JP4735504B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブタイミング調整装置に関し、例えばクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置に適用して好適なものである。
従来、クランク軸及びカム軸とそれぞれ連動して回転する二つの回転体間の相対回転位相を、遊星歯車を主体とする差動歯車機構により変化させるバルブタイミング調整装置が知られている。
例えば特許文献1では、クランク軸に連動して回転する一方の回転体としてのスプロケットと、スプロケットとの間に遊星歯車を主体とする差動歯車機構を有し、カム軸に連動して回転する他方の回転体としてのギヤ部とを備え、スプロケットに対するギヤ部の相対回転位相の位相変換角を規定するストッパを、スプロケットと、ギヤ部に設けることが開示されている。この技術では、スプロケットの内壁に設けられた内歯車部と、ギヤ部の遊星歯車に設けられた外歯車部の噛合による遊星運動を、スプロケットに対するギヤ部の相対回転運動に変換している。また、このギヤ部は、スプロケットに対してスラスト方向移動が自在であり、ほぼフリー状態となっている。
独国特許発明第4110195C2号明細書
従来技術では、ギヤ部とスプロケットは、位相変換角を規定されているが、スラスト方向移動を規定されていないため、外歯車部と内歯車部との遊星運動によるトルク伝達により、スラスト方向に比較的大きく傾くおそれがある。特に、高速で相対回転運動する場合、ギヤ部とスプロケットが突き当たることでこじりを生じる可能性がある。場合によってはこじりの発生により、正常な相対回転運動状態を維持できなくなるおそれがある。
また、上記の如くギヤ部とスプロケットの両者が傾いた状態で突き当たるため、噛合する歯同士等において局部的に応力が上昇し、磨耗や損傷の要因となる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、遊星歯車を主体とする差動歯車機構を用いるものにおいて、高速で相対回転運動する場合であっても、遊星運動による正常な相対回転運動状態を維持することを目的とする。
また、別の目的は、高速で相対回転運動する場合であっても、遊星運動による正常な相対回転運動状態を維持するとともに、内燃機関の正常な運転状態を維持可能なバルブタイミング調整装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1乃至12に記載の発明では、クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁および排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
第1歯車部を有し、クランク軸およびカム軸のうち一方と連動して回転する第1回転体と、第1歯車部に軸方向において隣接する第2歯車部を有し、クランク軸およびカム軸のうち他方と連動して回転する第2回転体と、第3歯車部および第4歯車部を有し、第3歯車部および第4歯車部がそれぞれ第1歯車部および第2歯車部に噛合するとともに一体に遊星運動可能な第3回転体とを備え、第3回転体の遊星運動により第1回転体と第2回転体との間の相対回転位相を変化させるバルブタイミング調整装置において、
第1回転体および第2回転体のいずれか一方の回転体に径方向に延設けられ、第1回転体と第2回転体との間の相対回転位相変化角を規制するためのストッパと、
一方の回転体に対応する他方の回転体、および他方の回転体と第3回転体の間のいずれかに設けられ、一方の回転体のストッパを相対回転可能に軸方向に挟持する挟持組付体とを備えていることを特徴とする。
これによると、第3回転体の遊星運動を介して相対回転位相が変化する第1回転体および第2回転体は、一方の回転体に径方向に相対回転位相変化角を規制するためのストッパが延設されている。さらに、他方の回転体、および他方の回転体と第3回転体の間のうちのいずれかには、一方の回転体に設けられたストッパを、相対回転可能に軸方向に挟持する挟持組付体が設けられている。このように構成することにより、挟持組付体で軸方向に挟持されたストッパを介して他方の回転体に対する一方の回転体のスラスト方向移動を規定するするとともに、これらの相対回転運動における相対位相変化角を規定することが可能である。
したがって、高速で相対回転運動する場合であっても、第1回転体と第2回転体とのこじりが発生することなく、遊星運動による正常な相対回転運動状態を維持することができる。
また、請求項2に記載の発明では、ストッパは、挟持組付体内に相対回転方向に沿って円弧状に延びていることを特徴とする。
これによると、ストッパは、挟持組付体内に相対回転方向に沿って円弧状に延びていることが好ましい。これにより、ストッパは、相対回転変化角の範囲内で第1回転体と第2回転体との相対回転位相をスムーズに変化させられる。
また、請求項3乃至4に記載の発明では、挟持組付体内には、ストッパが周方向にわたって複数配置していることを特徴とする。
これによると、複数のストッパを有する一方の回転体は、挟持組付体により、周方向にわたって配置された複数のストッパの部位にて軸方向に挟持されていることが好ましい。これにより、他方の回転体に対する一方の回転体のスラスト方向移動が安定して規定される。
特に、請求項4に記載の発明では、複数のストッパを、相対回転方向の全周に渡って等間隔に配置していることを特徴とする。
これにより、他方の回転体に対する一方の回転体のスラスト方向移動量を示すスラスト隙間を、相対回転方向の全周に渡って均一にすることが可能である。
また、請求項5乃至9に記載の発明では、挟持組付体は、ストッパの相対回転方向に沿って周方向に延びるスラスト溝を有していることを特徴とする。
これによると、挟持組付体に沿って所定の周方向範囲で開口する、例えば円弧状のスラスト溝を設けることができる。これにより、スラスト溝内に沿って相対回転するストッパに対してスラスト溝内の周方向端面で相対回転運動を規制でき、ストッパとスラスト溝により相対回転運動における相対位相変化角が規定できる。
また、請求項6に記載の発明では、スラスト溝とストッパは、複数組有していることを特徴とする。
これによると、スラスト溝とストッパの組は、複数組有していることが好ましい。これにより、第1回転体と第2回転体の相対回転運動における相対位相変化角を規定する機能の信頼性向上が図れる。したがって、例えば一つの組のストッパが損傷等する場合があったとしても、他の組のストッパで相対位相変化角を規制できるので、内燃機関の正常な運転状態を維持することができる。
また、請求項7に記載の発明では、挟持組付体は、他方の回転体を軸方向に二分割可能にする分割回転体部を有しており、スラスト溝は、互いに対向する二つの分割回転体部の端面で区画されていることを特徴とする。
これによると、挟持組付体に設けられるスラスト溝としては、他方の回転体を軸方向に二分割可能な分割回転体部で構成し、スラスト溝を、互いに対向する二つの分割回転体部の端面で区画形成する。これにより、両分割回転体部を組付けて一体化した他方の回転体にするときに、一方の回転体から径方向に延出したストッパを、他方の回転体のスラスト溝内に収容して容易に組付けられる。
また、請求項8に記載の発明では、端面間には、端面のうちのいずれかとストッパとの間に挟み込まれる隙間調整部材が設けられていることを特徴とする。
これによると、スラスト溝を区画している二つの分割回転体部の端面間には、端面のうちのいずれかとストッパとの隙間に挟み込まれる隙間調整部材が設けられていることが好ましい。これにより、上記端面間にストッパを挟みこんで発生する軸方向隙間(スラスト隙間)を、端面のうちのいずれかとストッパとの隙間に挟み込まれる隙間調整部材で所定範囲に設定することができる。例えば軸方向隙間(スラスト隙間)を小とするために部品加工精度を高める必要はない。
また、請求項9に記載の発明では、スラスト溝は、他方の回転体の内壁に沿って周方向に延びるように開口していることを特徴とする。
これによると、スラスト溝を、他方の回転体の内壁の内周に沿って所定の周方向範囲で開口する、例えば円弧状のスラスト溝とすることができる。これにより、スラスト溝内に沿って相対回転するストッパを、スラスト溝内の周方向端面で規制することができるので、ストッパとスラスト溝という簡単な構成により相対回転運動における相対位相変化角が規定できる。
また、請求項10に記載の発明では、挟持組付体は、他方の回転体と前記第3回転体とで形成され、
ストッパをスラスト溝内に収容した状態で、第3回転体と、スラスト溝の端面のうちの反第3回転体側端面の間でストッパを軸方向に挟持することを特徴とする。
これによると、他方の回転体に設けたスラスト溝のみでストッパの軸方向移動量(スラスト方向移動量)を規定しない場合において、第3回転体と、スラスト溝の端面のうちの反第3回転体側端面の間でストッパを軸方向に挟持することが好ましい。これにより、一方の回転体に設けられたストッパを、第3回転体と他方の回転体とで形成された挟持組付体によって相対回転可能に軸方向に挟持することができる。このように構成することにより、挟持組付体で軸方向に挟持されたストッパを介して他方の回転体に対する一方の回転体のスラスト方向移動を規定するするとともに、これらの相対回転運動における相対位相変化角を規定することが可能である。
また、請求項11に記載の発明では、第3回転体は、前記第1回転体と前記2回転体との間に収容されている遊星歯車であることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明では、他方の回転体に設けられた当該歯車部の軸方向端面、第3回転体の第3歯車部および第4歯車部のいずれかの軸方向端面、および第3歯車部と第4歯車部の間に延設される延出部のうちのいずれかで、前記ストッパの軸方向移動を規制していることを特徴とする。
これによると、ストッパの軸方向移動を規制する部位としては、他方の回転体に設けられた当該歯車部の軸方向端面、第3回転体の第3歯車部および第4歯車部のいずれかの軸方向端面、および第3歯車部と第4歯車部の間に延設される延出部のうちのいずれかであることが好ましい。これにより、ストッパの軸方向移動を規制するための挟持組付体を比較的簡素な構造とすることが可能である。
以下、本発明のバルブタイミング調整装置を、内燃機関(以下、エンジン)のバルブタイミング調整装置に適当して具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。図2は、図1中のII方向からみた断面図である。図3は、図1中のIII方向からみた断面図である。図4は、図1中のIV方向からみた断面図である。図5は、図1中のV方向からみた断面図である。図6は、図1のバルブタイミング調整装置の側面図である。
図1に示すように、バルブタイミング調整装置1は、内燃機関のクランク軸からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設けられている。バルブタイミング調整装置1は、クランク軸とカム軸2との間の相対回転位相を変化させることにより、内燃機関の吸気弁のバルブタイミングを調整する。
バルブタイミング調整装置1は、駆動側回転体10、従動側回転体20、制御ユニット30、遊星枠40、遊星歯車50を備えている。
駆動側回転体10と従動側回転体20とは共同して、遊星枠40および遊星歯車50等の収容空間11を内部に形成している。
図1、3に示すように、駆動側回転体10は、有底円筒状の歯車部材12と、二段円筒状のスプロケット13とを同軸に組み合わせて構成されている。歯車部材12の周壁部は、歯先円が歯底円の内周側にある駆動側内歯車部14を形成している。歯車部材12は、駆動側内歯車部14の外周壁がスプロケット13の大径部15の内周壁に嵌合した状態でスプロケット13に螺子留めされている。スプロケット13において大径部15と小径部16との間を繋ぐ段差部17には、外周側へ突出する形態で複数の歯17aが設けられており、これらの歯17aとクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーンが巻き掛けられる。故に、クランク軸から出力された機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット13へ入力されるときには、駆動側回転体10はクランク軸と連動して、当該軸に対する相対位相を保ちつつ回転軸線O周りに回転する。このとき駆動側回転体10の回転方向は、本実施形態では図3の反時計方向となる。
図1、4に示すように、従動側回転体20は、有底円筒状であり、駆動側回転体10およびカム軸2と同軸に配置されている。従動側回転体20の底壁部は、カム軸2の一端部にボルト固定される固定部21を形成している。そして、このボルト固定によって従動側回転体20は、カム軸2と連動して当該軸2に対する相対回転位相を保ちつつ回転軸線O周りに回転可能となっており、また駆動側回転体10に対して相対回転可能となっている。なお、以下の本実施形態の説明では、駆動側回転体10に対して従動側回転体20が進角する相対回転方向を進角方向Xといい、駆動側回転体10に対して従動側回転体20が遅角する相対回転方向を遅角方向Yという。
従動側回転体20の周壁部は、歯先円が歯底円の内周側にある従動側内歯車部22を形成している。ここで、従動側内歯車部22の内径は駆動側内歯車部14の内径よりも小さく設定され、従動側内歯車部22の歯数は駆動側内歯車部14の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部22の外周壁は、スプロケット13における小径部16および段差部17の内周壁に嵌合しており、それによって従動側回転体20が駆動側回転体10を内周側から相対回転自在に支持している。
従動側内歯車部22において固定部21とは反対側端部には、外周側へ突出するフランジ部23が設けられている。フランジ部23は、軸方向において向き合う駆動側内歯車部14の端面24と段差部17の端面25との間に挟持されている。この挟持形態により、従動側内歯車部22は、駆動側回転体10の軸方向を向く端面24、25に対してフランジ部23の両面28、29が相対回転自在に当接する。従動側内歯車部22は、軸方向相対変位が規制された状態において、駆動側内歯車部14に対して軸方向にずれて隣接している。このフランジ部23は、従動側内歯車部22の軸方向相対変位および相対回転方向変位を規制する。
なお、従動側内歯車部22の軸方向相対変位および相対回転方向変位を規制するフランジ部23の構造については後述する。
図1に示すように制御ユニット30は、電動モータ32、通電制御回路33等から構成されている。電動モータ32は、回転体10、20を挟んでカム軸2とは反対側に配置されている。電動モータ32は例えばブラシレスモータ等の電動機であり、内燃機関にステー(図示しない)を介して固定されるモータケース31並びにモータケース31によって正逆回転自在に支持されるモータ軸34を有している。
通電制御回路33は、マイクロコンピュータ等の電気回路で構成されており、モータケース31の外部または内部に配置されて電動モータ32と電気的に接続されている。通電制御回路33は、電動モータ32のコイル(図示しない)への通電を内燃機関の運転状態等に応じて制御する。この通電制御によって電動モータ32は、モータ軸34の周りに回転磁界を形成し、当該回転磁界の方向に応じた方向X、Y(図5参照)の回転トルクをモータ軸34から出力する。
図1、5に示すように、遊星枠40の入力部41は、回転体10、20および軸2、34と同軸の円筒状であり、継手42を介してモータ軸34に固定されている。この固定によって遊星枠40は、モータ軸34と連動して回転軸線O周りに回転可能となっており、また駆動側回転体10に対しては相対回転可能となっている。入力部41は、歯車部材12の底壁部18を軸方向へ貫通する中心孔19の内周側に配置されており、ベアリング43を介して駆動側回転体10を、中心孔19の内周側から支持している。
図1、3に示すように、遊星枠40において、入力部41よりも固定部21側の偏心部44は、回転体10、20および軸2、34に対して外周壁が偏心する円筒状である。偏心部44は、遊星歯車50を軸方向へ貫通する中心孔51の内周側に配置されており、ベアリング45を介して遊星歯車50を、中心孔51の内周側から支持している。この支持により遊星歯車50は、偏心部44の外周壁の中心軸線である偏心軸線P周りに自転可能、かつ偏心部44の回転方向へ公転可能となっている。即ち、遊星歯車50は、遊星運動可能に配置されている。
図1から図4に示すように、遊星歯車50は、二段円筒状であり、歯先円が歯底円の外周側にある駆動側外歯車部52および従動側外歯車部54を、それぞれ大径部分および小径部分によって形成している。ここで、駆動側外歯車部52の歯数は駆動側内歯車部14の歯数よりも所定数N(ここでは一つ)少なく設定され、また従動側外歯車部54の歯数は従動側内歯車部22よりも所定数N少なく設定されている。したがって、従動側外歯車部54の歯数は駆動側外歯車部52の歯数よりも少ない。駆動側外歯車部52は駆動側内歯車部14の内周側に配置されて、当該歯車部14の一部と噛み合っている。また、駆動側外歯車部52よりも固定部21側の従動側外歯車部54は従動側内歯車部22の内周側に配置されて、当該歯車部22の一部と噛み合っている。
また、図1に示すように、遊星枠40において、遊星歯車50をベアリング45を介して中心孔51の内周側から支持する偏心部44と、ベアリング45とは、隙間嵌により嵌合するように構成されており、偏心部44の外周44aとベアリング45の内周45a間に隙間が形成されている。故に、遊星歯車50の駆動側外歯車部52および従動側外歯車部54は、回転体10、20内の駆動側内歯車部14および従動側内歯車部22間で、軸方向移動可能であり、遊星歯車50は、ベアリング45を介して、遊星枠40に設けられた係止部49により、軸方向における一方方向(図1の左側方向)移動を規制している。
なお、以下説明する本実施形態では、ベアリング45が係止部に当接した状態で、遊星歯車50およびベアリング45が遊星枠40に支持されているものとする。
また、遊星歯車50の係止部49側の反対端には、スペーサ67を介して、遊星枠40の外周44a上にスナップリングなどの係止部材69が設けられている。この遊星歯車50およびスペーサ67は、係止部49と係止部材69との軸方向離間に挟み込まれて、該軸方向離間にて軸方向隙間(スラスト隙間)が形成されている。このスペーサ67の軸方向幅を所定幅に選択することにより、軸方向隙間(スラスト隙間)を、設定隙間に形成している。
なお、ここで、図1、6に示すように固定部21には、潤滑流体である内燃機関用潤滑油を回転体10、20の内部空間11へ導入するために二つの導入孔70が形成されている。これらの導入孔70は、回転軸線Oに関して対称となる二箇所にそれぞれ設けられており、内歯車部14、22の共通の周方向と一致する固定部21の周方向において等間隔に並んでいる。各導入孔70において上流側の絞り部72は、固定部21の径方向へ長く、かつ扁平な長孔状である。ここで絞り部72の入口部は、カム軸2においてポンプ4から潤滑油が吐出供給される二つの供給孔5のうち対応するものに連通しており、また絞り部72の流路面積は、当該対応供給孔5の流路面積よりも絞られている。
さらに各導入孔70において絞り部72よりも下流側の案内部74は、固定部21の軸方向へ延びる円筒孔状である。ここで案内部74の出口部は、従動側内歯車部22の歯先円86よりも内周側へ向かって開口しており、それにより回転体10、20の内部空間11と連通している。
図1、5に示すように、歯車部材12において固定部21とは差動歯車機構60を挟んで反対側に位置する底壁部18に、内部空間11から外部へ潤滑油を排出するための排出孔80が九つ形成されている。これらの排出孔80は、内歯車部14、22の共通の周方向と一致する底壁部18の周方向に互いに設定間隔をあけて並んでおり、底壁部18を軸方向へ貫通する円筒孔状をそれぞれ呈している。ここで排出孔80の出口部は、底壁部18と電動モータ32との間の外部空間へ向かって開口している。また、排出孔80の入口部は、駆動側内歯車部14の歯溝88へ向かって開口しており、それにより内部空間11と連通している。
以上の構成により回転体10、20の内部空間11には、偏心部44の外周側で駆動側内歯車部14と従動側内歯車部22とが遊星歯車50を介して連繋してなる差動歯車機構60が形成されている。そして、この差動歯車機構60において、遊星枠40が駆動側回転体10に対して相対回転しないときには、遊星歯車50が外歯車部52、54と内歯車部14、22との噛合位置を保ちつつ回転体10、20とともに回転する。これにより回転体10、20間の相対回転位相が保持されるので、バルブタイミングも保持される。一方、回転トルクの方向Xへの増大等に伴い遊星枠40が駆動側回転体10に対して進角方向Xへ相対回転するときには、遊星歯車50が外歯車部52、54と内歯車部14、22との噛合位置を変化させつつ遊星運動することにより、従動側回転体20が駆動側回転体10に対して進角方向Xへ相対回転する。したがって、バルブタイミングが進角側へ変移する。また一方、回転トルクの方向Yへの増大、電動モータ32の急停止等に伴い遊星枠40が駆動側回転体10に対して遅角方向Yへ相対回転するときには、遊星歯車50が外歯車部52、54と内歯車部14、22との噛合位置を変化させつつ遊星運動することにより、従動側回転体20が駆動側回転体10に対して遅角方向Yへ相対回転する。したがって、バルブタイミングが遅角側へ変移し、特に電動モータ32の急停止の場合には、内燃機関の始動が可能な最遅角位相のバルブタイミングを実現することができる。
次に、バルブタイミング調整装置1の特徴部分についてさらに詳しく説明する。
従動側内歯車部22のフランジ部23は、図1、2に示すように、従動側内歯車部22の外周部に全周に渡って円環状に形成されているものではなく、周方向に少なくとも一つ(実施例では、3個)形成される円弧状の突出部(以下、ストッパと呼ぶ)23A、23B、23Cで構成されている。
図1、2に示すように、遊星歯車50の遊星運動により相対回転位相が変化する回転体10、20において、駆動側回転体10の内壁の内周部には、その内周部に沿って周方向に延びるフランジ溝71が設けられている。このフランジ溝71は、図2に示すように、従動側内歯車部22の外周部に向けて円弧状に開口しており、各ストッパ23A、23B、23Cをその開口部に挟み込む少なくとも一つ(実施例では、3個)の円弧状の案内溝(以下、スラスト溝と呼ぶ)71A、71B、71Cで構成されている。
具体的には、各スラスト溝71A、71B、71Cは、図1に示すように、軸方向に二分割可能な歯車部材12とスプロケット13を有する駆動側回転体10において、スプロケット13の段差部17の内周に形成されている。各スラスト溝71A、71B、71Cは、図1、2、4に示すように、その溝の軸方向端面25と、駆動側内歯車部14の軸方向端面24とで区画形成されている。これにより、駆動側回転体10の駆動側内歯車部14を、従動側回転体20のストッパ23A、23B、23Cを有する従動側内歯車部22に軸方向に隣接させつつ、駆動側内歯車部14の軸方向端面24でストッパ23A、23B、23Cのスラスト受け面とすることができる。したがって、歯車部材12とスプロケット13を組付けて駆動側回転体10を形成するとき、従動側回転体20のストッパ23A、23B、23Cを容易に挟み込むことができる。
なお、各ストッパ23A、23B、23Cは、駆動側回転体10と従動側回転体20の相対回転方向に沿って円弧状に延びていることが好ましい。これにより、ストッパ23A、23B、23Cは、相対回転変化角の範囲内で駆動側回転体10と従動側回転体20との相対回転位相をスムーズに変化させられる。
また、ストッパ23A、23B、23Cは、周方向にわたって複数配置されていることが好ましい。これにより、駆動側回転体10に対して、上記ストッパを有する従動側回転体20のスラスト方向移動が安定して規定される。
なお、上述の複数のストッパを周方向にわたって配置する場合、ストッパ23A、23B、23Cは、全周にわたってほぼ等間隔に配置していることが好ましい。これにより、駆動側回転体10に対する従動側回転体20のスラスト方向移動量を示すスラスト隙間を、相対回転方向の全周に渡って均一にすることができる。
各ストッパ23A、23B、23Cは、スラスト溝71A、71B、71C内に突出し、所定の円弧状に形成されている各スラスト溝71A、71B、71Cの周方向長さより短く延びている。各ストッパ23A、23B、23Cは、各スラスト溝71A、71B、71C内で周方向に移動可能であり、各スラスト溝71A、71B、71Cに対して相対回転位相を変化可能である。
スラスト溝71A、71B、71Cに対する各ストッパ23A、23B、23Cの相対回転位相の変化可能な角度(以下、相対回転位相変化角)は、スラスト溝71A、71B、71Cと各ストッパ23A、23B、23Cの周方向長さの差で決まる。
なお、ここで、相対回転する回転体10、20において、進角方向Xおよび遅角方向Yにおいて、各ストッパ23A、23B、23Cが各スラスト溝71A、71B、71Cの周方向端面に同時に突き当たる構成であっても、ストッパ23A、23B、23Cとスラスト溝71A、71B、71Cの各組のうち一組が突き当たる構成であってもよい。
以下の本実施形態の説明では、進角方向Xおよび遅角方向Yにおいて、ストッパ23Cとスラスト溝71Cの一組が突き当たる構成とする。具体的には、図2に示すように、ストッパ23A、23B、23Cとスラスト溝71A、71B、71Cの周方向長さの隙間を、遅角方向Yにおいて、δay、δby、δcyとすると、これら周方向長さの隙間δay、δby、δcyの関係は、ストッパ23Cとスラスト溝71Cが突き当たるδcy=0のとき、他の組は、δay>0、δby>0となる隙間に設定されている。また、同様に、進角方向Xにおいて、δax、δbx、δcxとすると、ストッパ23Cとスラスト溝71Cが突き当たるδcx=0のとき、他の組は、δax>0、δbx>0となる隙間に設定されている。
これにより、ストッパ23Cとスラスト溝71Cは、相対回転する回転体10、20において、駆動側回転体10と従動側回転体20の相対回転運動における相対位相変化角を規定する。
なお、δayとδby、δaxとδbxの隙間の大きさは、ほぼ同じであっても、異なる値であってもよい。また、δay、δbyとδayの差、δax、δbxとδaxの差は、所定の差の範囲内に設定されていることが好ましい。これにより、ストッパ23Cとスラスト溝71Cの組に加えて、他の組のストッパ23A、23Bとスラスト溝71A、71Bにおいても、駆動側回転体10と従動側回転体20の相対回転運動における相対位相変化角を規定する機能を果すことが可能である。したがって、これらの組のストッパ23A、23B、23Cとスラスト溝71A、71B、71は、上記相対位相変化角を規定する機能の信頼性向上が図れる。
例えば一つの組のストッパ23Cが損傷等する場合があったとしても、他の組のストッパ23A、23Bで相対位相変化角を規制できるので、エンジンの正常な運転状態を維持することができる。なお、ここで、所定の差とは、δayの差、δaxとの差による相対回転変化角のずれが生じた場合であっても、エンジンの正常な運手状態が維持可能な設定差である。
また、本実施形態では、各ストッパ23A、23B、23Cは、相対回転方向の全周に渡ってほぼ等間隔に配置されていることが好ましい。
さらになお、本実施形態では、遊星歯車50を係止部49に向けて付勢する付勢部材68が設けられていることが好ましい。具体的には、付勢部材68は、例えば皿ばねなどのばね部材で形成されており、スペーサ67と係止部材69との間に挟み込まれている。以下の本実施形態の説明では、付勢部材68は皿ばねとする。
付勢部材68は、略円環状の皿ばねに形成されており、その内周68aは、偏心部44の外周44aの右端側に形成された係止用外周44cに着脱可能に装着されている。また、係止部材69は、係止用外周44cに形成された段差部44dに装着されるようになっており、係止部材69を段差部44dに装着し係止することで、付勢部材68はスペーサ67と係止部材69との間、つまり軸方向隙間(スラスト隙間)に挟み込まれている。これにより、軸方向隙間(スラスト隙間)を、付勢部材68のばねたわみにより埋められる。
以上説明した本実施形態では、駆動側回転体10のスプロケット13には、従動側回転体20を相対回転可能に収容すると共に、従動側内歯車部22を軸方向に挟み込むスラスト溝71Cが設けられている。その従動側内歯車部22には、スラスト溝71C内に沿って円弧状に延び、所定の相対位相変化角を可能とするストッパ23Cが設けられている。
このように構成することで、ストッパ23Cとスラスト溝71Cにより駆動側回転体10と従動側回転体20の相対回転運動における相対位相変化角を規定するとともに、スラスト溝71C内に沿って円弧状に延びるストッパ23Cを介して駆動側回転体10に対する従動側回転体20のスラスト方向移動を規定することができる。
したがって、高速で相対回転運動する場合であっても、駆動側回転体10と従動側回転体20とのこじりが発生することなく、遊星運動による正常な相対回転運動状態を維持することができる。
また、本実施形態では、スラスト溝71Cは、駆動側回転体10の内周部に沿って周方向に延びるように開口する構成とするので、駆動側回転体10の内周部の内周に沿って所定の周方向範囲で開口する、例えば円弧状等の案内溝とすることができる。これにより、スラスト溝71C内に沿って相対回転するストッパ23Cに対して、スラスト溝71C内の周方向端面で相対回転運動を規制でき、ストッパ23Cとスラスト溝71Cにより相対回転運動における相対位相変化角が規定できる。
また、本実施形態では、スラスト溝71A、71B、71Cとストッパ23A、23B、23Cとの組は、複数(本実施例では3組)有していることが好ましい。
これにより、上記ストッパ23Cとスラスト溝71Cの組に加えて、他の組のストッパ23A、23Bとスラスト溝71A、71Bにおいても、駆動側回転体10と従動側回転体20の相対回転運動における相対位相変化角を規定する機能を果すことが可能である。したがって、これらの組のストッパ23A、23B、23Cとスラスト溝71A、71B、71は、上記相対位相変化角を規定する機能の信頼性向上が図れる。一つの組のストッパ23Cが損傷等する場合があったとしても、他の組のストッパ23A、23Bで相対位相変化角を規制できるので、エンジンの正常な運転状態を維持することができる。
また、この場合、所定の相対位相変化角に対するずれを検出する機能を、制御ユニット30等の制御装置に備えていることが好ましい。これにより、他の組のストッパ23Aおよびストッパ23Bの少なくとも一方で相対位相変化角を規制することになったことにより生ずる上記ずれを検出することが可能であり、ストッパ23Cの損傷等の故障を検出することができる。
また、上記複数組のスラスト溝71A、71B、71Cとストッパ23A、23B、23Cにおいて、各ストッパ23A、23B、23Cは、相対回転方向の全周に渡ってほぼ等間隔に配置されていることが好ましい。これにより、駆動側回転体10に対する従動側回転体20のスラスト方向移動量を示すスラスト隙間を、相対回転方向の全周に渡って均一にすることができる。
また、本実施形態では、各スラスト溝71A、71B、71Cは、軸方向に二分割可能な歯車部材12とスプロケット13を有する駆動側回転体10において、スプロケット13の段差部17の内周に形成されている。各スラスト溝71A、71B、71Cは、その溝の軸方向端面25と、駆動側内歯車部14の軸方向端面24とで区画形成されている。これにより、駆動側回転体10の駆動側内歯車部14を、従動側回転体20のストッパ23A、23B、23Cを有する従動側内歯車部22に軸方向に隣接させつつ、駆動側内歯車部14の軸方向端面24でストッパ23A、23B、23Cのスラスト受け面とすることができる。このような構成により、従動側回転体20を軸方向に二分割しつつ、スラスト溝を設ける分割組付け構造として、比較的簡素な二分割可能構造とすることができる。
したがって、歯車部材12とスプロケット13を組付けて駆動側回転体10を形成するとき、従動側回転体20のストッパ23A、23B、23Cを容易に挟み込むことができる。
なお、以上説明した本実施形態では、遊星歯車50の駆動側外歯車部52および従動側外歯車部54は、回転体10、20内の駆動側内歯車部14および従動側内歯車部22間で、軸方向移動可能する遊星枠40を備えており、遊星枠40と遊星歯車50との間に存在するスラスト隙間(以下、第2スラスト隙間)を埋める付勢部材68を設けるように構成してもよい。これにより、回転体10、20内で、回転体10、20に連繋される外歯車部52、54を有する遊星歯車50において、外歯車部52、54が内歯車部14、22に噛合しつつ一体に遊星運動するときに、付勢部材68によって遊星歯車50のスラスト方向運動を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記第2スラスト隙間がなくなるように、遊星歯車50を付勢部材68の付勢力で押し当てているため、第2スラスト隙間を、付勢部材68の付勢力が発生する隙間範囲で設定できる。故に、第2スラスト隙間を小とするために部品加工精度を高める必要はない。
また、本実施形態では、遊星歯車50の軸方向移動を規制する係止部49と、付勢部材68との間で、遊星歯車50を挟み込むように構成しているので、遊星歯車50には、付勢部材68の付勢力が確実に加えられる。したがって、付勢部材68に発生する付勢力によって、偏心運動する遊星歯車50のスラスト運動が効果的に抑制される。
なお、ここで、従動側回転体20は、特許請求の範囲に記載の第1回転体を構成しており、駆動側回転体10は、特許請求の範囲に記載の第2回転体を構成している。また、従動側内歯車部22は、特許請求の範囲に記載の第1歯車部を構成しており、駆動側内歯車部14は、特許請求の範囲に記載の第2歯車部を構成している。なお、従動側内歯車部22と駆動側内歯車部14は、それぞれ、第1内歯車部、第2内歯車部とも呼ぶ。
さらに、従動側外歯車部54は、特許請求の範囲に記載の第3歯車部を構成しており、駆動側外歯車部52は、特許請求の範囲に記載の第4歯車部を構成している。なお、従動側外歯車部54と駆動側外歯車部52は、それぞれ、第3外歯車部、第4外歯車部とも呼ぶ。遊星枠は、遊星歯車を駆動側回転体と従動側回転体との間で軸方向移動可能にする支持部材に対応する。また、遊星歯車50は、特許請求の範囲に記載の第3回転体に対応している。
さらに、歯車部材12とスプロケット13は、特許請求の範囲に記載の分割回転体部を構成しており、特許請求の範囲に記載の挟持組付体に対応している。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第1の実施形態では、従動側回転体20のストッパ23A、23B、23Cを、歯車部材12とスプロケット13の軸方向端面24、25間で直接挟み込む構成で説明した。
これに対して第2の実施形態では、上記軸方向端面24、25間において、図7に示すように、軸方向端面25とストッパ23A、23B、23Cとの隙間に挟み込む隙間調整部材90を設ける構成とする。図7は、本実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す部分的断面図である。
図7に示すように、駆動側内歯車部14の軸方向端面24と、ストッパ23Cとの隙間に、円環状のシム等の隙間調整部材90を設けている。この隙間調整部材90は、軸方向端面24と、ストッパ23Cを介して軸方向端面25との軸方向離間に挟み込まれて、当該軸方向離間にてスラスト隙間を形成している。
このように構成しても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、隙間調整部材90の軸方向幅を所定幅に選択することにより、スラスト隙間を設定隙間に形成することができる。故に、第2スラスト隙間を小とするために部品加工精度を高める必要はない。
また、本実施形態では、上記軸方向端面24、25間のうち、駆動側内歯車部14の軸方向端面24側に隙間調整部材90を挟み込むように構成しているので、隙間調整部材90は、そのスラスト受け面がスラスト溝71A、71B、71Cの形状に影響を受けることがないため、円環状等の簡素な形状に形成することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、駆動側回転体10の内周部に沿って形成されたスラスト溝71内にストッパ23を軸方向に挟み込むことで、ストッパ23を介して駆動側回転体10に対する従動側回転体20のスラスト方向移動を規定した。
これに対して第3の実施形態では、図8に示すように、スラスト溝71内にストッパ23を収容した状態で、遊星歯車50でストッパ23を挟み込むようにした。図8は、本実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。
従動側回転体20のストッパ23A、23B、23Cは、駆動側回転体10のスラスト溝71A、71B、71Cに案内されており、各スラスト溝71A、71B、71Cに収容されている。なお、図8においては、図面作図上、ストッパ23Cとスラスト溝71Cの一組のみが示されている。以下、ストッパ23Cとスラスト溝71Cの一組について説明し、他の組の説明は省略する。
図8に示すように、スラスト溝71Cの軸方向端面124、25のうち、駆動側内歯車部14の軸方向端面124は、ストッパ23Cの端面128に当接することのないように、ストッパ23Cから離間している。また、遊星歯車50の駆動側外歯車部52の軸方向端面53は、ストッパ23Cの端面128に当接可能に配置されている。
即ち、駆動側外歯車部52の軸方向端面53とストッパ23Cの端面128との隙間は、駆動側内歯車部14の軸方向端面124と上記端面128との隙間より小さく設定されており、駆動側外歯車部52の軸方向端面53をストッパ23Cのスラスト受け面としている。
なお、ここで、駆動側回転体10と遊星歯車50は、特許請求範囲に記載の挟持組付体に対応している。
このように構成することにより、駆動側回転体10と遊星歯車50からなる挟持組付体により、ストッパ23A、23B、23Cを軸方向に挟み込むことができる。即ち、スラスト溝71A、71B、71Cと、遊星歯車50の軸方向端面53とにより、ストッパ23A、23B、23Cを軸方向に挟み込むことができる。それ故に、上述のように構成しても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、駆動側回転体10と従動側回転体20の間に収容されている遊星歯車50において、遊星歯車50(詳しくは、駆動側外歯車部52の軸方向端面53)は、ストッパ23A、23B、23Cのスラスト受け面の機能を果しているので、図8に示すように、遊星歯車50側の遊星枠40と従動側回転体20の固定部21との間に、所定の隙間を確保することが可能である。
さらに、本実施形態では、遊星枠40と遊星歯車50との間に存在するスラスト隙間を埋める付勢部材68を設けるように構成していることが好ましい。これにより、外歯車部52、54を有する遊星歯車50は、外歯車部52、54が内歯車部14、22に噛合しつつ一体に遊星運動するときに、付勢部材68によってスラスト方向運動が抑制される。したがって、遊星歯車50は、ストッパ23A、23B、23Cのスラスト受け面の機能を安定して果すことができる。
(第4の実施形態)
第3の実施形態では、ストッパ23A、23B、23Cを挟み込む遊星歯車50側のスラスト受け面を、駆動側外歯車部52の軸方向端面53で構成した。
これに対して、第4の実施形態では、図9に示すように、駆動側外歯車部52と従動側外歯車部54との間に延設した延出部56に、上記スラスト受け面の機能を設けた。図9は、本実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。なお、図9においては、図面作図上、上記ストッパのうち、ストッパ23Cとスラスト溝71Cの一組のみが示されている。以下、ストッパ23Cとスラスト溝71Cの一組について説明し、他の組の説明は省略する。
図9に示すように、遊星歯車50には、駆動側外歯車部52と従動側外歯車部54との間に延出部56が径方向に延出している。この延出部56は、駆動側外歯車部52と従動側外歯車部54との間に設けられ、スラスト溝71Cの両面124、128に沿って径方向に延びている。
延出部56の軸方向端面57は、ストッパ23Cの軸方向端面128と当接可能に配置されており、ストッパ23Cのスラスト受け面を構成している。
このように構成しても、第3の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、第3の実施形態の変形例である。図10に示すように第5の実施形態では、第3の実施形態と同様に遊星歯車50においてスラスト溝71A、71B、71Cとの間にストッパ23A、23B、23Cを挟む駆動側外歯車部52の従動側外歯車部54側の軸方向端面53に対して、それらストッパの端面128を含む従動側内歯車部22の軸方向端面200が当接している。ここで、端面53、200間には微小なスラスト隙間が形成されており、遊星歯車50と従動側回転体20とが相対回転可能となっている。
また、図10に示すように第5の実施形態では、ベアリング45の外輪210が遊星歯車50の中心孔51の内周側に圧入固定されており、またベアリング45の内輪212が遊星枠40の偏心部44の外周側に嵌合している。これにより、遊星歯車50とベアリング45とが一体化されて遊星回転体220が形成されていると共に、偏心部44の外周44aとベアリング45の内輪212の内周45aとの間に微小な隙間が形成された状態で遊星回転体220が遊星枠40によって支持されている。
さらに、図11に示すように第5の実施形態では、従動側内歯車部22と従動側外歯車部54との軸方向の歯当たり中心C1を径方向へ投影した投影線L1上において、遊星枠40が遊星回転体220を支持している。また、駆動側内歯車部14と駆動側外歯車部52との軸方向の歯当たり中心C2を径方向へ投影した投影線L2上においても、遊星枠40が遊星回転体220を支持している。これらにより、遊星枠40における遊星回転体220の支持部分が歯当たり中心C1、C2の双方の内周側に確実に位置する形となっている。なお、図11の断面模式図においては、特徴部分の理解を容易にするため、便宜上、断面を示すハッチングを省略している。
このような特徴の支持形態では、図11に示すように、歯車部22、54の噛合により発生するラジアル荷重F1が歯当たり中心C1の投影線L1に沿って遊星回転体220に作用する。また、歯車部14、52の噛合により発生するラジアル荷重F2は歯当たり中心C2の投影線L2に沿って遊星回転体220に作用する。ここで、遊星枠40における遊星回転体220の支持部分が中心C1、C2の内周側に位置していることから、ラジアル荷重F1、F2の双方と釣り合う反力F3が遊星枠40から遊星回転体220へ与えられることとなる。その結果、回転軸線Oに略平行な正規の軸方向に対して遊星回転体220が傾き難くなるので、歯車部22、54間や歯車部14、52間においてスラスト荷重の発生を抑制することができる。
しかも、遊星回転体220をなす遊星歯車50の駆動側外歯車部52の軸方向端面53には、上述したようにして従動側内歯車部22の軸方向端面200が当接しているので、これによっても遊星回転体220の傾き、ひいては歯車部22、54間や歯車部14、52間でのスラスト荷重の発生が抑制されることとなる。
以上説明したように第5の実施形態では、歯車部22、54間や歯車部14、52間でのスラスト荷重の発生が抑制されるので、かかるスラスト荷重を受けてベアリング45の寿命が低下することを防止できる。また、そうしたスラスト荷重の発生抑制作用によれば、駆動側回転体10の歯車部材12の底壁部18において図11に破線230で囲んだ部分には、ベアリング43の抜け止めを設ける必要性がなくなる。したがって、第5の実施形態によれば、高い耐久性と同時に、軸方向の体格縮小やコストの低減等を実現することができるのである。
この他、第5の実施形態では、遊星回転体220の傾きが抑制されることによって、その遊星運動が阻害され難くなるので、遊星運動による正常な相対回転運動状態を維持することも可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。
(1)例えば上述の実施形態では、吸気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置1について説明したが、本発明は、排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用してもよい。また、上述の実施形態では、回転体10がクランク軸と連動し、回転体20がカム軸2と連動するバルブタイミング調整装置1について説明したが、回転体10がカム軸2と連動し、回転体20がクランク軸と連動するようにしてもよい。
(2)また、以上説明した本実施形態では、軸方向において隣接する駆動側内歯車部14と従動側内歯車部22とを当接させているが、これに限らず、それら駆動側内歯車部14と従動側内歯車部22とを軸方向で隙間をあけて配設するようにしてもよい。
(3)また、以上説明した本実施形態では、駆動側外歯車部52および従動側外歯車部54を有する遊星歯車50を、軸移動可能に支持する支持部材(遊星枠)40に向かって付勢する付勢部材68を設けるとしたが、これを限定されるものではなく、これを設けないものであってもよい。
(4)また、以上説明した本実施形態では、ストッパ23A、23B、23Cが従動側回転体20に延設され、スラスト溝71A、71B、71Cが駆動側回転体10に形成されるものとして説明したが、これに限らず、ストッパ2が駆動側回転体に延設され、スラスト溝が従動側回転体に形成されるものであってもよい。
(5)また、以上説明した本実施形態では、ストッパ23A、23B、23Cを軸方向に挟み込む挟持組付体を、駆動側回転体10に設けてスラスト溝71A、71B、71C内に挟み込む構成や、駆動側回転体10と遊星歯車50に設けて遊星歯車50の端面53、57とスラスト溝71A、71B、71Cとで挟み込む構成で説明した。このような構成に限らず、駆動側回転体10および従動側回転体20のうちいずれか一方の回転体に延設されたストッパを相対回転可能に軸方向に挟み込む挟持組付体ものであれば、他方の回転体、もしくは他方の回転体と遊星歯車の間に設けられた挟持組付体のいずれの構造であってもよい。
(6)また、以上説明した本実施形態では、複数組のストッパ23A、23B、23Cとスラスト溝71A、71B、71Cを設けた。これに限らず、スラスト溝の個数に関係なく、複数のストッパを設ける構成(図12参照)であってもよい。この場合、複数のストッパを、相対回転方向に等間隔に設けることができる。このような構成であっても、駆動側回転体10に対する従動側回転体20のスラスト方向移動量を示すスラスト隙間を、相対回転方向の全周に渡って均一にすることができる。
(7)また、以上説明した本実施形態では、駆動側回転体10を軸方向に二分割する分割回転体部を有する構造であって、一方の分割回転体部である固定部材13の駆動側内歯車部14の軸方向端面24で、スラスト溝を区画するものとした。これに限らず、二つの分割回転体部の軸方向端面でスラスト溝が区画される構成であれば、分割回転体部はいずれの構造であってもよい。
(8)また、以上説明した第2の実施形態では、隙間調整部材90を、駆動側内歯車部14の軸方向端面24と、ストッパ23Cとの隙間に設けるものとした。これに限らず、二つの分割回転体部の軸方向端面であれば、軸方向端面のうちいずれかと、ストッパとの隙間に設けるものであればよい。
(9)さらにまた、以上説明した本実施形態では、駆動側内歯車部14と底壁部18を有する歯車部材12を、駆動側内歯車部14と底壁部18を一体に形成し、かつ駆動側内歯車部14の外周壁がスプロケット13の大径部15の内周壁に嵌合した状態でスプロケット13に螺子留めされているものとして説明した。このように駆動側内歯車部14と底壁部18を一体に形成するものに限らず、駆動側内歯車部と底壁部を別体に形成するように構成してもよい。例えば図13に示すように、駆動側内歯車部114と底壁部118を別部材で形成し、底壁部18とスプロケット13の大径部15との間に駆動側内歯車部114を挟み込んで螺子留めされるものであってもよい。
(10)さらにまた、以上説明した本実施形態では、従動側回転体20のストッパ23A、23B、23Cを、駆動側回転体10であるスプロケット13に設けたスラスト溝71A、71B、71Cと、遊星歯車50である駆動側外歯車部52の軸方向端部53とで軸方向に挟み込む構成で説明した。この遊星歯車50は、ベアリング45を介して遊星枠(支持部材)40に設けた係止部49に当接する状態となっており、駆動側外歯車部52の軸方向端部53は、ストッパ23A、23B、23Cのスラスト受け面の機能を効果的に果たした。
これに対して例えば図13に示すように、ベアリング45と係止部149の間に軸方向隙間が生じる場合においては、駆動側外歯車部52の軸方向端部153とは反対端部55を底壁部118に当接するように構成する。このように構成することにより、軸方向端部153は、ストッパ23A、23B、23Cのスラスト受け面の機能を効果的に果たすことが可能である。
(11)上記のようにベアリング45と係止部149の間に軸方向隙間が生じる場合において、軸方向端部52の反対端部55を底壁部118に当接するように構成することにより、遊星枠40と遊星歯車50との間の第2スラスト隙間を埋めることができる。この方法は、例えば第1実施形態に対応する他の一実施例(図14参照)にも適用することができる。なお、図14においては、駆動側内歯車部114の軸方向端面24が、ストッパ23A、23B、23Cのスラスト受け面の機能を果たしており、遊星歯車50側の軸方向端部253と、ストッパ23A、23B、23C側の軸方向端面28との間には隙間が設けられている。
(12)第5の実施形態では、互いに軸方向にずれる内歯車部14、22の径の大小関係を図10に示すものとは逆にしてもよく、それに合わせて、互いに軸方向にずれる外歯車部52、54の径の大小関係を図10に示すものとは逆にしてもよい。また、第5の実施形態では、外歯車部52、54の少なくとも一方及びそれに対応する内歯車部14、22の少なくとも一方を、それぞれ内歯車部及び外歯車部に変更してもよい。
(13)第5の実施形態では、ベアリング45を設けないで、遊星歯車50を遊星枠40により直接支持して、当該支持部分を歯当たり中心C1、C2の内周側に位置させてもよい。この場合、遊星歯車50が遊星回転体に相当することとなる。また、第5の実施形態では、ベアリング45の内輪212を遊星枠40の外周側に圧入固定すると共に、ベアリング45の外輪210を遊星歯車50の内周側に嵌合させて、遊星枠40と一体のベアリング45により遊星歯車50を歯当たり中心C1、C2の内周側で支持するようにしてもよい。この場合、遊星歯車50が遊星回転体に相当し、ベアリング45と遊星枠40との一体物が遊星枠に相当する。
(14)第5の実施形態では、従動側回転体20における従動側内歯車部22の軸方向端面200を駆動側外歯車部52の軸方向端面53に当接させないようにしてもよい。また、第5の実施形態では、図13、14に示すようにして駆動側回転体10を駆動側外歯車部52の軸方向端面に当接させるようにしてもよいし、図示はしないものの、回転体10、20を従動側外歯車部54の軸方向端面に当接させるようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 図1中のII方向からみた断面図である。 図1中のIII方向からみた断面図である。 図1中のIV方向からみた断面図である。 図1中のV方向からみた断面図である。 図1のバルブタイミング調整装置の側面図である。 第2の実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す部分的断面図である。 第3の実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 第4の実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 第5の実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 第5の実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴部分を説明するための断面模式図である。 他の実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 他の実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 他の実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置
2 カム軸
4 ポンプ
5 供給孔
10 駆動側回転体(第2回転体)
11 空間
12 歯車部材
13 スプロケット
14 駆動側内歯車部(第2内歯車部、第2歯車部)
17 段差部
18 底壁部
20 従動側回転体(第1回転体)
21 固定部
22 従動側内歯車部(第1内歯車部、第1歯車部)
23 フランジ部
23A、23B、23C ストッパ(突起部)
24 軸方向端面(端面)
25 軸方向端面(端面)
30 制御ユニット
32 電動モータ
33 通電制御回路
34 モータ軸
40 遊星枠(支持部材)
41 入力部
45 ベアリング
44 偏心部
50 遊星歯車(第3回転体)
51 中心孔
52 駆動側外歯車部(第4外歯車部、第4歯車部)
53 軸方向端面
54 従動側外歯車部(第3外歯車部、第3歯車部)
60 差動歯車機構
68 付勢部材(弾性体)
70 導入孔
71 スラスト溝
80 排出孔
200 軸方向端面
210 外輪
212 内輪
220 遊星回転体
O 回転軸線
C1 歯当たり中心(第1中心)
C2 歯当たり中心(第2中心)
F1、F2 ラジアル荷重
F3 反力
L1 投影線(第1中心の投影線)
L2 投影線(第2中心の投影線)

Claims (12)

  1. クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁および排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    第1歯車部を有し、前記クランク軸および前記カム軸のうち一方と連動して回転する第1回転体と、
    前記第1歯車部に軸方向において隣接する第2歯車部を有し、前記クランク軸および前記カム軸のうち他方と連動して回転する第2回転体と、
    第3歯車部および第4歯車部を有し、前記第3歯車部および前記第4歯車部がそれぞれ前記第1歯車部および前記第2歯車部に噛合するとともに一体に遊星運動可能な第3回転体とを備え、
    前記第3回転体の遊星運動により前記第1回転体と前記第2回転体との間の相対回転位相を変化させるバルブタイミング調整装置において、
    前記第1回転体および前記第2回転体のいずれか一方の回転体に径方向に延設され、前記第1回転体と前記第2回転体との間の相対回転位相変化角を規制するためのストッパと、
    前記一方の回転体に対応する他方の回転体、および前記他方の回転体と前記第3回転体の間のいずれかに設けられ、前記一方の回転体の前記ストッパを相対回転可能に軸方向に挟持する挟持組付体とを備えていることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記ストッパは、前記挟持組付体内に相対回転方向に沿って円弧状に延びていることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記挟持組付体内には、前記ストッパが周方向にわたって複数配置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記複数のストッパを、相対回転方向の全周に渡って等間隔に配置していることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記挟持組付体は、前記ストッパの相対回転方向に沿って周方向に延びるスラスト溝を有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記スラスト溝と前記ストッパは、複数組有していることを特徴とする請求項5に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記挟持組付体は、前記他方の回転体を軸方向に二分割可能にする分割回転体部を有しており、
    前記スラスト溝は、互いに対向する前記二つの分割回転体部の端面で区画されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記端面間には、前記端面のうちのいずれかと前記ストッパとの間に挟み込まれる隙間調整部材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 前記スラスト溝は、前記他方の回転体の内壁に沿って周方向に延びるように開口していることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記挟持組付体は、前記他方の回転体と前記第3回転体とで形成され、
    前記ストッパを前記スラスト溝内に収容した状態で、前記第3回転体と、前記スラスト溝の端面のうちの反第3回転体側端面の間で前記ストッパを軸方向に挟持することを特徴とする請求項5から請求項9のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記第3回転体は、前記第1回転体と前記2回転体との間に収容されている遊星歯車であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  12. 前記他方の回転体に設けられた当該歯車部の軸方向端面、前記第3回転体の前記第3歯車部および前記第4歯車部のいずれかの軸方向端面、および前記第3歯車部と前記第4歯車部の間に延設される延出部のうちのいずれかで、前記ストッパの軸方向移動を規制していることを特徴とする請求項11に記載のバルブタイミング調整装置。
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