JP3849124B1 - 舗装のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する方法およびそのための自走車両システム - Google Patents

舗装のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する方法およびそのための自走車両システム Download PDF

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Abstract

舗装道路のアスファルト混合物層を加熱軟化させる工程と、加熱軟化された該アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする工程と、単粒化された該アスファルト混合物を複数粒度群に分級させる篩工程と、分級された該複数粒度群の各々を用い、該アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する工程と、配合設計された該再生アスファルト混合物を均一に混合させる工程と、均一に混合された該再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、再生アスファルト混合物層にする工程とを含む方法により、自走車両システムを移動させながら、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する方法およびそのための自走車両システムに関し、より具体的には、路床上に路盤およびアスファルト混合物を敷設した3層の舗装構造からなる道路のアスファルト混合物層を、自走車両システムを移動させながら、加熱軟化により掻き解し、団粒化しない温度に保つことにより単粒化させ、再生用のアスファルト混合物として再利用し、路上で連続的に舗装道路のアスファルト混合物層を再生する方法およびそのための自走車両システムに関する。
舗装道路は、通常、図1にみるように、路床と路盤とアスファルト混合物層の3層構造になっており、締め固められた路床上に、アスファルト舗装の材料になる砂および砕石、すなわち骨材にセメントや石油アスファルト乳剤などの安定剤を添加して締め固められた路盤があり、強度の観点から下層および上層が設けられる。その路盤上に、アスファルト混合物からなる基層と表層が締め固められる。一般的に、舗装とは「路盤+アスファルト混合物層」をいい、アスファルト混合物とは、バインダとなるアスファルトと骨材の隙間を埋める石灰石の粉末である石粉(フィラー)と砂および砕石などの骨材からなる。
アスファルト混合物は、図1にみるように、基層と表層の2層構造になっているが、通常は密粒度アスファルト混合物からなり、その混合物中の隙間の割合、すなわち空隙率が4%前後の不透水性舗装である。これに対し、空隙率20%程度の排水性舗装および透水性舗装がある。ただし、透水性舗装は、路床にまで水が通り、路床まで軟弱化するなどの悪影響がでるため、通常、重交通の舗装道路に用いられることはなく、歩道や交通量の極めて少ない車道などに採用されるのみである。
一方、車両の頻繁な通過がある重交通の舗装道路は、長期間風雨に曝されることにより路面の磨耗や「わだち掘れ」による凹凸や劣化によるひび割れなどが生じ、降雨や雪解け時に道路表面に水が溜まり、水煙の発生やハイドロプレーニング現象などが車両走行の安全性を阻害することが知られ、そうした道路は、舗装の打換えや補修などによる舗装再生が必要になる。
排水性舗装は、こうした必要性に応えるものであり、通常、図2にみるように、路盤上に敷設されるアスファルト混合物の基層を不透水性とし、その上に敷設される表層を透水性として、水を図示しない側溝などに導いて排水するようにしたアスファルト混合物層であり、通常は、開粒度アスファルト混合物と言われる。排水性能を高めるため、空隙率をさらに大きくするという考え方もあるが、表層自体の強度が低下したり、外気温の上昇による路面温度の高まりにより、バインダであるアスファルトが軟化するなどして、その粘性が低下し、走行する車両などによる骨材剥離を起こすなどの問題があり、闇雲に空隙率を大きくすべきではない。
舗装厚は、耐久性の観点から路床の強さ(CRB値)および交通量(N値)によって決まるが、路盤およびアスファルト混合物のそれぞれの厚さは、通常、それらに含まれる骨材の最大粒径の2〜3倍程度に設計される。路盤に含まれる骨材の最大粒径は、通常は約40mmであり、したがって、路盤厚は10〜12cm程度である。また、アスファルト混合物に含まれる骨材の最大粒径は、通常は約20mm程度であり、基層および表層の各々の厚さは4〜5cm程度に設計され、アスファルト混合物層全体で8〜10cm程度になる。
骨材の粒の大きさを粒度といい、その混ざり具合を様々な大きさの篩にかけて分級した結果を粒度分布というが、アスファルト混合物に含まれる骨材の粒度分布は、密粒度アスファルト混合物と開粒度アスファルト混合物とでは、当然、異なる。図3および図4は、それぞれの粒度分布を示したものである。これらは、横軸を篩目の大きさ、縦軸をそれぞれの大きさの篩目を通過した材料の重量百分率(通過重量百分率)で表したグラフである。骨材は、通常、粒径5mmを基準として、寸法の大きいものを粗骨材といい、寸法の小さいものを細骨材という。この粗骨材をさらに、5mm超13mm以下の粒径骨材を中骨材とし、13mm超20mm以下の粒径骨材を粗骨材として細分化する場合がある。アスファルト混合物に含まれる骨材を再利用する場合などにおいて、2群または3群に篩い分けして用いられることが多く、本発明においても、こうした分類を便宜上採用することにする。
図3からは、0.075mm以上から20mm以下のそれぞれの粒径骨材が連続的に分布していることが見て取れる。これは、骨材が最も密に詰まるような粒の大きさの混ざり具合になっていること、すなわち連続粒度または粒度連続を示しており、一般的には、不透水性の「密粒度アスファルト混合物」といわれる。図4は、例えば3群からなる骨材のうちの中骨材が抜けた場合を示す。図示しないが、2群からなる骨材の場合であれば、粒径5mm超以上の粗骨材が抜け、粒径5mm以下の骨材分布になる。いずれもギャップ粒度または粒度不連続を示し、連続粒度または粒度連続ではないが、通常、中骨材を抜かれた3群の場合、粗骨材の細骨材に対する重量割合が小さく、例えば30%程度以下であるため粗骨材間の空隙に細骨材が密に詰まる。また、2群の場合であれば、粗骨材を抜かれているため細骨材のみである。いずれの場合も新たなアスファルトなどを添加し、再生アスファルト混合層にすると、やはり空隙率4%程度の「密粒度アスファルト混合物」になる。これに対し、3群から抜かれた中骨材、または2群から抜かれた粗骨材に新たなアスファルトなどを添加し、再生アスファルト混合層にすると、粒径5mm以下の細骨材を含まないため、骨材間に空隙ができるような粒度分布になり、これを「開粒度アスファルト混合物」という。これらを通称して、それぞれ密粒アスファルトおよびポーラスアスファルトともいわれる。
骨材のバインダ(結合剤)であるアスファルトは、生の、すなわち改質されていないストレートアスファルトと、粘度を高めるために、ゴム、樹脂などの改質剤が添加された改質アスファルトがあり、図5の温度と粘度との関係にみるように、いずれも180°C前後でアスファルトの粘性が小さくなり、骨材がほとんど破壊されることなくアスファルト混合物の骨材がばらばらになる。すなわちアスファルトで被覆された骨材が単粒化される。一方100°Cを下回るにつれ、アスファルトの粘性は高まり、アスファルトで被覆された骨材が団粒化し、常温では完全に固形化される。この状態を指して、アスファルト混合物は、アスファルト・コンクリートとも言われる。図6に示すシミュレーションによれば、団粒化しない温度は、約120°C程度になる。
これまで、標準的な3層構造からなる舗装道路のうちのアスファルト混合物について説明してきたが、アスファルト混合物は、上述したように、長期間、車両の頻繁な通過による路面の磨耗や、風雨に曝され、例えば外気温の上昇などによるアスファルト(バインダ)の軟化にともなうアスファルト混合物の流動化などにより、「わだち掘れ」といわれる凹凸や劣化にともなうひび割れなどを発生する。既設舗装道路の路上再生工法は、通常、基層および表層からなる2層構造のうちの表層を対象とする再生工法をいうが、路面の磨耗や「わだち掘れ」などの劣化が、基層にまで及ぶこともあり、本発明は、アスファルト混合物の再生工法として構想し、表層再生工法を含めた路上再生工法を提案するものであり、以下に、本発明を従来工法と比較しながら説明することにする。
各種の道路や飛行場の滑走路等で施工される舗装工事には、その施工用途に応じた補修工法や表層・基層打換え工法を含めた様々な打換え工法が適用されている。一方、大幅にその延長距離が拡大された道路の維持・修繕に費やされる舗装資材の節減を図ること、および、舗装工事で発生する舗装発生材を産業廃棄物化させないことなどから、例えば平成3年のリサイクル法の施工後に、こうした舗装発生材を旧材として再利用するための再生工法が、急速に普及した。こうした工法は、通常、舗装発生材を施工現場から離れた固定式プラントに工事用車両などで運搬/搬入し、再処理された旧材として施工現場に再搬入され、再利用される。これを通称して、プラント再生舗装工法という。一般的には、これと組み合わせてまたは組み合わせることなく舗装の破損状況に応じてアスファルト混合物の表層を加熱して路上で再生する工法やアスファルト混合物を破砕して路盤材とともに混合し新たな路盤として路上で再生する工法が知られている。通常、前者を路上表層再生工法といい、後者を路上路盤再生工法という。本発明は、上述したように前者の路上表層再生工法を前提に構想されたものに関する。
(非特許文献1)「舗装再生便覧」(社団法人 日本道路協会)
アスファルトは、粒子分のアスファルテンと油分のマルテンからなり、舗装が老化すると、マルテンが減少し、かつ硬化し、そこに浮遊しているアスファルテンの割合が増すことになり、結果としてアスファルトの粘度が落ちる。また、舗装の老化にともない、アスファルト混合物層に含まれる骨材は、磨耗などによる減少や破損なども起こり得る。したがって、舗装発生材であるアスファルト混合物を旧材として再利用する場合には、例えば軟化剤などの再生用添加剤や新たなアスファルト混合物(新材)および/または改質剤としての新たなアスファルトの必要量を計量し、旧材にこれらを加えて、表1に示すような所定性能を保証することが求められる。こうした配合設計を、施工現場で、例えば施工効率の観点から移動しながら施工を進める一連の工法に組み込むことは難しく、一般的には、固定式または移動式プラントにおいて、別途配合設計を行い、そこで所定性能を満たす再生用アスファルト混合物を構成し、施工現場に再搬入されることになる。いわゆるプラント再生舗装工法は、所定性能を保証するものとして定着しているが、旧材をプラントと施工現場との間で搬出入しなければならないため、後述するような施工効率の低下や現場への工事車両の出入りによる交通障害などの技術的社会的課題も明らかとなっており、そうした課題を改善するための移動プラント工法や車両型プラントなども提案されている。
(特許文献1)特開2002−79136号公報
(特許文献2)特開2004−11406号公報
(特許文献3)特開平7−3715号公報
Figure 0003849124
上述したような、例えば、アスファルト混合物の表層を再生用路面ヒータで加熱して掻
き解し、路上における一連の施工工程として、軟化剤などの再生用添加剤を投入し、攪拌しながら、新たなアスファルト混合物(新材)および/または改質剤としての新たなアスファルトを加えて混合し、スクリードなどで敷き均し、締め固める工法が、いわゆる路上表層再生工法である。この施工法には、再生用添加剤や新材および/または新たなアスファルトを旧材に加え混合し、旧材の粘度やアスファルトの結合力などを改善して一層化するのに用いられるリミックス方式がある一方、旧材の品質を改善する必要がない場合や品質の軽微な改善で間に合う場合に再生される旧材上に新材などで2層化するのに用いられるリベーブ方式がある。例えば、事前に路面幅方向の両端部を切除して溝を形成し、該溝の間の表層を掻き解し、掻き解した表層を路面幅にわたって敷き均した後、その上に事前に切除した溝と同量の新材などを投入することにより路面高さを調整する工法や、旧材の表層の一部を除去し新材を投入して骨材間の空隙を残存させる開粒度アスファルト混合物の表層を形成する工法など、これまでも路上表層再生工法における再生アスファルト混合物の性能改善に関する提案は、少なくない。しかしながら、従来工法はいずれも、旧材に含まれる粒度の異なる骨材を原材料に戻し、再生材として配合設計し直して再利用しなくても済む程度の路上再生工法である。したがって、一連の路上での施工工程に、旧材に含まれる粒度の異なる骨材を篩装置などにより複数の粒度群に分級し、それらを計量装置により計量することにより再生材として配合設計する工程を組み込むことを前提としておらず、そのため、所定性能を自在に保証することは不可能であり、図3や図4で見たような粒度分布を保証することはできない。本出願人が製造販売するAR2000は、毎分4〜5mの平均スピードで自動制御された自走車両システムを移動させながら、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生することを可能とした画期的な工法であるが、やはり所定性能を自在に保証することができないという点では、従来工法の場合と同様である。
(非特許文献2)「舗装再生便覧」(社団法人 日本道路協会)
(特許文献4)特開2004−124549号公報
(特許文献5)特開2001−262509号公報
アスファルト混合物(旧材)を路上で再生する工法に関しては、要素技術を含め、上述の文献に示した以外にも様々なバリエーションの提案があるが、いずれも、一連の施工工程に、アスファルト混合物(旧材)に含まれる粒度の異なる骨材を篩装置および計量装置などにより複数の粒度群に分級し、計量し、再生材として配合設計する工程を組み込むことを前提としておらず、やはり所定性能を自在に保証することができないものである。
(特許文献6)特許第3293626号公報
(特許文献7)特許第3380590号公報
(特許文献8)特開平11−117221号公報
(特許文献9)特開2002−61140号公報
既設舗装道路の路上再生工法に関する従来工法は、アスファルト混合物(旧材)の再生用プラントを介在させる工法の場合には、すでに述べたように、施工現場への旧材および再生アスファルト混合物の搬出入という別途の工程が必要であるため、搬出入時の車両の往来及び長期の道路封鎖による交通渋滞にともない温暖化ガスが発生することや施工効率の低下にともなう施工期間の長期化、コストの増大は避けがたい。また、再生プラントから工事現場まで距離があるため、施工現場に到着するまでに再生アスファルト混合物の温度が低下し、それが原因となる締め固め不足、密度不足、骨材との接着力低下などが発生することにもなる。
一方、従来の路上表層再生工法は、すでに述べたように、施工現場において旧材に再生用添加剤や新材を投入し、混合して再生アスファルト混合物として、敷き均し、締め固めることができるものである。しかしながら、これまで、旧材を加熱軟化させ、掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にし、それを複数の粒度群に分級して、再生プラントで行うような再生材としての旧材の配合設計を路上で連続的に行い、所定性能を満たす再生用アスファルト混合物として敷き均し、締め固めることができるようにしたものは開発されてこなかった。こうした開発を可能にした技術的課題解決の前提には、上述したAR2000に採用されている特許第3466621号で提案された、移動しながら約600℃の熱風の吹き付けと循環による加熱方法および装置により、既設アスファルト混合物層の表面温度を230°C前後に維持しながら深度40〜50mmを短時間で約80℃近くにまで加熱できるようにし、そのことにより、深度40〜50mmの既設アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保つことで、アスファルトで被覆された骨材を単粒化できるようにしたことにある。
(特許文献10)特許3466632号公報
また、従来の路上表層再生工法において、アスファルト混合物層の機能または性状を変化させるための骨材の粒度分布の変更は、路上における一連の施工工程に組み込んで行うことができないため、アスファルト混合物層を施工現場で原材料化して再利用し、粒度分布を転換させることができなかった。すなわち従来工法においては、当然のことであるが密粒度アスファルト混合物層を施工現場で原材料化し、それを再利用することにより、例えば開粒度アスファルト混合物層を路上で連続的に形成することはできない。より詳細には、既設のアスファルト混合物層に含まれる骨材の粒度分布の再配合設計を可能にする工程を一連の施工工程に組み込むという発想は、これまでになかった。上述の特許文献3には、「少なくとも、破砕された廃アスファルト・コンクリート及び/又は廃セメント・コンクリートを篩別する手段、篩別された廃アスファルト・コンクリート及び/又は篩別された廃セメント・コンクリートを粒径の異なる再生骨材として一定の比率で混合する手段及び計量し供給する手段、粒径の異なる新骨材を一定の比率で混合する手段及び計量し供給する手段、新アスファルトを計量し供給する手段、並びに前記再生骨材、前記新骨材及び前記新アスファルトを加熱混合する手段を載架したことを特徴とする道路舗装用車両。」が示されており、これは、台車上のフレームにホッパ、篩およびミキサなどを載架した車両型プラントであり、施工現場近くに配することはでき、機械的に破砕された旧材を所望性能を満たす配合に再設計できるけれども、一連の施工工程に組み込み、旧材を連続的に再生するようにしたシステムの一部を構成する車両ではない。すなわち移動式プラントの一種である。当然であるが、旧材に含まれる骨材を施工現場で原材料化し、再配合設計しつつ再利用しようとする発想に基づくものではない。より具体的には、自走車両システムの移動に同期させながら、旧材を加熱軟化させ、掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にし、それを複数の粒度群に分級させて原材料化し、それを計量することにより再生プラントで行うような配合設計を一連の施工工程に組み込んで、路上で連続的に再生アスファルト混合物層を形成することができるものではない。
上述の課題の解決は、加熱軟化を経て掻き解された既設アスファルト混合物層を団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にし、それを数段の篩にかけ、分級させると、通常であれば5mm以下の細骨材が旧アスファルトとともに最終段の篩を通り、それより粒径の大きい中骨材および/または粗骨材も前段の篩分けにより回収されるため、それらの複数の粒度群を計量することにより、事実上、路上再生工程中に配合設計を行うことができるという知見に基づく以下の特徴を有する本発明によって、達成される。
請求の範囲1に記載の発明は、自走車両システムを移動させながら、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する方法であって、前記アスファルト混合物層を加熱軟化させる工程と、加熱軟化された前記アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする工程と、単粒化された前記アスファルト混合物を複数の粒度群に分級させる篩工程と、分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する工程と、配合設計された前記再生アスファルト混合物を均一に混合させる工程と、均一に混合された前記再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、再生アスファルト混合物層にする工程とを含むことを特徴とする。
請求の範囲2に記載の発明は、請求の範囲1に記載の発明の特徴に加えて、前記アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする前記工程および/または分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、軟化剤などの再生用添加剤を添加する工程をさらに含むことを特徴とする。
請求の範囲3に記載の発明は、請求の範囲1から2のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、分級された前記複数の粒度群のうちの未使用の粒度群を貯留し、排出する工程を含み、貯留された該未使用の粒度群を前記自走車両システムから排出することを特徴とする。
請求の範囲4に記載の発明は、請求の範囲1から3のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、配合設計された前記再生アスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加する工程を含むことを特徴とする。
請求の範囲5に記載の発明は、請求の範囲4に記載の発明の特徴に加えて、配合設計された前記再生アスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加する前記工程が、該新たなアスファルト混合物(新材)を添加された再生アスファルト混合物に改質剤としての新たなアスファルトを添加する工程をさらに含むことを特徴とする。
請求の範囲6に記載の発明は、請求の範囲1から5のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて均一に混合された前記再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、再生アスファルト混合物層にする前記工程が、均一に混合された前記再生アスファルト混合物を上下層に敷き均し、締め固めて2層構造にする工程を含み、前記上下層の該下層を少なくとも不透水性の再生アスファルト混合物層にすることを特徴とする。
請求の範囲7に記載の発明は、自走車両システムを移動させながら、舗装道路のアスファルト混合物層を開粒度アスファルト混合物層に路上で連続的に再生する方法であって、前記アスファルト混合物層を加熱軟化させる工程と、加熱軟化された前記アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする工程と、単粒化された前記アスファルト混合物を複数の粒度群に分級させる篩工程と、分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する工程と、配合設計された前記再生アスファルト混合物を均一に混合させる工程とを含み、均一に混合させる前記工程が、(a)配合設計された前記再生アスファルト混合物の一部を均一に混合することにより不透水性の再生アスファルト混合物を構成する第1再生アスファルト混合物にする工程と、(b)配合設計された前記再生アスファルト混合物の残りの全部または一部を均一に混合することにより透水性の再生アスファルト混合物を構成する第2再生アスファルト混合物にする工程とからなり、さらに前記第1再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、不透水性の再生アスファルト混合物層にする工程と、不透水性の前記再生アスファルト混合物層上に、前記第2再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、透水性の再生アスファルト混合物層にする工程とを含むことを特徴とする。
請求の範囲に記載の発明は、請求の範囲7に記載の発明の特徴に加えて、加熱軟化された前記アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする前記工程および/または分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、軟化剤などの再生用添加剤を添加する工程をさらに含むことを特徴とする。
請求の範囲に記載の発明は、請求の範囲7および8のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、単粒化された前記アスファルト混合物を複数の粒度群に分級させる前記篩工程が、単粒化された前記アスファルト混合物を細骨材と粗骨材との2つの群に、または細骨材と中骨材と粗骨材との3つの群に分級させる篩工程であることを特徴とする。
請求の範囲10に記載の発明は、請求の範囲7からのいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、分級された前記複数の粒度群のうちの未使用の粒度群を貯留し、排出する工程を含み、貯留された前記未使用の粒度群を前記自走車両システムから排出することを特徴とする。
請求の範囲11に記載の発明は、請求の範囲7から10のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、配合設計された前記再生アスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加する工程を含むことを特徴する。
請求の範囲12に記載の発明は、請求の範囲11に記載の発明の特徴に加えて、配合設計された前記再生アスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加する前記工程が、該新たなアスファルト混合物(新材)を添加された再生アスファルト混合物に改質剤としての新たなアスファルトを添加する工程をさらに含むことを特徴する。
請求の範囲13に記載の発明は、移動しながら舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する、プレヒータ車両、ミラー車両、配合設計車両、およびミキサ車両からなる自走車両システムであって、該自走車両システムが、前記アスファルト混合物層を加熱軟化させる装置が路面に対置するように設けられたプレヒータ車両と、前記プレヒータ車両により加熱軟化された前記アスファルト混合物層を団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする掻き解し装置が設けられたミラー車両と、前部に、掻き解された前記アスファルト混合物を掬い上げ、搬送する装置と、該装置に連続して、搬送された前記アスファルト混合物を複数の粒度群に分級させる篩部および該篩部により分級された前記複数の粒度群の各々を計量する計量部を含む、分級され、計量された前記複数の粒度群の全部または一部を路面に配する配合設計装置とが設けられた配合設計車両と、路面に対置し、受入口を前部に、かつ排出口を後部に備え、路面に配された前記複数の粒度群の全部または一部を受け入れ、均一に混合し、排出するパグミルなどの混合装置と、該混合装置の後方部に、均一に混合され、排出された前記複数の粒度群の全部又は一部を敷き均し、締め固め、再生アスファルト混合物層にする1組またはそれ以上のオーガ及びスクリードなどの敷き均し/締め固め装置を前後するように設けられたミキサ車両とからなることを特徴とする。
請求の範囲14に記載の発明は、請求の範囲13に記載の発明の特徴に加えて、前記プレヒータ車両が1つまたはそれ以上の車両を含み、それぞれが少なくとも1つまたはそれ以上の加熱装置を前記アスファルト混合物層に対置するように備え、該アスファルト混合物層を加熱軟化させることを特徴とする。
請求の範囲15に記載の発明は、請求の範囲13および14のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記ミラー車両の掻き解し装置が1つまたはそれ以上のグラインダ装置を含むことを特徴とする。
請求の範囲16に記載の発明は、請求の範囲13から15のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記ミラー車両が、前記掻き解し装置の前方部に、前記アスファルト混合物層を引き続き加熱軟化させる加熱装置を前記アスファルト混合物層に対置するようにさらに備え、該アスファルト混合物層を加熱軟化させることを特徴とする。
請求の範囲17に記載の発明は、請求の範囲13から16のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記ミラー車両の前記掻き解し装置の後方部に、および/または前記配合設計車両の前記配合設計装置の後方部かあるいは前記ミキサ車両の前記混合装置の前方部に軟化剤などの再生用添加剤のための貯留部を備え、前記掻き解し装置により掻き解された前記アスファルト混合物に、および/または前記配合設計装置により分級され、計量された前記アスファルト混合物に軟化剤などの再生用添加剤を添加することを特徴とする。
請求の範囲18に記載の発明は、請求の範囲13から17のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記ミラー車両が、前部にホッパなどの受入部と上部にコンベアなどの搬送部と後部に渡し部を含む受入/搬送装置をさらに備え、前記自走車両システム外から団粒化しない温度で搬入される新たなアスファルト混合物(新材)を受け入れ、前記配合設計車両へ搬送することを特徴とする。
請求の範囲19に記載の発明は、請求の範囲13から18のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記配合設計車両の前記配合設計装置に含まれる前記篩部が、単粒化されたアスファルト混合物を少なくとも細骨材と粗骨材との2群に分級するかまたは細骨材と中骨材と粗骨材との3群に分級する篩部であることを特徴とする。
請求の範囲20に記載の発明は、請求の範囲13から19のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記配合設計車両の前記配合設計装置に含まれる前記計量部が、前記複数の粒度群に分級された粒度群の各々を計量する計量部であることを特徴とする。
請求の範囲21に記載の発明は、請求の範囲13から20のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記配合設計車両が、分級された前記複数の粒度群のうちの未使用の粒度群を貯留するための貯留装置をさらに備え、貯留された前記未使用の粒度群を前記貯留装置から前記自動車両システム外に排出することを特徴とする。
請求の範囲22に記載の発明は、請求の範囲18から21のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記配合設計車両が、前記ミラー車両の前記受入/搬送装置から前記新たなアスファルト混合物(新材)を団粒化しない温度で受け入れ、搬送し、排出する受入/搬送/排出装置と、該受入/搬送/排出装置の排出部が前後2つの排出部を含み、前方の排出部から、前記配合設計装置により路面に配された前記複数の粒度群の全部または一部に、前記新たなアスファルト混合物(新材)を添加し、前記ミキサ車両の前記混合装置により、均一に混合することを特徴とする。
請求の範囲23に記載の発明は、請求の範囲22に記載の発明の特徴に加えて、前記ミキサ車両が、該車両の前記混合装置の前方部に改質剤としての新たなアスファルトを貯留するためのタンクなどの貯留部をさらに備え、前記配合設計車両の前記配合設計装置により路面に配された前記複数の粒度群の全部または一部に前記新たなアスファルトを添加し、前記混合装置により、均一に混合することを特徴とする。
請求の範囲24に記載の発明は、請求の範囲22および23のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記配合設計車両が、該車両の前記受入/搬送/排出装置の後方の排出部の近傍に、開口部および排出口を設けたパグミルなどの混合装置と、該混合装置および前記配合設計装置の間に、分級され、計量された前記複数の粒度群の一部を受け入れ、搬送し、前記混合装置へ搬入するコンベアなどの搬入装置とをさらに備え、前記混合装置の開口部から前記複数の粒度群の一部を搬入し、かつ前記新たなアスファルト混合物(新材)を添加し、前記混合装置により、均一に混合することを特徴とする。
請求の範囲25に記載の発明は、請求の範囲24に記載の発明の特徴に加えて、前記配合設計車両が、該車両の前記混合装置の近傍に改質剤としての新たなアスファルトを貯留するためのタンクなどの貯留部をさらに備え、前記混合装置により均一に混合される前記複数の粒度群の一部に前記新たなアスファルトを添加することを特徴とする。
請求の範囲26に記載の発明は、請求の範囲24および25のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、前記配合設計車両の前記混合装置が、分級され、計量された前記複数の粒度群のうちの一部に、前記新たなアスファルト混合物(新材)および/または新たなアスファルトを添加し、均一に混合し、第2再生アスファルト混合物を構成し、かつ前記ミキサ車両の前記混合装置が、分級され、計量された前記複数の粒度群のうちの残りの全部または一部に、前記新たなアスファルト混合物(新材)および/または新たなアスファルトを添加し、均一に混合し、第1再生アスファルト混合物を構成することを特徴とする。
請求の範囲27に記載の発明は、請求の範囲26に記載の発明の特徴に加えて、前記ミキサ車両が、前記混合装置の後方部に2組のオーガ及びスクリードなどの敷き均し/締め固め装置を前後するように設けられ、第1組の前記敷き均し/締め固め装置が、前記第1再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、第1再生アスファルト混合物層にし、次に、第2組の前記敷き均し/締め固め装置が、前記第1再生アスファルト混合物層上に、前記第2再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、第2再生アスファルト混合物層にし、2層構造の再生アスファルト混合物層にすることを特徴とする。
請求の範囲28に記載の発明は、請求の範囲27に記載の発明の特徴に加えて、少なくとも前記第1再生アスファルト混合物層が、不透水性の再生アスファルト混合物層であることを特徴とする。
請求の範囲29に記載の発明は、請求の範囲27に記載の発明の特徴に加えて、前記第2再生アスファルト混合物層が、開粒度再生アスファルト混合物層であることを特徴とする。
本発明を実施するための最良の形態による、舗装のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する方法およびそのための自走車両システムについて、図7〜図12に基づいて詳細に説明する。
図7は、本発明の実施形態に従って既設舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する方法の工程全体を示すものであり、本方法は、該アスファルト混合物層を加熱軟化させる工程(以下、「加熱軟化工程」という)と、加熱軟化された該アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物(以下、「単粒化アスファルト混合物」という)にする工程(以下、「掻き解し・単粒化工程」という)と、単粒化アスファルト混合物を複数粒度の骨材(以下、「再生骨材」という)に分級させる篩工程(以下、「篩工程」という)と、分級された再生骨材の各々を用いて再生アスファルト混合物に配合設計する工程(以下、「配合設計工程」という)と、配合設計された該再生アスファルト混合物を均一に混合する工程(以下、「混合工程」という)と、均一に混合された該再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、再生アスファルト混合物層にする工程(以下、「敷き均し・締め固め工程」という)と、を含む。
これらの工程のうち、配合設計工程には、必要に応じて新たなアスファルト混合物(以下、「新材」という)を添加する工程(以下、「新材添加工程」という)、必要に応じて軟化剤などの再生用添加剤を添加する工程(以下、「再生用添加剤添加工程」という)、必要に応じて改質剤としての新たなアスファルトを添加する工程(以下、「新アスファルト添加工程」という)を含む。
本方法を用いると、既設舗装道路のアスファルト混合物層が密粒度アスファルト混合物層、開粒度アスファルト混合物層、またはその他のアスファルト混合物層のいずれの場合であっても、既設舗装道路から掻き解したアスファルト混合物を適切に分級して、計量することにより配合設計し、必要に応じて新材、軟化剤などの再生用添加剤、および/または、改質剤としての新たなアスファルトを加えることによって、これらのアスファルト混合物層を、1層または2層の密粒度アスファルト混合物層または開粒度アスファルト混合物層のいずれにも路上で再生することができる。既設舗装道路のアスファルト混合物層を、不透水性アスファルト混合物層と開粒度アスファルト混合物層との2層構造に再生する場合、上記混合工程は、配合設計された再生アスファルト混合物の一部を均一に混合することにより不透水性の再生アスファルト混合物を構成する第1再生アスファルト混合物を生成する工程(以下、「第1混合工程」という)と、配合設計された再生アスファルト混合物の残りの全部または一部を均一に混合することにより、開粒度アスファルト混合物層を構成する第2再生アスファルト混合物を生成する工程(以下、「第2混合工程」という)と、からなる。
また、上記敷き均し・締め固め工程は、第1再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固めて、不透水性のアスファルト混合物層にする工程(以下、「第1敷き均し・締め固め工程」という)と、該不透水性のアスファルト混合物層上に、第2再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固めて、開粒度アスファルト混合物層にする工程(以下、「第2敷き均し・締め固め工程」という)と、からなる。
図8は、本発明による上記工程を実現するための自走車両システム全体の一実施形態を示すものであり、該自走車両システムは、2台のプレヒータ車両と、ミラー車両と、配合設計車両と、ミキサ車両とから構成される。以下、本実施形態による路上再生方法を、これらの車両の各々の構成要素および機能とともに詳細に説明する。
(工程開始前の性状分析)
本実施形態による工程を実施するにあたって、該工程開始前に、施工対象となる既設舗装道路のアスファルト混合物の試料を採取して、該アスファルト混合物の密度、アスファルト量、骨材の粒度、アスファルトの種類、針入度、軟化点などを調査、分析する。それとともに、再生後のアスファルト混合物層が所定の性能を満足し、かつ、再生後のアスファルト混合物層を排水性の開粒度アスファルト混合物層にする場合には開粒度アスファルト混合物層の透水係数が所望の値になるように、分級する粒度群の数、粒度群の各々の粒度、各粒度群の骨材の配合量および割合、新材の添加量、軟化剤などの再生用添加剤の添加量、改質剤としての新たなアスファルトの添加量などを決定する。
(プレヒータ車両)
図9は、本実施形態によるプレヒータ車両100を示す。プレヒータ車両100は、図7の加熱軟化工程を行うための車両である。本実施形態においては、このプレヒータ車両100を2台用いる。各々のプレヒータ車両100は、既設舗装道路のアスファルト混合物層を加熱軟化させるための3台の加熱装置110、120、130を備える。
本発明の特徴の一つは、施工現場で連続的に移動する自走車両システムによって、既設舗装道路のアスファルト混合物層を掻き解し、掻き解されたアスファルト混合物を、該システム上の配合設計車両300に設けられた配合設計装置310の篩部によって、所望の複数の粒度群の骨材に路上で分級できることである。しかしながら、掻き解されただけのアスファルト混合物は、前述のように、バインダであるアスファルトに被覆された骨材同士が結び付けられた状態、すなわち団粒化している状態になっているため、そのままでは配合設計装置310の篩を適切に通過せず、所望の粒度の骨材に分級することができない。掻き解されたアスファルト混合物が篩を適切に通過することができるようにするためには、図6に示すように、該掻き解されたアスファルト混合物(旧材)の温度を約90℃〜約150℃、好ましくは約120℃にすることによって、該アスファルト混合物のアスファルトの粘度を低下させ、そのことにより、該アスファルト混合物を団粒化しない温度に保ち、単粒化させる(単粒化アスファルト混合物にする)必要がある。
プレヒータ車両100には、このようにアスファルト混合物を単粒化アスファルト混合物にするために必要な温度まで、該アスファルト混合物層を加熱するとともに、該アスファルト混合物層に含まれる骨材を粉砕することなく後工程の掻き解しを容易にするように該アスファルト混合物を軟化させるための加熱装置110、120、130を、該アスファルト混合物層表面に対置するように設ける。プレヒータ車両100に設けられる加熱装置110、120、130の各々は、バーナーと、該加熱装置110、120、130の下部に設けられ、複数のノズルを有するヒータベッド112、122、132と、1つまたはそれ以上のブロワとを備える。バーナー111、121、131で加熱された熱風は、複数のノズルから、施工条件により決まる温度、例えば約500℃〜約700℃、好ましくは約600℃で排出される。複数のノズルは、ヒータベッド112、122、132内に、アスファルト混合物層表面に面して配置されており、該複数のノズルの下面は、アスファルト混合物層表面から上方に約25mm〜約150mm、より好ましくは約50mm〜約120mm、最も好ましくは約70mm〜約100mmの高さに位置している。加熱装置110、120、130の各々のヒータベッド112、122、132の進行方向長さは、約3,000mmである。複数のノズルから排出された熱風は、アスファルト混合物層の表面に吹き付けられた後、1つまたはそれ以上のブロワで回収され、再びバーナーで加熱されて該複数のノズルから排出されることになる。
複数のノズルから排出された熱風は、車両の走行速度すなわち施工速度と、排出される熱風温度とを調節することにより、アスファルト混合物層の表面温度が約250℃以下、好ましくは約230℃以下となり、且つ、該アスファルト混合物層の表面下約40mmの位置の温度が約60℃以上、好ましくは約80℃以上となるように、該アスファルト混合物層の表面に吹き付けられる。このような温度制御で熱風を吹き付けてアスファルト混合物層を加熱することにより、アスファルト混合物層表面の焦げ付きや過熱などによる品質劣化を最小限にしつつ、後述のミラー車両200で掻き解したときのアスファルト混合物が、団粒化しない温度に保たれ、単粒化するために必要な温度になるように、該アスファルト混合物層の温度を効率的に上昇させるとともに、後工程において、骨材をほとんど破砕することなく該アスファルト混合物層の掻き解しを容易にするように効率的に該アスファルト混合物層を軟化させることができる。複数のノズルはヒータベッド112、122、132のカバーに覆われており、それにより、該複数のノズルから排出され、アスファルト混合物層の表面に吹き付けられた熱風を、該カバー外部への漏れを最小限にしつつブロワで効率的に回収することができる。また、熱風がカバー外部に漏れないようにすることで、道路に植物等が隣接する施工場所などでもこれらの植物等に悪影響を与えることなく、作業を行うことができる。
本実施形態においては、2台のプレヒータ車両100を使用し、該プレヒータ車両100の各々にはそれぞれ3台の加熱装置110、120、130を搭載する。このような構成にしたのは、アスファルト混合物層の表面を連続的に加熱するのではなく、複数のプレヒータ車両の複数の加熱装置110、120、130で断続的に加熱することにより、該表面の温度低下および過熱による劣化を防止しながら、該アスファルト混合物層内部への効率的な入熱を可能にするためである。したがって、プレヒータ車両および加熱装置の台数の組み合わせは、アスファルト混合物層の表面の温度低下および過熱による劣化を防止しながら、該表面下約40mmの位置の温度を約60℃以上、好ましくは約80℃以上まで効率的に上昇させることができるものであればよく、例えば、プレヒータ車両を2台以上として、該車両に1台ずつ加熱装置を搭載するようにするか、または、プレヒータ車両1台に2台以上の加熱装置を搭載するようにするなど、様々に変更させてもよい。
また、本実施形態においては、プレヒータ車両100の加熱装置110、120、130として、バーナーによって加熱した熱風を利用してアスファルト混合物層を加熱する熱風ヒータを用いる。しかしながら、加熱装置は、熱風ヒータ以外に、例えば赤外線ヒータ、マイクロ波ヒータ、若しくは直火ヒータを利用して加熱する装置、またはこれらの組み合わせを利用して加熱する装置など、アスファルト混合物層を適切に加熱軟化させることができるものであればよい。
熱風を吹き付けることができる作業幅は、プレヒータ車両100の進行方向と概ね直角の方向に、約3,000mmから約4,500mmまで変化させることができる。この作業幅の変化は、複数のノズルを有するヒータベッド112、122、132をプレヒータ車両100下部に収納できる構造にしておき、これを作業幅に合わせて適宜引き出すことにより伸縮させる方式によって実現することができる。作業幅を変化させる方法は、上記の伸縮方法以外に、例えば複数のノズルを有するヒータベッドを作業時にプレヒータ車両側部に取り付けるアタッチメント方法など、施工条件に合わせて適宜作業幅を変えることができる方法であればよい。
なお、本自走車両システムは、本出願人が製造販売する前述のAR2000同様、毎分4〜5mの平均スピードで自動制御された自走車両システムを移動させることができるものであるため、該システムを構成する車両の各々には、動力装置および操縦装置などの自走に必要な装置を搭載している。しかしながら、本自走車両システム全体を、プレヒータ車両100前方に配置され、該車両100に連結されるトレーラによって、牽引するようにすることもできる。この場合は、車両の各々には動力装置などの自走に必要な装置を搭載せずに、該車両の各々を構成する他の装置を、動力装置などの自走に必要な装置を持たない車台に乗せて走行させるようにしてもよい。また、本自走車両システムの車両の各々には、該車両の各々に搭載される装置の全部または一部を制御するための制御装置を搭載しており、該制御装置により、該車両の各々に搭載される装置をそれぞれ独立に、または、該装置のすべてを同時に、制御することができるようにしているが、このような制御装置を搭載せず、装置の各々を独立にまたは該装置のすべてを同時に、手動で操作するようにしてもよい。
(ミラー車両)
図10は、本実施形態によるミラー車両200を示す。ミラー車両200は、図7の掻き解し・単粒化工程を行うための車両である。ミラー車両200は、プレヒータ車両100によって加熱軟化された既設舗装道路のアスファルト混合物層を引き続き加熱するための1台の加熱装置210と、この加熱装置210によって引き続き加熱されたアスファルト混合物層を掻き解すための2台のグラインダ装置220と、本自走車両システム外から搬入される新たなアスファルト混合物(以下、新材という)を受け入れ、それを後続の配合設計車両300に搬送するための1組の受入/搬送装置231、232とを備える。
前述のように、プレヒータ車両100によって加熱軟化されたアスファルト混合物層は、ミラー車両200のグラインダ装置221、222によって掻き解され、掻き解されたアスファルト混合物は後続の配合設計車両300の配合設計装置310によって分級され、計量されることになる。この配合設計装置310で所望の粒度の骨材に適切に分級するためには、該配合設計装置310に投入されるアスファルト混合物の温度を約90℃〜約150℃、好ましくは約120℃にしておくことが必要である。本自走車両システムでは、掻き解された後のアスファルト混合物全体が概ね上記の温度になるように、掻き解される前のアスファルト混合物層をプレヒータ車両100の加熱装置で加熱する。しかしながら、プレヒータ車両100とミラー車両200との間にはある程度距離があるため、アスファルト混合物層をプレヒータ車両100で加熱した後、ミラー車両200で掻き解すまでの間に、加熱したアスファルト混合物層の表面温度が下がる。外気温などの施工条件によっては、アスファルト混合物層内の温度は所望の温度になっていても、この間の表面温度の低下が著しいことがあり、このような状態のままでは、掻き解されたアスファルト混合物全体の温度を団粒化しない温度に保つことが難しい。
そこで、本実施形態においては、ミラー車両200のグラインダ装置221の前方部に、アスファルト混合物層の表面に対置するように加熱装置210を設けて、プレヒータ車両100によって加熱軟化されたアスファルト混合物層の表面を引き続き加熱し、掻き解した後のアスファルト混合物の温度が上記団粒化しない温度になるように保温する。ミラー車両200の加熱装置210は、プレヒータ車両100の加熱装置110、120、130と同様の装置であり、本実施形態においては熱風ヒータを用いる。しかしながら、この加熱装置は、例えば赤外線ヒータ、マイクロ波ヒータ、若しくは直火ヒータ、またはこれらの組み合わせなど、アスファルト混合物層を団粒化しない温度に保温することが可能な他の装置としてもよい。アスファルト混合物層表面に面して配置された加熱装置210の下面は、該アスファルト混合物層表面から上方に約25mm〜約150mm、より好ましくは約50mm〜約120mm、最も好ましくは約70mm〜約100mmの高さに位置している。
本自走車両システムの全体または一部に発生した障害などが原因で該システムが停止した場合、プレヒータ車両100で加熱したアスファルト混合物層の温度は急速に下がることになる。このような場合、システムが復旧して施工を再開しても、そのままの状態では、掻き解されたアスファルト混合物を団粒化しない温度に保つことができなくなることがある。したがって、ミラー車両200の加熱装置210は、このような場合に掻き解される前のアスファルト混合物層の温度を急速に再上昇させるための非常用加熱装置としての役割も果たす。
本実施形態においては、加熱装置210をミラー車両200のグラインダ装置221の前方部に設けることによって、アスファルト混合物層が一定の温度に保温されるように、掻き解す直前まで加熱する。しかしながら、加熱装置210をミラー車両200のグラインダ装置222の後方部に設けて、掻き解した後のアスファルト混合物を加熱することによって、該アスファルト混合物を団粒化しない温度に保つようにしてもよい。また、本実施形態においては、ミラー車両200に搭載する加熱装置は1台であるが、機構上許されれば、2台またはそれ以上の台数の加熱装置を設けてもよい。
プレヒータ車両100によって加熱軟化され、ミラー車両200の加熱装置210によって引き続き加熱されたアスファルト混合物層は、該ミラー車両200の下部に設けた2台のグラインダ装置221、222を本自走車両システムの移動速度に応じた切削速度で稼働させることによって、路面性状に応じて所望の深さに掻き解される。表面の温度が約230℃、表面下約40mmの位置の温度が約80℃近くになったアスファルト混合物層をこのように掻き解すことにより、掻き解されたアスファルト混合物全体が、団粒化しない温度である約90℃〜約150℃、好ましくは約120℃に保たれ、単粒化アスファルト混合物になる。本実施形態においては、このグラインダ装置221、222はドラムカッターを用いるが、アスファルト混合物層を所定の切削深さ、切削幅、切削速度で掻き解すことができる他の装置でもよい。切削幅は、本出願人らが製造販売するAR2000同様の機構によって、グラインダ装置221、222をその軸方向に伸縮させることにより、約3,000mm〜約4,500mmの間で可変である。
グラインダ装置221、222は、本実施形態においてはミラー車両200の長手方向に前後して2台搭載するが、所望の切削深さ、切削幅、切削速度が維持できればグラインダ装置を1台のみとしてもよく、または、2台では所望の切削深さ、切削幅、切削速度が維持できない場合は3台以上としてもよい。なお、グラインダ装置221、222によって掻き解されたアスファルト混合物は、後の工程での取り扱いを容易にする目的で、作業幅の路上中央部に畝状に集積させることもあり、この場合には、グラインダ装置222の後方部に、例えばブレードなどの、掻き解されたアスファルト混合物を集積させることができる装置を設けてもよい。
本方法においては、例えば再生舗装道路のアスファルト混合物の骨材の粒度、アスファルト量、強度、および機能の調整などの目的で、既設舗装道路のアスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加して、再生アスファルト混合物を生成する場合がある。本実施形態においては、この新材は、新材を積載したトラックなどの搬入車両を本自走車両システム外から本システム内に組み込み、積載された新材が該搬入車両からなくなると該搬入車両が本自走車両システムから離れ、その後、新たな新材を積載した同一のまたは別の搬入車両が再び本自走車両システムに組み込まれることによって、搬入される。新材を積載した搬入車両を組み込む位置は、掻き解されたアスファルト混合物が該搬入車両の走行によって影響を受けないように、グラインダ装置221、222によってアスファルト混合物層が掻き解される前の位置、すなわちミラー車両200の前であることが好ましい。そこで、ミラー車両200には、新材を該ミラー車両200の前部で搬入車両から受け入れ、受け入れた新材を搬送し、該ミラー車両200後部で後続の配合設計車両300に受け渡す受入/搬送装置231、232を設ける。このようにして本自走車両システムに搬入された新材は、ミラー車両200に後続する配合設計車両300の混合装置320および/または路上で添加されることになる。
本実施形態においては、この受入/搬送装置の受入部231として、ミラー車両200の前部にホッパを設ける。受入部231に受け入れられた新材は、該受入部231から排出された新材を受け取ることができるように該受入部231に連続する搬送部と、後続の配合設計車両300との間で新材の受け渡しが可能になるように配置された渡し部とを含む搬送装置232によって、該配合設計車両300に搬送される。本実施形態においては、搬送装置232としてベルトコンベアを利用するが、ベルトコンベア以外であっても、例えばバーフィーダ、スラットコンベア、またはスクリューなど、受入部231から新材を受け取り、該新材を後続の配合設計車両300に受け渡すことが可能な装置であればよい。
新材を、後の工程でアスファルト混合物に添加されるまで団粒化しない温度に保温する目的で、搬送装置232には、搬送される新材を約140℃〜約180℃、好ましくは約160℃に保温するための保温装置を設けることが好ましい。この保温装置は、搬送装置232全体をカバーで覆い、該搬送装置232上を移動する新材を簡易的なバーナーを用いて保温する装置とすることができるが、例えば搬送装置232を電気ヒータで加熱するなど、搬送中の新材を適切に保温できる装置であればよい。なお、本車両システムには、新材を搬送する上記の搬送装置232をはじめとして、例えば掻き解したアスファルト混合物を搬送する装置332、および、分級した再生骨材などを搬送する装置340などの複数の搬送装置が設けられているが、これらの搬送装置のすべてまたは一部に加熱装置を設けて、搬送される材料を保温することが好ましい。
本実施形態においては、上述のように、受入部231をミラー車両200の前部に配置し、新材を、該ミラー車両200の前に組み込んだトラックなどの搬入車両から該受入部231に供給する。しかしながら、新材の搬入車両を本自走車両システムに組み込まず、本自走車両システムと併走させながら、新材を該搬入車両からミラー車両200の受入部231に供給するようにすることもできる。また、新材の受入部231を、ミラー車両200の前部ではなく、配合設計車両300の前部、または、該ミラー車両200もしくは該配合設計車両300のいずれかの側部に設けて、そこに本自走車両システムと併走する搬入車両から新材を供給するようにしてもよい。
(配合設計車両)
図11は、本実施形態による配合設計車両300を示す。配合設計車両300は、図7の篩工程、配合設計工程、および第2混合工程と、必要に応じて新材添加工程、再生用添加剤添加工程、および/または新アスファルト添加工程とを行うための車両である。配合設計車両300は、掻き解され、団粒化しない温度に保たれた単粒化アスファルト混合物を掬い上げ、搬送するための1組の掬い上げ/搬送装置330と、該装置に連続し、該単粒化アスファルト混合物を3つの粒度の骨材に分級するための篩部、および、該篩部によって分級された3つの粒度の骨材(以下、再生骨材という)の各々を計量する計量部を含む配合設計装置310と、配合設計された再生骨材の一部、ならびに、これに必要に応じて添加された新材、軟化剤などの再生用添加剤、および/または、改質剤としての新たなアスファルトを均一に混合するための1台の混合装置320と、該配合設計装置310に連続し、配合設計された再生骨材の一部を該混合装置320に搬送するための1台の搬送装置340とを備える。
配合設計車両300はまた、ミラー車両200の搬送装置232に連続し、該搬送装置から新材を受け取り、受け取った新材を配合設計車両300の混合装置320上部まで搬送し、該混合装置320上部の開口部に排出する1組の受入/搬送/排出装置351、352、353と、第2再生アスファルト混合物に添加する軟化剤などの再生用添加剤のための貯留部361および改質剤としての新たなアスファルトのための貯留部362とを備える。配合設計車両300には、配合設計装置310の篩部で分級された再生骨材のうち使用しない再生骨材を貯留し、貯留された該未使用の再生骨材を該貯留装置から本自走車両システム外に排出するための1組の貯留装置および搬送装置を備えることが好ましい。
ミラー車両200によって掻き解され、団粒化しない温度である約90℃〜約150℃、好ましくは約120℃に保たれた単粒化アスファルト混合物は、掻き解された時点ではまだ路上に置かれている。路上に置かれた単粒化アスファルト混合物は、配合設計車両300の前部に搭載された掬い上げ装置331によって掬い上げられ、該掬い上げ装置331に連続する搬送装置332によって、該搬送装置332に連続する配合設計装置310の篩部の投入口まで搬送される。本実施形態においては、このための掬い上げ/搬送装置330として、配合設計車両300の前部に、単粒化アスファルト混合物を確実に掬い上げるためのオーガと、それに続くスラットコンベアおよびコンベアを設ける。オーガには付加的に、単粒化アスファルト混合物をさらに撹拌する機能もあり、この機能によっても、該混合物は団粒化しない温度に保たれる。なお、掬い上げ/搬送装置330は、オーガ、スラットコンベアおよびコンベア以外に、路上に置かれた単粒化アスファルト混合物を確実に掬い上げて配合設計装置310の篩部の投入口まで運搬することができるものであればよい。
既設舗装道路の密粒度アスファルト混合物層を開粒度アスファルト混合物層に再生する場合、以下の方法を用いる。まず、既設舗装道路から掻き解され、団粒化しない温度に保たれた単粒化アスファルト混合物を、篩によって3つの粒度の再生骨材、すなわち、粒度5mm以下の骨材(以下、再生細骨材という)、粒度5mm超13mm以下の骨材(以下、再生中骨材という)、および、粒度13mm超20mm以下の骨材(以下、再生粗骨材という)に分級する。次に、分級された再生骨材を計量し、計量された再生骨材のうち再生中骨材を除いた2つの粒度の再生骨材、すなわち再生細骨材および再生粗骨材に、必要に応じて新材、軟化剤などの再生用添加剤、および/または、改質剤としての新たなアスファルトを添加して均一に混合し、再生アスファルト混合物層の下層部を構成する第1再生アスファルト混合物を生成する。この第1再生アスファルト混合物は、前述のように、再生細骨材に対する再生粗骨材の重量割合が小さく、例えば30%程度以下であるため、再生粗骨材間の空隙に再生細骨材が密に詰まり、空隙率の低い不透水性のアスファルト混合物になる。一方、分級され、計量された再生骨材のうち再生中骨材に、必要に応じて新材、軟化剤などの再生用添加剤、および/または、改質剤としての新たなアスファルトを添加して均一に混合し、再生アスファルト混合物層の上層部を構成する第2再生アスファルト混合物を生成する。この第2再生アスファルト混合物は、細骨材を含まないため、骨材間に空隙ができるような粒度分布になり、開粒度アスファルト混合物になる。最後に、第1再生アスファルト混合物を路上に配して敷き均し、締め固め、この上に第2再生アスファルトを配して敷き均し、締め固めることによって、最終的に排水性のアスファルト混合物層を得る。
配合設計車両300に搭載する配合設計装置310は、このような方法で再生する排水性のアスファルト混合物層を構成するアスファルト混合物を得るために、事前の性状分析の結果に基づいて、単粒化アスファルト混合物を上記3つの粒度の再生骨材に分級し、計量することにより、配合設計を行う装置である。本実施形態においては、配合設計装置310は、3種類の篩目の篩および該篩を振動させる振動機構を備えた篩部と、該篩部によって分級された再生骨材の各々を計量する計量部と、該篩の目詰まりを防止する篩クリーナとを備える。篩部は、団粒化しない温度に保たれた単粒化アスファルト混合物を、3種類の篩を用いて、上記3つの粒度の再生骨材、すなわち再生細骨材、再生中骨材、再生粗骨材に分級するための装置であり、篩全体が振動機構によって振動するようになっている。3種類の篩の各々は、傾斜して設けられ、上の篩から下の篩へ順に篩目が細かくなるように配置される。篩の各々の篩目は、上から順に、13mm、10mm、5mmである。篩部の投入口から投入された単粒化アスファルト混合物は、まず1枚目の篩によって、13mm超の骨材と13mm以下の骨材とに分級される。この1枚目の篩を通過しない13mm超の骨材が、再生粗骨材となる。次に、1枚目の篩を通過した13mm以下の骨材は、2枚目の篩によって、10mm超の骨材と10mm以下の骨材とに分級され、2枚目の篩を通過した10mm以下の骨材は、3枚目の篩によって、5mm超の骨材と5mm以下の骨材とに分級される。この2枚目、3枚目の篩を通過しなかった骨材が、再生中骨材となる。なお、理論的には、3つの粒度に分級するためには13mmおよび5mmの2種類の篩があればよいが、13mm以下の骨材を5mmの篩1枚で分級すると、該篩への負担が大きくなり、該篩へのアスファルト付着が増加し、適切に分級できなくなる可能性がある。したがって、本実施形態においては、中間に10mmの篩目の篩を追加して、負荷の分散を図っている。最後に、3枚目の篩を通過した骨材は、5mm以下の再生細骨材になる。3枚目の篩を通過するものには、5mm以下の骨材とともに、粘度が低下して流動物状となった既設舗装道路のアスファルトが含まれる。篩部の篩能力は、本自走車両システムの移動速度(作業速度)に応じて、変更することが可能である。篩部によって分級された再生細骨材および再生粗骨材と再生中骨材とは、それぞれ配合設計装置310の計量部によって計量され、配合設計される。
なお、掻き解されたアスファルト混合物は、その温度を団粒化しない温度である約90℃〜約150℃、好ましくは約120℃に保つことのみによって、篩にかけることができる。しかしながら、アスファルト混合物の滑りを良くして篩との摩擦を低減させることにより、より低い温度でも適切に分級することができるようするために、掻き解されたアスファルト混合物に該アスファルト混合物の滑りをよくするための添加剤を加えてもよい。
本実施形態では、3枚の篩を使用して単粒化アスファルト混合物を上記3つの粒度の骨材に分級する。しかしながら、これは好ましい一例を示したものであって、分級する粒度の数はこれに限定されるものではなく、篩の枚数を任意に変更して、単粒化アスファルト混合物を、最終的なアスファルト混合物層に要求される品質を満たすように配合設計することができる数の粒度に分級するようにしてもよい。例えば、篩を1枚のみ用いて、単粒化アスファルト混合物を2つの粒度、すなわち再生粗骨材と再生細骨材とに分級し、そのうち再生細骨材のみを使用して第1再生アスファルト混合物を生成し、再生粗骨材のみを使用して第2再生アスファルト混合物を生成するようにしてもよい。あるいは、3枚以上の篩を用いて、単粒化アスファルト混合物を4つ以上の粒度の再生骨材に分級し、これらの再生骨材を所望のアスファルト混合物の品質を達成することができるように組み合わせてもよい。
また、本実施形態においては、3つの粒度は、それぞれ、5mm以下、5mm超13mm以下、13mm超としたが、これも同様に好ましい一例を示したものであって、これに限定されるものではなく、篩の各々の篩目の大きさを変えて、本実施形態の再生骨材とは異なる粒度の再生骨材を得るようにしてもよい。
分級される単粒化アスファルト混合物は、加熱によってアスファルトの粘度が低下しているとはいえ、篩時間が長くなるに従って徐々に篩の目に付着し、これが原因となって篩性能が低下することがある。この篩性能の低下を防止するために、配合設計装置310には篩クリーナを設けることが好ましい。篩クリーナは、篩面にワイヤにより配置された棒が、篩自身の振動によって揺り動かされることによって篩の目詰まりを防止するものであるが、篩クリーナの機構はこれに限定されるものではなく、例えばブラシを揺動させて目詰まりを防止する機構など、適切に篩の目詰まりを防止することができるものであればよい。また、篩部は、振動機構を備えた振動篩としているが、振動篩以外であっても、単粒化アスファルト混合物を精度良く分級できる機構であればよい。
配合設計装置310の篩部によって分級された3つの粒度の再生骨材のうち再生細骨材および再生粗骨材は、計量部で計量された上で、該配合設計装置310の下部から排出され、路上に配される。路上に配された再生細骨材および再生粗骨材は、後続のミキサ車両400の混合装置410前部の受入口411を介して該混合装置410に受け入れられ、必要に応じて添加された新材、再生用添加剤、および/または、新たなアスファルトと共に均一に混合されて、第1再生アスファルト混合物になる。本実施形態では、第1再生アスファルト混合物を構成する再生細骨材および再生粗骨材を、路上でミキサ車両400の混合装置410に受け渡す方式にしているが、配合設計装置310に連続する別の搬送装置を配合設計車両300に設け、該搬送装置に連続する搬送装置を該ミキサ車両400に設けて、該混合装置410まで搬送するようにしてもよい。
配合設計装置310の篩部によって分級された3つの粒度の再生骨材のうち再生中骨材は、計量部で計量された上で、該配合設計装置310の後部または下部から排出される。排出された再生中骨材は、配合設計装置310に連続する搬送装置340によって配合設計車両300の混合装置320上方部まで搬送されて、該混合装置320上部に設けられた開口部に搬入され、該混合装置320において均一に混合されて第2再生アスファルト混合物になる。本実施形態においては、この搬送装置340はベルトコンベアとするが、例えばバーフィーダ、スラットコンベア、またはスクリューなど、再生中骨材を所望の搬送速度で配合設計車両300の混合装置320の開口部まで搬送することができる装置であればよい。また、本実施形態においては、第2再生アスファルト混合物を生成するための混合装置320はパグミルミキサを使用するが、この混合装置320は、再生中骨材と、必要に応じて添加された新材、軟化剤などの再生用添加剤、および/または、改質剤としての新たなアスファルトとを均一に混合することができる装置であればよい。なお、混合装置320の開口部は、該混合装置の上部に限らず、該混合装置の前部又は側部に設けてもよい。
本実施形態では、再生細骨材および再生粗骨材を均一に混合して第1再生アスファルト混合物を生成するが、この2つの粒度の再生骨材のうち再生細骨材の全部または一部のみを用いて第1再生アスファルト混合物を生成してもよい。この場合、未使用の再生粗骨材および再生細骨材の一部は、未使用再生骨材貯留部を介して本自走車両システム外に搬出し、別の用途に利用するか、または、その一部若しくは全部を、第2再生アスファルト混合物の骨材として用いることができる。また、本実施形態では、再生中骨材を用いて第2再生アスファルト混合物を生成するが、再生中骨材ではなく、再生粗骨材のみを用いて第2の再生アスファルト混合物を生成してもよい。
配合設計車両300の混合装置320と、配合設計装置310から排出された再生中骨材を該混合装置320の開口部まで搬送する搬送装置340とは、再生アスファルト混合物層を2層構造にする必要がない場合、例えば、舗装道路の密粒度アスファルト混合物層、開粒度アスファルト混合物層、または他のアスファルト混合物層を掻き解し、掻き解したアスファルト混合物の全部または一部を再配合設計して1層の再生アスファルト混合物層にする場合などには、使用しないこともある。このような場合は、配合設計装置310によって必要に応じて分級され、計量された再生骨材を該配合設計装置310から排出して路上に配し、これと必要に応じて添加された新材、再生用添加剤、および/または、新たなアスファルトとを、後述のミキサ車両400の混合装置410のみを用いて均一に混合して、1種類の再生アスファルト混合物とすることになる。
本方法においては、第2再生アスファルト混合物の粒度調整、アスファルト混合物層の強度調整、または機能付加などのために、事前の性状分析の結果に基づいて、該第2再生アスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加することがある。この新材は、ミラー車両200に設けられた搬送装置232によって、該ミラー車両200の後端まで搬送される。配合設計車両300には、この搬送装置232に連続する新材受入装置351と、該配合設計車両300の前部から配合設計装置310の上部を通過して該配合設計車両300後部に至る新材搬送装置352と、該新材搬送装置352の後端に配置され、該新材搬送装置352によって搬送された新材を排出する排出装置353とを設ける。この排出装置353から新材を排出させて、該新材を該排出装置353下方部に設けられた混合装置320に投入する。本実施形態においては、配合設計車両300の新材受入/搬送/排出装置351、352、353はベルトコンベアとするが、例えばバーフィーダ、スラットコンベア、またはスクリューなど、新材を所望の搬送速度で搬送することができる装置であればよい。
本実施形態においては、新材を第2再生アスファルト混合物に添加するようにしているが、再生アスファルト混合物層の粒度または強度の調整、機能の付加などの目的で、下層の第1再生アスファルト混合物にも新材を添加することがある。また、再生アスファルト混合物層を2層構造にする必要がない場合には、新材を、配合設計装置310から排出されて路上に配された再生骨材に添加することもある。このような場合のために、配合設計車両300の新材搬送装置352の途中にも排出装置を設けて、該搬送装置によって搬送される新材の全部または一部を該排出装置から排出し、配合設計装置310から排出され路上に配された再生骨材に添加するようにしてもよい。
新材とは別に、事前の性状分析の結果に基づいて、再生中骨材に、軟化剤などの再生用添加剤および/または改質剤としての新たなアスファルトを添加する場合がある。再生用添加剤は、アスファルト混合物の針入度の調整、劣化したアスファルトの性状回復などの目的で添加され、新たなアスファルトは、アスファルト混合物の強度調整、骨材の飛散防止などの目的で添加される。再生用添加剤には、エマルジョン系とオイル系のものとがあり、これらに要求される品質については、非特許文献1の221頁に示されている。本実施形態においては、配合設計車両300の配合設計装置310の後方部に、再生用添加剤を貯留するための貯留部361と、新たなアスファルトを貯留するための貯留部362とを設ける。貯留部361、362に貯留された再生用添加剤および/または新たなアスファルトは、該貯留部から延びる配管をそれぞれ通って、再生中骨材を搬送する搬送装置340上の再生中骨材に添加される。なお、軟化剤などの再生用添加剤の貯留部および改質剤としての新たなアスファルトの貯留部の位置は、配合設計装置310の後方部に限定されるものではなく、再生中骨材と必要に応じて添加された新材とが混合装置320で均一に混合される前のいずれかの場所で、再生用添加剤および/または新たなアスファルトを添加することができるような位置に貯留部を設ければよい。したがって、再生用添加剤の場合であれば、貯留部を、例えばミラー車両200のグラインダ装置222の後方部および/または配合設計車両300の混合装置320の近傍に設け、そこから配管を通して、グラインダ装置220により掻き解された後のアスファルト混合物、および/または、混合装置320で均一に混合される前の再生中骨材に、再生用添加剤を添加するようにしてもよい。また、新たなアスファルトの場合であれば、貯留部を、例えば配合設計車両300の混合装置320の近傍に設け、そこから配管を通して、該混合装置320で均一に混合される前の再生中骨材に、新たなアスファルトを添加するようにしてもよい。
例えば、既設舗装道路のアスファルト混合物の性状もしくは再生後のアスファルト混合物層の所望の性状によっては、または、再生後の舗装道路の高さを調整する必要がある場合には、分級された再生骨材のうちの或る粒度または複数粒度の再生骨材の一部または全部を配合設計に用いない場合がある。このような場合には、未使用の再生骨材を本自走車両システム外に排出する必要が生じる。本自走車両システムでは、このための貯留装置と搬送装置とを設けて、未使用の再生骨材を該貯留装置に貯留し、貯留された該再生骨材を搬出装置によって本自走車両システム外に搬出することが好ましい。
(ミキサ車両)
図12は、本実施形態によるミキサ車両400を示す。ミキサ車両400は、図7の第1混合工程および敷き均し・締め固め工程と、必要に応じて再生用添加剤添加工程および/または新アスファルト添加工程とを行うための車両である。ミキサ車両400は、再生細骨材および再生粗骨材、ならびに、必要に応じて添加される新材、軟化剤などの再生用添加剤、および/または改質剤としての新たなアスファルトを均一に混合して第1再生アスファルト混合物を生成するための1台の混合装置410と、配合設計車両300の混合装置320の後部の排出口に連続する1組の搬入/搬送/排出装置421、422、423と、該第1再生アスファルト混合物および第2再生アスファルト混合物をそれぞれ敷き均し、締め固めるための2組の敷き均し/締め固め装置430、440と、再生細骨材および再生粗骨材に添加する軟化剤などの再生用添加剤のための貯留部451および改質剤としての新たなアスファルトのための貯留部452とを備える。
配合設計車両300の配合設計装置310の下部から排出されて路上に配された再生細骨材および再生粗骨材と必要に応じて添加された新材とは、必要に応じて軟化剤などの再生用添加剤および/または改質剤としての新たなアスファルトが添加された上で、ミキサ車両400の混合装置410前部に路面に対置するように設けられた受入口411から受け入れられる。これらを混合装置410で均一に混合することによって、再生アスファルト混合物層の下層部の不透水性層を構成する第1再生アスファルト混合物が生成される。本実施形態においては、この第1再生アスファルト混合物を生成するための混合装置410はパグミルミキサを使用するが、この混合装置410は、再生細骨材および再生粗骨材と、必要に応じて添加された新材、再生用添加剤、および/または、新たなアスファルトとを均一に混合することができる装置であればよい。混合装置410で生成された第1再生アスファルト混合物は、該混合装置410後方部に設けられた2組の敷き均し/締め固め装置のうちの前方の敷き均し/締め固め装置430の前から路上に配される。
配合設計車両300において生成された第2再生アスファルト混合物をミキサ車両400に搬入するために、該ミキサ車両400には、該配合設計車両300の混合装置320の排出口に連続する搬入装置421を設ける。この搬入装置421によってミキサ車両400前部から搬入された第2再生アスファルト混合物は、搬送装置422によって搬送されて、該ミキサ車両400の混合装置410上部を通過した後、該混合装置410後方部に設けられた2組の敷き均し/締め固め装置のうちの後方の敷き均し/締め固め装置440の前から路上に配される。本実施形態においては、この搬送装置はベルトコンベアとするが、例えばバーフィーダ、スラットコンベアまたはスクリューなど、再生中骨材を所望の搬送速度で搬送することができる装置であればよい。
第1再生アスファルト混合物を構成する再生細骨材および再生粗骨材には、第2再生アスファルト混合物を構成する再生中骨材の場合と同様に、事前の性状分析の結果に基づいて、軟化剤などの再生用添加剤および/または改質剤としての新たなアスファルトを添加する場合がある。本実施形態においては、ミキサ車両400の混合装置410の前方部に、再生用添加剤を貯留するための貯留部451と、新たなアスファルトを貯留するための貯留部452とを設ける。貯留部451、452に貯留された再生用添加剤および/または新たなアスファルトは、該貯留部から延びる配管をそれぞれ通って、路上に配された再生細骨材および再生粗骨材に添加される。なお、軟化剤などの再生用添加剤の貯留部および改質剤としての新たなアスファルトの貯留部の位置は、混合装置410の前方部に限定されるものではなく、再生細骨材および再生粗骨材と必要に応じて添加された新材とが混合装置410で均一に混合される前のいずれかの場所で、再生用添加剤および/または新たなアスファルトを添加することができるような位置に貯留部を設ければよい。したがって、再生用添加剤の場合であれば、貯留部を、例えばミラー車両200のグラインダ装置222の後方部、配合設計車両300の配合設計装置310の後方部、および/または配合設計車両300の混合装置320の近傍に設け、そこから配管を通して、グラインダ装置220により掻き解された後のアスファルト混合物、および/または、配合設計装置310により分級され、計量された後の再生粗骨材および再生細骨材に、再生用添加剤を添加するようにしてもよい。また、新たなアスファルトの場合であれば、貯留部を、例えば配合設計車両300の配合設計装置310の後方部および/または配合設計車両300の混合装置320の近傍に設け、そこから配管を通して、配合設計装置310により分級され、計量された後の再生粗骨材および再生細骨材に、新たなアスファルトを添加するようにしてもよい。
路上に配された第1再生アスファルト混合物および第2再生アスファルト混合物は、いずれも作業幅の路上中央部付近に配され、ミキサ車両400の混合装置410後方部に設けられた2組の敷き均し/締め固め装置430、440によって、それぞれ所定の幅にまで掻き広げた上で、敷き均し、締め固められる。2組の敷き均し/締め固め装置430、440は、それぞれ、1組のオーガ431、441およびスクリード432、442から構成される。路上に配された第1再生アスファルト混合物は、最初に、2組の敷き均し/締め固め装置のうちの前方の敷き均し/締め固め装置430のオーガ431によって所定の幅にまで掻き広げられ、敷き均された後、該オーガ431後方部に設けられたスクリード432により締め固められて、第1再生アスファルト混合物層を形成する。第2再生アスファルト混合物は、2組の敷き均し/締め固め装置のうちの前方の敷き均し/締め固め装置430によって第1再生アスファルト混合物が敷き均され、締め固められた後の路上に配され、該2組の敷き均し/締め固め装置のうちの後方の敷き均し/締め固め装置440のオーガ441によって所定の幅にまで掻き広げられ、敷き均された後、該オーガ441後方部に設けられたスクリード442により締め固められ、第2再生アスファルト混合物層が形成される。なお、再生アスファルト混合物層を2層構造にする必要がない場合には、2組の敷き均し/締め固め装置430、440のうちの一方のみを用いればよい。
本実施形態においては、2組の敷き均し/締め固め装置430、440を用い、該装置の各々には、敷き均し部としてオーガ431、441を、および、締め固め部としてスクリード432、442を設ける。しかしながら、路上に配された再生アスファルト混合物を所定の幅にまで適切に掻き広げ、敷き均し、締め固めることができれば、敷き均し/締め固め装置の台数、敷き均し/締め固め装置の各々を構成する敷き均し部および締め固め部の台数を、様々に変更してもよい。
再生アスファルト混合物層を構成する第1再生アスファルト混合物層および第2再生アスファルト混合物層は、ミキサ車両400に設けられた敷き均し/締め固め装置430、440によって敷き均され、締め固められる。しかしながら、ミキサ車両400の敷き均し/締め固め装置430、440のみでは完全には締め固められず、そのままでは、再生舗装道路として供用することができない。したがって、第1再生アスファルト混合物層および第2再生アスファルト混合物層を、それぞれミキサ車両400の2組の敷き均し/締め固め装置430、440によって締め固めた後に、該2層を同時に転圧して、再生舗装道路として最終的に仕上げることが必要であり、この目的のために、本自走車両システムの最後尾のミキサ車両の後方に、別途締め固め装置を組み込む。この締め固め装置は、既存の工法でも用いられているものであり、例えばロードローラ、タイヤローラ、または振動ローラなどを用いることができる。
図1は、一般的なアスファルト舗装の断面図である。
図2は、一般的な排水性舗装の断面図である。
図3は、密粒度アスファルト混合物の粒度分布図である。
図4は、開粒度アスファルト混合物の粒度分布図である。
図5は、アスファルトの温度と粘度の関係図である。
図6は、アスファルトの平均温度パターンのシミュレーション結果を示す図である。
図7は、本発明の実施形態による、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する方法の工程図である。
図8、本発明の実施形態による、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生するための自走車両システムである。
図9は、本発明の実施形態によるプレヒータ車両である。
図10は、本発明の実施形態によるミラー車両である。
図11は、本発明の実施形態による配合設計車両である。
図12は、本発明の実施形態によるミキサ車両である。

Claims (29)

  1. 自走車両システムを移動させながら、舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する方法であって、
    a.前記アスファルト混合物層を加熱軟化させる工程と、
    b.加熱軟化された前記アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする工程と、
    c.単粒化された前記アスファルト混合物を複数の粒度群に分級させる篩工程と、
    d.分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する工程と、
    e.配合設計された前記再生アスファルト混合物を均一に混合させる工程と、
    f.均一に混合された前記再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、再生アスファルト混合物層にする工程と、
    を含む方法。
  2. 前記アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする前記工程および/または分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、軟化剤などの再生用添加剤を添加する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、分級された前記複数の粒度群のうちの未使用の粒度群を貯留し、排出する工程を含み、貯留された該未使用の粒度群を前記自走車両システムから排出することを特徴とする請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、配合設計された前記再生アスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加する工程を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 配合設計された前記再生アスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加する前記工程が、該新たなアスファルト混合物(新材)を添加された再生アスファルト混合物に改質剤としての新たなアスファルトを添加する工程をさらに含む請求項4に記載の方法。
  6. 均一に混合された前記再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、再生アスファルト混合物層にする前記工程が、均一に混合された前記再生アスファルト混合物を上下層に敷き均し、締め固めて2層構造にする工程を含み、前記上下層の該下層を少なくとも不透水性の再生アスファルト混合物層にすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 自走車両システムを移動させながら、舗装道路のアスファルト混合物層を開粒度アスファルト混合物層に路上で連続的に再生する方法であって、
    a.前記アスファルト混合物層を加熱軟化させる工程と、
    b.加熱軟化された前記アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする工程と、
    c.単粒化された前記アスファルト混合物を複数の粒度群に分級させる篩工程と、
    d.分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する工程と、
    e.配合設計された前記再生アスファルト混合物を均一に混合させる工程とを含み、
    f.均一に混合させる前記工程が、
    (a)配合設計された前記再生アスファルト混合物の一部を均一に混合することにより不透水性の再生アスファルト混合物を構成する第1再生アスファルト混合物にする工程と、
    (b)配合設計された前記再生アスファルト混合物の残りの全部または一部を均一に混合することにより透水性の再生アスファルト混合物を構成する第2再生アスファルト混合物にする工程とからなり、さらに
    g.前記第1再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、不透水性の再生アスファルト混合物層にする工程と、
    h.不透水性の前記再生アスファルト混合物層上に、前記第2再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、透水性の再生アスファルト混合物層にする工程と
    を含む方法。
  8. 加熱軟化された前記アスファルト混合物層を掻き解し、団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする前記工程および/または分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、軟化剤などの再生用添加剤を添加する工程をさらに含む請求項に記載の方法。
  9. 単粒化された前記アスファルト混合物を複数の粒度群に分級させる前記篩工程が、単粒化された前記アスファルト混合物を細骨材と粗骨材との2つの群に、または細骨材と中骨材と粗骨材との3つの群に分級させる篩工程であることを特徴とする請求項7および8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、分級された前記複数の粒度群のうちの未使用の粒度群を貯留し、排出する工程を含み、貯留された前記未使用の粒度群を前記自走車両システムから排出することを特徴とする請求項7からのいずれか1項に記載の方法。
  11. 分級された前記複数の粒度群の各々を用い、前記アスファルト混合物を再生アスファルト混合物に配合設計する前記工程が、配合設計された前記再生アスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加する工程を含む請求項7から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 配合設計された前記再生アスファルト混合物に新たなアスファルト混合物(新材)を添加する前記工程が、該新たなアスファルト混合物(新材)を添加された再生アスファルト混合物に改質剤としての新たなアスファルトを添加する工程をさらに含む請求項11に記載の方法。
  13. 移動しながら舗装道路のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する、プレヒータ車両、ミラー車両、配合設計車両、およびミキサ車両からなる自走車両システムであって、
    a.前記アスファルト混合物層を加熱軟化させる装置が路面に対置するように設けられたプレヒータ車両と、
    b.前記プレヒータ車両により加熱軟化された前記アスファルト混合物層を団粒化しない温度に保ち、単粒化されたアスファルト混合物にする掻き解し装置が設けられたミラー車両と、
    c.前部に、掻き解された前記アスファルト混合物を掬い上げ、搬送する装置と、該装置に連続して、搬送された前記アスファルト混合物を複数の粒度群に分級させる篩部および該篩部により分級された前記複数の粒度群の各々を計量する計量部を含む、分級され、計量された前記複数の粒度群の全部または一部を路面に配する配合設計装置とが設けられた配合設計車両と、
    d.路面に対置し、受入口を前部に、かつ排出口を後部に備え、路面に配された前記複数の粒度群の全部または一部を受け入れ、均一に混合し、排出するパグミルなどの混合装置と、該混合装置の後方部に、均一に混合され、排出された前記複数の粒度群の全部又は一部を敷き均し、締め固め、再生アスファルト混合物層にする1組またはそれ以上のオーガ及びスクリードなどの敷き均し/締め固め装置を前後するように設けられたミキサ車両と、
    からなる自走車両システム。
  14. 前記プレヒータ車両が1つまたはそれ以上の車両を含み、それぞれが少なくとも1つまたはそれ以上の加熱装置を前記アスファルト混合物層に対置するように備え、該アスファルト混合物層を加熱軟化させることを特徴とする請求項13に記載の自走車両システム。
  15. 前記ミラー車両の掻き解し装置が1つまたはそれ以上のグラインダ装置を含む請求項13および14のいずれかの1項に記載の自走車両システム。
  16. 前記ミラー車両が、前記掻き解し装置の前方部に、前記アスファルト混合物層を引き続き加熱軟化させる加熱装置を前記アスファルト混合物層に対置するようにさらに備え、該アスファルト混合物層を加熱軟化させることを特徴とする請求項13から15のいずれかの1項に記載の自走車両システム。
  17. 前記ミラー車両の前記掻き解し装置の後方部に、および/または前記配合設計車両の前記配合設計装置の後方部かあるいは前記ミキサ車両の前記混合装置の前方部に軟化剤などの再生用添加剤のための貯留部を備え、前記掻き解し装置により掻き解された前記アスファルト混合物に、および/または前記配合設計装置により分級され、計量された前記アスファルト混合物に軟化剤などの再生用添加剤を添加することを特徴とする請求項13から16のいずれか1項に記載の自走車両システム。
  18. 前記ミラー車両が、前部にホッパなどの受入部と上部にコンベアなどの搬送部と後部に渡し部を含む受入/搬送装置をさらに備え、前記自走車両システム外から団粒化しない温度で搬入される新たなアスファルト混合物(新材)を受け入れ、前記配合設計車両へ搬送することを特徴とする請求項13から17のいずれか1項に記載の自走車両システム。
  19. 前記配合設計車両の前記配合設計装置に含まれる前記篩部が、単粒化されたアスファルト混合物を少なくとも細骨材と粗骨材との2群に分級するかまたは細骨材と中骨材と粗骨材との3群に分級する篩部であることを特徴とする請求項13から18のいずれか1項に記載の自走車両システム。
  20. 前記配合設計車両の前記配合設計装置に含まれる前記計量部が、前記複数の粒度群に分級された粒度群の各々を計量する計量部であることを特徴とする請求項13から19のいずれか1項に記載の自走車両システム。
  21. 前記配合設計車両が、分級された前記複数の粒度群のうちの未使用の粒度群を貯留するための貯留装置をさらに備え、貯留された前記未使用の粒度群を前記貯留装置から前記自動車両システム外に排出することを特徴とする請求項13から20のいずれか1項に記載の自動車両システム。
  22. 前記配合設計車両が、前記ミラー車両の前記受入/搬送装置から前記新たなアスファルト混合物(新材)を団粒化しない温度で受け入れ、搬送し、排出する受入/搬送/排出装置と、該受入/搬送/排出装置の排出部が前後2つの排出部を含み、前方の排出部から、前記配合設計装置により路面に配された前記複数の粒度群の全部または一部に、前記新たなアスファルト混合物(新材)を添加し、前記ミキサ車両の前記混合装置により、均一に混合することを特徴とする請求項18から21のいずれか1項に記載の自走車両システム。
  23. 前記ミキサ車両が、該車両の前記混合装置の前方部に改質剤としての新たなアスファルトを貯留するためのタンクなどの貯留部をさらに備え、前記配合設計車両の前記配合設計装置により路面に配された前記複数の粒度群の全部または一部に前記新たなアスファルトを添加し、前記混合装置により、均一に混合することを特徴とする請求項22に記載の自走車両システム。
  24. 前記配合設計車両が、該車両の前記受入/搬送/排出装置の後方の排出部の近傍に、開口部および排出口を設けたパグミルなどの混合装置と、該混合装置および前記配合設計装置の間に、分級され、計量された前記複数の粒度群の一部を受け入れ、搬送し、前記混合装置へ搬入するコンベアなどの搬入装置とをさらに備え、前記混合装置の開口部から前記複数の粒度群の一部を搬入し、かつ前記新たなアスファルト混合物(新材)を添加し、前記混合装置により、均一に混合することを特徴とする請求項22および23のいずれか1項に記載の自走車両システム。
  25. 前記配合設計車両が、該車両の前記混合装置の近傍に改質剤としての新たなアスファルトを貯留するためのタンクなどの貯留部をさらに備え、前記混合装置により均一に混合される前記複数の粒度群の一部に前記新たなアスファルトを添加することを特徴とする請求項24に記載の自走車両システム。
  26. 前記配合設計車両の前記混合装置が、分級され、計量された前記複数の粒度群のうちの一部に、前記新たなアスファルト混合物(新材)および/または新たなアスファルトを添加し、均一に混合し、第2再生アスファルト混合物を構成し、かつ前記ミキサ車両の前記混合装置が、分級され、計量された前記複数の粒度群のうちの残りの全部または一部に、前記新たなアスファルト混合物(新材)および/または新たなアスファルトを添加し、均一に混合し、第1再生アスファルト混合物を構成することを特徴とする請求項24および25のいずれか1項に記載の自走車両システム。
  27. 前記ミキサ車両が、前記混合装置の後方部に2組のオーガ及びスクリードなどの敷き均し/締め固め装置を前後するように設けられ、第1組の前記敷き均し/締め固め装置が、前記第1再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、第1再生アスファルト混合物層にし、次に、第2組の前記敷き均し/締め固め装置が、前記第1再生アスファルト混合物層上に、前記第2再生アスファルト混合物を敷き均し、締め固め、第2再生アスファルト混合物層にし、2層構造の再生アスファルト混合物層にすることを特徴とする請求項26に記載の自走車両システム。
  28. 少なくとも前記第1再生アスファルト混合物層が、不透水性の再生アスファルト混合物層であることを特徴とする請求項27に記載の自走車両システム。
  29. 前記第2再生アスファルト混合物層が、開粒度再生アスファルト混合物層であることを特徴とする請求項27に記載の自走車両システム。
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