JP4024293B1 - アスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置 - Google Patents

アスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4024293B1
JP4024293B1 JP2007520599A JP2007520599A JP4024293B1 JP 4024293 B1 JP4024293 B1 JP 4024293B1 JP 2007520599 A JP2007520599 A JP 2007520599A JP 2007520599 A JP2007520599 A JP 2007520599A JP 4024293 B1 JP4024293 B1 JP 4024293B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion gas
asphalt surface
temperature combustion
temperature
asphalt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007520599A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008068877A1 (ja
Inventor
弘明 入江
文夫 後藤
篤樹 五味
隆 奥野
正典 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Green Arm Co Ltd
Original Assignee
Green Arm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Green Arm Co Ltd filed Critical Green Arm Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP4024293B1 publication Critical patent/JP4024293B1/ja
Publication of JPWO2008068877A1 publication Critical patent/JPWO2008068877A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E01CONSTRUCTION OF ROADS, RAILWAYS, OR BRIDGES
    • E01CCONSTRUCTION OF, OR SURFACES FOR, ROADS, SPORTS GROUNDS, OR THE LIKE; MACHINES OR AUXILIARY TOOLS FOR CONSTRUCTION OR REPAIR
    • E01C23/00Auxiliary devices or arrangements for constructing, repairing, reconditioning, or taking-up road or like surfaces
    • E01C23/14Auxiliary devices or arrangements for constructing, repairing, reconditioning, or taking-up road or like surfaces for heating or drying foundation, paving, or materials thereon, e.g. paint
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E01CONSTRUCTION OF ROADS, RAILWAYS, OR BRIDGES
    • E01CCONSTRUCTION OF, OR SURFACES FOR, ROADS, SPORTS GROUNDS, OR THE LIKE; MACHINES OR AUXILIARY TOOLS FOR CONSTRUCTION OR REPAIR
    • E01C23/00Auxiliary devices or arrangements for constructing, repairing, reconditioning, or taking-up road or like surfaces
    • E01C23/06Devices or arrangements for working the finished surface; Devices for repairing or reconditioning the surface of damaged paving; Recycling in place or on the road
    • E01C23/065Recycling in place or on the road, i.e. hot or cold reprocessing of paving in situ or on the traffic surface, with or without adding virgin material or lifting of salvaged material; Repairs or resurfacing involving at least partial reprocessing of the existing paving
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23DBURNERS
    • F23D91/00Burners specially adapted for specific applications, not otherwise provided for
    • F23D91/02Burners specially adapted for specific applications, not otherwise provided for for use in particular heating operations

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Architecture (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Road Repair (AREA)
  • Road Paving Structures (AREA)
  • Road Paving Machines (AREA)

Abstract

アスファルト表層の加熱領域に温度ムラのない高温燃焼ガス層を形成することによって、既設舗装道路の補修や路上再生工法等におけるアスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置を提供する。本方法は、送風手段を備えた高温燃焼ガス発生部が、高温燃焼ガスを発生する段階と、アスファルト表面に面する複数ノズル孔を有する円弧状放射面からなる断面円形ダクトを移動の長手方向に一定間隔に複数併置して簀の子状に構成した格納部を該アスファルト表面の上方に配して、その送風手段が、高温燃焼ガス発生部に連通する格納部に設けた中央ダクトを介して、断面円形ダクトの各々に高温燃焼ガスを均一に供給する段階と、その送風手段によって複数ノズル孔から放射される高温燃焼ガスが、格納部を覆うようにアスファルト表面に対して開放面を有するフードによって形成されるアスファルト表面上に、ほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成する段階と、を含む。複数ノズル孔は、アスファルト表面上にほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成するように、アスファルト表面との距離、配置及び大きさが適宜選択される。
【選択図】図4

Description

本発明は、アスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置に関し、より具体的には、移動しながら、アスファルト混合物を敷設した舗装道路等のアスファルト表面上の加熱領域にほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成して、加熱領域のアスファルト表層を順次加熱軟化する加熱方法及び装置に関する。
舗装道路は、通常、図1にみるように、路床と路盤とアスファルト混合物層の3層構造からなり、締め固められた路床上に、アスファルト舗装の材料になる砂及び骨材にセメントや石油アスファルト乳剤などの安定剤を添加して締め固められた路盤があり、その路盤上にアスファルト混合物からなる基層と表層とが締め固められる。一般的に、舗装とは「路盤+アスファルト混合物層」をいい、アスファルト混合物層は基層と表層の2層構造であり、いずれもバインダ(結合剤)となるアスファルトと、砂及び砕石などの骨材と、骨材間の隙間を埋める石灰石の粉末である石粉(フィラー)とから構成される。
アスファルト混合物層の基層及び表層部分の厚みは、それらに含まれる骨材の最大粒径が約20mm程度であり、通常、それらの2〜3倍程度の厚みに設計されるために40〜50mm程度であり、アスファルト混合物層全体では80〜100mm程度となる。アスファルト混合物層の基層部分は、一般に、粒径0.075mm以上から5mm以下の骨材を含み、粒径間の空隙率が4%程度の不透水性の「密粒度アスファルト混合物層」に構成されており、この基層上の表層部分は、同様の不透水層にする場合と、粒径5mm以下の骨材を少なくして骨材間の空隙率が20%程度の透水性の「開粒度アスファルト混合物層」にする場合とがある。
骨材間のバインダ(結合剤)になるアスファルトには、粘度を高めるための改質剤等が添加された改質アスファルトがある一方で、手を加えていないストレートアスファルトがあるが、図2の温度と粘度との関係に見るように、いずれも加熱によって180°C前後になると、アスファルトの粘性が低下してアスファルト混合物層を液状化し、そこに含まれる骨材がばらばら状態になる。これを称してアスファルトで被覆された骨材の単粒化という。一方、アスファルトが冷やされ100°Cを下回るようになると、アスファルトの粘性が高まり骨材を含むアスファルト混合物が固まり始まる。これを称してアスファルトで被覆された骨材の団粒化という。常温においては、骨材を含むアスファルト混合物が完全に固形化される。図3に示すシミュレーションによると、団粒化しない温度は約120°Cである。
アスファルト混合物層の表層部分は、長期間、車両の頻繁な通過による路面の磨耗や風雨に曝され、例えば外気温の上昇などによるアスファルトの軟化にともなうアスファルト混合物層の流動化などによって、「わだち掘れ」といわれる凹凸やアスファルトの劣化にともなうひび割れなどを発生する。これまで既設舗装道路の路上における補修及びアスファルト表層の再生工法について様々な提案がなされてきた。その典型的な路上表層再生工法と称されるのが、リペーブ方式及びリミックス方式である(非特許文献1)。いずれもアスファルト表層部分を再生用加熱ヒータで加熱軟化して掻き解し旧材として再利用する方式である。リペーブ方式は、品質を改善する必要がない程度か又は軽微な改善で間に合うアスファルト表層を旧材として加熱軟化して掻き解し、スクリード等で敷き均し締め固め、その旧材上に、別途プラント等で製造され作業現場に搬入される新アスファルト混合物(新材)を同様に敷き均し締め固めて2層化する方式である。これに対してリミックス方式は、再生用添加剤や新材及び/又は新アスファルトを、加熱軟化して掻き解された旧材に加えて混合し、旧材の粘度やアスファルトの結合力等を改善して1層化する方式である。こうした路上表層再生工法に限定されるものではないが、特許文献1〜3は、移動しながらアスファルト表面に高温燃焼ガスを連続放射して、アスファルト表層の約40〜50mmを掻き解し旧材として敷き均し締め固めることができる程度に加熱軟化する加熱方法及び装置に関するものである。
アスファルトは、粒子分のアスファルテンと油分のマルテンとからなる。アスファルト混合物が老化すると、マルテンが減少硬化し浮遊状態のアスファルテンの割合が増して、結果的にアスファルトの粘度が低下する。アスファルト混合物を旧材として再利用するときは、通常、アスファルト表層の40〜50mmを一旦加熱軟化して掻き解し、一連の施工工程によって軟化剤等の再生用添加剤を投入し、新アスファルト混合物(新材)及び/又は改質剤等の新アスファルトを加えて混合し、スクリード等で敷き均し締め固めなければならない。特許文献1〜3は、こうした施工法に適用できるアスファルト表層の加熱軟化のための加熱方法及び装置であり、これによって、アスファルト表層の40〜50mmを掻き解せる程度に加熱軟化できればよい。例えば、特許文献1及び2は、アスファルト表面に面する格納部の底面が実質的に平らな形状の放射面を備え、高温燃焼ガスが、放射面に設けた複数ノズル孔から垂直にアスファルト表面に直接放射される。その際に、当然のことながら、アスファルト表層の表面部分と深度約40〜50mmの部分とに間に温度差が生じる。図3に示したシミュレーションによると、アスファルト表層を掻き解したときに、アスファルトで被覆された骨材の完全な単粒化のためには、掻き解されたアスファルト混合物の高温の表面部分と低温の深度約40〜50mmの部分とが混合された後に、その平均温度が約120℃になる必要があり、そのための温度差は、表面温度が約230℃で深度約40〜50mmの温度が80℃程度でなければならない。表面温度が250℃以上になるとアスファルト表層の焦げ付きや過熱による品質劣化をもたらす一方、深度約40〜50mmの温度が60℃以下ならば、一部に団粒化状態の骨材が残ると共に、掻き解しのときに骨材を破損し、旧材として再利用された際に新アスファルトの品質が低下する。
燃焼効率の観点からすると、高温燃焼ガスの温度は、通常、約550℃〜約750℃、好ましくは約650℃程度である。また、作業効率の観点からは、移動は毎分約4〜約5mの平均速度に設定されるのが好ましい。ところが、骨材の完全な単粒化のためには、直接放射される高温燃焼ガスの設定温度を上げるか又は移動の平均速度を制限して、加熱領域の表面温度を250℃以上にするしかない。その結果は、燃焼効率や作業効率を低下させるだけでなく、アスファルト表面を焦げ付かせ、過熱によってその性能を一段と劣化させることになる。特許文献2は、直接放射される高温燃焼ガスの温度を制御する手段を特徴の1つとし、特許文献1は、アスファルト表面への直接放射による対流熱と、高温燃焼ガスによって加熱させた実質的に平らな形状の放射面自体の輻射熱との相互作用で加熱する方法及び装置を提案しているが、いずれの場合もアスファルト表面の高温燃焼ガスに直接放射される部分とその周辺部分と間に温度差を発生するのは避けがたい。つまり、従来工法は、表面温度を250℃以下で好ましくは約230℃に、かつ深度約40〜50mmの温度を60℃以上で好ましくは約80℃程度に均一に加熱することができない。したがって、アスファルトで被覆された骨材を完全に単粒化するようにアスファルト表層を加熱軟化することができない。すなわち、特許文献1及び2は、アスファルト表面の加熱領域に、温度差にムラのない均一な高温燃焼ガス層が形成され、アスファルト表層を劣化させることなく加熱軟化させることができるものではない。また、特許文献3は、熱風をアスファルト表面に対して垂直に吹く付け、熱風によって移動の幅方向に加熱線を形成しているが、アスファルト表面に熱風加熱領域を形成するものでもない。
ところが、本発明の共同出願人にかかるPCT出願(特許文献4)において、路上でアスファルト混合物層を加熱軟化して掻き解し、単粒化されたアスファルト混合物を篩工程で複数粒度群に分級し、それらを路上で配合設計して新アスファルト混合物とする、いわゆるアスファルト表層の転換工法が提案されている。これに限定されるものではないが、本発明は、こうした転換工法にも適用できるものとして着想されたアスファルト表層の加熱軟化のための加熱方法及び装置である。
さらに、特許文献1及び2は、高温燃焼ガスの伝熱仕事後の回収燃焼ガスを高温燃焼ガス発生部に循環するようにしているが、いずれも供給される高温燃焼ガスの格納部を断面矩形状のダクト群又は箱体で構成されており、回収燃焼ガスの回収経路が矩形状の角部を経由することになるため、回収燃焼ガスの循環効率の低下は避け難く、結果としてアスファルト表面との間に漏洩防止用カーテンを用いても、アスファルト表面の加熱領域の両側縁外への回収燃焼ガスの漏洩は避けられない。本発明は、こうした課題も考慮して構想された。
次に、特許文献3は、移動の幅方向に熱風噴出のための複数ノズル孔を有する円筒形ダクトを、シリンダによって路幅を調節可能に構成して加熱幅を調整できるようにしているが、アスファルト表面の加熱領域面を調整できるようにしたものではない。本発明は、こうした点も考慮された。
本発明は、上記したようなアスファルト表層の転換工法にも適用可能な加熱軟化のための加熱方法及び装置として着想され、且つ上記した他の課題も考慮して構想されているが、これらに限定されることなく、各種の道路や飛行場の滑走路等で施工される舗装工事の施工用途に応じた補修工法や表層・基層打換え工法を含む様々な打換え工法にも適用できるのはいうまでもないが、さらには、移動速度を高めてアスファルト表層の表面温度を制御することによって冬期凍結アスファルトの加熱装置として、解凍整備用車両に搭載して利用することもできる。
[非特許文献1]「舗装再生便覧」(社団法人 日本道路協会)
[特許文献1]特許第3466621号公報
[特許文献2]米国特許第4,561、800号公報
[特許文献3]特公平5−59208号公報
[特許文献4]PCT/JP2004/018450号
上記したように、既設舗装道路の補修や路上再生工法等におけるアスファルト表層の加熱軟化は、移動しながら650℃程度の高温燃焼ガスをアスファルトの加熱領域に放射して表面温度を230°C程度に保ちながら、短時間で深度約40〜50mmを約80℃にまで加熱できるようにしなければならない。作業環境の観点からは、高温燃焼ガスの伝熱仕事後の回収燃焼ガスをアスファルトの加熱領域外に漏洩させないように回収し、さらに移動方向に対して加熱領域幅を調整できるようにすることが求められている。そのためには、アスファルトの加熱領域に温度にムラのない高温燃焼ガス層をいかに形成し、高温燃焼ガスの伝熱仕事後の回収燃焼ガスを外部に漏洩させないようにいかに回収するか、加えて移動方向に対して加熱領域幅をいかに調整するかということである。
上記の課題の解決は、移動しながらアスファルト表面の加熱領域にほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成し、加熱領域の表面温度を一定に保ちながら深度約40〜50mmを一定温度にまで加熱してアスファルト表層を加熱軟化すること、高温燃焼ガスの伝熱仕事後の回収燃焼ガスをアスファルトの加熱領域外に漏洩させないように回収すること、及び移動方向に対して加熱領域幅を調整することができるという知見に基づく以下の特徴を有する本発明によって、達成される。
請求の範囲1に記載の発明は、移動しながら高温燃焼ガスによってアスファルト表層を加熱軟化する加熱方法であって、送風手段を備えた高温燃焼ガス発生部が、高温燃焼ガスを発生する段階と、アスファルト表面に面する複数ノズル孔を有する円弧状放射面からなる断面円形ダクトを移動の長手方向に一定間隔に複数併置して簀の子状に構成した格納部を該アスファルト表面の上方に配して、その送風手段が、高温燃焼ガス発生部に連通する格納部に設けた中央ダクトを介して、断面円形ダクトの各々に高温燃焼ガスを均一に供給する段階と、その送風手段によって複数ノズル孔から放射される高温燃焼ガスが、格納部を覆うようにアスファルト表面に対して開放面を有するフードによって形成されるアスファルト表面上に、ほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成する段階と、を含み、複数ノズル孔は、アスファルト表面上にほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成するように、アスファルト表面との距離、配置及び大きさを適宜選択するようにしたことを特徴とする。
請求の範囲2に記載の発明は、請求の範囲1に記載の発明の特徴に加えて、フードと高温燃焼ガス発生部との間に、吸気手段を備えた燃焼ガス循環ダクトを設けて循環流路を形成し、その吸気手段が、アスファルト表面上に形成されたほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の伝熱仕事後の回収燃焼ガスを回収する段階をさらに含むことを特徴とする。
請求の範囲3に記載の発明は、請求の範囲2に記載の発明の特徴に加えて、アスファルト表面上に形成されたほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の伝熱仕事後の回収燃焼ガスを回収する段階が、回収燃焼ガスを断面円形ダクト間の円弧面に沿って回収する段階をさらに含み、それにより、回収燃焼ガスの流路抵抗及び該断面円形ダクトの熱歪が小さくなるようにしたことを特徴とする。
請求の範囲4に記載の発明は、請求の範囲2又は請求の範囲3のいずれか1つに記載の発明の特徴に加えて、送風手段に一部が連通し、移動方向に対してフードの周縁部の両側縁に配した空気ダクトを設け、その送風手段が、空気ダクトの両側縁に沿う細溝を介して、アスファルト表面と両側縁との間にエアシールを形成する段階をさらに含み、高温燃焼ガス発生部において発生した高温燃焼ガスが、伝熱仕事後に、回収燃焼ガスとして両側縁外に漏洩することなく高温燃焼ガス発生部に回収されるようにしたことを特徴とする。
請求の範囲5に記載の発明は、請求の範囲2から請求の範囲4のいずれか1つに記載の発明の特徴に加えて、アスファルト表面上に形成されたほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の伝熱仕事後の回収燃焼ガスを回収する段階が、吸気手段の吸引圧力を送風手段の送風圧力より高く設定する段階をさらに含み、それにより、循環流路内の循環抵抗が回収燃焼ガスの循環流路外への漏洩抵抗を超えないようにしたことを特徴する。
請求の範囲6に記載の発明は、請求の範囲1から請求の範囲5のいずれか1つに記載の発明の特徴に加えて、格納部の断面円形ダクトの各々とフードとを移動の幅方向に一体的に伸縮可能となるように構成し、それにより、アスファルト表面上に形成されるほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の幅を変更できるようにしたことを特徴とする。
請求の範囲7に記載の発明は、移動しながら高温燃焼ガスによってアスファルト表層を加熱軟化するための加熱装置であって、送風手段を備え、燃料空気混合気をバーナなどで点火して高温燃焼ガスを発生させる高温燃焼ガス発生部と、アスファルト表面に面する複数ノズル孔を有する円弧状放射面からなる断面円形ダクトを移動の長手方向に一定間隔に複数並置して簀の子状に構成した、アスファルト表面の上方に位置する断面円形ダクトの各々に、高温燃焼ガス発生部と連通する中央ダクトを介して、高温燃焼ガスが均一に供給される格納部と、該格納部を覆うようにアスファルト表面に対して解放面を有するフードと、を含み、複数ノズル孔は、格納部の断面円形ダクトの各々に均一に供給された高温燃焼ガスを、送風手段によって複数ノズル孔からフードが形成するアスファルト表面上に放射して、ほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成するように、アスファルト表面との距離、配置及び大きさを適宜選択するようにしたことを特徴とする。
請求の範囲8に記載の発明は、請求の範囲7に記載の発明の特徴に加えて、フードと高温燃焼ガス発生部とを連通する吸気手段を備えた燃焼ガス循環ダクトをさらに含み、その吸気手段が、アスファルト表面上に形成された高温燃焼ガス層の伝熱仕事後の回収燃焼ガスを回収することによって、フードと高温燃焼ガス発生部との間に高温燃焼ガス及び回収燃焼ガスの循環流路を形成するようにしたことを特徴とする。
請求の範囲9に記載の発明は、請求の範囲8に記載の発明の特徴に加えて、送風手段に一部が連通し、移動方向に対してフードの周縁部の両側縁に配した空気ダクトをさらに含み、その送風手段が、空気ダクトの両側縁に沿う細溝を介して、アスファルト表面と両側縁との間にエアシールを形成するようにしたことを特徴とする。
請求の範囲10に記載の発明は、請求の範囲8又は請求の範囲9のいずれか1つに記載の発明の特徴に加えて、循環流路内の循環抵抗が、回収燃焼ガスの循環流路外への漏洩抵抗を超えないように、吸気手段の吸引圧力を送風手段の送風圧力より高く設定するようにしたことを特徴とする。
請求の範囲11に記載の発明は、請求の範囲10に記載の発明の特徴に加えて、燃焼ガス循環ダクトの一部に、高温ガス発生量に相当する回収燃焼ガスを循環経路外に放出する排気ダンパを有する排気口をさらに含み、それにより、送風圧力と吸引圧力との圧力差を一定に制御するようにしたことを特徴とする。
請求の範囲12に記載の発明は、請求の範囲7から請求の範囲11のいずれか1つに記載の発明の特徴に加えて、簀の子状に構成された断面円形ダクトとアスファルト表面との間隔を断面円形ダクトの半径程度とし、円弧状放射面に有する複数ノズル孔は、断面円形ダクトの中心軸に沿うxピッチの第1ノズル孔群と該第1ノズル群の中間に位置する第2ノズル孔群とからなり、第1ノズル孔群が、円弧状放射面の頂部にある少なくとも1個の円形垂直ノズル孔と円弧状放射面に対して左右にyピッチの位置にある少なくとも2個の円形傾斜ノズル孔とを含み、第1ノズル孔群の中間に位置する第2ノズル孔群が、左右に頂部とyピッチの位置との中間に位置する少なくとも2個の円形傾斜ノズル孔を含むように構成されており、複数ノズル孔は、高温燃焼ガスをアスファルト表面に対して垂直に放射する垂直ノズル孔と、該垂直ノズル孔とは異なる傾斜角を有する傾斜ノズル孔とが互いに補完するようにして、フードが形成するアスファルト表面上にほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成し、高温燃焼ガスと伝熱仕事後の回収燃焼ガスとがミキシングしないような送風手段の送風圧力と一定の相関を有する大きさであることを特徴とする。
請求の範囲13に記載の発明は、請求の範囲12に記載の発明の特徴に加えて、断面円形ダクトの中心軸から第1ノズル孔群及び第2ノズル孔群の傾斜ノズル孔の中心への垂直線が、断面円形ダクトの中心軸からアスファルト表面への垂直線に対して、それぞれに約22度及び約11度分だけ傾斜していることを特徴とする。
請求の範囲14に記載の発明は、請求の範囲7から請求の範囲13のいずれか1つに記載の発明の特徴に加えて、格納部の簀の子状に構成された断面円形ダクトの各々とフードとを、駆動手段を用いて移動の幅方向に一体的に伸縮可能となるように構成し、それにより、アスファルト表面上に形成されるほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の幅を変更できるようにしたことを特徴とする。
請求の範囲15に記載の発明は、請求の範囲14に記載の発明の特徴に加えて、簀の子状に構成された断面円形ダクトの各々を内パイプと外パイプとからなる2重ダクトとし、フードを、高温燃焼ガス発生部に固定されたベッド及び該ベッドに対して移動の幅方向に伸縮するウイングとし、断面円形ダクトの各々とフードとが移動の幅方向に伸縮する際に駆動手段と連動するストローク検出器を設け、それにより、内パイプと外パイプのそれぞれのノズル孔を一致させるようにしたことを特徴とする。
図1は、一般的なアスファルト舖装の断面図である。
図2は、アスファルトの粘度と温度の関係図である。
図3は、アスファルト表層の転換工法のための自走車両システムの概念図であり、併せて、該工法の各工程におけるアスファルト混合物の温度分布を表す。
図4は、本発明の実施形態に係る装置本体を、移動方向に対して側面からみた概念図である。
図5は、本発明の実施形態に係る装置本体を正面からみた概念図である。
図6は、本発明の実施形態に係る断面円形ダクトの複数ノズル孔から放射された高温燃焼ガス及び伝熱仕事後の回収燃焼ガスの回収経路方向を表す概念図である。
図7は、本発明の実施形態に従ってアスファルト表層の加熱領域にほぼ均一な高温燃焼ガス層が形成される原理を表す概念図である。
図8は、本発明の実施形態に従って高温燃焼ガス層を形成するための断面円形ダクトの円弧状放射面に分布する複数ノズル孔の展開図である。
図9は、従来技術に係る断面矩形ダクトの複数ノズル孔から放射された高温燃焼ガス及び伝熱仕事後の回収燃焼ガスの回収経路方向を表す概念図である。
図10は、図5に示されるウイングの端部に配した空気ダクト部分の拡大図である。
図11は、本発明の実施形態に係る加熱装置を搭載したプレヒータ車両の側面図である。
図12は、本発明の実施形態に係る加熱装置を搭載したプレヒータ車両の上面図である。
図13は、本発明の実施形態に係る加熱装置を搭載したミラー車両の側面図である。
図14は、本発明の実施形態に係る加熱装置を搭載したミラー車両の上面図である。
図15は、図13に示されるミラー車両に搭載される加熱装置を正面からみた概念図である。
図16は、本発明の実施形態に係る断面円形ダクト及び従来技術に係る断面矩形ダクトの漏洩抵抗と循環抵抗とを比較した表である。
本発明を実施するための最良の形態による、アスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置について、図3〜図16に基づいて詳細に説明する。
最初に、図3を用いて本発明の加熱方法及び装置の典型的な使用形態を概説するが、本発明は、当然のことながら、これに限定されるものでない。図3は、路上でアスファルト混合物層を加熱軟化し、次に、これを掻き解して単粒化されたアスファルト混合物として篩工程で複数粒度群に分級し、それらを路上で配合設計して新アスファルト混合物とする、いわゆるアスファルト表層の転換工法のための自走車両システムの概念図であり、併せて、それらの各工程におけるアスファルト混合物の温度分布を表している。概念図は、アスファルト表層を加熱する2台のプレヒータ車両と、加熱軟化されたアスファルト表層を掻き解すグラインダ装置を装備したミラー車両と、掻き解され単粒化されたアスファルト混合物を篩工程で複数粒度群に分級し、それらを路上で配合設計して混合することによって新アスファルト混合物とする配合設計車両と、新アスファルト混合物を敷き均し締め固めるミキサ車両とを示す。これはまた、加熱軟化工程と、掻き解し単粒化工程と、篩工程と、配合設計・混合工程と、敷き均し・締め固め工程とからなるアスファルト表層の転換システムを示すものでもある。本発明の装置は、プレヒータ車両又はミラー車両のグイランダ装置の前方に搭載又は装備され、そこで本発明の方法が実施される。従来の路上表層再生工法は、配合設計車両がなく、加熱装置を装備したミラー車両とミキサ車両とを連続させて用いられるのが一般的であるが、その際にプレヒータ車両が別途用いられる場合もある。
本発明の加熱方法及び装置において、複数のノズルから放射された高温燃焼ガスは、車両の走行速度すなわち施工速度と、放射される高温燃焼ガス温度とを調節することにより、アスファルト表層の表面温度が約250℃以下、好ましくは約230℃以下となり、且つ、該アスファルト表層の深度約40〜50mmの位置の温度が約60℃以上、好ましくは約80℃以上となるように、該アスファルト表層の表面に放射される。このような温度制御で高温燃焼ガスを放射してアスファルト表層を加熱することにより、アスファルト表面の焦げ付きや過熱などによる品質劣化を最小限にしつつ、ミラー車両で掻き解したときのアスファルト混合物が、団粒化しない温度に保たれ、単粒化するために必要な温度になるように、該アスファルト表層の温度を効率的に上昇させるとともに、後工程において、骨材をほとんど破砕することなく該アスファルト表層の掻き解しを容易にするように効率的に該アスファルト表層を軟化させることができる。その結果、加熱軟化されたアスファルト表層は、例えば、ミラー車両のグラインダ装置によって掻き解され、掻き解されたアスファルト混合物は、後続の篩工程によって分級され、配合設計のために計量されることになる。こうした配合設計工程において所望の粒度の骨材に適切に分級するために、配合設計工程に投入されるアスファルト混合物の温度を約90℃〜約150℃、好ましくは約120℃にしておくことが求められる。本発明の加熱方法及び装置は、こうした要求に応じることができるものであり、以下でさらに詳細に説明する。
図4〜図8は本発明の原理を説明する概念図である。図4は移動方向に対して側面からみた装置本体の概念図であり、図5は正面からみた概念図である。図6は、断面円形ダクトの複数ノズル孔から放射された高温燃焼ガス及び伝熱仕事後の回収燃焼ガスの回収経路方向を表す概念図である。図7はアスファルト表層の加熱領域にほぼ均一な高温燃焼ガス層が形成される原理を表し、図8は高温燃焼ガス層を形成するための断面円形ダクトの円弧状放射面に分布する複数ノズル孔の展開図を表す。
図4及び5から明らかなように、装置本体を100で示し、送風手段の空気ブロア210によって高温燃焼ガス発生部200に送り込まれた燃料と空気の混合気が、バーナ220によって点火され、通常、約550℃〜約750℃、好ましくは約650℃程度の高温燃焼ガスを発生させる。発生した高温燃焼ガスは、送風手段210によって、図4の実線矢印のように温度検知用熱電対310を配した送風ダクト300を通過し、高温燃焼ガスの格納部400の一部を構成する中央ダクト410を介して、移動の長手方向に一定間隔に複数併置して簀の子状に構成された、該格納部400の一部である断面円形ダクト420の各々に、均一に供給される。図5に示すように、中央ダクト410は、簀の子状の断面円形ダクト420の各々の中央部を縦断するように配され、高温燃焼ガスの断面円形ダクト420への送風経路を形成する。断面円形ダクト420の各々は、中央ダクト410と連通する内パイプ421と、該内パイプ421に摺動自在な左右の外パイプ422a及び422bとで構成されており、それにより、例えば高温燃焼ガスによる加熱領域幅を約2,860mm〜約4,500mmの間で調整可能とすることができる。
また、中央ダクト410及び簀の子状の断面円形ダクト420からなる格納部400を覆うフード500は、アスファルト表面に対する開放面510を有しており、該開放面510によって高温燃焼ガスによる加熱領域が形成される。さらに図5に示すように、フード500は、格納部400を覆うように送風ダクト300及び燃焼ガス循環ダクト600に一体的に固定されたヒータベッド520と、これに対して移動の幅方向に摺動する断面円形ダクト420の左右の外パイプ422a及び422bに併せて摺動する左右のウイング530a及び530bとで構成することができる。
断面円形ダクト420の各々に供給された高温燃焼ガスは、次に、送風手段210によって、該断面円形ダクト420の各々の円弧状放射面430に設けられた複数ノズル孔440からアスファルト表面の加熱領域に放射される。ここで、フード500の開放面510とアスファルト表面との間の加熱領域に如何に高温燃焼ガス層が形成されることになるかについて、図6〜図8を用いて説明する。
図8は、上記したように断面円形ダクト420の各々の円弧状放射面430に分布する複数ノズル孔440の展開図である。複数ノズル孔440は、断面円形ダクト420の中心軸に沿ってxピッチの間隔を有する第1ノズル群450と、それらの中間に位置する第2ノズル群460とからなる。第1ノズル群450は、アスファルト表面に垂直な少なくとも1個の断面円形ノズル孔451と、該ノズル孔451の左右に、該ノズル孔から円弧状放射面430の円周方向に沿ってyピッチの位置に設けられた少なくとも2個の傾斜ノズル孔452a及び452bとで構成される。第2ノズル群460は、xピッチの間隔を有する第1ノズル群450の中間に、すなわち、断面円形ダクト420の中心軸に沿って第1ノズル群450から(1/2)xピッチずれて位置し、少なくとも2個の傾斜ノズル孔461a及び461bを有しており、第1ノズル群450に対して(1/2)xピッチずれて位置する傾斜ノズル孔461a及び461bの各々は、それぞれが第1ノズル群450の垂直ノズル孔451と傾斜ノズル孔452a及び452bとの中間に位置するように構成される。こうした複数ノズル孔440は、装置本体100の移動の長手方向に一定間隔に複数併置して簀の子状に構成された断面円形ダクト420の全てに設けられており、当然のことながら、断面円形ダクト420を構成する内パイプ421と、それに摺動自在な左右の外パイプ422a及び422bにも同様の複数ノズル孔440が設けられている。
図6の実線矢印で示すように、高温燃焼ガスが、送風手段210によって、簀の子状に構成された複数の断面円形ダクト420の複数ノズル孔440からアスファルト表面の加熱領域に放射され、そのことにより、点線斜線で表されるほぼ一定温度の高温燃焼ガス層が形成される。その際に、簀の子状に構成された断面円形ダクト420の円弧状放射面430の頂部とアスファルト表面との距離hは、施工条件、例えば高温燃焼ガスの温度、送風手段の送風圧、及び装置本体の移動速度等により適宜設定されることになるが、好ましくはh=約25mm〜約150mm、より好ましくはh=約70mm〜約120mmであり、本実施例においてはh=100mmに設定した。アスファルト表面の加熱領域にほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を形成するために、断面円形ダクト420の半径rは、r=約1.0h〜約1.1hとし、隣り合う断面円形ダクト420の中心軸間の距離Lは、L=約2.5hとする必要がある。加えて、上記した第1ノズル群450及び第2ノズル群460のノズル孔の直径φは、好ましくはφ=約0.08h〜約0.12h、最も好ましくはφ=約0.1hである。
さらに、図7に示すように、第1ノズル群450の垂直ノズル孔451に対する傾斜ノズル孔452a及び452bの傾斜角θと、第2ノズル群460の2個の傾斜ノズル孔461a及び461bの鉛直線に対する傾斜角θ´とは、それぞれが以下に示すような傾斜角であることが望ましい。図7の(a)は、中心軸間距離Lを有する隣り合う断面円形ダクト420の第1ノズル群450(垂直ノズル孔451並びに傾斜ノズル孔452a及び452b)から高温燃焼ガスが放射される様子を示し、同じく(b)は、断面円形ダクト420の中心軸に沿った2組の第1ノズル群450とその中間に位置する1組の第2ノズル群460とによって、加熱領域にほぼ均一な高温燃焼ガス層が実現される様子を示したものであり、同じく(c)は、何れのノズル孔が高温燃焼ガス層の何れの部分を形成しているかを、より分りやすく示したものである。ここで改めて(c)を参照すると、左側の断面円形ダクト420の2組の第1ノズル群の傾斜ノズル孔452aから放射される高温燃焼ガスによって高温燃焼ガス層の加熱領域▲1▼▲2▼が形成され、右側の断面円形ダクト420の2組の第1ノズル群の傾斜ノズル孔452bから放射される高温燃焼ガスによって高温燃焼ガス層の加熱領域▲3▼▲4▼が形成され、同じく左側の垂直ノズル孔451からの高温燃焼ガスによって加熱領域▲5▼▲6▼が形成され、右側の垂直ノズル孔451からの高温燃焼ガスによって加熱領域▲7▼▲8▼が形成されることが分かる。それぞれの加熱領域の重複部分を最小にしなければ高温燃焼ガスによるほぼ均一な層を形成することはできない。したがって、加熱領域の重複部分を最小化する第1ノズル群の傾斜ノズル孔の傾斜角θは、tanθ=(L/3)/(r+h)=(2.5h/3)/(r+h)でなければならず、上記したようにr=hの場合、tanθ=0.417で、θ=約22度となり、一定である。しかしながら、第1ノズル群のみでは、垂直ノズル孔451からの加熱領域と傾斜ノズル孔452a及び452bからの加熱領域とで形成される高温燃焼ガス層領域に、同図の▲9▼▲10▼にみるような高温燃焼ガスが放射されない非加熱領域が残る。そこで、この非加熱領域に第2ノズル群460の2個の傾斜ノズル孔461a及び461bから高温燃焼ガスを放射して、高温燃焼ガス層の加熱領域▲9▼▲10▼を形成する。したがって、第2ノズル群460の2個の傾斜ノズル孔461a及び461bの傾斜角θ´は、θ´=θ/2=約11度となる。
フード500の開放面510とアスファルト表面との間の加熱領域に常に高温燃焼ガス層を形成するためには、当然のことながら、送風手段210によって放射される高温燃焼ガス量と、燃焼ガス循環ダクト600を備えた循環ファンなどによる吸気手段610によって回収される伝熱仕事後の回収燃焼ガス量とが同等であるか、又は、回収燃焼ガス量が放射される高温燃焼ガス量を若干上回る必要がある。そうでなければ、加熱領域において高温燃焼ガスと回収燃焼ガスとのミキシングが生起され、ほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を加熱領域に常に形成することが不可能になる。
図4及び図6からも明らかなように、回収燃焼ガスは、高温燃焼ガスからアスファルト表面への熱移動により温度を約100〜150℃下げた高温燃焼ガスの伝熱仕事後の排ガスであり、この回収燃焼ガスは、吸気手段610によって、簀の子状の断面円形ダクト420の各々の外周が形成する断面ラッパ状の隙間pを通り(図6の破線矢印)、フード500内を経由して燃焼ガス循環ダクト600に吸引され、高温燃焼ガス発生部200に送り込まれる(図4の破線矢印)。図4に示すように、燃焼ガス循環ダクト600は、回収燃焼ガスの循環流路を形成するものであり、必要に応じて温度検知用熱電対320を設け、かつ循環流路外に回収燃焼ガスを放出するための排気ダンパを有する排気口620を配して、高温燃焼ガスと回収燃焼ガスとのミキシングが起こらないように、両ガスの循環をより効率的にすることができる。
また、隣り合う断面円形ダクトの外周が形成する断面ラッパ状の隙間pは、吸引手段610によって、回収燃焼ガスを高温燃焼ガスにミキシングさせることなく確実に循環流路に吸引させる上で、重要な役割を果たす。
図9は、図6と比較するための参考図であり、特許文献1で提案され、本出願人が製造販売するAR2000(登録商標)に採用された、簀の子状の断面矩形ダクトに設けた複数ノズル孔からの高温燃焼ガスの吹き付け熱と、熱せられた断面矩形ダクトによる輻射熱とによって移動しながらアスファルト表面を加熱する装置において、回収燃焼ガスが、吸引手段によって、隣り合う断面矩形ダクトの側縁部が形成する断面L字状の隙間pを通り、循環流路に吸引される概念図である。図6に見る断面ラッパ状の隙間pは、断面L字状の隙間pに比べ、回収燃焼ガスを効率的に回収できることは明らかである。ここで図16を参照されたい。これは、回収燃焼ガスがフード500の周縁部の側縁部から漏洩する圧力(漏洩抵抗=P1)と、隙間pを通り吸引される際の抵抗力(循環抵抗=P2)とを計量した両者の比較表である。異なる設定条件で比較することを前提とせざるを得ないが、傾向としては、断面ラッパ状の隙間pの場合、すなわち断面円形ダクトの場合にはP1>P2であり、断面L字状の隙間pの場合、すなわち断面矩形ダクトの場合にはP1<P2である。これは、後者の場合には漏洩抵抗P1に比べて循環抵抗P2が大きく、前者に比べ後者では、フード500の周縁部の側縁部からの漏洩ガス量が多くなることを示すものである。この不等式から明らかなことは、循環抵抗の大きい後者の場合、吹き付ける高温燃焼ガスと伝熱仕事後の排ガスとのミキシングは避け難く、ほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を加熱領域に常に形成し続けることは不可能であるということである。
加熱領域側縁部からの回収燃焼ガスの漏洩問題は、アスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置の開発において別途に解決すべき課題であり、第5図及び第10図を用いて、そのための解決手段を示す。
解決手段の1つは、上記した循環流路内の圧力(P2)が漏洩抵抗(P1)を超えないように、すなわち吸引手段の吸引圧力を送風手段の送風圧力より高めに設定することである。しかしながら、これだけで加熱領域を形成するフード500の開放面510の両側縁からの回収燃焼ガスの漏洩を完全に防止することは不可能である。図5に示すウイング530の両端部に配した空気ダクト540は、図示しないが図4の送風手段210に接続されており、この部分の拡大図を示す図10から明らかなように、アスファルト表面と開放面510の両側縁との間に、送風手段210によってエアシール550を形成するようにして回収燃焼ガスの漏洩を物理的に防止する。さらに必要に応じてシールチェーン560を設けることによって、さらに漏洩防止効果を高めることもできる。
再び、ここで図3を用い、本発明の方法及び装置の典型的な使用形態を説明することによって、本発明の作用効果を明らかにする。詳細は後述されるが、装置本体100は、2台のプレヒータ車両にそれぞれ搭載されるのみならず、ミラー車両のグラインダ装置前方部にも設置され、まず、プレヒータ車両によってアスファルト表層を加熱軟化し、さらにミラー車両の加熱装置によってアスファルト表層を引き続き加熱軟化して、掻き解し後のアスファルト混合物の温度を団粒化しない温度に保温する。そのことにより、掻き解し後のアスファルト混合物を旧材として篩工程で複数粒度群に分級し、それらを路上で配合設計して新アスファルト混合物に転換する。
高温燃焼ガス発生部200で発生した約650℃の高温燃焼ガスは、送風手段210によって、断面円形ダクト420の円弧状放射面430に設けられた複数ノズル孔440から、例えば加熱領域面積当たり約18m/分の風量で、アスファルト表面に放射される。大気温度20℃の場合を想定すると、約650℃の高温燃焼ガスが、アスファルト表面に約90〜約150秒、好ましくは約120秒すなわち2分程度放射されると、該表面は、約200℃〜約250℃、好ましくは約230℃まで上昇し、該表面の深度約40〜50mmも、約70℃〜約90℃、好ましくは約80℃まで上昇することが分っている。してみると、アスファルト表面を連続的に加熱するのではなく、ほぼ一定温度の高温燃焼ガス層による断続的な加熱によって、該表面の温度を約230℃程度に維持して過熱による劣化を防止しながら、アスファルト表層への効率的な入熱を可能にし、深度約40〜約50mmを約80℃まで上昇させることが必要である。そのため、複数台のプレヒータ車両及びミラー車両のグラインダ前方部にそれぞれ装置本体100を装備するのが望ましい。
この典型的な使用形態において、温度にムラのないほぼ一定温度の高温燃焼ガス層により、加熱軟化されたアスファルト表面は約230℃程度、深度約40〜約50mmの位置は約80℃程度になり、次に、グラインダ装置等でアスファルト表層の深度約40mm〜50mmが掻き解されると、掻き解されたアスファルト混合物全体は、団粒化しない温度である約90℃〜約150℃、好ましくは約120℃に保たれ、単粒化アスファルト混合物になる。このような温度にムラのないほぼ一定温度の高温燃焼ガス層によるアスファルト表層の断続的な加熱方法は、アスファルト表面の焦げ付きや過熱などによる品質劣化を最小限に止めながら、後工程の掻き解し単粒化工程、篩工程、配合設計・混合工程に適するように、アスファルト表層を迅速かつ効果的に加熱軟化させることができる。
次に、図11〜図15を用いて、本発明に係る加熱装置本体が、例えばプレヒータ車両又はミラー車両のグラインダ装置の前方部に搭載された場合の実施形態を説明する。図11は、本発明の実施形態に係る加熱装置本体100を搭載したプレヒータ車両700の側面図であり、図12は、該プレヒータ車両700の上面図である。プレヒータ車両700は、少なくとも、上述の装置本体100と、該装置本体100を搭載する車両部710とから構成され、該車両部710は、少なくとも、車両を走行させるための動力を発生するエンジン・ユニット720と、該エンジン・ユニットの前方部に配置された燃料タンク730と、該装置本体100を支持するフレーム740と、運転席及び各種操作盤からなる運転フロア750と、該車両部710を走行させるための走行装置760とを含む。図12に示されるように、装置本体100は、フレーム740の進行方向右側の部分740aと、該フレーム740の進行方向左側の部分740bと、エンジン・ユニット720と、運転フロア750とで囲まれた空間に収納される。装置本体100には、該装置本体100全体を上下させて断面円形ダクト420の円弧状放射面430とアスファルト表面との間の距離を変化させることができるようにする複数のシリンダ装置770が設けられており、該装置本体100とフレーム740とは、この複数のシリンダ装置770の各々と、該フレーム740に設けられた複数のブラケット780の各々とをフランジを介してボルト付けすることによって連結される。
車両部710の寸法は、本実施形態においては、全長が約11,000mm、全幅が約3,000mm、全高が約3,150mmである。装置本体100のフード500は、本実施形態においては、全長が約6,000mmであり、該フード500の全幅は、図5に関連して説明したように断面円形ダクトの外パイプ422a及び422b、並びにウイング530を幅方向に摺動可能な構造とすることによって、約3,000mm〜約4,640mmの間で調整可能とすることができる。
運転フロア750には、プレヒータ車両700の走行を制御するための運転席と、該プレヒータ車両700の加熱機能を制御するための各種操作盤とが設置されている。この操作盤からは、例えば、断面円形ダクト420の複数ノズル孔440から放出される高温燃焼ガスの温度及び風量、装置本体100の起動及び停止、該装置本体100の昇降、並びに加熱領域幅の拡縮などといった、アスファルト表面を加熱軟化させるための機能のすべてを制御することが可能である。車両部710の後方部の左右両側面には別の操作盤(図示せず)が設けられており、該操作盤からも、装置本体100の昇降、加熱領域幅の拡縮、及びプレヒータ車両700の非常停止が可能である。
図13は、本発明の実施形態に係る加熱装置本体100´を搭載したミラー車両800の側面図であり、図14は、該ミラー車両800の上面図である。ミラー車両800は、少なくとも、装置本体100´と、該装置本体100´を支持するフレーム880と、ホッパ810及びコンベア851〜853と、グラインダ装置840と、車両を走行させるための動力を発生するエンジン・ユニット820と、該エンジン・ユニットの後方部に配置された燃料タンク830と、運転席及び各種操作盤からなる運転フロア860と、走行装置870とから構成される。ホッパ810は、本発明の典型的な使用形態において後工程で必要となる新たなアスファルト混合物(新材)を受け入れるための装置である。この新たなアスファルト混合物(新材)は、特許文献4に記載されるように、再生舗装道路のアスファルト混合物の骨材密度、アスファルト量、強度、及び機能の調整などの目的で、後工程において、掻き解されたアスファルト混合物に添加されるものである。コンベア851〜853は、ホッパ810で受け入れた新たなアスファルト混合物(新材)を搬送し、後続の車両に受け渡すための装置である。コンベア851〜853は、搬送される新たなアスファルト混合物(新材)の温度が低下しないように、電熱ヒータなどの保温装置で保温することができるようになっている。グラインダ装置840は、加熱軟化されたアスファルト混合物層を掻き解すための装置であり、掻き解し幅及び深さは、それぞれ、約2,570mm〜約4,400mmの間及び0〜約50mmの間で調整可能とすることができる。ホッパ810及びコンベア851〜853並びにグラインダ装置840は、例えば本出順人が製造販売するAR2000(登録商標)に採用されている装置のような、当業者に周知の従来技術を用いた装置であり、ここでは詳細には説明しない。
装置本体100´に関して、高温燃焼ガスを発生させ、発生した高温燃焼ガスを断面円形ダクトに設けられたノズル孔から放射することによってアスファルト混合物層を加熱軟化し、伝熱仕事後の回収燃焼ガスを回収するといった一連の動作原理は、装置本体100に関して上述した原理と同じである。しかしながら、装置本体100´の構造は、ミラー車両800の中央部を通るコンベア851との干渉を回避するために、上述の装置本体100とは異なる構造としている。図15は、装置本体100´を正面からみた概念図であり、この図を、装置本体100を正面から見た概念図である図5と比較すると、その構造の違いが明確となる。装置本体100の場合には、図5に示されるように、高温燃焼ガス発生部200で発生した高温燃焼ガスは、該高温燃焼ガス発生部200から鉛直下方に延びる送風ダクト300によって中央ダクト410に供給され、回収燃焼ガスは燃焼ガス循環ダクト600を通って回収される。しかしながら、装置本体100´の場合には、図15に示されるように、高温燃焼ガス発生部200´を水平方向に拡幅し、送風ダクト300より長い1対の送風ダクト300´を該高温燃焼ガス発生部200´の拡幅部分から鉛直下方に延ばし、該1対の送風ダクト300´の下端部を中央ダクト410に連結した構造にすることによって、高温燃焼ガス発生部200´で発生した高温燃焼ガスを中央ダクト410に供給するようにしている。また、装電本体100´の燃焼ガスを回収する燃焼ガス循環ダクトは、正面から見て片側に偏倚させた構造としている。このような構造にすることによって、高温燃焼ガス発生部200´と、1対の送風ダクト300´と、ヒータベッド520の上面とによって包囲される空間が形成され、この空間内にコンベア851を通すことができると共に、燃焼ガス循環ダクトとコンベア851との干渉を回避することができる。
装置本体100´を除くミラー車両800の施工時の寸法は、本実施形態においては、全長が約13,260mm、全輻が約3,000mm、全高が約3,470mmである。装置本体100´のフード500´は全長が約3,000mmであり、該フード500´の全幅は、装置本体100と同様、断面円形ダクトの外パイプ422a及び422b、並びにウイング530を幅方向に摺動可能な構造とすることによって、約3,000mm〜約4,640mmの間で調整可能とすることができる。
装置本体100´には、プレヒータ車両700に搭載される装置本体100と同様に、該装置本体100´全体を上下させて断面円形ダクト420の円弧状放射面430とアスファルト表面との間の距離を変化させることができるようにする複数のシリンダ装置(図示せず)が設けられており、該装置本体100´とフレーム880とは、この複数のシリンダ装置を介して連結される。
運転フロア860には、ミラー車両800の走行を制御するための運転席と、該ミラー車両800の加熱機能、コンベア851〜853の速度の調整及び保温装置のオンオフ、並びに、グラインダ装置840の掻き解し幅、深さ、及びドラム回転速度を調整するための各種操作盤とが設置されている。加熱機能に関しては、この操作盤からは、例えば、放出される高温燃焼ガスの温度及び風量、装置本体100´の起動及び停止、装置本体100´の昇降、加熱領域幅の拡縮などといった、アスファルト表面を加熱軟化させるための機能のすべてを制御することが可能である。フレーム880の後方部の左右両側面には別の操作盤(図示せず)が設けられており、該操作盤からは、装置本体100´の昇降、加熱熱領域幅の拡縮、及び、ミラー車両800の非常停止と、グラインダ装置840の掻き解し幅、探さ、及びドラム回転速度の調整が可能である。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された発明の範囲を逸脱することなく様々な変更又は修正が可能であり、これらの変更又は修正も本発明の範囲に含まれる。
符号の説明
100:加熱装置本体
200:高温燃焼ガス発生部
210:送風手段
220:バーナ
300:送風ダクト
310、320:温度検知用熱電対
400:高温燃焼ガス格納部
410:中央ダクト
420:断面円形ダクト
421:断面円形ダクトの内パイプ
422a、422b:断面円形ダクトの外パイプ
430:円弧状放射面
440:複数ノズル孔
450:第1ノズル群
451:第1ノズル群の垂直ノズル孔
452a、452b:第1ノズル群の傾斜ノズル孔
460:第2ノズル群
461a、461b:第2ノズル群の傾斜ノズル孔
500:フード
510:フードの解放面
520:ヒータベッド
530a、530b:ウイング
540:空気ダクト
550:エアシール
560:シールチェーン
600:燃焼ガス循環ダクト
610:吸気手段
620:排気口

Claims (15)

  1. 移動しながら高温燃焼ガスによってアスファルト表層を加熱軟化する加熱方法であって、
    送風手段を備えた高温燃焼ガス発生部が、高温燃焼ガスを発生する段階と、
    アスファルト表面に面する複数ノズル孔を有する円弧状放射面からなる断面円形ダクトを移動の長手方向に一定間隔に複数併置して簀の子状に構成した格納部を該アスファルト表面の上方に配して、前記送風手段が、前記高温燃焼ガス発生部に連通する前記格納部に設けた中央ダクトを介して、前記断面円形ダクトの各々に高温燃焼ガスを均一に供給する段階と、
    前記送風手段によって前記複数ノズル孔から放射される高温燃焼ガスが、前記格納部を覆うように前記アスファルト表面に対して開放面を有するフードによって形成される前記アスファルト表面上に、ほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成する段階と、
    を含み、
    前記複数ノズル孔は、前記アスファルト表面上にほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成するように前記アスファルト表面との距離、配置及び大きさを適宜選択するようにしたことを特徴とする方法。
  2. 前記フードと前記高温燃焼ガス発生部との間に、吸気手段を備えた燃焼ガス循環ダクトを設けて循環流路を形成し、前記吸気手段が、前記アスファルト表面上に形成されたほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の伝熱仕事後の回収燃焼ガスを回収する段階をさらに含む請求の範囲1に記載の方法。
  3. アスファルト表面上に形成されたほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の伝熱仕事後の回収燃焼ガスを回収する前記段階が、回収燃焼ガスを前記断面円形ダクト間の円弧面に沿って回収する段階をさらに含み、それにより、回収燃焼ガスの流路抵抗及び該断面円形ダクトの熱歪が小さくなるようにしたことを特徴とする請求の範囲2に記載の方法。
  4. 前記送風手段に一部が連通し、移動方向に対して前記フードの周縁部の両側縁に配した空気ダクトを設け、前記送風手段が、前記空気ダクトの前記両側縁に沿う細溝を介して、前記アスファルト表面と前記両側縁との間にエアシールを形成する段階をさらに含み、前記高温燃焼ガス発生部において発生した高温燃焼ガスが、伝熱仕事後に、回収燃焼ガスとして前記両側縁外に漏洩することなく前記高温燃焼ガス発生部に回収されるようにしたことを特徴とする請求の範囲2又は請求の範囲3に記載の方法。
  5. 前記アスファルト表面上に形成されたほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の伝熱仕事後の回収燃焼ガスを回収する前記段階が、前記吸気手段の吸引圧力を前記送風手段の送風圧力より高く設定する段階をさらに含み、それにより、前記循環流路内の循環抵抗が前記回収燃焼ガスの前記循環流路外への漏洩抵抗を超えないようにしたことを特徴する請求の範囲2から請求の範囲4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記格納部の前記断面円形ダクトの各々と前記フードとを移動の幅方向に一体的に伸縮可能となるように構成し、それにより、前記アスファルト表面上に形成されるほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の幅を変更できるようにしたことを特徴とする請求の範囲1から請求の範囲5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 移動しながら高温燃焼ガスによってアスファルト表層を加熱軟化するための加熱装置であって、
    送風手段を備え、燃料空気混合気をバーナなどで点火して高温燃焼ガスを発生させる高温燃焼ガス発生部と、
    アスファルト表面に面する複数ノズル孔を有する円弧状放射面からなる断面円形ダクトを移動の長手方向に一定間隔に複数並置して簀の子状に構成した、該アスファルト表面の上方に位置する断面円形ダクトの各々に、前記高温燃焼ガス発生部に連通する中央ダクトを介して、高温燃焼ガスが均一に供給される格納部と、
    該格納部を覆うように前記アスファルト表面に対して解放面を有するフードと、
    を含み、
    前記複数ノズル孔は、前記格納部の前記断面円形ダクトの各々に均一に供給された高温燃焼ガスを、前記送風手段によって前記複数ノズル孔から前記フードが形成する前記アスファルト表面上に放射して、ほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成するように、前記アスファルト表面との距離、配置及び大きさを適宜選択するようにしたことを特徴とする装置。
  8. 前記フードと前記高温燃焼ガス発生部とを連通する吸気手段を備えた燃焼ガス循環ダクトをさらに含み、前記吸気手段が、前記アスファルト表面上に形成された高温燃焼ガス層の伝熱仕事後の回収燃焼ガスを回収することによって、前記フードと前記高温燃焼ガス発生部との間に高温燃焼ガス及び回収燃焼ガスの循環流路を形成するようにしたことを特徴とする請求の範囲7に記載の装置。
  9. 前記送風手段に一部が連通し、移動方向に対して前記フードの周縁部の両側縁に配した空気ダクトをさらに含み、前記送風手段が、前記空気ダクトの前記両側縁に沿う細溝を介して、前記アスファルト表面と前記両側縁との間にエアシールを形成するようにしたことを特徴とする請求の範囲8に記載の装置。
  10. 前記循環流路内の循環抵抗が、回収燃焼ガスの前記循環流路外への漏洩抵抗を超えないように、前記吸気手段の吸引圧力を前記送風手段の送風圧力より高く設定するようにしたことを特徴とする請求の範囲8又は請求の範囲9に記載の装置。
  11. 前記燃焼ガス循環ダクトの一部に、高温ガス発生量に相当する回収燃焼ガスを前記循環経路外に放出する排気ダンパを有する排気口をさらに含み、それにより、前記送風圧力と前記吸引圧力との圧力差を一定に制御するようにしたことを特徴とする請求の範囲10に記載の装置。
  12. 簀の子状に構成された前記断面円形ダクトと前記アスファルト表面との間隔を前記断面円形ダクトの半径程度とし、前記円弧状放射面に有する複数ノズル孔は、前記断面円形ダクトの中心軸に沿うxピッチの第1ノズル孔群と該第1ノズル群の中間に位置する第2ノズル孔群とからなり、前記第1ノズル孔群が、前記円弧状放射面の頂部にある少なくとも1個の円形垂直ノズル孔と前記円弧状放射面に対して左右にyピッチの位置にある少なくとも2個の円形傾斜ノズル孔とを含み、前記第1ノズル孔群の中間に位置する前記第2ノズル孔群が、左右に前記頂部と前記yピッチの位置との中間に位置する少なくとも2個の円形傾斜ノズル孔を含むように構成されており、前記複数ノズル孔は、高温燃焼ガスを前記アスファルト表面に対して垂直に放射する垂直ノズル孔と、該垂直ノズル孔とは異なる傾斜角を有する傾斜ノズル孔とが互いに補完するようにして、前記フードが形成する前記アスファルト表面上にほぼ一定温度の高温燃焼ガス層を常に形成し、高温燃焼ガスと伝熱仕事後の回収燃焼ガスとがミキシングしないような前記送風手段の送風圧力と一定の相関を有する大きさであることを特徴とする請求の範囲7から請求の範囲11のいずれか1つに記載の装置。
  13. 前記断面円形ダクトの中心軸から前記第1ノズル孔群及び前記第2ノズル孔群の傾斜ノズル孔の中心への垂直線が、前記断面円形ダクトの中心軸から前記アスファルト表面への垂直線に対して、それぞれに約22度及び約11度分だけ傾斜していることを特徴とする請求の範囲12に記載の装置。
  14. 前記格納部の簀の子状に構成された前記断面円形ダクトの各々と前記フードとを、駆動手段を用いて移動の幅方向に一体的に伸縮可能となるように構成し、それにより、前記アスファルト表面上に形成されるほぼ一定温度の高温燃焼ガス層の幅を変更できるようにしたことを特徴とする請求の範囲7から請求の範囲13のいずれか1つに記載の装置。
  15. 簀の子状に構成された前記断面円形ダクトの各々を内パイプと外パイプとからなる2重ダクトとし、前記フードを、前記高温燃焼ガス発生部に固定されたベッド及び該ベッドに対して移動の幅方向に伸縮するウイングとし、前記断面円形ダクトの各々と前記フードとが移動の幅方向に伸縮する際に前記駆動手段と連動するストローク検出器を設け、それにより、前記内パイプと外パイプのそれぞれのノズル孔を一致させるようにしたことを特徴とする請求の範囲14に記載の装置。
JP2007520599A 2006-12-08 2006-12-08 アスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置 Expired - Fee Related JP4024293B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2006/325009 WO2008068877A1 (ja) 2006-12-08 2006-12-08 アスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4024293B1 true JP4024293B1 (ja) 2007-12-19
JPWO2008068877A1 JPWO2008068877A1 (ja) 2010-03-18

Family

ID=38935722

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007520599A Expired - Fee Related JP4024293B1 (ja) 2006-12-08 2006-12-08 アスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4024293B1 (ja)
WO (1) WO2008068877A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019510149A (ja) * 2016-02-25 2019-04-11 レジュヴェテック リミテッド システム及び方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9416499B2 (en) 2009-12-31 2016-08-16 Heatwurx, Inc. System and method for sensing and managing pothole location and pothole characteristics
US8801325B1 (en) 2013-02-26 2014-08-12 Heatwurx, Inc. System and method for controlling an asphalt repair apparatus
CN102277820B (zh) * 2011-05-27 2013-02-13 无锡锡通工程机械有限公司 沥青混合料均热机构
KR101253598B1 (ko) 2012-09-05 2013-04-11 (주)바우테크 아스팔트 콘크리트 포장도로의 보수공법
KR101521471B1 (ko) * 2012-10-23 2015-05-21 황익현 현장 가열 아스팔트 표층 재생 장치
KR101426193B1 (ko) * 2013-01-14 2014-07-31 황익현 아스팔트 노면가열장치 및 방법
CN103147381B (zh) * 2013-03-26 2015-07-01 重庆交通大学 沥青路面就地热再生加热装置
CN103233418B (zh) * 2013-04-08 2015-07-15 天津市双威科技发展有限公司 一种公路补丁红外线联合修补机
CN103759261B (zh) * 2014-01-27 2016-01-06 甘立成 一种红外线加热装置
KR101502878B1 (ko) 2014-03-12 2015-03-16 황익현 열순환식 아스팔트 노면 가열장치
US10228293B2 (en) * 2017-05-11 2019-03-12 Caterpillar Paving Products Inc. Control system for determining temperature of paving material
CN109518578A (zh) * 2018-12-07 2019-03-26 嘉鹏再升科技(深圳)股份有限公司 一种用于就地热再生机组的路面保温板
CN114108439A (zh) * 2021-12-10 2022-03-01 嘉鹏再升科技(深圳)股份有限公司 一种用于就地热再生路面的控温路面加热方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001026906A (ja) * 1999-07-13 2001-01-30 Nippon Road Co Ltd:The 路面加熱用作業機
CA2575074C (en) * 2004-12-03 2009-09-01 Green Arm Co., Ltd. A method for continuous on-site recycling of an asphalt mixture layer of a pavement and a motor-driven vehicle system therefor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019510149A (ja) * 2016-02-25 2019-04-11 レジュヴェテック リミテッド システム及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008068877A1 (ja) 2008-06-12
JPWO2008068877A1 (ja) 2010-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4024293B1 (ja) アスファルト表層を加熱軟化する加熱方法及び装置
JP3849124B1 (ja) 舗装のアスファルト混合物層を路上で連続的に再生する方法およびそのための自走車両システム
US6371689B1 (en) Method of and apparatus for heating a road surface for repaving
KR100394176B1 (ko) 아스팔트표면가열방법및장치
RU2734283C1 (ru) Холодная переработка на месте асфальтобетонного материала с использованием проточного нагревательного устройства для асфальто-цементной смеси
KR102191114B1 (ko) 프리히터 및 리사이클러를 구비한 현장 표층 재생 아스팔트 포장장치
CN105113365B (zh) 分层加热耙松及移动拌合的沥青路面就地热再生施工方法
CN105155391B (zh) 用于路面热再生的热风分层二次加热机车
KR101587111B1 (ko) 현장의 아스팔트 표층을 재활용하는 아스팔트 포장 장치 및 그 방법
CN105002808B (zh) 分层加热耙松及移动拌合的沥青路面就地热再生装置
CN105200898B (zh) 一种沥青烟尘循环利用的沥青路面就地热再生机
CN105350430B (zh) 一种沥青路面就地热再生分层加热方法
GB1600260A (en) Microwave method and apparatus for heating pavements
CN106868983A (zh) 沥青路面就地热再生施工方法
KR20170126253A (ko) 프리히터 및 리사이클러를 구비한 현장 표층 재생 아스팔트 포장장치
KR101217055B1 (ko) 내통회전드럼과 외통회전드럼의 2중 드럼 구조를 갖는 폐아스콘 재생장치 및 이를 이용한 폐아스콘 재생방법
WO2016093802A1 (en) Paver employing hybrid heat exchange
JP2008082147A (ja) アスファルトフィニッシャ及びこれを用いたアスファルト舗装方法
CN104612029B (zh) 路面热再生热风循环分层加热装置
KR101003007B1 (ko) 2중 원통형 회전드럼을 갖는 폐아스팔트콘크리트 재생 및 순환아스팔트콘크리트의 생산방법 및 그 장치
KR20170126238A (ko) 현장 표층 재생 아스팔트 포장장치의 가열판 및 그 발열체 유닛
JP4087208B2 (ja) 路上再生方法
CN205604025U (zh) 一种带有沥青烟尘处理机构的沥青再生装置
CN205604042U (zh) 一种沥青路面燃油热风加热就地再生装置
KR20170126247A (ko) 현장 표층 재생 아스팔트 포장장치의 프리히터 장비

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20070921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101012

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111012

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121012

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131012

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees