JP2020150665A - 電動アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】電動アクチュエータの構成部品を効率的に配置することで、電動アクチュエータの軸方向の小型化を図る。【解決手段】電動アクチュエータ1は、スプロケット23を有する駆動回転体2と、従動回転体3と、差動装置5と、ロータ42の内周に設けられた差動装置5を駆動する電動モータ4と、内周に電動モータ4を収容し、スプロケット23の軸方向一方側(反シリンダヘッド10側)に配された静止側のケーシング6と、回転規制手段7とを備える。回転規制手段7は、駆動回転体2に設けられた駆動側ストッパ71と、従動回転体3に設けられ、駆動側ストッパ71と回転方向で係合可能の従動側ストッパ72とを有する。スプロケット23の内周に、駆動回転体2と従動回転体3との相対回転を支持する第一の軸受11を設け、第一の軸受11の軸方向一方側(反シリンダヘッド10側)に回転規制手段7を配する。【選択図】図1

Description

本発明は、電動アクチュエータに関する。
外部から駆動力が入力される入力側と、入力された駆動力を出力する出力側とで、回転位相差を変化させることが可能な電動アクチュエータとして、例えば、自動車のエンジンの吸気バルブと排気バルブの一方または両方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置に用いられるものが知られている。
一般的に、この種の電動アクチュエータは、電動モータと、電動モータによる駆動力を得て回転力を減速して伝達する減速機とを備えている(特許文献1参照)。電動モータによって減速機が駆動されないときは、入力側の部材(例えば、スプロケット)と出力側の部材(例えば、カムシャフト)とが一体に回転する。電動モータによって減速機が駆動されると、減速機によって入力側の部材に対する出力側の部材の回転位相差が変更され、これによってバルブの開閉タイミングが調整される。
電動アクチュエータには、入力側の部材と出力側の部材との相対回転を所定範囲で制限する回転規制手段が設けられることがある。例えば、下記の特許文献1の図4に示されている例は、入力側の部材に駆動側ストッパ部を設けると共に、出力側の部材に従動側ストッパ部を設け、これらを回転方向で係合させることで両部材の相対回転を所定範囲で規制している。
また、下記の特許文献2に記載の電動アクチュエータは、電動モータの内周に減速機を配置することで、軸方向の小型化を図っている。
特開2018−123727号公報 特開2018−194151号公報
上記特許文献2の図5に示されている電動アクチュエータ(可変バルブタイミング装置)では、電動モータが、静止側のハウジングの内周に収容されている。このとき、入力側の部材(入力回転体)と一体に回転するスプロケットは、静止側となるケーシングとの干渉を回避するために、ケーシングのシリンダヘッド側(図中右側)に並べて配置される。
このような電動アクチュエータにおいて、入力側の部材と出力側の部材との相対回転を所定範囲で規制する回転規制手段を、スプロケットのさらにシリンダヘッド側(ケーシングと反対側)に設けると、電動アクチュエータの軸方向寸法が大きくなってしまう。
そこで、本発明は、電動アクチュエータの構成部品を効率的に配置することで、電動アクチュエータの軸方向の小型化を図ることを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、外部から回転駆動力が入力される入力部を有し、回転軸を中心として回転可能の駆動回転体と、前記回転軸を中心として回転可能の従動回転体と、前記駆動回転体と前記従動回転体とを相対回転させる差動装置と、ステータおよびロータを有し、前記ロータの内周に設けられた前記差動装置を駆動する電動モータと、内周に前記電動モータを収容し、前記入力部の軸方向一方側に配された静止側のケーシングと、前記駆動回転体に設けられた駆動側ストッパ、および、前記従動回転体に設けられ、前記駆動側ストッパと回転方向で係合可能の従動側ストッパを有する回転規制手段とを備えた電動アクチュエータにおいて、前記入力部の内周に、前記駆動回転体と前記従動回転体との相対回転を支持する第一の軸受を設け、前記第一の軸受の軸方向一方側に前記回転規制手段を配した電動アクチュエータを提供する。
上記の電動アクチュエータでは、電動モータのロータの内周に減速機を配することで、軸方向の小型化を図っている。このとき、内周に電動モータを収容する静止側のケーシングは、外部から回転駆動力が入力される入力部(例えばスプロケット)の軸方向一方側に配される。この場合、駆動回転体と従動回転体の相対回転を所定範囲内に規制する回転規制手段を、入力部の軸方向一方側、すなわち、入力部の内周に配された第一の軸受の軸方向一方側(ケーシング側)に配することで、回転規制手段を設けることによる電動アクチュエータの軸方向の大型化を防止できる。
上記の電動アクチュエータでは、駆動回転体の回転安定性を高めるために、ケーシングと駆動回転体との間に、これらの相対回転を支持する第二の軸受を設けることが好ましい。この場合、第二の軸受の内周のスペースを有効利用して、このスペースに回転規制手段を配することで、電動アクチュエータの軸方向の小型化が図られる。
上記の差動装置としては、例えば、前記電動モータのロータと一体に回転する偏心部材と、前記偏心部材の偏心回転に伴って、自転可能でかつ前記回転軸を中心として公転可能の遊星回転体とを有し、前記遊星回転体が前記駆動回転体および従動回転体のそれぞれと噛み合い、前記遊星回転体と前記駆動回転体との間に第一の減速機を形成し、前記遊星回転体と前記従動回転体との間に第二の減速機を形成し、前記第一の減速機と前記第二の減速機の減速比を異ならせたものを使用することができる。
上記のような差動装置を有する電動アクチュエータでは、前記差動装置の偏心部材の回転安定性を高めるために、偏心部材と前記ケーシングとの間に、これらの相対回転を支持する第三の軸受を設けることが好ましい。この場合、前記第一の軸受と前記第三の軸受との軸方向間のスペースに前記回転規制手段を収めることで、電動アクチュエータの軸方向のさらなる小型化が図られる。
上記の電動アクチュエータは、前記入力部が、エンジンからの回転駆動力が伝達されるスプロケットであり、前記従動回転体がカムシャフトと一体に回転する、可変バルブタイミング装置として使用することができる。
本発明によれば、電動モータ、差動装置、回転規制手段等を効率的に配置することができるため、電動アクチュエータの軸方向の小型化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る電動アクチュエータの断面図(図2のI−I線断面図)である。 上記電動アクチュエータを反シリンダヘッド側からみた正面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図1のV−V線断面図である。 回転規制手段の他の例を示す断面図である。 回転規制手段のさらに他の例を示す断面図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1に示す電動アクチュエータ1は、車両のエンジンのシリンダヘッド10(図1に鎖線で示す)に設けられる可変バルブタイミング装置として用いられる。この電動アクチュエータ1は、駆動回転体2と、シリンダヘッド10に設けられたカムシャフト(図示省略)と一体に回転する従動回転体3と、電動モータ4と、差動装置5と、電動モータ4及び差動装置5を収容するケーシング6とを主要な構成要素として備える。
駆動回転体2は、全体として軸方向両端が開口した円筒状をなし、反シリンダヘッド10側(図1の左側)の端部に設けられた小径部21と、小径部21のシリンダヘッド10側(図1の右側)に設けられ、小径部21よりも大径な大径部22と、大径部22の外周に設けられたスプロケット23とを有する。スプロケット23は、大径部22の外周面にトルク伝達可能に取り付けられ、エンジンからチェーンを介して伝達された駆動力により回転駆動される入力部として機能する。小径部21、大径部22、及びスプロケット23は、回転軸Oを中心として同軸上に配置され、エンジンからの駆動力により回転軸Oを中心として一体に回転する。尚、本実施形態では、スプロケット23を大径部22の外周に圧入固定した別部材で構成した場合を例示しているが、この例示に限らず、大径部22とスプロケット23とを一体に形成してもよい。
従動回転体3は、駆動回転体2から伝達された駆動力を出力する部材であり、出力軸31と、出力軸31の反シリンダヘッド10側(図1の左側)に設けられた従動ギア32とを有する。出力軸31と従動ギア32は回転軸O上で同軸に配置され、センタボルト33によって互いに結合されている。そのため、出力軸31と従動ギア32は回転軸Oを中心として一体に回転する。出力軸31は、カムシャフトとトルク伝達可能に連結される。尚、出力軸31と従動ギア32、あるいは出力軸31とカムシャフト、あるいはこれらの全てを一体に形成してもよい。
駆動回転体2の小径部21の内周面と出力軸31の外周面とは摺動可能な状態で嵌合している。また、駆動回転体2の大径部22の内周面と出力軸31の外周面との間には、軸受11(第一の軸受)が設けられる。これにより、駆動回転体2と従動回転体3との間の相対回転が許容される。軸受11としては、例えば転がり軸受、具体的には玉軸受が使用でき、図示例では深溝玉軸受が使用されている。軸受11の外輪は駆動回転体2の大径部22の内周面に固定され、軸受11の内輪は出力軸31の外周面に固定される。軸受11は、スプロケット23の内周に設けられる。これにより、エンジンからチェーンを介してスプロケット23に入力される回転駆動力を、その直下(内周)に設けられた軸受11で支持することができるため、駆動回転体2の回転安定性が高められる。尚、駆動回転体2の小径部21の内周面と出力軸31の外周面との間にも軸受(例えば、滑り軸受)を配してもよい。
ケーシング6は、回転することなくその場に静止する静止側の部材である。ケーシング6は、組み立ての都合上、有底円筒状のケーシング本体6aと、蓋部6bとに分割されている。ケーシング本体6aと蓋部6bとは、ボルト等の締結手段を用いて一体化される。ケーシング本体6aは、円筒部6a1と、円筒部6a1のシリンダヘッド10側の端部から内径側に延びるフランジ部6a2とを一体に有する。蓋部6bには、電動モータ4へ給電するための給電線や、電動モータ4の回転数を検知する図示しない回転数検知センサに接続される信号線を、外部に引き出すための筒状の突起6c,6d(図2参照)が設けられている。
ケーシング本体6aのフランジ部6a2の内周面と駆動回転体2の外周面との間には軸受12(第二の軸受)が設けられ、これにより駆動回転体2がケーシング6に対して回転可能に支持される。また、蓋部6bの内周面と従動回転体3の従動ギア32の外周面との間には軸受13が設けられ、これにより従動回転体3がケーシング6に対して回転可能に支持される。軸受12、13としては、例えば転がり軸受、具体的には玉軸受が使用でき、図示例では深溝玉軸受が使用されている。軸受12の外輪はケーシング本体6aの内周面に固定され、軸受12の内輪は駆動回転体2の外周面に固定される。軸受13の外輪は蓋部6bの内周面に固定され、軸受13の内輪は従動回転体3の外周面に固定される。
電動モータ4は、ケーシング本体6aに固定されたステータ41と、ステータ41の半径方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータ42とを有するラジアルギャップ型のモータである。ステータ41は、軸方向に積層した複数の電磁鋼板から成るステータコア41aと、ステータコア41aに装着された絶縁材料から成るボビン41bと、ボビン41bに巻回されたステータコイル41cとを有する。ロータ42は、環状のロータコア(ロータインナ)42aと、ロータコア42aに取り付けられた複数のマグネット42bとを有する。ステータ41とロータ42の間に作用する励磁力により、ロータ42が回転軸Oを中心として回転する。
差動装置5は、ロータ42と一体に回転する偏心部材51と、偏心部材51の内周に配置された遊星回転体52と、偏心部材51と遊星回転体52の間に配置された軸受53,54と、遊星回転体52と駆動回転体2との間に設けられた第一の減速機5aと、遊星回転体52と従動回転体3との間に設けられた第二の減速機5bとを主要な構成要素として備える。
偏心部材51は、全体として軸方向両端が開口した円筒状を成している。図示例の偏心部材51は、ロータコア42aの内周に固定された第一筒部51aと、第一筒部51aより大径に形成され、第一筒部51aからシリンダヘッド10側に突出する第二筒部51bと、第一筒部51aから反シリンダヘッド10側に突出する第三筒部51cとを一体に有する。偏心部材51の各筒部51a,51b,51cの外周面は、回転軸Oと同軸に形成された円筒面である。偏心部材51の第一筒部51aおよび第二筒部51bの内周面には、回転軸Oに対して偏心した円筒面状の偏心内周面51a1、51b1が形成される。偏心部材51の第三筒部51cの内周面は、回転軸Oと同軸に形成された円筒面である。偏心部材51は、偏心内周面51a1、51b1を通る半径方向の断面で見ると、厚肉部分と薄肉部分とを有する(図3および図4参照)。
図1に示すように、偏心部材51の軸方向の両端は、軸受14,15によってケーシング6に対して回転支持される。軸受14,15は、例えば転がり軸受(深溝玉軸受)で構成される。本実施形態では、軸受14(第三の軸受)の外輪がケーシング本体6aの内周面に固定され、軸受14の内輪が偏心部材51の第二筒部51bの外周面に固定される。また、軸受15の外輪が蓋部6bの内周面に固定され、軸受15の内輪が偏心部材51の第三筒部51cの外周面に固定される。
遊星回転体52は、全体として軸方向両端が開口した円筒状を成している。図示例の遊星回転体52は、第一筒部52aと、第一筒部52aの反シリンダヘッド10側(図中左側)に設けられた第二筒部52bとを一体に有する。第一筒部52aの内周面には第一内歯部57が形成され、第二筒部52bの内周面には第二内歯部58が形成される。第一内歯部57と第二内歯部58は、何れも半径方向の断面が曲線(例えばトロコロイド系曲線)を描く複数の歯で構成されている。第二内歯部58のピッチ円径は第一内歯部57のピッチ円径よりも小さい。また、第二内歯部58の歯数は、第一内歯部57の歯数よりも少ない。
遊星回転体52の第一内歯部57は、駆動回転体2の小径部21の外周面に設けられた第一外歯部55と噛み合う。また、遊星回転体52の第二内歯部58は、従動回転体3の従動ギア32の外周面に設けられた第二外歯部56と噛み合う。第一外歯部55および第二外歯部56は、何れも半径方向の断面が曲線(例えばトロコイド系曲線)を描く複数の歯で形成されている。第二外歯部56のピッチ円径は第一外歯部55のピッチ円径よりも小さく、第二外歯部56の歯数は第一外歯部55の歯数よりも少ない。
第一外歯部55の歯数は、互いに噛み合う第一内歯部57の歯数よりも少なく、好ましくは一つ少ない。同様に、第二外歯部56の歯数も、互いに噛み合う第二内歯部58の歯数よりも少なく、好ましくは一つ少ない。一例として、本実施形態では、第一内歯部57の歯数を24個、第二内歯部58の歯数を20個、第一外歯部55の歯数を23個、第二外歯部56の歯数を19個としている。
互いに噛み合う第一内歯部57と第一外歯部55は第一の減速機5aを構成し、第二内歯部58と第二外歯部56は第二の減速機5bを構成する。第一の減速機5aおよび第二の減速機5bは、何れもサイクロイド減速機と呼ばれるものである。二つの減速機5a,5bの減速比は異なっており、本実施形態では第一の減速機5aの減速比を第二の減速機5bの減速比よりも大きくしている。このように二つの減速機5a,5bの減速比を異ならせることで、後で述べるように、エンジンに駆動される出力軸31の回転を、電動モータ4の作動状態に応じて変化させる(差動させる)ことが可能となる。
軸受53は、例えば転がり軸受で構成され、図示例では針状ころ軸受で構成される。この軸受53は、偏心部材51の第一筒部51aの偏心内周面51a1と、遊星回転体52の第二筒部52bの円筒面状の外周面との間に配置される。従って、遊星回転体52の第二筒部52bの外周面および内周面の中心P(図4参照)は、回転軸Oに対して偏心した位置にある。軸受54は、例えば転がり軸受で構成され、図示例では深溝玉軸受で構成される。この軸受54は、偏心部材51の第二筒部51bの偏心内周面51b1と、遊星回転体52の第一筒部52aの円筒面状の外周面との間に配される。従って、遊星回転体52の第一筒部52aの外周面および内周面の中心P(図3参照)は、回転軸Oに対して偏心した位置にある。これらの軸受53,54により、遊星回転体52が偏心部材51に対して相対回転可能に支持される。
図3は、第一の減速機5aで切断した断面図(図1におけるIII−III線矢視断面図)、図4は、第二の減速機5bで切断した断面図(図1におけるIV−IV線矢視断面図)である。
図3に示すように、第一内歯部57の中心Pは、回転軸Oに対して径方向に距離E偏心している。従って、第一内歯部57と第一外歯部55は、周方向の一部の領域で互いに噛み合った状態となり、これとは径方向反対側の領域で噛み合わない状態となる。また、図4に示すように、第二内歯部58の中心Pも回転軸Oに対して径方向に距離E偏心しているため、第二内歯部58と第二外歯部56とは、周方向の一部の領域で互いに噛み合った状態となり、これとは径方向反対側の領域で噛み合わない状態となる。なお、図3及び図4では、互いの矢視方向が異なっているため、第一内歯部57と第二内歯部58のそれぞれの偏心方向が各図において互いに左右逆方向に示されているが、第一内歯部57及び第二内歯部58は同じ方向に同じ距離Eだけ偏心している。
ここで、差動装置5の減速比をi、モータ回転速度をn、スプロケット23の回転速度をnとすると、出力回転位相角度差は(n−n)/iとなる。
また、第一減速機5aの減速比をi1、第二減速機5bの減速比をi2とすると、本実施形態に係る差動装置5の減速比は、下記式1によって求められる。
減速比=i1×i2/|i1−i2|・・・式1
例えば、第一減速機5aの減速比(i1)が24/23、第二減速機5bの減速比(i2)が20/19の場合、上記式1から減速比は120となる。このように、本実施形態に係る差動装置5では、大きな減速比によって高トルクを得ることが可能である。
本実施形態の電動アクチュエータ1では、遊星回転体52の内周に駆動回転体2(小径部21)および従動回転体3(出力軸31、従動ギア32)を配置しているため、遊星回転体52を駆動する電動モータ4として中空モータを採用し、この中空モータを遊星回転体52の外周に配置するレイアウトを採用することができる。そのため、スペース効率が良好となり、電動アクチュエータのコンパクト化(特に軸方向寸法のコンパクト化)を達成できるメリットが得られる。
上記の電動アクチュエータ1には、駆動回転体2と従動回転体3との相対回転を所定範囲内に規制する回転規制手段7が設けられる。回転規制手段7は、駆動回転体2に設けられた駆動側ストッパ71と、従動回転体3に設けられた従動側ストッパ72とで構成される。
本実施形態では、図5に示すように、出力軸31から外周に突出した突起73を設けると共に、駆動回転体2の大径部22の内周面に、突起73が収容される凹部74を設けている。突起73が従動側ストッパ72として機能し、凹部74の周方向両端の側壁74aが駆動側ストッパ71として機能する。突起73は、出力軸31の外周に固定された環状部75と一体に設けられる。環状部75は、出力軸31の外周面に圧入固定される。このとき、出力軸31の外周面に微小凹凸(例えばローレット部)を設け、この微小凹凸を環状部75の内周面に食い込ませることで、両者の固定強度(特に、回転方向の固定強度)を高めてもよい。
従動回転体3が駆動回転体2に対して周方向一方側に相対回転し、出力軸31に設けられた突起73(従動側ストッパ72)が駆動回転体2の凹部74の一方の側壁74a(駆動側ストッパ71)に当接すると、それ以上の相対回転が規制される。また、従動回転体3が駆動回転体2に対して周方向他方側に相対回転し、出力軸31に設けられた突起73が駆動回転体2の凹部74の他方の側壁74aに当接すると、それ以上の相対回転が規制される。すなわち、従動回転体3と駆動回転体2との相対回転が、突起73が凹部74の一方の側壁74aに当接する位置と他方の側壁74aに当接する位置との間の範囲内に制限される。
尚、回転規制手段7の構成は上記に限らず、例えば図6に示すように、出力軸31の外周面に固定溝(キー溝)31aを設け、この固定溝31aに圧入した係止片で突起73(従動側ストッパ72)を構成してもよい。
あるいは、図7に示すように、駆動回転体2の大径部22の内周面に突起73を設け、従動回転体3の外周面に凹部74を設けてもよい。図示例では、突起73が駆動回転体2と一体に設けられる。凹部74は、出力軸31の外周に固定された環状部75の外周面に設けられる。この場合、突起73が駆動側ストッパ71として機能し、凹部74の側壁74aが従動側ストッパ72として機能する。
図1に示す電動アクチュエータ1では、静止側となるケーシング6と、エンジンの回転駆動力が伝達されて回転するスプロケット23との干渉を回避するために、ケーシング6のシリンダヘッド10側にスプロケット23を並べて配置せざるを得ない。このような電動アクチュエータ1において、スプロケット23のさらにシリンダヘッド10側に回転規制手段7を配置すると、軸方向寸法が嵩んでしまうため、中空の電動モータ4の内周に差動装置5を配して軸方向の小型化を図ったにも関わらず、かえって電動アクチュエータ1の軸方向寸法が大きくなってしまう恐れがある。
そこで、上記の電動アクチュエータ1では、回転規制手段7を、スプロケット23の反シリンダヘッド10側(図1の左側)、すなわち、スプロケット23の内周に配した軸受11(第一の軸受)の反シリンダヘッド10側に配しているため、回転規制手段7を設けることによる電動アクチュエータ1の軸方向の大型化を回避できる。
また、本実施形態では、ステータ41よりもシリンダヘッド10側(図1の右側)の軸方向領域において、ケーシング6と駆動回転体2との間に軸受12(第二の軸受)を設けることで駆動回転体2の回転安定性を高めている。ケーシング6の内周に設けられた軸受12は、スプロケット23の内周に設けられた軸受11よりも反シリンダヘッド10側(図1の左側)に設けられる。この軸受12は、軸受11よりも大径であり、具体的には、軸受12の内周面は軸受11の外周面よりも大径である。このため、軸受12の内周で、且つ、軸受11の反シリンダヘッド10側には、デッドスペースが設けられる。上記の電動アクチュエータ1では、軸受12の内周のデッドスペースを有効利用して、このスペースに回転規制手段7を設けることで、軸方向の小型化を図っている。
また、本実施形態では、ステータ41よりもシリンダヘッド10側の軸方向領域において、ケーシング6と偏心部材51との間に軸受14(第三の軸受)を設けることで偏心部材51の回転安定性を高めている。上記の電動アクチュエータ1では、回転規制手段7を軸受11と軸受14との軸方向間領域に収めることで、電動アクチュエータ1の軸方向のさらなる小型化を図っている。
続いて、図1〜図5を参照しつつ本実施形態に係る電動アクチュエータ1の動作について説明する。
エンジンの動作中は、スプロケット23に伝達されたエンジンからの駆動力によって駆動回転体2が回転する。電動モータ4に通電されず、電動モータ4から差動装置5への入力がない状態では、駆動回転体2の回転が遊星回転体52を介して従動回転体3に伝達され、従動回転体3は駆動回転体2と同期して回転する。すなわち、駆動回転体2と遊星回転体52、遊星回転体52と従動回転体3とが、それぞれに設けられた歯(第一外歯部55と第一内歯部57、第二外歯部56と第二内歯部58)によって互いにトルク伝達可能に係合しているため、駆動回転体2が回転すると、これらの係合関係を維持しながら駆動回転体2と遊星回転体52と従動回転体3とが同期して回転する。これにより、駆動回転体2に設けられたスプロケット23と従動回転体3の出力軸31に連結されたカムシャフトとが同期して回転する。
その後、例えばエンジンがアイドル運転などの低回転域に移行した際には、公知の手段、例えば、電子制御などによって電動モータ4に通電し、ロータ42およびこれに結合された偏心部材51を回転軸Oを中心として一体に回転させる。これにより、偏心部材51の偏心内周面51a1、51b1、軸受53、54、および遊星回転体52が、回転軸Oを中心とした偏心運動(公転)を行う。偏心部材51が一回転するごとに、第一内歯部57と第一外歯部55との係合箇所、および、第二内歯部58と第二外歯部56との係合箇所が、それぞれ一歯分ずつ周方向にずれる。このとき、第一の減速機(第一内歯部57と第一外歯部55)と第二の減速機(第二内歯部58と第二外歯部56)の減速比が異なることで、偏心部材51の回転に伴う、駆動回転体2の位相変化量と従動回転体3の位相変化量とが異なり、両者が相対回転する差動の状態となる。これにより、駆動回転体2に対する従動回転体3の相対的な回転位相差を正逆方向に変更することが可能となり、カムシャフトによるバルブの開閉タイミングを進角方向もしくは遅角方向に変更することができる。
このようにバルブの開閉タイミングを変更することにより、アイドル運転時のエンジンの回転の安定化と燃費の向上を図ることができる。また、アイドル状態からエンジンの運転が通常運転に移行し、例えば、高速回転に移行した際には、スプロケット23に対する電動モータ4の相対回転の速度差を大きくすることで、スプロケット23に対する出力軸31及びこれに連結されたカムシャフトの回転位相差を高回転に適した回転位相差に変更することができ、エンジンの高出力化を図ることが可能である。
以上の説明では、第一の減速機5aおよび第二の減速機5bとしてサイクロイド減速機を使用する場合を例示したが、差動装置5としては、自転・公転する遊星回転体52を有し、かつ二つの減速機5a,5bの減速比が異なる限り任意の構成の減速機(サイクロイド減速機、波動歯車装置、遊星歯車装置等)を使用することができる。遊星回転体52に代えて複数のローラを保持器で保持したローラアセンブリを使用し、ローラを第一外歯部55および第二外歯部56に沿って転動させるタイプの減速機を使用することもできる。
以上、本発明に係る電動アクチュエータの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことである。
1 電動アクチュエータ
2 駆動回転体
3 従動回転体
4 電動モータ
5 差動装置
5a 第一の減速機
5b 第二の減速機
6 ケーシング
7 回転規制手段
10 シリンダヘッド
11 第一の軸受
12 第二の軸受
14 第三の軸受
23 スプロケット(入力部)
41 ステータ
42 ロータ
51 偏心部材
51a1、51b1 偏心内周面
52 遊星回転体
55 第一外歯部
56 第二外歯部
57 第一内歯部
58 第二内歯部
71 駆動側ストッパ
72 従動側ストッパ
O 回転軸

Claims (5)

  1. 外部から回転駆動力が入力される入力部を有し、回転軸を中心として回転可能の駆動回転体と、前記回転軸を中心として回転可能の従動回転体と、前記駆動回転体と前記従動回転体とを相対回転させる差動装置と、ステータおよびロータを有し、前記ロータの内周に設けられた前記差動装置を駆動する電動モータと、内周に前記電動モータを収容し、前記入力部の軸方向一方側に配された静止側のケーシングと、前記駆動回転体に設けられた駆動側ストッパ、および、前記従動回転体に設けられ、前記駆動側ストッパと回転方向で係合可能の従動側ストッパを有する回転規制手段とを備えた電動アクチュエータにおいて、
    前記入力部の内周に、前記駆動回転体と前記従動回転体との相対回転を支持する第一の軸受を設け、前記第一の軸受の軸方向一方側に前記回転規制手段を配した電動アクチュエータ。
  2. 前記ケーシングと前記駆動回転体との相対回転を支持する第二の軸受を設け、前記第二の軸受の内周に前記回転規制手段を配した請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記差動装置が、前記電動モータのロータと一体に回転する偏心部材と、前記偏心部材の偏心回転に伴って、自転可能でかつ前記回転軸を中心として公転可能の遊星回転体とを有し、前記遊星回転体が前記駆動回転体および従動回転体のそれぞれと噛み合い、前記遊星回転体と前記駆動回転体との間に第一の減速機を形成し、前記遊星回転体と前記従動回転体との間に第二の減速機を形成し、前記第一の減速機と前記第二の減速機の減速比を異ならせた請求項1又は2に記載の電動アクチュエータ。
  4. 前記差動装置の偏心部材と前記ケーシングとの相対回転を支持する第三の軸受を設け、前記第一の軸受と前記第三の軸受との軸方向間領域に前記回転規制手段を設けた請求項3に記載の電動アクチュエータ。
  5. 前記入力部が、エンジンからの回転駆動力が伝達されるスプロケットであり、前記従動回転体がカムシャフトと一体に回転する請求項1〜4の何れか1項に記載の電動アクチュエータ。
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