JP2003120235A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2003120235A
JP2003120235A JP2001317652A JP2001317652A JP2003120235A JP 2003120235 A JP2003120235 A JP 2003120235A JP 2001317652 A JP2001317652 A JP 2001317652A JP 2001317652 A JP2001317652 A JP 2001317652A JP 2003120235 A JP2003120235 A JP 2003120235A
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ball
retainer
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Shigeaki Yamamuro
重明 山室
Naotaka Nagura
直孝 名倉
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リンクの先端側で径方向ガイドと渦巻き状ガ
イドに係合される部分を軽量化し、慣性力の影響を受け
ることなく安定した制御を行えるようにする。 【解決手段】 中間回転体23を駆動プレート3及びレ
バー軸10に対して回動操作することにより、中間回転
体23の渦巻き溝24に係合した球19を径方向溝8に
沿わせて変位させ、その変位をリンク14を介して駆動
プレート3とレバー軸10の相対回動に変換する。この
ような装置において、リンク14の先端部に有底筒状の
案内部材17を回動可能に支持させると共に、その基部
を径方向溝8に係合させる。案内部材17の保持穴18
内には、渦巻き溝24に係合される球19と、球19の
背部を支持するリテーナ20と、リテーナ20を介して
球19を付勢するコイルばね21とを収容する。球19
を保持穴18に直接案内支持させることによってリテー
ナ20の径を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気側
または排気側の機関弁の開閉タイミングを運転状態に応
じて可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のバルブタイミング制御装置は、
クランクシャフトからカムシャフトに至る動力伝達経路
において、両シャフトの回転位相を操作することによ
り、機関弁の開閉タイミングを制御するようにしてい
る。即ち、この種の装置は、クランクシャフトにタイミ
ングチェーン等を介して連繋された駆動回転体がカムシ
ャフト側の従動回転体に必要に応じて相対回動できるよ
うに組み付けられると共に、これらの回転体の間に両者
の組付角を操作すべく組付角操作機構が介装され、この
組付角操作機構を適宜駆動制御することによってクラン
クシャフトとカムシャフトの回転位相を変更するように
なっている。
【0003】組付角操作機構としては、ヘリカルギヤを
用いて油圧ピストンの直進作動を両回転体の回動作動に
変換するもの等種々のものが開発されているが、近年、
軸長を短縮化でき、フリクションロスが少ない等の多く
利点を有するリンクを用いたものが案出されている。
【0004】組付角操作機構にリンクを用いたバルブタ
イミング制御装置としては、例えば、特開2001−4
1013号公報に開示されるようなものがある。
【0005】この装置は、図12,図13に示すよう
に、クランクシャフト(図示せず。)にタイミングチェ
ーン(図示せず。)等を介して連係されたハウジング1
01(駆動回転体)がカムシャフト102の端部に回動
可能に組み付けられ、ハウジング101の内側端面に形
成された径方向ガイド106に複数の案内部材104,
104(可動案内部)が夫々径方向に沿って摺動自在に
係合支持されると共に、径方向外側に突出する複数のレ
バー105,105を有するレバー軸106(従動回転
体)がカムシャフト102の端部にボルト120によっ
て取り付けられ、各案内部材104とレバー軸106の
対応するレバー105とがリンク107によって枢支連
結されている。そして、ハウジング101の前記径方向
ガイド103と対向する位置には、径方向ガイド103
側の側面に渦巻き状ガイド108を有する中間回転体1
09がハウジング101とレバー軸106に対して相対
回動可能に設けられ、前記各案内部材104の軸方向の
一方の端部に突設された略円弧状の複数の突条110が
前記渦巻き状ガイド108に案内係合されている。ま
た、中間回転体109はハウジング101に対して回転
を進める側にゼンマイばね111によって付勢されると
共に、電磁ブレーキ112によって回転を遅らせる側の
力を適宜受けるようになっている。
【0006】この装置の場合、電磁ブレーキ112がO
FF状態のときには、中間回転体109がゼンマイばね
111の付勢力を受けハウジング101に対して初期位
置に位置されており、渦巻き状ガイド108に突条11
0でもって噛合う案内部材104は径方向外側に最大に
変位し、リンク107を引き起こしてハウジング101
とカムシャフト102の組付角を最遅角位置または最進
角位置に維持している。そして、この状態から電磁ブレ
ーキ112がONにされると、中間回転体109が減速
されてハウジング101に対して遅れ側に相対回転する
結果、渦巻き状ガイド108に噛合う案内部材104が
径方向内側に変位し、今まで引き起こされていたリンク
107を次第に倒すようにしてハウジング101とカム
シャフト102の組付角を最進角位置または最遅角位置
に変更する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のバ
ルブタイミング制御装置の場合、案内部材104(可動
案内部)に円弧状の突条110を一体に形成し、この突
条110を渦巻き状ガイド108に係合させる構造とな
っているため、どうしても案内部材104全体の質量が
大きくなり、高速運転時等に遠心力の影響を大きく受け
易くなる。そして、遠心力が案内部材104に大きく作
用すると、案内部材104の位置制御が不安定になり、
その結果、クランクシャフトとカムシャフト102の回
転位相の制御が不安定になってしまう。
【0008】ところで、本出願人は、案内部材の渦巻き
状ガイドに対峙する側の面に円形状の凹部を設け、その
凹部に、球と、その球を転動可能に抱持するリテーナ
と、リテーナを介して球を前方に付勢する付勢手段とを
収容し、渦巻き状ガイドに対して球で係合するものを案
出し、特願2001-24077号として出願してい
る。この装置においては、球よりも外径の大きいリテー
ナによって球の略半部を抱持し、そのリテーナを凹部内
に摺動自在に案内係合させているため、リテーナの外径
が大きくなると共に、そのリテーナを収容する凹部の周
域部分が大型化し、これらの部分の質量が大きくなって
しまう。したがって、この装置においても同様に可動案
内部の慣性力の増大が問題となり、この点の改善が望ま
れている。
【0009】そこで本発明は、径方向ガイドと渦巻き状
ガイドに係合される可動案内部を軽量化できるようにし
て、可動案内部の慣性力の影響を受けることなく常時安
定したバルブタイミング制御を行うことのできる内燃機
関のバルブタイミング制御装置を提供しようとするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、本発明は、内燃機関のクランクシャ
フトによって回転駆動される駆動回転体と、カムシャフ
ト若しくは同シャフトに結合された別体部材から成り、
前記駆動回転体から動力を伝達される従動回転体と、前
記駆動回転体と従動回転体のいずれか一方に設けられた
径方向ガイドと、前記駆動回転体と従動回転体に対して
相対回転可能に設けられ、前記径方向ガイドに対峙する
側の面に渦巻き状ガイドを有する中間回転体と、前記径
方向ガイドと渦巻き状ガイドに変位可能に案内係合され
る複数の可動案内部と、前記駆動回転体と従動回転体の
いずれか他方のものの回転中心から離間した部位と前記
各可動案内部とを揺動可能に連結するリンクと、前記中
間回転体に駆動回転体及び従動回転体に対する相対的な
回動操作力を付与する操作力付与手段と、を備え、前記
操作力付与手段によって中間回転体を駆動回転体及び従
動回転体に対して回動操作することにより、渦巻き状ガ
イドに係合した各可動案内部を径方向ガイドに沿わせて
径方向に変位させ、その変位を前記リンクを介して駆動
回転体と従動回転体の相対回動に変換する内燃機関のバ
ルブタイミング制御装置において、前記可動案内部を、
リンクの先端側に配置され径方向ガイドに案内係合され
る有底筒状の本体部分と、この本体部分の円形状の内周
面に案内支持される一方で、本体部分の先端側で前記渦
巻き状ガイドに転動可能に係合する球と、前記本体部分
の内部で球の背部を支持するリテーナと、このリテーナ
を介して球を渦巻き状ガイド方向に付勢する付勢手段
と、を備えた構成とした。
【0011】この発明の場合、渦巻き状ガイドに係合す
る球が本体部分の円径状の内周面に直接案内係合される
ため、リテーナは球の略半部を完全に抱持する必要がな
くなる。このため、可動案内部の本体部分は球の直径と
ほぼ同内径とすることが可能となる。
【0012】このとき、前記本体部分はリンクに回動可
能に支持させることが好ましく、このようにした場合に
は、本体部分と球を径方向ガイドと渦巻き状ガイドに係
合させたまま、リンクの先端を本体部分を枢支軸として
回動させることが可能になる。したがって、リンクの先
端に別途枢支軸を設ける必要がなくなり、部品点数の削
減と、リンク先端側のさらなる軽量化が可能になる。
【0013】また、前記リテーナの球に対する支持面は
平面で構成するようにしても良い。この場合、リテーナ
の製造が容易になると共に、球の転動時における抵抗を
低減することが可能になる。
【0014】また、支持面は、球よりも曲率半径の大き
い曲面で構成するようにしても良い。この場合には、球
の転動時における抵抗を低減しつつ、球のバタつきを抑
えることが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図1
〜図9に基づいて説明する。尚、この実施形態は、本発
明にかかるバルブタイミング制御装置を内燃機関の吸気
側の動力伝達系に適用したものであるが、内燃機関の排
気側の動力伝達系に同様に適用することも可能である。
【0016】このバルブタイミング制御装置は、図1に
示すように内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)に回
転自在に支持されたカムシャフト1と、このカムシャフ
ト1の前端部に必要に応じて相対回動できるように組み
付けられ、チェーン(図示せず)を介してクランクシャ
フト(図示せず)に連係されるタイミングスプロケット
2(動力入力部)を外周に有する駆動プレート3(本発
明における駆動回転体)と、この駆動プレート3とカム
シャフト1の前方側(図1中左側)に配置されて、両者
3,1の組付角を回動操作する組付角操作機構5と、こ
の組付角操作機構5のさらに前方側に配置されて、同機
構5を駆動操作する操作力付与手段4と、内燃機関の図
外のシリンダヘッドとロッカカバーの前面に跨って取り
付けられて組付角操作機構5と操作力付与手段4の前面
と周域を覆うVTCカバー12と、を備えている。
【0017】駆動プレート3は、挿通孔6を備えた円板
状に形成され、カムシャフト1の前端部に一体に結合さ
れたレバー軸10(本発明における従動軸部材)が挿通
孔6部分に回転可能に組み付けられている。そして、駆
動プレート3の前面(カムシャフト1と逆側の面)に
は、図2に示すように、3つの径方向溝8(本発明にお
ける径方向ガイド)が同プレート3の半径方向に沿うよ
うに形成されており、この各径方向溝8の内部には、後
述する案内部材17(本発明における可動案内部の本体
部分)の断面方形状の基部が摺動自在に係合されてい
る。
【0018】また、レバー軸10は、図1に示すよう
に、カムシャフト1の前端部に突き合わされる基部側外
周に大径フランジ7部が形成されると共に、その大径フ
ランジ部7よりも所定距離前方側の外面に放射状に突出
する三つのレバー9が一体に形成されている。そして、
このレバー軸10はレバー9の突設位置よりも前方側に
略円筒状に延出し、その外周面に後述する各種部品が組
み付けられると共に、軸心部を貫通するボルト13によ
ってカムシャフト1に結合されている。レバー軸10の
各レバー9には、リンク14の一端がピン15によって
枢支連結され、各リンク14の他端には、基部側が径方
向溝8に係合された前記各案内部材17が回動可能に嵌
合支持されている。
【0019】各案内部材17は、上述のように径方向溝
8に係合された状態において、リンク14を介してレバ
ー軸10の対応するレバー9に連結されているため、案
内部材17が外力を受けて径方向溝8に沿って変位する
と、駆動プレート3とレバー軸10はリンク14の作用
でもって案内部材17の変位に応じた方向及び角度だけ
相対回動する。
【0020】また、各案内部材17には前面側(カムシ
ャフト1と逆側)に開口する円形状の保持穴18が設け
られ、この保持穴18に球19と略円柱状のリテーナ2
0が摺動自在に収容されると共に、リテーナ20を前方
側に付勢するためのコイルばね21(本発明における付
勢手段)が収容されている。リテーナ20は前端面20
a(本発明における支持面)が平面状に形成され、その
前端面20aによって球19の背部を支持するようにな
っている。球19は保持穴18の内径よりも若干小さい
直径に形成され、保持穴18の内周面によって転動可能
に案内されるようになっている。尚、リテーナ20には
浸炭焼き入れが施され、球19との当接部における耐摩
耗性の向上が図られている。
【0021】レバー軸10のレバー9の突設位置よりも
前方側には、略円板状の中間回転体23が玉軸受22を
介して支持されている。この中間回転体23の後部側の
面には断面半円状の渦巻き溝24(本発明における渦巻
き状ガイド)が形成され、この渦巻き溝24に、前記各
案内部材17に保持された球19が転動自在に係合され
ている。渦巻き溝24の渦巻きは、図2及び図8,図9
に示すように駆動プレート3の回転方向Rに沿って次第
に縮径するように形成されている。したがって、案内部
材17側の球19が渦巻き溝24に係合した状態で中間
回転体23が駆動プレート3に対して遅れ方向に相対回
転すると、案内部材17は渦巻き溝24の渦巻き形状に
沿って半径方向内側に移動し、逆に、中間回転体23が
進み方向に相対回転すると、半径方向外側に移動する。
【0022】この実施形態の場合、組付角操作機構5
は、以上説明した駆動プレート3の径方向溝8、案内部
材17、球19、リンク14、レバー9、中間回転体2
3の渦巻き溝24等によって構成されている。この組付
角操作機構5は、操作力付与手段4から中間回転体23
にカムシャフト1に対する相対的な回動操作力が入力さ
れると、渦巻き溝24を介して案内部材17を径方向に
変位させ、さらにリンク14及びレバー9を介してその
回動力を設定倍率に増幅し、駆動プレート3とカムシャ
フト1に相対的な回動力を作用させる。
【0023】一方、操作力付与手段4は、図1,図4に
示すように前記中間回転体23の前面側(駆動プレート
3と逆側)に接合された円環プレート状の永久磁石ブロ
ック29と、レバー軸10に一体に結合された同じく円
環プレート状のヨークブロック30と、VTCカバー1
2内に取りつ付けられた電磁コイルブロック32と、を
備えて成り、この電磁コイルブロック32の備える複数
の電磁コイル33A,33Bは、励磁回路やパルス分配
回路等を含む駆動回路(図示せず)に接続され、この駆
動回路が図示しないコントローラによって制御されるよ
うになっている。尚、コントローラは、クランク角、カ
ム角、機関回転数、機関負荷等の各種の入力信号を受
け、随時機関の運転状態に応じた制御信号を駆動回路に
出力する。
【0024】永久磁石ブロック29は、図5に示すよう
に、軸方向と直交する面に放射方向に延出する磁極(N
極,S極)が、異磁極が交互になるように円周方向に沿
って複数着磁されている。尚、図5においては、N極の
磁極面を36nで示し、S極の磁極面を36sで示して
いる。
【0025】ヨークブロック30は、図4,図6に示す
ように第1,第2極歯リング37,38が対にされて成
る二組のヨーク39A,39Bを備え、その内周縁部が
レバー軸10に対し一体に結合されている。
【0026】各ヨーク39A,39Bの第1,第2極歯
リング37,38は透磁率の高い金属材料によって形成
され、図6に示すように、平板リング状の基部37a,
38aと、その基部37a,38aから径方向内側また
は外側に延出する略台形状の複数の極歯37b…,38
b…とを備えている。この実施形態の場合、各極歯リン
グ37,38の極歯37b,38bは、円周方向に等間
隔に、かつ、歯先が相手極歯リング側に指向するよう
に、つまり、第1極歯リング37の歯先は径方向内側
に、第2極歯リング38の歯先は径方向外側に夫々指向
するように延出している。そして、第1極歯リング37
と第2極歯リング38は、互いの極歯37b,38bが
円周方向に交互に、かつ、等ピッチとなるように絶縁体
である樹脂材料40によって結合されている。
【0027】ヨークブロック30を構成する2つのヨー
ク39A,39Bは、径方向外側と内側に全体がほぼ円
板状を成すように並べられると共に、互いの極歯37
b,38bが円周方向に沿って4分の1ピッチずれるよ
うに組み付けられている。
【0028】また、ヨークブロック30は、図1,図4
に示すように、その両側面が永久磁石ブロック29と電
磁コイルブロック32に軸方向で対向するように配置さ
れているが、各ヨーク39A,39Bの第1,第2極歯
リング37,38は、リング状の基部37a,38aが
電磁コイルブロック32側(図中左側)に位置され、台
形状の各極歯37b,38bが永久磁石ブロック29側
(図中右側)に位置されるように極歯37b,38bと
基部37a,38aの連接部が適宜屈曲して形成されて
いる。そして、ヨークブロック30のヨーク39A,3
9B相互は各ヨークの第1,第2極歯リング37,38
間と同様に絶縁体である樹脂材料40によって結合され
ている。
【0029】一方、電磁コイルブロック32は、径方向
内外に並べて配置された2相の電磁コイル33A,33
Bと、電磁コイル33A,33Bの各周域に配置され、
電磁コイル33Aで発生した磁束をヨークブロック30
寄りの磁気入端部34,35(図4参照)に誘導するた
めのヨーク41とを備えた構成とされている。
【0030】そして、各電磁コイル33A,33Bにお
ける磁気入出部34,35は、図4に拡大して示すよう
に、ヨークブロック30の対応するヨーク39A,39
Bの、リング状の基部37a,38aに対して、軸方向
のエアギャップaを介して対面している。したがって、
電磁コイル33A,33Bが励磁されて所定の向きの磁
界が生じると、エアギャップaを介してヨークブロック
30の対応するヨーク39A,39Bに磁気誘導が生
じ、その結果として、ヨーク39A,39Bの各極歯リ
ング37,38に磁界の向きに応じた磁極が現れる。
【0031】電磁コイル33A,33Bの発生磁界は、
駆動回路のパルスの入力に対して所定のパターンで順次
切換えられ、それによって永久磁石ブロック29の磁極
面36n,36sに対峙する極歯37b,38bの磁極
が円周方向に沿って4分の1ピッチずつ移動するように
なっている。したがって、中間回転体23は、このとき
ヨークブロック30上の円周方向に沿った磁極の移動に
追従し、レバー軸10に対して相対的に回動することと
なる。
【0032】また、電磁コイルブロック32は、両ヨー
ク41,41の磁気入出部34,35を除くほぼ全域
が、アルミニウム等の非磁性材料から成る抱持ブロック
42によって抱持され、その抱持ブロック42を介して
VTCカバー12に取り付けられている。また、抱持ブ
ロック42の内周面には玉軸受50が配置され、同ブロ
ック42はその玉軸受50を介してレバー軸10に回転
自在に係合されている。
【0033】このバルブタイミング制御装置は以上のよ
うな構成であるため、内燃機関の始動時やアイドル運転
時には、図2に示すように、駆動プレート3とレバー軸
10の組付角を予め最遅角側に維持しておくことによ
り、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相(機
関弁の開閉タイミング)を最遅角側にし、機関回転の安
定化と燃費の向上を図ることができる。
【0034】そして、この状態から機関の運転が通常運
転に移行し、前記回転位相を最進角側に変更すべく指令
が図外のコントローラから電磁コイルブロック32の駆
動回路に発されると、電磁コイルブロック32はその指
令に従って発生磁界を所定パターンで変化させ、永久磁
石ブロック29を中間回転体23と共に遅れ側に最大に
相対回動させる。これにより、渦巻き溝24に球19を
介して係合されている案内部材17は、図8,図9に順
次示すように、径方向溝8に沿って径方向内側に最大に
変位し、リンク14とレバー9を介して駆動プレート3
とレバー軸10の組付角を最進角側に変更する。この結
果、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相が最
進角側に変更され、それによって機関の高出力化が図ら
れることとなる。
【0035】また、この状態から前記回転位相を最遅角
側に変更すべく指令がコントローラから発されると、電
磁コイルブロック32が発生磁界を逆パターンで変化さ
せることによって中間回転体23を進み側に最大に相対
回動させ、渦巻き溝24に係合する案内部材17を、図
2に示すように、径方向溝8に沿って径方向外側に最大
に変位させる。これにより、案内部材17はリンク14
とレバー9を介して駆動プレート3とレバー軸10を相
対回動させ、クランクシャフトとカムシャフト1の回転
位相を最遅角側に変更する。
【0036】このバルブタイミング制御装置の場合、前
述のようにリンク14先端側の案内部材17の内周面に
球19を直接案内支持させているため、球19の背部を
支持するリテーナ20は球19の略半部を完全に抱持す
る必要がなく、したがって、リテーナ20は球19とほ
ぼ同直径とすることができる。このため、リテーナ20
の外径を小さくしてその小型化を図ることができると共
に、リテーナ20を収容する案内部材17の径を小さく
することができる。よって、これらのこのからリンク1
4の先端側の質量を充分に小さくし、高速運転時等にお
いて、リンク14先端側の慣性力が駆動プレート3とレ
バー軸10の組付角制御を不安定にする不具合を無くす
ことができる。
【0037】さらに、この装置においては、上述のよう
に案内部材17の径を小さくすることができるため、リ
ンク14の先端側の径を充分に小さくしてリンク14に
よる変換角を大きく確保することができる。つまり、リ
ンク14の先端側の径を小さくすることができる分、隣
接するリンク14やレバー9に干渉することなくリンク
14の回動角度を広げることができ、その分変換角を広
げることが可能となる。
【0038】また、この実施形態の装置は、案内部材1
7をリンク14の先端部に回動可能に支持させ、その案
内部材17の基部を径方向溝8に係合させると共に、案
内部材17に同軸に保持した球19を渦巻き溝24に係
合させるようにしているため、案内部材17自体がリン
ク14の先端側の枢支軸として機能することとなり、そ
の結果、別途リンク14の先端側に枢支軸を設ける必要
がなくなる。したがって、枢支軸を別途設ける場合に比
較し、部品点数を削減することができると共に、リンク
14の先端側のさらなる小型、軽量化を図ることができ
る。
【0039】また、この実施形態においては、リテーナ
20の前端面20aを平面で構成し、その面によって球
19の背部を支持するようにしたため、前端面を球面状
に形成する場合に比較してリテーナ20の製造が容易に
なると共に、転動時における球19の抵抗が小さくな
り、球19の転動が円滑になるという利点がある。
【0040】尚、本発明の実施形態は以上で説明したも
のに限るものではなく、例えば、図10に示すように球
19の背部を支持するリテーナ120の前端面120a
を、球19よりも曲率半径の大きい曲面で構成するよう
にしても良い。この場合、リテーナの前端面を球と同じ
曲率半径に形成する場合に比較し、球19の転動時にお
ける抵抗を低減することができ、しかも、前端面を平面
に形成する場合に比較して球19のバタつきを抑えるこ
とができる、という利点がある。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明は、渦巻き状ガイド
に係合する球を本体部分の円径状の内周面に直接案内係
合されるようにしたため、リテーナの外径と本体部分の
内径を充分に小さくし、可動案内部全体を軽量化するこ
とができる。したがって、本発明によれば、可動案内部
の慣性力の影響を受けることなく常時安定したバルブタ
イミング制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦断面図。
【図2】同実施形態を示す図1のA−A線に沿う断面
図。
【図3】同実施形態を示す分解斜視図。
【図4】同実施形態を示す図1の一部の拡大断面図。
【図5】同実施形態を示す電磁石ブロックの正面図。
【図6】同実施形態を示すヨークブロックの充填樹脂材
料の図示を省略した正面図。
【図7】同実施形態を示す電磁コイルブロックの縦断面
図。
【図8】同実施形態の作動状態を示す図3に対応の断面
図。
【図9】同実施形態の別の作動状態を示す図3に対応の
断面図。
【図10】本発明の他の実施形態を示す部分縦断面図。
【図11】従来の技術を示す断面図。
【図12】同技術を示す分解斜視図。
【符号の説明】
1…カムシャフト 3…駆動プレート(駆動回転体) 4…操作力付与手段 8…径方向溝(径方向ガイド) 10…レバー軸(従動回転体) 14…リンク 17…案内部材(可動案内部の本体部分) 19…球 20,120…リテーナ 20a,120a…前端面(支持面) 21…コイルばね(付勢手段) 23…中間回転体 24…渦巻き溝(渦巻き状ガイド)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G018 BA32 CA13 DA29 DA36 DA39 DA44 DA85 FA01 FA07 GA02 GA15 GA17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランクシャフトによって回
    転駆動される駆動回転体と、カムシャフト若しくは同シ
    ャフトに結合された別体部材から成り、前記駆動回転体
    から動力を伝達される従動回転体と、前記駆動回転体と
    従動回転体のいずれか一方に設けられた径方向ガイド
    と、前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転可能
    に設けられ、前記径方向ガイドに対峙する側の面に渦巻
    き状ガイドを有する中間回転体と、前記径方向ガイドと
    渦巻き状ガイドに変位可能に案内係合される複数の可動
    案内部と、前記駆動回転体と従動回転体のいずれか他方
    のものの回転中心から離間した部位と前記各可動案内部
    とを揺動可能に連結するリンクと、前記中間回転体に駆
    動回転体及び従動回転体に対する相対的な回動操作力を
    付与する操作力付与手段と、を備え、 前記操作力付与手段によって中間回転体を駆動回転体及
    び従動回転体に対して回動操作することにより、渦巻き
    状ガイドに係合した各可動案内部を径方向ガイドに沿わ
    せて径方向に変位させ、その変位を前記リンクを介して
    駆動回転体と従動回転体の相対回動に変換する内燃機関
    のバルブタイミング制御装置において、 前記可動案内部を、リンクの先端側に配置され前記径方
    向ガイドに案内係合される有底筒状の本体部分と、この
    本体部分の円形状の内周面に案内支持される一方で、本
    体部分の先端側で前記渦巻き状ガイドに転動可能に係合
    する球と、前記本体部分の内部で球の背部を支持するリ
    テーナと、このリテーナを介して球を渦巻き状ガイド方
    向に付勢する付勢手段と、を備えた構成としたことを特
    徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記本体部分をリンクに回動可能に支持
    させたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバ
    ルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 リテーナの球に対する支持面を平面で構
    成したことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃
    機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 リテーナの球に対する支持面を、球より
    も曲率半径の大きい曲面で構成したことを特徴とする請
    求項1または2に記載の内燃機関のバルブタイミング制
    御装置。
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