JP4174705B2 - 紫外線硬化性インキ及び該インキを用いた印刷物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紙やプラスチックシートなどの基材に平版印刷機を用いて印刷する際に使用する紫外線硬化性インキに関する。
さらに該インキで印刷した上に、透明ニスを上刷りすることで高光沢と高耐摩擦性を付与した印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化重合乾燥型の油性インキを用いる印刷では、印刷物の乾燥に時間がかかるため、作業効率の低さが問題であった。これを解決するものとして紫外線硬化性インキがあるが、油性インキ並の平版印刷適性が得られないことの他、油性インキ用の印刷機で紫外線硬化性インキを使用するとゴムローラーが膨潤する等の問題があった。
【0003】
また、これらの問題を低減する手段として、酸化重合乾燥型の油性インキ上に、該インキの乾燥前に連続して紫外線硬化性の透明ニスを上刷りし、紫外線照射乾燥する方法が知られており、油性インキの良好な印刷適性や扱いやすさと、紫外線硬化による短時間での乾燥の両者を享受し得る印刷法として用いられている。
【0004】
しかしながら、上記印刷法で得られる印刷物は、下刷りの油性インキが完全に硬化するまでに時間がかかるため、経時で光沢が低下する、いわゆるグロスバックという欠点があった。また、下刷りインキに紫外線硬化性インキを用いる場合に比べ、酸化重合型油性インキに必須の重金属ドライヤーや石油系溶剤分が印刷物に残留するという環境負荷的な問題があった。さらに、印刷直後では、乾燥が不十分であるため、耐摩擦性に劣るといった問題もあった。
【0005】
これらの課題を解決するために、特開平10−052948の出願公開では油性インキと紫外線硬化性インキの両成分を混合した形のインキとそれを用いた印刷方法が開示されている。
これは従来の油性インキに紫外線硬化性成分を混合したものであり、紫外線硬化によってインキ表面のみを印刷直後に乾燥させてインキの耐ブロッキング性を向上し、印刷物スノコ取り作業の削減や、スプレーパウダーの削減を実現する発明である。しかし、該インキでは油性インキに近い平版印刷適性が期待されるものの、金属ドライヤーや石油系溶剤分を含んでおり、環境負荷的な問題を残しているうえ、完全に硬化乾燥するには油性インキと同様な時間がかかるという問題がある。
【0006】
また特開昭57−123272の出願公開で水添ビスフェノールAのアクリル酸エステルを主成分とし、石油樹脂あるいはキシレン樹脂を併用した軽油溶解型紫外線硬化性インキの発明が開示されている。
この発明は前記のインキに比べ、金属ドライヤーや揮発性溶剤分を含まず、また、瞬間的に紫外線硬化乾燥するものの、
1)インキ中に用いられる主アクリルモノマーが高粘度である為、組み合わせて用いる固形樹脂の種類や添加量が限られ、十分な印刷適性が得難い、
2)主アクリルモノマーの官能度が低く、充分な紫外線硬化性が得難い、
3)主アクリルモノマーに固形樹脂を溶かしてワニスを製造する場合、軟化点の高い樹脂を用いると溶解に時間がかかり、また、軟化点の低いものを用いると得られる紫外線硬化性インキの紫外線硬化性が劣る、
等の欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、油性インキの良好な印刷適性や扱いやすさと、紫外線硬化による瞬間的な乾燥の両者を享受し得る印刷インキ及び該インキを用いる印刷物を提供しようとするものである。
【0008】
また、印刷インキ上に連続して紫外線硬化性の透明ニスを上刷りし、紫外線硬化する印刷方法に用いられるインキとして油性インキを用いた場合のグロスバックや重金属残留の問題を解消する、印刷作業性に優れた高品質な紫外線硬化性インキを提供するものである。
また該インキを使用することにより、より生産性に優れ、光沢及び耐摩擦性に優れた印刷物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ポリオキシアルキレンブロックを有する多官能(メタ)アクリル酸エステルでありn−ヘキサンと相溶する紫外線硬化性モノマーと、該モノマーに相溶する樹脂とを含有することを特徴とする紫外線硬化性インキを提供する。
本発明は、紫外線硬化性インキに必須なビヒクル成分を構成する紫外線硬化性の主ワニスを、その親油性が良好となるように調整し、かつ充分な紫外線硬化性を付与することにより、油性インキ並の良好な印刷適性と扱いやすさと、紫外線硬化性インキの瞬間的硬化特性とを両立させている。
【0010】
特に、n−ヘキサントレランス値が4以上となるように調整されたワニスはインキに親油性を付与するために好適にもちいられる。
このような親油性ワニスで、かつ充分な紫外線硬化性を有するものを得るには、n−ヘキサンと相溶する多官能性の紫外線硬化性モノマーに、これと相溶する樹脂を混合、溶解することで均一な粘調液体を得ればよい。
【0011】
上記の手段により、前記のワニスを主ビヒクルとして用いる紫外線硬化性インキはビヒクルの親油性が高いため、湿し水を使用する平版オフセット印刷において良好な乳化適性を示すと共に、平版印刷機に用いられるブランケットやローラー等のゴム材料への浸透性が小さいという利点を備えている。
また、軽油などの一般油性インキ用洗浄剤での洗浄が可能となり、油性インキ用印刷機材・版材をそのまま使用した印刷が可能となる。
【0012】
さらに、本発明の紫外線硬化性インキは一般の油性インキと同様な印刷しやすさを備えながら、多官能性モノマーをビヒクルの主構成要素とするため紫外線硬化性に優れている。従って、通常の酸化重合乾燥型油性インキを用いる代わりに、該紫外線硬化性インキを用いて印刷し、その上に連続して紫外線硬化性の透明ニスを上刷りした後に紫外線照射により硬化乾燥させた印刷物は、油性インキを用いた場合に比べて光沢に優れ、グロスバックが少なく、かつ、印刷直後の耐摩擦性にも優れている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明で用いられる紫外線硬化性モノマーは、ポリオキシアルキレンブロックを有し、かつ1分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸エステルであってn−ヘキサンと相溶するものである。
【0015】
この多官能(メタ)アクリル酸エステルは印刷機に使用されるゴム材料への浸透が抑制されるに充分大きな分子量を有するものであれば、いずれも使用可能であるが、そのような紫外線硬化性モノマーとしては、例えば、多価アルコール類、アミン類等の活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸とをエステル反応させて得られるポリオキシアルキレンポリオールポリアクリレートが上げられる。
その際使用される多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールまたは、ソルビトールが上げられる。
アミンとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミンが上げられる。
上記アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、トリメチレンオキサイド(オキセタン)、テトラメチレンオキサイド(テトラヒドロフラン)が上げられる。これらのアルキレンオキサイドは単独又は混合して用いられるが、n−ヘキサンとの相溶性を良好ならしめるには、アルキレンオキサイドの酸素原子数に対する炭素原子数の比率が3以上となるようにすることが好ましい。
【0016】
ポリオキシアルキレンポリオールポリアクリレートの好ましい数平均分子量は400〜1500であり、より好ましくは500〜800である。分子量が小さ過ぎる場合は、印刷機のゴムローラーへの浸透性が大きくなるため、印刷機上でのインキの良好な安定性が得られない。また、分子量が大き過ぎる場合は、アクリロイル基当量が大きくなり、適切なインキの紫外線硬化性が得られない。
【0017】
ポリオキシアルキレンポリオールポリアクリレートの官能度は3〜6が好ましい。
官能度が高いほど、1分子当たりに導入されるアクリロイル基が多くなり、インキの架橋形成能が高く、紫外線硬化性が速くなるが、モノマー分子中のアクリロイル基比率が高くなりすぎると、n−ヘキサンへの溶解性は損なわれる。
【0018】
従って、本発明で用いられる紫外線硬化性モノマーとして、最も好ましいものは、例えば、トリメチロールプロパン1モル当たりにプロピレンオキサイドを平均で4〜9モル付加して得られるポリオキシプロピレントリメチロールプロパントリアクリレートである。
【0019】
本発明に使用される樹脂としては、前記紫外線硬化性モノマーに溶解する印刷インキ用樹脂であれば、特別な制限無く用いられる。そのような樹脂としては、例えば、親油性ポリエステル樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂などが好適に使用できる。
【0020】
前記親油性ポリエステル樹脂として、一塩基酸と、多塩基酸と、多価アルコールとを用いて得られるポリエステル樹脂を用いる場合は、該樹脂を合成する際の原料中に占める脂肪族一塩基酸および又は脂環式一塩基酸の割合が15〜80質量%の範囲、より好ましくは、20〜65質量%なる範囲であるポリエステル樹脂が好適に使用できる。
【0021】
すなわち、脂肪族一塩基酸および又は脂環式一塩基酸の使用割合が15質量%未満となる場合には、得られるポリエステル樹脂の親油性が低く、ワニス化した場合のn−ヘキサントレランス値が低くなり、これを使用したインキの洗浄性(軽油等の一般油性インキ用洗浄溶剤による)が劣る。
【0022】
また、脂肪族一塩基酸および又は脂環式一塩基酸の使用割合が80質量%を超えて用いられる場合には、得られるポリエステル樹脂の軟化点が低くなり、これを配合して得られるインキの紫外線硬化性が低下するので好ましくない。
【0023】
また、前記ポリエステル樹脂としては、2、000〜50,000の範囲内の重量平均分子量が適当であり、より好ましくは、5,000〜45,000の範囲内の重量平均分子量を有するものが適当である。
すなわち、重量平均分子量が2,000未満の場合、顔料分散性が悪くこれを用いて得られるインキの印刷適性が劣る他、紫外線硬化性も劣る傾向がある。一方、ポリエステル樹脂の分子量が大きいほど、これを用いた紫外線硬化性インキの紫外線硬化性やミスチング、乳化適性が向上するが、50,000を超える場合には、取り扱いにくく、加えて、反応性希釈剤の必要量が増えることとなり、ひいては紫外線硬化後の被膜物性に劣るようになるので好ましくない。
【0024】
前記一塩基酸としては、例えば、ロジン、水添ロジン等の脂環式一塩基酸;ラウリン酸、ステアリン酸、植物油由来の脂肪酸等の脂肪族一塩基酸;安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸等の芳香族一塩基酸などが上げられる。
【0025】
また、前記多塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、(無水)フタル酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、2,6−ナプタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはヘキサヒドロ(無水)フタル酸などであるが、これらの酸類は、単独使用でも2種以上の併用でも良いことは、勿論である。
【0026】
他方、前記した多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはトリプロピレングリコールなどであり、さらには重量平均分子量が200〜4,000なる範囲のテトラメチレングリコール、あるいは1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドないしはプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドないしはプロピレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールまたは、ソルビトールなどである。これらの多価アルコール類は、単独使用でも2種以上の併用でも良いことは,勿論である。
【0027】
ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂製造後に前記紫外線硬化性モノマーで希釈し、粘調なワニスとしてインキ配合に用いる。モノマー希釈量は、取り扱いに適したワニス粘度になる範囲であれば特に制限はないが、ポリエステル樹脂に対し20〜200質量%の範囲で使用するのが好ましい。
【0028】
前記ポリエステル樹脂は、さらに、紫外線硬化性を向上させる目的で、イソシアネート化合物で変性することが出来る。イソシアネート化合物として代表的なものには、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはキシリレンジイソシアネートの如き芳香族ジイイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメチルヘキサンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート;またはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4(ないしは2,6)−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)もしくは1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサンの如き脂環式ジイソシアネート類やあるいは、これらの各ジイソシアネート類と多価アルコールとのアダクト体、水などとのビュレット体、さらには、上掲された各種ジイソシアネート類同士の共重合体等のポリイソシアネート化合物類等のいずれも使用することが出来る。
【0029】
イソシアネート化合物の使用量としては、当該ポリエステル樹脂中の水酸基(OH)とイソシアネート化合物中のイソシアネート基(NCO)との比が、OH/NCO=1/0.05〜1/0.9なる範囲が好ましく、より好ましくは1/0.1〜1/0.7なる範囲である。
1/0.05より大きいと効果がなく、1/0.9より小さいと粘度が高くなりすぎ不適当である。
【0030】
前記石油樹脂としては、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂を上げることができる。、これらいずれの樹脂にても効果を得られるが、樹脂の軟化点が80℃以上であることが、得られる紫外線硬化性インキの紫外線硬化性を保持する上で重要である。さらに、軟化点120℃以上がより好ましく、さらに好ましくは140〜170℃の石油樹脂が、紫外線硬化後のインキ皮膜強度を高めるために有効である。
【0031】
前記ロジンエステル樹脂としては、
イ)ロジンと無水マレイン酸、フマル酸など多塩基酸と多価アルコールとの縮合物からなる変性ロジンエステル樹脂、
ロ)ロジンとグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールとの縮合物からなるロジンエステル樹脂、
ハ)重合ロジンと多価アルコールとの縮合物からなるロジンエステル樹脂、
などを上げることが出来る。
これらいずれの樹脂にても効果を得られるが、中でも酸価が20〜40のマレイン酸変性ロジンエステル樹脂が望ましい。さらに、樹脂の軟化点が80℃以上であることが、得られる紫外線硬化性インキの紫外線硬化性を保持する上で重要である。ただし、一般にロジンエステル樹脂中にロジンに由来する不飽和基が多く残存する場合は、紫外線硬化性インキのゲル化を引き起こす場合があるため、経時安定性に影響を及ぼさない樹脂を選択する。
【0032】
前記の石油樹脂、ロジンエステル樹脂をインキ配合に用いるためにワニス化する際には、樹脂を軟化点以上の温度で前記紫外線硬化性モノマーに加熱溶解させれば良い。樹脂とモノマーとの混合比率は、取り扱いに適したワニス粘度になる範囲であれば特に制限はないが、樹脂に対し100〜200質量%の範囲で使用するのが好ましい。
使用する樹脂の軟化点が高いほど、これを用いた紫外線硬化性インキの硬化性が良好となるが、モノマーへの溶解が難しくワニス化し難い。
【0033】
前記の石油樹脂、ロジンエステル樹脂などの高軟化点樹脂を用いて該ワニスを調整する場合、該樹脂を軟化点以上に加熱・溶融した後に紫外線硬化性モノマーを添加する製造法では、モノマーが長時間、高温にさらされ、熱重合によるゲル化の恐れもある。たとえゲル化しなくても、その後の保存安定性が低下する。
【0034】
この問題を回避する方法として、光重合開始剤、可塑剤にあらかじめ樹脂を溶解させることにより、該樹脂の軟化点より低い温度で該組成物を溶融状態にし、低温で紫外線硬化性モノマーを添加する製造方法がある。この方法によれば、モノマーのゲル化やワニスの保存安定性の低下を起こさずに、ワニスを調整することが可能となる。
【0035】
この方法でワニスを調整する場合に用いられる光重合開始剤には、市販される光重合開始剤を用いることが出来る。そのような光硬化重合開始剤の例を挙げると、例えばイルガキュアー369、イルガキュアー907、イルガキュアー651、イルガキュアー184(以上チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製);カヤキュアーDETX、カヤキュアーITX(以上日本化薬社製);o-ベンゾイル安息香酸メチル;4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル等であり、これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることが出来る。また、光重合開始剤と共に増感剤として2−エチルヘキシルアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の脂肪酸アミン、芳香族アミン、を併用しても良い。
これらの光硬化開始剤、増感剤はワニスを配合して得られる最終のインキ中に0.5〜20質量%となるような割合で使用することが出来る。
光開始剤及び増感剤の添加量は、それらの開始効率により異なるが、一般に、添加量が少なすぎる場合は印刷インキの硬化性が不十分となり、本発明の効果の一つであるグロスバックのない仕上がりが得られない。また、必要量以上の添加は、印刷インキの材料コストを増加させるため好ましくない。
【0036】
上記製造方法のワニスに用いられる可塑剤としては、二塩基酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤等があげられるが、本発明の紫外線硬化性インキに使用する紫外線硬化性モノマー及び固形樹脂と相溶し、印刷機のゴムローラーへの浸透性が低いものであれば、好ましく用いられる。中でもジオクチルセバケートが、紫外線硬化後のインキ皮膜強度をあまり落とさない点で望ましい。
【0037】
前記の高軟化点樹脂を用いるワニス製造方法において、重合開始剤や可塑剤に代えて、前記のポリエステル樹脂を用いることができる。この場合、ポリエステル樹脂に高軟化点石油樹脂を加熱溶解させ、その後、均一に溶融した該樹脂混合物を樹脂が固化しない範囲で冷却し、より低い温度で紫外線硬化性モノマーを添加、希釈してワニスを製造する。
【0038】
上記製造方法によれば、可塑剤や必要以上の重合開始剤を用いて高軟化点の石油樹脂を溶解する必要が無い。このため、可塑剤や必要以上の重合開始剤がインキ中に残存することが無く、得られる紫外線硬化性インキの硬化被膜物性が向上する。また、過剰な重合開始剤がゴム材料に浸透することによって発生する印刷機ローラーの膨潤も抑えられる。また、該印刷インキ上に連続して紫外線硬化性の透明ニスを上刷りし、紫外線硬化する印刷方法においては、下刷りインキの硬化が不十分なために引き起こされるグロスバック(艶引け、光沢が低下すること)の発生が無く、光沢、耐摩擦性に優れた印刷物を提供できる。
【0039】
本発明に用いられるモノマーと樹脂とを混合し、加熱溶解して得られる紫外線硬化性インキ用ワニスは、n−ヘキサントレランス値を4以上に調整される。
【0040】
ここで、n−ヘキサントレランス値とはワニスの親油性を評価する指標で、具体的には実施例1に記載の方法で計測する。この数値が大きいほど、そのワニスは親油性が高く、非極性溶剤に対する溶解性が大きくなる。
【0041】
n−ヘキサントレランス値が4以上に調整されたワニスを含む本発明の紫外線硬化性インキは、インキ自体の親油性が高くなるため、オフセット印刷機上でインキと湿し水とが乳化する際に、良好な印刷適性を示す乳化状態を安定に維持することができる。また、良好な顔料濡れ性に起因する適度な流動性を備える。さらに、前記2種類の樹脂を組み合わせて用いたインキは、印刷機ローラーでのミストの発生が少なく、インキの転移性や乳化適性が飛躍的に向上する。
同時に、該インキは被印刷基材への固着性の向上やインキ硬化皮膜の強度向上をもたらす。また、該ワニスを25質量%以上含む紫外線硬化性インキは平版印刷機に用いられる極性ゴム材料への浸透性が小さくなると共に、一般の油性インキ用洗浄剤での洗浄が可能となり、油性インキ用印刷機材・版材をそのまま使用した印刷が可能となる。
【0042】
本発明の紫外線硬化性インキには上記ワニスの他に、インキの硬化性や粘性を調整するため、一般の紫外線硬化性インキに用いられる紫外線硬化性モノマーや樹脂を適宜添加しても良い。ただし、n−ヘキサンに相溶しない紫外線硬化性モノマー及びプレポリマーの添加量は、それらの総含有量がインキ中の30質量%以下であることが好ましい。30質量%を越えて添加された紫外線硬化性インキでは、親油性が損なわれ、本発明の効果が充分には得られない。
上記のn−ヘキサンに相溶しない紫外線硬化性モノマーとしては、例えば、ポリオキシエチレントリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が上げられる。
また、n−ヘキサンに相溶しない紫外線硬化性プレポリマーとしては、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が上げられる。
【0043】
本発明における、その他のインキ構成成分としては、従来の紫外線硬化性インキに用いられる材料を適宜用いることが出来る。その例を以下に示す。
イ)光重合開始剤及び増感剤、
ロ)有機顔料、無機顔料、無機体質顔料等の着色剤、粘度調整剤あるいは増量剤、
ハ)ハイドロキノン等インキの経時安定性性を付与する為の重合禁止剤、
ニ)インキの印刷適性を調整するための界面活性剤、版の感脂化を防止する為の燐酸塩類、
ホ)ワックス等、硬化皮膜の表面物性を調整する助剤。
【0044】
油性インキの良好な印刷適性や扱いやすさと、紫外線硬化による短時間での乾燥の両者を享受し得る印刷方法として、油性インキを印刷し、該インキの乾燥前に連続して透明ニスを上刷りした後、紫外線照射乾燥する方法が商業的に広く実施されている。
【0045】
本発明の紫外線硬化性インキは、軽油洗浄性を有しており、油性インキ用の洗浄剤で機材・版材の洗浄が可能であることから油性インキ用印刷機材・版材をそのまま使用して印刷できる。従って、上述の印刷方法において、本発明の紫外線硬化性インキは油性インキの良好な印刷適性や扱いやすさを損なうことなく、油性インキに代えて使用することができる。
【0046】
この方法では、下刷りの紫外線硬化性インキが瞬間的に紫外線硬化するために、酸化重合乾燥型の油性インキを用いた場合のようなグロスバックを起こさず、また、印刷直後の耐摩擦性も優れるため、非常に高い生産性で高光沢の印刷物が得られる。
【0047】
本発明の印刷物を得るために上刷りする紫外線硬化性上刷りニスは、一般に用いられる紫外線硬化性ニスであれば使用可能であるが、中でも、油性インキ用の紫外線硬化性ニスが望ましい。使用可能な紫外線硬化性ニスとして、ダイキュアインラインオフセットOPニス、ダイキュアWLOPニス H、ダイキュアRXOPニス(以上大日本インキ化学工業社製)等の印刷ユニットを用いて上刷りされるOPニス類や、ダイキュアクリヤーYW3201sp、ダイキュアクリヤーYW3205、ダイキュアクリヤーUV1217、ダイキュアクリヤーUV1212HP等(以上大日本インキ化学工業社製)の印刷ユニットに直結したコーターユニットを用いて上刷りされるクリヤーコーティングニス類が上げられる。上刷りする紫外線硬化性のOPニスは、通常、1.5〜2.5g/m2、クリヤーコーティングニスは、通常、3.0〜10g/m2の塗工量で上刷りされた後、紫外線ランプを用いて硬化させ、所望の印刷物を得る。
【0048】
また、上記方法に使用する上刷りニスとして、水性の透明ニスを用い、紫外線ランプが発生する熱による水性ニスの乾燥と、同ランプが発生する紫外線による下刷り印刷インキの紫外線硬化を同時に行なって印刷物を得ることも可能である。
【0049】
これにより得られた印刷物は、酸化重合乾燥型の油性インキ上に、該インキの乾燥前に連続して水性ニスを上刷りした後、赤外線照射及び/または熱風により乾燥させた印刷物とは異なり、下刷りのインキが十分に硬化しているため、印刷直後から折りや断裁の後工程に進むことができるため、印刷物作製の生産性を大幅に改善することができる。
【0050】
本発明の印刷物を得るために上刷りする水性ニスとしては、例えば、大日本インキ化学工業製のHYDLITH(ハイドリス)P4036が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0051】
また、上述の通り、該印刷インキを上刷り用の透明ニスとともに用いる場合は、印刷物の乾燥性、耐摩擦性等の表面物性の多くを上刷りニスに依存できるため、印刷インキの紫外線硬化性を必要最小限とすることが可能である。従って、本発明の印刷物を得るために使用する本発明の紫外線硬化性インキでは、通常の紫外線硬化性インキに比べて光重合開始剤の添加量は少なくてよいので、光重合開始剤に由来する臭気の発生や、黄変を少なくすることができる。
【0052】
一方、本発明の紫外線硬化性インキを透明ニスを併用することなくインキ単独で使用することも可能である。この場合、耐摩性付与を目的としてワックス類を添加したり、必要な硬化性を得るために開始剤の添加量や種類を変えてインキを調整すればよい。
【0053】
【実施例】
更に実施例および比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。例中の部及び%は質量基準である。本明細書において、n−ヘキサントレランス値は、ビーカーにワニス2gとトルエン2gをはかりとり、ワニスのトルエン溶液を調整したのち、この溶液をn−ヘキサンで滴定し、この溶液が白濁するのに要したn−ヘキサンの滴定量(ml)を表す。
【0054】
まず、参考データとして、各種紫外線硬化性モノマーを1対1(質量比)でn−ヘキサンと混合した場合の相溶性を表1に示した。
【0055】
【表1】
Figure 0004174705
【0056】
表1の番号の説明:
1:フォトマー4149(サンノプコ社製)、2:アロニックスM310(東亜合成社製)、3:アロニックスM320(東亞合成社製)、4:OTA480(ダイセル・ユーシービー社製)、5:アロニックスM408(東亜合成社製)、6:アロニックスM402(東亜合成社製)。
【0057】
(A)インキ用樹脂ワニスの製造
まず、実施例において使用したワニスの調整方法を示す。以下において、「部」および「%」は、特に断りの無い限り、すべて質量基準であるものとする。
【0058】
(1)インキ用樹脂ワニス1の製造
ネオペンチルグリコールの20部、ペンタエリスリトールの200部、アジピン酸25部、イソフタル酸180部、ヤシ油脂肪酸350部、安息香酸225部を不活性ガスの存在下で、210℃で8時間加熱し て、固形分酸価が9.1で、かつ、重量平均分子量が13000なるポリエステル樹脂を得た。このポリエステル65部をアロニックスM320(プロピレンオキシド(平均6モル)付加トリメチロールプロパントリアクリレート、東亜合成社製)35部に混入し100℃で2時間加熱溶解させ、本発明の紫外線硬化性インキに用いる樹脂ワニス1を得た。
このワニス1のn−ヘキサントレランスは12.1であった。
【0059】
(2)インキ用樹脂ワニス2の製造
攪拌機、温度計付きの4つ口フラスコに、ネオポリマー140(C9系石油樹脂、日本石油化学社製)50部と、ジオクチルセバケート(DOS、可塑剤、大八化学工業社製)7部と、OBM−100(メチルベンゾイルベンゾエート、光重合開始剤、ダイセル・ユーシービー社製)7部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、1時間かけて150℃まで昇温し、更に、150℃で1時間加熱して、当該樹脂とDOSおよびOBM−100から成る均一溶液を得た。その後、120℃まで冷却したのち、Q−1301(N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン・アルミニウム塩、重合禁止剤、和光純薬社製)0.1部を加えて、更に、空気を吹き込みながら、アロニックスM310(プロピレンオキシド(平均3モル)付加トリメチロールプロパントリアクリレート、東亜合成社製)36部を加えて、本発明の紫外線硬化性インキに用いる樹脂ワニス2を得た。
このワニス2のn−ヘキサントレランス値は10.3であった。
【0060】
(3)インキ用樹脂ワニス3の製造
攪拌機、温度計付きの4つ口フラスコに、ベッカサイト1110(マレイン酸変性ロジンエステル、大日本インキ化学社製)50部と、イルガキュア651(ベンジルジメチルケタール、重合禁止剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、4部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、1時間かけて120℃まで昇温し、更に、1時間加熱して、当該樹脂とイルガキュア651から成る均一溶液を得た。これに、Q−1301(N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン・アルミニウム塩、重合禁止剤、和光純薬社製)0.1部を加えて、更に、空気を吹き込みながら、M−310(東亜合成社製)46部を加えて、本発明の紫外線硬化性インキに用いる樹脂ワニス3を得た。
このワニス3のn−ヘキサントレランス値は5.4であった。
【0061】
(4)インキ用樹脂ワニス4の製造
ネオペンチルグリコール20部、ペンタエリスリトール190部、アジピン酸25部、イソフタル酸165部、ヤシ油脂肪酸450部、安息香酸150部を不活性ガスの存在下で、210℃で8時間加熱して、固形分酸価が9.8で、かつ、重量平均分子量が12000なるポリエステル樹脂を得た。
次いで、このポリエステル35部とネオポリマー140(石油樹脂、日本石油化学社製)35部を180℃で1時間加熱溶融させ、その後30部のアロニックスM320(東亜合成社製)に混入し100℃で2時間加熱溶解させ、さらにトルエンジイソシアネート0.6部を加え、80℃で3時間反応することで本発明の紫外線硬化性インキに用いる樹脂ワニス4を得た。
このワニス4のn−ヘキサントレランスは30.0であった。
【0062】
(5)インキ用樹脂ワニス5の製造
従来型の、一般的な板紙印刷用紫外線硬化性インキに使用する樹脂ワニスの製造方法を以下に示す。本ワニスを用いたインキを比較例1とする。
ネオペンチルグリコール20部、ペンタエリスリトール240部、アジピン酸25部、イソフタル酸225部、安息香酸490部を不活性ガスの存在下で210℃で6時間加熱して、固形分酸価が9.5で、かつ、重量平均分子量が18000なるポリエステル樹脂を得た。
次いで、このポリエステル40部とアロニックスM402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、東亜合成社製)30部とアロニックスM408(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、東亜合成社製)30部を140℃で2時間加熱溶融させ、さらにトルエンジイソシアネート1.0部を加え、80℃で3時間反応することで比較例1のインキに用いる樹脂ワニス5を得た。
このワニス5のn−ヘキサントレランスは1.3であった。
【0063】
(B)樹脂ワニスを用いたインキの製造
実施例1:
インキ用樹脂ワニス1を用い、顔料と光重合開始剤と重合禁止剤等を混合し、3本ロールで練肉して、本発明の紫外線硬化性インキのプロセス4色(黄・紅・藍・墨)を得た。インキ配合を表2に示した。
【0064】
【表2】
Figure 0004174705
【0065】
表2の説明:
使用した顔料:シムラーファーストイエロー4320(大日本インキ化学工業社製)、カーミン6B971(大日精化社製)、ブルーFR7072(ビーエーエスエフジャパン社製)、ラーベン1060(コロンビア社製)、ネオライトSA300(白石工業社製)、ハイフィラー#12(松村産業社製)
ワックス:ルーバックス2191(日本精蝋社製)
光重合開始剤:イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、ナルキュアーCS(双幅化学社製)、カヤキュアーDETX−S(日本化薬社製)
光重合性モノマー:アロニックスM408(大日本インキ化学工業社製)、アロニックスM320(東亞合成社製)、フォトマー4149(サンノプコ社製)
重合禁止剤: Q1301(和光純薬社製)
実施例2〜4、比較例1:
インキ用樹脂ワニス2〜5を用いる他は、実施例1と同様な方法で本発明の紫外線硬化性インキ及び比較例のインキのプロセス4色を得た。このうち藍インキの配合を表3に示した。
【0066】
【表3】
Figure 0004174705
【0067】
(C)得られたインキの物性評価
プロセス4色のインキ(黄・紅・藍・墨)を用いて、紫外線照射装置(120W、メタルハライドランプ3灯)を装備した、ローランド社製R704枚葉印刷機にてOKトップコート(57.5kg/A全、王子製紙社製)を毎時8000枚の速度で3000枚印刷を行った後、各種適性、すなわち、▲1▼水量ダイヤル値幅、▲2▼ゴムローラー・ブランケット膨潤性、▲3▼ローラへのインキ溜まり、▲4▼油性インキ用溶剤を用いた洗浄性、▲5▼インキのみを印刷した印刷物の耐摩擦性、▲6▼インキに紫外線硬化性ニスをコーティングした印刷物の光沢(グロスバックが起きるとこの値が小さくなる)、▲7▼インキに紫外線硬化性ニスをコーティングした印刷物の耐摩擦性、▲8▼インキに水性ニスをコーティングした印刷物の乾燥性、の比較試験を行った。結果を表4に示す。
比較例2:
現在市場に出廻っている酸化乾燥型の一般インキの例としてカルトンセルフ(大日本インキ化学工業社製の速乾性インキ)を用い、実施例と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
Figure 0004174705
【0069】
評価結果の表示・・・◎(非常に優れている)、○(優れている)、△(普通)、×(悪い)。
紫外線硬化性ニス:ダイキュアクリヤーUV1212HP(大日本インキ化学工業製)
水性ニス:HYDLITH P4036(大日本インキ化学工業製)
▲1▼・・・オフセット印刷機において、供給する水量が多すぎるとインキの過乳化に伴う濃度低下や水棒へのインキ溜まり等のトラブルが発生する。逆に水量が少なすぎると印刷物に汚れが発生する為、水量ダイヤル幅の広いインキほど印刷し易い。
▲2▼、▲3▼は指触にてゴムの膨潤、インキの溜まりを評価した。
▲4▼は本機洗浄時に油性インキ用洗浄剤によるローラー、版からのインキ落ち易さを目視にて評価した。
▲5▼、▲7▼は印刷後2時間経過後に、学振型摩擦型堅牢度試験機(荷重500g、200回往復、上質紙で印刷物を擦る)にて評価した。
▲6▼は印刷後24時間経過後に村上色彩研究所製60°-60°反射光沢計にて印刷物光沢を評価した。
▲8▼は紫外線ランプ通過直後の乾燥性を指触にて評価した。
【0070】
【発明の効果】
本発明の紫外線硬化性インキは、油性インキの良好な印刷適性や扱いやすさと、瞬間的な紫外線硬化特性とを有し、一般油性インキ用のゴムローラーを備えた印刷機上でも、良好に印刷を行うことを可能とする。
また、印刷インキ上に連続して透明ニスを上刷りし、紫外線硬化する印刷方法において、油性インキの良好な印刷適性や扱いやすさを維持しながら、油性インキを用いた場合のグロスバックや重金属残留の課題を解消し、より生産性に優れ、光沢、耐摩擦性に優れた印刷物を提供する。

Claims (5)

  1. ポリオキシアルキレンブロックを有する多官能(メタ)アクリル酸エステルでありn−ヘキサンと相溶する紫外線硬化性モノマーとして、トリメチロールプロパン1モル当たりにプロピレンオキサイドを平均で4〜9モル付加して得られるポリオキシプロピレントリメチロールプロパントリアクリレートと、
    該紫外線硬化性モノマーに相溶する樹脂として、一塩基酸と多塩基酸と多価アルコールとを用いて得られるポリエステル樹脂であって該樹脂を合成する際の原料中に占める脂肪族一塩基酸および又は脂環式一塩基酸の割合が15〜80質量%の範囲であるものとを含有し、n−ヘキサントレランス値が4以上であるワニスを含有する紫外線硬化性インキ。
  2. 前記の樹脂としてさらに石油樹脂を含有する請求項に記載の紫外線硬化性インキ。
  3. n−ヘキサンに相溶しない紫外線硬化性モノマー及びプレポリマーの総含有量が30%以下である、請求項1〜のいずれかに記載の紫外線硬化性インキ。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の印刷インキで印刷し、該インキの硬化前に連続して透明ニスを上刷りした後、紫外線照射により硬化又は乾燥させて得られることを特徴とする印刷物。
  5. ニスが水性ニスであり、紫外線ランプが発生する熱による水性ニスの乾燥と、同ランプが発生する紫外線による下刷り印刷インキの紫外線硬化が同時に行なわれる請求項記載の印刷物。
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