JPS6127557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱板上に着脱自在に鍋を載置して調理
する型式の炊飯器等のサーモスタツトに関するも
のである。

従来の炊飯器等に用いられるサーモスタツトに
よるヒータ回路の構造のものは鍋を取りはずして
いる状態で間違つてヒータ回路が閉路される事態
が発生した場合、高温になつた熱板が露出してい
るため各種の危険性を伴うだけでなく、ヒータの
過熱により器具が変形したり焼損するおそれもあ
る。特にサーモスタツトの感度を高めるため、鍋
底にサーモスタツトの感熱部を圧接させる型式の
ものは直接ヒータ温度を受感しないため上記の傾
向はいつそう顕著である。

また、鍋をヒータ上にのせた時、同時に別に設
けたピンなどを下方に押してこの下部に安全スイ
ツチなどを設けるものは、このための部品や機構
を必要とし、コストアツプとなり実用的でない。

熱応動装置にマグネツトと感熱フエライトを用
いたもので、温度変化を感知して吸引離間する移
動装置と、これと連動する操作レバーをもつたも
のでは、熱応動装置と鍋との非接触時には移動装
置が吸引しないように操作レバーの移動規制をす
るストツパーを設けたものもあるが、レバーとス
トツパーの位置関係と移動装置の移動距離との関
係を正確に設定した構造を必要とすることや、操
作レバーの長さを変更する度にストツパーの位置
関係を設定しなおしてやらねばならない等の欠点
があつた。

本考案はこの様な従来の欠陥を除去したもので
あつて、鍋を取りはずした状態ではヒータのスイ
ツチが確実に入らない様にして安全性を向上させ
た炊飯器等のサーモスタツトを提供せんとするも
のである。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明
する。

第１図，第２図はサーモスタツトを内蔵した炊
飯器の構成を示すもので１は着脱自在の鍋、２は
鉄板を上方開口で絞つたボデー、３は絞り加工で
成形し周囲をボデー内周に沿わせスポツト溶接で
固着した保護枠、４は保護枠３内周上に取付けた
アルミ鋳物の熱板で、シーズヒータ５を埋込んで
ある。６はサーモスタツトで以下に述べる構造の
ものが熱板４中央部の孔周辺に固定されている。
７はヒータ回路を開閉するスイツチでサーモスタ
ツトの移動装置と連動するレバー８の中辺に設け
た絶縁子９で開閉される。

第３図は本考案の一実施例を示すサーモスタツ
トである。１０はアルミ板の受熱板で裏面に感熱
素子としてのフエライト１１が装置され、これに
マグネツト１２が吸着していて、吸着離間の移動
装置１３が一体的に構成されている。１４は動作
バネで、前記フエライト１１とマグネツト１２の
吸着をはずす方向に附勢している。鍋１の温度上
昇に伴なつてマグネツト１２が所定の動作温度に
なると吸着力は弱まり、この動作バネ１４により
引はずされる。この運動は移動装置１３を経てレ
バー８に伝えられてスイツチ７を開路する。１５
はサーモスタツトの移動装置１３の移動を制限す
るストツパで、サーモスタツトケース２０の一部
を切起して設けられており、その先端は受熱板１
０に加締られて取付られた移動装置保護ケース１
６に設けられた開口部１７を貫通して移動装置の
上方移動を制限している。なお移動装置保護ケー
ス１６に設けられた開口部１７の大きさは限定さ
れた範囲での受熱板１０の上方向移動を可能とし
ている。１８は受熱板圧接用スプリングで上端は
移動装置保護ケース１６に、内面は移動装置１３
の吸着位置乂はその上方に位置させて移動時の動
作を妨げない位置に設けられた押出し突起１９に
突当つて、受熱板１０を鍋底に圧接するよう附勢
されている。

以上の構成になるサーモスタツト６の動作を説
明すると鍋１が熱板４上にある第１図状態でレバ
ー８を下方に押すと、マグネツト１２とフエライ
ト１１は吸着し同時にスイツチ７の接点が閉じ
る。一方第２図の様に鍋１を熱板４上からとりは
ずしているときはサーモスタツト６の受熱板１０
は第１図の場合より高い上限にあるためレバー８
を下方に操作してもサーモスタツト内の移動装置
１３はサーモスタツトケース２０に設けられた突
起１５に当りマグネツト１２はフエライト１１に
吸着せず、したがつて指を離せば再びレバー８は
上り、スイツチ７を閉路しつづけることはできな
い。第４図はこのときのサーモスタツトの状態を
示す。この状態の受熱板１０の上方移動限界は移
動装置保護ケース１６に設けられた開口部１７の
下端に制限され、受熱板１０が過度に飛び出して
受熱板が外傷を受けるのを防止する。

以上述べた様に本考案によれば、鍋をのせてい
ない時に誤まつて操作できない安全な構造の炊飯
器が容易にでき、このサーモスタツトを用いるこ
とにより通電中鍋をはずせば、自動的にスイツチ
が切れるとともに熱板上に鍋が載置されていない
のにヒータに通電されるというようなことは皆無
である。さらにこの機構をサーモスタツト自体に
組込んだことにより組立上の寸法誤差による動作
不良や、使用中の本体変形の影響もなくなるとい
う安全性の優れたサーモスタツトを得ることがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案になる炊飯器等のサーモスタツトの
一実施例を示すもので、第１図はサーモスタツト
を内蔵した炊飯器の例における熱板上に鍋を載置
した状態を示す部分断面図、第２図は同じく実施
例における鍋を取り外した状態の部分断面図、第
３図は第１図に示す状態におけるサーモスタツト
の拡大断面図、第４図は第２図に示す状態におけ
るサーモスタツトの拡大断面図である。 ６……サーモスタツト、１０……受熱部、１１
……フエライト、１２……マグネツト、１３……
移動装置、１５……ストツパ、１６……移動装置
保護ケース、２０……サーモスタツトケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱板上に被加熱物を載置した際に、該被加熱物
   と接する受熱部を有し、かつ感熱フエライトとマ
   グネツトを有する移動装置等で熱応動装置を構成
   し受熱部の温度変化を感知して吸引、離間する炊
   飯器等のサーモスタツトにおいて、サーモスタツ
   トケース２０にストツパ１５を設け、移動装置１
   ３と受熱部１０を一体的に装着した移動装置保護
   ケース１６の上昇限度を規制し、被加熱物とサー
   モスタツト６の受熱部１０の非接触時には熱応動
   装置のフエライト１１とマグネツト１２が吸引せ
   ざる如く構成したことを特徴とする炊飯器等のサ
   ーモスタツト。