JP4818313B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の吸気側または排気側の機関弁の開閉時期を運転状況に応じて可変にする内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
従来のバルブタイミング制御装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
概略を説明すれば、このバルブタイミング制御装置は、機関のクランクシャフトによって回転駆動するタイミングプーリ(駆動回転体)が、カムシャフトに一体に結合された軸部材(従動回転体)の外周側に同軸に配置され、タイミングプーリと軸部材が組付角操作機構を介して互いに連結されている。組付角操作機構は、タイミングプーリに相対回転を規制した状態で軸方向変位可能に取付けられたピストン部材(可動操作部材)と、このピストン部材の内周面と軸部材の外周面に形成されて互いに噛合するヘリカルギヤとによって主として構成されており、ピストン部材を、電磁石と復帰用スプリングを備えた制御機構によって軸方向に適宜進退操作することにより、タイミングプーリと軸部材の組付角度をヘリカルギヤを通して調整する。
特開平10−153104号公報
しかしながら、この従来のバルブタイミング制御装置においては、制御機構によるピストン部材の軸方向の変位をヘリカルギヤによって、駆動回転体であるタイミングプーリと従動回転体である軸部材の回動変位に変換しているため、ヘリカルギヤによる噛み合い抵抗が大きくなり、スムーズな組付角の変更ができないという問題がある。
また、この従来の装置の場合、ヘリカルギヤの歯面の隙間を大きくすることによって噛み合い抵抗を小さくしようとすると、カムシャフトの変動トルクによって異音の発生を来してしまい、さらに、ヘリカルギヤの捩れ傾斜を大きくして抵抗を小さくしようとすると、軸方向の占有スペースが大きくなってしまう。
そこで本発明は、異音の発生や軸方向の占有スペースの増大を招くことなく、スムーズな組付角の変更を行うことのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供しようとするものである。
本発明は、機関の運転状況に応じてクランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
内燃機関によって回転駆動する駆動回転体と、カムシャフトもしくは該カムシャフトに結合された別部材からなる従動回転体と、回転方向に沿って縮径するように形成されたガイドを有する中間回転体と、前記ガイドに転動接触するように前記ガイドに係合すると共に、前記駆動回転体によって径方向に案内されるように構成され、前記中間回転体を前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転させることにより前記中間回転体の内側方向もしくは外側方向に移動するベアリングと、前記従動回転体の回転中心から離間した部位と前記ベアリングとを連結し、前記ベアリングの径方向の移動に伴って前記駆動回転体と前記従動回転体を相対回動させるリンクと、を備え、
前記中間回転体を前記駆動回転体に対して相対回転させることによって前記ガイド内で前記ベアリング内側方向もしくは外側方向に移動させて、前記クランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を可変制御することを特徴としている。
この発明の場合、中間回転体が径方向ガイドに対して相対回転操作されると、可動操作部材が径方向ガイドによって回転を係止された状態において、中間回転体の渦巻き状ガイドに案内されて、前記中間回転体の相対回転方向及び角度に応じた方向及び量だけ径方向に変位する。この可動操作部材の径方向の変位はリンクを介して駆動回転体に対する従動回転体の進角側若しくは遅角側の回動変位に変換される。そして、可動操作部材の作動時には、摺動抵抗低減手段の働きによって可動操作部材の作動抵抗が低減される。
まず、図1〜図6に示す第1の実施形態について説明する。尚、この実施形態のバルブタイミング制御装置は、内燃機関の吸気弁側に適用したものであるが、排気弁側に同様に適用することも可能である。
このバルブタイミング制御装置は、機関の吸気ポート72に設けられ、このポート72を開閉する機関弁71と、吸気ポート72を閉じる方向に機関弁71を付勢するバルブスプリング73と、機関のシリンダヘッドに回転自在に支持されると共に外周に吸気弁駆動用のカム70を有するカムシャフト1と、このカムシャフト1の前端部に回転自在に組付配置された円板状の駆動プレート2と、この駆動プレート2の外周に形成され、機関の図外のクランクシャフトによって回転駆動されるタイミングスプロケット3と、カムシャフト1と駆動プレート2の前端部側に配置されて同シャフト1と駆動プレート2の組付角度を操作する組付角操作機構4と、この組付角操作機構4を駆動操作する作動装置15と、図外のシリンダヘッドとロッカカバーの前端面に跨って取付けられて駆動プレート2と組付角操作機構4及び作動装置15の前面と周域を囲繞するVTCカバー6と、機関の運転状況に応じて作動装置15を制御するコントローラ7とを備えている。
尚、カムシャフト1の前端部には係止フランジ8aを有するスペーサ8が一体に取り付けられており、前記駆動プレート2は、係止フランジ8aによって軸方向変位を規制され、その状態においてスペーサ8の周域に回転自在に配置されている。この実施形態においては、本発明における従動回転体はカムシャフト1及びスペーサ8によって構成され、駆動回転体はタイミングスプロケット3を含む駆動プレート2によって構成されている。
駆動プレート2の前面(図1中の左側の面)には、平行な一対のガイド壁9a,9bから成る3つの径方向ガイド10が円周方向等間隔に、かつ同プレート2のほぼ半径方向に沿うように取り付けられており、この各径方向ガイド10のガイド壁9a,9bの間には、後述する組付角操作機構4の可動操作部材11が摺動自在に組み付けられている。尚、明細書中において、「径方向ガイド」(10)とは厳密に径方向に沿って延出するものに限るものではなく、ほぼ径方向に沿って可動操作部材(11)を案内するものとして「径方向ガイド」と呼ぶものとする。
また、組付角操作機構4は、円周方向等間隔に配置され放射方向に延出する三つのレバー12を有すると共に、前記スペーサ8と共にカムシャフト1の軸心部にボルト18によって固定されたレバー軸13と、各径方向ガイド10に摺動自在に係合された略方形状の前記可動操作部材11と、レバー軸13の各レバー12と可動操作部材11を各一つずつ枢支連結する円弧状のリンクアーム14(本発明におけるリンク)とによって主として構成されている。図中16は、各リンクアーム14の基端部とレバー12を連結するピンを示し、17は、各リンクアーム14の先端部と可動操作部材11を連結するピンを示す。
各可動操作部材11は、以上のように径方向ガイド10によってほぼ径方向に案内された状態において、リンクアーム14とレバー軸13の各レバー12を介してカムシャフト1に連結されているため、この各可動操作部材11が外力を受けて径方向ガイド10に沿って変位すると、リンクアーム14とレバー12によるリンク作用により駆動プレート2(タイミングスプロケット3)とカムシャフト1が可動操作部材11の変位に応じた方向及び角度だけ相対回動する。
各可動操作部材11は、その後面側に転動ローラ19(本発明における摺動抵抗低減手段と転動機構を構成。)が付勢手段としての板ばね20で駆動プレート2方向に付勢された状態で取り付けられている。より詳細には、各可動操作部材11の後面には図6に示すように略方形状の凹部43が設けられており、複数の転動ローラ19を保持するローラユニット44がリテーナ45と前記板ばね20と共にこの凹部43内に収容されている。
また、各可動操作部材11の前面側の所定位置には半球状の凹部21が設けられ、この凹部21には、転動部材である球22が略半部を前方に突出されるように転動可能に収容保持されている。尚、凹部21と球22は本発明における摺動抵抗低減手段と転動機構を構成している。転動ローラ19は駆動プレート2に当接して反力を受けるため、板ばね20は可動操作機構11を球22方向に付勢している。
作動装置15は、レバー軸13の前端部にベアリング23を介して回転可能に支持されたガイドプレート24(本発明における中間回転体)を有し、このガイドプレート24と駆動プレート2が相対回転したときに、その相対回転方向及び回転角に応じた方向及び量だけ可動操作部材11を径方向に作動させる作動変換機構40と、遊星歯車機構25と一対の電磁ブレーキ26,27によってガイドプレート24の回転を増減速させる増減速機構41とによって構成されている。
作動変換機構40は、前記可動操作部材11に保持された球22とガイドプレート24によって構成されている。ガイドプレート24は、その後面側に断面略半円状の渦巻き溝28(渦巻き状ガイド)が形成され、前記各可動操作部材11に保持された球22がこの渦巻き溝28に係合されるようになっている。この渦巻き溝28の渦巻きは、図2に示すように(同図において、渦巻き溝28は中心線のみ示してある。)駆動プレート2の回転方向Rに沿って次第に縮径するように形成されており、可動操作部材11の球22が渦巻き溝28に係合した状態でガイドプレート24が駆動プレート2に対して遅れ方向に相対回転すると、可動操作部材11がこのとき同渦巻き溝28の渦巻き形状に沿って半径方向内側に移動する。また、逆にこの状態からガイドプレート24が進み方向に相対回転すると、可動操作部材11は渦巻き溝28の渦巻き形状に沿って半径方向外側に移動する。
尚、渦巻き溝28の断面と凹部21の内面の曲率半径は、図5に示すように共に球22の外面の曲率半径よりも大きく設定されている。これは渦巻き溝28や凹部21に若干の成形誤差があったときにも、球22の確実な組み付けと円滑な作動を保証するためのものである。
また、遊星歯車機構25は、図1,図4に示すように、レバー軸13の前端部にベアリング29を介して回転自在に支持されたサンギヤ30と、ガイドプレート24の前端部に設けられた凹部の内周面に形成されたリングギヤ31と、ベアリング23,29間においてレバー軸13に固定されたキャリアプレート32と、このキャリアプレート32に回転自在に支持されると共にサンギヤ30とリングギヤ31に噛合される複数のプラネタリギヤ33とによって構成されている。
したがって、この遊星歯車機構25は、今サンギヤ30がフリー回転状態となっており、プラネタリギヤ33が自転せずにキャリアプレート32と共に公転したとすると、サンギヤ30とリングギヤ31は同速度で回転し、また、この状態からサンギヤ30のみに制動力が付与されると、サンギヤ30がキャリアプレート32に対して遅れ方向に相対回転することによってプラネタリギヤ33が自転し、このプラネタリギヤ33の自転がリングギヤ31を増速させ、ガイドプレート24を駆動プレート2に対して増速側に相対回転させる。
また、各電磁ブレーキ26,27は全体が略円環状に形成されており、一方の電磁ブレーキ26は他方の電磁ブレーキ27の径方向内側に配置されている。そして、外側に配置される第1電磁ブレーキ26と内側に配置される第2電磁ブレーキ27は共にほぼ同様の構成とされているが、第1電磁ブレーキ26はガイドプレート24の外周寄りの前端面に対峙し、第2電磁ブレーキ27は前記サンギヤ30に一体に延設された制動フランジ34に対峙するようになっている。この制動フランジ34はサンギヤ30の前端部からプラネタリギヤ33の側面を覆うように径方向外側に向かって延設されている。
両電磁ブレーキ26,27は、電磁コイル及びヨークを備えた略円環状の磁力発生部35がVTCカバー6の裏面に、夫々ピン36によって回転のみを規制された浮動状態で支持されている。そして、各磁力発生部35の端面(ガイドプレート24側の面。)には摩擦材37が取付けられており、磁力発生部35に対する通電のオン・オフにより、ガイドプレート24や制動フランジ34に対して摩擦材37部分が適宜接離するようになっている。具体的には、磁力発生部35は第2電磁ブレーキ27のもののみがスプリング38によって制動フランジ34方向に付勢されており、第1電磁ブレーキ26は通電時に摩擦材37がガイドプレート24に接触し、第2電磁ブレーキ27は逆に通電時に摩擦材37が制動フランジ34と非接触となるように設定されている。したがって、通電が為されていない機関停止時(初期状態)や電気系統の故障時においては、サンギヤ30側のみに制動力が作用する。
尚、第2電磁ブレーキ27の磁力発生部35はVTCカバー6の裏面に取付けられたリテーナリング39によって軸方向の進退作動を案内されているが、このリテーナリング39は磁性材料によって形成され、第2電磁ブレーキ27に通電が為されたときの磁束の通路となる。
ところで、駆動プレート2からカムシャフト1には、可動操作部材11、リンクアーム14、及び、レバー12を介して駆動トルクが伝達され、カムシャフト1から可動操作部材11には、機関弁71からの反力(バルブスプリング73のばね力に起因する反力。)によるカムシャフト1の変動トルク(交番トルク)が、レバー軸13の各レバー12の先端部からリンクアーム14を介して、同アーム14の両端の枢支点を結ぶ方向の力として入力される。
各可動操作部材11は、径方向ガイド10によってほぼ径方向に沿って案内されているが、その一方で前面側に突出するように保持した球22がガイドプレート24の渦巻き溝28に係合されているため、各レバー12の先端部からリンクアーム14を介して入力される力は、径方向ガイド10のガイド壁9a,9bとガイドプレート24の渦巻き溝28によって支持される。
そして、各径方向ガイド10を成すガイド壁9a,9bは、駆動プレート2の半径方向に対して渦巻き溝28の渦巻きの収束する方向に若干傾斜して配置されており、渦巻き溝28とガイド壁9a,9bは互いに略直交している。
したがって、リンクアーム14から可動操作部材11に入力された力は互いに直交する二つの分力に分解されるが、これらの分力は、渦巻き溝28の壁とガイド壁9a,9bよって略直交する向きで受け止められ、可動操作部材11の作動は確実に阻止される。よって、電磁ブレーキ26,27の制動力によって可変操作部材11が径方向の所定位置に操作された後には、基本的には制動力を付与し続けなくても可動操作部材11の位置を維持、つまり、変更した回転位相をそのまま保持することができる。
また、各可動操作部材11の球22の保持位置とリンクアーム14の関係は、図2,図3に示すように、球22の保持中心pが、最遅角側回動操作時におけるリンクアーム14の力の作用線L1と、最進角側回動操作時におけるリンクアーム14の力の作用線L1との間の領域に常時位置されるように設定することが好ましい。つまり、リンクアーム14の力の作用線L1,L2の傾斜角(リンクアーム14の基部側のピン16の位置が一定と考えたときの傾斜角度)は可動操作部材11の径方向の変位に応じて変化するが、このとき球22の保持中心pが作用線L1,L2の間の領域に位置されるように設定しておければ、遅角側と進角側のいずれかの側に最大操作されたときであっても保持中心pから作用線L1,L2までの距離はさして大きくならない。
したがって、このように設定しておけば、リンクアーム14の作用線に沿って可動操作部材11に入力される力は球22の保持中心pに対して大きなモーメントとして作用しなくなり、このモーメントによる可動操作部材11の傾斜が生じにくくなる。よって、この点からも可動操作部材11の作動抵抗は小さくなる。
尚、図中50は、可動操作部材11が径方向外側端に達したときにその変位を規制するストッパであり、51は、このストッパに取付けられた緩衝材である。また、54は、レバー軸13が駆動プレート2に対して一方の回動端まで回動したときに、可動壁9aの先端面52に当接してレバー軸13の回転を規制するストッパであり、53は、先端面52のストッパ54との当接部に取付けられた緩衝材である。
また、可動操作部材11が径方向外側に最大に変位したときには、図2に示すように一つの可動操作部材11の保持する球22が渦巻き溝28の外側の端部に位置され、逆に径方向内側に最大に変位したときには、図3に示すように他の一つの可動操作部材11の保持する球22が渦巻き溝28の内側の端部に位置されるようになっている。したがって、図示しないがこの渦巻き溝28の各端部に溝深さが次第に浅くなるストッパ面を設けるようにすれば、このストッパ面の楔効果によって可動操作部材11とガイドプレート24の相対回転を緩やかにかつ確実に止めることができる。
以下、本実施形態の作用を説明する。
機関始動時及びアイドル運転時には、コントローラ7からの制御信号によって第1,第2電磁ブレーキ26,27の通電が共にオフにされ、第2電磁ブレーキ27側の摩擦材37が制動フランジ34に摩擦接触している。このため、遊星歯車機構25のサンギヤ30には制動力が作用し、タイミングスプロケット3の回転に伴なってガイドプレート24が増速側に回転させられ、これに伴なって可動操作部材11が径方向外側端に維持される。この結果、図2に示すように各可動操作部材11にリンクアーム14とレバー12を介して連結されたレバー軸13(カムシャフト1)は駆動プレート2に対して最遅角側の組付角度に維持される。
したがって、このときにはクランクシャフトとカムシャフト1の回転位相が最遅角側に制御され、機関回転の安定化と燃費の向上が図られる。
また、この状態から機関が通常運転に移行し、コントローラ7からの制御信号によって第1,第2電磁ブレーキ26,27の通電がオンにされると、第1電磁ブレーキ26の摩擦材37がガイドプレート24に接触し、第2電磁ブレーキ27の摩擦材37がサンギヤ30の制動フランジ34から離反する。これにより、サンギヤ30がフリー回転状態になる一方で、ガイドプレート24に制動力が作用し、ガイドプレート24が駆動プレート2に対して減速側に相対回転する。この結果、可動操作部材11の球22がガイドプレート24の渦巻き溝28の渦巻き中心に向かって案内され、可動操作部材11は図3に示すように径方向内側に変位する。このとき、可動操作部材11に枢支連結されたリンクアーム14はレバー12を回転方向前方側に押し動かし、駆動プレート2とカムシャフト1の組付角を進角側に変更する。
したがって、このときクランクシャフトとカムシャフト1の回転位相が最進角側に制御され、機関の高出力化が図られる。
さらにまた、この状態からクランクシャフトとカムシャフト1の回転位相を遅角側に制御する場合には、コントローラ7からの制御信号によって第1,第2電磁ブレーキ26,27の通電を共にオフにし、第2電磁ブレーキ27側の摩擦材37のみを制動フランジ34に摩擦接触させる。これにより、遊星歯車機構25のサンギヤ30に制動力が作用し、ガイドプレート24が増速側に回転して可動操作部材11を径方向外側端に変位させ、その結果、図2に示すようにリンクアーム14がレバー12を引き戻し、駆動プレート2とカムシャフト1の組付角を遅角側に変更する。
このバルブタイミング制御装置は、可動操作部材11を径方向ガイド10に沿わせて駆動プレート2の径方向に変位させると共に、可動操作部材11のこの径方向の変位をリンクアーム14とレバー13を用いたリンク機構を介して駆動プレート2とカムシャフト1の相対回動に変換するようにしているため、軸方向に大きくスペースを占有しないコンパクトな構造によって確実な位相変更を行うことができる。
そして、可動操作部材11の径方向の操作についても、可動操作部材11から突出した球22をガイドプレート24の渦巻き溝28に係合させ、駆動プレート2に対するガイドプレート24の相対回転を渦巻き溝28による案内作用によって径方向の変位に変換して得るようにしているため、軸方向の占有スペースの増大を招くことなく、ガイドプレート24から可動操作部材11へのスムーズな操作力の伝達と、リンクアーム14側から入力される力による可動操作部材11の変動防止とを図ることができる。
とりわけ、このバルブタイミング制御装置においては、可動操作部材11側の凹部21に回転可能に保持された球22を、ガイドプレート24の断面略半円状の渦巻き溝28に転動可能に係合するようにしているため、ガイドプレート24と可動操作部材11の相対回転時には両者の相対移動に沿って球22が転動し、このときの作動抵抗を確実に低減することができる。また、可動操作部材11の後面側は、板ばね20に付勢された転動ローラ19を介して駆動プレート2に接触しているため、可動操作部材11が径方向に変位するときにおける駆動プレート2との間の接触抵抗を低減することができる。
また、転動ローラ19を付勢する板ばね20は同時に可動操作部材11を球22方向に付勢するため、球22を板ばね20による付勢作用によって渦巻き溝28や凹部21の中心に対して常時自動的に調心することができる。そして、この装置のように駆動ローラ19を付勢する付勢手段として板ばね20を用いた場合には、付勢手段自体の配置が容易になると共に、装置全体の小型化が可能になる。
尚、ガイドプレート24側(渦巻き溝28側)を球22方向に付勢することも可能であり、この場合もほぼ同様の効果を得ることができる。
さらに、この実施形態ではガイドプレート24を増減速させる増減速機構41に電磁ブレーキ26,27を用いたが、この装置は前述のように可動操作部材11の作動抵抗を大幅に低減することができるため、電磁ブレーキ26,27の発生磁力を充分に小さくすることができる。
図7は、本発明の第2の実施形態を示すものである。第1の実施形態の装置が各可動操作部材11に球22を夫々一つ配置していたのに対し、この実施形態の装置は、可動操作部材11に球22,22Aを径方向(図中上下方向)に離間させて配置し、球22,22Aを渦巻き溝28に同時に案内係合させるようにしている。
したがって、この実施形態の場合、可動操作部材11が離間した二ヶ所で(球22,22A部分で)渦巻き溝28に係合するため、リンクアーム14の力の作用線が傾斜角を変化させても可動操作部材11に傾きが生じにくくなる。
図7は、球22,22Aを径方向に離間させて配置したものであるが、図8に示すように、球22,22Aを渦巻き溝28に沿う方向に離間させて配置するようにしてもほぼ同様の効果を得ることができる。
図9は、本発明の第3の実施形態を示すものであり、この実施形態の装置は可動操作部材11の本体部の前面に収容穴47を形成し、この穴47に、前端に半球状の凹部21を有する可動片46を摺動自在に収容すると共に、可動片46を前方に付勢するためのスプリング48を収容したものである。
この装置の場合、やはり凹部21は、付勢手段であるスプリング48によって球22方向に付勢されるが、凹部21が可動操作部材11の本体部とは別の小型軽量の可動片46に形成されているため、第1の実施形態のものに比較し球22に対する凹部21の追従性が良好になる。したがって、球22を渦巻き溝28に安定して案内支持させることが可能である。
図10〜図12は本発明の第4の実施形態を示すものである。
この実施形態の装置は、第1の実施形態のもの対し、組付角変換機構を構成する各要素の具体構造のみが異なり、主な機能は第1の実施形態のものとほぼ同様となっている。
具体的には、まず、リンクアーム114の形状が異なり、先端側の連結端に貫通孔を有する円筒部55が一体に形成されている。この円筒部55には、一対の可動片46,146が回転方向及び軸方向に摺動可能に収容されると共に、この両可動片46,146を相反方向に付勢するスプリング148が収容されており、両可動片46,146とスプリング148が可動操作部材を構成すると共に、第1の実施形態のピン17の機能を併せた機能を為すようになっている。そして、一方の可動片46の先端には半球状の凹部21が設けられ、この凹部21にガイドプレート24の渦巻き溝28に案内係合される球22が収容保持されており、同様に他方の可動片146の先端にも別の球122を収容保持する半球状の凹部121が設けられている。また、駆動プレート2の前面には径方向ガイドを構成する断面半円状の径方向溝109が形成され、この径方向溝109に他方の可動片146側の球122が案内係合されている。
この装置の場合、リンクアーム114の円筒部55から両側に突出する球22,122が同軸に配置され、この各球22,122が渦巻き溝28と径方向溝109に夫々案内係合された状態において、円筒部55が両可動片46,146に枢支されることとなる。したがって、リンクアーム114の先端側は両可動片46,146を軸として自由に回動し、駆動プレート2に対してガイドプレート24が相対回転すると、両可動片46,146が渦巻き溝28と径方向溝109の案内作用を受けて径方向に操作される。
この装置においては、リンクアーム114の先端部に収容される可動片46,146が可動操作部材を構成するため、第1の実施形態のものに比較して可動操作部材を小型軽量化することができる。また、駆動プレート2に形成した径方向溝109に球122を案内係合させているため、駆動操作部材(可動片46,146)の径方向の作動をスムーズにすることができる。さらに、この装置の場合、両可動片46,146は一つのスプリングに148よって相反方向に付勢されるため、部品点数を削減することができるという利点がある。
また、図13〜図15は夫々本発明の第5〜第7の実施形態を示すものであるが、図13に示す第5の実施形態は、可動操作部材11の前端面に設けた凹部221に軸60の基端側を回転自在に収容し、この軸60の先端部を、断面方形状に形成した渦巻き溝228の側壁に転動接触させたものであり、図14に示す第6の実施形態は、可動操作部材11に支持させたニードルベアリング62を渦巻き溝の側壁に転動接触させたものである。また、図15に示す第7の実施形態は、可動操作部材11に支持させたボールベアリング64を渦巻き溝228の底壁に転動接触させたものである。このいずれの実施形態も、可動操作部材11に支持させた転動部材を可動操作部材11とガイドプレート24の相対移動方向に沿わせて転動接触させるため、可動操作部材11の作動抵抗を低減することができる。
尚、本発明における摺動抵抗低減手段は前述の各種の転動機構に限らず、例えば、可動操作部材に、渦巻き溝内を滑り易い形状に形成した軸を突設し、その軸を渦巻き溝に滑り接触させたものであっても良い。
また、図16は本発明の第8の実施形態を示すものである。この実施形態の装置は、増減速機構41を構成する電磁ブレーキ326に摩擦材を設けず、電磁発生部35のヨーク35aを直接ガイドプレート24(回転要素)に接触させるようにしている。そして、ヨーク35aのガイドプレート24に対する接触面は磁束の入出部の面積を大きく確保するために断面略C時状に、つまり、磁束の入出端を互いが近接する方向に延出させてある。尚、その他の構成は第1の実施形態と同様となっている。
この装置の電磁ブレーキ326は摩擦抵抗によってガイドプレート24に制動力を付与するものではなく、主に磁力による吸引作用によって制動力を付与する。そして、この電磁ブレーキ326はガイドプレート24との間にエアギャップを介してしないため、磁束が効率良く通り、電磁力による大きな制動作用を得ることができる。
したがって、この装置の場合、摩擦材を用いない分摩擦熱の発生が少なく、しかも、磁束の通る効率が良いことから比較的大きな制動力を得ることができる。よって、第1の実施形態と同様の機能により可動操作部材の作動抵抗を小さくできることと相俟って、コイルの巻き数をより少なくして小型化を図ることができると共に消費電力も少なくすることができる。
尚、ヨーク35a部分の接触摩擦をより少なくすると共に冷却効率を高めるために、ヨーク35aの接触面に潤滑油を供給するようにしても良い。
本発明の第1の実施形態を示す断面図。 同実施形態を示す図1A−A線に沿う断面図。 同実施形態の作動状態を示す図2と同様の断面図。 同実施形態を示す図1のB−B線に沿う断面図。 同実施形態を示す図1の部分拡大断面図。 同実施形態を示す分解斜視図。 本発明の第2の実施形態を示す側面図。 同実施形態の変形例を示す側面図。 本発明の第3の実施形態を示す断面図。 本発明の第4の実施形態を示す図11のC−C線に沿う断面図。 同実施形態を示す図10のE−E線に沿う断面図。 同実施形態を示す図11のD−D線に沿う断面図。 本発明の第5の実施形態を示す要部の断面図。 本発明の第6の実施形態を示す要部の断面図。 本発明の第7の実施形態を示す要部の断面図。 本発明の第8の実施形態を示す要部の断面図。
符号の説明
1…カムシャフト(従動回転体)
2…駆動プレート(駆動回転体)
4…組付角操作機構
10…径方向ガイド
11…可動操作部材
14…リンクアーム(リンク)
19…転動ローラ(転動機構)
20…板ばね(付勢手段)
21…凹部(転動機構)
22…球(転動機構)
24…ガイドプレート(中間回転体)
28…渦巻き溝(渦巻き状ガイド)

Claims (1)

  1. 機関の運転状況に応じてクランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を可変制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    内燃機関によって回転駆動する駆動回転体と、
    カムシャフトもしくは該カムシャフトに結合された別部材からなる従動回転体と、
    回転方向に沿って縮径するように形成されたガイドを有する中間回転体と、
    前記ガイドに転動接触するように前記ガイドに係合すると共に、前記駆動回転体によって径方向に案内されるように構成され、前記中間回転体を前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転させることにより前記中間回転体の内側方向もしくは外側方向に移動するベアリングと、
    前記従動回転体の回転中心から離間した部位と前記ベアリングとを連結し、前記ベアリングの径方向の移動に伴って前記駆動回転体と前記従動回転体を相対回動させるリンクと、
    を備え、
    前記中間回転体を前記駆動回転体に対して相対回転させることによって前記ガイド内で前記ベアリング内側方向もしくは外側方向に移動させて、前記クランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を可変制御することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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