JP2020143600A - 電動アクチュエータ - Google Patents

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卓志 松任
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【課題】 2系統の入力と2系統の出力を可能にして、電動アクチュエータの用途をさらに拡大させる。【解決手段】 差動装置5は、回転軸Oを中心として回転可能の駆動回転体2、自転可能でかつ回転Oを中心として公転可能の遊星回転体52、および回転軸Oを中心として回転可能の従動回転体3を有する。遊星回転体52を駆動回転体2および従動回転体3のそれぞれと噛み合わせて、遊星回転体52と駆動回転体との間に第一の減速機5aを形成すると共に、遊星回転体52と従動回転体3との間に第二の減速機5bを形成する。遊星回転体52を電動モータ4で駆動し、駆動回転体2をエンジンからの駆動力で駆動する。従動回転体3に吸気用カムシャフト32を設け、駆動回転体2に排気用カムシャフト22を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、電動アクチュエータに関する。
外部から駆動力が入力される入力側と、入力された駆動力を出力する出力側とで、回転位相差を変化させることが可能な電動アクチュエータとして、例えば、自動車のエンジンの吸気バルブと排気バルブの一方または両方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置に用いられるものが知られている。
一般的に、この種の電動アクチュエータは、電動モータと、電動モータによる駆動力を得て回転力を減速して伝達する減速機とを備えている(特許文献1参照)。電動モータによって減速機が駆動されないときは、入力側の部材(例えば、スプロケット)と出力側の部材(例えば、カムシャフト)とが一体に回転する。電動モータによって減速機が駆動されるときは、減速機によって入力側の部材に対する出力側の部材の回転位相差が変更され、これによってバルブの開閉タイミングが調整される。
特開2018−123727号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電動アクチュエータでは、2系統の入力(スプロケット、電動モータ)に対し、1系統の出力しか得られない。そのため、電動アクチュエータの用途拡大に支障を来す。
電動アクチュエータによるバルブの開閉タイミングの調整は、図7に示すように、吸気用カム101aを有する吸気用カムシャフト101と、排気用カム102aを有する排気用カムシャフト102とが分離独立して設けられるDOHC(Double Over Head Camshaft)型のエンジンであれば可能となる。すなわち、吸気用カムシャフト101を電動アクチュエータ103で駆動することにより吸気用バルブの開閉タイミングが調整可能となる。図7では、排気用カムシャフト102に電動アクチュエータを結合していないが、排気用バルブの開閉タイミングの変更も必要とされる場合には、排気用カムシャフト102に別の電動アクチュエータ103を結合することにより、かかる要請にも対応可能となる。
しかしながら、SOHC(Single Over Head Camshaft)型のエンジンでは吸気用カムと排気用カムとが共通のカムシャフトに設けられる。そのため、仮に電動アクチュエータをSOHC型エンジンンのカムシャフトに結合したとしても、吸気用カムと排気用カムの双方の位相が同時にかつ同方向に変化するため、可変バルグタイミング装置として機能させることができない。
そこで、本発明は、2系統の入力と2系統の出力を可能にして、電動アクチュエータの用途をさらに拡大させることを目的とする。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、回転軸を中心として回転可能の駆動回転体、自転可能でかつ前記回転軸を中心として公転可能の遊星回転体、および前記回転軸を中心として回転可能の従動回転体を有し、前記遊星回転体が前記駆動回転体および従動回転体のそれぞれと噛み合い、前記遊星回転体と前記駆動回転体との間に第一の減速機を形成し、前記遊星回転体と前記従動回転体との間に第二の減速機を形成し、前記第一の減速機と前記第二の減速機の減速比を異ならせた差動装置と、前記遊星回転体を駆動する電動モータとを備え、前記駆動回転体は外部からの駆動力によって回転駆動され、前記従動回転体に第一出力部材を設けた電動アクチュエータにおいて、前記駆動回転体に第二出力部材を設けたことを特徴とするものである。
かかる構成の電動アクチュエータであれば、駆動回転体および遊星回転体への入力と、駆動回転体および従動回転体からの出力が可能であり、2系統の入力と2系統の出力が許容されている。そのため、2系統の入力と1系統の出力が一般的な従来の電動アクチュエータに比べ、電動アクチュエータの用途を拡大することができる。
前記第一出力部材と第二出力部材の何れか一方を吸気用カムシャフトとし、他方を排気用カムシャフトとするのが好ましい。これにより、吸気用カムシャフトと排気用カムシャフトを独立して駆動し、一方のカムシャフトの回転位相とは無関係に他方のカムシャフトの回転位相を制御することが可能となる。
前記吸気用カムシャフトおよび排気用カムシャフトのうち、どちらか一方を中空形状とし、当該一方の内周に他方を配置するのが好ましい。かかる構成により、外観的には排気用カムシャフトと吸気用カムシャフトが一つのシャフトとなる。そのため、以上に説明した電動アクチュエータを、SOHC型エンジンの可変バルブタイミング装置として利用することが可能となる。
前記第一出力部材を吸気用カムシャフトとし、前記第二出力部材を排気用カムシャフトとし、前記排気用カムシャフトを中空形状とし、前記排気用カムシャフトの内周に吸気用カムシャフトを配置するのが好ましい。
また、他の技術的手段として、本発明は、吸気用カムシャフトと、排気用カムシャフトと、電動モータとを備え、電動モータの駆動力で前記吸気用カムシャフトまたは排気用カムシャフトを進角方向もしくは遅角方向に回転可能にした電動アクチュエータにおいて、前記吸気用カムシャフトおよび排気用カムシャフトのうち、どちらか一方を中空形状とし、当該一方の内周に他方を配置したことを特徴とするものである。
かかる構成により、外観的には排気用カムシャフトと吸気用カムシャフトが一つのシャフトとなる。そのため、電動アクチュエータを、SOHC型エンジンの可変バルブタイミング装置として利用することが可能となる。
駆動源はSOHC型のエンジンで構成することができる。
本発明によれば、2系統の入力と2系統の出力が可能な電動アクチュエータを提供できる。そのため、電動アクチュエータの用途をさらに拡大させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電動アクチュエータの縦断面図である。 本実施形態に係る電動アクチュエータの分解斜視図である。 本実施形態に係る電動アクチュエータの斜視図である。 図1のA−A線で矢視した断面図である。 図1のB−B線で矢視した断面図である。 SOHC型のエンジンのカムシャフトを示す斜視図である。 DOHC型のエンジンのカムシャフトを示す斜視図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る電動アクチュエータの縦断面図、図2は、当該電動アクチュエータの分解斜視図、図3は、当該電動アクチュエータの斜視図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る電動アクチュエータ1は、SOHC型のエンジン(駆動源)の可変バルブタイミング装置として用いられる。この電動アクチュエータ1は、駆動回転体2と、従動回転体3と、電動モータ4と、差動装置5と、これらを収容するケーシング6とを主要な構成要素として備える。
駆動回転体2は、全体として軸方向両端が開口した円筒状をなし、反シリンダヘッド10側(図1の左側)に設けられた本体21と、シリンダヘッド10側(図1の右側)に設けられた第二の出力部材としての排気用カムシャフト22と、エンジンからの駆動力の入力部となるスプロケット23とを有する。排気用カムシャフト22のシリンダヘッド10側には、一つまたは複数の排気用カム22aが設けられている。スプロケット23は本体21の外周面にトルク伝達可能に取り付けられ、外部からの駆動力、例えばエンジンからチェーンを介して伝達された駆動力により回転駆動される。本体21、排気用カムシャフト22、およびスプロケット23は、何れも回転軸Oを中心として同軸上に配置される。従って、本体21、排気用カムシャフト22、およびスプロケット23は、外部からの駆動力(エンジンからの駆動力)により、回転軸Oを中心として一体に回転する。排気用カムシャフト22は、軸受11を介して静止部材であるヘッドカバー(図示省略)に回転可能に支持される。
本実施形態では、本体21と排気用カムシャフト22とを一体化する一方で、スプロケット23を本体21の外周に圧入固定した別部材で構成した場合を例示している。この例示に限らず、本体21、排気用カムシャフト22、およびスプロケット23のうち、任意の二つの部位を一体化し、残りの部位を別部材で構成することができる。あるいは本体21、排気用カムシャフト22、およびスプロケット23を全て一体に形成し、あるいは全て別部材で形成することもできる。
従動回転体3は、駆動回転体2から伝達された駆動力を出力する部材であり、反シリンダヘッド10側に設けられた円筒状の本体31と、シリンダヘッド10側に設けられた第一の出力部材としての吸気用カムシャフト32とを有する。吸気用カムシャフト32には、一つあるいは複数の吸気用カム32aが設けられている。本体31と吸気用カムシャフト32は回転軸O上で同軸に配置され、センタボルト33によって互いに結合されている。そのため、本体31と吸気用カムシャフト22は、回転軸Oを中心として一体に回転する。吸気用カムシャフト32のシリンダヘッド10側の端部は、軸受12を介してヘッドカバーに対して回転可能に支持される。
吸気用カムシャフト32は、両端が開口した中空形状をなす排気用カムシャフト22の内周に配置される。また、吸気用カムシャフト32のシリンダヘッド10側の軸端は、排気用カムシャフト22のシリンダヘッド10側の軸端から軸方向に突出している。排気用カムシャフト22の内周と吸気用カムシャフト32の外周との間には軸受8が配置され、駆動回転体2の本体21の内周と従動回転体3の本体31の外周との間には軸受9が配置されている。これらの軸受8,9により、駆動回転体2と従動回転体3の間の相対回転が許容される。軸受8,9は、例えば滑り軸受で構成することができる。
ケーシング6は、組み立ての都合上、有底円筒状のケーシング本体6aと、蓋部6bとに分割されている。ケーシング本体6aと蓋部6bとは、ボルト等の締結手段を用いて一体化される。蓋部6bには、電動モータ4へ給電するための給電線や、電動モータ4の回転数を検知する図示しない回転数検知センサに接続される信号線を、外部に引き出すための筒状の突起6c,6d(図2参照)が設けられている。ケーシング6の蓋部6bの内周面と従動回転体3の本体31の外周面との間の空間は、オイルシール13により密封されている。
電動モータ4は、ケーシング本体6aに固定されたステータ41と、ステータ41の半径方向内側に隙間をもって対向するように配置されたロータ42とを有するラジアルギャップ型のモータである。ステータ41は、軸方向に積層した複数の電磁鋼板から成るステータコア41aと、ステータコア41aに装着された絶縁材料から成るボビン41bと、ボビン41bに巻き回されたステータコイル41cとで構成されている。ロータ42は、環状のロータコア(ロータインナ)42aと、ロータコア42aに取り付けられた複数のマグネット42bとで構成されている。ステータ41とロータ42の間に作用する励磁力により、ロータ42が回転軸Oを中心として回転する。
差動装置5は、駆動回転体2の本体21と、従動回転体3の本体31と、ロータ42と一体に回転する偏心部材51と、偏心部材51の内周に配置された遊星回転体52と、偏心部材51と遊星回転体52の間に配置された軸受53とを主要な構成要素として備える。
偏心部材51は、ロータコア42aの内周に固定された小径筒部51aと、小径筒部51aより大径に形成され、ロータコア42aから軸方向に突出する大径筒部51bとを一体に有する。偏心部材51の外周面は、回転軸Oと同軸に形成された円筒面である。偏心部材51の小径筒部51aの内周面には、回転軸Oに対して偏心した円筒面状の偏心内周面51a1が形成される。偏心部材51の内周面のうち、偏心内周面51a1以外の領域は、回転軸Oと同軸に形成された円筒面である。偏心部材51は、偏心内周面51a1を通る半径方向の断面で見ると、厚肉部分と薄肉部分とを有する(図4および図5参照)。
偏心部材51は、軸方向の両側に配置した軸受17,18によって支持される。本実施形態では、シリンダヘッド10側の軸受17を滑り軸受で構成し、反シリンダヘッド10側の軸受18を転がり軸受(深溝玉軸受)で構成しているが、両軸受17,18の構成や種類は任意に選択することができ、例えばシリンダヘッド10側の軸受7を転がり軸受で構成することもできる。シリンダヘッド10側の軸受17により偏心部材51が駆動回転体2に回転可能に支持され、反シリンダヘッド10側の軸受18により、偏心部材51がケーシング6の蓋部6bに回転可能に支持される。
遊星回転体52は円筒状をなし、その内周に第一内歯部55と第二内歯部56とが形成される。第一内歯部55と第二内歯部56は、何れも半径方向の断面が曲線(例えばトロコロイド系曲線)を描く複数の歯で構成されている。第一内歯部55と第二内歯部56は軸方向にずらして形成され、第一内歯部55がシリンダヘッド10側に、第二内歯部56が反シリンダヘッド10側にそれぞれ設けられている。第二内歯部56のピッチ円径は第一内歯部55のピッチ円径よりも小さい。また、第二内歯部56の歯数は、第一内歯部55の歯数よりも少ない。
駆動回転体2の本体21の外周面には、第一内歯部55と噛み合う第一外歯部57が形成される。また、従動回転体3の本体31の外周面には、第二内歯部56と噛み合う第二外歯部58が形成される。第一外歯部57および第二外歯部58は、何れも半径方向の断面が曲線(例えばトロコイド系曲線)を描く複数の歯で形成されている。第二外歯部58のピッチ円径は第一外歯部57のピッチ円径よりも小さく、第二外歯部58の歯数は、第一外歯部57の歯数よりも少ない。
第一外歯部57の歯数は、互いに噛み合う第一内歯部55の歯数よりも少なく、好ましくは一つ少ない。同様に、第二外歯部58の歯数も、互いに噛み合う第二内歯部56の歯数よりも少なく、好ましくは一つ少ない。一例として、本実施形態では、第一内歯部55の歯数を24個、第二内歯部56の歯数を20個、第一外歯部57の歯数を23個、第二外歯部58の歯数を19個としている。
互いに噛み合う第一内歯部55と第一外歯部57は第一の減速機5aを構成し、第二内歯部56と第二外歯部58は第二の減速機5bを構成する。第一の減速機5aおよび第二の減速機5bは、何れもハイポサイクロイド減速機と呼ばれるものである。二つの減速機5a,5bの減速比は異なっており、本実施形態では第一の減速機5aの減速比を第二の減速機5bの減速比よりも大きくしている。このように二つの減速機5a,5bの減速比を異ならせることで、後で述べるように、エンジンに駆動される吸気用カムシャフト32の回転を、電動モータ4の作動状態に応じて変化させる(差動させる)ことが可能となる。
軸受53は、例えば外輪53aを有する針状ころ軸受で構成される。この軸受53は、偏心部材51の偏心内周面51a1と、遊星回転体52の円筒面状の外周面との間に配置される。従って、遊星回転体52の外周面および内周面の中心P(図4、図5参照)は、回転軸Oに対して偏心した位置にある。この軸受53により、遊星回転体52が偏心部材51に対して相対回転可能に支持される。
図4は、第一の減速機5aで切断した断面図(図1におけるA−A線矢視断面図)、図5は、第二の減速機5bで切断した断面図(図1におけるB−B線矢視断面図)である。
図4に示すように、第一内歯部55の中心Pは、回転軸Oに対して径方向に距離E偏心している。従って、第一内歯部55と第一外歯部57は、周方向の一部の領域で互いに噛み合った状態となり、これとは径方向反対側の領域で噛み合わない状態となる。また、図5に示すように、第二内歯部56の中心Pも回転軸Oに対して径方向に距離E偏心しているため、第二内歯部56と第二外歯部58とは、周方向の一部の領域で互いに噛み合った状態となり、これとは径方向反対側の領域で噛み合わない状態となる。なお、図4及び図5では、互いの矢視方向が異なっているため、第一内歯部55と第二内歯部56のそれぞれの偏心方向が各図において互いに左右逆方向に示されているが、第一内歯部55及び第二内歯部56は同じ方向に同じ距離Eだけ偏心している。
ここで、差動装置5の減速比をi、モータ回転速度をnm、スプロケット23の回転速度をnSとすると、出力回転位相角度差は(nm−nS)/iとなる。
また、第一内歯部55の歯数をz1、第二内歯部56の歯数をz2とすると、本実施形態に係る差動装置5の減速比は、下記式1によって求められる。
減速比=z1×z2/|z1−z2|・・・式1
例えば、第一内歯部55の歯数(z1)が24、第二内歯部56の歯数(z2)が20の場合、上記式1から減速比は120となる。このように、本実施形態に係る差動装置5では、大きな減速比によって高トルクを得ることが可能である。
本実施形態の電動アクチュエータ1では、遊星回転体52の内径側に駆動回転体2および従動回転体3を配置しているため、遊星回転体52を駆動する電動モータ4として中空モータを採用し、この中空モータを遊星回転体52の外径側に配置するレイアウトを採用することができる。そのため、スペース効率が良好となり、電動アクチュエータのコンパクト化(特に軸方向寸法のコンパクト化)を達成できるメリットが得られる。
続いて、図1〜図5を参照しつつ本実施形態に係る電動アクチュエータの動作について説明する。
エンジンの動作中は、スプロケット23に伝達されたエンジンからの駆動力によって駆動回転体2が回転し、これに伴って排気用カムシャフト22が回転する。この時、排気用カムシャフト22の回転数はスプロケット23の回転数と等しい。
電動モータ4に通電されず、電動モータ4から差動装置5への入力がない状態では、駆動回転体2の回転が遊星回転体52を介して従動回転体3に伝達され、従動回転体3は駆動回転体2と一体に回転する。すなわち、駆動回転体2と遊星回転体52は、第一内歯部55と第一外歯部57との噛み合い部でのトルク伝達により、この噛み合い状態を保持したままま一体に回転する。同様に、遊星回転体52と従動回転体3も第二内歯部56と第二外歯部58の噛み合い位置を保持したまま一体に回転する。そのため、駆動回転体2と従動回転体3は同じ回転位相を保持しながら回転する。従って、排気用カムシャフト22と吸気用カムシャフト32とは回転位相差0で回転する。
その後、例えばエンジンがアイドル運転などの低回転域に移行した際には、公知の手段、例えば、電子制御などによって電動モータ4に通電し、ロータ42をスプロケット23の回転数よりも相対的に遅く又は速く回転させる。電動モータ4を作動させると、ロータ42のロータコア42bに結合された偏心部材51が回転軸Oを中心として一体に回転する。これに伴い、薄肉部分と厚肉部分とを備えた偏心部材51の回転に伴う押圧力が軸受53を介して遊星回転体52に作用する。この押圧力により、第一内歯部55と第一外歯部57との噛み合い部で周方向の分力が生じるため、遊星回転体52が駆動回転体2に対して相対的に偏心回転運動を行う。つまり、遊星回転体52が回転軸Oを中心として公転しながら、第一内歯部55および第二内歯部56の中心Pを中心として自転する。この際、遊星回転体51が1回公転するごとに、第一内歯部55と第一外歯部57との噛み合い位置が一歯分ずつ周方向にずれるため、遊星回転体52は減速されつつ回転(自転)する。
また、遊星回転体52が上述の偏心回転運動を行うことにより、遊星回転体52の1回の公転ごとに、第二内歯部56と第二外歯部58との噛み合い箇所が一歯分ずつ周方向にずれる。これにより、従動回転体3が遊星回転体52に対して減速されつつ回転する。このように、遊星回転体52を電動モータ4で駆動することにより、スプロケット23からの駆動力に電動モータ4からの駆動力が重畳され、従動回転体3の回転が、電動モータ4からの駆動力の影響を受ける差動の状態となる。そのため、駆動回転体2に対する従動回転体3の相対的な回転位相差を正逆方向に変更することが可能となり、吸気用カム32aによる吸気バルブ(図示省略)の開閉タイミングを進角方向もしくは遅角方向に変更することができる。
このように吸気バルブの開閉タイミングを変更することにより、アイドル運転時のエンジンの回転の安定化と燃費の向上を図ることができる。また、アイドル状態からエンジンの運転が通常運転に移行し、例えば、高速回転に移行した際には、スプロケット23に対する電動モータ4の相対回転の速度差を大きくすることで、スプロケット23に対する吸気用カムシャフト32の回転位相差を高回転に適した回転位相差に変更することができ、エンジンの高出力化を図ることが可能である。
このように本実施形態の電動アクチュエータであれば、駆動回転体2および遊星回転体52への入力(前者はエンジンの駆動力の入力、後者は電動モータ4の駆動力の入力)と、駆動回転体2および従動回転体3からの出力(前者は排気用カムシャフト22への出力、後者は吸気用カムシャフト32への出力)が可能であり、2系統の入力と2系統の出力が許容されている。そのため、2系統の入力と1系統の出力が一般的な従来の電動アクチュエータに比べ、電動アクチュエータ1の用途を拡大することができる。具体的には、以下に述べるように、SOHC型エンジン用の可変バルブタイミング装置として使用することが可能となる。
図6に示すように、SOHC型のエンジンでは、共通のカムシャフト100に排気用カム22aと吸気用カム32aが装着される。従って、このカムシャフト100に一般的な電動アクチュエータ1’を結合しても、排気バルブと吸気用バルブの開閉タイミングが同時に同方向に変化するため、可変バルブタイミング装置として機能させることができない。
これに対し、本実施形態にかかる電動アクチュエータ1では、2系統の出力が可能であるため、吸気用カムシャフト32と排気用カムシャフト22を独立して駆動し、排気用カムシャフトの回転位相とは無関係に吸気用カムシャフト32の回転位相を制御することができる。しかも排気用カムシャフト22を中空形状とし、その内周に吸気用カムシャフト32を配置しているため、外観的には排気用カムシャフト22と吸気用カムシャフト32が一つのシャフトとなる。そのため、電動アクチュエータ1を、SOHC型エンジンの可変バルブタイミング装置として利用することが可能となる。
以上の説明では、第一の減速機5aおよび第二の減速機5bとしてハイポサイクロイド減速機を使用する場合を例示したが、差動装置5としては、自転・公転する遊星回転体52を有し、かつ二つの減速機5a,5bの減速比が異なる限り任意の構成の減速機(サイクロイド減速機、波動歯車装置、遊星歯車装置等)を使用することができる。遊星回転体52に代えて複数のローラを保持器で保持したローラアセンブリを使用し、ローラを第一外歯部57および第二外歯部58に沿って転動させるタイプの減速機を使用することもできる。
また、以上の説明では、排気用カムシャフト22を中空形状とし、その内周に吸気用カムシャフト32を配置する場合を例示したが、これとは逆に、吸気用カムシャフト32を中空形状とし、その内周に排気用カムシャフト22を配置することもできる。
また、駆動回転体2に排気用カムシャフト22を設け、従動回転体3に吸気用カムシャフトを設ける場合を例示したが、これとは逆に、駆動回転体2に吸気用カムシャフト32を設け、従動回転体3に排気用カムシャフト22を設けることもできる。
以上、本発明に係る電動アクチュエータの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことである。
1 電動アクチュエータ
2 駆動回転体
3 従動回転体
4 電動モータ
5 差動装置
5a 第一の減速機
5b 第二の減速機
6 ケーシング(静止部材)
10 シリンダヘッド
22 排気用カムシャフト(第二出力部材)
23 スプロケット(駆動力入力部)
32 吸気用カムシャフト(第一出力部材)
52 遊星回転体
55 第一内歯部
56 第二内歯部
57 第一外歯部
58 第二外歯部
O 回転軸

Claims (6)

  1. 回転軸を中心として回転可能の駆動回転体、自転可能でかつ前記回転軸を中心として公転可能の遊星回転体、および前記回転軸を中心として回転可能の従動回転体を有し、前記遊星回転体が前記駆動回転体および従動回転体のそれぞれと噛み合い、前記遊星回転体と前記駆動回転体との間に第一の減速機を形成し、前記遊星回転体と前記従動回転体との間に第二の減速機を形成し、前記第一の減速機と前記第二の減速機の減速比を異ならせた差動装置と、
    前記遊星回転体を駆動する電動モータとを備え、
    前記駆動回転体は外部からの駆動力によって回転駆動され、
    前記従動回転体に第一出力部材を設けた電動アクチュエータにおいて、
    前記駆動回転体に第二出力部材を設けたことを特徴とする電動アクチュエータ。
  2. 前記第一出力部材と第二出力部材の何れか一方が吸気用カムシャフトであり、他方が排気用カムシャフトである請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記吸気用カムシャフトおよび排気用カムシャフトのうち、どちらか一方を中空形状とし、当該一方の内周に他方を配置した請求項2に記載の電動アクチュエータ。
  4. 前記第一出力部材が吸気用カムシャフトで、前記第二出力部材が排気用カムシャフトであり、前記排気用カムシャフトを中空形状とし、前記排気用カムシャフトの内周に吸気用カムシャフトを配置した請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  5. 吸気用カムシャフトと、排気用カムシャフトと、電動モータとを備え、電動モータの駆動力で前記吸気用カムシャフトもしくは排気用カムシャフトを進角方向もしくは遅角方向に回転可能にした電動アクチュエータにおいて、
    前記吸気用カムシャフトおよび排気用カムシャフトのうち、どちらか一方を中空形状とし、当該一方の内周に他方を配置したことを特徴とする電動アクチュエータ。
  6. SOHC型のエンジンに使用される請求項1〜5の何れか1項に記載の電動アクチュエータ。
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