JP3969517B2 - エアゾール式2液混合容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、エアゾール式2液混合容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種容器として、例えば特開平11−278554号公報の如く、頂壁を貫通するステムを内方から起立した左右1対の容器体と、これら容器体口頸部を束ねる束縛部材と、上記容器体上部外面に嵌合された噴出口付きヘッドとからなり、該部材は、上記両ステムにそれぞれ逆L字形の吐出管の下端部を嵌着させると共に、該吐出管水平部部分の先端部をノズルとして噴出口付きヘッドの前方へ突出したものが知られている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】
上記容器では、吐出管を通して液体を吐出するときに、管内に液体が付着するので、該液体が乾燥して固化し易く、繰り返し容器を使用すると、吐出管が詰まったり、詰まらないまでも液体を吐出し難くなるおそれがある。
【0004】
そこで本願発明は、上記吐出管の一部に相当する液体通路の内部を開放するための蓋を噴出口付きヘッドの一部に形成することで、簡易に上記液体流路を洗浄可能に設けた2液混合容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の手段は、頂壁4を貫通するステム5を内方より起立した左右一対の容器体1、1 と、
これら両容器体の頭部3、3 を囲成して束ねる束縛部材11と、
上記両ステム5、5 外面へ下端部を嵌着させた連通筒22、22 上部を屈曲させかつ拡開させて前方突出すると共に、該屈曲筒部24の上壁を天板26裏面に連続形成させ、かつ、上記各連通筒の拡開筒部25、25 前面を、上記天板26前縁に肉薄ヒンジ30を介して連結した一枚の蓋板31で液密に閉塞可能に設け、かつ、該蓋板の左右方向中間部分に、各拡開筒部内へ連通する一対のノズル34、34 を隣接させて付設した噴出口付きヘッド21と、からなる。
【0006】
第2の手段は、上記第1の手段を有し、かつ、上記噴出口付きヘッド21は、閉蓋状態での蓋板31前面から上記ノズル34、34 を前方突出しており、かつ、
上記蓋板31を上記肉薄ヒンジ30を中心に上方へ回動させた状態で蓋板31を覆って上記束縛部材11外面乃至容器体頭部3、3 外面へ嵌合させたカバー35を設け、該カバー35内に蓋板31が位置して開蓋状態を保持することが可能に構成している。
【0007】
第3の手段は、頂壁4を貫通するステム5を内方より起立した左右一対の容器体1、1 と、
これら両容器体頭部3、3 を楕円筒形の保持筒12で囲成して、該保持筒を両頭部外面の左右両側部に嵌着させた束縛部材11と、
上記両ステム5、5 外面へ下端部を嵌着させた連通筒22、22 上部を屈曲させかつ拡開させて前方突出すると共に、該屈曲筒部24の上壁を天板26裏面に連続形成させ、かつ、上記各連通筒の拡開筒部25、25 前面を上記天板26前縁に肉薄ヒンジ30を介して連結した一枚の蓋板31で液密に閉塞可能に設けると共に、該蓋板の左右方向中間部分に左右一対の第1連通孔41、41 を穿設し、かつ、これら両連通孔左右側外方の蓋板前面に左右一対の保持板部42、42 を設けた噴出口付きヘッド21と、
上記保持板部42、42 の間に、対向壁部を連続形成した左右一対の垂直なノズル34、34 の上端部34aを枢着させると共に、該上端部の上面を、枢着軸を中心とする縦断面略半円形に形成してノズル回動の際に上記第1連通孔41に摺接するシール面45となし、かつ、該シール面から各ノズル34、34 内部へ開通する第2連通孔46を穿設して、該第2連通孔が上記両ノズル34の水平状態で第1連通孔41孔縁に対して液密に連続することが可能に設けたノズル部材44とからなり、
該ノズル部材は、上記ノズル垂直状態においてノズル下端部34bが上記保持筒12の前壁上面へ当接することで、上記噴出口付きヘッド21の下降を防止可能に形成している。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1から図9は、第1の実施形態を示している。
【0009】
1、1 は、左右一対のエアゾール式容器体であり、これら容器体には、異種の液体が収納されている。各容器体は、胴部2から肩部を介して突出した頭部3を起立すると共に、該頭部上面を閉塞する頂壁4を貫通してステム5を内方より起立している。尚、この種の容器体には、周知の如く、液体を吐出させる際にステムを前傾させるタイプ (チィルトタイプ) のものと、上方付勢させたステムを押し下げる押下げタイプのものとがあり、図示の例では、前者の構成としているが、後述の如く後者の構成としても良い。
【0010】
11は、相互に密接させた両容器体頭部3、3 を束ねる束縛部材である。該束縛部材は、図3の如く上記両容器体頭部3、3 を左右に長い楕円形状の保持筒12を囲成して、両容器体頭部3、3 周面の左右両側部に上記保持筒を嵌着した構成とすることが好ましい。該保持筒は、フランジ状頂壁13下面の幅方向中間部から垂下した筒壁の下半部を上記容器体頭部3、3 へ嵌着させており、かつ、筒壁下端部に周設した係止突条14と保持筒上半部内面に縦設した係止リブ15とで上記各頭部3を挟持している。上記フランジ状頂壁13の外縁からは外筒16を垂下している。特に好適な図示例では、図2の如く上記フランジ状頂壁13の後壁に付設した内方張出し壁部17の前端部を、後述の噴出口付きヘッド半周壁に肉薄ヒンジなどで連結18して、該噴出口付きヘッドに前後方向の外力が作用したときに、その外力に抵抗できるように構成している。尚、前述の内方張出し壁部は、噴出口付きヘッドの上下動を可能とするため揺動可能な厚みに形成すると良い。
【0011】
21は、噴出口付きヘッドである。該噴出口付きヘッドは、上記両ステム5、5 外面にそれぞれ左右一対の連通筒22、22 の下端部を嵌着させると共に、これら連通筒の上半部を屈曲させかつ拡開させて前方突出している。該連通筒の鉛直筒部23上端から屈曲筒部24を経て拡開筒部25後端に至る流路部分は図4及び図5に示す如くできるだけ短く設けて、この部分内での目詰まりを避けることが望ましい。又、上記屈曲筒部24及び拡開筒部25の上壁は、噴出口付きヘッド天板26と連続形成されており、例えば該天板上面前部を押し下げることで上記ステムを前傾させることが可能に構成している。図示例の噴出口付きヘッド21は、図2に示す上記天板26を左右に長い半楕円形状に形成し、かつ、直線的に形成された天板前縁を除く周縁部分から半周壁27を垂下している。又、これら半周壁の前端部下半部分間には、図1に示す如く前壁28を架設して、該前壁上端と半周壁前端部上半部分と前記天板26前端部とで囲まれる空間を図8に示す如く窓29に形成している。
【0012】
該窓内には、上記拡開筒部25前面を開口している。該拡開筒部は、後述蓋板の開放により内部を洗浄可能とするため、連通筒22の水平部分先端部の鉛直断面を拡開させたものであり、特に前方から見て広くかつ浅い (前後巾が短い) 大開口短筒形状に形成することが望ましい。又、拡開筒部25の前面形状は、付着物を洗い落とすことが困難な隅部がない形状、例えば図8に示す楕円形状などとすると良く、更に、該楕円形状は、上記連通筒部の垂直筒部23と後述ノズルとの間の左右方向長さに対応した左右方向に長い形状とすると良く、これにより洗浄可能な流路範囲を大とすることができる。
【0013】
前記天板26前縁には、肉薄ヒンジ30を介して蓋板31を付設する。該蓋板31は、上記窓29全体を覆う大きさを有し、かつ、蓋板後面から後方突出する密閉板32を上記拡開筒部25の内面前端部に液密に嵌合させている。又、蓋板31の下端部から左右両端部に亘って拡開筒部の外面に係止する液洩れ防止板33を付設している。更に、上記蓋板31の左右方向中間部には相互に隣接した左右一対のノズル34、34 を上記拡開筒部25内に連続させて形成している。尚、図示例では、両ノズルは対向側壁部を連続して形成している。
【0014】
以上の構成において、図6の状態から例えば噴出口付きヘッド天板26の前部を押し下げると、ステム5が前傾して液体が各ステムから連通筒の鉛直筒部23、屈曲筒部24、拡開筒部25を通り、ノズル34から吐出される。その後暫く容器を使用しない場合には、例えば上記ノズル34を摘んで図7に矢示する如く引き上げると、同図及び図8に示す如く蓋板31が開放され、拡開筒部25内部が外部へ露出する。而してこの状態で拡開筒部内を水などで洗浄することができるので、この状態から蓋板31を閉じて保存すれば良い。
【0015】
尚、図9は、本実施形態の好適な変形例であり、蓋板31を上方に回動させた状態で、該蓋板を覆うカバー35の下部を上記束縛部材11の外筒16外面へ嵌合させることで、蓋板31をカバー35内へ位置させ、開蓋状態を保持するように設けたものである。製品として容器流通時及び洗浄後の保管時にはカバー装着状態で保管すると良く、流通時にはノズル34が上方から見た容器体胴部2の輪郭から突出せずに収納性を高めることができ、又、洗浄後の保管時には蓋板開蓋により拡開筒部25内部を早く乾燥させることができる。
【0016】
図10から図18は、第2実施形態を示している。該実施形態は、上記第1実施形態におけるノズルを、噴出口付きヘッドとは別体に形成したものであり、この点以外の構造については第1実施形態と同じである。
【0017】
本実施形態においては、まず図12及び図13に示す如く蓋板31の左右方向中間部に左右一対の第1連通孔41、41 を穿設すると共に、図10及び図11に示す如くこれら両第1連通孔左右側外方の蓋板部分前面から左右一対の保持板部42、42 を突出している。
【0018】
これら両保持板部の間には、ノズル部材44を枢着する。該ノズル部材は、上記蓋板31の左右中間部前面に沿って垂直方向に左右一対のノズル34、34 を設けると共に、これら両ノズルの左右対向壁を連続成形し、かつ、両ノズル上端部を基端部として回動可能に上記保持板部42、42 内面へ枢着させたものである。両ノズルは上端閉塞に形成してあり、かつ、その上端部34a上面を枢着軸を中心とする縦断面略半円形に形成してノズル回動の際に上記第1連通孔41、41 に摺接して両孔を液密に閉塞するシール面45としている。又、該シール面から各ノズル34、34 内部へ左右一対の第2連通孔46、46 を開通してあり、これら第2連通孔がノズル34、34 を水平状態としたときに各第1連通孔41、41 孔縁に対して液密に連続するように構成している。又、ノズル部材44は、上記垂直状態で各ノズル下端部34bが上記束縛部材11の保持筒前壁12a上面へ当接することで、上記噴出口付きヘッド21の下降を防止可能に形成している。又、図示例では、上記外筒16及びフランジ状頂壁13の各前壁左右方向中間部を内方に凹設して収納凹部48となし、かつ、該収納凹部内へ上記ノズル部材44の前面下端部分左右方向中間部から垂下した指掛け片49を位置させている。
【0019】
上記構成において、図15に示す状態では、上記第1連通孔41,41 は上記シール面45により液密に閉塞している。ノズル部材44を矢示の如く水平姿勢へ回動させると、図16に示す如く第1、第2連通孔41,46 が液密に連続し、この状態で例えば噴出口付きヘッド21上面前部を押すと上記両連通孔を介してノズル部材先端から液体が吐出する。容器を使い終わったら上記ノズル部材44を垂直状態へ回動することで図15の状態に戻る。暫く容器を使用しないときには、例えば、上記両保持板部42,42 左右側外面を摘持して図17に矢示する如く蓋板31を回動させると、拡開筒部25,25 が図17及び図18に示す如く外部に露出するので、この状態で拡開筒部内に付着した液体を洗浄することができる。上記蓋板31を閉方向へ回動させると、図15の状態に戻る。
【0020】
【発明の効果】
本願発明は如上の構成であり、請求項1及び請求項3の発明によれば、蓋板31を開蓋することで、液体流路の一部である拡開筒部25を開放することができるから、液体吐出後に該拡開筒部内に残った液体を洗い落とすことができ、流路内での液体の固化を防止することができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、上方へ回動させた上記蓋板31を覆うカバー35を設けることで、蓋板の開蓋状態を保持することができるように設けたから、拡開筒部25内を洗浄した後に上記開蓋状態を維持することにより該拡開筒部の内部を早く乾燥させることができ、又、上方へ回転させた蓋板31をカバー35内に位置させたから、蓋板開蓋状態の如く蓋板前面からノズルが前方に大きく突出して商品流通時に嵩張るなどの不都合を回避することができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、ノズル部材44の上端部を蓋板31前面に付設した一対の保持板部42、42 に枢着させたから、容器を使用しないときにはノズル部材44を蓋板前面に沿って位置させることで容器をコンパクトに収納できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態に係る容器の正面図である。
【図2】 図1容器の上面図である。
【図3】 図2のIII-III 線に沿って見た縦断面図である。
【図4】 図3のIV-IV 線に沿って見た横断面図である。
【図5】 図4のV-V 線に沿って見た縦断面図である。
【図6】 図4のVI-VI 線に沿って見た縦断面図である。
【図7】 図6の状態から蓋板を開蓋させた状態を示す側面図である。
【図8】 図7の状態を前面から見た図である。
【図9】 図1容器の変形例として蓋板開蓋状態保持用のカバーを嵌合させたものの縦断面図である。
【図10】 本願発明の第2の実施形態に係る容器の正面図である。
【図11】 図10容器の上面図である。
【図12】 図11のXII-XII 線に沿って見た縦断面図である。
【図13】 図12のXIII-XIII 線に沿って見た横断面図である。
【図14】 図13のXIV-XIV 線に沿って見た縦断面図である。
【図15】 図13のXV-XV 線に沿って見た縦断面図である。
【図16】 図13と同じ切断面でノズルを水平状態へ回動させた状態の図10容器を見た横断面図である。
【図17】 図15の状態から蓋板を開蓋させた状態を示す側面図である。
【図18】 図17の状態を前面から見た図である。
【符号の説明】
1…容器体 2…胴部 3…頭部 4…頂壁 5…ステム
11…束縛部材 12…保持筒 13…フランジ状頂壁 14…係止突条
15…係止リブ 16…外筒 17…内方張出し壁部 18…連結点
21…噴出口付きヘッド 22…連通筒 23…鉛直筒部 24…屈曲筒部
25…拡開筒部 26…天板 27…半周壁 28…前壁 29…窓
31…蓋板 32…密閉板 33…液洩れ防止板 34…ノズル
35…カバー 41…第1連通孔 42…保持板部 44…ノズル部材
45…シール面 46…第2連通孔 48…収納凹部 49…指掛け片

Claims (3)

  1. 頂壁4を貫通するステム5を内方より起立した左右一対の容器体1、1 と、
    これら両容器体の頭部3、3 を囲成して束ねる束縛部材11と、
    上記両ステム5、5 外面へ下端部を嵌着させた連通筒22、22 上部を屈曲させかつ拡開させて前方突出すると共に、該屈曲筒部24の上壁を天板26裏面に連続形成させ、かつ、上記各連通筒の拡開筒部25、25 前面を、上記天板26前縁に肉薄ヒンジ30を介して連結した一枚の蓋板31で液密に閉塞可能に設け、かつ、該蓋板の左右方向中間部分に、各拡開筒部内へ連通する一対のノズル34、34 を隣接させて付設した噴出口付きヘッド21と、
    からなることを特徴とする、エアゾール式2液混合容器。
  2. 上記噴出口付きヘッド21は、閉蓋状態での蓋板31前面から上記ノズル34、34 を前方突出しており、かつ、
    上記蓋板31を上記肉薄ヒンジ30を中心に上方へ回動させた状態で蓋板31を覆って上記束縛部材11外面乃至容器体頭部3、3 外面へ嵌合させたカバー35を設け、該カバー35内に蓋板31が位置して開蓋状態を保持することが可能に構成したことを特徴とする、請求項1記載のエアゾール式2液混合容器。
  3. 頂壁4を貫通するステム5を内方より起立した左右一対の容器体1、1 と、
    これら両容器体頭部3、3 を楕円筒形の保持筒12で囲成して、該保持筒を両頭部外面の左右両側部に嵌着させた束縛部材11と、
    上記両ステム5、5 外面へ下端部を嵌着させた連通筒22、22 上部を屈曲させかつ拡開させて前方突出すると共に、該屈曲筒部24の上壁を天板26裏面に連続形成させ、かつ、上記各連通筒の拡開筒部25、25 前面を上記天板26前縁に肉薄ヒンジ30を介して連結した一枚の蓋板31で液密に閉塞可能に設けると共に、該蓋板の左右方向中間部分に左右一対の第1連通孔41、41 を穿設し、かつ、これら両連通孔左右側外方の蓋板前面に左右一対の保持板部42、42 を設けた噴出口付きヘッド21と、
    上記保持板部42、42 の間に、対向壁部を連続形成した左右一対の垂直なノズル34、34 の上端部34aを枢着させると共に、該上端部の上面を、枢着軸を中心とする縦断面略半円形に形成してノズル回動の際に上記第1連通孔41に摺接するシール面45となし、かつ、該シール面から各ノズル34、34 内部へ開通する第2連通孔46を穿設して、該第2連通孔が上記両ノズル34の水平状態で第1連通孔41孔縁に対して液密に連続することが可能に設けたノズル部材44とからなり、
    該ノズル部材は、上記ノズル垂直状態においてノズル下端部34bが上記保持筒12の前壁上面へ当接することで、上記噴出口付きヘッド21の下降を防止可能に形成したことを特徴とする、エアゾール式2液混合容器。
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