JP3871795B2 - 加熱調理器の自動消火装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、テーブルこんろ等の加熱調理器の自動消火装置に関し、詳しくは温度により透磁率の変化する感温部材と磁石との吸着、離脱を利用した自動消火装置のリセット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
テーブルこんろ、炊飯器等の加熱調理器において、たとえば、テーブルこんろにおける、いわゆる、天ぷら火災等を防止する安全手段として、感温センサーが調理物の加熱温度を鍋底面で検出し、予め設定された加熱温度を検出したときバーナへのガス供給を断ってバーナを消火し安全を期す自動消火装置はすでに知られている。
【0003】
そこで、従来のこの種の自動消火装置において、感温フェライトから離脱した磁石に対しセンサー部を降下させて感温フェライトに磁石を吸着した後センサー部を上昇して鍋底等へ感温フェライトを密接させるリセット手段とすることにより、鍋底等へ必要以上の荷重を与えることなく常時安全、確実な使用ができる自動消火装置はある(たとえば、実開平7−42903号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記従来の技術のリセット手段を改良して、簡単な構造のもとにより効果的なリセットが行いうる加熱調理器の自動消火装置の提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1の加熱調理器の自動消火装置は、
調理容器の底面から受熱し、その温度に応じて透磁率が変化する感温部材と、上記感温部材の下面と向かい合って吸着、離脱する磁石と、上記磁石の離脱動作によりガスバーナへのガス流路を閉じるガス閉弁手段と、上記磁石が上記感温部材から離脱した状態から上端に上記感温部材を有するセンサー部を戻しバネに抗して降下させ上記磁石を上記感温部材に吸着させて後、センサー部を上記戻しバネで上昇して調理容器の底面に感温部材を密接させるリセット手段とを備えた加熱調理器の自動消火装置において、
上記リセット手段は、リセットレバーと連動してリセットレバーとは逆方向に動く引き下げ部材で感温部材に磁石が吸着するまでセンサー部を降下させ、感温部材に磁石が吸着した後は上記引き下げ部材による引き下げ力を解除して上記戻しバネでセンサー部全体を上昇させ調理容器の底面に感温部材を密接するようにしたことを要旨とする。
【0006】
また、この発明の請求項2の加熱調理器の自動消火装置は、
上記引き下げ部材は、引き下げ片と該引き下げ片の引き下げストロークを一定に規制するストローク規制片とが上記引き下げ片による引き下げストロークと上記センサー部の降下ストロークの誤差を吸収するバネを介して支持板に共通の枢支ピンで枢設され、上記リセットレバーに穿った山形のガイド長孔に挿通支持された作動ピンが発条による引張力と相まって上記支持板に穿たれたガイド用カムのカム面にガイドされてリセットレバーとともに上下に移動することにより上記ガイド長孔を左右へ移動して上記ストローク規制片に係脱し、リセット時に作動ピンがストローク規制片に係合して引き下げ片をリセットレバーとは逆方向に一定のストロークだけ作動しセンサー部を引き下げ降下させるようにしたことを要旨とする。
【0007】
上記構成を有するこの発明の請求項1の加熱調理器の自動消火装置は、リセット時にリセットレバーと連動してリセットレバーとは逆方向に動く引き下げ部材でセンサー部を降下させて感温部材に磁石を吸着させ、吸着後はセンサー部の引き下げ力をすみやかに解除するので、感温部材に対する磁石の吸着が確実に行われ、その後、センサー部が上昇して調理容器の底面に感温部材が密着する。この結果、リセット時にセンサー頭部で調理容器を傾けたり、ひっくり返すこともなく、常時安全、確実な使用ができる。
【0008】
上記構成を有するこの発明の請求項2の加熱調理器の自動消火装置は、リセットレバーの動きに対しガイド用カムのカム面にガイドされて上下動すると同時に山形のガイド長孔に沿って左右へ移動するピンでリセット時に一定のストロークだけ作動することにより、このストローク規制片と誤差吸収バネを介して連動する引き下げ片でセンサー部を引き下げ降下させて感温部材に磁石を吸着させる。吸着後は作動ピンがストローク規制片から外れ、その後、センサー部は戻しバネにより上昇して調理容器の底面に感温部材を密接する。この結果、リセット時に感温部材と磁石の確実な吸着は勿論のこと、調理容器の底面に必要以上の荷重影響を与えることもなく、簡単な構造のもとに調理容器の傾き等の不具合を解消する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以上説明したこの発明の構成、作用を一層明らかにするために、以下この発明の加熱調理器の自動消火装置の好適な実施の形態の一例について図面を参照して説明する。
【0010】
図1〜図11に示した実施の形態は、熱電対式電磁安全弁回路に感熱部Aと逆起電力発生部Bとを組み込んで、感熱部Aと逆起電力発生部Bとを連動手段を介して所望のタイミングのもとに各別に分離して動作させるテーブルこんろの自動消火装置において、図1〜図4はテーブルこんろの点火操作と連動してリセットする構造としたものであり、図5〜図8は専用のリセットレバーとした場合である。そして、図9〜図11は感熱部Aと逆起電力発生部Bとの連動関係を示したものである。
【0011】
そこで、図1及び図5〜図9において、Aは感熱部で、感温部材として感温メタル1を用い、この感温メタル1の透磁率の変化により感温メタル1の下面と向い合って設けられた磁石2が吸着、離脱するようになっており、上記感温メタル1は比較的薄い板厚の板状体で形成され、テーブルこんろEの器体に設けられた取付板3にその基端を固定して起立状に備えた固定ホルダ4に後述する作動ホルダ7を介して上下移動自由に支持された可動ホルダ5の先端にキャップ状に取付け固定され、その上面が調理容器としての、たとえば、鍋6の底面中央部に接離するようになっている。
また、上記可動ホルダ5は上記感温メタル1を上端に有する上部筒体5aと後述する作動ホルダ7の先端において後述する作動ホルダ7と一体に固定された下部筒体5bとで構成され、下部筒体5bに対し上部筒体5aはカシメ等によって一体に連結されている。
【0012】
上記磁石2は上記作動ホルダ7に上下移動自由に挿通された作動軸8の先端に感温メタル1の下面への吸着、離脱が常時確実に行いうるように首振り変位可能に取付けられている。そして、上記固定ホルダ4と可動ホルダ5との間には、磁石2が感温メタル1に吸着した後、可動ホルダ5と作動ホルダ7等からなるセンサー部Fをゆるやかに上昇させて感温メタル1を鍋6の底面に密接させるとともに、鍋底高さの変化をも吸収する戻しバネ9が介在されている。
【0013】
上記作動ホルダ7は上部ホルダ7aと下部ホルダ7bを連結部材10で一体に連結して構成され、下部ホルダ7bには上記感熱部Aと後述する逆起電力発生部Bとを連動する連結手段Cとしての連動用ピン11が上下動することにより連動用ピン11を一定角度だけ図示時計方向及び図示反時計方向に回動変位するための斜状のガイド溝12を有し、かつ、後述する引き下げ部材Dの引き下げ片21が係合する係合凹部15を備えており、この下部ホルダ7bと上記作動軸8との間には磁石2が感温メタル1から離脱する時磁石2を作動軸8とともに下方へ引張り降下させるための引張りバネ13を介在させている。
上記連動用ピン11は上記作動軸8に交叉状に挿通固定され、その両端突出部は上記作動ホルダ7の下部ホルダ7bに穿たれている上記斜状ガイド溝12に挿通されている。
【0014】
上記感熱部Aのリセット手段は、リセットレバー17と、該リセットレバー17と連動してリセットレバー17とは逆方向に動く上記引き下げ部材Dとで構成され、リセットレバー17はテーブルこんろEの器体に固定された支持板18に枢軸19で揺動可能に枢設されている。
【0015】
上記引き下げ部材Dは、引き下げ片21と該引き下げ片21の双股状の先端作動部21aの引き下げストロークを一定に規制するためのストローク規制片22とが上記引き下げ片21の先端作動部21aの引き下げストロークとこの引き下げストロークによる上記センサー部Fの降下ストロークとの誤差を吸収するためのトーションバネ23を介して上記支持板18の先端支持部18aに共通の枢支ピン24で枢設され、上記引き下げ片21の先端作動部21aを上記感熱部Aの下部ホルダ7bの係合凹部15に係合させ、一方、ストローク規制片22の先端作動部22aは、上記リセットレバー17に穿たれた山形のガイド長孔25に引張りバネ25aで下方に引張られて挿通支持された作動ピン26に該作動ピン26が上記リセットレバー17とともに上下動することにより係脱するようになっている。
【0016】
上記作動ピン26に対するストローク規制片22の先端作動部22aの係脱は、上記作動ピン26が上記支持板18に穿たれたガイド用カム27の相対向する上昇カム面27aと降下カム面27bにガイドされてリセットレバー17とともに上下に移動することにより上記山形のガイド長孔25の範囲内において左右へ移動し作動ピン26がストローク規制片22の先端作動部22aに係脱し、リセット時にはリセットレバー17の動きに対し作動ピン26はガイド用カム27の上昇カム面27aに沿って上昇し上限位置に達するまではストローク規制片22の先端作動部22aに係合されてストローク規制片22を図示時計方向へ回動する。このため、引き下げ片21もトーションバネ23を介して図示時計方向に回動しその先端作動部21aをリセットレバー17とは逆方向、すなわち、下方に移動してセンサー部Fを一定のストロークだけ引き下げ降下する。
【0017】
センサー部Fを引き下げ片21の先端作動部21aで一定のストロークだけ引き下げ降下させると、所定位置に待機している磁石2が感温メタル1に吸着する。磁石2が感温メタル1に吸着した後、作動ピン26はストローク規制片22の先端作動部22aから外れ、引張りバネ25による下方への引張り力と相まって作動ピン26は山形のガイド長孔24を図示左方へ移動し、以後ガイド用カム27の降下カム面27bに沿ってリセットレバー17とともに降下するようになっている。このとき、作動ピン26から外れたストローク規制片22はフリーの状態となり、その後の戻しバネ9によるセンサー部Fの上昇に支障がないようになっている。
【0018】
上記リセット手段のリセット操作としては、テーブルこんろEの、いわゆる、押し回し式点火装置の点火ツマミ16の操作で点火装置と連動してリセットするもの(図1〜図4参照)と、点火操作とは無関係にリセット専用ツマミ51を操作してリセットするもの(図5〜図8参照)とを例示している。
【0019】
上記点火装置と連動してリセットするものにあっては、点火ツマミ16と一体の操作軸52に軸方向には固定で回転方向は自由に嵌めつけられ、かつ、復帰用バネ53により図示時計方向に付勢されたカム板54と、操作軸52と一体に備えられ、上記操作軸52の点火操作時における一定ストロークlの進退動作により上記カム板54に係脱する作動板55とを備え、上記カム板54は上記支持板18と点滅機能部Gとともに一体に備えられた保持板56に基端が支軸57により枢支され、先端部は上記リセットレバー17の基端部17aの上面に当接係合された作動レバー58とからなる構造となっている。
なお、図中、59は上記カム板54のリセット前の位置決め用ストッパーで、上記保持板56に設けられている。60は圧電器Jのハンマー61をハンマー戻しバネ62に抗して押し下げるハンマー押し下げ板で操作軸52に回転方向にのみ固定して遊着されていて上記作動板55との間に装着された押し下げ板戻しバネ63にて図示左方に押圧されている。また、64は操作軸52の元位置への後退動作を助長するためのバネである。そして、65は圧電素子である。
【0020】
上記構成において、感温メタル1から磁石2が離脱した感熱部Aの作動時のみ(図1の状態参照)次回点火時に点火操作と連動して感熱部Aをリセットするものである。そこで、テーブルこんろEの点火にともない点火ツマミ16を一定ストロークlだけ押すと、操作軸52と一体の作動板55も移動してカム板54に係合する。このとき、操作軸52の移動により点滅機能部G内のマグネット電磁弁、パイロット弁が開かれる。そこで、点火ツマミ16を押したまま「開」の位置(図示左方へ90度)まで回すと、カム板54も復帰用バネ53に抗して90度回転しそのカム面(凸面)で作動レバー58を基端の支軸57を支点として図示反時計方向に回動しその先端側を押し下げるため(図4参照)、作動レバー58の先端側でリセットレバー17の基端側を押し下げる。
【0021】
したがって、リセットレバー17は枢軸19を支点として図示反時計方向に回動しその先端部を上昇させ、リセットレバー17の山形ガイド長孔24に挿通支持されている作動ピン26はガイド用カム27の上昇カム面27aに沿って上昇するため、作動ピン26が引き下げ部材Dのストローク規制片22の先端作動部22aに係合されて先端作動部22aを持上げストローク規制片22を図示時計方向へ回動しトーションバネ23を介して引き下げ片21の先端作動部21aを図示時計方向に回動して上端に感温メタル1を有する可動ホルダ5と作動ホルダ7等とからなるセンサー部Fを戻しバネ9に抗して一定のストロークだけ引き下げ降下させ磁石2を感温メタル1に吸着する。
【0022】
このとき、作動ピン26はガイド用カム27の上昇カム面27aに沿って上昇し当初(下限位置にあるとき)は山形ガイド長孔24の図示右端にあって(図1及び図5参照)ストローク規制片22の先端作動部22aに係合される位置にあるが、作動ピン26が先端作動部22aに係合されて上昇カム面27aに沿って上昇するにつれて作動ピン26は上昇カム面27aで次第に山形ガイド長孔24を図示左方へ移動されストローク規制片22が上限位置に達すると(図6参照)、作動ピン26はストローク規制片22の先端作動部22aから外れ山形ガイド長孔24の図示左端に至り(図7参照)ストローク規制片22の先端作動部22aから離れ、以後はガイド用カム27の降下カム面27bに沿ってストローク規制片22とは無関係にリセットレバー17とともに降下可能状態となる。
【0023】
一方、点滅機能部Gの閉子が開の状態となってパイロットバーナ、メインバーナにガスが供給され、同時に圧電器Jが作動しパイロットバーナに点火し、メインバーナに火移りし、また、同時にマイクロスイッチが入り電子回路に通電する。その後、点火ツマミ16を離すと点火ツマミ16は元の位置に後退して戻るため、作動板55はカム板54から外れその係合が解かれる。したがって、カム板54は復帰用バネ53により図示時計方向に回動して元の位置(図4の実線の位置)へ戻る。一方、操作ツマミ16が戻るとパイロット弁は閉じるが、メインバーナ部の熱電対が炎を感知し、電子回路を通して乾電池等の電源からマグネットに通電され、マグネット電磁弁は燃焼状態を保持する。
【0024】
上記ストローク規制片22の先端作動部22aから作動ピン26が外れると、センサー部Fの引き下げ力は解除されるため、戻しバネ9のバネ力でセンサー部全体(磁石2を含む)を上昇させ磁石2が吸着している感温メタル1を鍋6の底面部に密接しリセット動作を完了する。上記戻しバネ9のバネ力は、引き下げ片21によるセンサー部Fの引き下げ降下が無理なく容易にでき、センサー部全体を上昇させるときはセンサー部全体がゆるやかに上昇して鍋6の底面部に必要以上の荷重を与えることなく密接できるバネ力となっている。
【0025】
上記感温メタル1から磁石2が離脱する感熱部Aの作動時は、感温メタル1が調理物の加熱温度を鍋底面で検出し、予め設定された加熱温度(たとえば、250℃程度)を検出したとき磁石2は吸着力を失って引張りバネ13により作動軸8とともに一定のストローク降下して感温メタル1から離間し、後述する逆起電力発生部Bの作用と相まってバーナへのガス供給を断ってバーナを直ちに消火するものである。
【0026】
次に、上記逆起電力発生部Bは、図9〜図11に示されているように、器体28の一側寄りにガイド孔29を穿ち、このガイド孔29に逆起電力発生用の磁石30を下部に内蔵し、後述する連結手段C側には係止凸片31を突出して備えた有底のスライド筒32を上下移動自由に嵌着し、このスライド筒32の上部開口は上記器体の取付板3に一体形成された蓋体33で覆われ、この蓋体33とスライド筒32との間に磁石押下げ用のバネ34を介在してスライド筒32を常時下方へ付勢し、上記ガイド孔29の下部には逆起電力発生用のコイル35を上記スライド筒32と同一軸心に備えて上記逆起電力発生用磁石30が逆起電力発生用コイル35内に上記押し下げ用バネ34のバネ力により勢いよく進入することにより逆起電力発生用のコイル35に磁界の変化を与え大きな逆起電力を発生させるように構成されており、この逆起電力発生部Bは上記感熱部Aの一側に近接して並置されている(図9参照)。なお、上記逆起電力発生用の磁石30は鉄部材36間に介在され、逆起電力発生用のコイル35の外周は磁界を広く保持するための鉄カバー37で覆っている。
【0027】
また、上記感熱部Aと逆起電力発生部Bとを連動させる連動手段Cは、逆起電力発生部Bの器体28の他側寄りに支軸38を支点として前後方向へ一定の角度だけ回動する連動部材39を備え、この連動部材39は復帰用バネ40により係止方向(図示反時計方向)に付勢されており、その先端側に上記スライド筒32の斜状ガイド面31aを有する係止凸片31が係脱する係止部41を備え、基端側には上記連動用ピン11が接するガイド凸条42を備えており、上記感熱部Aの作動軸8の上下動により斜状ガイド溝12に沿って上下動する連動用ピン11で連動部材39を前後方向へ一定の角度だけ回動して係止凸片31と係止部41との係脱が行いうる構造となっている。なお、連動部材39の先端係止部41に回転ロール43を設けると、係止凸片31との係脱が軽快、確実に行えて実施上有益である。
【0028】
上記スライド筒32の上部両側には上記リセットレバー17を延設して形成された双股状の係合片44が係合する係合突起45を上下に備え、この係合突起45間に係合片44が挿入されてリセットレバーの先端がスライド筒32とともに上下動する。この係合突起45は上記係止凸片31とは交叉する方向に突出して備え、この係合突起45をガイド孔29の両側に設けられたスリット状ガイド溝46に挿通して外部に突出させ、この突出部にリセットレバー17と一体の双股状の係合片44を係合させて、リセットレバー17で上記スライド筒32を上記感熱部Aのセンサー部Fの降下動作と連動して所定のタイミングのもとに磁石押し下げ用バネ34に抗して持上げ連動部材39の係止部41にスライド筒32の係止凸片31を斜状ガイド面31aを介して係止し上限位置にセットするようになしている。なお、図中、47、48は逆起電力発生用のコイル35と、熱電対TCと電磁安全弁(図示せず)の電磁コイルとを接続するためのリード線である。上記電磁安全弁の電磁コイルへの通電回路はガスバーナ49によって加熱され起電力を発生する熱電対TCと、逆起電力発生用のコイル35との直列接続により構成される。
また、消火時は点火ツマミ16を「止」の位置(図示右方へ90度)まで回すと、点滅機能部Gの閉子によってガス通路が閉じられ、また、マイクロスイッチも0FFとなって電子回路への通電がストップしマグネット電磁弁も閉じられる。
【0029】
次に、リセット専用ツマミ51を操作してリセットするものにあっては、リセット専用ツマミ51を押し下げると、リセット専用ツマミ51と一体の押動片20でリセットレバー17の基端部を押し下げ、前述した点火連動の場合と同一の理により感温部Aと逆起電力発生部Bとを所望のタイミングのもとに各別に分離して作動させるためのリセットが行いうるもので(図5〜図8参照)、このリセット操作手段以外は先の点火連動のものと同一につき詳細な説明は省略する。
【0030】
以上説明した感熱部Aと逆起電力発生部Bとを連動手段Cを介して所望のタイミングのもとに各別に分離して動作させるテーブルこんろEの自動消火装置において、テーブルこんろの五徳50上に鍋6を載せた鍋有りの場合の正常使用時は図1及び図5の作動後リセットする前の状態からリセットされた図7に示されているように、感熱部Aの感温メタル1は鍋6の底面部に密接して受熱し、一方、逆起電力発生部Bの磁石30はスライド筒32の係止凸片31が連動部材39の係止部41に係止されて上限位置に保持されている(図9及び図10参照)。
【0031】
そこで、感温部Aの感温メタル1が予め設定された加熱温度(たとえば、250℃程度)を検出すると、感温メタル1がキューリ点に達し常磁性体となるため、磁石2は吸着力を失って引張りバネ13により作動軸8とともに一定のストロークだけ降下し感温メタル1から離脱する(図7から図5の状態参照)。上記作動軸8の降下にともない作動軸8と一体の連動用ピン11も下部ホルダ7bの斜状ガイド溝12に沿って降下し図示反時計方向へ回動するため、この連動用ピン11で連動部材39を支軸38を支点として図示時計方向へガイド凸条42を介して一定の角度だけ復帰用バネ40に抗して回動変位するためにその先端係止部41からスライド筒32の係止凸片31を外す。したがって、逆起電力発生部Bの磁石30はスライド筒32とともに磁石押し下げ用のバネ34のバネ力で急降下し下端部の逆起電力発生用コイル35内へ勢いよく進入し逆起電力発生用コイル35に磁界の変化を与え熱電対起電力に対して大きな逆起電力を発生する(図10の状態から図11の状態参照)。この結果、この逆電流により熱電対TCから電磁安全弁への通電電流をすみやかに減少させ電磁安全弁MVを即座に閉弁しガスバーナ48へのガスの供給を遮断する。上記閉弁動作においては感熱部Aの磁石2の動きと逆起電力発生部Bの磁石30の動きとは連動手段Cを介して所望タイミングのもとに連動して行われ、リセットレバー17はスライド筒32の係合突起45により図示時計方向へ係合片44を介して回動し元位置(消火位置)へ戻る(図1及び図5参照)。
【0032】
バーナ消火後、鍋6の底面温度が低下し感温メタル1の透磁率が変化して磁石2が感温メタル1に吸着可能な状態になり再度使用するときは、先に説明したように点火ツマミ16を押し回して点火操作するが、リセット専用ツマミ51を押し下げて感熱部Aの感温メタル1と磁石2との吸着及び感温メタル1の鍋6の底面部への密接と、逆起電力発生部Bの磁石30の持上げセットとが行われ、次の自動消火作動が行える体勢を維持するものである(図5〜図7及び図9〜図11参照)。
【0033】
次に、図8に示した鍋無しの場合における感熱部Aと逆起電力発生部Bのリセット動作及びガス閉弁動作も先に説明した鍋有りの場合と同様の理により確実に行いうるもので、五徳50上に鍋6を載せることなくガスバーナ49が燃焼を続けた場合、いわゆる空焚き状態にあるときは感温メタル1がこれを感知して前述した理によりガス弁を自動閉止し安全を期するものである。
【0034】
以上この発明の実施の形態の一例について説明したが、この発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施しうることは勿論である。たとえば、この実施の形態ではテーブルこんろに適用したが、炊飯器等にも同様に適用できる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したこの発明の請求項1の加熱調理器の自動消火装置によれば、リセット時における温度により透磁率の変化する感温部材と磁石との吸着がリセットレバーとは逆方向に動く引き下げ部材でセンサー部を引き下げて行われ、感温部材に磁石が吸着した後はその引き下げ力を直ちに解除し、その後、センサー部全体がバネ力で上昇して感温部材が調理容器の底面に密接するようにしたから、感温部材に対する磁石の吸着が調理容器に荷重影響を与えることなく確実に行われる。したがって、感熱部のリセット時にセンサー頭部で調理容器を傾けたり、ひっくり返すなどの不具合が解消でき、常時安全、確実な使用ができる。
【0036】
また、この発明の請求項2の加熱調理器の自動消火装置によれば、リセットレバーとは逆方向に動く引き下げ部材が、ガイド用カムにガイドされて上下動すると同時に山形のガイド長孔に沿って左右へ移動する作動ピンにより作動されるストローク規制片と、該ストローク規制片と誤差吸収バネを介して連動する引き下げ片とで構成されているから、センサー部の引き下げによる感温部材と磁石の吸着と吸着後の引き下げ力の解除とが誤動作なく常に正確に行いうる。したがって、上記請求項1の奏する効果が簡単な構造のもとに実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の加熱調理器の自動消火装置をテーブルこんろに適用して点火連動とした鍋有り時における作動後リセット前の状態を示す全体の断面図である。
【図2】その要部だけの平面図である。
【図3】図2におけるY−Y線からの切断側面図である。
【図4】カム板部分だけの正面図である。
【図5】リセット専用ツマミでリセットする場合の鍋有り時における作動後リセットする前の状態を示した全体の断面図である。
【図6】同リセット途中の状態を示す全体の断面図である。
【図7】同リセット完了状態を示す全体の断面図である。
【図8】鍋無し時における作動後リセットする前の状態を示す全体の断面図である。
【図9】感熱部と逆起電力発生部との部分だけを示した一部切断正面図である。
【図10】図9のX−X線におけるセット時の断面図である。
【図11】同作動時の断面図である。
【符号の説明】
A 感熱部
B 逆起電力発生部
C 連動手段
D 引き下げ部材
F センサー部
1 感温メタル
2 磁石
9 戻しバネ
17 リセットレバー
21 引き下げ片
22 ストローク規制片
23 誤差吸収バネ
24 枢支ピン
25 ガイド長孔
26 作動ピン
25a 発条
27 ガイド用カム
27a,27b カム面
Claims (2)
- 調理容器の底面から受熱し、その温度に応じて透磁率が変化する感温部材と、上記感温部材の下面と向かい合って吸着、離脱する磁石と、上記磁石の離脱動作によりガスバーナへのガス流路を閉じるガス閉弁手段と、上記磁石が上記感温部材から離脱した状態から上端に上記感温部材を有するセンサー部を戻しバネに抗して降下させ上記磁石を上記感温部材に吸着させて後、センサー部を上記戻しバネで上昇して調理容器の底面に感温部材を密接させるリセット手段とを備えた加熱調理器の自動消火装置において、
上記リセット手段は、リセットレバーと連動してリセットレバーとは逆方向に動く引き下げ部材で感温部材に磁石が吸着するまでセンサー部を降下させ、感温部材に磁石が吸着した後は上記引き下げ部材による引き下げ力を解除して上記戻しバネでセンサー部全体を上昇させ調理容器の底面に感温部材を密接するようにしたことを特徴とする加熱調理器の自動消火装置。 - 上記引き下げ部材は、引き下げ片と該引き下げ片の引き下げストロークを一定に規制するストローク規制片とが上記引き下げ片による引き下げストロークと上記センサー部の降下ストロークの誤差を吸収するバネを介して支持板に共通の枢支ピンで枢設され、上記リセットレバーに穿った山形のガイド長孔に挿通支持された作動ピンが発条による引張力と相まって上記支持板に穿たれたガイド用カムのカム面にガイドされてリセットレバーとともに上下に移動することにより上記ガイド長孔を左右へ移動して上記ストローク規制片に係脱し、リセット時に作動ピンがストローク規制片に係合して引き下げ片をリセットレバーとは逆方向に一定のストロークだけ作動しセンサー部を引き下げ降下させるようにした請求項1記載の加熱調理器の自動消火装置。
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JP01798898A JP3871795B2 (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 加熱調理器の自動消火装置 |
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JP01798898A JP3871795B2 (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 加熱調理器の自動消火装置 |
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JPH11201457A (ja) | 1999-07-30 |
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