JP5402571B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを遊星歯車機構により調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、遊星歯車機構を主体として構成され、遊星歯車を遊星運動させることによりクランク軸及びカム軸間の相対位相(以下、「機関位相」という)を調整するバルブタイミング調整装置が知られている。
こうしたバルブタイミング調整装置の一種として特許文献1に開示の装置では、クランク軸及びカム軸とそれぞれ連動して回転する二つの回転体において、内周側へ突出する複数の内歯から形成された内歯車部を、遊星歯車に噛合させている。そして、内燃機関の運転状態に応じて頻繁に遊星歯車機構を作動させるバルブタイミング調整装置の場合、各内歯車部と遊星歯車との噛合界面に磨耗が発生し易くなるので、特許文献1に開示の装置では、当該噛合界面が潤滑液によって潤滑されるようになっている。
特開2009−209794号公報
さて、特許文献1に開示の装置では、クランク軸との連動回転体がカム軸との連動体によって内周側から支持されているため、内歯車部と遊星歯車との噛合界面を潤滑するための潤滑液が、その支持界面にも供給されている。しかし、特許文献1に開示の装置は、カム軸との連動回転体において軸方向の両側端面がクランク軸との連動回転体と摺接する構成を採用しているため、上記噛合界面と支持界面との間における潤滑液の流通は、その摺接界面を通じて実現されている。結果、支持界面よりも潤滑液流れの下流側に位置する噛合界面には、潤滑液が届き難くなり、当該噛合界面をなす内歯車部と遊星歯車との耐久性について低下するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、耐久性の高いバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを遊星歯車機構により調整するバルブタイミング調整装置であって、内周側へ突出する複数の内歯から形成される第一内歯車部を有し、クランク軸及びカム軸の一方と連動して回転する第一回転体と、内周側へ突出する複数の内歯から形成される第二内歯車部、第二内歯車部の外周側において第一回転体を内周側から支持する支持部、並びに第二内歯車部を軸方向に挟んだ両側にそれぞれ形成される摺接面を有し、各摺接面を第一回転体に摺接させつつクランク軸及びカム軸の他方と連動して回転する第二回転体と、第一及び第二内歯車部に噛合しつつ遊星運動することにより機関位相を調整する遊星歯車と、第一及び第二内歯車部と遊星歯車との噛合界面を潤滑するための潤滑液を供給する潤滑路と、を備え、潤滑路は、第二内歯車部の内周側へ向かって潤滑液を供給し、第二回転体は、第二内歯車部を軸方向に挟んで潤滑路とは反対側の摺接面に開口し且つ第二内歯車部側から支持部にまで貫通する貫通溝を、有し、潤滑路の外周側となる第二内歯車部の内周側へ向かって潤滑路により供給される潤滑液を、第二内歯車部及び遊星歯車間において流動させてから、第二内歯車部の外周側の支持部に達するまで貫通溝内を流通させることを特徴とする。
このように請求項1に記載の発明では、クランク軸及びカム軸の一方と他方とに連動回転する第一及び第二回転体において内周側へ突出する複数の内歯から形成の第一及び第二内歯車部については、遊星歯車との噛合界面が潤滑路から供給の潤滑液によって潤滑される。かかる構成下、第二回転体において第二内歯車部を軸方向に挟んだ両側に形成されて第一回転体に摺接する摺接面のうち、潤滑路からの潤滑液が内周側へ向かって供給される第二内歯車部を軸方向に挟んで当該潤滑路とは反対側の摺接面に、貫通溝が開口する。ここで特に、請求項1に記載の発明の貫通孔は、第二内歯車部の外周側において第一回転体を内周側から支持する支持部にまで、当該第二内歯車部側から貫通するので、それら支持部と第二内歯車部との間において潤滑液の流通面積の確保が容易となる。したがって、流通面積の確保された貫通溝によると、第二内歯車部と遊星歯車との噛合界面の潤滑に供した潤滑液をさらに、支持部と第一回転体との支持界面まで十分に供給可能となる。しかも、流通面積の確保された貫通溝によると、支持部と第一回転体との支持界面に供給する潤滑液を常に貯留して、その供給切れによる潤滑不良を回避する作用も発揮可能となる。
以上説明した請求項1に記載の発明によれば、第二内歯車部及び遊星歯車の噛合界面も、当該噛合界面よりも潤滑液流れの下流側に位置する支持部及び第一回転体の支持界面も、十分な量の潤滑液によって潤滑し得る。したがって、内燃機関の運転状態に応じて頻繁に遊星歯車機構を作動させるバルブタイミング調整装置にあっても、確実に耐久性を高めることができるのである。
請求項2に記載の発明によると、貫通溝は、第二回転体の周方向に複数設けられる。これによれば、第二回転体の周方向において貫通溝の設けられた複数個所を通じて、支持部と第一回転体との支持界面に潤滑液を供給し得る。故に、支持界面に対する潤滑液の供給量とその貯留量とを増大させて、耐久性の向上に貢献することができる。
請求項3に記載の発明によると、第二回転体の軸方向において貫通溝は、潤滑路とは反対側の摺接面に対して第二内歯車部の軸方向端面よりも近い位置に、設けられる。これによれば、第二回転体の軸方向において、潤滑路とは反対側の摺接面に対して第二内歯車部の軸方向端面よりも近い位置の貫通溝は、当該第二内歯車部とは重ならない。故に、第二内歯車部の各内歯の形状(ギヤプロフィール)が貫通溝の形成によって歪むことで、互いに噛合する第二内歯車部及び遊星歯車の耐久性を低下させるような事態を、回避し得るのである。
請求項4に記載の発明によると、第二回転体は、外周側へ突出して第一回転体に周方向に当接することにより機関位相の変化を規制するためのストッパ突部を有し、貫通溝は、第二回転体の軸方向においてストッパ突部と重なる位置に設けられる。これによれば、第二回転体において貫通溝が設けられる箇所には、第一回転体に周方向に当接するために外周側へ突出するストッパ突部が軸方向に重ねて設けられるので、ストッパ突部の貫通溝とは反対側端面と当該貫通溝の底面と間には、軸方向の肉厚を確保可能となる。故に、機関位相の変化を規制するためのストッパ突部を肉厚の確保に利用して、貫通溝を設けたことによる第二回転体の強度低下、ひいては耐久性の低下を抑制し得るのである。
請求項5に記載の発明によると、第二回転体において潤滑路とは反対側の摺接面は、第一内歯車部の軸方向端面に摺接する。これによれば、第二回転体において潤滑路とは反対側の摺接面に開口する貫通溝から、当該摺接面に軸方向端面が摺接する第一内歯車部の遊星歯車との噛合界面にも、十分な量の潤滑液を供給可能となる。故に、第一内歯車部及び遊星歯車の噛合界面に対する潤滑液の供給量をも増大させて、耐久性の向上に貢献することができるのである。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置の基本構成を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1の遊星歯車機構を拡大して示す断面図である。 図1のV−V線断面図である。 図4の従動回転体を示す正面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 図6のVIII−VIII線矢視図である 図4の遊星歯車機構における潤滑油流れについて説明するための模式図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。尚、本実施形態においてカム軸2は、内燃機関の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)を機関トルクの伝達によって開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は、クランク軸及びカム軸2間の機関位相を調整して当該吸気弁の所望のバルブタイミングを実現する。
(基本構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成について説明する。バルブタイミング調整装置1は、アクチュエータ4、通電制御回路部7及び遊星歯車機構8等を組み合わせてなる。
アクチュエータ4は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであり、内燃機関の固定節に固定されるケース5と、当該ケース5により正逆回転自在に支持される制御軸6とを有している。通電制御回路部7は、例えば駆動ドライバ及びその制御用マイクロコンピュータ等から構成されており、ケース5の外部及び/又は内部に配置されてアクチュエータ4と電気的に接続されている。通電制御回路部7は、機関位相を内燃機関の運転状態に応じた位相に調整するよう、アクチュエータ4への通電によって制御軸6の回転状態を制御する。
遊星歯車機構8は、駆動回転体10、従動回転体20、遊星キャリア40、遊星歯車50及び転がり軸受60を備えている。
図1〜3に示すように、駆動回転体10は全体として筒状を呈しており、遊星歯車機構8の他の構成要素20,40,50,60を内部に収容している。駆動回転体10は、歯車部材12をスプロケット部材13及びカバー部材17の間に挟む形態で、それらの部材12,13,17を同軸上に共締めしてなる。図1,2に示すように円環板状の歯車部材12は、その周壁部14から内周側へ突出する内歯18aを周方向に複数有しており、それら内歯18aによって駆動側内歯車部18を形成している。
図1,3に示すように有底円筒状のスプロケット部材13は、周壁部15から外周側へ突出するスプロケット歯19を周方向に複数有している。スプロケット部材13は、それらスプロケット歯19とクランク軸の複数のスプロケット歯との間でタイミングチェーン(図示しない)が掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。かかる連繋により、クランク軸から出力の機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット部材13へ伝達されることで、駆動回転体10はクランク軸と連動して周方向に回転する。このときの駆動回転体10の回転方向は、図2,3の時計方向となる。
図1に示すように有底円筒状の従動回転体20は、駆動回転体10をなすスプロケット部材13において周壁部15の内周側に同心上に配置されている。従動回転体20は、カム軸2に同軸上に締結される締結部21を底壁部23に形成している。かかる締結により従動回転体20は、カム軸2と連動して周方向に回転可能且つ駆動回転体10に対して相対回転可能となっている。ここで、従動回転体20の回転方向は、駆動回転体10と同じ図3の時計方向に設定されている。
図1,3に示すように従動回転体20は、その周壁部24から内周側へ突出する内歯22aを周方向に複数有しており、それら内歯22aによって従動側内歯車部22を形成している。従動側内歯車部22の内径は駆動側内歯車部18の内径よりも小さく設定され、また従動側内歯車部22の歯数は駆動側内歯車部18の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部22は、駆動側内歯車部18から軸方向にずれて配置されている。
図1,2に示すように遊星キャリア40は、全体として筒状を呈しており、内周面によって連結部41を形成している。連結部41は、回転体10,20及び制御軸6と同心上の円筒面状を呈している。連結部41には、制御軸6に設けられた継手部43と嵌合する嵌合溝42が開口形成されている。かかる嵌合により遊星キャリア40は、制御軸6と連結して一体に回転可能となっており、また駆動側内歯車部18に対して相対回転可能となっている。
図1〜3に示すように遊星キャリア40は、外周面によって支持部46を形成している。支持部46は、回転体10,20及び制御軸6に対して偏心する円筒面状を呈している。支持部46は、その外周側に同心上に配置された遊星歯車50の中心孔51との間に転がり軸受60を介装されることで、当該軸受60を介して遊星歯車50を遊星運動可能に支持している。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が円筒面状の支持部46の偏心中心線周りに自転しつつ、遊星キャリア40の回転方向へ公転する運動をいう。したがって、制御軸6と共に遊星キャリア40が遊星歯車50の公転方向へ回転するときには、当該遊星歯車50が遊星運動することになる。
全体として段付円筒状の遊星歯車50は、その周壁部53から外周側へ突出する外歯52a,54aをそれぞれ周方向(本実施形態では、自転方向と一致している)に複数ずつ有しており、各外歯52a,54aによって外歯車部52,54を形成している。遊星歯車50の軸方向において一端側に設けられた駆動側外歯車部52は、駆動側内歯車部18の内周側に配置されて外歯52aを当該内歯車部18の内歯18aと噛合させている。これに対し、遊星歯車50の軸方向において他端側に設けられた従動側外歯車部54は、従動側内歯車部22の内周側に配置されて外歯54aを当該内歯車部22の内歯22aと噛合させている。従動側外歯車部54の外径は駆動側外歯車部52の外径よりも小さく設定され、またそれら従動側外歯車部54及び駆動側外歯車部52の歯数は、それぞれ従動側内歯車部22及び駆動側内歯車部18の歯数よりも同数ずつ少なく設定されている。
このように回転体10,20間を歯車連繋してなる遊星歯車機構8は、制御軸6の回転状態に応じた遊星キャリア40の回転運動を遊星歯車50の遊星運動へと変換することで、バルブタイミングを決める機関位相を調整する。具体的に、制御軸6が駆動回転体10と同速回転するときには、遊星キャリア40が駆動側内歯車部18に対して相対回転しないことで、内歯車部18,22に噛合する遊星歯車50の外歯車部52,54が遊星運動せずに、回転体10,20と連れ回りする。その結果、機関位相は変化しないので、このときのバルブタイミングは保持されることになる。
一方、制御軸6が駆動回転体10よりも高速に回転するときには、遊星キャリア40が駆動側内歯車部18に対して進角側へ相対回転することで、遊星歯車50の外歯車部52,54が内歯車部18,22に噛合しつつ一体に遊星運動する。その結果、従動回転体20が駆動回転体10に対する進角側へと相対回転して、機関位相が進角側へ変化するので、このときのバルブタイミングは進角することになる。
また一方、制御軸6が駆動回転体10よりも低速に回転する又は駆動回転体10に対して逆回転するときには、遊星キャリア40が駆動側内歯車部18に対して遅角側へと相対回転することで、遊星歯車50の外歯車部52,54が内歯車部18,22に噛合しつつ一体に遊星運動する。その結果、従動回転体20が駆動回転体10に対して遅角側へ相対回転し、機関位相が遅角側へ変化するので、このときのバルブタイミングは遅角することになる。
(特徴構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴構成について説明する。図4,5に示すように、金属製の駆動回転体10をなすスプロケット部材13の周壁部15には、その内周面に開口する複数のストッパ凹部70,71,72,73が周方向に等間隔をあけて形成されている。これに応じて、金属製の従動回転体20の周壁部24には、矩形断面をもって外周側へ突出する複数のストッパ突部74,75,76,77が周方向に等間隔をあけて設けられている。各ストッパ突部74,75,76,77は、それぞれ対応するストッパ凹部70,71,72,73に挿入された状態で、回転体10,20の周方向に揺動可能となっている。
このような構成下、本実施形態では、ストッパ突部74がストッパ凹部70のストッパ面70a,70bに周方向に当接することにより、機関位相の変化が規制されるようになっている。具体的には、図5に示すようにストッパ突部74が周方向の遅角側にある遅角ストッパ面70aに当接するときには、駆動回転体10に対する従動回転体20の遅角側への相対回転が止められて、機関位相の遅角側への変化が規制されることになる。一方、ストッパ突部74が周方向の進角側にある進角ストッパ面70bに当接するときには、駆動回転体10に対する従動回転体20の進角側への相対回転が止められて、機関位相の進角側への変化が規制されることになる。尚、ストッパ突部75,76,77及びストッパ凹部71,72,73の各組については、ストッパ突部74及びストッパ凹部70の組に異常が生じた場合に、それら要素74,70の組による位相規制機能を代替して発揮するために、予備的に設けられている。
図4に示すように従動回転体20の周壁部24は、その外周面によって支持部26を形成している。支持部26は、ストッパ突部74,75,76,77を軸方向に挟んで底壁部23とは反対側に設けられ、駆動回転体10をなすスプロケット部材13の周壁部15の内周面に摺動回転可能に嵌合している。これにより、従動側内歯車部22の外周側において支持部26は、駆動回転体10を内周側から支持する形となっている。
従動回転体20において底壁部23は、駆動回転体10のうちスプロケット部材13の底壁部16に摺接する摺接面23aを有している。また、従動回転体20において周壁部24は、駆動回転体10のうち歯車部材12の周壁部14に摺接する摺接面24aを、軸方向に従動側内歯車部22を挟んで底壁部23とは反対側に有している。ここで、本実施形態の摺接面24aは特に、歯車部材12の周壁部14に設けられた駆動側内歯車部18の軸方向端面18bに摺接し、また遊星歯車50において当該内歯車部18と噛合する駆動側外歯車部52の軸方向端面52bにも摺接する。このような構成の従動回転体20は、回転要素10,50に摺接する摺接面23a,24aが従動側内歯車部22を軸方向に挟んだ両側にそれぞれ形成されることで、当該両側から駆動回転体10に挟持された形となっている。これにより、駆動回転体10に対する従動回転体20の軸方向の位置ずれが防止されているのである。
図6,7に示すように従動回転体20の底壁部23には、軸方向に貫通する供給孔80と、周方向に連続してのびる環状溝81とが形成されている。図4に示すように供給孔80の一端は、内燃機関の運転中に駆動されるポンプ9から「潤滑液」としてのエンジン潤滑油をカム軸2を通して搬送する搬送孔3に、環状溝81を介して連通している。供給孔80において環状溝81とは反対側端は、回転体10,20の周壁部15,24の内周側において、遊星キャリア40及び遊星歯車50と、従動回転体20の底壁部23との間の隙間部82へと向かって開口している。ここで隙間部82の外周側縁は、従動回転体20の周壁部24において支持部26の内周側に形成された従動側内歯車部22により取り囲まれている。このような構成により、内燃機関の運転中において潤滑油は常時、搬送孔3から環状溝81及び供給孔80を経て隙間部82に流入することで、当該隙間部82内を従動側内歯車部22の内周側へと向かって供給されるようになっている(図9の太線矢印を参照)。
図4,6,8に示す従動回転体20において、底壁部23及び従動側内歯車部22を軸方向に挟んで隙間部82とは反対側の摺接面24aには、周壁部24を径方向に貫通する貫通溝28が開口している。周壁部24において貫通溝28は、従動側内歯車部22の設けられた内周側から外周側の支持部26に到るまで、周方向に所定幅且つ軸方向に所定深さの矩形断面をもって径方向に貫通している。ここで本実施形態では、周壁部24において従動側内歯車部22の軸方向端面22bから底壁部23とは反対側へ突出する円環状の環状突部29に、摺接面24a及び貫通溝28が形成され、当該環状突部29の内周側の空間部84に、貫通溝28が連通している。このような構成により、図6〜8に示す如く周壁部24の軸方向においては、摺接面24aに対して貫通溝28が従動側内歯車部22の軸方向端面22bよりも近い位置に設けられ、それら貫通溝28と従動側内歯車部22とが重ならない形となっている。即ち、貫通溝28の軸方向深さは、摺接面24aから従動側内歯車部22の軸方向端面22bまでの軸方向距離よりも小さくなるように、設定されているのである。
そして、このような構成の貫通溝28は、図6〜8に示す如く従動回転体20の周壁部24の周方向に等間隔をあける形態で、当該周壁部24の複数個所に設けられている。ここで特に本実施形態では、周壁部24の軸方向において各貫通溝28がそれぞれ対応するストッパ突部74,75,76,77と重なる位置に、配置されているのである。尚、複数の貫通溝28及びストッパ突部74,75,76,77を軸方向に重ねて有する従動回転体20については、例えば円筒状の金属材に対して、その軸方向にプレスする成形加工を鍛造用金型によって施すことで、比較的容易に形成し得る。
以上のバルブタイミング調整装置1では、図9の太線矢印の如く供給孔80から隙間部82を通じて従動側内歯車部22の内周側に供給された潤滑油が、当該内歯車部22と遊星歯車50の従動側外歯車部54との間を隙間部82側から反対側へと軸方向に流動する。その結果、従動側内歯車部22と従動側外歯車部54との噛合界面が潤滑される。ここで従動回転体20においては、各貫通溝28が従動側内歯車部22と重ならずに形成されているので、各貫通溝28の形成によりギヤプロフィールの歪んだ内歯車部22が外歯車部54と噛合して潤滑にも拘らず磨耗することは、回避され得ている。
さらに、図9の太線矢印の如く従動側内歯車部22を挟んで隙間部82とは反対側に流動することで環状突部29の内周側空間部84に達した潤滑油は、当該空間部84から外周側の各貫通溝28へと流入し、それら溝28内を外周側の支持部26に達するまで流通する。その結果、図9の太線矢印の如く潤滑油は、各貫通溝28から支持部26と駆動回転体10との支持界面へと滲み出すように供給されて、当該支持界面の潤滑作用を発揮する。ここで、従動回転体20の周方向に所定幅且つ軸方向に所定深さをもって形成される各貫通溝28は、潤滑油の流通面積の確保され得たものとなる。故に、それら貫通溝28の共同によれば、支持部26と駆動回転体10(スプロケット部材13)との支持界面に対する潤滑油の供給量を十分に確保可能となるのみならず、当該支持界面へ供給する潤滑油を常に貯留して油切れによる潤滑不良を回避する作用も発揮可能となるのである。尚、流路面積の確保された貫通溝28の採用により本実施形態では、支持界面へ供給する潤滑油を貯留するための溝を、当該支持界面をなす支持部26や駆動回転体10において設ける必要はない。
またさらに、各貫通溝28に流入した潤滑油の一部は、図9の太線矢印の如く、それら貫通溝28の開口した従動回転体20の摺接面24aに摺接する駆動回転体10及び遊星歯車50の各歯車部18,52間にも、容易に供給され得る。故に、駆動側内歯車部18と駆動側外歯車部52との噛合界面に対する潤滑油の供給量も、十分に確保可能となるのである。
加えて従動回転体20においては、各ストッパ突部74,75,76,77が貫通溝28と軸方向に重ねて設けられているので、各ストッパ突部74,75,76,77の貫通溝28とは反対側の端面(例えば、図7において符号74aを付した面を参照)と、当該貫通溝28の底面(例えば、図7において符号28aを付した面を参照)と間に軸方向の肉厚が確保され得ている。このように、機関位相を規制するのに必要なストッパ突部74,75,76,77を、貫通溝28の形成により減肉された従動回転体20における肉厚確保に利用しているので、当該減肉に起因する回転体20の強度低下の抑制を、コストアップを抑えて達成可能となっている。
ここまで説明したことから、内燃機関の運転状態に応じて頻繁に遊星歯車機構8を作動させるバルブタイミング調整装置1にあっても、確実に耐久性を高めることが可能である。尚、このようなバルブタイミング調整装置1においては、駆動回転体10及び従動回転体20がそれぞれ特許請求の範囲に記載の「第一回転体」及び「第二回転体」に相当し、駆動側内歯車部18及び従動側内歯車部22がそれぞれ特許請求の範囲に記載の「第一内歯車部」及び「第二内歯車部」に相当し、隙間部82が特許請求の範囲に記載の「潤滑路」に相当している。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば貫通溝28については、従動回転体20においてストッパ突部74,75,76,77とは軸方向に重ならない周方向の複数個所に設けてもよいし、従動回転体20の周方向の一箇所だけに設けてもよい。また、従動回転体20の外周側へ突出するストッパ突部74,75,76,77については、設けないようにしてもよい。さらに、回転体10をカム軸2と連動回転させ、回転体20をクランク軸と連動回転させてもよい。またさらに、制御軸6の回転状態を制御するアクチュエータ4として、電動モータ以外の例えば電動ブレーキ等を採用してもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に、適用することができる。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、3 搬送孔、4 アクチュエータ、6 制御軸、7 通電制御回路部、8 遊星歯車機構、9 ポンプ、10 駆動回転体(第一回転体)、12 歯車部材、13 スプロケット部材、14,15,24 周壁部、16 底壁部、18 駆動側内歯車部(第一内歯車部)、18a,22a 内歯、18b,22b,52b 軸方向端面、20 従動回転体(第二回転体)、22 従動側内歯車部(第二内歯車部)、23 底壁部、23a,24a 摺接面、26 支持部、28 貫通溝、29 環状突部、40 遊星キャリア、50 遊星歯車、52 駆動側外歯車部、52a,54a 外歯、53 周壁部、54 従動側外歯車部、60 軸受、70,71,72,73 ストッパ凹部、70a 遅角ストッパ面、70b 進角ストッパ面、74,75,76,77 ストッパ突部、80 供給孔、82 隙間部(潤滑路)、84 空間部

Claims (5)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを遊星歯車機構により調整するバルブタイミング調整装置であって、
    内周側へ突出する複数の内歯から形成される第一内歯車部を有し、前記クランク軸及び前記カム軸の一方と連動して回転する第一回転体と、
    内周側へ突出する複数の内歯から形成される第二内歯車部、前記第二内歯車部の外周側において前記第一回転体を内周側から支持する支持部、並びに前記第二内歯車部を軸方向に挟んだ両側にそれぞれ形成される摺接面を有し、各前記摺接面を前記第一回転体に摺接させつつ前記クランク軸及び前記カム軸の他方と連動して回転する第二回転体と、
    前記第一内歯車部及び前記第二内歯車部に噛合しつつ遊星運動することにより前記クランク軸及び前記カム軸間の相対位相を調整する遊星歯車と、
    前記第一内歯車部及び前記第二内歯車部と、前記遊星歯車との噛合界面を潤滑するための潤滑液を供給する潤滑路と、
    を備え、
    前記潤滑路は、前記第二内歯車部の内周側へ向かって潤滑液を供給し、
    前記第二回転体は、前記第二内歯車部を軸方向に挟んで前記潤滑路とは反対側の前記摺接面に開口し且つ前記第二内歯車部側から前記支持部にまで貫通する貫通溝を、有し、
    前記潤滑路の外周側となる前記第二内歯車部の内周側へ向かって前記潤滑路により供給される前記潤滑液を、前記第二内歯車部及び前記遊星歯車間において流動させてから、前記第二内歯車部の外周側の前記支持部に達するまで前記貫通溝内を流通させることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記貫通溝は、前記第二回転体の周方向に複数設けられることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第二回転体の軸方向において前記貫通溝は、前記潤滑路とは反対側の前記摺接面に対して前記第二内歯車部の軸方向端面よりも近い位置に、設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記第二回転体は、外周側へ突出して前記第一回転体に周方向に当接することにより前記相対位相の変化を規制するためのストッパ突部を有し、
    前記貫通溝は、前記第二回転体の軸方向において前記ストッパ突部と重なる位置に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記第二回転体において前記潤滑路とは反対側の前記摺接面は、前記第一内歯車部の軸方向端面に摺接することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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