JP2005299605A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005299605A
JP2005299605A JP2004120993A JP2004120993A JP2005299605A JP 2005299605 A JP2005299605 A JP 2005299605A JP 2004120993 A JP2004120993 A JP 2004120993A JP 2004120993 A JP2004120993 A JP 2004120993A JP 2005299605 A JP2005299605 A JP 2005299605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torsion spring
screw member
camshaft
female screw
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004120993A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Yamanaka
淳史 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004120993A priority Critical patent/JP2005299605A/ja
Publication of JP2005299605A publication Critical patent/JP2005299605A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

【課題】 トーションスプリングの組付作業能率の向上とコストの低減化を図ることのできるバルブタイミング制御装置を提供する。
【解決手段】 タイミングスプロケット2とカムシャフト1との間に設けられ、ヒステリシスリング23に電磁力を作用させることによって、前記タイミングスプロケットに対するカムシャフトの相対回動位相を調整する位相調整機構を備えている。カムシャフトを一方向に付勢するトーションスプリング19の他端部19bを、中間回転体18に固定された筒状部材21の先端部に係止すると共に、一端部19aが係止されたスリーブ9を、従動軸部材7の軸部7aにねじ込みことによって、トーションスプリングにばね付勢力を付与しつつ組み付けることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の吸気側または排気側の機関弁の開閉タイミングを運転状態に応じて可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
この種の従来のバルブタイミング制御装置としては、本出願人が先に出願した以下の特許文献1に記載されるようなものが提案されている。
このバルブタイミング制御装置は、クランクシャフト側のタイミングスプロケットと一体に回転するハウジングに、径方向に沿うガイド溝が形成され、このガイド溝に可動操作部材を摺動自在に係合させている。
前記可動操作部材は、リンクアームとレバー部材とを介してカムシャフトに連結されており、これらの機構によって前記可動操作部材の径方向の変位をハウジングとカムシャフトの回転変位に変換するようになっている。
また、前記可動操作部材の突条をガイドプレートの渦巻き溝に係合させて、ガイドプレートの回転によって可動操作部材を径方向に変位させるようになっている。
そして、前記ハウジングとガイドプレートの間には、該ガイドプレートをハウジングの回転方向と同じ方向へ付勢するゼンマイばねが設けられており、機関始動時などにコントローラから電磁石への通電がオフされているときに、前記ゼンマイばねのばね力によって前記ガイドプレートがハウジングの回転方向と同方向に付勢して、カムシャフトをハウジングに対して最大遅角側に相対回動位相を変換するようになっている。
特開2001−41013号公報
しかしながら、この従来のバルブタイミング制御装置にあっては、各構成部材を組み付ける場合において、ハウジングとガイドプレートに前記ゼンマイばねを組み付ける際には、該ゼンマイばねの一端部を例えばハウジングの係止孔の孔縁に係止した後に、該ゼンマイばねに比較的大きな付勢力を与えながら他端部をガイドプレートの係止孔の孔縁に係止しなければならない。つまり、ゼンマイばねの一端部をハウジングに係止した状態で、所定トルクになるまで捻りながら他端部をガイドプレートに係止しなけばならない。
このため、このゼンマイばねを組み付けるには、所定の治具などを用いて行わなければならず、かかる組付作業が煩雑になって、作業能率の低下を招いていると共に、コストの高騰が余儀なくされている。
本発明は前記従来の技術的課題を解決するために案出されたもので、請求項1に記載の発明は、クランクシャフトから回転力が伝達される回転部材と、機関弁を開閉作動させるカムが一体に設けられたカムシャフトと、前記回転部材とカムシャフトとの間に設けられ、機関運転状態に応じて前記回転部材に対する前記カムシャフトの相対回動位相を調整する位相調整機構と、両端が前記回転部材とカムシャフト間に設けられた各相対回動部位にそれぞれ係止されて、前記回転部材に対して前記カムシャフトを一方向へ付勢するトーションスプリングとを備え、前記一方側の相対回動部位は、雄ねじ部材と、該雄ねじ部材に螺着されて前記トーションスプリングの一端が係止された雌ねじ部材とを有し、前記トーションスプリングの一端が係止された状態で前記雌ねじ部材を前記雄ねじ部材へねじ込むことによって、該雌ねじ部材が前記一方側の相対回動部位によりねじ込み量を規制した所定位置で、前記トーションスプリングに所望のばね付勢力を付与するように形成したことを特徴としている。
この発明によれば、トーションスプリングを組み付けるには、該トーションスプリングの他端を他方の相対回動部位に係止しておくと共に、一端を前記雌ねじ部材に係止しておく。その後、雌ねじ部材を、雄ねじ部材に螺着しつつねじ込んで行くと、トーションスプリングのばね付勢力が漸次大きく設定されて、雌ねじ部材の端部が規制部に規制された時点で最終的に所望のばね付勢力が付与されることになる。
したがって、従来技術のように、治具などを用いてばね部材に付勢力を与えた状態で組み付ける必要がなくなるので、組付作業能率の向上が図れると共に、コストの低廉化が図れる。
請求項2に記載の発明は、前記一方側の相対回動部位のねじ込み規制部と前記雌ねじ部材の端部との間に、ねじ込み量を調整する調整シムを設けたことを特徴としている。
この発明によれば、調整シムの肉厚を調整することによって、前記雌ねじ部材のねじ込み量を調整できるため、トーションスプリングのばね付勢力を任意に設定することが可能になる。
請求項3に記載の発明は、前記雌ねじ部材を、前記トーションスプリングの内周側に沿って軸方向へ延設したことを特徴としている。
この発明によれば、雌ねじ部材によって、作動中に発生するトーションスプリングの撓み変形による傾きを規制することができる。この結果、トーションスプリングのばね性能の悪化を防止できる。
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態は、内燃機関の吸気側の動力伝達系に適用したものであるが、内燃機関の排気側の動力伝達系に同様に適用することも可能である。
すなわち、このバルブタイミング制御装置は、図1〜図4に示すように内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)に回転自在に支持されたカムシャフト1と、このカムシャフト1の前端部に必要に応じて相対回動できるように組み付けられ、タイミングチェーン(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連係されるリング状歯車部3が外周に一体に形成されたタイミングスプロケット2(回転部材)と、該タイミングスプロケット2の内周側に配置されて、両者1,2の組付角を操作する組付角操作手段4と、前記カムシャフト1の前端部とタイミングスプロケット2との間、つまり組付角操作手段4よりも前方側に配置されて、該組付角操作手段4を駆動する操作力付与手段5と、前記シリンダヘッドのヘッドカバーに取り付けられて、組付角操作手段4の前面と周域を覆うVTCカバー6とを備えている。なお、前記組付角操作手段4と操作力付与手段5によって位相調整機構が構成されている。
前記カムシャフト1は、先端部に一方側の相対回動部位である従動軸部材7がカムボルト10によって軸方向から結合されていると共に、該従動軸部材7の先端部に雌ねじ部材であるスリーブ9が螺着固定されている。
前記タイミングスプロケット2は、図1〜図3にも示すように、リング状歯車部3の内周側にほぼ円板状の隔壁円板部2aを有し、該隔壁円板部2aの中央に形成された挿通孔の内周面が前記従動軸部材7の軸部7aの外周に回転自在に支持されていると共に、隔壁円板部2aの外周部にボルトによって固定されたほぼL字形状の支持プレート2bを介して前記拡径部7bの外周に回転案内可能に支持されている。また、前記隔壁円板部2aには、対面する平行な側壁を有する径方向溝である2つ径方向窓8が該タイミングスプロケット2のほぼ直径方向に沿うように形成されている。
前記従動軸部材7は、図1〜図4に示すように、前記カムボルト10が内部の貫通孔7cを介して挿通する円筒状の軸部7aと、該軸部7aのカムシャフト1側の端縁に一体に形成された段差径状の大径な拡径部7bとを備えている。また、前記軸部7aの先端側外周面には、軸方向へ所定長さの雄ねじ7fが形成されている。
前記スリーブ9は、円筒状に形成され、カムシャフト1側の基端部の内周面に軸部7aの雄ねじ7fに螺合する雌ねじ9aが切られていると共に、先端側の内周面に工具係合用の六角溝9bが形成されている。また、スリーブ9は、前記軸部7aに最大にねじ込まれた後に、前記雌ねじ9aの端緒部が軸部7aの先端面側に回り止めのために、円環状のかしめ部37によってかしめ固定されている。
また、スリーブ9の外周面は、前記トーションスプリング19の内周縁に所定の小さな隙間を介して沿って軸方向に延設されている。
そして、前記従動軸部材7の前記拡径部7bのカムシャフト1側の端部外周面には、放射状に突出する連結部である2つのレバー突起7eが一体に形成されており、該各レバー突起7eには、2つのリンク11の各基端がそれぞれピン12によって枢支連結され、各リンク11の先端には、前記各径方向窓8に係入する円柱状の突出部13が一体に形成されている。
また、前記各リンク11の突出部13には、軸方向前方側に開口する収容穴14が形成され、この収容穴14に、前記各径方向窓8を介して後述する渦巻き溝15に係合する球面状の先端部16aを有する係合ピン16と、この係合ピン16を前方側(渦巻き溝15側)に付勢するコイルばね17とが収容されている。
そして、各リンク11は、各突出部13が対応する径方向窓8に係入した状態において、ピン12を介して従動軸部材7に連結されているため、リンク11の先端側が外力を受けて径方向窓8に沿って変位すると、タイミングスプロケット2と従動軸部材7とは各リンク11の作用でもって突出部13の変位に応じた方向及び角度だけ相対回動する。
一方、タイミングスプロケット2の前方側には、円板状の中間回転体18がボールベアリング29を介して回転自在に支持されている。この中間回転体18は、カムシャフト1側の後面に断面半円状の2条の渦巻き溝15が形成されており、この各渦巻き溝15に、前記各リンク11の先端の各係合ピン16の先端部16aが摺動自在に案内係合されている。
また、中間回転体18の内周部に一体に形成された円筒状突起18aに他方側の相対回動部位である筒状部材21がフランジ状に折曲された基端部21aを介して溶接などによって固定されている。この筒状部材21は、前記カムシャフト1側のスリーブ9の外周を所定の円筒状隙間を介して囲繞するように配置され、先端部21bが前記VTCカバー6の内面近傍まで延長されている。
前記各渦巻き溝15は、互いに分離されて、タイミングスプロケット2の回転方向に沿って次第に縮径するように形成されている。
したがって、各係合ピン16が渦巻き溝15に係合した状態において、中間回転体18がタイミングスプロケット2に対して遅れ方向に相対回動すると、各リンク11の突出部13は径方向窓8に案内されつつ、渦巻き溝15の渦巻き形状に誘導されて半径方向内側に移動し、逆に、中間回転体18が進み方向に相対変位すると、半径方向外側に移動する。
前記組付角操作手段4は、前記タイミングスプロケット2の径方向窓8、リンク11、突出部13、係合ピン16、レバー突起7e、中間回転体18、渦巻き溝15等によって構成されている。
この組付角操作手段4は、操作力付与手段5から中間回転体18にカムシャフト1に対する相対的な回動操作力が入力されると、その操作力が各渦巻き溝15と各係合ピン16の先端部16aを通してリンク11の突出部13を径方向窓8内で径方向に変位させ、このときリンク11の作用でもってタイミングスプロケット2と従動軸部材7に相対的な回動力を伝達する。
一方、前記操作力付与手段5は、図1〜図4に示すように、中間回転体18を筒状部材21を介してタイミングスプロケット2の回転方向に付勢するトーションスプリング19と、中間回転体18をタイミングスプロケット2の回転方向と逆方向に制動付勢する電磁発生部であるヒステリシスブレーキ20とを備え、内燃機関の運転状態に応じてヒステリシスブレーキ20の制動力を適宜制御することにより、中間回転体18をタイミングスプロケット2に対して相対回動させ、あるいは、両者の回動位置を維持するようになっている。
前記トーションスプリング19は、図1及び図3、図4に示すように、前記スリーブ9と筒状部材21との間に配置され、その一端部19aがスリーブ9の基端側に形成された係止孔9bの孔縁に係止されている一方、他端部19bが前記筒状部材21の先端部に形成された係止孔21bの孔縁に係止されている。
また、前記中間回転体18を軸受するボールベアリング9の内輪9a前端面と前記スリーブ9の基端部との間には、組付時における前記トーションスプリング19のばね付勢力を調整する円環状の調整シム36が介装されている。すなわち、この調整シム36は、図4にも示すように、軸方向から弾性変形可能な皿ばね状に形成されていると共に、前記スリーブ9を軸部7aに最大にねじ込んだ際に基端部が当接押圧して圧縮変形するようになっている。したがって、その圧縮変形した際の肉厚によって、スリーブ9の最大ねじ込み量が調整されて、これにより、前記トーションスプリング19のばね付勢力が任意に設定できるようになっている。
一方、前記ヒステリシスブレーキ20は、中間回転体18の外周側前端部にビス22によって取り付けられた円筒状のヒステリシス材であるヒステリシスリング23と、磁界制御手段としての電磁コイル24と、電磁コイル24の磁気を誘導する磁気誘導部材であるコイルヨーク25とを備え、前記電磁コイル24が機関の運転状態に応じて図外のコントローラによって通電制御されるようになっている。なお、前記電磁コイル24とコイルヨーク25によって電磁発生部が構成されている。
前記ヒステリシスリング23は、前記外部の磁界の変化に対して位相遅れをもって磁束が変化する特性(磁気的ヒステリシス特性)をもつヒステリシス材(半硬質材)によって形成され、先端部23aの部分がコイルヨーク25の後述する両対向面26,27間の隙間内に非接触状態で配置されて、該コイルヨーク25によって制動作用を受けるようになっている。
前記コイルヨーク25は、電磁コイル24を取り囲むように全体が略円板形状に形成され、内周側でニードルベアリング28を介して筒状部材21に回転自在に支持されていると共に、前端部がガタ吸収機構30によって前記VTCカバー6に結合されている。
そして、前記コイルヨーク25の後面側(中間回転体18側)には、図6及び図7に示すように、磁気入出部分が円筒状の隙間をもって向かい合うように周面状の一対の対向面26,27が形成されている。この両対向面26,27には、夫々円周方向に沿って複数の凹凸が連続して形成され、これらの凹凸のうちの凸部26a,27aが磁界発生部になっている。
そして、一方の対向面26の凸部26aと他方の対向面27の凸部27aは円周方向に交互に配置され、対向面26,27相互の近接する凸部26a,27aがすべて円周方向にずれている。したがって、両対向面26,27の近接する凸部26a,27a間には、電磁コイル24の励磁によって円周方向に傾きをもった向きの磁界が発生する。そして、両対向面26,27間の隙間には前記ヒステリシスリング23の先端部23aが非接触状態で介装されており、該先端部23aの内外周面と前記凸部26a、27aとの間のエアギャップG、G1は、大きな磁力を確保するために微小隙間に設定されている。
このヒステリシスブレーキ20は、ヒステリシスリング23が対向面26,27間の磁界内を変位するときに、ヒステリシスリング23の内部の磁束の向きと磁界の向きのずれによって制動力を発生するものであるが、その制動力は、ヒステリシスリング23の回転速度(対向面26,27とヒステリシスリング23の相対速度)に関係なく、磁界の強さ、すなわち、電磁コイル24の励磁電流の大きさに略比例した一定の値となる。
前記VTCカバー6とコイルヨーク25との間には、図1に示すようにガタ吸収機構30が設けられている、このガタ吸収機構30は、コイルヨーク25の円周方向の180°角度位置に2つ設けられており、VTCカバー6に貫通形成された保持孔31と、該保持孔31を貫通して先端部がコイルヨーク25の前端部の雌ねじ孔に螺着する保持ボルト32と、該保持ボルト32の頭部側に嵌挿されて、先端に前記頭部の端面に着座するフランジ33aを有する円筒状の保持部33と、前記フランジ33aと保持孔31の孔縁前端及び該保持孔31の孔縁後端及びコイルヨーク25の前端面との間にそれぞれ挟持状態に設けられた円環状の弾性部材であるブッシュ34,35とから構成されている。
したがって、コイルヨーク25は、軸方向及び径方向の入力荷重が作用した際には、前記両ブッシュ34,35が弾性変形して入力荷重を吸収するようになっている。
なお、前記タイミングスプロケット2の挿通孔内周面と従動軸部材7の軸部7aの外周面との間には、カムシャフト1側からボルト10と従動軸部材7との間を通って軸部7aの径方向に貫通形成された油孔7dから供給された潤滑油によって効果的に潤滑されるようになっている。
このバルブタイミング制御装置は以上のような構成であるため、機関停止時には、ヒステリシスブレーキ20の電磁コイル24の励磁をオフにしておくことにより、トーションスプリング19の力によって中間回転体18をタイミングスプロケット2に対して機関回転方向へ最大に回転させておく(図8参照)。これにより、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相(機関弁の開閉タイミング)は最遅角側に維持されている。
そして、イグニッションキーを操作して電源をオンにすると、前記回転位相を進角側に変更すべき指令が前記コントローラから発され、ヒステリシスブレーキ20の電磁コイル24の励磁がオンにされて、トーションスプリング19の力に抗する制動力が中間回転体18に付与される。これにより、中間回転体18がタイミングスプロケット2に対して逆方向に回転し、それによってリンク11の先端の係合ピン16が各渦巻き溝15に誘導されてリンク11の突出部13が径方向窓8に沿って内側に揺動し、図9に示すように、リンク11の作用によってタイミングスプロケット2と従動軸部材7の組付角が所定の進角側に変更される。この結果、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相が始動に適した比較的小さく進角側に変更される。したがって、内燃機関の始動性が良好になると共に、アイドル運転時の機関回転の安定化と燃費の向上が図れる。
そして、この状態から機関の運転が通常運転に移行し、前記回転位相を最進角側に変更すべき指令が前記コントローラから発されると、電磁コイル24にさらに大きな電流が供給されて、トーションスプリング19の力に抗する制動力が中間回転体18に付与される。
これにより、中間回転体18がタイミングスプロケット2に対してさらに逆方向に回転し、それによってリンク11の先端の係合ピン16が各渦巻き溝15に誘導されてリンク11の突出部13が径方向窓8に沿ってさらに内側に揺動し、図10に示すようにリンク11の作用によってタイミングスプロケット2と従動軸部材7の組付角が最進角側に変更される。
この結果、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相が最進角側に変更され、それによって機関の高出力化が図られることとなる。
また、この状態から例えば機関高回転高負荷域に移行した場合は、前記回転位相を最遅角側に変更すべく指令がコントローラから発されると、ヒステリシスブレーキ20の電磁コイル24の励磁がオフにされ、再度トーションスプリング19の力によって中間回転体18が正方向に回転させられる。すると、各渦巻き溝15による係合ピン16の誘導によってリンク11が上記と逆方向(外側)に揺動し、図7に示すようにそのリンク11の作用によってタイミングスプロケット2と従動軸部材7の組付角が再度最遅角側に変更される。
このバルブタイミング制御装置においては、中間回転体18に対する制動機構として、非接触状態で制動力を作用させることのできるヒステリシスブレーキ20を採用しているため、経時使用によっても摩耗等の心配がなく、長期に亙って安定した制動効果を得ることができる。したがって、バルブタイミングの制御精度を常に高く維持し、装置の信頼性を高めることができる。
また、この実施形態にあっては、トーションスプリング19を組み付ける際には、まず予め調整シム36を従動軸部材7の軸部7aに嵌挿して一端側をボールベアリング29の内輪29aの端面に当接しておく。その後、トーションスプリング19の一端部19aをスリーブ9の基端部側の係止孔9bの孔縁に係止しておくと同時に、他端部19bを前記筒状部材21の係止孔21bの孔縁に予め係止しておく。
続いて、スリーブ9を、従動軸部材7の軸部7aに螺着しつつねじ込んで行くと、トーションスプリング19は、他端部19bが係止(固定)されていることから、スリーブ9のねじ込み(回転)に伴い、ばね付勢力が漸次大きく設定されて、スリーブ9の基端部が調整シム36を完全に圧縮変形させるまで最大にねじ込む。かかる最大にねじ込んだ時点で、トーションスプリング19に最終的に所望のばね付勢力が付与されることになる。
したがって、従来技術のように、治具などを用いてトーションスプリング19に付勢力を与えた状態で組み付ける必要がなくなるので、組付作業能率の向上が図れると共に、コストの低廉化が図れる。
また、調整シム36の肉厚を調整することによって、前記スリーブ7のねじ込み量を調整できるため、トーションスプリング19のばね付勢力を任意に設定することが可能になる。
なお、前記トーションスプリング19の組付時には、予め必要なばね付勢力の設定圧を定めておいて、この設定圧に応じて肉厚の異なる調整シム36を適宜交換しながら組み付け、これによって最適なばね付勢力を確保できる。
しかも、前記トーションスプリング19は、筒状部材21とスリーブ7との間にそれぞれ小さな隙間をもって介装されていることから、作動中において前記トーションスプリング19の捻り変形に伴い該トーションスプリング19全体が径方向へ変形するおそれがあるが、この変形を筒状部材21の内周面とスリーブ7の外周面によって規制することができるため、該トーションスプリング19の倒れを防止することが可能になる。この結果、トーションスプリング19のばね性能の悪化を防止できる。
また、前述のように、スリーブ9の最大ねじ込み時には、調整シム36が圧縮変形してスリーブ9に対して軸方向の反対方向にばね反力を発生させる。このため、スリーブ9の雌ねじ山の軸方向側面が軸部7aの雄ねじ山の対向する軸方向側面に強固に圧接することから、該スリーブ9の不用意な緩みが防止される。
さらに、スリーブ9の内部が空洞状になっていることから、該スリーブ9の内部に、カムボルト10を挿通させることが可能になり、デッドスペースの有効利用が図れると共に、軽量化も図れる。
また、最大にねじ込んだスリーブ9は、ボールベアリング29の内輪29aを軸方向から押付けることから、ボールベアリング29の固定手段をも兼用させることが可能になる。したがって、部品点数の増加を抑制することが可能になる。
また、スリーブ9は、軸部7aにかしめ部37によりかしめ固定されているので、スリーブ9を最大にねじ込んだ後の不用意な回転が規制されるため、トーションスプリング19のばね付勢力特性の変化を防止できる。
しかも、この実施形態では、トーションスプリング19によってタイミングスプロケット2に対してカムシャフト1を相対回動させる際には、カムシャフト1よりも回転負荷の小さな中間回転体18を介して相対回動させるので、トーションスプリング19のばね付勢力を小さくすることが可能になる。この結果、前記スリーブ9に掛かるトーションスプリング19の回転方向のばね付勢力も小さくなるので、スリーブ9の経時的な不用意な緩みを一層防止することができる。
また、この実施形態では、ガタ吸収機構30によってコイルヨーク25を支持しているため、コイルヨーク25に作用する軸方向及び径方向の変位を吸収することが可能になる。
つまり装置の作動中におけるコイルヨーク25には、例えばカムシャフト1の熱変形や交番トルクなどに起因して、筒状部材を介して軸方向や径方向から比較的大きな変位を伝達され易いが、かかる変位をガタ吸収機構30の弾性部材35,35が効果的に吸収するため、コイルヨーク25に対するガタの発生を防止することができる。
さらに、この実施形態によれば、ヒステリシスリング23が、コイルヨーク25の環状溝内に対の極に対して所定の隙間G、G1を介して対峙されるが、該ヒステリシスリング23とコイルヨーク25とは、該両者間に介装されたボールベアリング29などによってその径方向の位置決めが精度良く設定されることから、前記隙間G、G1を一定に維持することが可能になる。この結果、ヒステリシスリング23による電磁ブレーキ力のばらつきの発生を防止することが可能になる。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
請求項(1) 前記調整シムを、軸方向へ弾性変形可能に形成したことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、雄ねじ部材に対して雌ねじ部材を所定量ねじ込んで、該雌ねじ部材の端部が前記調整シムを押圧しながら最大に移動すると、該調整シムが圧縮変形して雌ねじ部材に対して軸方向の反対方向にばね反力を発生させる。このため、雌ねじ部材は、雄ねじ部材に強固に結合して不用意な緩みが防止される。
請求項(2) 前記雌ねじ部材を円筒状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、雌ねじ部材の内部が空洞状になっていることから、該雌ねじ部材の内部に、例えばカムボルトなどを挿通させることが可能になり、デッドスペースの有効利用が図れると共に、軽量化も図れる。
請求項(3) 前記雄ねじ部材の端部に前記他方側の相対回動部材をベアリングを介して回転自在に支持すると共に、最大にねじ込まれた前記雌ねじ部材の押圧力によって該ベアリングの内輪を軸方向に位置決め固定したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、雌ねじ部材は、ベアリングの内輪を軸方向に押付けることによってベアリングの固定手段をも兼用させることが可能になる。したがって、部品点数の増加を抑制することが可能になる。
請求項(4) 最大ねじ込み時における前記雌ねじ部材の回り止めを施したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
回り止めを施すことによって雌ねじ部材を最大にねじ込んだ後の不用意な回転を規制して、トーションスプリングのばね付勢力特性の変化を防止できる。
請求項(5) 前記位相調整機構は、前記回転部材あるいはカムシャフトの一方側に一体的に形成されて径方向に延出した径方向溝と、
前記回転部材あるいはカムシャフトの他方側に一体に設けられて、回転中心から所定距離だけ外側に延設された連結部と、
前記径方向溝側に渦巻き溝が形成されて、回転自在に支持された渦巻きプレートと、
前記連結部に揺動自在に連結されて、前記径方向溝と渦巻き溝に移動自在に係合する係合部材と、
前記渦巻きプレートに前記トーションスプリングのばね付勢力と逆方向に回転力を作用させる回転付与機構とによって構成し、
前記トーションスプリングを、前記渦巻きプレートとカムシャフト側の部材との間、渦巻きプレートと前記回転部材との間に設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、トーションスプリングによって回転部材に対してカムシャフトを相対回動させる際には、カムシャフトよりも回転負荷の小さな渦巻きプレートを介して相対回動させるので、トーションスプリングのばね付勢力を小さくすることが可能になる。
この結果、前記雌ねじ部材に掛かるトーションスプリングの回転方向ばね付勢力も小さくなるので、雌ねじ部材の経時的な不用意な緩みを防止することができる。
請求項(6) 前記雌ねじ部材は、前記渦巻きプレートとカムシャフト側の部材との相対回動を軸受するベアリングを軸方向から押し付けて位置決め固定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関バルブタイミング制御装置。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば位相調整機構として、ベーンタイプのものや他の油圧式などのものであってもよい。
本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 同実施形態のバルブタイミング制御装置の一方向から見た分解斜視図である。 同実施形態のバルブタイミング制御装置の他方向から見た分解斜視図である。 同実施形態のバルブタイミング制御装置の一部を示す分解斜視図である。 図1のA矢視図である。 同実施形態に供されるヒステリシスリングとコイルヨークとの関係を示す横断面図である。 図6の要部拡大図である。 同実施形態の最遅角制御時の作動状態説明図である。 同実施形態の小進角制御時の作動状態説明図である。 同実施形態の最進角制御時の作動状態説明図である。
符号の説明
1…カムシャフト
2…タイミングスプロケット(回転部材)
4…組付角操作手段(位相調整機構)
5…操作力付与手段(位相調整機構)
7…従動軸部材(一方側の相対回動部位)
7a…軸部(雄ねじ部材)
8…径方向窓(径方向溝)
9…スリーブ(雌ねじ部材)
11…リンク
13…突出部
15…渦巻き溝
18…中間回転体
19…トーションスプリング
19a…一端部
19b…他端部
20…ヒステリシスブレーキ
36…調整シム

Claims (3)

  1. クランクシャフトから回転力が伝達される回転部材と、
    機関弁を開閉作動させるカムが一体に設けられたカムシャフトと、
    前記回転部材とカムシャフトとの間に設けられ、機関運転状態に応じて前記回転部材に対する前記カムシャフトの相対回動位相を調整する位相調整機構と、
    両端が前記回転部材とカムシャフト間に設けられた各相対回動部位にそれぞれ係止されて、前記回転部材に対して前記カムシャフトを一方向へ付勢するトーションスプリングとを備え、
    前記一方側の相対回動部位は、雄ねじ部材と、該雄ねじ部材に螺着されて前記トーションスプリングの一端が係止された雌ねじ部材とを有し、
    前記トーションスプリングの一端が係止された状態で前記雌ねじ部材を前記雄ねじ部材へねじ込むことによって、該雌ねじ部材が前記一方側の相対回動部位によりねじ込み量を規制した所定位置で、前記トーションスプリングに所望のばね付勢力を付与するように形成したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 前記一方側の相対回動部位のねじ込み規制部と前記雌ねじ部材の端部との間に、該雌ねじ部材のねじ込み量を調整する調整シムを設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 前記雌ねじ部材を、前記トーションスプリングの内周側に沿って軸方向へ延設したことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
JP2004120993A 2004-04-16 2004-04-16 内燃機関のバルブタイミング制御装置 Pending JP2005299605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004120993A JP2005299605A (ja) 2004-04-16 2004-04-16 内燃機関のバルブタイミング制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004120993A JP2005299605A (ja) 2004-04-16 2004-04-16 内燃機関のバルブタイミング制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005299605A true JP2005299605A (ja) 2005-10-27

Family

ID=35331441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004120993A Pending JP2005299605A (ja) 2004-04-16 2004-04-16 内燃機関のバルブタイミング制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005299605A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010255474A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Denso Corp バルブタイミング調整装置
JP2011256798A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の可変動弁装置
CN110666490A (zh) * 2019-10-16 2020-01-10 杭州高品自动化设备有限公司 用于定位销装配机构中的扭簧扭转结构
JP7342830B2 (ja) 2020-09-29 2023-09-12 株式会社デンソー バルブ装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010255474A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Denso Corp バルブタイミング調整装置
JP2011256798A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の可変動弁装置
CN110666490A (zh) * 2019-10-16 2020-01-10 杭州高品自动化设备有限公司 用于定位销装配机构中的扭簧扭转结构
CN110666490B (zh) * 2019-10-16 2024-05-10 杭州高品自动化设备有限公司 用于定位销装配机构中的扭簧扭转结构
JP7342830B2 (ja) 2020-09-29 2023-09-12 株式会社デンソー バルブ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3986371B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
US7086359B2 (en) Rotational phase adjuster
JP4570977B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置及びその組付方法
JP4851475B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2002227615A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
US6883482B2 (en) Variable valve timing controller
JP2008019757A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2006299867A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4156346B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2009222036A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2005299605A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4226591B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2005299604A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4233505B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4109967B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4109972B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4606473B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置及び該バルブタイミング制御装置のコントローラ、並びにバルブタイミング変更機構に用いられるコントローラ
JP4094911B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4076399B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4698696B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置及びそのコントローラ
JP4008225B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2006274958A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP5379555B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2008082343A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP4083609B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置