JP4008225B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気側または排気側の機関弁の開閉タイミングを運転状態に応じて可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のバルブタイミング制御装置は、クランクシャフトからカムシャフトに至る動力伝達経路において、両シャフトの回転位相を操作することにより、機関弁の開閉タイミングを制御するようにしている。即ち、この種の装置は、クランクシャフトにタイミングチェーン等を介して連繋された駆動回転体がカムシャフト側の従動回転体に必要に応じて相対回動できるように組み付けられると共に、これらの回転体の間に両者の組付角を操作すべく組付角操作機構が介装され、この組付角操作機構を適宜駆動制御することによってクランクシャフトとカムシャフトの回転位相を変更するようになっている。
【0003】
組付角操作機構としては、ヘリカルギヤを用いて油圧ピストンの直進作動を両回転体の回動作動に変換するもの等種々のものが開発されているが、近年、軸長を短縮化でき、フリクションロスが少ない等の多く利点を有するリンクを用いたものが案出されている。
【0004】
組付角操作機構にリンクを用いたバルブタイミング制御装置としては、例えば、特開2001−41013号公報に開示されるようなものがある。
【0005】
この装置は、クランクシャフトにタイミングチェーン等を介して連係されたハウジング(駆動回転体)がカムシャフトの端部に回動可能に組み付けられ、ハウジングの内側端面に形成された径方向ガイドに案内部材(可動案内部)が径方向に沿って摺動自在に係合支持されると共に、径方向外側に突出するレバーが従動軸部材(従動回転体)と共にカムシャフトの端部にボルト結合され、案内部材とレバーとがリンクによって枢支連結されている。そして、ハウジングの前記径方向ガイドに対向する位置には、渦巻き状ガイドを有する中間回転体がハウジングと従動軸部材に対して相対回動可能に設けられ、前記案内部材の軸方向の一方の端部に突設された略円弧状の複数の突条が前記渦巻き状ガイドに案内係合されている。また、中間回転体はハウジングに対して回転を進める側にゼンマイばねによって付勢されると共に、電磁ブレーキによって回転を遅らせる側の力を適宜受けるようになっている。
【0006】
この装置の場合、電磁ブレーキがOFF状態のときには、中間回転体がゼンマイばねの付勢力を受けハウジングに対して初期位置に位置されており、渦巻き状ガイドに突条でもって噛合う案内部材は径方向外側に最大に変位し、リンクを引き起こしてハウジングと従動軸部材の組付角を最遅角状態に維持している。そして、この状態から電磁ブレーキがONにされると、中間回転体が減速されてハウジングに対して遅れ側に相対回転する結果、渦巻き状ガイドに噛合う案内部材が径方向内側に変位し、今まで引き起こされていたリンクを次第に倒すようにしてハウジングと従動軸部材の組付角を最進角状態に変更する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のバルブタイミング制御装置においては、バルブタイミング(機関弁の開閉タイミング)が最遅角状態にあるときに可動案内部(案内部材)が最も径方向外側に位置されるようにリンクが可動案内部とレバーに組み付けられているため、バルブタイミングを進角方向に変更する場合には、可動案内部を遠心力に抗して径方向内側に変位させなければならない。そして、可動案内部に影響する遠心力は機関の回転速度が上昇するとそれに伴って大きくなり、可動案内部の作動負荷は次第に増大する。
【0008】
また、機関運転中にバルブタイミングを変更する場合には、バルブスプリングの付勢力と駆動カムのプロフィールに起因するカムシャフトの変動トルク(以下、「交番トルク」と呼ぶ。)がリンクに作用するが、この交番トルクは遅角側成分の方が進角側成分に比較して大きくなることが知られている。このため、バルブタイミング制御装置においては、バルブタイミングを遅角側に変更するときには、交番トルクの大きな遅角側成分がアシスト力として働くが、バルブタイミングを進角側に変更するときには、逆に交番トルクの遅角側成分が変更操作を妨げる力として働く。
【0009】
したがって、従来のバルブタイミング制御装置においては、バルブタイミングの進角側の変更操作時に、交番トルクの遅角側成分と遠心力とが共に操作を妨げる力として働き、このとき作動応答性の低下を招き易くなる。
【0010】
そこで本発明は、進角方向にバルブタイミングを変更するときに遠心力が可動案内部の操作を妨げる力として作用しないようにし、作動応答性の向上を図ることのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、
カムシャフトに結合されて、前記駆動回転体から動力を伝達される従動回転体と、
前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転可能に設けられ、周方向に縮径するガイドを有する中間回転体と、
前記周方向に縮径するガイドに沿って係合案内されつつ径方向へ変位可能な可動部材と、前記従動回転体の回転中心から離間した部位と前記可動部材とを連結したリンクであって、前記可動部材が径方向内側に位置するときに、前記中間回転体の半径方向に対して前記可動部材が前記駆動回転体の回転方向側に位置するように、傾斜した前記リンクと、によって構成され、前記可動部材が前記縮径するガイドの径方向内側に位置する状態から径方向外側に変位されるときに、前記駆動回転体と従動回転体の組付角を進角方向に変更する組付角操作機構と、
前記中間回転体に回転操作力を付与して前記可動部材を前記ガイドに沿って変位させて前記組付角操作機構を介して前記駆動回転体と従動回転体の組付角を調整する操作力付与手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
この発明の場合、組付角を進角側に変更するときには、カムシャフトの交番トルクの大きな遅角側成分に抗して可動部材を操作しなければならないが、可動部材やリンクに作用する遠心力が可動部材を径方向外側に変位させるアシスト力として働く。一方、組付角を遅角方向に変更するときは、可動部材を遠心力に抗して径方向内側に変位させる必要があるが、このときには交番トルクの大きな遅角側成分が可動部材を径方向内側に変位させるアシスト力として働く。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、前記縮径するガイドの形状を前記カムシャフトの回転方向と逆向きに縮径するように設定したことを特徴としている。
この場合、中間回転体を駆動回転体及び従動回転体に対して減速側に操作したときに可動部材が径方向外側に変位し、バルブタイミングが進角側に変更される。中間回転体を減速側に操作する場合には、比較的小エネルギーでもって操作を行うことができるため、操作力付与手段の出力を小さく設定することが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、操作力付与手段にモータを用いたことを特徴としている。
したがって、組付角を進角方向、遅角方向のいずれに操作するときにも同様に小さな操作力で済み、モータトルクを小さく設定し、省電力化と小型・軽量化を図ることが可能となる。
請求項4に記載の発明は、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、カムシャフトに連結されて前記駆動回転体から動力を伝達される従動回転体と、を備え、前記内燃機関の運転状況に応じて前記クランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転可能に設けられて、前記カムシャフトの回転方向とは逆方向に縮径するガイドを有する中間回転体と、
前記縮径するガイドに係合案内されつつ径方向へ変位可能な可動部材と、
該可動部材と前記従動回転体とを連結し、前記可動部材が径方向に変位されたときに、前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相が変位するように揺動し、前記従動回転体との揺動支点が前記可動部材に対して前記駆動回転体の回転方向の後方側に位置するように構成され、前記可動部材が径方向外側に変位したときに前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を進角方向に変更するように揺動するリンクと、
前記中間回転体に回転操作力を付与する操作力付与手段と、
を備えたことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相が最遅角状態にあるときに径方向に対する前記リンクの傾斜角が最大になるように配置したことを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、カムシャフトに連結されて前記駆動回転体から動力を伝達される従動回転体と、を備え、前記内燃機関の運転状況に応じて前記クランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転可能に設けられて、周方向に縮径するガイドを有する中間回転体と、
前記縮径するガイドに係合案内されつつ径方向へ変位可能な可動部材と、
該可動部材と前記従動回転体とを連結し、前記可動部材が径方向外側に変位されたときに、前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相が進角する方向に変位するように回動するリンクと、
前記中間回転体に回転操作力を付与する操作力付与手段と、を備え、
前記リンクに作用する遠心力が、前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を進角させる方向に作用することを特徴としている。
請求項7に記載の発明にあっては、前記可動部材は、転動自在に前記縮径するガイドに係合されていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。尚、この実施形態は、本発明にかかるバルブタイミング制御装置を内燃機関の吸気側の動力伝達系に適用したものであるが、内燃機関の排気側の動力伝達系に同様に適用することも可能である。
【0016】
このバルブタイミング制御装置は、図1に示すように内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)に回転自在に支持されたカムシャフト1と、このカムシャフト1の前端部に必要に応じて相対回動できるように組み付けられ、チェーン(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連係されるタイミングスプロケット2を外周に有する駆動プレート3(本発明における駆動回転体)と、この駆動プレート3とカムシャフト1の前方側(図1中左側)に配置されて、両者3,1の組付角を回動操作する組付角操作機構5と、この組付角操作機構5のさらに前方側に配置されて、同機構5を駆動操作する操作力付与手段4と、内燃機関の図外のシリンダヘッドとロッカカバーの前面に跨って取り付けられて組付角操作機構5と操作力付与手段4の前面と周域を覆うVTCカバー12と、を備えている。
【0017】
駆動プレート3は、挿通孔6を備えた円板状に形成され、カムシャフト1の前端部に一体に結合されたレバー軸10(本発明における従動回転体)が挿通孔6部分に回転可能に組み付けられている。そして、駆動プレート3の前面(カムシャフト1と逆側の面)には、図1,図2に示すように、3つの径方向溝8(本発明における径方向ガイド)が同プレート3の半径方向に沿うように形成されている。
【0018】
また、レバー軸10は、図1に示すように、カムシャフト1の前端部に突き合わされる基部側外周に大径フランジ部7が形成されると共に、その大径フランジ部7よりも前方側の外面に放射状に突出する三つのレバー9が一体に形成され、軸心部を貫通するボルト13によってカムシャフト1に結合されている。レバー軸10の各レバー9には、リンク14の基端が枢支ピン15によって枢支連結され、各リンク14の先端には前記各径方向溝8に摺動自在に係合する円柱状の突出部17が一体に形成されている。
【0019】
各リンク14は、突出部17が対応する径方向溝8に係合した状態において、枢支ピン15を介してレバー軸10に連結されているため、リンク14の先端側が外力を受けて径方向溝8に沿って変位すると、駆動プレート3とレバー軸10はリンク14の作用でもって突出部17の変位に応じた方向及び角度だけ相対回動する。
【0020】
また、各リンク14の先端部にはリンク本体部から突出部17にかけて軸方向に貫通する貫通孔18が形成され、この貫通孔18の突出部17側の端部には別体の板状の封止部材16が圧入固定されている。そして、貫通孔18には、後述する渦巻き溝24に係合される球19と、その球19の背部を支持する略円柱状のリテーナ20が収容されると共に、リテーナ20と封止部材16の間に介装されて球19を前方側に付勢するコイルばね21が収容されている。尚、この実施形態の場合、可動部材としては、リンク14の先端の突出部17と球19によって構成されている。
【0021】
一方、レバー軸10のレバー9の突設位置よりも前方側には、略円板状の中間回転体23が回転可能に支持されている。この中間回転体23の後部側の面には断面半円状の渦巻き溝24(本発明における渦巻き状ガイド)が形成され、この渦巻き溝24に、前述の各リンク14の球19が転動自在に係合されている。渦巻き溝24の渦巻きは、図2〜図4に示すように駆動プレート3やカムシャフト1の回転方向Rと逆向きに渦巻きが収束するように形成されている。したがって、各リンク14の球19が渦巻き溝24に係合した状態で中間回転体23が駆動プレート3に対して減速方向(遅れ方向)に相対回転すると、リンク14の先端部は渦巻き溝24の渦巻き形状に沿って半径方向外側に移動し、逆に、中間回転体23が増速方向(進み方向)に相対回転すると、半径方向内側に移動する。
【0022】
この実施形態の組付角操作機構5は、以上説明した駆動プレート3の径方向溝8、突出部17、球19、リンク14、レバー9、中間回転体23の渦巻き溝24等によって構成されている。この組付角操作機構5は、操作力付与手段4から中間回転体23にカムシャフト1に対する相対的な回動操作力が入力されると、その操作力が渦巻き溝24と球19の係合部を通してリンク14の先端を径方向に変位させ、このときリンク14とレバー9の作用でもって駆動プレート3とカムシャフト1に相対的な回動力を伝達する。
【0023】
また、駆動プレート3とレバー軸10を連結する前記リンク14は、駆動プレート3とレバー軸10の組付角が最遅角状態にあるときに、図2に示すように径方向溝8に対する傾斜角が最大になり、組付角が最進角状態にあるときに、図4に示すように同傾斜角が最小になるように揺動支点(枢支ピン15)が配置されている。つまり、リンク14の基部側の枢支ピン15位置は、先端側の渦巻き溝24や径方向溝8に対する係合部に対し、常時、回転方向後方側に位置されるようになっている。したがって、この装置の場合、リンク14の先端部が径方向外側に変位するときには駆動プレート3とレバー軸10の組付角を進角側に変更し、逆にリンク14の先端部が径方向内側に変位するときには組付角を遅角側に変更する。
【0024】
また、操作力付与手段4は、図1,図5に示すように前記中間回転体23の前面側(駆動プレート3と逆側)に接合された円環プレート状の永久磁石ブロック29と、レバー軸10に一体に結合された同じく円環プレート状のヨークブロック30と、VTCカバー12内に取りつ付けられた電磁コイルブロック32と、を備えたステップモータによって構成されており、前記電磁コイルブロック32の備える複数の電磁コイル33A,33Bは、励磁回路やパルス分配回路等を含む駆動回路(図示せず)に接続され、この駆動回路が図示しないコントローラによって制御されるようになっている。尚、コントローラは、クランク角、カム角、機関回転数、機関負荷等の各種の入力信号を受け、随時機関の運転状態に応じた制御信号を駆動回路に出力する。
【0025】
永久磁石ブロック29は、図6に示すように、軸方向と直交する面に放射方向に延出する磁極(N極,S極)が、異磁極が交互になるように円周方向に沿って複数着磁されている。尚、図6においては、N極の磁極面を36nで示し、S極の磁極面を36sで示している。
【0026】
ヨークブロック30は、図5,図7に示すように第1,第2極歯リング37,38が対にされて成る二組のヨーク39A,39Bを備え、その内周縁部がレバー軸10に対し一体に結合されている。
【0027】
各ヨーク39A,39Bの第1,第2極歯リング37,38は透磁率の高い金属材料によって形成され、図7に示すように、平板リング状の基部37a,38aと、その基部37a,38aから径方向内側または外側に延出する略台形状の複数の極歯37b…,38b…とを備えている。この実施形態の場合、各極歯リング37,38の極歯37b,38bは、円周方向に等間隔に、かつ、歯先が相手極歯リング側に指向するように、つまり、第1極歯リング37の歯先は径方向内側に、第2極歯リング38の歯先は径方向外側に夫々指向するように延出している。そして、第1極歯リング37と第2極歯リング38は、互いの極歯37b,38bが円周方向に交互に、かつ、等ピッチとなるように絶縁体である樹脂材料40によって結合されている。
【0028】
ヨークブロック30を構成する2つのヨーク39A,39Bは、径方向外側と内側に全体がほぼ円板状を成すように並べられると共に、互いの極歯37b,38bが円周方向に沿って4分の1ピッチずれるように組み付けられている。
【0029】
また、ヨークブロック30は、図1,図5に示すように、その両側面が永久磁石ブロック29と電磁コイルブロック32に軸方向で対向するように配置されているが、各ヨーク39A,39Bの第1,第2極歯リング37,38は、リング状の基部37a,38aが電磁コイルブロック32側(図中左側)に位置され、台形状の各極歯37b,38bが永久磁石ブロック29側(図中右側)に位置されるように極歯37b,38bと基部37a,38aの連接部が適宜屈曲して形成されている。そして、ヨークブロック30のヨーク39A,39B相互は各ヨークの第1,第2極歯リング37,38間と同様に絶縁体である樹脂材料40によって結合されている。
【0030】
一方、電磁コイルブロック32は、径方向内外に並べて配置された2相の電磁コイル33A,33Bと、電磁コイル33A,33Bの各周域に配置され、電磁コイル33Aで発生した磁束をヨークブロック30寄りの磁気入端部34,35(図5参照)に誘導するためのヨーク41とを備えた構成とされている。
【0031】
そして、各電磁コイル33A,33Bにおける磁気入出部34,35は、図5に拡大して示すように、ヨークブロック30の対応するヨーク39A,39Bの、リング状の基部37a,38aに対して、軸方向のエアギャップaを介して対面している。したがって、電磁コイル33A,33Bが励磁されて所定の向きの磁界が生じると、エアギャップaを介してヨークブロック30の対応するヨーク39A,39Bに磁気誘導が生じ、その結果として、ヨーク39A,39Bの各極歯リング37,38に磁界の向きに応じた磁極が現れる。
【0032】
電磁コイル33A,33Bの発生磁界は、駆動回路のパルスの入力に対して所定のパターンで順次切換えられ、それによって永久磁石ブロック29の磁極面36n,36sに対峙する極歯37b,38bの磁極が円周方向に沿って4分の1ピッチずつ移動するようになっている。したがって、中間回転体23は、このときヨークブロック30上の円周方向に沿った磁極の移動に追従し、レバー軸10に対して相対的に回動することとなる。
【0033】
また、電磁コイルブロック32は、両ヨーク41,41の磁気入出部34,35を除くほぼ全域が、アルミニウム等の非磁性材料から成る抱持ブロック42によって抱持され、その抱持ブロック42を介してVTCカバー12に取り付けられている。また、抱持ブロック42の内周面にはレバー10を回転自在に支持するための玉軸受50が配置されている。
【0034】
このバルブタイミング制御装置は以上のような構成であるため、内燃機関の始動時やアイドル運転時には、図2に示すように、駆動プレート3とレバー軸10の組付角を予め最遅角側に維持しておくことにより、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相(機関弁の開閉タイミング)を最遅角側にし、機関回転の安定化と燃費の向上を図ることができる。
【0035】
そして、この状態から機関の運転が通常運転に移行し、前記回転位相を最進角側に変更すべく指令が図外のコントローラから電磁コイルブロック32の駆動回路に発されると、電磁コイルブロック32はその指令に従って発生磁界を所定パターンで変化させ、永久磁石ブロック29を中間回転体23と共に遅れ側に最大に相対回動させる。これにより、渦巻き溝24に球19を介して係合されているリンク14の先端側は、図3,図4に順次示すように、径方向溝8に沿って径方向外側に最大に変位し、リンク14とレバー9を介して駆動プレート3とレバー軸10の組付角を最進角側に変更する。この結果、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相が最進角側に変更され、それによって機関の高出力化が図られることとなる。
【0036】
また、この状態から前記回転位相を最遅角側に変更すべく指令がコントローラから発されると、電磁コイルブロック32が発生磁界を逆パターンで変化させることによって中間回転体23を進み側に最大に相対回動させ、渦巻き溝24に係合するリンク14の先端側を、図3,図2に順次示すように、径方向溝8に沿って径方向内側に最大に変位させる。これにより、リンク14が径方向溝8に対する傾斜角を増すように揺動し、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相を最遅角側に変更する。
【0037】
ところで、内燃機関の運転中は機関弁側からカムシャフト1に交番トルクが入力されるが、この交番トルクは、図9に示すように遅角側成分が進角側成分に比較して大きくなる。したがって、バルブタイミングの変更操作時にも交番トルクの遅角側成分が操作に大きな影響を与える。
【0038】
しかし、この実施形態のバルブタイミング制御装置の場合、図10(A)に示すようにバルブタイミングが最遅角状態にあるときに、リンク14の先端側が最も径方向内側に位置されるようにリンク14が組み付けられているため、リンク先端側を径方向外側に変位させてバルブタイミングを進角側に変更操作するときには、交番トルクの遅角側成分T2がリンク先端側の径方向変位を妨げるように作用するものの、このときリンク先端側に作用する遠心力fが径方向外側の変位をアシストするように作用する。したがって、リンク先端側を径方向外側に変位させるべく操作力F1は遠心力f分だけ軽減される。
【0039】
また、リンク先端側を径方向内側に変位させてバルブタイミングを遅角側に変更操作するときには、図11(A)に示すように遠心力fがリンク先端側の径方向外側の変位を妨げるように作用するものの、交番トルクの大きな遅角側成分T2がリンク先端側の変位をアシストするように作用する。このため、リンク先端側に付与する操作力F2は交番トルクの遅角側成分T2によって軽減される。
【0040】
因みに、リンク先端側を径方向内側に変位させてバルブタイミングを進角側に変更する図10(B)の従来のものにおいては、バルブタイミングを進角側に変更操作するときに、交番トルクの遅角側成分T2と遠心力fが共にリンク先端側の変位を妨げるように作用するため、リンク先端側に付与すべく操作力F1’は大きなものとならざるを得ない。
【0041】
以上のことから、この実施形態のバルブタイミング制御装置は、進角側と遅角側の操作力F1,F2を小さくすることができるため、操作力付与手段4の出力を大きくすることなく作動応答性を高めることができる。特に、ステップモータは、電磁コイル33A,33Bに対する通電のパターンを変えることによって中間回転体23の回転方向を切換えるため、進角側と遅角側の操作力F1,F2のうちの値の大きいものに合わせて出力を決定しなければならないが、この実施形態のように操作力F1,F2を共に小さくすることができるときには出力を確実に小さくすることができる。したがって、操作力付与手段4としてステップモータを用いるこの実施形態においては、応答性の低下を来すことなく、省電力化と小型、軽量化を図ることが可能である。
【0042】
また、この実施形態の装置は、バルブタイミングが最遅角状態のときにリンク14の傾斜角が最大になるように設定されているため、頻繁に用いる最遅角側の操作位置において、リンク先端側の荷重を径方向溝8の壁に直角に近い角度で支持させることができ、このことからリンク先端側のガタつきを効率良く防止し、装置の静粛性を高めることができる。
【0043】
尚、本発明の実施形態は以上で説明したものに限るものではなく、例えば、以上の実施形態では渦巻き溝24の渦巻きを、カムシャフト1の回転方向と逆向きに渦が収束するように設定したが、図12に示す実施形態のように、渦巻き溝124の渦巻きを、カムシャフト1の回転方向Rに向かって収束するように設定するようにしていも良い。この場合、バルブタイミングを変更するときの中間回転体23の回転方向は上記の実施形態と逆向きとなる。
【0044】
ただし、上記の実施形態のように渦巻き溝24の渦巻きをカムシャフト1の回転方向と逆向きに収束するように設定した方がエネルギー的には有利となる。つまり、進角操作と遅角操作を比較した場合には、交番トルクの遅角側成分がかなり大きいことから、どうしても進角側操作の方が重くなるが、この重くなる操作の側に、小エネルギーでの操作が可能な中間回転体23の減速操作を充てることができ、このことから操作力付与手段4での必要エネルギーをより小さくすることが可能となる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明は、進角側変更時に可動案内部やリンクの遠心力が進角側のアシスト力として働くため、このとき交番トルクの大きな遅角側成分が進角操作を妨げるように働くにも拘らず、可動部材の操作力を軽くし、作動応答性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦断面図。
【図2】同実施形態の作動状態を示す図4に対応の断面図。
【図3】同実施形態の作動状態を示す図4に対応の断面図。
【図4】同実施形態を示す図1のA−A線に沿う断面図。
【図5】同実施形態を示す図1の部分拡大断面図。
【図6】同実施形態を示す永久磁石ブロックの正面図。
【図7】同実施形態を示すヨークブロックの充填樹脂材料の図示を省略した正面図。
【図8】同実施形態を示す電磁コイルブロックの縦断面図。
【図9】機関運転中の交番トルクの変化を示すグラフ。
【図10】最大遅角状態から進角操作する場合における同実施形態と従来技術の各部の力の向きを比較した図4にほぼ対応の半断面図。
【図11】最大進角状態から遅角操作する場合における同実施形態と従来技術の各部の力の向きを比較した図4にほぼ対応の半断面図。
【図12】本発明の他の実施形態を示す図2に対応の断面図。
【符号の説明】
1…カムシャフト
3…駆動プレート(駆動回転体)
4…操作力付与手段
8…径方向溝(径方向ガイド)
10…レバー軸(従動回転体)
14…リンク
17…可動案内部(可動案内部)
19…球(可動案内部)
23…中間回転体
24,124…渦巻き溝(渦巻き状ガイド)

Claims (7)

  1. 内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、
    カムシャフトに結合され、前記駆動回転体から動力を伝達される従動回転体と、
    前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転可能に設けられ、周方向に縮径するガイドを有する中間回転体と、
    前記周方向に縮径するガイドに沿って係合案内されつつ径方向へ変位可能な可動部材と、前記従動回転体の回転中心から離間した部位と前記可動部材とを連結したリンクであって、前記可動部材が径方向内側に位置するときに、前記中間回転体の半径方向に対して前記可動部材が前記駆動回転体の回転方向側に位置するように、傾斜した前記リンクと、によって構成され、前記可動部材が前記縮径するガイドの径方向内側に位置する状態から径方向外側に変位されるときに、前記駆動回転体と従動回転体の組付角を進角方向に変更する組付角操作機構と、
    前記中間回転体に回転操作力を付与して前記可動部材を前記ガイドに沿って変位させて前記組付角操作機構を介して前記駆動回転体と従動回転体の組付角を調整する操作力付与手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 前記縮径するガイドの形状を前記カムシャフトの回転方向と逆向きに縮径するように設定したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 操作力付与手段にモータを用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、カムシャフトに連結されて前記駆動回転体から動力を伝達される従動回転体と、を備え、前記内燃機関の運転状況に応じて前記クランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転可能に設けられ、前記カムシャフトの回転方向とは逆方向に縮径するガイドを有する中間回転体と、
    前記縮径するガイドに係合案内されつつ径方向へ変位可能な可動部材と、
    該可動部材と前記従動回転体とを連結し、前記可動部材が径方向に変位されたときに、前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相が変位するように揺動し、前記従動回転体との揺動支点が前記可動部材に対して前記駆動回転体の回転方向後方側に位置するように構成され、前記可動部材が径方向外側に変位したときに、前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を進角方向に変更するように揺動するリンクと、
    前記中間回転体に回転操作力を付与する操作力付与手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相が最遅角状態にあるときに径方向に対する前記リンクの傾斜角が最大になるように配置したことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、カムシャフトに連結されて前記駆動回転体から動力を伝達される従動回転体と、を備え、前記内燃機関の運転状況に応じて前記クランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転可能に設けられて、周方向に縮径するガイドを有する中間回転体と、
    前記縮径するガイドに係合案内されつつ径方向へ変位可能な可動部材と、
    該可動部材と前記従動回転体とを連結し、前記可動部材が径方向外側に変位されたときに、前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相が進角する方向に変位するように回動するリンクと、
    前記中間回転体に回転操作力を付与する操作力付与手段と、を備え、
    前記リンクに作用する遠心力が、前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を進角させる方向に作用することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  7. 前記可動部材は、転動自在に前記縮径するガイドに係合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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