JP5197339B2 - 炊飯器 - Google Patents
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また、流体通路は内釜及び内釜上面開口部を開閉自在に覆う蓋並びに蓋の内釜対面側に設けた内蓋と上面側に設けた蒸気口によって構成され、ボール状からなる弁体は内蓋の組立の際に構成されまた、ソレノイド及び関連動作部材は熱可塑性樹脂で形成された蓋下体の組立の際に構成されている(特許文献1参照)。
以上のことを踏まえつつ、構造面においては内釜内の内圧を常に受けている蓋下体のダメージが最も大きく、つまりは内圧により蓋が上方に押し上げられる力が発生し、高温にさらされるために熱可塑性樹脂製の蓋下体の変形が促進される。
また、同じく樹脂で形成された伝達部材についても同様の傾向である。一方で、樹脂は特性上、季節や成形条件によって寸法バラつきや反り等の現象が生じるために可動や嵌合部品などは特に精度の高い寸法管理が要求されることも周知である。
まず、弁体の開閉動作について述べると、弁体の閉じ動作が確実に行われないと、所定の圧力がかからなくなり圧力炊飯特有の粘りや弾力のある炊飯が出来なくなりおいしさが損なわれる。
また、逆に弁体の開き動作が確実に行われないと、釜内の圧力が抜けきれなくなって外圧との差が生じ、蓋を開けたときに釜内の熱せられたご飯が周囲に飛び散り火傷等の危険が生じる。
そもそも従来は蓋内部一体にパッキンが設けられていたが、炊飯時のおねば付着等で清掃性の観点から、近年はパッキンと一体の内蓋が本体蓋に着脱自在に設けられる方式が主流になっている。
つまりは内蓋が取付けられていないと、結局は釜内部をシールするパッキンが無いことから内釜内の温度が上昇せず、正常な炊飯が出来なくなってしまう。
ところが、洗浄等で内蓋を外すことが常の上、次に炊飯するときに取り付けを忘れてしまう例が少なくない。
また、他の一例としてはマイクロスイッチを用いて内蓋付け忘れを検知し、発熱体への電源入切を行うものも公知として有るが、マイクロスイッチ等のスイッチ構造体を設けるために、構造が複雑になりコストアップや大きさ・重量アップ等の問題があった。
図1は本発明の実施の形態1の炊飯器を示す斜視図、図2は同炊飯器の上蓋の断面図、図3は炊飯器の電気的構成を表すブロック図、図4は同炊飯器の炊飯工程におけるソレノイドの異常を示すフローチャート、図5は同炊飯器のソレノイドの正常動作時と動作不具合時における電流波形図である。なお、図1は理解を容易にするため、上蓋の一部を切欠している。
図1及び図2に示すように、炊飯器本体1は内部に着脱可能に内釜(図示省略)を備えている。その内釜は炊飯器本体1の内部に設けられた誘導コイルである加熱手段2によって加熱される。
その炊飯器本体1の上部手前側に操作パネル3が設けられている。その操作パネル3には炊き上がり状態等を表示する液晶表示の表示手段4と、炊飯キー5aや切り・保温キー5b等のキー入力手段5が設けられている。
また、蓋下体7の内面側にソレノイド10及びソレノイド10のプランジャ10aに取り付けられた方形枠状の伝達部材11と調圧室12が設けられている。
その伝達部材11は一端側中央部分がプランジャ10aの先端と連結しており、両端側がソレノイド10の両側に平行に延び、他端側がソレノイド10の端部より延出している。
また、調圧室12は上蓋6内の上蓋連通路6aを介して上蓋6の上面に設けられた蒸気吹出穴6bと連通している。
その調圧室12の伝達部材11側に形成された開放穴12aには開放穴12aを閉塞するように弁パッキン13が取り付けられ、その弁パッキン13にソレノイド10のプランジャ10aに取り付けられた伝達部材11の一端側が当接している。
さらに、その内蓋連通路9の内部側には調圧ボール14を内包する弁体室15が設けられている。その弁体室15の左右に穴15a、15bが設けられている。
そして、内蓋8が蓋下体7の外面側に取り付けられたときに、その弁体室15は蓋下体7の調圧室12内に配設される。
以上の構成において、ソレノイド10のプランジャ10aの動きを伝達部材4を介して調圧室12内に配設された弁体室15内の調圧ボール14を動かして内釜内の圧力をコントロールする。
さらに、内蓋8の前後方向の後端を蓋下体7の後端に設けた内蓋引掛り部7aに引掛け、内蓋8の前後方向の先端を蓋下体7の先端に摺動可能に設けた内蓋ストッパ16の係止爪15aに引掛けることにより、内蓋8を蓋下体7に着脱可能に取り付けている。なお、内蓋ストッパ16はバネ17により引掛り方向に付勢されている。
図3に示す制御手段20はマイコンからなり、予め格納されたプログラムに従って炊飯から保温の各工程を実施する。その制御手段20は炊飯器本体1内に配設された制御回路(図示省略)に設けられている。
制御手段20には、加熱手段である誘導コイルである加熱手段2と、キー入力手段5と、表示手段4と、ソレノイド10と、ソレノイド10の電流を検出する駆動電流検出手段21と、異常を報知する異常報知手段22とが接続されている。
この実施の形態1の異常報知手段22は警告ブザーとして異常音を発生して報知するようにしているが、異常状態を表示するようにしてもよい。
炊飯器本体1に米を入れた内釜をセットし、操作パネル3の炊飯スイッチ5aを押すと炊飯が開始される(ステップS1)。炊飯が開始されると、制御手段20は最初にソレノイド10に駆動電流を流す(ステップS2)。
ソレノイド10の正常動作時には、図5の(a)に示すように、ソレノイド10に流す駆動電流は例えば4秒のフル通電で80mAの電流が流れた後に位相制御領域に入ると12mAの電流が流れ、振幅が小さくなるが、ソレノイド10の動作不具合による異常動作時には、図5の(b)に示すように22mAの電流が流れ、振幅が小さくなりきれていない。
このように、ソレノイド10の動作不具合による異常動作時にソレノイド10に流す駆動電流が正常動作時よりも大きくなるのは、伝達部材11やプランジャ10a等の不具合からソレノイド10に過電流が流れるためである。そして、ソレノイド10に過電流が流れると、発熱を起こし、ソレノイド10のヒューズ切れや最悪は焼損を起こすことになる。
そこで、この振幅の違い、即ち電流値の違いからマイコンであるが制御手段20がソレノイド10が正常動作したか、異常動作したかを判定する。
このように制御手段20がソレノイド10に駆動電流を流し、その駆動電流を駆動電流検出手段21が検出する。そして、制御手段20では、駆動電流検出手段21が検出した電流値と予め設定された例えば17mAの基準値とを比較し、その電流値が基準値より小さい場合にはソレノイド10が正常動作したと判定し、その電流値が基準値より大きい場合にはソレノイド10が異常動作したと判定する。
制御手段20がソレノイド10が正常動作したと判定した場合は加熱手段2を駆動して炊飯工程を実施し(ステップS3、S4)、制御手段20がソレノイド10が異常動作したと判定した場合は加熱手段2を駆動せず、炊飯工程は実施されずに、異常報知手段22である警告ブザーを鳴らして異常を使用者に報知する(ステップS3、S5)。
そして、炊飯工程の実施後や、異常を使用者に報知した後にはソレノイド10への駆動電流の通電は停止される(ステップS6)。
なお、実施の形態1では、ソレノイド10が異常動作したと判定したときは、ソレノイド10への駆動電流の通電を停止すると共に加熱手段2に対する加熱制御を行わない例を示したが、図8に示すように、図4のステップS5の実行後、ステップS4を実行し、異常報知を行うとともに加熱手段2に対する加熱制御は行うが、ソレノイド10への駆動電流の通電を停止するようにしてもよい。また、図9に示すように、図4のステップS6を削除し、異常報知を行って加熱手段2に対する加熱制御は行わないが、ソレノイド10への駆動電流の通電を継続するようにしてもよい。
図6は本発明の実施の形態2の炊飯器を示す斜視図、図7は同炊飯器の上蓋の断面図である。なお、図6は理解を容易にするため、上蓋の一部を切欠している。
この実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態2は、実施の形態1と内蓋ストッパ16の構成が異なるものである。
この実施の形態2の内蓋ストッパ16は、係止爪16aの他に、その上面内側に蓋下体7を貫通して突出する伝達部材ストッパ16bを設けたものである。
内蓋8の上蓋6に対する未装着時には、内蓋ストッパ16がバネ17によって内蓋引掛け方向に付勢された位置にあり、内蓋ストッパ16の伝達部材ストッパ16bに伝達部材11におけるソレノイド10の端部より延出する他端側が当接するため、伝達部材11が動くことが阻止されるように構成されている。
このように内蓋ストッパ16がバネ17によって内蓋引掛け方向に付勢された位置にある状態で、炊飯器本体1の炊飯キー5aを入れると、炊飯開始となってソレノイド10に駆動電流が流れ、プランジャ10aがソレノイド10内に引き込まれようとするが、プランジャ10aの先端と連結されている伝達部材11の動きが内蓋ストッパ16の伝達部材ストッパ16bによって阻止されるため、プランジャ10aの動きがロックされると共に調圧ボール14が動かず弁動作の不具合が生じる。
その結果、最終的には内蓋8を取付けない状態での誤炊飯を防ぐことができる。
なお、実施の形態2においても、ソレノイド10が異常動作したと判定したときには、ソレノイド10への駆動電流の通電を停止すると共に加熱手段2に対する加熱制御を行わない例を示したが。実施の形態1で説明したのと同様に、図8に示すように、図4のステップS5の実行後、ステップS4を実行し、異常報知を行うとともに加熱手段2に対する加熱制御は行うが、ソレノイド10への駆動電流の通電を停止するようにしてもよい。また、図9に示すように、図4のステップS6を削除し、異常報知を行って加熱手段2に対する加熱制御は行わないが、ソレノイド10への駆動電流の通電を継続するようにしてもよい。
Claims (6)
- 内釜と、
該内釜を収容する炊飯器本体と、
該炊飯器本体に設けられ、前記内釜を加熱する加熱手段と、
前記炊飯器本体に開閉可能に取り付けられ、該炊飯器本体の開口部を閉塞する外蓋と、
該外蓋に設けられ、前記内釜内と外部とを連通する流体通路を閉塞又は開放する調圧弁と、
該調圧弁を可動させるプランジャを有するソレノイドと、
前記加熱手段と前記ソレノイドとを駆動制御する制御手段とを有する炊飯器において、
前記ソレノイドに流れる駆動電流を検出する駆動電流検出手段を備え、
前記制御手段は、前記駆動電流検出手段が炊飯開始時に検出した前記ソレノイドの駆動電流に基づいて前記ソレノイドが正常動作したか、異常動作したかを判定し、
前記ソレノイドが正常動作したと判定したときは前記ソレノイドへの駆動電流の制御と共に前記加熱手段を加熱制御して炊飯を行い、
前記ソレノイドが異常動作したと判定したときは前記加熱手段に対する加熱制御を行わないことを特徴とする炊飯器。 - 内釜と、
該内釜を収容する炊飯器本体と、
該炊飯器本体に設けられ、前記内釜を加熱する加熱手段と、
前記炊飯器本体に開閉可能に取り付けられ、該炊飯器本体の開口部を閉塞する外蓋と、
該外蓋に設けられ、前記内釜内と外部とを連通する流体通路を閉塞又は開放する調圧弁と、
該調圧弁を可動させるプランジャを有するソレノイドと、
前記加熱手段と前記ソレノイドとを駆動制御する制御手段とを有する炊飯器において、
前記ソレノイドに流れる駆動電流を検出する駆動電流検出手段を備え、
前記制御手段は、前記駆動電流検出手段が炊飯開始時に検出した前記ソレノイドの駆動電流に基づいて前記ソレノイドが正常動作したか、異常動作したかを判定し、
前記ソレノイドが正常動作したと判定したときは前記ソレノイドへの駆動電流の制御と共に前記加熱手段を加熱制御して炊飯を行い、
前記ソレノイドが異常動作したと判定したときは前記ソレノイドへの駆動電流の通電を停止することを特徴とする炊飯器。 - 前記制御手段は前記駆動電流検出手段が炊飯開始時に検出した前記ソレノイドの駆動電流の電流値と基準値とを比較し、その電流値が基準値より小さいときに前記ソレノイドが正常動作したと判定し、その電流値が基準値より大きいときには前記ソレノイドが異常動作したと判定することを特徴とする請求項1又は2記載の炊飯器。
- 異常報知を行う異常報知手段を備え、
前記制御手段は前記ソレノイドが異常動作したと判定したとき、前記異常報知手段を動作させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の炊飯器。 - 前記外蓋の下面に蓋下体を設け、該蓋下体の後端に設けられた内蓋引掛り部に内蓋の後端を引掛け、前記蓋下体の先端に摺動可能に設けられ、付勢手段により引掛り方向に常時付勢されている内蓋ストッパーの係止爪に前記内蓋の先端を係止させて前記蓋下体に前記内蓋を着脱自在に取り付けるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の炊飯器。
- 前記プランジャの先端に一端が取り付けられ、他端が前記ソレノイドの後端部から延出し、前記調圧弁と接離する伝達部材を備え、
前記内蓋ストッパーに前記内蓋未装着時に前記伝達部材の前記他端と当接する伝達部材ストッパーを設けたことを特徴とする請求項5記載の炊飯器。
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