JP4012386B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気側または排気側の機関弁の開閉タイミングを運転状態に応じて可変にする内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のバルブタイミング制御装置は、クランクシャフトからカムシャフトに至る動力伝達経路において、両シャフトの回転位相を操作することにより、機関弁の開閉タイミングを制御するようにしている。即ち、この種の装置は、クランクシャフトにタイミングチェーン等を介して連繋された駆動回転体がカムシャフト側の従動回転体に必要に応じて相対回動できるように組み付けられると共に、これらの回転体の間に両者の組付角を操作すべく組付角操作機構が介装され、この組付角操作機構を適宜駆動制御することによってクランクシャフトとカムシャフトの回転位相を変更するようになっている。
【0003】
組付角操作機構としては、ヘリカルギヤを用いて油圧ピストンの直進作動を両回転体の回動作動に変換するもの等種々のものが開発されているが、近年、軸長を短縮化でき、フリクションロスが少ない等の多く利点を有するリンクを用いたものが案出されている。
【0004】
組付角操作機構にリンクを用いたバルブタイミング制御装置としては、例えば、特開2001−41013号公報に開示されるようなものがある。
【0005】
この装置は、クランクシャフトにタイミングチェーン等を介して連繋されたハウジング(駆動回転体)がカムシャフトの端部に回動可能に組み付けられ、ハウジングの内側端面に形成された複数の径方向ガイドに夫々案内部材(可動案内部)が径方向に沿って摺動自在に係合支持されると共に、径方向外側に突出するレバーが従動軸部材(従動回転体)と共にカムシャフトの端部にボルト結合され、案内部材と従動軸部材側の対応するレバーとが夫々リンクによって枢支連結されている。そして、ハウジングの前記径方向ガイドに対向する位置には、渦巻き状ガイドを有する中間回転体がハウジングと従動軸部材に対して相対回動可能に設けられ、前記案内部材の端部に突設された略円弧状の突条が前記渦巻き状ガイドに案内係合されている。また、この装置は、ゼンマイばねと電磁ブレーキから成る操作力付与手段を備え、同手段のゼンマイばねによって中間回転体に増速側の力(回転を進める方向の力)を付与すると共に、電磁ブレーキによって減速側の力(回転を遅らせる方向の力)を付与するようになっている。
【0006】
したがって、この装置の場合、電磁ブレーキがOFF状態のときには、中間回転体がゼンマイばねの付勢力を受けてハウジングに対して初期位置に保持されており、渦巻き状ガイドに突条でもって噛合う案内部材は径方向外側に最大に変位し、リンクを引き起こしてハウジングとカムシャフトの組付角を最遅角位置または最進角位置に維持している。そして、この状態から電磁ブレーキがONにされると、中間回転体が減速されてハウジングに対して遅れ側に相対回転する結果、渦巻き状ガイドに噛合う案内部材が径方向内側に変位し、今まで引き起こされていたリンクを次第に倒すようにしてハウジングとカムシャフトの組付角を最進角位置または最遅角位置に変更する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のバルブタイミング制御装置は、径方向ガイドと渦巻き状ガイドに係合される可動案内部がリンクと別体の案内部材によって形成され、その案内部材が枢支ピンによってリンクの先端部に連結された構造となっているため、リンク先端側の部品点数が多くなり、製造コストの高騰に繋がることが問題となっている。また、この装置の場合、可動案内部には枢支ピンの保持部を確保しなければならないために可動案内部全体が大型・重量化してしまい、リンク先端側が他部品と干渉し易くなり、各部の設計が大きく制約を受けるうえ、リンク先端側の慣性質量が大きくなることから、高速運転時等にバルブタイミングの制御が不安定になり易い。
【0008】
そこで本発明は、リンク先端側の構造を簡素化できるようにして、部品点数の削減と小型・軽量化を図り、製造コストの低減と、設計の自由度の拡張、バルブタイミング制御の安定化等を実現することのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための手段として、本発明は、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、カムシャフト若しくは該カムシャフトに結合された別体部材から成り、前記駆動回転体から動力を伝達される従動回転体と、前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転可能に設けられ、周方向へ縮径する溝を有する中間回転体と、前記縮径する溝に案内係合されて径方向へ変位可能な可動案内部と、前記駆動回転体と従動回転体のいずれか他方のものの回転中心から離間した部位と前記可動案内部とを揺動可能に連結するリンクと、を備え、前記リンクの先端に、前記可動案内部の一部を構成する突出部を軸方向に沿って一体に形成し、前記中間回転体を駆動回転体及び従動回転体に対して回動操作することにより、前記突出部を介して前記可動案内部が前記縮径する溝に沿って摺動案内されつつ径方向へ変位されることにより、前記リンクを介して駆動回転体と従動回転体の相対回動可能に変換することを特徴としている。
【0010】
この発明の場合、リンクの作動時には、突出部が縮径する溝の内部で摺動しつつ回転し、リンクの先端側に特別に枢支ピン等の別体の枢支部品を設けなくてもリンクの円滑な揺動作動を得ることができる。
【0011】
前記突出部は円柱状に形成するようにしても良く、こうした場合、突出部を球面状に形成する場合に比較して前記周方向へ縮径する溝に対する接触面積が大きくなるため、突出部の耐久性の面で有利となる。
【0012】
また、前記リンクの端部に、前記駆動回転体に形成された径方向ガイド側に突出する前記突出部を一体に形成し、前記リンクのリンク本体部から前記突出部にかけて貫通孔を形成すると共に、この貫通孔の突出部側の端部に別体の封止部材を嵌入し、前記貫通孔に、前記縮径する溝に係合される球と、その球を支持するリテーナと、前記封止部材とリテーナの間に介装されて前記球を前記縮径する溝方向に付勢する付勢部材とを収容するようにしても良い。
この場合、封止部材の厚みを管理することによって、付勢部材の初期荷重や球のストロークを容易に設定調整することが可能となる。
【0013】
また、前記突出部の先端は球面状に形成し、前記径方向ガイド及び/または前記縮径する溝の断面を、突出部の先端よりも曲率半径の大きい曲面で形成するようにしても良い。この場合、突出部と径方向ガイドや前記縮径する溝が曲面で接触するため、これらの接触部の抵抗が小さくなり、円滑な作動が可能となると共に、係合部でのガタつきも抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。尚、この実施形態は、本発明にかかるバルブタイミング制御装置を内燃機関の吸気側の動力伝達系に適用したものであるが、内燃機関の排気側の動力伝達系に同様に適用することも可能である。
【0015】
このバルブタイミング制御装置は、図1に示すように内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)に回転自在に支持されたカムシャフト1と、このカムシャフト1の前端部に必要に応じて相対回動できるように組み付けられ、チェーン(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に連係されるタイミングスプロケット2を外周に有する駆動プレート3(本発明における駆動回転体)と、この駆動プレート3とカムシャフト1の前方側(図1中左側)に配置されて、両者3,1の組付角を回動操作する組付角操作機構5と、この組付角操作機構5のさらに前方側に配置されて、同機構5を駆動する操作力付与手段4と、内燃機関の図外のシリンダヘッドとロッカカバーの前面に跨って取り付けられて組付角操作機構5と操作力付与手段4の前面と周域を覆うVTCカバー12と、を備えている。
【0016】
駆動プレート3は、挿通孔6を備えた円板状に形成され、カムシャフト1の前端部に一体に結合されたレバー軸10(本発明における従動回転体)が挿通孔6部分に回転可能に組み付けられている。そして、駆動プレート3の前面(カムシャフト1と逆側の面)には、図2に示すように、対面する平行な側壁を有する3つの径方向ガイドである径方向溝8が同プレート3の半径方向に沿うように形成されている。
【0017】
また、レバー軸10は、図1に示すように、カムシャフト1の前端部に突き合わされる基部側外周に大径フランジ部7が形成されると共に、その大径フランジ部7よりも前方側の外面に放射状に突出する三つのレバー9が一体に形成され、軸心部を貫通するボルト13によってカムシャフト1に結合されている。レバー軸10の各レバー9には、リンク14の基端が枢支ピン15Aまたは15Bによって枢支連結され、各リンク14の先端には前記各径方向溝8に摺動自在に係合する円柱状の突出部17が一体に形成されている。
【0018】
各リンク14は、突出部17が対応する径方向溝8に係合した状態において、枢支ピン15Aまたは15Bを介してレバー軸10に連結されているため、リンク14の先端側が外力を受けて径方向溝8に沿って変位すると、駆動プレート3とレバー軸10はリンク14の作用でもって突出部17の変位に応じた方向及び角度だけ相対回動する。
【0019】
また、各リンク14の先端部にはリンク本体部から突出部17にかけて軸方向に貫通する貫通孔18が形成され、この貫通孔18の突出部17側の端部には別体の板状の封止部材16が圧入固定されている。そして、貫通孔18には、後述する渦巻き溝24に係合される球19と、その球19の背部を支持する略円柱状のリテーナ20が収容されると共に、リテーナ20と封止部材16の間に介装されて球19を前方側に付勢するコイルばね21(本発明における付勢部材)が収容されている。尚、この実施形態の場合、可動案内部はリンク14の先端の突出部17と球19によって構成されている。
【0020】
一方、レバー軸10のレバー9の突設位置よりも前方側には、略円板状の中間回転体23が回転可能に支持されている。この中間回転体23の後部側の面には断面半円状の渦巻き溝24(本発明における周方向へ縮径する溝)が形成され、この渦巻き溝24に、前述の各リンク14の球19が転動自在に係合されている。渦巻き溝24の渦巻きは、図2及び図5,図6に示すように駆動プレート3の回転方向Rに沿って次第に縮径するように形成されている。したがって、各リンク14の球19が渦巻き溝24に係合した状態で中間回転体23が駆動プレート3に対して遅れ方向に相対回転すると、リンク14の先端部は渦巻き溝24の渦巻き形状に沿って半径方向内側に移動し、逆に、中間回転体23が進み方向に相対回転すると、半径方向外側に移動する。
【0021】
この実施形態の組付角操作機構5は、以上説明した駆動プレート3の径方向溝8、突出部17、球19、リンク14、レバー9、中間回転体23の渦巻き溝24等によって構成されている。この組付角操作機構5は、操作力付与手段4から中間回転体23にカムシャフト1に対する相対的な回動操作力が入力されると、その操作力が渦巻き溝24と球19の係合部を通してリンク14の先端を径方向に変位させ、このときリンク14とレバー9の作用でもって駆動プレート3とカムシャフト1に相対的な回動力を伝達する。
【0022】
一方、操作力付与手段4は、一対の電磁ブレーキ26,27と遊星歯車機構28を備え、電磁ブレーキ26,27の作動の切換えによって中間回転体23に対して減速方向の力と増速方向の力を適宜選択的に付与できるようになっている。
【0023】
遊星歯車機構28は、図1と図3,図4に示すように、中間回転体23の内周縁部に軸方向前方に突出するように一体形成されたサンギヤ29と、このサンギヤ29の外周側に回転可能に配置されたアウタギヤ30と、レバー軸10の先端部に圧入固定された円板状のキャリアプレート31と、このキャリアプレート31に回転自在に支持されると共にサンギヤ29とアウタギヤ30に噛合された複数のプラネタリギヤ32とによって構成されている。尚、中間回転体23は、サンギヤ29の内周面に断面略L字状のブッシュ33が圧入固定され、そのブッシュ33を介してレバー軸10の先端側外周面に回転自在に支持されている。
【0024】
したがって、この遊星歯車機構28は、今アウタギヤ30がフリー回転状態となっており、プラネタリギヤ32が自転せずにキャリアプレート31と共に公転したとすると、このときアウタギヤ30とサンギヤ29はキャリアプレート31(レバー軸10)と同速度で一体回転するが、この状態からアウタギヤ30のみに制動力が付与されると、アウタギヤ30がキャリアプレート31に対して遅れ方向に相対回転することによってプラネタリギヤ32が自転し、このプラネタリギヤ32の自転がサンギヤ29を増速させて、中間回転体23を駆動プレート3に対して増速側に相対回転させる。
【0025】
また、各電磁ブレーキ26,27は全体が略円環状に形成されており、一方の電磁ブレーキ26は他方の電磁ブレーキ27の径方向内側に配置されている。そして、外側に配置される第1電磁ブレーキ26と内側に配置される第2電磁ブレーキ27は共にほぼ同様の構成とされているが、第1電磁ブレーキ26は中間回転体23の外周縁部に一体に取り付けられた第1制動フランジ34の前端面に対峙し、第2電磁ブレーキ27は前記アウタギヤ30の前端部に延設された第2制動フランジ35の前端面に対峙している。
【0026】
また、両電磁ブレーキ26,27はVTCカバー12の内面に固定設置され、対峙する制動フランジ34,35に磁気的吸引力を作用させることにより、各制動フランジ34,35に制動力を付与する。
【0027】
ところで、この装置の場合、図1,図3に示すように、リンク14をレバー9に連結する枢支ピン15A,15Bは一つのもの15Aが他の二つのもの15B,15Bよりも軸長が長く形成されており、その一つの枢支ピン15Aはレバー軸10の大径フランジ部7を貫通してカムシャフト1側の切欠き溝42に位置決め係合されている。
【0028】
尚、図1中40は、潤滑液を遊星歯車機構28の噛合部に供給するためにカムシャフト1とレバー軸10のボルト螺合部の周域からレバー軸10の端面とキャリアプレート31の背面にかけて形成された供給通路である。
【0029】
以下、この実施形態の作用を説明する。
【0030】
機関始動時及びアイドル運転時には、第1電磁ブレーキ26の通電がオフにされる一方で、第2電磁ブレーキ27の通電がオンにされ、第2制動フランジ35側にのみ制動力が付与される。これにより、遊星歯車機構28のアウタギヤ30に制動力が作用する結果、駆動プレート3の回転に伴なって中間回転体23が増速側に回転させられ、各リンク14の先端側が図2に示すように径方向外側端に維持されることとなる。したがって、各リンク14にレバー9を介して枢支連結されたレバー軸10(カムシャフト1)は、駆動プレート3に対して最遅角側の組付角度に維持される。この結果、クランクシャフトとカムシャフト1の回転位相が最遅角側に制御され、機関回転の安定化と燃費の向上が図られる。
【0031】
また、この状態から機関が通常運転に移行すると、第1電磁ブレーキ26がオンにされる一方で、第2電磁ブレーキ27がオフにされ、第1制動フランジ34側にのみ制動力が付与される。これにより、アウタギヤ30がフリー回転状態になる一方で、中間回転体23に制動力が作用し、中間回転体23が駆動プレート3に対して減速側に相対回転する。この結果、各リンク14の先端部の球19が図5,図6に順次示すように渦巻き溝24によって渦巻きの中心方向に誘導されると共に、突出部17が径方向溝8内で回転しつつ同溝8に沿って径方向内側に変位し、その変位に伴うリンク14の倒れ込みによって駆動プレート3とレバー軸10の組付角度が最進角側に変更される。したがって、これにより機関の高出力化が図られる。
【0032】
このバルブタイミング制御装置の場合、前述のようにリンク14の先端側に一体に形成された円筒状の突出部17が径方向溝8内で回転することによってリンク14先端側の揺動が許容されるようになっているため、リンク14の先端側を回動させるために別途枢支ピン等を設ける必要がない。このため、各リンク14の先端部は、枢支ピン等の支持構造を設けなくても良い分、小型・軽量化することができる。
【0033】
したがって、各リンク14の先端部は周囲の他の部品と干渉しにくくなり、その結果、リンク14の揺動角度を充分に大きく確保して、駆動プレート3とレバー軸10の組付角操作量を大きくすることが可能である。また、各リンク14の先端側は質量が小さく、高速運転時等に遠心力の影響を受け難くいため、機関の運転状態に拘らず常時安定したバルブタイミング制御を行うことができる。
【0034】
また、この実施形態の場合、リンク14先端の突出部17は円柱状に形成されているため、径方向溝8の側壁に対しては常時軸方向の充分な幅をもって接触することとなる。したがって、突出部17と径方向溝8の間の接触面圧が低減されることから、経時使用によって突出部17や径方向溝8に摩耗等が生じ難くなる。
【0035】
さらに、この実施形態の装置においては、各リンク14のリンク本体部から突出部17にかけて貫通孔18を形成し、その貫通孔18の突出部17側の端部に板状の封止部材16を圧入するようにしたため、この封止部材16の板厚を管理することによってコイルばね21の初期荷重や球19の後退ストロークを容易に設定調整することができるという利点がある。
【0036】
尚、本発明の実施形態は以上で説明したものに限るものではなく、例えば、断面円形状の突出部を渦巻き状ガイド側に向けて一体に形成し、その突出部を渦巻き状ガイドに係合させることも可能である。この場合、上記の実施形態と同様に径方向溝に係合される突出部をリンク先端に併せて形成することが望ましいが、その突出部を形成せずに係合用の別体部品を付設するようにしても良い。
【0037】
また、上記の実施形態においては、リンク14の先端の突出部17を円柱状に形成したが、図7に示すように突出部117を球面状に形成し、駆動プレート3側の径方向溝103を突出部117よりも曲率半径の大きい円弧状断面に形成するようにしても良い。こうした場合、突出部117と径方向溝108の間の接触抵抗が小さくなることから、リンク14の円滑な作動が可能になり、また、急激な荷重の入力等があったときも突出部117と径方向溝108の壁面が直角に近い角度で突き当たることがないため、突出部117と径方向溝108の間のガタつきも確実に抑えることができる。また、リテーナを介して球を付勢する付勢部材としては、コイルばねに限らず、この図7に示す実施形態のような皿ばね121やゴム弾性体等を用いることが可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、リンクの先端に一体に形成した突出部を周方向へ縮径する溝の内部で直接摺動回転させることで、リンク先端側に別体の枢支部品を設ける必要がなくなるようにしたため、リンク先端側の部品点数の削減と小型・軽量化を図ることができる。
したがって、製造コストを低減することができると共に、リンク先端側の小型化によって各部の設計の自由度を拡張することができ、さらに、リンク先端側の慣性質量の低減によって安定したバルブタイミング制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す縦断面図。
【図2】同実施形態を示す図1A−A線に沿う断面図。
【図3】同実施形態を示す分解斜視図。
【図4】同実施形態を示す図1のB−B線に沿う断面図。
【図5】同実施形態の作動状態を示す図2と同様の断面図。
【図6】同実施形態の作動状態を示す図2と同様の断面図。
【図7】他の実施形態を示す要部の拡大断面図。
【符号の説明】
1…カムシャフト
3…駆動プレート(駆動回転体)
4…操作力付与手段
8,108…径方向溝(径方向ガイド)
10…レバー軸(従動回転体)
14…リンク
16…封止部材
17,117…突出部
18…貫通孔
19…球
20…リテーナ
21…コイルばね(付勢部材)
23…中間回転体
24…渦巻き溝(渦巻き状ガイド)
121…皿ばね(付勢手段)
Claims (4)
- 内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動回転体と、
カムシャフト若しくは該カムシャフトに結合された別体部材から成り、前記駆動回転体から動力を伝達される従動回転体と、
前記駆動回転体と従動回転体に対して相対回転可能に設けられ、周方向へ縮径する溝を有する中間回転体と、
前記縮径する溝に案内係合されて径方向へ変位可能な可動案内部と、
前記駆動回転体と従動回転体のいずれか他方のものの回転中心から離間した部位と前記可動案内部とを揺動可能に連結するリンクと、を備え、
前記リンクの先端に、前記可動案内部の一部を構成する突出部を軸方向に沿って一体に形成し、
前記中間回転体を駆動回転体及び従動回転体に対して回動操作することにより、前記突出部を介して前記可動案内部が前記縮径する溝に沿って摺動案内されつつ径方向へ変位されることにより、前記リンクを介して駆動回転体と従動回転体の相対回動可能に変換することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 前記突出部を円柱状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記リンクの端部に、前記駆動回転体に形成された径方向ガイド側に突出する前記突出部を一体に形成し、前記リンクのリンク本体部から前記突出部にかけて貫通孔を形成すると共に、この貫通孔の突出部側の端部に別体の封止部材を嵌入し、前記貫通孔に、前記縮径する溝に係合される球と、その球を支持するリテーナと、前記封止部材とリテーナの間に介装されて前記球を前記縮径する溝方向に付勢する付勢部材とを収容したことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記突出部の先端を球面状に形成し、前記径方向ガイド及び/または前記縮径する溝の断面を、突出部の先端よりも曲率半径の大きい曲面で形成したことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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