JP3857215B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の開閉タイミング(以下、バルブタイミングという)を調整する内燃機関(以下、エンジンという)のバルブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの吸気弁又は排気弁を開閉駆動する従動軸たるカムシャフトにエンジンの駆動軸たるクランクシャフトの駆動トルクを伝達する伝達系に設けられ、弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置が知られている。このバルブタイミング調整装置では、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相(以下、単に位相ともいう)を変化させることでバルブタイミングを調整し、それによりエンジン出力を向上したり燃費を改善したりする。
【0003】
特許文献1には、バルブタイミング調整装置の一例が記載されている。この装置は、カムシャフトの駆動トルクにより回転する第一回転体と、第一回転体と同一方向にクランクシャフトと共に回転する第二回転体とを備え、第一回転体に対し第二回転体を相対回転させることでクランクシャフトに対するカムシャフトの位相を変化させる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−41013号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のバルブタイミング調整装置では、第一回転体及び第二回転体の径方向に可動操作部材を移動させ、リンクを用いてその可動操作部材の径方向運動を二つの回転体の相対回転運動に変換している。この構成において第一回転体に対する第二回転体の位相変化幅、すなわちクランクシャフトに対するカムシャフトの位相変化幅はリンクを構成する腕の長さに依存する。しかし、上記運動変換を可能にするリンクでは腕の長さに制限が生じ、その結果、クランクシャフトに対するカムシャフトの位相変化幅も制限されてしまう。
本発明の目的は、駆動軸に対する従動軸の位相変化幅の設定自由度が高いバルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のバルブタイミング調整装置によると、第一回転体の第一孔部は、回転中心線からの径方向距離が変化するように延伸する第一軌道を形成し、その第一軌道を通過する制御部材に回転方向両側において当接する。また、第二回転体の第二孔部は、回転中心線からの径方向距離が変化するように延伸する第二軌道を形成し、その第二軌道を通過する制御部材に回転方向両側において当接する。ここで、第一軌道と第二軌道とは第一回転体及び第二回転体の回転方向において互いに傾斜する。そのため、制御手段が制御部材の回転中心線からの径方向距離を変化させるときには、第一孔部及び第二孔部の少なくとも一方が制御部材により押圧されることで、制御部材が第一軌道及び第二軌道を共に通過するようにして第二回転体が第一回転体に対して相対回転する。このように作動するバルブタイミング調整装置では、第一回転体に対する第二回転体の位相変化幅が第一軌道及び第二軌道の長さと相互傾斜の度合いとに依存する。回転中心線からの径方向距離が変化するように第一軌道及び第二軌道を延伸形成することで、それら軌道の長さと相互傾斜の度合いとを比較的自由に設定することができる。したがって、第一回転体に対する第二回転体の位相変化幅、ひいては駆動軸に対する従動軸の位相変化幅について設定自由度を高めることができる。
尚、互いに傾斜する第一軌道と第二軌道とは、交差していてもよいし、交差していなくてもよい。
【0007】
本発明の請求項2に記載のバルブタイミング調整装置によると、第一回転体及び第二回転体は、複数の制御部材がそれぞれ個別に対応する第一孔部及び第二孔部の組を回転方向に複数組有するので、回転中心線周りにおける荷重の偏りを軽減できる。
【0008】
本発明の請求項3に記載のバルブタイミング調整装置によると、付勢手段は、第一回転体及び第二回転体の一方と他方とをそれぞれ回転方向の進角側と遅角側とに向かって付勢する。第一回転体及び第二回転体の前記一方の第一壁部は、回転中心線からの径方向距離が変化するように延伸する第一軌道を形成し、その第一軌道を通過する制御部材に回転方向遅角側において当接する。また、第一回転体及び第二回転体の前記他方の第二壁部は、回転中心線からの径方向距離が変化するように延伸する第二軌道を形成し、その第二軌道を通過する制御部材に回転方向進角側において当接する。ここで、第一軌道と第二軌道とは第一回転体及び第二回転体の回転方向において互いに傾斜する。そのため、制御手段が制御部材の回転中心線からの径方向距離を変化させるときには、その変化方向に応じて次のように作動する。第一に、付勢手段の付勢により第一壁部及び第二壁部が制御部材に向かって押圧されることで、制御部材が第一軌道及び第二軌道を共に通過するようにして第二回転体が第一回転体に対して進角側及び遅角側の一方に相対回転する。第二に、第一壁部及び第二壁部の少なくとも一方が制御部材により押圧されることで、制御部材が第一軌道及び第二軌道を共に通過するようにして第二回転体が第一回転体に対して進角側及び遅角側の他方に相対回転する。このように作動するバルブタイミング調整装置では、第一回転体に対する第二回転体の位相変化幅が第一軌道及び第二軌道の長さと相互傾斜の度合いとに依存する。回転中心線からの径方向距離が変化するように第一軌道及び第二軌道を延伸形成することで、それら軌道の長さと相互傾斜の度合いとを比較的自由に設定することができる。したがって、第一回転体に対する第二回転体の位相変化幅、ひいては駆動軸に対する従動軸の位相変化幅について設定自由度を高めることができる。尚、互いに傾斜する第一軌道と第二軌道とは、交差していてもよいし、交差していなくてもよい。
【0009】
本発明の請求項4に記載のバルブタイミング調整装置によると、第一回転体及び第二回転体は、複数の制御部材がそれぞれ個別に対応する第一壁部及び第二壁部の組を回転方向に複数組有するので、回転中心線周りにおける荷重の偏りを軽減できる。
【0010】
本発明の請求項5に記載のバルブタイミング調整装置によると、第一軌道及び第二軌道は直線状に形成されるので、それら二つの軌道を形成する孔部又は壁部の加工が容易となる。
本発明の請求項6及び7に記載のバルブタイミング調整装置によると、第一軌道及び第二軌道は曲線状に形成される。これにより、制御部材の回転中心線からの径方向距離と、第一回転体に対する第二回転体の回転位相との間に、例えば比例等の相関関係を設定し易くなる。
【0011】
本発明の請求項8に記載のバルブタイミング調整装置によると、第一軌道と第二軌道とは第一回転体に対する第二回転体の回転位相に応じた箇所で互いに交差し、柱状の制御部材は第一軌道と第二軌道との交差箇所に通される。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
【0012】
本発明の請求項9に記載のバルブタイミング調整装置によると、制御部材は、第一回転体との当接箇所及び第二回転体との当接箇所にそれぞれ個別に転動体を有する。これにより、制御部材が回転中心線からの径方向距離の変化方向を反転させられるとき、第一回転体に対する第二回転体の相対回転方向がスムーズに逆転する。
【0013】
本発明の請求項10に記載のバルブタイミング調整装置によると、制御回転体の制御孔部は、回転中心線からの径方向距離が変化するように径方向線に対して傾斜して延伸する制御軌道を形成し、その制御軌道を通過する制御部材に径方向両側において当接する。そのため、トルク付与手段が制御回転体に進角側トルク又は遅角側トルクを付与するときには、第一回転体に対する制御回転体の相対回転に伴って制御孔部が制御部材を押圧しつつ制御軌道を通過するため、制御部材の回転中心線からの径方向距離が変化する。
【0014】
本発明の請求項11に記載のバルブタイミング調整装置によると、補助付勢手段は、制御回転体の径方向の一方側に向かって制御部材を付勢する。さらに制御回転体の制御孔部は、回転中心線からの径方向距離が変化するように径方向線に対して傾斜して延伸する制御軌道を形成し、その制御軌道を通過する制御部材に径方向の前記一方側において当接する。そのため、トルク付与手段が進角側トルク及び遅角側トルクの一方を制御回転体に付与するときには、第一回転体に対する制御回転体の相対回転に伴って制御部材が補助付勢手段の付勢により制御壁部に向かって押圧されつつ制御軌道を通過するため、制御部材の回転中心線からの径方向距離が変化する。さらに、トルク付与手段が進角側トルク及び遅角側トルクの他方を制御回転体に付与するときには、第一回転体に対する制御回転体の相対回転に伴って制御部材が制御壁部により押圧されつつ制御軌道を通過するため、制御部材の回転中心線からの径方向距離が変化する。
【0015】
本発明の請求項12に記載のバルブタイミング調整装置によると、制御軌道は回転中心線から偏心する円弧状に形成されるので、第一回転体、第二回転体及び制御回転体からの作用力により制御部材に発生する偶力を低減し易くなる。
本発明の請求項13に記載のバルブタイミング調整装置によると、制御軌道は渦巻状に形成されるので、第一回転体、第二回転体及び制御回転体からの作用力により制御部材に発生する偶力を低減し易くなる。
本発明の請求項14に記載のバルブタイミング調整装置によると、制御軌道は直線状に形成されるので、かかる制御軌道を形成する制御孔部又は制御壁部の加工が容易となる。
【0016】
本発明の請求項15に記載のバルブタイミング調整装置によると、制御軌道の端部は制御回転体の径方向線に対して概ね直角に形成される。これにより、制御部材は制御軌道の端部を通過するときに回転中心線からの径方向距離の変化率を小さくされる。そのため、制御通路の端部を形成する制御孔部又は制御壁部に制御部材が激しく衝突することを回避できるので、衝突による騒音、破損等の発生を防止できる。
【0017】
本発明の請求項16に記載のバルブタイミング調整装置によると、制御手段は、トルク付与手段が制御回転体にトルクを付与しないとき第一回転体に対する制御回転体の回転位相を保持する保持手段を具備する。これにより、例えばエンジンの始動直後又は停止中において第一回転体に対する制御回転体の回転位相をトルク付与手段に依らず所望の位相に保持できる。そしてこの位相保持により、駆動軸に対する従動軸の回転位相についても所望の位相に保持できる。
【0018】
本発明の請求項17に記載のバルブタイミング調整装置によると、トルク付与手段は、制御回転体に付与するトルクを発生する電動機を有する。これにより、トルク付与手段の構成を簡素にしつつ、制御回転体に付与するトルクを確実に得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第一実施例)
本発明の第一実施例によるエンジン用バルブタイミング調整装置を図1〜図9に示す。本実施例のバルブタイミング調整装置10は、エンジンの吸気弁のバルブタイミングを制御するものである。
【0020】
バルブタイミング調整装置10は、エンジンの図示しないクランクシャフトの駆動トルクをエンジンのカムシャフト4に伝達する伝達系に設けられている。カムシャフト4は回転中心線Oの周りに回転することで、エンジンの吸気弁を開閉駆動する。クランクシャフトが駆動軸を構成し、カムシャフト4が従動軸を構成している。
【0021】
第一回転体としてのスプロケット11は、支持筒部12、支持筒部12より大径の入力筒部13、支持筒部12と入力筒部13との間を段差状に繋ぐ変換部14を有している。支持筒部12は、カムシャフト4及び出力軸16の外周壁に回転中心線O周りに相対回転可能に支持されている。入力筒部13に設けられた複数の歯13aとクランクシャフトに設けられた複数の歯とに、図示しないチェーンベルトが掛け渡されている。クランクシャフトの駆動トルクがチェーンベルトを通じて入力筒部13に入力されるとき、スプロケット11はクランクシャフトとの位相関係を保ちつつ回転中心線Oの周りに図1の時計方向に回転する。
【0022】
第二回転体としての出力軸16は、固定部17及び変換部18を有している。固定部17は、その外周側にカムシャフト4の一端部を同心上に嵌合され、ボルトによりカムシャフト4に連結固定されている。変換部18は、入力筒部13に固定されたカバー15と変換部14との間に遊星歯車23及び回転部材24と共に挟持され、変換部14の内壁14aに当接し回転部材24の外壁24aに正対している。変換部18と変換部14とには制御ピン50が連繋している。この連繋により出力軸16は、スプロケット11の回転に伴って回転中心線O周りに回転してカムシャフト4を同期回転させる。ここで出力軸16の回転方向は、スプロケット11と同一方向すなわち図1の時計方向である。また、上記連繋により出力軸16はスプロケット11に対して回転方向の両側、すなわち進角側Xと遅角側Yとに相対回転可能である。尚、図1、図5及び図6はそれぞれ、スプロケット11に対する出力軸16の回転位相が最遅角側、最進角側及びそれらの間にある状態を示している。変換部18,14と制御ピン50との連繋構造については、後に詳述する。
【0023】
図2及び図3に示すように電動機30は、ハウジング32、作用軸33、電磁部34等から構成されている。
ハウジング32は、ステー35を介してエンジンに固定されている。
【0024】
作用軸33は、ハウジング32に収容固定された電磁部34の軸受36,37により、回転中心線O周りに回転可能に支持されている。作用軸33は、回転軸25に軸継手38を介して連結固定されている。これにより作用軸33は、回転軸25と一体となって回転中心線O周りに図4の時計方向へ回転可能である。作用軸33には、径方向外側に突出しその突出先端部に磁極を形成する磁石部39が設けられている。磁石部39は例えば希土類磁石で構成され、回転中心線O周りの互いに向き合う二箇所において突出先端部の磁極が相異なるように設けられている。
【0025】
電磁部34はハウジング32及びステー35を介してエンジンに変位不能に固定され、作用軸33の外周側に配置されている。電磁部34は、概ね円筒状の本体40と、四つの芯部41と、四つのコイル42と、上記軸受36,37とを有している。各芯部41は複数枚の鉄片を積層して形成され、本体40の内周壁において回転中心線O周りに等間隔となる位置から作用軸33側に向かって突出している。各コイル42は、四つの芯部41のいずれかに巻回しされている。各コイル42の巻線方向は、対応する芯部41の突出先端部から視たとき、相対するコイル42同士で逆向きとなるように設定されている。電磁部34は、図示しない通電制御回路から各コイル42への通電に応じて作用軸33の外周側に磁界を形成する。
【0026】
通電制御回路によるコイル42への通電は、各コイル42が形成する磁界によって作用軸33に進角側XのトルクTX(以下、進角側トルクTXという)と遅角側YのトルクTY(以下、遅角側トルクTYという)とを付与するように実施される。具体的には、互いに向き合うコイル42同士に対して同位相の交流を、互いに隣り合うコイル42同士に対して位相が−90°異なる交流を供給することにより、作用軸33の外周側において図4の時計方向に回転する回転磁界を各コイル42で形成する。この形成磁界内で作用軸33の磁石部39が吸引力と反発力とを受けることにより、進角側トルクTXが作用軸33に付与されて回転軸25に伝達される。一方、互いに向き合うコイル42同士に対して同位相の交流を、互いに隣り合うコイル42同士に対して位相が+90°異なる交流を供給することにより、作用軸33の外周側において図4の反時計方向に回転する回転磁界を各コイル42で形成する。この形成磁界内で作用軸33の磁石部39が吸引力と反発力とを受けることにより、遅角側トルクTYが作用軸33に付与されて回転軸25に伝達される。
尚、進角側トルクTXと遅角側トルクTYとを発生する電動機30の構成については、上述した構成以外にも、公知の電動機における構成を採用することができる。
【0027】
図2及び図4に示すように減速機20は、リングギア22、回転軸25、遊星歯車23、回転部材24等から構成されている。
リングギア22は、入力筒部13の内周壁に同心上に固定されている。リングギア22は、歯先曲面が歯底曲面の内周側にある内歯車で構成されている。リングギア22は、スプロケット11と一体となって回転中心線O周りに図4の時計方向へ回転する。
【0028】
回転軸25は、電動機30の作用軸33に連結固定されることで回転中心線Oに対し偏心して配設されている。図4において、Pは回転軸25の中心線を表し、eは回転軸25の回転中心線Oに対する偏心量を表している。
遊星歯車23は、リングギア22の内周側に遊星運動可能に配設されている。遊星歯車23は、歯先曲面が歯底曲面の外周側にある外歯車で構成されている。遊星歯車23の歯先曲面の曲率半径はリングギア22の歯底曲面の曲率半径よりも小さく設定され、遊星歯車23の歯数はリングギア22の歯数よりも1つ少なく設定されている。遊星歯車23には断面円形の嵌合孔21が形成されている。嵌合孔21の中心線は、遊星歯車23の中心線と一致している。その嵌合孔21に回転軸25の一端部が軸受(図示しない)を介して嵌合されており、回転軸25の外周壁に遊星歯車23が回転軸25の中心線P周りに相対回転可能に支持されている。この支持状態において遊星歯車23の複数の歯の一部はリングギア22の複数の歯の一部に噛み合っている。
【0029】
制御回転体としての回転部材24は円形板状に形成され、スプロケット11の入力筒部13の内周壁に回転中心線O周りに相対回転可能に支持されている。回転部材24の九箇所には係合孔26が設けられている。各係合孔26は、回転中心線Oの周りに等間隔に配設されている。各係合孔26は断面円形に形成され、遊星歯車23と当接する回転部材24の外壁24bに開口している。回転部材24に当接する遊星歯車23の外壁23aには、各係合孔26と向き合う九箇所に係合突起27が形成されている。各係合突起27は、回転中心線Oから偏心量eだけ偏心する回転軸25の中心線P周りに等間隔に設けられている。各係合突起27は、回転部材24側へ突出する円柱状を呈し、対応する係合孔26に突入している。係合突起27の径は係合孔26の径よりも小さい。回転部材24の反遊星歯車側すなわち変換部18側の外壁24aに制御ピン50が連繋している。回転部材24と制御ピン50との連繋構造については、後に詳述する。
【0030】
電動機30の作用軸33から回転軸25にトルクが伝達されない状態では、遊星歯車23の回転軸25に対する相対回動が生じず、遊星歯車23はリングギア22と相対位置関係を崩さずに噛み合ったままスプロケット11及び回転軸25と一体となって回転する。このとき各係合突起27は係合する係合孔26の内周壁を進角側Xに押圧するため、回転部材24はスプロケット11との位相関係を一定に保ちつつ、回転中心線O周りに図4の時計方向に回転する。この状態で、作用軸33から回転軸25に遅角側トルクTYが伝達された場合、回転軸25がスプロケット11に対して回転中心線Oを中心に遅角側Yに相対回転するので、回転軸25の外周壁で押圧される遊星歯車23がそれと噛み合うリングギア22の作用を受けて回転軸25に対し中心線Pを中心に進角側Xに相対回転する。さらにこの場合には、遊星歯車23がリングギア22と部分的に噛み合いつつスプロケット11に対し進角側Xに相対回転する。これにより向きを進角側Xに変えつつ増大されたトルクTYは、各係合突起27が対応する係合孔26をさらに進角側Xに押圧することで回転部材24に伝達されるため、回転部材24はスプロケット11に対し回転中心線Oを中心に進角側Xに相対回転する。一方、作用軸33から回転軸25に進角側トルクTXが伝達された場合、回転軸25がスプロケット11に対して回転中心線Oを中心に進角側Xに相対回転するので、回転軸25の外周壁で押圧される遊星歯車23がリングギア22の作用を受けて回転軸25に対し中心線Pを中心に遅角側Yに相対回転する。さらにこの場合には、遊星歯車23がリングギア22と部分的に噛み合いつつスプロケット11に対し遅角側Yに相対回転する。これにより向きを遅角側Yに変えつつ増大されたトルクTXは、各係合突起27が対応する係合孔26を遅角側Yに押圧することで回転部材24に伝達されるため、回転部材24はスプロケット11に対して回転中心線Oを中心に遅角側Yに相対回転する
【0031】
尚、減速機20としては、上述した構成以外にも、公知の減速機における構成を採用することができる。また、減速機20を設けないで、電動機30の発生トルクを直接に回転部材24に伝達するようにしてもよい。
以上、電動機30及び減速機20がトルク付与手段を構成している。
【0032】
次に、スプロケット11の変換部14、出力軸16の変換部18及び回転部材24と、制御部材としての制御ピン50との連繋構造について図1、図2及び5〜図9を参照しつつ説明する。尚、図1、図5、図6及び図9では、断面を表すハッチングを省略している。
【0033】
図1に示すように、変換部14は回転中心線Oに垂直な円形板状に形成され、三箇所に孔部60が設けられている。各孔部60は、一つの孔部60を回転中心線Oの周りに120°ずつ回転移動させたとき互いに重なるように形成されている。図1及び図7に示すように各孔部60は、変換部18に当接する変換部14の内壁14aに開口している。各孔部60は、制御ピン50が通過する軌道62を内周壁で形成している。各孔部60の形成軌道62は、回転中心線Oからの径方向距離が変化するように変換部14の径方向線に対して傾斜している。本実施例において各孔部60の形成軌道62は直線状に延伸し、回転中心線Oから離れるに従い径方向線に対して進角側Xに傾斜している。
【0034】
図1に示すように、変換部18は回転中心線Oに垂直な概ね三角形の板状に形成され、変換部14の各孔部60に向き合う三箇所に孔部70が設けられている。各孔部70は、一つの孔部70を回転中心線Oの周りに120°ずつ回転移動させたとき互いに重なるように、変換部18の三つの頂点の近傍に形成されている。図1及び図7に示すように各孔部70は変換部18を板厚方向に貫通し、変換部14に当接する変換部18の外壁18aと回転部材24に正対する変換部18の外壁18bとに開口している。各孔部70は、制御ピン50が通過する軌道72を内周壁で形成している。各孔部70の形成軌道72は、回転中心線Oからの径方向距離が変化するように変換部18の径方向線に対して傾斜している。本実施例において各孔部70の形成軌道72は直線状に延伸し、回転中心線Oから離れるに従い径方向線に対して遅角側Yに傾斜している。これにより、孔部70の形成軌道72とそれに向き合う孔部60の形成軌道62とは、図1、図5及び図6に示すように、スプロケット11に対する出力軸16の回転位相に応じた箇所で交差し、回転方向において互いに傾斜する。
【0035】
尚、孔部60の形成軌道62と孔部70の形成軌道72のうち一方は、径方向線に対して傾斜していなくてもよい。また、孔部60の形成軌道62を回転中心線Oから離れるに従って径方向線に対し遅角側Yに傾斜させ、孔部70の形成軌道72を回転中心線Oから離れるに従って径方向線に対し進角側Xに傾斜させてもよい。
【0036】
図1に示すように、制御ピン50は三つ設けられ、互いに向き合う孔部60,70の三組にそれぞれ個別に対応して配設されている。図2に示すように各制御ピン50は、回転中心線Oに平行に延伸する柱状であり、対応する孔部60,70の形成軌道62,72の交差箇所を通るようにして変換部14と回転部材24との間に挟持されている。図1及び図5〜図7に示すように、各孔部60は、内周壁のうち軌道62の回転方向両側の側壁60a,60bにおいて軌道62内の制御ピン50に当接する。各孔部70は、内周壁のうち軌道72の回転方向両側の側壁70a,70bにおいて軌道72内の制御ピン50に当接する。各制御ピン50は、孔部60と当接する箇所に転動体52を有し、孔部70と当接する箇所に転動体53を有している。本実施例の転動体52,53は、図7に示す如き制御ピン50の円柱状のピン本体51を大小二つの円筒部材で同軸上に覆う二重円筒構造であるが、それ以外の構造であってもよい。各制御ピン50はさらに、対応孔部60の底壁60cに当接するボール部材54を一端部に有している。
【0037】
図8及び図9に示すように、回転部材24の三箇所には孔部80が設けられている。各孔部80は、一つの孔部80を回転中心線Oの周りに120°ずつ回転移動させたとき互いに重なるように形成されている。各孔部80は、変換部18に正対する回転部材24の外壁24aに開口している。各孔部80は、制御ピン50が通過する軌道82を内周壁で形成している。各孔部80の形成軌道82は、回転中心線Oからの径方向距離が変化するように回転部材24の径方向線に対して傾斜している。本実施例において各孔部80の形成軌道82は、回転中心線Oに対して偏心する円弧状に延伸し、回転中心線Oから離れるに従い径方向線に対して進角側Xに傾斜している。特にこの傾斜は図9に示すように、各孔部80の形成軌道82がいずれかの組をなす孔部60,70の形成軌道62,72と交差するように設定されている。さらに本実施例において各孔部80の形成軌道82の両端部は、図8に示すように、回転部材24の径方向線に対して概ね直角である。
尚、各孔部80の形成軌道82については、回転中心線Oから離れるに従って径方向線に対し遅角側Yに傾斜していてもよい。
【0038】
図7及び図9に示すように各孔部80の形成軌道82には、いずれかの制御ピン50においてボール部材54とは反対側の端部に設けられたボール部材56が通されている。各孔部80は、内周壁のうち軌道82の径方向両側の側壁80a,80bにおいて軌道82内の制御ピン50のボール部材56に当接する。さらに各孔部80は、側壁80a,80bに滑らかに繋がる底壁80cにおいて軌道82内の制御ピン50のボール部材56に当接している。
【0039】
回転部材24がスプロケット11に対して位相関係を一定に保っている状態では、各制御ピン50が対応孔部80の形成軌道82を動くことなく回転部材24と一体となって回転する。これにより、各制御ピン50は対応孔部60,70の形成軌道62,72を動くことなく、スプロケット11に入力された駆動トルクを出力軸16に伝達する。これにより、出力軸16がスプロケット11に対する位相を保持しつつカムシャフト4と共に同期回転する。
【0040】
回転部材24がスプロケット11に対して進角側Xへ相対回転した場合、各制御ピン50は対応孔部80の内周壁のうち軌道82の径方向外側を延びる側壁80bにより押圧される。この押圧によって各制御ピン50は、軌道82を相対的に遅角側Yへ通過するようにして回転部材24の概ね径方向内側に移動し、回転中心線Oからの径方向距離(以下、単に径方向距離ともいう)を縮小される。このとき各制御ピン50は、対応孔部60の内周壁のうち軌道62の進角側Xを延びる側壁60aを進角側Xに押圧すると共に、対応孔部70の内周壁のうち軌道72の遅角側Yを延びる側壁70bを遅角側Yに押圧する。これにより、各制御ピン50が対応孔部60,70の形成軌道62,72を共に通過するようにして、出力軸16がスプロケット11に対して遅角側Yに相対回転する。
【0041】
一方、スプロケット11に対して回転部材24が遅角側Yへ相対回転した場合、各制御ピン50は対応孔部80の内周壁のうち軌道82の径方向内側を延びる側壁80aにより押圧される。この押圧によって各制御ピン50は、軌道82を相対的に進角側Xへ通過するようにして回転部材24の概ね径方向外側に移動し、径方向距離を拡大される。このとき各制御ピン50は、対応孔部60の内周壁のうち軌道62の遅角側Yを延びる側壁60bを遅角側Yに押圧すると共に、対応孔部70の内周壁のうち軌道72の進角側Xを延びる側壁70aを進角側Xに押圧する。これにより、各制御ピン50が対応孔部60,70の形成軌道62,72を共に通過するようにして、出力軸16がスプロケット11に対して進角側Xに相対回転する。
【0042】
上述のようにして回転部材24及び出力軸16がスプロケット11に対して相対回転する際に孔部60,70,80からの作用力により制御ピン50に生じる偶力は、小さいほど好ましい。本実施例では孔部80の形成軌道82を偏心円弧状とすることに加え、孔部60,70,80の各形成軌道62,72,82について径方向線に対する傾斜の度合いを調節することによって、任意の相対回転位置で上記偶力をほぼ0に近づけることができる。また、本実施例では制御ピン50の移動方向を回転部材24の概ね径方向として上記偶力の設定を容易にしているが、制御ピン50の移動方向軸線を回転部材24の径方向線に対して傾斜させてもよい。
【0043】
以上、各孔部60が第一孔部を構成し、各孔部60の形成軌道62が第一軌道を構成している。また、各孔部70が第二孔部を構成し、各孔部70の形成軌道72が第二軌道を構成している。さらに、各孔部80が制御孔部を構成し、各孔部80の形成軌道82が制御軌道を構成している。またさらに、電動機30及び減速機20で構成されるトルク付与手段と制御ピン50及び回転部材24とが制御手段を構成している。
【0044】
次に、バルブタイミング調整装置10の全体作動について総説する。
(1)駆動トルクによるスプロケット11の回転中にコイル42への通電をオフにすると、電磁部34による作用軸33へのトルク付与は行われず、回転部材24のスプロケット11に対する相対回転は生じない。そのため、スプロケット11に対する出力軸16の相対回転は生じず、それら要素11,16間の位相関係が一定に保持される。したがって、出力軸16と同期回転するカムシャフト4のクランクシャフトに対する位相も一定に保持される。
【0045】
(2)スプロケット11の回転中にコイル42に通電し作用軸33の外周側に図4の反時計方向の回転磁界を形成すると、遅角側トルクTYが作用軸33に付与されて回転軸25に伝達される。さらに、この遅角側トルクTYが減速機20により増大されその向きを進角側Xに変えて回転部材24に伝達されることによって、回転部材24がスプロケット11に対して進角側Xに相対回転する。そのため、制御ピン50の径方向距離が縮小し、それに伴い出力軸16がスプロケット11に対して遅角側Yに相対回転する。すなわちスプロケット11に対する出力軸16の位相が遅角側Yに変化するので、カムシャフト4のクランクシャフトに対する位相も遅角側Yに変化する。
【0046】
(3)スプロケット11の回転中にコイル42に通電し作用軸33の外周側に図4の時計方向の回転磁界を形成すると、進角側トルクTXが作用軸33に付与されて回転軸25に伝達される。さらに、この進角側トルクTXが減速機20により増大されその向きを遅角側Yに変えて回転部材24に伝達されることによって、回転部材24がスプロケット11に対して遅角側Yに相対回転する。そのため、制御ピン50の径方向距離が拡大し、それに伴い出力軸16がスプロケット11に対して進角側Xに相対回転する。すなわちスプロケット11に対する出力軸16の位相が進角側Xに変化するので、カムシャフト4のクランクシャフト対する位相も進角側Xに変化する。
【0047】
以上説明したバルブタイミング調整装置10において、スプロケット11に対する出力軸16の位相変化幅は、孔部60,70の形成軌道62,72の長さと相互傾斜の度合い(本実施例では傾斜角度)とに依存する。孔部60,70の形成軌道62,72については、それぞれ回転中心線Oからの径方向距離が変化するように径方向線に対して傾斜させているので、その個々の傾斜の度合いに応じて回転方向に長さを延長又は短縮でき、また相互傾斜の度合いを変更できる。すなわち、孔部60,70の形成軌道62,72については長さと相互傾斜の度合いとを比較的自由に設定できる。したがって、スプロケット11に対する出力軸16の位相変化幅、ひいてはクランクシャフトに対するカムシャフト4の位相変化幅について設定自由度を高めることができる。
【0048】
また、バルブタイミング調整装置10において直線状の軌道62,72を形成する孔部60,70については、非直線状の軌道を形成する孔部に比べて加工し易い。
さらにバルブタイミング調整装置10では、孔部60,70の形成軌道62,72の交差箇所に柱状の制御ピン50を通すことで構成の簡素化を図っている。しかもバルブタイミング調整装置10では、軌道62内の制御ピン50と孔部60との当接箇所及び軌道72内の制御ピン50と孔部70との当接箇所に個別に転動体52,53を設けている。このため、作用軸33への付与トルクを進角側トルクTX及び遅角側トルクTYの一方から他方に変えて制御ピン50の径方向距離の変化方向を反転させるときに、スプロケット11に対する出力軸16の相対回転方向がスムーズに逆転する。尚、制御ピン50のピン本体51を孔部60,70の内周壁に直接当接させてもよい。
【0049】
またさらにバルブタイミング調整装置10では、孔部80の形成軌道82を円弧状とし、さらに軌道82の両端部を回転部材24の径方向線に対して概ね直角にしている。このため、制御ピン50が軌道82の両端部を通過する際の径方向距離の変化率が小さくなるので、制御ピン50が孔部80の両端部に当たるときの衝撃が和らげられ、騒音、破損等の発生が防止される。尚、図10に変形例を示すように、孔部80の形成軌道82を回転中心線周りに曲率が変化する渦巻状に延伸させてもよく、その場合、軌道82の両端部を回転部材24の径方向線に対し概ね直角にしてもよい。孔部80の形成軌道82を渦巻状とした場合、制御ピン50に生じる偶力をほぼ0に近づけることができる。また、別の変形例を図11に示すように、孔部80の形成軌道82を直線状に延伸させて孔部80の加工性を高めてもよく、その場合、軌道82の一方の端部を回転部材24の径方向線に対し概ね直角にしてもよい。
【0050】
さらにまたバルブタイミング調整装置10では、制御ピン50がスプロケット11と回転部材24との間に挟持されるが、ボール部材54,56により孔部60の底壁60cと孔部80の底壁80cとに転がり接触する。このため、スプロケット11に対する回転部材24の相対回転がスムーズに行われる。尚、図12及び図13に変形例を示すように、制御ピン50のピン本体51を孔部60,80の底壁60c,80cに直接当接させてもよい。その場合、ピン本体51における孔部80への当接部分について、底壁80c及び側壁80a,80bの形状を補完する断面形状、例えば図12の断面五角形状や図13の断面四角形状等に形成することが好ましい。
【0051】
加えてバルブタイミング調整装置10では、複数の制御ピン50を用い、各制御ピン50が個別に対応する孔部60,70の組を回転方向に複数組配設し、また各制御ピン50が個別に対応する孔部80を回転方向に複数配設している。このため、回転中心線O周りにおける荷重の偏りが軽減される。
【0052】
(第二実施例)
本発明の第二実施例によるバルブタイミング調整装置を図14に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第二実施例のバルブタイミング調整装置100は、各孔部60,70の形成軌道62,72について第一実施例とは異なっている。
【0053】
具体的に各孔部60の形成軌道62は、変換部14の径方向外側に向かって膨らむ曲線状に延伸し、回転中心線Oから離れるに従い径方向線に対して進角側Xに傾斜している。各孔部70の形成軌道72は、変換部18の径方向外側に向かって膨らむ曲線状に延伸し、回転中心線Oから離れるに従い径方向線に対して遅角側Yに傾斜している。
尚、上記曲線状の軌道62を回転中心線Oから離れるに従って径方向線に対し遅角側Yに傾斜させ、上記曲線状の軌道72を回転中心線Oから離れるに従って径方向線に対し進角側Xに傾斜させてもよい。また、軌道62,72についてはそれぞれ、変換部14,18の径方向内側に膨らむ曲線状にしてもよいし、径方向両側に波打つ曲線状にしてもよいし、曲線と直線とを融合させた形状にしてもよい。
【0054】
各孔部80の形成軌道82として第一実施例と同様な偏心円弧状の軌道を採用した場合、スプロケット11に対する回転部材24の位相と制御ピン50の径方向距離との相関関係は、図15(A)に示すようになる。この場合において第二実施例では、制御ピン50の径方向距離とスプロケット11に対する出力軸16の位相との相関関係が図15(B)に示すようになるよう、各孔部60,70の形成軌道62,72がのる曲線を設定する。このような設定を行うことで、スプロケット11に対する回転部材24の位相とスプロケット11に対する出力軸16の位相との相関関係を図15(C)に示すような比例関係とすることができる。これにより、スプロケット11に対する出力軸16の回転位相を電動機30のトルク付与作動によって正確に制御し易くなる。
【0055】
また、各孔部80の形成軌道82として第一実施例の図10に示す変形例と同様な渦巻状の軌道を採用した場合、スプロケット11に対する回転部材24の位相と制御ピン50の径方向距離との相関関係は、例えば図16(A)に示すような比例関係となる。この場合において第二実施例では、制御ピン50の径方向距離とスプロケット11に対する出力軸16の位相との相関関係が図16(B)に示す比例関係となるよう、各孔部60,70の形成軌道62,72がのる曲線を設定する。このような設定を行うことで、スプロケット11に対する回転部材24の位相とスプロケット11に対する出力軸16の位相との相関関係を図16(C)に示すような比例関係とすることができる。これにより、スプロケット11に対する出力軸16の回転位相を電動機30のトルク付与作動によって正確に制御し易くなる。
【0056】
(第三実施例)
本発明の第三実施例によるバルブタイミング調整装置を図17及び図18に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第三実施例のバルブタイミング調整装置120は、第一実施例の構成に加えてスプリング130を備えると共に、第一実施例の孔部60,70に代えて壁部160,170が第一実施例の変換部14,18に相当する変換部140,180にそれぞれ設けられている。
【0057】
具体的に変換部140は、第一実施例の変換部14と同様な円形板状に形成されている。壁部160は変換部140の三箇所に設けられ、一つの壁部160を回転中心線Oの周りに120°ずつ回転移動させたとき互いに重なるように形成されている。各壁部160は、変換部180が正対する変換部140の内壁140aに垂設されている。図17及び図18に二点鎖線で示すように各壁部160は、それの進角側Xを向く側壁160aに沿って第一実施例の軌道62に相当する軌道162を形成している。各壁部160の形成軌道162は、回転中心線Oからの径方向距離が変化するように変換部140の径方向線に対して傾斜している。本実施例において各壁部160の形成軌道162は平坦な側壁160aに沿う直線状に延伸し、回転中心線Oから離れるに従い径方向線に対して進角側Xに傾斜している。
【0058】
変換部180は、第一実施例の変換部18において各孔部70の側壁70bを形成する部分が除去されて各孔部70が変換部18の外周縁に開口した形状に形成されている。この変換部180において、第一実施例による各孔部70の側壁70aを形成する部位に相当する部位が三つの壁部170をそれぞれ形成している。すなわち変換部180において壁部170は、各壁部160に向き合う三箇所に設けられ、一つの壁部170を回転中心線Oの周りに120°ずつ回転移動させたとき互いに重なるように形成されている。各壁部170は、変換部140と回転部材24とにそれぞれ正対する変換部180の外壁に垂直に形成されている。図17及び図18に二点鎖線で示すように各壁部170は、それの遅角側Yを向く側壁170aに沿って第一実施例の軌道72に相当する軌道172を形成している。各壁部170の形成軌道172は、回転中心線Oからの径方向距離が変化するように変換部180の径方向線に対して傾斜している。本実施例において各壁部170の形成軌道172は平坦な側壁170aに沿う直線状に延伸し、回転中心線Oから離れるに従い径方向線に対して遅角側Yに傾斜している。これにより、壁部170の形成軌道172とそれに向き合う壁部160の形成軌道162とは図17に示すように、スプロケット11に対する出力軸16の回転位相に応じた箇所で交差し、回転方向において互いに傾斜する。
【0059】
尚、側壁160aに沿う壁部160の形成軌道162と側壁170aに沿う壁部170の形成軌道172のうち一方は、径方向線に対し傾斜していなくてもよい。また、壁部160の形成軌道162を回転中心線Oから離れるに従って径方向線に対し遅角側Yに傾斜させ、壁部170の形成軌道172を回転中心線Oから離れるに従って径方向線に対し進角側Xに傾斜させてもよい。
【0060】
三つの制御ピン50は、互いに向き合う壁部160,170の三組にそれぞれ個別に対応して配設されている。各制御ピン50は、対応する壁部160,170の形成軌道162,172の交差箇所を通るようにして変換部140と回転部材24との間に挟持されている。各壁部160は、軌道162の遅角側Yとなる側壁160aにおいて軌道162内の制御ピン50に当接する。各壁部170は軌道172の進角側Xとなる側壁170aにおいて軌道172内の制御ピン50に当接する。各制御ピン50は、壁部160との当接箇所に転動体52を有し、壁部170との当接箇所に転動体53を有している。各制御ピン50はさらに、ボール部材54によって変換部140の内壁140aに当接している。
以上、各壁部160が第一壁部を構成し、各壁部160の形成軌道162が第一軌道を構成している。また、各壁部170が第二壁部を構成し、各壁部170の形成軌道172が第二軌道を構成している。
【0061】
付勢手段としてのスプリング130は引張りコイルスプリングで構成され、変換部140と変換部180とに跨って三つ配設されている。各スプリング130の一端部は、変換部140において回転中心線O周りに等間隔となる箇所に係止されている。各スプリング130の他端部は、変換部180において第一実施例の変換部18の頂点近傍箇所に相当し回転中心線Oの周りで等間隔となる箇所に係止されている。各スプリング130はスプロケット11を進角側Xに、出力軸16を遅角側Yに付勢している。これにより各制御ピン50は、対応する壁部160と壁部170とで挟圧されている。
【0062】
尚、スプリング130としては、上記引張りコイルスプリングの他にも、例えば圧縮コイルスプリング、トーションスプリング等を用いてもよい。また、壁部160の遅角側Yを向く側壁160bと壁部170の進角側Xを向く側壁170bとにより軌道162と軌道172とを形成し、制御ピン50に対して、軌道162の進角側Xにおいて側壁160bを、軌道172の遅角側Yにおいて側壁170bを当接させるようにしてもよい。その場合には、スプリング130によって、スプロケット11を遅角側Yに、出力軸16を進角側Xに付勢する。
【0063】
バルブタイミング調整装置120では、遅角側トルクTYが電磁部34により作用軸33に付与されると、第一実施例と同様の原理により回転部材24がスプロケット11に対して進角側Xに相対回転し、各制御ピン50の径方向距離が縮小する。このとき本実施例では、スプリング130の付勢によって、各壁部160の側壁160aがその進角側Xにある制御ピン50に向かって押圧されると共に各壁部170の側壁160bがその遅角側Yにある制御ピン50に向かって押圧される。これにより、各制御ピン50が対応壁部160,170の形成軌道162,172を共に通過するようにして、出力軸16がスプロケット11に対して遅角側Yに相対回転する。
【0064】
一方、進角側トルクTXが電磁部34により作用軸33に付与されると、第一実施例と同様の原理により回転部材24がスプロケット11に対して遅角側Yに相対回転し、各制御ピン50の径方向距離が拡大する。このとき本実施例では、各制御ピン50が対応壁部160の側壁160aを遅角側Yに押圧すると共に対応壁部170の側壁170aを進角側Xに押圧する。これにより、各制御ピン50が対応壁部160,170の形成軌道162,172を共に通過するようにして、出力軸16がスプロケット11に対して進角側Xに相対回転する。
【0065】
以上説明したバルブタイミング調整装置120において、スプロケット11に対する出力軸16の位相変化幅は、壁部160,170の形成軌道162,172の長さと相互傾斜の度合い(本実施例では傾斜角度)とに依存する。壁部160,170の形成軌道162,172については、それぞれ回転中心線Oからの径方向距離が変化するように径方向線に対して傾斜させているので、その個々の傾斜の度合いに応じて回転方向に長さを延長又は短縮でき、また相互傾斜の度合いを変更できる。すなわち、壁部160,170の形成軌道162,172については長さと相互傾斜の度合いとを比較的自由に設定できる。したがって、スプロケット11に対する出力軸16の位相変化幅、ひいてはクランクシャフトに対するカムシャフト4の位相変化幅について設定自由度を高めることができる。
【0066】
また、バルブタイミング調整装置120において直線状の軌道162,172を形成する壁部160,170については、非直線状の軌道を形成する壁部に比べて加工し易い。尚、壁部160,170の側壁160a,170aを湾曲させることで、その湾曲側壁160aに沿って変換部140の径方向外側又は内側に膨らむ曲線状に軌道162を形成し、湾曲側壁170aに沿って変換部180の径方向外側又は内側へ膨らむ曲線状に軌道172を形成してもよい。変換部140,180の径方向外側に膨らむ軌道162,172を採用した場合、第二実施例と同様の効果を得ることができる。また、軌道162,172については、径方向両側に波打つ曲線状や、曲線と直線とを融合させた形状にそれぞれ形成してもよい。
【0067】
さらにバルブタイミング調整装置120では、壁部160,170の形成軌道162,172の交差箇所に柱状の制御ピン50が通る簡素な構成を採用している。しかもバルブタイミング調整装置120では、軌道162内の制御ピン50と壁部160との当接箇所及び軌道172内の制御ピン50と壁部170との当接箇所に個別に転動体52,53を設けている。このため、制御ピン50の径方向距離の変化方向を反転させるときに、スプロケット11に対する出力軸16の相対回転方向がスムーズに逆転する。
【0068】
またさらにバルブタイミング調整装置120では、制御ピン50がボール部材54,56により変換部140の内壁140aと孔部80の底壁80cとに転がり接触するので、スプロケット11に対し回転部材24がスムーズに相対回転する。尚、制御ピン50のピン本体51を変換部140の内壁140aに直接当接させてもよい。
さらにまたバルブタイミング調整装置120では、複数の制御ピン50を用い、各制御ピン50が個別に対応する壁部160,170の組を回転方向に複数組配設している。このため、回転中心線O周りにおける荷重の偏りが軽減される。
【0069】
(第四実施例)
本発明の第四実施例によるバルブタイミング調整装置を図19及び図20に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第四実施例のバルブタイミング調整装置200は、第一実施例の構成に加えてスプリング210を備えると共に、第一実施例の孔部80に代えて壁部280が第一実施例の回転部材24に相当する回転部材240に設けられている。
【0070】
具体的に回転部材240は、壁部280を有する以外は第一実施例の回転部材24と同様に構成されている。壁部280は回転部材240の三箇所に設けられ、一つの壁部280を回転中心線Oの周りに120°ずつ回転移動させたとき互いに重なるように形成されている。各壁部280は、変換部18が正対する回転部材240の外壁240aに垂設されている。図19及び図20に二点鎖線で示すように各壁部280は、それの径方向外側を向く側壁280aに沿うようにして、第一実施例の軌道82に相当する軌道282を形成している。各壁部280の形成軌道282は、回転中心線Oからの径方向距離が変化するように回転部材240の径方向線に対して傾斜している。本実施例において各壁部280の形成軌道282は、回転中心線Oに対して偏心する円弧状に湾曲側壁280aに沿って延伸し、回転中心線Oから離れるに従い径方向線に対して進角側Xに傾斜している。特にこの傾斜は図20に示すように、各壁部280の形成軌道282がいずれかの組をなす孔部60,70の形成軌道62,72と交差するように設定されている。
尚、各壁部280の形成軌道282については、回転中心線Oから離れるに従って径方向線に対し遅角側Yに傾斜させてもよい。
【0071】
各壁部280の形成軌道282には、いずれかの制御ピン50のボール部材56が通されている。各壁部280は、各壁部280は軌道282の径方向内側となる側壁280aにおいて軌道282内の制御ピン50に当接する。各制御ピン50はさらに、ボール部材56によって回転部材240の外壁240aに当接している。
【0072】
尚、各壁部280の形成軌道282については、偏心円弧状に延伸させる他、渦巻状に延伸させてもよいし、直線状に延伸させて壁部280の加工性を高めてもよい。壁部280の形成軌道282を偏心円弧状又は渦巻状とした場合、第一実施例と同様に、制御ピン50に生じる偶力をほぼ0に近づけることができる。以上、各壁部280が制御壁部を構成し、各壁部280の形成軌道282が制御軌道を構成している。
【0073】
図20に示すように、スプリング210は引張りコイルスプリングで構成され、変換部14と変換部18とに跨って三つ配設されている。各スプリング210の一端部は、変換部14において回転中心線O周りに等間隔となる箇所に係止されている。各スプリング210の他端部は、変換部18において三つの頂点の近傍であって回転中心線Oの周りに等間隔となる箇所に係止されている。各スプリング210はスプロケット11を進角側Xに、出力軸16を遅角側Yに付勢している。これにより各制御ピン50は、対応孔部60の側壁60bと対応孔部70の側壁70aとで挟圧され、径方向内側に向かって付勢されている。
このようにスプリング210と孔部60,70とが補助付勢手段を構成し、その補助付勢手段と電動機30及び減速機20とがトルク付与手段を構成し、そのトルク付与手段と制御ピン50及び回転部材240とが制御手段を構成している。
【0074】
尚、スプリング210としては上記引張りコイルスプリングの他、例えば圧縮コイルスプリング、トーションスプリング等を用いてもよい。また、壁部280について、径方向内側を向く側壁280bで軌道282を形成し、軌道282の径方向外側となる側壁280bにおいて軌道282内の制御ピン50に当接させるようにしてもよい。その場合、制御ピン50を径方向外側に付勢するように装置200を構成する。
【0075】
バルブタイミング調整装置200では、遅角側トルクTYが電磁部34により作用軸33に付与されると、第一実施例と同様の原理により回転部材24がスプロケット11に対して進角側Xへ相対回転する。すると本実施例では、スプリング210の付勢により各孔部60,70の側壁60b,70aが対応する制御ピン50を押圧し径方向内側に付勢する。この付勢により各制御ピン50は、対応壁部280の側壁280aに向かって押圧され、対応壁部280の形成軌道282を相対的に遅角側Yへ通過するようにして回転部材240の概ね径方向内側に移動し、径方向距離を縮小される。このとき各制御ピン50は、第一実施例と同様に対応孔部60,70の側壁60a,70bをそれぞれ進角側Xと遅角側Yとに押圧するので、出力軸16がスプロケット11に対して遅角側Yに相対回転する。
【0076】
一方、進角側トルクTXが電磁部34により作用軸33に付与されると、第一実施例と同様の原理により回転部材24がスプロケット11に対して遅角側Yへ相対回転する。すると本実施例では、各制御ピン50が対応壁部280の側壁280aにより押圧される。この押圧により各制御ピン50は、対応壁部280の形成軌道282を相対的に進角側Xへ通過するようにして回転部材240の概ね径方向外側に移動し、径方向距離を拡大される。このとき各制御ピン50は、第一実施例と同様に対応孔部60,70の側壁60b,70aをそれぞれ遅角側Yと進角側Xとに押圧するので、出力軸16がスプロケット11に対して進角側Xに相対回転する。
【0077】
このようなバルブタイミング調整装置200によると、制御ピン50がボール部材54,56により孔部60の底壁60cと回転部材240の外壁240aとに転がり接触するので、スプロケット11に対し回転部材24がスムーズに相対回転する。尚、制御ピン50のピン本体51を回転部材240の外壁240aに直接当接させてもよい。
さらにバルブタイミング調整装置200によると、複数の制御ピン50がそれぞれ個別に対応する壁部280を回転方向に複数配設している。このため、回転中心線O周りにおける荷重の偏りが軽減される。
【0078】
(第五実施例)
本発明の第五実施例によるバルブタイミング調整装置を図21に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第五実施例のバルブタイミング調整装置300は、第三実施例の特徴的構成と第四実施例の特徴的構成とを組み合わせて構成されている。
【0079】
具体的にバルブタイミング調整装置300では、第三実施例の壁部160,170を有する変換部140,180がそれぞれスプロケット11と出力軸16とに設けられ、第四実施例の壁部280を有する回転部材240が用いられている。但し、各壁部280の形成軌道282の径方向線に対する傾斜は、いずれかの組をなす壁部160,170の形成軌道162,172と交差するように設定されている。
【0080】
また、バルブタイミング調整装置300では、第三実施例のスプリング130に相当するスプリング310が三つ用いられ、各スプリング310が第四実施例のスプリング210と同様に機能する。但し、各スプリング310がスプロケット11と出力軸16とをそれぞれ進角側Xと遅角側Yとに付勢することによって、各制御ピン50が対応壁部160の側壁160aと対応壁部170の側壁170aとで挟圧されて径方向内側に付勢されている。
【0081】
以上、スプリング310が付勢手段を構成し、スプリング310と壁部160,170とが補助付勢手段を構成し、その補助付勢手段と電動機30及び減速機20とがトルク付与手段を構成し、そのトルク付与手段と制御ピン50及び回転部材240とが制御手段を構成している。
【0082】
このようなバルブタイミング調整装置300では、遅角側トルクTYが電磁部34により作用軸33に付与されると、第一実施例と同様の原理により回転部材24がスプロケット11に対して進角側Xへ相対回転する。すると本実施例では、スプリング310の付勢により各壁部160,170の側壁160a,170aが対応する制御ピン50を押圧し径方向内側に付勢する。この付勢により各制御ピン50は、対応壁部280の側壁280aに向かって押圧されるので、径方向距離を縮小される。このとき、スプリング310の付勢によって各壁部160の側壁160aが進角側Xの制御ピン50に向かって押圧されると共に各壁部170の側壁170aが遅角側Yの制御ピン50に向かって押圧される。その結果、出力軸16がスプロケット11に対して遅角側Yに相対回転する。
【0083】
一方、進角側トルクTXが電磁部34により作用軸33に付与されると、第一実施例と同様の原理により回転部材24がスプロケット11に対して遅角側Yへ相対回転する。すると各制御ピン50は、第四実施例と同様に対応壁部280の側壁280aにより押圧され、径方向距離を拡大される。このとき各制御ピン50は、第三実施例と同様に対応壁部160,170の側壁160a,170aをそれぞれ遅角側Yと進角側Xとに押圧するので、出力軸16がスプロケット11に対して進角側Xに相対回転する。
以上説明したバルブタイミング調整装置300によれば、第三実施例及び第四実施例の双方と同様の効果を得ることができる。
【0084】
(第六実施例)
本発明の第六実施例によるバルブタイミング調整装置を図22に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第六実施例のバルブタイミング調整装置350は、第一実施例の構成に加えてスプリング360を備えている。
【0085】
スプリング360はトーションスプリングで構成されている。スプリング360の一端部360aはスプロケット11の入力筒部13に係止され、スプリング360の他端部360bは回転部材24に係止されている。スプリング360はスプロケット11を進角側Xに、回転部材24を遅角側Yに付勢している。また、スプロケット11に対して回転部材24が進角側Xに相対回転するに従って、スプリング360はスプロケット11及び回転部材24に付与する付勢力を増大させる。
尚、スプリング360としては、上記トーションスプリングの他にも、例えば引張りコイルスプリング、圧縮コイルスプリング等を用いてもよい。
【0086】
このようなバルブタイミング調整装置350では、エンジンの始動直後又は停止中等、電磁部34による作用軸33へのトルク付与が実施されないとき、スプリング360の付勢により回転部材24がスプロケット11に対する位相を一定に保持される。これにより、クランクシャフトに対するカムシャフト4の位相も保持される。したがって、エンジンの始動直後又は停止中において、クランクシャフトに対するカムシャフト4の位相を最適位相に迅速に合致させることができる。
以上、スプリング360が保持手段を構成し、その保持手段と電動機30及び減速機20とがトルク付与手段を構成し、そのトルク付与手段と制御ピン50及び回転部材24とが制御手段を構成している。
【0087】
尚、上述した複数の実施例では、第一軌道としての軌道62又は162、第二軌道としての軌道72又は172、制御軌道としての軌道82又は282をそれぞれ三つずつ形成したが、第一軌道、第二軌道及び制御軌道の形成数についてはそれぞれ適宜に設定できる。
【0088】
また、上述の複数の実施例では、第一軌道としての軌道62又は162と第二軌道としての軌道72又は172とを、第一回転体としてのスプロケット11に対する第二回転体としての出力軸16の任意の相対回転位置で交差させ、その交差箇所に制御部材としての柱状の制御ピン50を通すようにした。これに対し、第一軌道と第二軌道とを第一回転体に対する第二回転体の所定の回転位置又は任意の回転位置において交差させないようにし、第一軌道と第二軌道とにそれぞれ通される部分を制御ピンに形成するようにしてもよい。
【0089】
さらに上述の複数の実施例では、第一回転体としてのスプロケット11と第二回転体としての出力軸16と同一の回転中心線O周りに制御回転体としての回転部材24又は240を回転させるようにした。これに対し、第一回転体及び第二回転体の回転中心線に対して偏心した中心線周りに制御回転体を回転させるようにしてもよい。
【0090】
またさらに上述の複数の実施例では、制御回転体としての回転部材24又は240に付与するトルクを電動機30により発生させるようにトルク付与手段を構成した。これに対し、例えば回転する部材にブレーキを施すことにより制御回転体への付与トルクを生むようにトルク付与手段を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例によるバルブタイミング調整装置の一作動状態を示す図であって、図2のI−I線断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の第一実施例によるバルブタイミング調整装置の別の作動状態を示す図であって、図2のI−I線断面図に相当する図である。
【図6】本発明の第一実施例によるバルブタイミング調整装置のさらに別の作動状態を示す図であって、図2のI−I線断面図に相当する図である。
【図7】図2の要部の拡大図である。
【図8】本発明の第一実施例によるバルブタイミング調整装置の回転部材を示す側面図であって、図2のVIII−VIII矢視図に相当する図である。
【図9】図2のIX−IX線断面図に相当する図である。
【図10】本発明の第一実施例によるバルブタイミング調整装置の変形例を示す断面図であって、図8に対応する図である。
【図11】本発明の第一実施例によるバルブタイミング調整装置の別の変形例を示す断面図であって、図8に対応する図である。
【図12】本発明の第一実施例によるバルブタイミング調整装置のさらに別の変形例を示す断面図であって、図7に対応する図である。
【図13】本発明の第一実施例によるバルブタイミング調整装置のまたさらに別の変形例を示す断面図であって、図7に対応する図である。
【図14】本発明の第二実施例によるバルブタイミング調整装置を示す断面図であって、図1に対応する図である。
【図15】本発明の第二実施例によるバルブタイミング調整装置の特性を示す特性図である。
【図16】本発明の第二実施例によるバルブタイミング調整装置の変形例の特性を示す特性図である。
【図17】本発明の第三実施例によるバルブタイミング調整装置を示す断面図であって、図1に対応する図である。
【図18】本発明の第三実施例によるバルブタイミング調整装置を示す断面図であって、図9に対応する図である。
【図19】本発明の第四実施例によるバルブタイミング調整装置の回転部材を示す側面図であって、図8に対応する図である。
【図20】本発明の第四実施例によるバルブタイミング調整装置を示す断面図であって、図9に対応する図である。
【図21】本発明の第五実施例によるバルブタイミング調整装置を示す断面図であって、図9に対応する図である。
【図22】本発明の第六実施例によるバルブタイミング調整装置を示す断面図であって、図9に対応する図である。
【符号の説明】
2 エンジン(内燃機関)
4 カムシャフト(従動軸)
10,100,120,200,300,350 バルブタイミング調整装置
11 スプロケット(第一回転体)
14,140 変換部
16 出力軸(第二回転体)
18,180 変換部
20 減速機(トルク付与手段)
24,240 回転部材(制御回転体)
30 電動機(トルク付与手段)
50 制御ピン(制御部材)
51 ピン本体
52,53 転動体
54,56 ボール部材
60 孔部(第一孔部、補助付勢手段)
62,162 軌道(第一軌道)
70 孔部(第二孔部、補助付勢手段)
72,172 軌道(第二軌道)
80 孔部(制御孔部)
82,282 軌道(制御軌道)
130 スプリング(付勢手段)
160 壁部(第一壁部、補助付勢手段)
170 壁部(第二壁部、補助付勢手段)
210 スプリング(補助付勢手段)
280 壁部(制御壁部)
310 スプリング(付勢手段、補助付勢手段)
360 スプリング(保持手段)
O 回転中心線
Claims (17)
- 吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を開閉駆動する従動軸に内燃機関の駆動軸の駆動トルクを伝達する伝達系に設けられ、前記吸気弁及び前記排気弁の少なくとも一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記駆動軸の駆動トルクにより回転中心線周りに回転する第一回転体と、
前記第一回転体の回転に伴い前記回転中心線周りに前記第一回転体と同一方向に回転して前記従動軸を同期回転させる第二回転体であって前記第一回転体に対して相対回転可能な第二回転体と、
制御部材を有し、前記制御部材の前記回転中心線からの径方向距離を変化させる制御手段と、
を備え、
前記第一回転体は、前記回転中心線からの径方向距離が変化するように延伸する第一軌道を形成する第一孔部であって前記第一軌道を通過する前記制御部材に回転方向両側において当接する第一孔部を有し、
前記第二回転体は、前記回転中心線からの径方向距離が変化するように延伸する第二軌道を形成する第二孔部であって前記第二軌道を通過する前記制御部材に回転方向両側において当接する第二孔部を有し、
前記第一軌道と前記第二軌道とは、前記第一回転体及び前記第二回転体の回転方向において互いに傾斜するとともに、径方向線を挟んで前記第一軌道と前記第二軌道とが互いに異なる方向かつ前記径方向線とは異なる方向へ傾斜し、
前記制御手段は前記第一回転体及び前記第二回転体とは相対回転する制御回転体を有し、前記制御回転体は前記第一軌道及び前記第二軌道により回転を前記制御部材の径方向距離の変化に転換することを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記制御部材を複数備え、
前記第一回転体及び前記第二回転体は、前記複数の制御部材がそれぞれ個別に対応する前記第一孔部及び前記第二孔部の組を回転方向に複数組有することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。 - 吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を開閉駆動する従動軸に内燃機関の駆動軸の駆動トルクを伝達する伝達系に設けられ、前記吸気弁及び前記排気弁の少なくとも一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記駆動軸の駆動トルクにより回転中心線周りに回転する第一回転体と、
前記第一回転体の回転に伴い前記回転中心線周りに前記第一回転体と同一方向に回転して前記従動軸を同期回転させる第二回転体であって前記第一回転体に対して相対回転可能な第二回転体と、
制御部材を有し、前記制御部材の前記回転中心線からの径方向距離を変化させる制御手段と、
前記第一回転体及び前記第二回転体の一方と他方とをそれぞれ回転方向の進角側と遅角側とに向かって付勢する付勢手段と、
を備え、
前記第一回転体及び前記第二回転体の前記一方は、前記回転中心線からの径方向距離が変化するように延伸する第一軌道を形成する第一壁部であって前記第一軌道を通過する前記制御部材に回転方向遅角側において当接する第一壁部を有し、
前記第一回転体及び前記第二回転体の前記他方は、前記回転中心線からの径方向距離が変化するように延伸する第二軌道を形成する第二壁部であって前記第二軌道を通過する前記制御部材に回転方向進角側において当接する第二壁部を有し、
前記第一軌道と前記第二軌道とは、前記第一回転体及び前記第二回転体の回転方向において互いに傾斜することを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記制御部材を複数備え、
前記第一回転体及び前記第二回転体は、前記複数の制御部材がそれぞれ個別に対応する前記第一壁部及び前記第二壁部の組を回転方向に複数組有することを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記第一軌道及び前記第二軌道は直線状に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第一軌道及び前記第二軌道は曲線状に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項にバルブタイミング調整装置。
- 前記第一軌道は前記第一回転体の径方向外側に向かって膨らむ曲線状に形成され、前記第二軌道は前記第二回転体の径方向外側に向かって膨らむ曲線状に形成されることを特徴とする請求項6に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第一軌道と前記第二軌道とは、前記第一回転体に対する前記第二回転体の回転位相に応じた箇所で互いに交差し、
前記制御部材は柱状に形成され、前記第一軌道と前記第二軌道との交差箇所に通されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記制御部材は、前記第一回転体との当接箇所及び前記第二回転体との当接箇所にそれぞれ個別に転動体を有することを特徴とする請求項8に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記制御手段は、前記制御部材と、前記第一回転体の回転に伴い前記第一回転体と同一方向に回転する制御回転体であって前記第一回転体に対して相対回転可能な制御回転体と、前記制御回転体に進角側トルクと遅角側トルクとを付与するトルク付与手段とを具備し、
前記制御回転体は、前記回転中心線からの径方向距離が変化するように径方向線に対して傾斜して延伸する制御軌道を形成する制御孔部であって前記制御軌道を通過する前記制御部材に径方向両側において当接する制御孔部を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記制御手段は、前記制御部材と、前記第一回転体の回転に伴い前記第一回転体と同一方向に回転する制御回転体であって前記第一回転体に対して相対回転可能な制御回転体と、前記制御回転体に進角側トルクと遅角側トルクとを付与するトルク付与手段と、前記制御回転体の径方向の一方側に向かって前記制御部材を付勢する補助付勢手段とを具備し、
前記制御回転体は、前記回転中心線からの径方向距離が変化するように径方向線に対して傾斜して延伸する制御軌道を形成する制御壁部であって前記制御軌道を通過する前記制御部材に径方向の前記一方側において当接する制御壁部を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記制御軌道は前記回転中心線から偏心する円弧状に形成されることを特徴とする請求項10又は11に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記制御軌道は渦巻状に形成されることを特徴とする請求項10又は11に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記制御軌道は直線状に形成されることを特徴とする請求項10又は11に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記制御軌道の端部は前記径方向線に対して概ね直角に形成されることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記制御手段は、前記トルク付与手段が前記制御回転体にトルクを付与しないとき前記第一回転体に対する前記制御回転体の回転位相を保持する保持手段を具備することを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記トルク付与手段は、前記制御回転体に付与するトルクを発生する電動機を有することを特徴とする請求項10〜16のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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