の上面に接触して印字擦れ等が発生するといった不具合を防止することができる。また、回転部材に接触することによって、転写時や定着時に蓄積されていた熱が記録用紙側から回転部材側に伝導(放熱)されるため、記録用紙の表面温度が低下して画像情報の用紙への定着が促進されることになる。そのため、送り出された用紙の先端部が、その後、自重によって用紙後端処理部の上面に接触したとしても、その時点では画像情報がすでに用紙に定着しているため、印字がにじむといった印字品質の低下も防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施形態では、本発明の用紙後処理部を備える画像形成装置を複合機に適用した場合について説明する。図1は、そのような複合機の内部構成の概略を示している。まず、この複合機の全体構成について説明する。
図1に示すように、複合機1は、原稿読取手段としてのスキャナ部2と、画像形成部3と、原稿自動給紙部4と、用紙後処理手段としての用紙後処理部5とを備えている。なお、以下では、便宜上、複合機1のうち、用紙後処理部5および排紙トレイ8以外の部分を「装置本体」と称する。
この複合機1は、記録用紙(OHP等の記録媒体を含む。)に画像を形成する画像形成モードとして、コピアモード、プリンタモード、FAXモードを有し、各モードはユーザによって選択される。以下、複合機1の各部についてまず説明し、その次に、本発明に係わる印字処理時の動作について説明する。
−スキャナ部2の説明−
スキャナ部2は、透明なガラス等より成る原稿台41上に載置された原稿の画像や、原稿自動給紙部4により1枚ずつ給紙される原稿の画像を読み取って原稿画像データを作成する部分である。このスキャナ部2は、露光光源21、複数の反射鏡22、23、24、結像レンズ25、光電変換素子(CCD;Charge Coupled Device)26を備えている。
露光光源21は、原稿自動給紙部4の原稿台41上に載置された原稿や、原稿自動給紙部4を搬送される原稿に対して光を照射するものである。各反射鏡22、23、24は、図1中、一点鎖線Aで光路を示すように、原稿からの反射光を、一旦、図1中、左方向に反射させた後、下方に反射させ、その後、結像レンズ25に向かうように、図1中、右方向に反射させるようになっている。
原稿の画像読取動作には、次の2つがある。原稿台41上に載置された原稿を読み取る場合(「シート固定方式」として使用する場合)には、露光光源21および各反射鏡22、23、24が、原稿台41に沿って水平方向に走査して、原稿全体の画像を読み取ることになる。一方、原稿自動給紙部4を搬送される原稿を読み取る場合(「シート移動方式」として使用する場合)には、露光光源21および各反射鏡22、23、24が、図1に示す位置に固定され、後述する原稿自動給紙部4の原稿読取部42を原稿が通過する際にその画像を読み取ることになる。
各反射鏡22、23、24で反射されて結像レンズ25を通過した光は、光電変換素子26に導かれ、この光電変換素子26において反射光が電気信号(原稿画像データ)に変換されるようになっている。
−画像形成部3の説明−
画像形成部3は、印字手段としての画像形成系31と、用紙搬送系32とを備えている。
画像形成系31は、レーザスキャニングユニット31aおよびドラム型の像担持体としての感光体ドラム31bを備えている。レーザスキャニングユニット31aは、光電変換素子26において変換された原稿画像データ、または、外部の端末装置等から入力された画像データに基づいたレーザ光を感光体ドラム31bの表面に照射するものである。感光体ドラム31bは、図1中、矢印で示す方向に回転し、レーザスキャニングユニット31aからのレーザ光が照射されることによってその表面に静電潜像が形成されるようになっている。
また、感光体ドラム31bの外周囲には、レーザスキャニングユニット31aの他に、現像ユニット(現像機構)31c、転写ローラ31dを有する図示しない転写ユニット(転写機構)、クリーニングユニット(クリーニング機構)31e、図示しない除電器、帯電ローラ31fを有する図示しない帯電ユニット(帯電機構)が周方向にわたって順に配設されている。
現像ユニット31cは、感光体ドラム31bの表面に形成された静電潜像をトナー(顕像化物質)により可視像に現像するものである。転写ローラ31dは、感光体ドラム31bの表面に形成されたトナー像を記録媒体としての記録用紙に転写するものである。クリーニングユニット31eは、トナー転写後において感光体ドラム31bの表面に残留したトナーを除去するものである。除電器は、感光体ドラム31bの表面の残留電荷を除去するものである。帯電ローラ31fは、静電潜像が形成される前の感光体ドラム31bの表面を所定の電位に帯電させるものである。
記録用紙に画像を形成する際には、帯電ローラ31fによって感光体ドラム31bの表面が所定の電位に帯電され、レーザスキャニングユニット31aが原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体ドラム31bの表面に照射する。その後、現像ユニット31cが感光体ドラム31bの表面にトナーによる可視像を現像し、転写ローラ31dによって、トナー像が記録用紙に転写される。さらに、その後、感光体ドラム31bの表面に残留したトナーはクリーニングユニット31eによって除去されるとともに、感光体ドラム31bの表面の残留電荷が除電器によって除去される。これにより、記録用紙への画像形成動作(印字動作)の1サイクルが終了する。このサイクルが繰り返されることにより、複数枚の記録用紙に対して連続的に画像形成を行うことができるようになっている。
一方、用紙搬送系32は、給紙手段としての用紙カセット33に収納された記録用紙、または手差トレイ34に載置された記録用紙を1枚ずつ搬送して画像形成系31による画像形成を行わせるとともに、画像形成された記録用紙を排紙手段としての排紙トレイ8へ、後述する用紙後処理部5を経由して排出するものである。排紙トレイ8は、用紙カセット33の上方であってスキャナ部2の下方に設けられている。排紙トレイ8については、詳しくは後述する。
用紙搬送系32は、装置本体における主搬送路36、反転搬送路37と、図2に示す用紙後処理部5における主搬送路51、スイッチバック搬送路52とを備えている。装置本体の主搬送路36と用紙後処理部5の主搬送路51とは、装置本体の排出ローラ36eを境に互いに繋がっている。そして、複合機1において、記録用紙は、いわゆる中央基準で用紙搬送系32を搬送される。つまり、記録用紙は、その幅方向(記録用紙の搬送方向に直交する方向)における中央位置を基準として搬送される。
なお、用紙後処理部5の主搬送路51とスイッチバック搬送路52については、後述する。特に、スイッチバック搬送路52については、本発明の特徴部分であるので、複合機1の全体説明が終わった後で詳述する。
装置本体の主搬送路36の一端側は、2つに分岐されており、一方の分岐端は用紙カセット33の排出側に対向しているとともに、他方の分岐端は手差トレイ34の排出側に対向している。また、主搬送路36の他端側は、用紙後処理部5のパンチングユニット60に対向している。反転搬送路37は、一端側が転写ローラ31dの配設位置よりも上流側(図1中、下側)で主搬送路36に繋がっているとともに、他端側が転写ローラ31dの配設位置よりも下流側(図1中、上側)で主搬送路36に繋がっている。
主搬送路36の一方の分岐端(用紙カセット33の排出側に対向する部分)には、断面が半円状のピックアップローラ36aが配設されている。このピックアップローラ36aの回転により、用紙カセット33に収納されている記録用紙を1枚ずつ間欠的に主搬送路36に給紙できるようになっている。同様に、主搬送路36の他方の分岐端(手差トレイ34の排出側に対向する部分)には、断面が半円状のピックアップローラ36bが配設されている。このピックアップローラ36bの回転により、手差トレイ34に載置されている記録用紙を1枚ずつ間欠的に主搬送路36に給紙できるようになっている。
この主搬送路36における転写ローラ31dの配設位置よりも上流側には、レジストローラ36dが配設されている。このレジストローラ36dは、感光体ドラム31b表面のトナー像と記録用紙との位置合わせを行いながら記録用紙を搬送するものである。
主搬送路36における転写ローラ31dの配設位置よりも下流側には、記録用紙に転写されたトナー像を加熱により定着させるための一対の加熱ローラ39a、加圧ローラ39bを備えた定着ユニット39が配設されている。さらに、主搬送路36の下流端には、記録用紙を用紙後処理部5に排出するための排出ローラ36eが、用紙後処理部5の主搬送路51との境に配設されている。
主搬送路36に対する反転搬送路37の上流端の接続位置には、分岐爪38が配設されている。この分岐爪38は、図1中、第1位置(実線で示す位置)と、この第1位置から、図1中、反時計回り方向に回動して反転搬送路37を開放する第2位置との間で水平軸回りに回動自在となっている。この分岐爪38が第1位置にあるときには、記録用紙が用紙後処理部5の主搬送路51に向けて搬送され、第2位置にあるときには、記録用紙が反転搬送路37へ供給可能となっている。
反転搬送路37には、搬送ローラ37aが配設されており、用紙後処理部5におけるスイッチバック搬送路52でスイッチバックされた記録用紙が、反転搬送路37に供給された場合には、この搬送ローラ37aによって記録用紙が搬送され、レジストローラ36dの上流側で記録用紙が主搬送路36に導入されて、再び転写ローラ31dに向かって主搬送路36を搬送されるようになっている。つまり、記録用紙の裏面に対して画像形成が行えるようになっている。
−原稿自動給紙部4の説明−
原稿自動給紙部4は、いわゆる自動両面原稿搬送装置として構成されている。この原稿自動給紙部4は、シート移動式として使用可能であって、原稿載置部としての原稿トレイ43、中間トレイ44、原稿排出部としての原稿排紙トレイ45、および各トレイ43、44、45間で原稿を搬送する原稿搬送系46を備えている。
原稿搬送系46は、原稿トレイ43に載置された原稿を、原稿読取部42を経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ搬送するための主搬送路47と、中間トレイ44上の原稿を主搬送路47に供給するための副搬送路48とを備えている。
主搬送路47の上流端(原稿トレイ43の排出側に対向する部分)には、原稿ピックアップローラ47aおよび捌きローラ47bが配設されている。また、捌きローラ47bの下側には、捌き板47cが配設されている。原稿ピックアップローラ47aの回転に伴って、原稿トレイ43上の原稿のうちの1枚が、捌きローラ47bと捌き板47cとの間を通過して主搬送路47に給紙されるようになっている。主搬送路47と副搬送路48との合流部分(図1中、Bの部分)よりも下流側には、PSローラ47e、47eが配設されている。このPSローラ47e、47eは、原稿の先端とスキャナ部2の画像読取タイミングとを調整して原稿を原稿読取部42に供給するものである。つまり、PSローラ47e、47eは、原稿が供給された状態でその原稿の搬送を一旦停止し、上記タイミングを調整して、原稿を原稿読取部42に供給するようになっている。
原稿読取部42は、プラテンガラス42aと原稿押え板42bとを備え、PSローラ47e、47eから供給された原稿がプラテンガラス42aと原稿押え板42bとの間を通過する際に、露光光源21からの光がプラテンガラス42aを通過して原稿に照射されるようになっている。この際、スキャナ部2による原稿画像データの取得が行われる。原稿押え板42bの背面(上面)には、図示しないコイルスプリングによる付勢力が付与されている。これにより、原稿押え板42bがプラテンガラス42aに対して所定の押圧力をもって接触し、原稿が原稿読取部42を通過する際に、プラテンガラス42aから浮き上がることを阻止している。
プラテンガラス42aの下流側には、搬送ローラ47fおよび原稿排紙ローラ47gが備えられている。プラテンガラス42a上を通過した原稿が搬送ローラ47fおよび原稿排紙ローラ47gを経て、中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ排紙されるようになっている。
原稿排紙ローラ47gと中間トレイ44との間には、中間トレイ揺動板44aが配設されている。この中間トレイ揺動板44aは、中間トレイ44側の端部が揺動中心とされて、図1中、ポジション1(実線で示す位置)と、このポジション1から上方へ跳ね上げられたポジション2との間で揺動可能となっている。中間トレイ揺動板44aがポジション2にある場合には、原稿排紙ローラ47gから排紙された原稿は原稿排紙トレイ45へ回収される。一方、中間トレイ揺動板44aがポジション1にある場合には、原稿排紙ローラ47gから排紙された原稿は中間トレイ44へ排出されるようになっている。この中間トレイ44への排紙時には、原稿の端縁が原稿排紙ローラ47g、47g間に挟持された状態となっており、この状態から原稿排紙ローラ47gが逆回転することによって原稿が副搬送路48に供給され、この副搬送路48を経て、再び主搬送路47に送り出されるようになっている。この原稿排紙ローラ47gの逆回転動作は、主搬送路47への原稿の送り出しと画像読取タイミングとを調整して行われる。これにより、原稿の裏面の画像が原稿読取部42によって読み取られるようになっている。
−用紙後処理部5および排紙トレイ8の説明−
用紙後処理部5は、印字処理の終了後に装置本体から排出される記録用紙に対して、パンチング処理、ステープル処理等の複数の用紙後処理を可能とするものである。このような用紙後処理部5における用紙後処理は、後述するように、印字要求の際、印字条件として用紙後処理の要求があったときに行われる。
この例では、用紙後処理部5および排紙トレイ8を、複合機1の装置本体の外部へ設けるのではなく、装置本体によって形成される空間Cを利用して設けるようにしている。具体的には、複合機1の装置本体では、用紙カセット33と、画像形成部3(画像形成系31)と、スキャナ部2とが略「コ」字状に配置されており、この装置本体によって形成されている「コ」字状の内部の空間Cに用紙後処理部5および排紙トレイ8を設けるようにしている。これにより、複合機1内の限られたスペースに用紙後処理部5および排紙トレイ8を設置でき、記録用紙に対する複数の用紙後処理を行うことができる。また、用紙後処理部5を備えた複合機1の占有面積を抑え、省スペース化を図ることが可能となる。
以下、用紙後処理部5および排紙トレイ8について、図2〜図6を用いて詳しく説明する。なお、記録用紙の搬送方向(図3に示す方向)を「用紙搬送方向」と称し、これに直交する記録用紙の幅方向(図3に示す方向)を「用紙幅方向」と称する。
図2に示すように、用紙後処理部5は、装置本体の排出ローラ36eの下流側に配置されている。用紙後処理部5には、用紙後処理ユニットとして、パンチ穴開け機能を備えるパンチングユニット60と、ステープル機能を備えるステープルユニット70とが備えられている。用紙後処理部5の前面(手前側の面)は、開閉可能なカバー50により覆われている。そして、用紙後処理部5においては、パンチングユニット60が上流側に配置され、ステープルユニット70が下流側に配置されている。用紙後処理部5の下流側には、排紙トレイ8が設けられている。排出ローラ36eから排出される記録用紙は、パンチングユニット60、ステープルユニット70を経て排紙トレイ8に排出される。この排紙トレイ8は、用紙後処理部5のステープルユニット70によってステープル処理を行うときには、ステープル処理用の用紙受け部分として使用される。
<パンチングユニット60の説明>
パンチングユニット60は、排出ローラ36eから排出される記録用紙に対してパンチ穴開けの処理(パンチング処理)を行うものである。パンチングユニット60には、パンチ穴開け機構部61、ガイド板62、パンチ屑収納ボックス63等が備えられている。また、上述した用紙搬送系32として、主搬送路51が形成されている。パンチングユニット60には、主搬送路51の途中に搬送ローラ56が設けられている。なお、パンチングユニット60は、後述するステープルユニット70とは異なり、装置本体に固定されている。
パンチングユニット60では、印字要求の際、印字条件としてパンチング処理の要求があった場合には、パンチングユニット60に搬送されてきた記録用紙をガイド板62上で停止させ、1枚毎にパンチ穴開け機構部61によりパンチ穴を開ける。このとき、印字用紙サイズを基に決定される位置にパンチ穴を開けるようにしている。
パンチ穴開け機構部61は、パンチングユニット60の上部に配置されており、パンチ穴開け機構部61には、パンチ穴の径と一致する径の芯材64が用紙幅方向に沿って所定の間隔で2箇所に設けられている。芯材64は、上下に昇降可能に設けられており、芯材64が下降する際に記録用紙に対してパンチ穴を開口する。また、芯材64は、用紙搬送方向に沿う方向および用紙幅方向に沿う方向にそれぞれ往復移動可能に設けられており、後述するように、パンチング処理を行う際の位置合わせが可能となっている。
ガイド板62は、パンチ穴開け機構部61の下方に配置されており、ガイド板62には、パンチ穴を開ける所定位置に対応する開口部が形成されている。パンチ屑収納ボックス63は、パンチングユニット60の下部に配置されており、パンチ屑収納ボックス63によりパンチ穴開け処理によって生じたパンチ屑を回収するようにしている。パンチ屑収納ボックス63は、用紙幅方向に沿ってスライド可能に設けられており、後述するように、カバー50を開けたとき、手前側に取り出すことが可能となっている。これにより、パンチ屑収納ボックス63内に収納されるパンチ屑を取り出すことができる。
パンチングユニット60でパンチング処理を行う際には、上述の印字用紙サイズを基に決定された位置に対応する位置にパンチ穴開け機構部61の芯材64を移動するようにしている。
加えて、上述の印字用紙サイズを基に決定された位置に正確にパンチ穴を開けることができるように、パンチングユニット60のパンチ穴開け機構部61の芯材64の微調整移動を行うようにしているが、この微調整移動については説明を省略する。
<ステープルユニット70の説明>
ステープルユニット70は、上流側のパンチングユニット60から搬送される記録用紙に対してステープル処理を行うものである。ステープルユニット70は、カバー50を上開きで手前に開けたとき、用紙搬送方向に沿う方向にスライド可能に設けられている。また、ステープルユニット70は、ステープルユニット70の上流側に配置されているパンチングユニット60に対して係脱可能に設けられている。
ステープルユニット70には、ステープル機構部71、ステープル台72、整合板73、排紙ローラ74等が備えられている。また、上述した用紙搬送系32として、主搬送路51およびスイッチバック搬送路52が形成されている。ステープルユニット70には、主搬送路51の下流側とスイッチバック搬送路52の上流側との接続位置には、記録用紙を案内する方向を切り替える分岐爪53と、記録用紙をステープル台72に排出する排出ローラ54が設けられている。
ステープルユニット70では、印字要求の際、印字条件としてステープル処理の要求があった場合には、ステープル台72に積載される所定枚数の記録用紙に対して、ステープル機構部71によりステープル処理を施す。このとき、印字用紙サイズおよび所望ステープル位置を基に決定される位置にステープル処理を施すようにしている。所望ステープル位置は、例えば、記録用紙の左上隅部に1箇所止めとか、左端部に2箇所止めとかというように、ユーザの所望するステープル処理を施す位置のことである。
ステープル機構部71は、排出ローラ54の下方に配置されており、ステープル台72上に積載される記録用紙の後端部をステープル針で綴じるものである。ステープル機構部71は、用紙幅方向に沿って往復移動可能に構成されており、上述の印字用紙サイズおよび所望ステープル位置を基に決定された位置にステープル処理を施すことができるようになっている。ステープルユニット70でステープル処理を行う際には、上述の印字用紙サイズおよび所望ステープル位置を基に決定された位置に対応する位置にステープル機構部71を移動する。
ステープル台72は、排出ローラ54から排出される記録用紙を積載するものであり、ステープル機構部71によるステープル処理用の処理台となるものである。ステープル台72は、用紙搬送方向下流側を上方に傾けて配置されている。排出ローラ54から排出される記録用紙は、ステープル処理が行われる場合には、自重によりステープル台72の傾斜に沿って用紙搬送方向上流側へ滑り落ちる。一方、ステープル処理が行われない場合には、記録用紙は、排紙ローラ74から排紙トレイ8に排出される。
整合板73は、ステープル台72の上面(記録用紙が排出される面)の用紙幅方向に沿う方向の両サイドに対向して配置されている。一対の整合板73は、用紙幅方向に沿って往復移動可能に設けられている。そして、ステープルユニット70でステープル処理を行う場合に、整合板73を用紙幅方向に沿って移動させることで、ステープル台72上に排出される記録用紙1枚毎に用紙幅方向の整合を行うようにしている。このとき、印字用紙サイズを基に、つまり、搬送される記録用紙のサイズを基に決定される可動幅に応じて整合板73を動かすようにしている。一対の整合板73の往復移動は、例えば、ラックピニオン機構により可能となっている。
<排紙トレイ8の説明>
排紙トレイ8は、複合機1の装置本体によって形成されている「コ」字状の内部の空間Cに、上述した用紙後処理部5とともに設けられている。排紙トレイ8には、用紙後処理部5において、パンチング処理、ステープル処理等の用紙後処理が施された記録用紙が排出される。排紙トレイ8は、用紙搬送方向(記録用紙の排出方向)に沿って伸縮可能に設けられている。また、上下に昇降可能に設けられている。さらに、装置本体に対してスライド可能に設けられている。
図3、図5に示すように、排紙トレイ8は、用紙搬送方向に沿う方向に、1段〜3段に伸縮可能なトレイとして形成されている。この例では、排紙トレイ8は、印字用紙サイズに応じて、用紙搬送方向に沿ってユーザが手動で伸縮できるように構成されている。
排紙トレイ8には、第1排紙トレイ81と第2排紙トレイ82と第3排紙トレイ83とが備えられている。第1排紙トレイ81は、最も大きなサイズのトレイであり、最も用紙後処理部5寄りに配置されている。第1排紙トレイ81は、複合機1の側面(側壁)から突出しない長さに形成されている。この第1排紙トレイ81は、装置本体に一体的に取り付けられており、用紙搬送方向に沿う方向への移動が不可能な構造となっている。
第2排紙トレイ82は、中間サイズのトレイであり、第1排紙トレイ81に形成されている収納部分81aに収納されている。この第2排紙トレイ82は、用紙搬送方向に沿う方向への進退移動が可能に設けられている。第3排紙トレイ83は、最も小さなサイズのトレイであり、第2排紙トレイ82に形成されている収納部分82aに収納されている。この第3排紙トレイ83は、用紙搬送方向に沿う方向への進退移動が可能に設けられている。
図3に示すように、排紙トレイ8を1段のみに収縮させた状態では、排紙トレイ8の用紙搬送方向に沿う方向の長さが最小となっており、第3排紙トレイ83が第2排紙トレイ82に全て収納されており、この第2排紙トレイ82が第1排紙トレイ81に全て収納されている。このとき、排紙トレイ8の用紙搬送方向に沿う方向の長さは、第1排紙トレイ81の用紙搬送方向に沿う方向の長さと等しく、複合機1の側面から突出しない長さとなっている。このように、排紙トレイ8を、最も収縮した状態で、装置本体から突出しないようにすることで、複合機1を使用していないときには、排紙トレイ8を装置本体の空間に収納することができるようにしている。
これに対して、図5に示すように、排紙トレイ8を3段に伸張させた状態では、排紙トレイ8の用紙搬送方向に沿う方向の長さが最大となっており、第1排紙トレイ81から第2排紙トレイ82が最大限突出しており、この第2排紙トレイ82から第3排紙トレイ83が最大限突出している。このとき、排紙トレイ8の用紙搬送方向に沿う方向の長さは、複合機1で印字可能な最大サイズ(例えば、A3横サイズ)の記録用紙の用紙搬送方向長さよりも長くなっている。これにより、排紙トレイ8を最大長さまで伸ばしたときには、印字可能な最大サイズ(A3横サイズ)の記録用紙であっても安定して積載することができる。後述するように、排紙トレイ8はステープルユニット70とともにスライド可能となっているが、記録用紙が積載されている状態で排紙トレイ8をスライドさせたとしても、記録用紙は排紙トレイ8から落ちることがなくなる。
上述のように、排紙トレイ8が用紙搬送方向に沿う方向に伸縮可能に設けられているので、排紙トレイ8を印字用紙サイズに応じて最適な長さに調節して使用することができる。
また、図3、図4に示すように、排紙トレイ8は、上下方向に昇降可能なトレイとして形成されている。この例では、排紙トレイ8は、積載される記録用紙の量(枚数)に応じて、昇降するように構成されている。
排紙トレイ8に排出される記録用紙の量は、下側の排紙ローラ74の近傍に設けられている上限センサ84によって検出される。この上限センサ84は、接触式のセンサとして設けられている。そして、排紙トレイ8上に積載される記録用紙の最上位面が所定の高さに達すると、上限センサ84がオンとなる。これにより、排紙トレイ8の満杯が検出される。すると、この満杯検出によって排紙トレイ8を所定の距離だけ下降する。この排紙トレイ8の下降により、上限センサ84がオフとなる。このように、上限センサ84がオン/オフが切り替わることで、排紙トレイ8上に積載される記録用紙の量を検出している。この例では、排紙トレイ8のホームポジションを、排紙トレイ8の最上昇位置(図3に示す位置)とし、排紙トレイ8の上流側の端部が排紙ローラ74の直下に配置されている。そして、積載される記録用紙の量が増えるほど、排紙トレイ8を次第に下降させるようにしている。なお、上限センサ84を光学式のセンサとして設けてもよい。
排紙トレイ8は、上述したように、伸縮可能に設けられているが、その昇降移動の際には、第1排紙トレイ81が昇降することで、この第1排紙トレイ81とともに第2排紙トレイ82および第3排紙トレイ83が昇降するように構成されている。
第1排紙トレイ81の昇降は、例えば、次のようにして行われる。第1排紙トレイ81の奥側には、第1排紙トレイ8を昇降移動するための駆動部85が設けられている。この駆動部85には、駆動ベルト(図示せず)が収納されており、駆動ベルトは、配線86により接続されている図示せぬ駆動電源により駆動可能となっている。駆動部85には、第1排紙トレイ81の先端部を支持する支持部材が連結されている。支持部材は、駆動ベルトを駆動することで上下に往復移動するように設けられている。そして、このような支持部材を介して、駆動部85の駆動ベルトの動力が第1排紙トレイ81に伝達され、これにより、第1排紙トレイ81が昇降移動する。また、第1排紙トレイ81の下部には、第1排紙トレイ81を支持するアーム88が設けられている。アーム88は、第1排紙トレイ81と底部89との間に配置されている。そして、アーム88は、L字状に屈曲して設けられており、その屈曲角度が可変となっている。このアーム88の屈曲角度は、第1排紙トレイ81の昇降位置にしたがって変化する。なお、第1排紙トレイ81の用紙後処理部5寄りの端部には、突起が設けられている。この突起は、用紙後処理部5に設けられている上下に長く伸びる溝部と係合し、溝部内をスライド可能となっている。
以上が、複合機1の全体説明である。
−本発明に係わるスイッチバンク搬送路52周辺部の説明−
図7および図8(a)〜(c)は、ステープルユニット70に形成されたスイッチバック搬送路52の一部を概略的に拡大して示す説明図である。
すなわち、本実施形態の複合機1では、用紙後処理部5を構成するステープルユニット70の上面70aに、両面印字のためのスイッチバック搬送路52の搬送路出口52aが形成されている。つまり、ステープルユニット上面70aとスキャナ部2の下面27との間の僅かな空間C1を、スイッチバック搬送路52の一部として使用する構成としている。そして、この搬送路出口52aから送り出された記録用紙Pの印字面である下面を受けて従動回転するローラまたはボール(回転部材)55が、搬送路出口52a近傍のステープルユニット上面70aに形成された凹部70bに回転可能に埋め込まれる形で配置されている。また、ローラまたはボール(以下、ローラ等と称する)55と搬送路出口52aとの間のステープルユニット上面70aには、搬送路出口52から送り出された記録用紙Pの先端部P1を、ローラ等55の最適な外周面位置に当接させるように案内するガイド板57が配置されている。ガイド板57は、搬送路出口52の縁部からローラ等55に向かって一定角度θで上方に傾斜する傾斜面57aを有しており、全体として側面視くさび形状に形成されている。
ここで、ローラ等55の最適な外周面位置とは、図7および図8(a)に示すように、ローラ等55の回転中心Sから、ステープルユニット上面70aを基準面として例えば30度から45度の角度で延長した法線が交叉する外周面位置(a1〜a2の範囲)である。この外周面位置(a1〜a2の範囲)に記録用紙Pの先端部P1が当たるようにすることで、ローラ等55が記録用紙の当たる力(押す力)によって従動回転を開始し、その後は記録用紙がローラ等55に接触した状態で送り出されることによって、ローラ等55は従動回転を継続することになる。このようにローラ等55を従動回転させることで、記録用紙Pの印字面の擦れ等が発生しないようにしている。
また、この外周面位置(a1〜a2の範囲)に記録用紙Pの先端部P1が当たるようにすることで、記録用紙Pの先端部P1がローラ等55の外周面に当接後に下方に折れ曲がり、ローラ等55とステープルユニット上面70aに形成された凹部70bとの隙間に巻き込まれてしまう、といったJAMの発生を防止することができる。
さらに、記録用紙Pがローラ等55に接触することによって、転写時や定着時に蓄積されていた熱が記録用紙P側からローラ等55側に(具体的には、ローラ等55を経てステープルユニット70の筐体へ)伝導(放熱)されるため、記録用紙Pの表面温度が低下して、記録用紙Pへの画像情報の定着が促進されることになる。
また、ローラ等55は、搬送路出口52aから送り出された記録用紙Pの印字面と反対側の上面が、対向するスキャナ部2の下面(外装下面)27に接触するように(図8(b)参照)、記録用紙Pを若干持ち上げるように配置されている。このような配置構造とすることで、片面印字された記録用紙Pに蓄積された熱がスキャナ部2の外装部分に伝導(放熱)されるため、記録用紙Pへの画像情報の定着がさらに促進されることになる。
図9は、ローラ等55を記録用紙の送り出し方向(搬送方向)に沿って複数個(この例では3個)配置した例を示している。このように、ローラ等55を複数個配置することによって、送り出された記録用紙Pが順次ローラ等55に接触し、記録用紙Pの先端部P1がステープルユニット70の上面70aに接触することがない。また、複数個のローラ等55に接触することで、放熱効果がさらに促進され、画像情報の記録用紙Pへの定着がさらに促進されることになる。
ここで、スイッチバック搬送時の記録用紙Pの搬送状態について、図8を参照して説明する。
片面印字された記録用紙Pの先端部P1がスイッチバックのために搬送路出口52aから送り出されると、記録用紙Pは、図8(a)に示すように、ガイド板57に案内されてローラ等55の最適な外周面位置(a1〜a2の範囲)に向かって送り出される。そして、記録用紙Pの先端部P1がローラ等55の外周面に当接すると、その当接力によってローラ等55が従動回転を開始する。一方、記録用紙Pは、ローラ等55によって若干上方に持ち上げられるようにしてさらに送り出されると、図8(b)に示すように、記録用紙Pの印字面と反対側の上面が、対向するスキャナ部2の下面(外装下面)27に接触する。この接触は、記録用紙P自体の腰によって維持される。スキャナ部2の下面27に接触した後の記録用紙Pの先端部P1は、その後、自重によって若干下方に垂下することになる。このようにして記録用紙Pが搬送路出口52aから送り出され、図8(c)に示すように、記録用紙Pの後端部P2が排出ローラ54に到達した時点でスイッチバックし、再び搬送路出口52aに引き戻されて、裏面印字が行われることになる。
本発明を適用する複合機の概略構成を示す図である。 用紙後処理部および排紙トレイの概略構成を示す説明図である。 用紙後処理部および排紙トレイを示す斜視図であり、排紙トレイが収縮かつ上昇した状態、およびカバーが閉じた状態を示す図である。 排紙トレイが下降した状態を示す斜視図である。 排紙トレイが伸張した状態を示す斜視図である。 カバーが開いた状態を示す斜視図である。 ステープルユニットに形成されたスイッチバック搬送路の一部を概略的に拡大して示す説明図である。 (a)〜(c)は、スイッチバック搬送時の記録用紙の搬送状態を示す説明図である。 ローラ等を記録用紙の送り出し方向(搬送方向)に沿って複数個配置した例を示す説明図である。 従来の画像形成装置のステープルユニットに形成されたスイッチバック搬送路の一部を概略的に拡大して示す説明図である。
符号の説明
1 複合機
2 スキャナ部
3 画像形成部
5 用紙後処理部
8 排紙トレイ
31 画像形成系
33 用紙カセット
36e 排紙ローラ
50 カバー
51 主搬送路
52 スイッチバック搬送路
52a 搬送路出口
53 分岐爪
54 排出ローラ
55 ローラまたはボール
57 ガイド板
60 パンチングユニット
70 ステープルユニット
70a 上面
70b 凹部
71 ステープル機構部
72 ステープル台
74 排紙ローラ
C1 空間
P 記録用紙

Claims (6)

  1. 装置本体上部に原稿読取部が配置され、装置本体下部に給紙部が配置され、前記原稿読取部と給紙部との間に印字部が配置され、前記原稿読取部と印字部と給紙部とによって形成される装置本体の空間部に用紙後処理部と排紙部とが配置され、前記用紙後処理部の上面に両面印字のためのスイッチバック搬送路の搬送路出口が形成されており、両面印刷時、片面印字された記録用紙は、その搬送先端部が前記搬送路出口から用紙後処理部の上面に送り出された後、再び引き戻されてスイッチバック搬送が行われるように構成された画像形成装置において、
    前記用紙後処理部の上面に、前記搬送路出口から送り出された記録用紙の印字面である下面を受けて回転する回転部材が配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記回転部材は、前記搬送路出口から送り出された記録用紙の印字面と反対側の上面が、対向する前記原稿読取部の下面に接触するように、前記記録用紙を若干持ち上げるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記回転部材が、記録用紙の送り出し方向に沿って複数個配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記搬送路出口と前記回転部材との間には、前記搬送路出口から送り出された記録用紙の先端部を前記回転部材の最適な位置に当接させるように案内するガイド部材が配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記回転部材がローラまたはボールであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記ローラまたはボールは、搬送される記録用紙によって回転する従動ローラまたは従動ボールであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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