JP2005299604A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 固定されたコイルヨークの内周側の筒状部材によって回転自在支持することによって、装置全体の軽量化を図る。
【解決手段】 タイミングスプロケット2とカムシャフト1との間に設けられ、ヒステリシスリング23に電磁力を作用させることによって、前記タイミングスプロケットに対するカムシャフトの相対回転位相を調整する位相調整機構を備えている。中間回転体18の前端に固定された筒状部材21に、内部に電磁コイル24を収容したコイルヨーク25がニードルベアリング28を介して回転自在に軸受されている。このコイルヨークは、VTCカバー6にブッシュ34,35などからなるガタ吸収機構30を介して非回転状態に支持されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の吸気側または排気側の機関弁の開閉タイミングを運転状態に応じて可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
この種の従来のバルブタイミング制御装置としては、本出願人が先に出願した以下の特許文献1に記載されるようなものが提案されている。
このバルブタイミング制御装置は、クランクシャフト側の駆動スプロケットと、カムシャフト側のレバー軸を組付角操作機構によって連結し、この組付角操作機構を電磁コイルブロックの磁力によって駆動操作するようになっている。
前記電磁コイルブロックは、レバー軸に対してボールベアリングを介して回転自在にかつ軸方向に一体に変位可能に取り付けられている。また、電磁コイルブロックは、外端部に突設されたピンをVTCカバーのピン収容孔にゴム製のブッシュを介して係合させ、VTCカバーと電磁コイルブロックの間に、前記ブッシュのフランジ部が介装されている。
前記電磁コイルブロックの磁気作用部のエアギャップは、前記レバー軸の軸方向の変位に拘わらず一定となり、電磁コイルブロックの軸方向及び径方向の変位を前記ブッシュによって吸収するようになっている。
特開2003−184517
しかしながら、この従来のバルブタイミング制御装置にあっては、電磁コイルブロックの内周がカムシャフトのレバー軸の外周にボールベアリングを介して軸受されているため、前記電磁コイルブロックの内径を大きく設定した場合には、その分だけ前記ボールベアリングの外径を大きく設定しなければならない。
この結果、前記ボールベアリングの大型化により、装置全体の重量の増加が余儀なくされる。また、ボールベアリングの大型化に伴うレバー軸の重量増加により、カムシャフト及び該カムシャフトを軸受する他の軸受の負荷が大きくなって、該軸受の耐久性の低下を招くおそれがある。
本発明は前記従来の技術的課題を解決するために案出されたもので、請求項1に記載の発明は、クランクシャフトから回転力が伝達される回転部材と、機関弁を開閉作動させるカムが一体に設けられたカムシャフトと、前記回転部材とカムシャフトとの間に設けられ、作動部に電磁力を作用させることによって、前記回転部材に対するカムシャフトの相対回転位相を調整する位相調整機構と、前記回転部材側あるいはカムシャフト側に設けられて、軸方向に延設された内部中空状の筒状部材と、
内周側が前記筒状部材に回転自在に軸受されつつ非回転状態に設けられ、前記作動部に電磁力を作用させる電磁発生部と、該電磁発生部のガタを吸収するガタ吸収機構とを備えたことを特徴としている。
この発明によれば、前記電磁発生部が、筒状部材に軸受支持されていることから、該筒状部材の内部に空間を形成することが可能になる。したがって、装置全体の軽量化が図れる。
しかも、非回転状態にある電磁発生部には、作動中における例えばカムシャフト側から筒状部材を介して軸方向などから比較的大きな変位を伝達され易いが、かかるガタの発生をガタ吸収機構によって効果的に吸収することが可能になる。
請求項2に記載の発明は、前記回転部材とカムシャフトとを互いに回転方向の一方向へ付勢するトーションスプリングを設け、該トーションスプリングを、前記筒状部材の内周側空間部に配置したことを特徴としている。
この発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、筒状部材によって作動中における前記トーションスプリングの内周側をガイドすることができると共に、該トーションスプリングの倒れを防止することが可能になる。
請求項3に記載の発明にあっては、前記位相調整機構は、前記回転部材またはカムシャフトの一方側に一体に形成されて径方向に延びる径方向溝と、前記回転部材またはカムシャフトの他方側に一体に設けられて、回転中心から外周側へ所定距離だけ突出した連結部と、回転自在に設けられ、端面に前記径方向溝に対面する渦巻き溝が形成された前記作動部と、前記連結部に揺動自在に連結されて、前記径方向溝を介して前記渦巻き溝に移動自在に係合する係合部材とを備え、前記作動部に固定されたヒステリシス材が、前記電磁発生部における複数対の極が対向配置された環状溝に所定の隙間をもって配置され、前記電磁発生部から出力された電磁力によって電磁ブーレキ力を発生させると共に、前記筒状部材の端部を、前記作動部に固定したことを特徴としている。
この発明によれば、ヒステリシス材は、電磁発生部の環状溝内に対の極に対して所定の隙間を介して対峙されるが、該ヒステリシス材と電磁発生部とは、該両者間に介装された軸受などによってその径方向の位置決めが精度良く設定されることから、前記隙間を一定に維持することが可能になる。この結果、ヒステリシス材による電磁ブレーキ力のばらつきの発生を防止することが可能になる。
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態は、内燃機関の吸気側の動力伝達系に適用したものであるが、内燃機関の排気側の動力伝達系に同様に適用することも可能である。
すなわち、このバルブタイミング制御装置は、図1に示すように内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)に回転自在に支持されたカムシャフト1と、このカムシャフト1の前端部に必要に応じて相対回動できるように組み付けられ、タイミングチェーン(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連係されるリング状歯車部3が外周に一体に形成されたタイミングスプロケット2(回転部材)と、該タイミングスプロケット2の内周側に配置されて、両者1,2の組付角を操作する組付角操作手段4と、前記カムシャフト1の前端部とタイミングスプロケット2との間、つまり組付角操作手段4よりも前方側に配置されて、該組付角操作手段4を駆動する操作力付与手段5と、前記シリンダヘッドのヘッドカバーに取り付けられて、組付角操作手段4の前面と周域を覆うVTCカバー6とを備えている。なお、前記組付角操作手段4と操作力付与手段5によって位相調整機構が構成されている。
前記カムシャフト1は、先端部に従動軸部材7がカムボルト10によって軸方向から結合されていると共に、該従動軸部材7の先端部にスリーブ9が螺着固定されている。前記従動軸部材7は、前記カムボルト10が内部の貫通孔7cを介して挿通する円筒状の軸部7aと、該軸部7aのカムシャフト1側の端縁に一体に形成された段差径状の大径な拡径部7bとを備えている。前記スリーブ9は、先端側の内周面が工具係合用の六角溝9aが形成されている。
前記タイミングスプロケット2は、図2及び図3にも示すように、リング状歯車部3の内周側にほぼ円板状の隔壁円板部2aを有し、該隔壁円板部2aの中央に形成された挿通孔の内周面が前記従動軸部材7の軸部7a外周に回転自在に支持されていると共に、隔壁円板部2aの外周部にボルトによって固定されたほぼL字形状の支持プレート2bを介して前記拡径部7bの外周に回転案内可能に支持されている。また、前記隔壁円板部2aには、対面する平行な側壁を有する径方向溝である2つ径方向窓8が該タイミングスプロケット2のほぼ直径方向に沿うように形成されている。
また、前記従動軸部材7は、図1〜図3に示すように、前記拡径部7bのカムシャフト1側の端部外周面に放射状に突出する2つのレバー突起7e(連結部)が一体に形成されており、該各レバー突起7eには、2つのリンク11の各基端がそれぞれピン12によって枢支連結され、各リンク11の先端には、前記各径方向窓8に係入する円柱状の突出部13が一体に形成されている。
また、前記各リンク11の突出部13には、軸方向前方側に開口する収容穴14が形成され、この収容穴14に、前記各径方向窓8を介して後述する渦巻き溝15に係合する球面状の先端部16aを有する係合ピン16と、この係合ピン16を前方側(渦巻き溝15側)に付勢するコイルばね17とが収容されている。
そして、各リンク11は、各突出部13が対応する径方向窓8に係入した状態において、ピン12を介して従動軸部材7に連結されているため、リンク11の先端側が外力を受けて径方向窓8に沿って変位すると、タイミングスプロケット2と従動軸部材7とは各リンク11の作用でもって突出部13の変位に応じた方向及び角度だけ相対回動する。
一方、タイミングスプロケット2の前方側には、円板状の作動部である中間回転体18が軸受29を介して回転自在に支持されている。この中間回転体18は、カムシャフト1側後面側に断面半円状の2条の渦巻き溝15が形成され、この各渦巻き溝15に、前記各リンク11の先端の各係合ピン16の先端部16aが摺動自在に案内係合されている。
また、中間回転体18の内周部に一体に形成された円筒状突起18aに筒状部材21のフランジ状に折曲された基端部21aが溶接などによって固定されている。この筒状部材21は、前記カムシャフト1側のスリーブ9の外周を所定の円筒状隙間を介して囲繞するように配置され、先端部21bが前記VTCカバー6の内面近傍まで延長されている。
前記各渦巻き溝15は、互いに分離されて、タイミングスプロケット2の回転方向に沿って次第に縮径するように形成されている。したがって、各係合ピン16が渦巻き溝15に係合した状態において、中間回転体18がタイミングスプロケット2に対して遅れ方向に相対回転すると、各リンク11の突出部13は径方向窓8に案内されつつ、渦巻き溝15の渦巻き形状に誘導されて半径方向内側に移動し、逆に、中間回転体18が進み方向に相対変位すると、半径方向外側に移動する。
前記組付角操作手段4は、前記タイミングスプロケット2の径方向窓8、リンク11、突出部13、係合ピン16、レバー突起7e、中間回転体18、渦巻き溝15等によって構成されている。この組付角操作手段4は、操作力付与手段5から中間回転体18にカムシャフト1に対する相対的な回動操作力が入力されると、その操作力が各渦巻き溝15と各係合ピン16の先端部16aを通してリンク11の突出部13を径方向窓8内で径方向に変位させ、このときリンク11の作用でもってタイミングスプロケット2と従動軸部材7に相対的な回動力を伝達する。
一方、操作力付与手段5は、図1〜図3に示すように、中間回転体18をタイミングスプロケット2の回転方向に付勢するトーションスプリング19と、中間回転体18をタイミングスプロケット2の回転方向と逆方向に制動付勢する電磁発生部であるヒステリシスブレーキ20とを備え、内燃機関の運転状態に応じてヒステリシスブレーキ20の制動力を適宜制御することにより、中間回転体18をタイミングスプロケット2に対して相対回動させ、あるいは、両者の回動位置を維持するようになっている。
トーションスプリング19は、図1にも示すように、前記スリーブ9と筒状部材21との間に配置され、その一端部19aがスリーブ9の基端側に形成された係止孔の孔縁に係止されている一方、他端部19bが前記筒状部材21の先端部に形成された係止孔の孔縁に係止されている。
一方、ヒステリシスブレーキ20は、中間回転体18の外周側前端部にビス22によって取り付けられた円筒状のヒステリシス材であるヒステリシスリング23と、磁界制御手段としての電磁コイル24と、電磁コイル24の磁気を誘導する磁気誘導部材であるコイルヨーク25とを備え、前記電磁コイル24が機関の運転状態に応じて図外のコントローラによって通電制御されるようになっている。なお、前記電磁コイル24とコイルヨーク25によって電磁発生部が構成されている。
前記ヒステリシスリング23は、前記外部の磁界の変化に対して位相遅れをもって磁束が変化する特性(磁気的ヒステリシス特性)をもつヒステリシス材(半硬質材)によって形成され、先端部23aの部分がコイルヨーク25の後述する両対向面26,27間の隙間内に非接触状態で配置されて、該コイルヨーク25によって制動作用を受けるようになっている。
前記コイルヨーク25は、電磁コイル24を取り囲むように全体が略円板形状に形成され、内周側でニードルベアリング28を介して筒状部材21に回転自在に支持されていると共に、前端部がガタ吸収機構30によって前記VTCカバー6に結合されている。
そして、前記コイルヨーク25の後面側(中間回転体18側)には、図5及び図6に示すように、磁気入出部分が円筒状の隙間をもって向かい合うように周面状の一対の対向面26,27が形成されている。この両対向面26,27には、夫々円周方向に沿って複数の凹凸が連続して形成され、これらの凹凸のうちの凸部26a,27aが磁界発生部になっている。
そして、一方の対向面26の凸部26aと他方の対向面27の凸部27aは円周方向に交互に配置され、対向面26,27相互の近接する凸部26a,27aがすべて円周方向にずれている。したがって、両対向面26,27の近接する凸部26a,27a間には、電磁コイル24の励磁によって円周方向に傾きをもった向きの磁界が発生する。そして、両対向面26,27間の隙間には前記ヒステリシスリング23の先端部23aが非接触状態で介装されており、該先端部23aの内外周面と前記凸部26a、27aとの間のエアギャップG、G1は、大きな磁力を確保するために微小隙間に設定されている。
このヒステリシスブレーキ20は、ヒステリシスリング23が対向面26,27間の磁界内を変位するときに、ヒステリシスリング23の内部の磁束の向きと磁界の向きのずれによって制動力を発生するものであるが、その制動力は、ヒステリシスリング23の回転速度(対向面26,27とヒステリシスリング23の相対速度)に関係なく、磁界の強さ、すなわち、電磁コイル24の励磁電流の大きさに略比例した一定の値となる。
前記ガタ吸収機構30は、図1に示すように、前記VTCカバー6とコイルヨーク25との間に介装され、コイルヨーク25の円周方向の180°角度位置に2つ設けられており、VTCカバー6に貫通形成された保持孔31と、該保持孔31を貫通して先端部がコイルヨーク25の前端部の雌ねじ孔に螺着する保持ボルト32と、該保持ボルト32の頭部側に嵌挿されて、先端に前記頭部の端面に着座するフランジ33aを有する円筒状の保持部33と、前記フランジ33aと保持孔31の孔縁前端及び該保持孔31の孔縁後端及びコイルヨーク25の前端面との間にそれぞれ挟持状態に設けられた円環状の弾性部材であるブッシュ34,35とから構成されている。
したがって、コイルヨーク25は、軸方向及び径方向の入力荷重が作用した際には、前記両ブッシュ34,35が弾性変形して入力荷重を吸収するようになっている。
なお、前記タイミングスプロケット2の挿通孔内周面と従動軸部材7の軸部7aの外周面との間には、カムシャフト1側からボルト10と従動軸部材7との間を通って軸部7aの径方向に貫通形成された油孔7dから供給された潤滑油によって効果的に潤滑されるようになっている。
このバルブタイミング制御装置は以上のような構成であるため、機関停止時には、ヒステリシスブレーキ20の電磁コイル24の励磁をオフにしておくことにより、トーションスプリング19の力によって中間回転体18をタイミングスプロケット2に対して機関回転方向へ最大に回転させておく(図7参照)。これにより、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相(機関弁の開閉タイミング)は最遅角側に維持されている。
そして、イグニッションキーを操作して電源をオンにすると、前記回転位相を進角側に変更すべき指令が前記コントローラから発され、ヒステリシスブレーキ20の電磁コイル24の励磁がオンにされて、トーションスプリング19の力に抗する制動力が中間回転体18に付与される。これにより、中間回転体18がタイミングスプロケット2に対して逆方向に回転し、それによってリンク11の先端の係合ピン16が各渦巻き溝15に誘導されてリンク11の突出部13が径方向窓8に沿って内側に揺動し、図8に示すように、リンク11の作用によってタイミングスプロケット2と従動軸部材7の組付角が所定の進角側に変更される。この結果、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相が始動に適した比較的小さく進角側に変更される。したがって、内燃機関の始動性が良好になると共に、アイドル運転時の機関回転の安定化と燃費の向上が図れる。
そして、この状態から機関の運転が通常運転に移行し、前記回転位相を最進角側に変更すべき指令が前記コントローラから発されると、電磁コイル24にさらに大きな電流が供給されて、トーションスプリング19の力に抗する制動力が中間回転体18に付与される。これにより、中間回転体18がタイミングスプロケット2に対してさらに逆方向に回転し、それによってリンク11の先端の係合ピン16が各渦巻き溝15に誘導されてリンク11の突出部13が径方向窓8に沿ってさらに内側に揺動し、図9に示すようにリンク11の作用によってタイミングスプロケット2と従動軸部材7の組付角が最進角側に変更される。この結果、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相が最進角側に変更され、それによって機関の高出力化が図られることとなる。
また、この状態から例えば機関高回転高負荷域に移行した場合は、前記回転位相を最遅角側に変更すべく指令がコントローラから発されると、ヒステリシスブレーキ20の電磁コイル24の励磁がオフにされ、再度トーションスプリング19の力によって中間回転体18が正方向に回転させられる。すると、各渦巻き溝15による係合ピン16の誘導によってリンク11が上記と逆方向(外側)に揺動し、図7に示すようにそのリンク11の作用によってタイミングスプロケット2と従動軸部材7の組付角が再度最遅角側に変更される。
このバルブタイミング制御装置においては、中間回転体18に対する制動機構として、非接触状態で制動力を作用させることのできるヒステリシスブレーキ20を採用しているため、経時使用によっても摩耗等の心配がなく、長期に亙って安定した制動効果を得ることができる。したがって、バルブタイミングの制御精度を常に高く維持し、装置の信頼性を高めることができる。
また、この実施形態では、前述のように、前記コイルヨーク25が、筒状部材21にニードルベアリング28を介して軸受されていることから、装置全体の軽量化が図れる。すなわち、コイルヨーク25の内径に応じてニードルベアリング28の外径を変えるのではなく、中空状の筒状部材21の外径を変更することによって対応することができる。したがって、筒状部材21の内周側が中実ではなく空間部となることから、装置全体の軽量化が図れるのである。
しかも、この実施形態では、ガタ吸収機構30によってコイルヨーク25を支持しているため、コイルヨーク25に作用する軸方向及び径方向の変位を吸収することが可能になる。
つまり装置の作動中におけるコイルヨーク25には、例えばカムシャフト1の熱変形や交番トルクなどに起因して、筒状部材を介して軸方向や径方向から比較的大きな変位を伝達され易いが、かかる変位をガタ吸収機構30の弾性部材35,35が効果的に吸収するため、コイルヨーク25に対するガタの発生を防止することができる。
また、前記トーションスプリング19を、前記筒状部材21の内周側の空間部に配置したことから、作動中において前記トーションスプリング19の捻り変形に伴い該トーションスプリング19全体が径方向へ変形するおそれがあるが、この変形を筒状部材21の内周面によって規制することができ、これによって、該トーションスプリングの倒れを防止することが可能になる。
さらにこの実施形態によれば、ヒステリシスリング23が、コイルヨーク25の環状溝内に対の極に対して所定の隙間G、G1を介して対峙されるが、該ヒステリシスリング23とコイルヨーク25とは、該両者間に介装されたボールベアリング29などによってその径方向の位置決めが精度良く設定されることから、前記隙間G、G1を一定に維持することが可能になる。この結果、ヒステリシスリング23による電磁ブレーキ力のばらつきの発生を防止することが可能になる。
また、前記トーションスプリング19は、その他端部19bが筒状部材21の先端部に形成された係止孔の孔縁に係止されていることから、該他端部19bを係止するための他部材が不要になるので、構造の簡素化が図れると共に、コストの点でも有利になる。
さらに、前記トーションスプリング19は、他端部19bが筒状部材21に係止されて、該筒状部材21が中間部材18に結合されていることから、該中間部材18をタイミングスプロケット2の回転方向に付勢しているので、大きなばね付勢力が不要になる。この結果、該トーションスプリング19を大きく設定する必要がなくなり、したがって、捻り変形量も小さくて済むので、変形による倒れの発生も防止できる。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
請求項(1) 前記トーションスプリングの一端部を、前記筒状部材の端部に形成された切欠溝に係止したことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、筒状部材をトーションスプリングの一端部の係止用として利用したため、係止用として別部材を用いる場合に比較して、構造の簡素化が図れる。
請求項(2) 前記作動部に作用する電磁力は、前記トーションスプリングのばね付勢方向に対して逆方向にブレーキ力を作用させる電磁ブレーキ力であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
請求項(3) 前記ガタ吸収機構を、前記電磁発生部と該電磁発生部を固定するの固定部材との間に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
請求項(4) 前記ガタ吸収機構を、弾性部材によって構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
請求項(5) 前記トーションスプリングを、前記作動部に固定された筒状部材と前記カムシャフトとの間に設けると共に、前記両者を回転方向あるいは反回転方向の一方向に対してばね付勢力を付与することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、回転部材に対するカムシャフトの相対回転変位角の変更を、前記回転部材に対して前記作動部を相対回転させることによって行うようにしたため、作動部をカムシャフトよりも小さな力で相対回転させることが可能になる。
したがって、前記作動部を一方向に回転させる前記トーションスプリングのばね付勢力を十分に小さくすることができる。この結果、トーションスプリングの作動中における倒れの発生を防止することが可能になる。
請求項(6) 前記筒状部材に対して電磁発生部を軸受するベアリングを、電磁発生部が軸方向へ移動可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、電磁発生部は、ベアリングによって筒状部材に対して軸方向へ移動可能でかつ回転可能に形成されていることから、かかる軸方向及び径方向のガタを前記ガタ吸収機構によって吸収することが可能になる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば位相調整機構として、ベーンタイプのものや他の油圧式などのものであってもよい。
本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 同実施形態のバルブタイミング制御装置の一方向から見た分解斜視図である。 同実施形態のバルブタイミング制御装置の他方向から見た分解斜視図である。 図1のA矢視図である。 同実施形態に供されるヒステリシスリングとコイルヨークとの関係を示す横断面図である。 図5の要部拡大図である。 同実施形態の最遅角制御時の作動状態説明図である。 同実施形態の小進角制御時の作動状態説明図である。 同実施形態の最進角制御時の作動状態説明図である。
符号の説明
1…カムシャフト
2…タイミングスプロケット(回転部材)
4…組付角操作手段(位相調整機構)
5…操作力付与手段(位相調整機構)
6…VTCカバー
7…従動軸部材
8…径方向窓(径方向溝)
11…リンク
13…突出部
15…渦巻き溝
16…係合ピン
18…中間回転体
19…トーションスプリング
19a…一端部
19b…他端部
20…ヒステリシスブレーキ
21…筒状部材
23…ヒステリシスリング
24…電磁コイル
25…コイルヨーク
30…ガタ吸収機構

Claims (3)

  1. クランクシャフトから回転力が伝達される回転部材と、
    機関弁を開閉作動させるカムが一体に設けられたカムシャフトと、
    前記回転部材とカムシャフトとの間に設けられ、作動部に電磁力を作用させることによって、前記回転部材に対するカムシャフトの相対回転位相を調整する位相調整機構と、
    前記回転部材側あるいはカムシャフト側に設けられて、軸方向に延設された内部中空状の筒状部材と、
    内周側が前記筒状部材に回転自在に軸受されつつ非回転状態に設けられ、前記作動部に電磁力を作用させる電磁発生部と、
    該電磁発生部のガタを吸収するガタ吸収機構とを備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 前記回転部材とカムシャフトとを互いに回転方向の一方向へ付勢するトーションスプリングを設け、該トーションスプリングを、前記筒状部材の内周側空間部に配置したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 前記位相調整機構は、前記回転部材またはカムシャフトの一方側に一体に形成されて径方向に延びる径方向溝と、
    前記回転部材またはカムシャフトの他方側に一体に設けられて、回転中心から外周側へ所定距離だけ突出した連結部と、
    回転自在に設けられ、端面に前記径方向溝に対面する渦巻き溝が形成された前記作動部と、
    前記連結部に揺動自在に連結されて、前記径方向溝を介して前記渦巻き溝に移動自在に係合する係合部材とを備え、
    前記作動部に固定されたヒステリシス材が、前記電磁発生部における複数対の極が対向配置された環状溝に所定の隙間をもって配置され、前記電磁発生部から出力された電磁力によって電磁ブーレキ力を発生させると共に、
    前記筒状部材の端部を、前記作動部に固定したことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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