JPS6110082Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガス炊飯器における安全バルブに関す
る。

従来のガス炊飯器は、炊飯が完了すると鍋底に
接触する感熱部が、鍋底の温度上昇を感知して、
押上げ用ロツドをスプリング弾撥力に抗して押し
下げ、レバーを介して、該レバーの他方端部に支
持されたステムを下降させ、ガス供給を停止させ
る機構であつて特殊機種を除く殆んどのものはこ
の作動性能を信頼する他なかつた。しかし若し感
熱部が何らかの原因で故障し、ガスが止まらず燃
焼が継続されると、器具が異常に過熱され、火災
発生の危険があつた。これを防ぐため電気炊飯器
においては温度ヒユーズを使用したものがある
が、ガス炊飯器においては全て上記の感熱部に全
面的に依存するものであつた。

本考案は上記欠点を解消し、感熱部が故障した
場合でも、ステムを下降させて、ガス供給を停止
させるようにした安全バルブを安価に提供するこ
とを目的とする。

この目的達成のため、本考案の大要は器具内の
異常な温度上昇に際し、ステムの下端を形成する
熱可溶性の樹脂を溶かし、ステムを下降させてガ
ス供給を停止させるものである。

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。

第１図、第２図は、通常の炊飯状態を示すもの
で、図において、１は炊飯鍋、２は鍋底に接する
感熱部、３は感熱部２と結合されて、炊飯用レバ
ー４を押し上げるためのロツドである。前記炊飯
用レバー４は、その他方側で、ガス弁５に装着さ
れたステム６を昇降自在に下方から支承してい
る。７はガスバーナ、８は、前記ステム６も弁閉
止方向（下方）へ付勢するスプリングである。９
は、弁が閉止されたとき、ガスの通過を確実に阻
止するため、ステム閉止面下部に装着されたＯリ
ングである。しかして、本考案によると、ステム
６の下端部は、第５図ａ，ｂに示すように、溶解
温度の比較的低い樹脂６ａが圧入、または、ねじ
込みによつて取りつけ形成されている。

通常の燃焼状態では、炊飯用レバー４とともに
感熱部２が鍋底に接し、これにより、前記ステム
６を、スプリング８の弾撥力に抗して押し上げ、
弁本体５の弁口１０を開き、ガス矢示Ｐに沿つて
導入し、バーナ７への供給して燃焼させる。

炊飯が終了して鍋底の温度が上昇すると、感熱
部がこれを感知し、ロツド３を下降させ、炊飯用
レバー４を押し下げ、これにより、ステム６は、
スプリング８の弾撥力により下降し、弁口１０を
閉止し、ガス供給を止めて消化する（第３図、第
４図）。併し、感熱部２の故障などにより、ロツ
ド３および炊飯用レバー４が下がらない異常事態
が発生すると、器内温度が上り、器内が設定温度
以上になるとステム６の樹脂部分６ａが溶け、第
６図に示すように炊飯用レバー４が揺動下降しな
くても、ステム６はスプリング８の作用により、
おし下げられ、弁口１０を塞ぎ、ガスの供給を止
めるよう作動する。

本考案の安全バルブは、ガス炊飯器の使用中に
おける最悪の事態を予想して設けられた安全装置
であつて、前記ステム下端部を形成する樹脂の種
類によつて、この安全装置の作動温度が定められ
る。

以上のように本考案は、感熱部に連動してガス
弁の開閉を行なうステムの下端部を熱可溶性の樹
脂で形成したので、器具内温度の異常上昇により
該樹脂を溶かし、ステムを作動させるようにした
ので、感熱部、炊飯レバーの故障により器具が過
熱し、火災が発生する事故が未然に防がれること
となつた。これにより、温度ヒユーズを用いたも
のに比べ、安価、かつ、確実に作動する安全バル
ブであつて、低価格商品の安全装置として極めて
需要度が高く、大きな効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す炊飯状態断面
図、第２図は第１図の要部拡大断面図、第３図は
炊飯完了時の消化状態断面図、第４図は第３図の
要部拡大断面図、第５図ａ，ｂは夫々ステム下端
部の拡大断面図、第６図は作用態様を示す断面図
である。 ２……感熱部、５……ガス弁、６……ステム、
６ａ……樹脂部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 感熱部に連動してガス弁の開閉を行うステムの
   下端部を熱可溶性の樹脂で形成し、感熱部の故障
   により炊飯完了後も燃焼が続く場合、器具内温度
   の異常上昇により、前記樹脂部分を溶かして、ス
   テムを下降させ、ガス弁を閉止させるようにした
   ガス炊飯器の安全バルブ。