JP3859869B2 - 二液混合容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエアゾール式液体噴出容器を利用する、二液混合容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
二液混合容器は例えば毛染め用として従来広く用いられているが、近時二個の異種液体収納のエアゾール式容器体を一体的に連結し、かつ各容器体頂壁を貫通して起立する二本のステム上部へ、一個のノズルを有し、かつ二個の連通管を垂下する一個の押下げヘッドを嵌合させ、該押下げヘッド押下げにより二個の容器体内液体が同時に一個のノズルから噴出するよう設けたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記二個のエアゾール式容器体を一体的に連結して使用する二液混合容器は、二本のステムに対して一個の押下げヘッドを嵌合させ、該ヘッド押下げにより二本のステムを通って押下げヘッド内に入った液体が、該ヘッドが有する一個のノズルを通って噴出するよう設けるから、その押下げヘッドは平面細長に形成してその長手方向両側部からステム嵌合筒を垂下することとなり、するとその押下げヘッド押下げの際に、誤ってその長手方向一端側を押下げると、そのヘッドが傾いたままで下降し、すると一方ステムに対して他方ステムの下降が不充分となって、そのため各容器体からの液体噴出量が不均等となるおそれがあった。
【0004】
本発明は上記欠点を除去すると共に、容器体に対する上記押下げヘッド等の着脱が容易として使い易く、又外見的にもすぐれた容器を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として頂壁中央部を貫通して、下端に吐出弁を有するステム2を上方付勢させて、かつ該付勢に抗しての押下げにより吐出弁が開弁可能に起立する、異種液体充填の一対のエアゾール容器体1,1と、
上記両容器体を左右に並立させて、かつステムを上方へ突出させて、両容器体上部を短筒部12の左右両部内へ緊密に嵌合させた連結部材11と、
上記短筒部12の外面へ、着脱自在に下部を嵌合させて起立する周壁22の左右方向中間の前壁および後壁上部に凹部23,23を穿設して、前壁凹部の下方から横方向へ長く設けた肉薄ヒンジ24を介して周壁上部内へ横壁25を穿設し、かつ該横壁の中央部を隆起し、該隆起部26頂板の左右両部に穿設した透孔周縁から連結筒27,27を垂下してこれ等連結筒下部を上記ステム2,2の上部へ水密に嵌合させた主筒部材21と、
上記周壁上部の凹部23,23側方の左右両部内へ遊嵌させた天板42下面からシール筒43を垂下して、該シール筒下部を上記隆起部26の外面へ、隆起部と天板42との間に通水間隙44をおいて水密に嵌合させると共に、シール筒の前壁部分上部を開口して該開口周縁からノズル45を前壁凹部23内に通して前方突出する押下げヘッド41とを有し、
上記主筒部材21に対する押下げヘッド41の押下げで、肉薄ヒンジ24を中心として横壁25が揺動下降し、該横壁から垂下する連結筒27,27を介してステム2,2を押下げ可能に形成し、
又上記第1の手段を有すると共に上記主筒部材周壁22の左右両側壁部分を、該側壁部分のうち、前後両側の上下方向中間部を弾性変形可能な連結部分30,30として残し、かつ他部は周壁から切離してロック板29,29に形成し、又これ等両ロック板の下部内面と上記連結部材の短筒部12の左右両側部とに、凹凸の係合手段を、ロック板上部を弾性に抗して内方へ強制押込みすることでの、連結部分30,30を中心とする回動により、離脱可能に形成した。
【0006】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共にシール筒43内およびノズルの少くとも基部内を、左右方向中間部分に仕切板46を設けて左右両部に区分すると共に、横壁25とシール筒43とを一体的にかつ水密に固着させ、又押下げヘッド天板42の後部から、周壁上部の後壁凹部23内を通って張出し板47を後方突出し、かつ該張出し板後端部から斜下後方へ押下げレバー48を突設し、該レバーを下前方へ押込むことで、シール筒43,43を介してステム2,2を付勢に抗して押下げ可能に形成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面について説明すると、1は公知のエアゾール式容器体で、頂壁中央部を貫通して、下端に吐出弁を有するステム2を上方付勢させて起立し、その付勢に抗してステムを押下げると、上記吐出弁が開き、容器体内液体がステムを通って噴出し、又ステムを離すと上記付勢により上昇して吐出弁が閉じ、液体噴出が停止するよう設けたものである。該エアゾール容器体は同一大きさ、同一形状のものを左右一対として設け、それ等容器体内には噴出後に混合するための二種液体を充填している。尚図示例において噴出液体は泡である。
【0008】
11は上記一対のエアゾール容器体を、左右に並立させて、かつステムをそれぞれ起立させて、両容器体上部を短筒部12の左右両部内へ緊密に嵌合させた連結部材で、短筒部の左右方向中間には仕切板13を設け、容器体上部嵌合用の左右両部内にエアゾール容器体上部を嵌合させる。図2が示すように、連結部材上端縁からは押え板14,14を突出しており、又短筒部12の左右側部の外面下部には後述ロック板係止用の係合突部15,15を横設している。
【0009】
21は主筒部材で、上記連結部材の短筒部12外面へ着脱自在に下部を嵌合させて周壁22を起立し、該周壁の左右方向中間の前壁および後壁上部に凹部23,23を設け、図4のようにその前壁凹部23の下方から横方向へ長く設けた肉薄ヒンジ24を介して周壁上部内へ横壁25を突設し、かつ該横壁の中央部を隆起し、該隆起部26の左右両部に透孔27a ,27a を穿設し、これ等透孔周縁から連結筒27,27を垂下してこれ等両連結筒下部を上記ステム2,2の上部へ水密に嵌合させている。図示例では隆起部の左右方向中間に前後方向への溝28を設けている。
【0010】
周壁22の左右両側壁部分は、図1、図2が示すようにロック板29,29に形成する。これ等は上記側壁部分の前後両側の上下方向中間部を弾性変形可能な連結部分30,30として残し、かつ他部は周壁から切離して形成する。そのロック板29,29下部には図示例において横孔31,31を穿設し、該横孔内へ既述連結部材短筒部12の左右側部外面へ付設した係合突部15,15を嵌合させ、該嵌合状態にあっては連結部材11から主筒部材21の抜出しが不能とし、該主筒部材取外しの際は、ロック板29上部を周壁内方へ弾性に抗して押込み、上記連結部分30,30を中心とするロック板29の回動で上記係合突部15,15から横孔31,31を外し、上方へ主筒部材を抜出しできるよう設けている。その横孔は凹溝に代えてもよく、係合突部と凹溝とを逆に設けてもよい。
【0011】
41は押下げヘッドで、主筒部材周壁22上部の左右両部内へ遊嵌させた天板42下面からシール筒43を垂下して該シール筒を既述隆起部26の外面へ、該隆起部の上面と天板42との間に通水間隙44をおいて水密に嵌合させると共に、シール筒の前壁部分上部を開口して、該開口周縁からノズル45を主筒部材の前壁凹部23内に通して前方突出する。それ等シール筒およびノズル45の少くとも基部内は、図示のように左右方向中間に仕切板46を設けて左右両部に区分してもよく、図示の場合はシール筒内仕切板部分下端を既述隆起部26の左右方向中間に設けた溝28内へ嵌着させている。又図示例では天板42後部から主部材周壁上部の後壁凹部23内を通って張出し板47を後方突出し、かつ該張出し板後端部から斜下後方押下げレバー48を突出し、該レバーを下前方へ押込むとシール筒43,43を介してステム2,2を付勢に抗して押下げ可能に形成している。尚該押下げヘッドと横壁25とは一体に連結してもよく、図示例ではシール筒43下端面と隆起部26外周の横壁部分とを溶着している。
【0012】
上記構成において、押下げレバー48を利用する等して押下げヘッド41を押下げると、シール筒43が横壁25を押下げ、該横壁は肉薄ヒンジ24を中心として揺動下降し、連結筒27,27がステム2,2を押下げ、するとステム下端の吐出弁が開き、容器体内液体がステム,連結筒,シール筒,ノズルを通って噴出し、上記押下げヘッドを離すとステムが上方付勢されているため上昇復元して上記吐出弁が閉じ、横壁25および押下げヘッド41は復帰する。
【0013】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするもので、主筒部材21の周壁前壁の凹部23下方から横方向へ長く設けた肉薄ヒンジ24を介して周壁22上部内へ横壁25を突設し、該横壁に設けた隆起部26に押下げヘッド41のシール筒43を嵌合させ、又横壁から垂設した連結筒27,27下部をエアゾール容器体から起立するステム2,2上部へ嵌合させるから、押下げヘッド押下げの際に、左右方向一方の端部を押下げても、上記横方向へ長く設けた肉薄ヒンジ24を設けない場合のように、上記押下げ側が低く、非押下げ側は高く傾いて下降することがなく、従って左右一方のステムだけが他方ステムよりも低く押下げられて、そのため両ステム下端の吐出弁の開きに差を生じて一方ステムからの液体噴出量が多く、他方が少くなるようなことを防止することが出来る。
【0014】
又主筒部材周壁22の左右方向中間の前壁および後壁上部に凹部23,23を穿設して、その凹部側方の周壁上部左右両部内へ押下げヘッドの天板42を遊嵌させるから、その周壁左右両部は、他物が天板42に触れ、押下げて不用意に液体噴出させることを防止する防護壁としての機能を有することとなる。
【0015】
主筒部材周壁の左右両側壁部分を切離し、前後両側の上下方向中間部に連結部分30,30を有するロック板29,29に形成し、ロック板の下部内面と連結部材短筒部12,12の左右両側部とに横孔31、係合突部15等が形成する凹凸の係合手段を設けてロック板上部の内方強制押込みで上記係合が離脱可能に形成したから、該主筒部材周壁の着脱が容易である。
【0016】
容器体内に充填する液体として、固化し易い液体を使用することがあり、このような場合は容器使用の都度、容器体から主筒部材を外し、連結筒27下端からノズル先端まで液体通路内を洗浄することが必要となるが、この場合シール筒43内が区分されていないと、一方の連結筒からシール筒43内へ入った洗浄水が他方の連結筒を通って噴出し、そのためノズル孔内が洗浄されないおそれがあるが、シール筒43および少くともノズルの基部内を左右に区分し、かつ横壁とシール筒とを固着しておき、各連結筒毎に洗浄水を通過させることで上記洗浄を確実に行うことが出来る。
【0017】
天板42の後部から張出し板47を介し斜下後方へ押下げレバー48を突出しておくことで、上記押下げヘッド押下げの操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明容器の斜視図である。
【図2】 容器主要部材の分解斜視図である。
【図3】 容器縦断面図である。
【図4】 図3と異る位置での縦断面図である。
【符号の説明】
1…容器体 11…連結部材 21…主筒部材
23…凹部 25…横壁 27…連結筒
29…ロック板 41…押下げヘッド 43…シール筒
Claims (2)
- 頂壁中央部を貫通して、下端に吐出弁を有するステム2を上方付勢させて、かつ該付勢に抗しての押下げにより吐出弁が開弁可能に起立する、異種液体充填の一対のエアゾール容器体1,1と、
上記両容器体を左右に並立させて、かつステムを上方へ突出させて、両容器体上部を短筒部12の左右両部内へ緊密に嵌合させた連結部材11と、
上記短筒部12の外面へ、着脱自在に下部を嵌合させて起立する周壁22の左右方向中間の前壁および後壁上部に凹部23,23を穿設して、前壁凹部の下方から横方向へ長く設けた肉薄ヒンジ24を介して周壁上部内へ横壁25を穿設し、かつ該横壁の中央部を隆起し、該隆起部26頂板の左右両部に穿設した透孔周縁から連結筒27,27を垂下してこれ等連結筒下部を上記ステム2,2の上部へ水密に嵌合させた主筒部材21と、
上記周壁上部の凹部23,23側方の左右両部内へ遊嵌させた天板42下面からシール筒43を垂下して、該シール筒下部を上記隆起部26の外面へ、隆起部と天板42との間に通水間隙44をおいて水密に嵌合させると共に、シール筒の前壁部分上部を開口して該開口周縁からノズル45を前壁凹部23内に通して前方突出する押下げヘッド41とを有し、
上記主筒部材21に対する押下げヘッド41の押下げで、肉薄ヒンジ24を中心として横壁25が揺動下降し、該横壁から垂下する連結筒27,27を介してステム2,2を押下げ可能に形成し、
又上記主筒部材周壁22の左右両側壁部分を、該側壁部分のうち、前後両側の上下方向中間部を弾性変形可能な連結部分30,30として残し、かつ他部は周壁から切離してロック板29,29に形成し、又これ等両ロック板の下部内面と上記連結部材の短筒部12の左右両側部とに、凹凸の係合手段を、ロック板上部を弾性に抗して内方へ強制押込みすることでの、連結部分30,30を中心とする回動により、離脱可能に形成した
ことを特徴とする二液混合容器。 - シール筒43内およびノズルの少くとも基部内を、左右方向中間部分に仕切板46を設けて左右両部に区分すると共に、横壁25とシール筒43とを一体的にかつ水密に固着させ、又押下げヘッド天板42の後部から、周壁上部の後壁凹部23内を通って張出し板47を後方突出し、かつ該張出し板後端部から斜下後方へ押下げレバー48を突設し、該レバーを下前方へ押込むことで、シール筒43,43を介してステム2,2を付勢に抗して押下げ可能に形成した
ことを特徴とする請求項1記載の二液混合容器。
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