JP3864325B2 - 缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物及びそれを用いた被覆方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶印刷用エネルギー線硬化インキ組成物及びそれを用いた印刷方法に関するものであり、更に詳しくは、紫外線照射時の密着性及び硬化性が良好で、オーバープリント用ワニス、特に加工性が比較的劣る水性オーバープリント用ワニスと組み合わせた場合でも加工性が良好なエネルギー線硬化型印刷インキ組成物及びそれを用いた印刷方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、エネルギー線硬化型インキ、特に紫外線硬化型インキは、缶印刷用インキとして多く使用されている。しかし光ラジカル重合で硬化する紫外線硬化型インキの硬化速度は使用するアクリレート又はメタクリレートモノマーの官能基数に大きく影響を受け、官能基数が多くなるほど硬化性は向上するが、硬化収縮も大きくなり下地に対する密着性が低下するという相反する問題を抱えている。
【0003】
紫外線照射直後に印刷板を積み重ねる3ピ−ス缶の印刷方法の一つであるオーブンレス方式では、3官能以上のアクリレート又はメタクリレートモノマーを併用しないとインキの硬化性が遅く、紫外線照射量によっては紫外線照射後でもインキが粘着性を持ち、積み重ねられた印刷板同士が接着し、後工程で更に印刷又は塗装する際に容易に印刷板を供給できなかったり、インキが裏移りするブロッキングという問題が発生する。
【0004】
また3官能以上のアクリレート又はメタクリレートモノマーを併用した場合、下地によっては密着性不良の問題から印刷機通過時にインキが剥離するドライバックという問題が発生する。また3官能以上のアクリレート又はメタクリレートモノマーを併用しても紫外線に対し非反応性の非常に柔らかな樹脂を併用すれば、密着性の問題は解決できるが、同時にブロッキングの問題が発生する。したがってオーブンレス方式ではラジカル硬化型インキの密着性を考慮した下地塗料を使用する必要があり適用が制限される。また下地塗料のラジカル硬化型インキに対する密着性を向上させるためには、下地塗料に高価なアクリルオリゴマー等を添加することとなりコストアップになる。性能的にも着色や塗料が原因のブロッキングが発生する可能性が高まる等問題であった。2ピース缶に適用される場合では、印刷速度が速いため紫外線の照射量が少なくなり、且つ下地塗料が塗装されないアルミ缶直刷りやラジカル硬化型インキの密着性を考慮していないベースコート、ホワイトコーチングを塗装する等の仕様が考えられるため、より硬化性及び密着性が良好なインキが必要となる。
【0005】
更に近年環境対策の一環としてオーバープリント用ワニスの水性化が進行している。水性型オーバープリント用ワニスに用いられる架橋剤としてのアミノ樹脂は、水溶化の問題から溶剤型オーバープリント用ワニスに使用されるものに比較して、低分子量であり、アルキル基もメチル基、エチル基等が多く、塗料としての加工性が劣る傾向がある。したがってラジカル硬化型インキと複合被膜を形成させた場合の加工性も劣り、厚盛で使用されるインキと組み合わせた場合ネック加工で傷が入る等実用上の問題が発生する可能性がある。
【0006】
更に溶剤型オーバープリント用ワニスを使用する場合でも、特に白インキで白色度が必要とされ厚盛にせざるを得ない様な場合は、オーバープリント用ワニスと組み合わせた際の加工性が良好なインキが必要となる。特開昭56−93776では、特定のアクリレート又はメタクリレートモノマーと環状ケトン樹脂、石油樹脂及び芳香族炭化水素・ホルムアルデヒド樹脂よりなる群からなる固形樹脂を組み合わせた紫外線硬化型印刷インキ組成物が提案されているが、該組成物は密着性には優れるもののブロッキング性、水性型オーバープリント用ワニスと組み合わせた場合の加工性等は満足するレベルに無かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、特別にラジカル硬化型インキに対する密着性を考慮していない下地に対しても十分な下地密着性を有し、加工性が劣る水性オーバープリント用ワニスとの組み合わせに於いても良好な加工性を有する硬化性良好なエネルギー線硬化型印刷インキ及びそれを用いた被覆方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究した結果、特定のトリアジン環誘導体と3官能以上のアクリレート又はメタアクリレートを含有する缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物が上記課題を解決することを見出し本発明を完成した。即ち、本発明の第一の構成は、一般式(I)で表され、数平均分子量が600〜5000であり常温において固体であるトリアジン環誘導体と、一般式(II)で表される3官能以上の多官能アクリレート又はメタクリレートを含有することを特徴とする缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物である。
【0009】
【化3】
【0010】
〔式中のR1、R2、R3は、−CH3 、−C6H5、−C6H5COOH、−C6H11、−NR4R5(R4、R5 は、−H、−CH2OH、−CH2OCH3、−CH2OC2H5、−CH2OC3H7、−CH2OC4H9、−CH2OC5H11 、であり、同一の基でも異なっていてもよい。更に、Nに直接又は−CH2− 、−CH2OCH2−を介して結合した一般式(I)でもよい。)R1、R2、R3 は、同一の基でも異なっていてもよい。〕
【0011】
【化4】
【0012】
〔式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は3価以上のアルコール残基、エーテル残基又はエステル残基、nは3以上の整数。〕
【0013】
又、本発明は、前記したトリアジン環誘導体が、−CH2OCnH2n+1(n=3〜5)基を含有する缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物に関する。
【0014】
更に、本発明は、前記したトリアジン環誘導体がメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、安息香酸グアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、アセトグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、及び、シクロヘキシルグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂である缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物に関する。
【0015】
本発明の第二の構成は、前記した缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物を缶外面に印刷し、そのまま、又は該インキ組成物を活性エネルギー線で硬化させた後、更にその上に活性エネルギー線硬化型オーバープリント用ワニス又は熱硬化型オーバープリント用ワニスを塗布し、活性エネルギー線硬化及び/又は加熱硬化させることを特徴とする被覆方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に用いる、各成分について詳細に説明する。本発明に使用されるトリアジン環誘導体は一般式(I)で表され、数平均分子量が600〜5000であり常温において固体であるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、安息香酸グアナミンーホルムアルデヒド樹脂、アセトグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、シクロヘキシルグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂等が好ましく用いられ、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましく用いられる。
【0017】
【化5】
【0018】
〔式中のR1、R2、R3は、−CH3、−C6H6、−C6H5COOH、−C6H11、−NR4R5(R4、R5は、−、−H、−CH2OH、−CH2OCH3、−CH2OC2H5、−CH2OC3H7、−CH2OC4H9、−CH2OC5H11、−CH2−A、−CH2OCH2−A。R4、R5は、同一の基でも異なっていてもかまわない。)R1、R2、R3は、同一の基でも異なっていてもかまわない。〕
【0019】
また本発明のトリアジン環誘導体は上記一般式(I)に於けるR4、R5として、オーバープリント用ワニス、特に水性型オーバープリント用ワニスと組み合わせた場合の加工性を維持する点、更に平版印刷インキとして使用した場合の乳化適性を向上させる点に於いて、−CH2OCnH2n+1(n=3〜5)基を含有することが好ましい。
【0020】
また本発明のトリアジン環誘導体の配合量は、密着性及び加工性の改善、適当な粘度で印刷適性を得るため、印刷インキ組成物に対して3〜50重量%の範囲が好ましい。
【0021】
本発明に使用されるトリアジン環誘導体は、単独あるいは複数を混合して使用することができる。またトリアジン環誘導体が3重量%以上配合されていれば、他の任意の樹脂を併用することができる。ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、脂肪酸変性アルキッド樹脂、シリコン変性アルキッド樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アルキッドアクリレート樹脂等が例示できる。
【0022】
本発明の3官能以上の多官能アクリレート又はメタクリレートは一般式(II)で表すことが可能な任意の多官能アクリレート又はメタクリレートが使用でき、特に制限はない。
【0023】
【化6】
【0024】
〔式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は3価以上のアルコール残基、エーテル残基又はエステル残基、nは3以上の整数。〕
【0025】
トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパトリアクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパテトラアクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、EO変性グリセリントリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸PO変性トリアクリレート、多価アルコールと酸からなる3官能以上のポリエステルアクリレート、多価アルコールと酸からなる3官能以上のEO変性ポリエステルアクリレート、多価アルコールと酸からなる3官能以上のPO変性ポリエステルアクリレート等が例示できる。
【0026】
本発明の3官能以上の多官能アクリレート又はメタクリレートは、硬化性の改善、密着性の改善の点で、印刷インキ組成物に対して5〜65重量%の範囲が好ましい。
【0027】
本発明の3官能以上の多官能アクリレート又はメタクリレートは、単独あるいは複数を混合して使用することができる。また印刷インキ組成物に対して30重量%以下であれば、任意の単官能あるいは2官能のアクリレート又はメタクリレートを単独又は混合して併用することが出来る。30重量%以上になるとブロッキング性が低下し好ましくない。
【0028】
本発明のエネルギー線硬化型印刷インキに使用される光重合開始剤は、必ずしも必要ではないが添加する場合は0.1〜20重量%の範囲で任意の光重合開始剤を単独あるいは複数を混合して添加することが出来る。光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射によりフリーラジカルを発生する化合物であり、例えばベンゾインエーテル、α−アシロキシムエステル、ベンジルケタール、アセトフェノン誘導体、アシルフォスフィンオキサイド、α−ジカルボニル、芳香族ケトン、チオキサントン等を例示することができる。
【0029】
本発明のエネルギー線硬化型印刷インキ組成物には、必要に応じて無機及び有機顔料、ドライヤー、触媒、硬化剤、安定剤、ワックスあるいは充填剤等の助剤を併用することが出来る。
【0030】
本発明のインキ皮膜の硬化方法は、紫外線あるいは電子線等のエネルギー線を照射し硬化させることが出来る。オーバープリント用ワニスを塗装する場合は、オーバープリント用ワニスを塗装する前あるいは、オーバープリント用ワニスを塗装した後、紫外線あるいは電子線等のエネルギー線を照射し硬化させることが出来る。
【0031】
本発明のインキ上に塗装することが出来るオーバープリント用ワニスは、紫外線あるいは電子線等のエネルギー線を照射し硬化させるタイプ、または加熱硬化させるタイプ等任意のオーバープリント用ワニスを使用することが出来る。
【0032】
必要に応じてエネルギー線照射後、加熱硬化させる手段をとることも可能である。
【0033】
本発明のインキは、ドライオフセット方式、湿し水を使用するオフセット印刷など通常の印刷方式によって容易に印刷することが出来る。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の理解を容易にするため、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、例中の部及び%は重量基準によるものである。
【0035】
(インキ用樹脂の合成)
(実施例樹脂1)
攪拌機、温度計、水追い出し式還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、メラミン126部、「コーエイホルミットB」(広栄化学工業(株)製のホルムアルデヒド/n−ブタノール/水=4/5/1(重量部比))なる組成のもの374部、及び、n−ブタノール257部を仕込んで、常法にて反応を行い、しかる後、減圧下で、過剰のn−ブタノールを溜去せしめることにより、トリアジン環誘導体である数平均分子量1600のブチル化メラミン樹脂を得た。この樹脂50部をM−310(東亜合成製 PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)50部に溶解し、実施例樹脂1を得た。
【0036】
(実施例樹脂2)
攪拌機、温度計、水追い出し式還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ベンゾグアナミン187部、「コウエイホルミットB」を225部、及び、n−ブタノール184部を仕込んで、常法にて反応を行い、しかる後、減圧下で、過剰のn−ブタノールを溜去せしめることにより、トリアジン環誘導体である数平均分子量1200のブチル化ベンゾグアナミン樹脂を得た。この樹脂50部をM−310(東亜合成製 PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)50部に溶解し、実施例樹脂2を得た。
【0037】
(比較例樹脂1)
攪拌機、温度計、水追い出し式還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、メラミン126部、「コウエイホルミットB」374部、及び、n−ブタノール257部を仕込んで、常法にて反応を行い、しかる後、減圧下で、過剰のn−ブタノールを溜去せしめることにより、トリアジン環誘導体である数平均分子量1600のブチル化メラミン樹脂を得た。この樹脂50部をM−220(東亜合成製 トリプロピレングリコールジアクリレート)50部に溶解し、比較例樹脂1を得た。
【0038】
(比較例樹脂2)
攪拌機、温度計、水追い出し式還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、メラミン126部、ホルムアルデヒド195.6部、メタノール384部を仕込んで、常法にて反応を行い、しかる後、減圧下で、過剰のメタノールを溜去せしめることにより、トリアジン環誘導体である数平均分子量500のメチル化メラミン樹脂を得た。この樹脂50部をM−310(東亜合成製 PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)50部に溶解し、比較例樹脂2を得た。
【0039】
(比較例樹脂3)
DCO脂肪酸400部、トリメチロールプロパン281部、フタル酸281部を常法にてエステル化しアルキッド樹脂を得、この樹脂50部をM−310(東亜合成製 PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)50部に溶解し、比較樹脂3を得た。
【0040】
(インキの調製)
上記した実施例樹脂1又は2、比較例樹脂1、2又は3及びバンビームUV22A(エポキシアクリレートオリゴマー 播磨化成製)を用いて以下の組成でインキを調製した。
【0041】
(実施例インキ1)
タイペークCR58−2(石原産業(株)製 酸化チタン)50部、実施例樹脂1を35部、M−310(東亜合成製 PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)12部、カヤキュアーDETX−S(日本化薬製 アルキルチオキサントン)3部を通常の3本ロールミルで練肉攪拌し、白色インキを得た。
【0042】
(実施例インキ2)
タイペークCR58−2(石原産業(株)製 酸化チタン)50部、実施例樹脂2を35部、M−310(東亜合成製 PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)12部、カヤキュアーDETX−S(日本化薬製 アルキルチオキサントン)3部を通常の3本ロールミルで練肉攪拌し、白色インキを得た。
【0043】
(比較例インキ1)
タイペークCR58−2(石原産業(株)製 酸化チタン)50部、比較例樹脂1を35部、M−220(東亜合成製 トリプロピレングリコールジアクリレート)12部、カヤキュアーDETX−S(日本化薬製 アルキルチオキサントン)3部を通常の3本ロールミルで練肉攪拌し、白色インキを得た。
【0044】
(比較例インキ2)
タイペークCR58−2(石原産業(株)製 酸化チタン)50部、比較例樹脂2を35部、M−310(東亜合成製 PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)12部、カヤキュアーDETX−S(日本化薬製 アルキルチオキサントン)3部を通常の3本ロールミルで練肉攪拌し、白色インキを得た。
【0045】
(比較例インキ3)
タイペークCR58−2(石原産業(株)製 酸化チタン)50部、比較例樹脂3を35部、M−310(東亜合成製 PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)12部、カヤキュアーDETX−S(日本化薬製 アルキルチオキサントン)3部を通常の3本ロールミルで練肉攪拌し、白色インキを得た。
【0046】
(比較例インキ4)
タイペークCR58−2(石原産業(株)製 酸化チタン)50部、バンビームUV22Aを35部、M−310(東亜合成製 PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)12部、カヤキュアーDETX−S(日本化薬製 アルキルチオキサントン)3部を通常の3本ロールミルで練肉攪拌し、白色インキを得た。
【0047】
実施例インキ1、2及び比較例インキ1〜4のタックバリューが皆20となるよう夫々のインキに以下のアクリレートモノマーを添加した。すなわち、実施例インキ1、2及び比較例インキ2〜4にはM−310を、比較例インキ1にはM−220をそれぞれ添加しタックバリューを調整した。
【0048】
(下地板の調整)
板厚0.2mmのブリキ板にP−703サイズ塗料(大日本インキ化学製 ラジカル硬化型インキの密着性を考慮していないベースコート塗料)を15mg/100cm2 の塗布量で塗装し、160℃ 10分間焼付け、下地板1を得た。
【0049】
板厚0.2mmのブリキ板にP−704サイズ塗料(大日本インキ化学製 ラジカル硬化型インキの密着性を考慮してるベースコート塗料)を15mg/100cm2 の塗布量で塗装し、160℃ 10分間焼付け、下地板2を得た。
【0050】
(印刷)
タックバリュ−を20に調整した各白色インキをインキ皮膜厚が3μmとなるように下地板1又は2にRIテスターで印刷した。印刷に引き続き、紫外線照装置CS40L−1(日本電池製 160W/cmメタルハライドランプ使用 照射距離15cm コンベアースピード40m/min)にて紫外線を照射した。
【0051】
(塗装)
各印刷板上に3W−104C/V(大日本インキインキ化学製 水性型オーバープリント用ワニス)を塗膜厚が6μmとなるようにコーターで塗装した。塗装に引き続き、185℃ 10分間焼付乾燥した。
【0052】
(乳化性試験)
各インキ50gに対し、水道水85g、イソプロピルアルコール15gを加え、10分間攪拌し、攪拌後のインキ及び乳化水の状態を評価した。
【0053】
(密着性試験)
各インキを各下地板に印刷した印刷板の密着性を紫外線照後直ちにJIS K 5400碁盤目テープ法にて評価した。
【0054】
(ブロッキング性試験)
各インキを各下地板に印刷した印刷板を10×10cmの大きさに切断し、塗装していないブリキ板を重ねる。これを一組とし更に全ての組み合わせの印刷板を重ね、全体を45℃に加熱後、300g/cm2 の圧力を加え、24時間放置する。24時間後1枚1枚を引き離しその接着性を評価する。
【0055】
(加工性試験)
各インキを各下地板に印刷し、その後塗装した印刷印刷板をJIS K5400デュポン式衝撃変形試験機 高さ20cmで評価する。
【0056】
(評価方法)
(1)乳化性:10分間攪拌後のインキが乳化水に分散し、乳化水の白濁が著しいものを×、著しくないものを○と評価した。
(2)密着性:テープ剥離後、欠損部分が全く無いものを○、欠損部分が全面積の20%以下であるものを△、それ以上のものを×と評価した。
【0057】
(3)ブロッキング性:印刷板をブリキ板から引き離す際の接着力が、比較的強いものを×、弱いものを○と評価した。
(4)加工性:衝撃変形を加えた後の印刷塗装面に割れ、はがれが生じないものを○、割れ、はがれが微少なものを△、割れ、はがれが大きいものを×と評価した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明のトリアジン環化合物と、3官能以上の多官能アクリレート又はメタクリレートを含有することを特徴とする缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物は、平版適性を考慮した乳化適性が良好で、ラジカル硬化型インキの密着性を考慮していない下地塗料に対しても十分密着し、硬化性も良好であり、ドライバック、ブロッキングの発生に対し有効であり、水性型オーバープリント用ワニスと組み合わせても加工性が良好である。
Claims (4)
- 一般式(I)で表され、数平均分子量が600〜5000であり常温において固体であるトリアジン環誘導体と、一般式(II)で表される3官能以上の多官能アクリレート又はメタクリレートを含有することを特徴とする缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物。
- 前記したトリアジン環誘導体が、−CH2OCnH2n+1(n=3〜5)基を含有する請求項1に記載の缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物。
- 前記したトリアジン環誘導体がメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、安息香酸グアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、アセトグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、及び、シクロヘキシルグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂である請求項1又は2に記載の缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物。
- 前記した請求項1〜3の何れかに記載の缶印刷用エネルギー線硬化型印刷インキ組成物を缶外面に印刷し、そのまま、又は該インキ組成物を活性エネルギー線で硬化させた後、更にその上に活性エネルギー線硬化型オーバープリント用ワニス又は熱硬化型オーバープリント用ワニスを塗布し、活性エネルギー線硬化及び/又は加熱硬化させることを特徴とする被覆方法。
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