JPH07238807A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH07238807A
JPH07238807A JP2991094A JP2991094A JPH07238807A JP H07238807 A JPH07238807 A JP H07238807A JP 2991094 A JP2991094 A JP 2991094A JP 2991094 A JP2991094 A JP 2991094A JP H07238807 A JPH07238807 A JP H07238807A
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valve
passage
piston
hydraulic
supply
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JP2991094A
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Seiji Tsuruta
誠次 鶴田
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルブタイミングの制御応答性の向上と安定
かつ確実な制御を得る。 【構成】 従動スプロケット2とカムシャフト1との間
に介装されたピストン18と、各スライダ19〜22を
直線的に移動させてアーム11を回転させることによ
り、両者1,2の相対回動位相を変換するようになって
いる。前記ピストン18を移動させる圧力室30内に油
圧を給排する油圧回路に、電磁弁32の開閉により供給
通路31と排出通路33を相対的に切り換えるチェック
弁46と大気開放弁45とを備えた切換制御機構34を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸気弁ある
いは排気弁の開閉時期を運転状態に応じて可変制御する
バルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のバルブタイミング制御装
置としては、例えば特開平3−290009号公報など
に記載されたものが知られている。
【0003】概略を説明すれば、機関から動力が伝達さ
れるタイミングプーリと、カムシャフトの一端部にボル
ト固定されるシャフトと、このタイミングプーリとシャ
フトとの間に、介装されてカムシャフトの軸方向へ摺動
可能な第1,第2ピストンと、前記タイミングプーリと
シャフトに接触し、かつ前記各ピストンに取り付けられ
た複数のスライダと、前記ピストンの摺動方向の一方側
に形成された油圧室と、そのピストンを油圧室側へ付勢
するリターンスプリングとを有している。
【0004】また、前記タイミングプーリとシャフトに
は、各ピストンの各スライダに接触する傾斜面を有する
複数の可動部材が夫々設けられており、該可動部材は、
ピストンの摺動方向に摺動可能になっている。さらに、
タイミングプーリの可動部材とシャフトの可動部材とに
より形成される複数の傾斜対壁が、互いに反対方向に傾
斜する2種類の対壁になっている。また、一方の傾斜対
壁を形成する一対の可動部材を、夫々ばね部材によって
同方向へ付勢し、他方の傾斜対壁を形成する一対の可動
部材を、夫々ばね部材によって前記一対の可動部材とは
反対側の周方向へ付勢するようにしてある。
【0005】そして、油圧室の油圧が高くなると、該油
圧によって第1ピストンが一方向へ移動してスライダが
同方向へ移動する。これによって、該一方のスライダ
は、一方の傾斜対壁から離れる方向に移動する。また、
第1ピストンの移動に伴ってガタ取りばねを介して第2
ピストンも同方向へ移動して、他方のスライダも同方向
へ移動する。したがって、該他方のスライダは、ヘリカ
ル面が傾斜対壁に接触し、それらシャフトの突出腕とシ
リンダブロックの突出腕とを押し開く。これによって、
カムシャフトとタイミングプーリが一方側に相対回動し
て位相が変換し、吸気弁の開閉タイミングを可変制御す
ることができる。
【0006】一方、油圧室の油圧が低くなった場合は、
前述と逆の作用によって吸気弁の開閉タイミングを可変
制御するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の装置にあっては、油圧室に対して作動油を給排する
供給用通路と戻し用通路が共通の油圧通路で構成されて
おり、所謂クローズ回路になっている。つまり、高圧制
御時に油圧室に油圧通路から供給された作動油は、低圧
制御時には同一の油圧通路を逆流する形で戻されるよう
になっている。このため、高圧制御時に油圧室に供給さ
れた作動油は、該油圧室内で油圧の反力や戻りばねの反
力を受けるとそのまま油圧通路を介して逆流してしまう
惧れがある。したがって、該油圧室の高油圧制御が不安
定になる。
【0008】一方、低油圧制御時は、作動油が同一油圧
通路を逆流するため、その流動抵抗によって作動油の戻
り速度が遅くなり、バルブタイミングの応答性が低下す
る惧れがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の問
題点に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明
は、機関によって回転駆動する回転体と、一端部が前記
回転体内に相対回動自在に挿通配置され、かつ外周に吸
排気弁を作動させるカムを有するカムシャフトと、前記
回転体とカムシャフトとの間に介装されて、該両者の相
対回動位相を変換する位相変換手段と、回転体内部に有
する圧力室に油圧回路を介して給排される油圧により、
前記位相変換手段を作動させる駆動手段とを備えたバル
ブタイミング制御装置において、前記油圧回路を前記圧
力室から分岐した供給通路と排出通路とにより形成し、
該供給通路と排出通路との分岐部に、供給油圧に応じて
前記供給通路と排出通路を相対的に切り換える切換制御
機構を設けたことを特徴としている。
【0010】請求項2の発明は、前記切換制御機構は、
供給油圧によって該供給通路を開成するチェック弁と、
供給油圧の供給停止時に前記排出通路を開成する大気開
放弁とを備えたことを特徴としている。
【0011】
【作用】前記構成によれば、例えば機関低負荷時などに
おいて、圧力室内の作動油を排出する際には、まず、電
磁弁等により供給通路の上流側が閉成されて、該供給通
路の内圧が低下すると、チェック弁が閉作動する。同時
に大気開放弁が排出通路を開成する。したがって、圧力
室内の作動油を、排出通路から外部へ速やかに排出する
ことができる。
【0012】一方、電磁弁が供給通路の上流側を開成す
ると、該供給通路の内圧が上昇してチェック弁を開作動
させると同時に、大気開放弁が排出通路を閉成する。し
たがって、圧力室に作動油が速やかに排出されると共
に、該圧力室内の油圧がカムシャフトのトルク変動等に
より一時的に低圧化するとチェック弁が供給通路を閉止
して逆流を阻止する。このため、圧力室の内圧変動を十
分に抑制できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。
【0014】図1及び図2は6気筒のガソリン機関のD
OHC型動弁機構の吸気バルブ側に適用された請求項1
及び2記載の発明に係る実施例を示し、1は吸気バルブ
を開閉する駆動カムを有するカムシャフト、2は該カム
シャフト本体1aの一端部に相対回動自在に設けられて
図外のクランク軸の駆動スプロケットから図外のタイミ
ングチェーンを介して回転力が伝達される回転体たる従
動スプロケットである。
【0015】この従動スプロケット2は、筒状のスプロ
ケット本体3と、該スプロケット本体3の後端部外周に
有する歯車部4と、スプロケット本体3の前端開口をシ
ール部材5を介して閉塞するフロントカバー6とを備え
ている。前記スプロケット本体3は、段差状前端部3a
がフロントカバー6の外周フランジ6aに回転自在に支
持されていると共に、図2に示すように内周面の前端側
所定位置に略台形状の突起部7,8が対向して設けられ
ている。前記フロントカバー6は、軸方向に沿って延長
形成されて、外端部6aが段差小径状に形成されている
と共に、内部中央に作動孔6bが形成されている。ま
た、フロントカバー6の外端部6aの外周にリテーナ9
が雌雄ねじを介して螺着固定されており、このリテーナ
9は、中央に通孔9aが貫通形成されている。
【0016】前記カムシャフト1は、カムシャフト本体
1aが図外のシリンダヘッドに設けられたカム軸受に支
持されていると共に、該本体1aの一端部にカムシャフ
ト1の一端部を構成するスリーブ10と、アーム11及
びフロントカバー6がカムシャフト本体の一端軸心方向
から螺着した取付ボルト12によって共締めにより取り
付けられている。前記スリーブ10は、後端側の大径部
10aがノックピン13を介してカムシャフト本体1a
の一端部のフランジ部1bの嵌合溝に嵌合しつつ位置決
めされていると共に、該大径部10aの外周でスプロケ
ット本体3の後端部を相対回転自在に支持している。
【0017】また、アーム11は、図2にも示すように
前記両突起部7,8と略同一平面上に配置され、スリー
ブ10の外端部にノックピン14を介して位置決め固定
された円環状の基部15と、該基部15の直径方向に延
出して両突起部7,8間に位置する夫々略扇形状の一対
の延出部16,17とから構成されている。この各延出
部16,17は、図2及び図3に示すように、従動スプ
ロケット2の回転方向(図3実線矢印方向)の前方側に
位置する各側端面16a,17aが外端側からカムシャ
フト1側に向かって内側へ下り傾斜状に形成されてい
る。一方、回転方向の後方側に位置する各側端面16
b,17bが前記各側端面16a,17aと同一方向へ
傾斜状に形成され、したがって各延出部16,17の外
側縁の4辺が略菱形状に形成されている。
【0018】また、スプロケット本体3とスリーブ10
との間には、円環状のピストン18がフランジ部10a
と各延出部16,17間をカムシャフト1の軸方向に進
退動可能に収納されている共に、該ピストン18の前端
面18aに前記各側端面16a,16b,17a,17
bを押圧摺動する可動部材たる4つの第1〜第4スライ
ダ19,20,21,22がピストン18周方向の略等
間隔位置に設けられている。
【0019】この第1〜第4スライダ19〜22は、図
2,図3に示すように夫々突起部7,8の各両側と延出
部16,17の各側端面16a〜17b間に配置され、
夫々が略矩形片状を呈し、内部軸方向に貫通形成された
段差状のピン孔19a〜22a内を挿通したピン23〜
26を介してピストン18の前端部に回動自在に支持さ
れている。また、円弧状に形成された後端面19b〜2
2bは、各突起部7,8の凹状両側面7a,7b,8
a,8bに摺接するようになっている一方、延出部1
6,17に向かって対向する各前端面19c〜22c
は、延出部16,17の対向各側端面16a,16b,
17a,17bの傾斜角度と同一角度で傾斜状に形成さ
れ、各側端面16a〜17bに面接触状態で当接してい
る。
【0020】また、第1,第3スライダ19,21は、
図1及び図3に示すように、一側面19c,21cがピ
ストン18に向かって内方へ下り傾斜状に形成されてい
ると共に、ピン23,25の頭部とピン孔19a(21
a)のピストン18側内部段差部との間に弾装された圧
縮スプリング27a,27aのばね力でピストン18の
前端面18aに圧接状態に付勢されている。尚、この第
1,第3スライダ19,21は、カムシャフト1の回転
トルク変動中、カムシャフト1の回転方向と逆方向の負
のトルク変動を受けるようになっている。
【0021】一方、第2,第4スライダ20,22は、
図1及び図3に示すように前端面20c,20cが第
1,第3スライダ19,21とは逆にピストン18に向
かって上り傾斜状に形成されていると共に、ピストン前
端面18aとの間にバックラッシ隙間Cが形成されてい
る。また、ピン24,26の頭部側段差部とピストン前
端面18aとの間に弾装されたコイルスプリング28
a,28aのばね力でピストン前端面18aから離間す
る方向つまり図中左方向へ付勢されてバックラッシ隙間
Cを維持するようになっている。つまり、このコイルス
プリング28a,28aは、そのばねセット荷重が比較
的小さく設定されて、第2,第4スライダ20,22の
軸方向の移動を許容するようになっている。尚、この第
2,第4スライダ20,23は、カムシャフト1の正の
トルク変動を受けるようになっている。
【0022】更に、前記ピストン18を進退動させる駆
動機構は、図1に示すようにピストン18の後端面とス
リーブ10のフランジ部10a内端面との間に弾装され
てピストン18をアーム11方向(進出方向)に付勢す
る略截頭円錐状のリターンスプリング29と、フロント
カバー6とピストン18の前面との間に形成された圧圧
室30に油圧を給排する油圧回路とを備えている。この
油圧通路は、前記圧力室30から分岐された供給通路3
1と排出通路33とからなり、前記供給通路31の上流
側に該供給通路31を開閉する電磁弁32が設けられて
いると共に、供給通路31の下流側に供給通路31と排
出通路33とを適宜切り換える切換制御機構34が設け
られている。前記電磁弁32は、コントローラ35から
機関運転状態に応じて出力されたON,OFF信号によ
って開閉制御されるようになっている。
【0023】前記供給通路31は、シリンダヘッド及び
カムシャフト本体1aの半径方向に形成された主通路部
36と、取付ボルト12の外周とカムシャフト本体及び
スリーブ10の各ボルト挿通孔の内周面との間に形成さ
れて、一端が取付ボルト12の内部径方向及び軸心方向
に形成された通路孔37に開口した環状通路部38a,
38bと、切換制御機構34の後述する弁体49内部に
略T字形に形成されて、軸方向孔40aが通路孔37の
一端部に連通した連通路40と、前記フロントカバー6
の内部に略L字形に折曲形成されて、一端が圧力室30
に、他端が連通路40に適宜連通する油圧通路部41と
から構成されている。前記主通路部36は、上流端がオ
イルポンプ39に連通するオイルメインギャラリ43に
電磁弁32を介して連通している。
【0024】前記排出通路33は、前記油圧通路部41
と、前記弁体49の外周部内部に形成されて一端が油圧
通路部41に他端が後述する保持溝47と前記フロント
カバー6の作動孔6bとリテーナ9の通孔9aとを夫々
介して外部に適宜連通するドレン孔42とから構成され
ている。
【0025】前記切換制御機構34は、図1に示すよう
に作動孔6bの内部に設けられた大気開放弁45と、該
大気開放弁45の内部に設けられたチェック弁46とか
ら構成されている。
【0026】前記大気開放弁45は、前記作動孔6bの
内部に有底円筒状の前記弁体49が軸方向へ摺動自在に
設けられていると共に、該弁体49の外周部に形成され
た保持溝47の底面と前記リテーナ9の内端面に弁体4
9を図中右方向に付勢するコイルスプリング50を有し
ている。前記弁体49は、図1に示すように底壁が取付
ボルト12の頭部に当接した位置つまり最大右方向に移
動した位置で油圧通路部44とドレン孔42とを連通さ
せ、逆に前端縁がリテーナ9の内端面に当接した位置つ
まり最大左方向の移動位置で油圧通路部44と連通路4
0の一端とを連通するようになっている。また、前記コ
イルスプリング50は、チェック弁46に作用する油圧
力よりも小さいばね力に設定されている。
【0027】前記チェック弁46は、弁体49の内部軸
方向に形成された弁孔51内に前記軸方向孔40aを開
閉するボール弁体52を有していると共に、該ボール弁
体52の後端側に摺動自在に設けられた有蓋円筒状の支
持部材53を有している。また、ボール弁体52は、支
持部材53と弁孔51の前端部に圧入固定されたスプリ
ング受け54との間に弾装されたリターンスプリング5
5のばね力によって軸方向孔40aを閉成する位置に付
勢されている。また、前記支持部材53の蓋壁には、作
動油の流動抵抗を低下させる小孔53aが形成されてい
ると共に、中央にボール弁体52を安定に着座させるた
めの着座用孔53bが形成されている。
【0028】前記コントローラ35は、クランク角セン
サやエアーフローメータ,スロットルバルブスイッチ,
水温センサ等の各センサ類から入力した情報信号によっ
て現在の機関運転状態を検出して、電磁弁32にON
(開),OFF(閉)信号を出力するようになってい
る。
【0029】以下、本実施例の作用について説明する。
まず、機関低回転低負荷時は、電磁弁32にOFF信号
が出力されてオイルメインギャラリ43と主通路36の
連通を遮断する。このため、供給通路31内の油圧が低
下して、ボール弁体52が図1に示すようにリターンス
プリング55のばね力で軸方向孔40aを閉止すると同
時に、弁体49がコイルスプリング50のばね力で最大
右方向に移動する。これにより、連通路40と油圧通路
部44との連通が遮断されると共に、該油圧通路部44
とドレン孔42が連通される。したがって、圧力室30
内の作動油は、排出通路33つまり油圧通路部44,ド
レン孔42,保持溝47,作動孔6b,通孔9aを通っ
て外部へ排出される。したがって、作動油の流動抵抗が
十分に低下して外部へ速やかに排出される。
【0030】したがって、ピストン18は、図1に示す
ように圧縮スプリング29のばね力によって前方に進出
すると共に、各スライダ19〜20も各突起部7,8の
各側端面7a〜8bに摺接案内されつつ前方へ速やかに
進出する。このため、夫々他方側のスライダ20,22
の前端面20c,22cがアーム11の対向側端面16
a,17aを押圧しつつ該アーム11を従動スプロケッ
ト2の回転方向と逆方向に回動させる。これによって、
カムシャフト1が従動スプロケット2の回転方向と逆方
向(図2の鎖線矢印方向)に相対回動して回転位相が遅
角側に変化し、したがって、吸気弁の開時期及び閉時期
が遅れる。
【0031】一方、低回転高負荷時には、電磁弁32に
ON信号が出力されてオイルメインギャラリ43と主通
路36とを連通させる。このため、オイルポンプ39か
ら主通路36に作動油が圧送されて供給通路31内の油
圧が上昇し、この油圧によってボール弁体52を図4に
示すようにリターンスプリング55のばね力に抗して押
し開いて軸方向孔40aを開成すると同時に、同油圧に
よって弁体49をコイルスプリング50のばね力に抗し
て図中左方向へ最大に移動させる。これにより、油圧通
路部44とドレン孔42との連通が遮断されると共に、
油圧通路部44と連通路40が連通される。したがっ
て、圧力室30には、作動油が速やかに供給され、内部
油圧の立上りが良好となる。
【0032】よって、ピストン18は、該油圧により、
前端面18aが押圧されて該ピストン18及びスライダ
19〜22が圧縮スプリング29のばね力に抗して後退
移動する。このため、一方側のスライダ19,21の各
前端面19c,21cが、各延出部16,17の各側端
面16b,17bを傾斜角にしたがって摺りながら最高
位まで押圧してアーム11を従動スプロケット2の回転
方向に回動させる。これにより、カムシャフト1が相対
回動して回転位相が進角側に変化する。したがって、吸
気バルブの閉時期が早くなり、吸気の充填効率が向上
し、低速トルクが向上する。
【0033】ここで、カムシャフト1には、作動中にバ
ルブスプリングのばね力に起因して回転方向と同方向の
正のトルク変動と回転方向と逆方向の負のトルク変動が
発生しており、この各トルク変動がアーム11を介して
各スライダ19〜22に伝達され、ピストン18が前後
方向へ移動する惧れがある。しかし、前述のように高負
荷域に移行した際にピストン18が最大後方位置に移動
している場合には、正のトルク変動が作用してピストン
18を前方向へ移動させようとすると、圧力室30内の
油圧が上昇してボール弁体52が軸方向孔40aを閉止
するため、ピストン18の前方向移動を確実に規制す
る。一方、負のトルク変動が作用してピストン18を後
方向へ移動させようとすると、今度は圧力室30内の油
圧低下してボール弁体52が開成されて圧力室30内に
作動油が供給される。
【0034】したがって、該ピストン18は、最大後方
移動位置に安定かつ確実に保持される。この結果、バル
ブスプリング制御の安定化が図れる。
【0035】また、低負荷域から高負荷域に移行し、ピ
ストン18が後方向へ移動しようとする際にも、前述の
トルク変動に伴うボール弁体52の作用によりピストン
18を前方向へ移動させることなく後方向へ移動させる
ことができるため、低油圧でも移動応答性の向上が図れ
る。
【0036】一方、高負荷域から低負荷域に移行した際
にも、前述のように圧力室30内の作動油を大気開放弁
45の作用によって排出通路34から速やかに排出する
ことができるため、ピストン18の前方向への移動応答
性が向上する。
【0037】また、本実施例では、位相変換手段として
カムシャフト軸方向へ直線的に摺動するスライダ19〜
22や該直線運動を回転運動に変換するアーム11を用
いたため、その構造が簡単であり、該加工作業が容易に
なると共に、コストの低廉化が図れる。
【0038】ここで、第1,第3スライダ19,21
は、圧縮スプリング27a,27aの強いばね力でピス
トン前端面18aに固定状態になっているため、カムシ
ャフト1の負のトルク変動を直接支持吸収する。一方、
第2,第4スライダ20,22は、コイルスプリング2
8a,28aの小さなばね力でピストン18の前端面1
8aに弾持されているため、カムシャフト1の比較的小
さな入力荷重である正のトルク変動が作用すると、第
2,第4スライダ20,22がコイルスプリング28
a,28aのばね力に抗してピストン18方向へ移動し
てバックラッシ隙間Cを吸収する。したがって、前記カ
ムシャフト1の正負のトルク変動に起因して各スライダ
19〜22とアーム11の延出部16,17との衝突が
回避されて、衝突打音の発生が防止される。
【0039】尚、本発明は、前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば位相変換手段としてスライダ型に替
えて内外周にヘリカル歯を有する筒状歯車を用いたもの
に適用することも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係るバルブタイミング制御装置によれば、切換制御機構
の作動によって位相変換手段の移動応答性が向上し、特
に圧力室内の作動油を供給通路とは別個に形成された排
出通路を介して外部に排出することができるため、位相
変換手段の復帰応答性が向上する。これによってバルブ
タイミングの制御応答性が向上する。
【0041】しかも、圧力室に作動油が供給されて位置
変換手段が一方向へ最大に移動すると、チェック弁によ
って圧力室が密閉状態に封止されるため、たとえカムシ
ャフトのトルク変動が伝達されても圧力室の内圧変動が
確実に防止される。この結果、バルブタイミングの制御
の安定化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図2のB−B線断面図。
【図4】本実施例の作用を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…カムシャフト 2…従動スプロケット(回転部材) 10…スリーブ(一端部) 11…アーム(位相変換手段) 18…ピストン 19〜22…スライダ(位相変換手段) 30…圧力室 31…供給通路 33…排出通路 34…切換制御機構 45…大気開放弁 46…チェック弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関によって回転駆動する回転体と、一
    端部が前記回転体内に相対回動自在に挿通配置され、か
    つ外周に吸排気弁を作動させるカムを有するカムシャフ
    トと、前記回転体とカムシャフトとの間に介装されて、
    該両者の相対回動位相を変換する位相変換手段と、回転
    体内部に有する圧力室に油圧回路を介して給排される油
    圧によって前記位相変換手段を作動させる駆動手段とを
    備えたバルブタイミング制御装置において、 前記油圧回路を前記圧力室から分岐した供給通路と排出
    通路とにより形成し、該供給通路と排出通路との分岐部
    に、供給油圧に応じて前記供給通路と排出通路を相対的
    に切り換える切換制御機構を設けたことを特徴とする内
    燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記切換制御機構は、供給油圧によって
    該供給通路を開成するチェック弁と、供給油圧の供給停
    止時に前記排出通路を開成する大気開放弁とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008196500A (ja) * 2008-05-19 2008-08-28 Hitachi Ltd 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2008240737A (ja) * 2008-05-19 2008-10-09 Hitachi Ltd 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2008248887A (ja) * 2008-05-19 2008-10-16 Hitachi Ltd 内燃機関のバルブタイミング制御装置
DE102004035035B4 (de) 2003-07-24 2022-04-14 Daimler Ag Nockenwellenversteller für Brennkraftmaschinen

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