JP3848500B2 - 外部床の出入隅における防水構造 - Google Patents

外部床の出入隅における防水構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルコニー、屋上床、屋外廊下など、建物の外部に設けられて風雨に曝される外部床の防水構造に関し、特に、外部床の出入隅における防水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バルコニーや屋上床などの外部床の防水には、外部床の構造材上に板材を配置して外部床下地を形成し、この外部床下地の上にならしモルタル層を設けて排水勾配を形成し、このモルタル層の上に防水シートを敷設して貼着する、という施工方法が採用されていた。
【0003】
この場合、外部床の周囲には、通常、建物外壁やバルコニーの手摺壁等が立設され、これら建物外壁や手摺壁には外装材や開口部枠等が取り付けられる。そのため、これら建物外壁や手摺壁の下部には、外装材や開口部枠の下端まで立ち上がる腰壁が形成され、外部床の周縁はそれら腰壁に連続することとなる。したがって、前記防水シートは、外部床の周縁から上方に延出させて腰壁の上縁部まで水密的に貼着される必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の施工方法では、モルタル層の上に防水シートを敷設する際に専門職人が必要であり、その専門職人が外装等の取り付け作業を主とする外装工事現場に入らなければならないので、工程管理面での不便や制約が大きかった。
【0005】
また、モルタル層に排水勾配を形成するのに正確な左官作業を要するとともに、防水シートを外部床全体に平坦にかつ隙間なく敷設する必要があるため、作業自体に相当の手間と時間がかかっていた。
【0006】
さらに、外部床の四隅や建物外壁の突出部など、外部床を囲む腰壁が出隅や入隅を形成する箇所においては、平面的な防水シートをそのまま延出させて腰壁に水密的に貼着するのが無理なので、防水シートを適当にカットするなどして出隅や入隅に密着しうるコーナー役物を作成しているが、このような作業にも手間や時間がかかり、また、施工精度によっては十分な水密性が確保できないおそれもあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、外部床の防水作業を容易に行うことができ、特に、外部床の周囲に設けられた二面の腰壁が前後方向への段差面を挟んで連続する箇所において、この段差面の両側に形成される出隅と入隅(本明細書において、これらを一体にして「出入隅」という。)に対しても精度よく施工することのできる、施工性及び水密性に優れた外部床の出入隅における防水構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外部床の周囲に設けられた二面の腰壁が出入隅を挟んで連続する箇所における防水構造であって、隣接する三辺が出入隅の平面形状に沿うように形成された平坦部と、前記三辺のうちの外側の二辺からそれぞれ立ち上げられた一対の立ち上がり部とを有してなる耐水鋼板が、断熱材を介して外部床下地上に配置されるとともに、各立ち上がり部が前記二面の腰壁にそれぞれ固定され、出入隅に沿うように折曲形成された三面の直立部を有してなる補強部材が前記耐水鋼板の両立ち上がり部にわたって固着され、軟質樹脂製の防水シートが前記耐水鋼板の平坦部の腰壁側の各縁部近傍から前記二面の腰壁の上縁部までを被覆するように取り付けられ、出入隅に沿うように一体的かつ水密的に形成された三面の立面部及び一面の底面部を有してなる軟質樹脂製の出入隅カバーが、この出入隅カバーの背面に貼着された取付部材を介して出入隅に固定されるとともに、前記出入隅カバーの外側の縁部が前記各防水シートの出入隅側の各縁部に被さるように貼着されることにより、出入隅周辺が水密的に被覆されたことを特徴とする。
【0009】
すなわち、本発明は、耐熱鋼板及びその表面に貼着された防水シートが出入隅を挟んで不連続となる箇所に、一体的かつ水密的に形成された出入隅カバーが貼着されることによって、出入隅周辺が被覆されるものである。この出入隅カバーは、その背面に貼着された取付部材と背面に塗布された接着剤とを介して、出入隅を挟む二面の腰壁及び防水シートの上に固定される。
【0010】
これにより、耐水鋼板及び防水シートの出入隅側の縁部を出入隅の形状に合わせて現場で加工するような面倒な作業が不要になる。したがって、耐水鋼板や防水シートを予め所定の形状に加工・貼合しておき、外部床の一般部と同様にして、簡単に設置することができる。こうして、外部床の出入隅における防水作業の効率化を図ることができるとともに、安定した施工精度を確保することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
まず、外部床を囲む腰壁が出隅や入隅を形成する箇所以外の一般部における防水構造と、その施工方法について説明する
外部床の一般部における防水構造は、図1に示すように、ALC床板等からなる外部床下地Pの上に貼着された断熱材1と、この断熱材1の表面に貼着された耐水鋼板2と、この耐水鋼板2の上に貼設された防水シート3と、防水シート3の上縁部に沿って取り付けられる水切り部材4とから構成される。
【0013】
断熱材1は、発泡ポリスチレン樹脂等からなる板状体で、接着剤を介して外部床下地P上に貼着される。
【0014】
耐水鋼板2は、鋼製薄板の表面又は表裏両面に塩化ビニル等による耐水性被膜を形成したもので、断熱材1上に重ねて貼着される平坦部21と、平坦部21の一方の縁部を上方に折曲して形成された立ち上がり部22とを備え、この立ち上がり部22が腰壁Qに沿ってあてがわれ、腰壁Qにビス止めされる。
【0015】
防水シート3は、軟質塩化ビニル等の樹脂からなり、耐水鋼板2の平坦部21の腰壁Q側の縁部近傍から立ち上がり部22に沿って貼着され、さらに上方に延出されて、腰壁Qの上縁部までを被覆する。
【0016】
さらに、腰壁Qの上縁部には、外装材や開口部枠R等の下端に沿って長尺の水切り部材4が取り付けられ、防水シート3を押さえるようにして腰壁Qにビス止めされる。こうして、外装材や開口部枠Rと腰壁Qとの境界部分が止水される。
【0017】
このように、外部床の表面の防水層の大部分を耐水鋼板2によって形成することにより、防水シート3の貼着に伴う作業を大幅に軽減することができる。
【0018】
この防水構造については、断熱材1、耐水鋼板2及び防水シート3を予め工場等で所定の形状に加工・貼合して防水パネルを形成し、この防水パネルを施工現場に搬入して敷設するという手段により、施工現場での作業をさらに効率化することができる。図2及び図3に、防水パネルの実施の形態を示す。
【0019】
防水パネルとしては、外部床を囲む腰壁Qの直線状部分に沿って配置される一般部用床パネル5A(図2)と、一般部用床パネル5Aの表面上を流下する雨水を集めて排水するために外部床の水下側に配置される樋パネル5B(図3)とが用意される。
【0020】
一般部用床パネル5Aは、平面視矩形の断熱材1に耐水鋼板2の平坦部21を貼着し、平坦部21の一辺に上方に立ち上がる立ち上がり部22を形成したもので、立ち上がり部22の上縁近傍には、この立ち上がり部22を腰壁Qにビス止めするためのビス孔221が複数個、水平方向に間隔をあけて設けられている。また、断熱材1は、その厚さが立ち上がり部22側から対辺側に向けて次第に薄くなるように形成され、これにより耐水鋼板2の表面に排水勾配が付与されている。耐水鋼板2の平坦部21には、立ち上がり部22側の縁部近傍から立ち上がり部22にかけて防水シート3が貼着され、この防水シート3が立ち上がり部22よりもさらに上方に延出されている。ただし、この防水シート3は、立ち上がり部22の上縁近傍のビス孔221付近には接着されておらず、防水シート3の延出部分を下方にめくると立ち上がり部22に設けられたビス孔221が露出して、そのままビス止め作業ができるようになっている。
【0021】
樋パネル5Bは、平面形状が一般部用床パネル5Aよりも細長く形成され、その長手方向に沿って、耐水鋼板2の平坦部21を折曲して形成された排水溝23が設けられている。平坦部21及び排水溝23の下面には断熱材1が貼着されている。耐水鋼板2の長辺側の縁部の一方には立ち上がり部22が形成され、立ち上がり部22の上縁近傍にはビス孔221が複数個、水平方向に間隔をあけて設けられている。そして、防水シート3が、その下縁部を立ち上がり部22の下部に接着して取り付けられ、立ち上がり部22の上方まで延出されている。また、耐水鋼板2の長辺側の縁部の他方には、垂下片部241と水平片部242とからなる断面略L字型の接合部24が形成されている。接合部24の水平片部242には、これを外部床下地Pにビス止めするためのビス孔243が複数個、間隔をあけて設けられている。
【0022】
これら一般部用床パネル5A及び樋パネル5Bを使用して外部床の一般部の防水作業を行う際の施工方法について、図4を参照して説明する。
【0023】
まず、樋パネル5Bを、外部床下地Pと溝受け部材Sとの間に形成された凹部Tに排水溝23を落とし込むようにして配置し、立ち上がり部22を腰壁Qに、接合部24の水平片部242を外部床下地Pに、それぞれビス止めする。樋パネル5Bの縁端部については、図示しないエンド部材によって止水する。
【0024】
次いで、一般部用床パネル5Aを、その水下側の縁部で樋パネル5Bの水平片部242を押さえるようにして外部床下地P上に載置し、接着剤を介して外部床下地P上に固定するとともに、立ち上がり部22を腰壁Qにビス止めする。
【0025】
こうして、一般部用床パネル5A及び樋パネル5Bが所定の位置に配置されたならば、それぞれに貼着された防水シート3を腰壁Qに沿って立ち上げ、接着剤や釘等を用いてその上縁部を腰壁Qに仮止めする。これによって、立ち上がり部22を腰壁Qに固定するビスの頭部も被覆される。腰壁Qの高さは建物の種類や外壁の仕様等によって変化するが、防水シート3の延出部分を予め多少長めにしておけば、腰壁Qの高さに合わせて防水シート3を適宜カットすることで、確実に腰壁Qの上縁部までを被覆することができる。
【0026】
隣り合う各一般部用床パネル5A及び樋パネル5Bの間には、それぞれ若干の隙間を有する目地Uが形成されるので、これらの目地Uを粘着テープ61及びパッチベルト62を用いて封止する。
【0027】
粘着テープ61は、クラフトテープ等に代表される耐水性を備えた合成紙又は布製のテープである。目地Uの幅の2倍程度の幅のクラフトテープを、隣り合う一般部用床パネル5A・樋パネル5Bにまたがるようにして目地Uの上に貼着する。
【0028】
パッチベルト62は、軟質塩化ビニル等の樹脂からなる帯状部材で、その幅は前記粘着テープ61よりもさらに幅広に形成されている。パッチベルト62の裏面は、粘着テープ61の幅に相当する中央部分を除いて両側縁部に粘着面が形成されている。このパッチベルト62を、中央部分の非粘着面が前記粘着テープ61に重なるようにして、両側縁部の粘着面を隣り合う一般部用床パネル5A・樋パネル5Bの表面に貼着する。
【0029】
粘着テープ61及びパッチベルト62は、耐水鋼板2の表面から、腰壁Qに沿って仮止めされた防水シート3の上部まで連続するように貼着する。これにより、各一般部用床パネル5A・樋パネル5Bの間の目地Uが水密的に封止されるとともに、各一般部用床パネル5A・樋パネル5Bが相互に水平移動した場合でも、目地Uの間隔の変位を吸収できることとなる。
【0030】
外部床の表面から腰壁Qの上縁部までが、耐水鋼板2、防水シート3及びパッチベルト62によって水密的に被覆されたならば、腰壁Qの上縁部に沿って図1に示した水切り部材4を取り付け、防水シート3の上縁部を押さえるようにして腰壁Qにビス止めする。最後に、水切り部材4の上縁部と外装材や開口部枠Rの下端との間にシーリング41を施す。こうして、外装材や開口部枠Rと腰壁Qとの境界部分も止水される。
【0031】
このように、断熱材1、耐水鋼板2及び防水シート3を予め所定の形状に加工・貼合して形成した防水パネル(一般部用床パネル5A、樋パネル5B)を外部床に載置・固定することにより、施工現場における面倒な左官作業や防水シート3の貼着作業が不要になり、外部床の防水作業を効率的に、かつ精度よく行なうことができる。防水シート3は湾曲容易な軟質樹脂からなるので、これを予め耐水鋼板2に貼着しておいたとしても、運搬や保管等の面での支障は小さい。
【0032】
本発明は、図5に示すように、外部床を囲む二面の腰壁Q(Q1,Q2)が段差面qを挟んで連続する箇所において、この段差面によって形成された出入隅に前記防水構造を実施するにあたり、出入隅周辺を確実に止水するためのものである。以下、その防水構造及び施工方法について、図5乃至図8を参照して説明する。
【0033】
外部床の出入隅における防水構造は、出入隅の形状に合わせて用意された防水パネルである出入隅用床パネル5C(図7)と、この出入隅用床パネル5Cを補強するための補強部材7と、この補強部材7に重ねて貼着される出入隅用防水役物8と、を使用して構成されている。
【0034】
出入隅用床パネル5Cは、一般部に配置される前記一般部用床パネル5Aと同様に、断熱材1と、断熱材1の表面に貼着された耐水鋼板2と、耐水鋼板2の表面に貼着された防水シート3とからなり、出入隅に沿うようにして外部床下地P上に固定されている。断熱材1、耐水鋼板2及び防水シート3の素材については前記と同様である。
【0035】
断熱材1は、その三辺が出入隅の段差面qとその両側に連続する二面の腰壁Q1,Q2とに合致するような平面形状を有し、出入隅側から対角方向或いはいずれかの対辺方向に向けて適当な排水勾配が付与されている。この断熱材1は、接着剤を介して外部床下地P上に接着されている。
【0036】
耐水鋼板2は、断熱材1上に貼着された平坦部21と、平坦部21の腰壁Q1,Q2側の二辺からそれぞれ上方に立ち上げられた一対の立ち上がり部22とを備えている。これら各立ち上がり部22は、出入隅の稜角部及び隅角部に面する縁部を斜めに切り込んだ平板状の耐水鋼板2を折曲して形成されるため、段差面qに面する部分が不連続となる。各立ち上がり部22の上縁近傍には、ビス孔221が複数個、水平方向に間隔をあけて設けられ、このビス孔221を利用して、各立ち上がり部22が腰壁Q1,Q2にそれぞれビス止めされている。
【0037】
防水シート3は、耐水鋼板2の平坦部21の腰壁Q1,Q2側の縁部近傍から各立ち上がり部22に沿ってそれぞれ貼着され、各立ち上がり部22の上縁よりも上方まで延出している。したがって、これら各防水シート3も、出入隅に面する部分が不連続となる。各防水シート3は、その下縁部が予め耐水鋼板2の平坦部21と各立ち上がり部22の下部にのみ接着されており、上部をめくって立ち上がり部22を腰壁Q1,Q2にビス止めすることができるようになっている。各防水シート3は、腰壁Q1,Q2の高さに合わせてカットされ、上方に伸展されて、立ち上がり部22及びこれを腰壁Q1,Q2にビス止めしているビスの頭部を被覆している。
【0038】
補強部材7は、耐水鋼板2と同様の樹脂被膜鋼板を折曲して形成された部材で、出入隅に沿うように折曲されて連続する三面の直立部71と、各直立部71の下縁から水平に張り出す水平部72とを備えている。この補強部材7は、外側二面の直立部71が出入隅用床パネル5Cの耐水鋼板2の両立ち上がり部22にわたるようにして溶接されている。これによって、互いに不連続に形成された左右の立ち上がり部22が出入隅に沿って構造的に連結され、各立ち上がり部22の直立状態が安定的に保持されるとともに、出入隅周辺に応力が集中した場合に耐水鋼板2が変形・損傷するのを防止することができる。
【0039】
なお、この補強部材7は、少なくとも出入隅に沿って左右の立ち上がり部22を連結しうる三面の直立部71を有するものであればよく、水平部72の有無やその形状は特に問わない。
【0040】
出入隅用防水役物8は、軟質塩化ビニル等の樹脂を射出成型するなどして予め一体的かつ立体的に形成された出入隅カバー81と、その背面に取り付けられた樹脂被膜鋼板製の取付部材82とからなる。
【0041】
出入隅カバー81は、出入隅に沿うように形成された三面の立面部811と、それらの下縁に一体的に連続する底面部812とを備え、各立面部811と底面部812とは互いに隙間なく水密的に形成されている。これら立面部811及び底面部812は、前記補強部材7を被覆し、かつ、外側の両縁部の幅が出入隅用床パネル5Cの左右の防水シート3にまたがる大きさに形成されている。また、立面部811の高さは、出入隅用床パネル5Cの防水シート3の延出高さと同程度に形成されている。
【0042】
取付部材82は、出入隅に沿うように折曲されて連続する三面の直立部821を有し、外側二面の直立部821の外側の縁部近傍にはビス孔822がそれぞれ設けられている。この取付部材82は、中央の直立部811と、外側二面の直立部821の中央寄りの縁部近傍が、出入隅カバー81の立面部811の背面に予め接着されており、出入隅カバー81の外側二面の立面部811の縁部を手前にめくって取付部材82を腰壁Q1,Q2にビス止めすることができるようになっている。この取付部材82を、出入隅を挟む二面の腰壁Q1,Q2にビス止することにより、出入隅カバー81が出入隅に引き付けられる。そして、出入隅カバー81の外側二面の立面部811が伸展されると、取付部材82は出入隅カバー81の背後に被覆される。外側二面の立面部811の外側の縁部は、出入隅の両側にそれぞれ伸展された各防水シート3の出入隅側の縁部にそれぞれ被せられ、接着剤を介して各防水シート3及び耐水鋼板2に接着されている。
【0043】
かかる構成によって、出入隅における耐水鋼板2の不連続部分とその表面に重ねて溶接された補強部材7とが、出入隅用防水役物8によって被覆されるとともに、二面の腰壁Q1,Q2に沿ってそれぞれ伸展された防水シート3の出入隅側の縁部も出入隅用防水役物8によって被覆され、隙間のない防水面が一体に形成されることとなる。
【0044】
かかる防水構造の施工方法については以下の通りである。
まず、出入隅用床パネル5Cを、出入隅に沿って外部床下地P上に載置する。接着剤を介して断熱材1を外部床下地Pに接着するとともに、出入隅用床パネル5Cに貼着された防水シート3を手前にめくって、出入隅を形成する二面の腰壁Q1,Q2に耐水鋼板2の各立ち上がり部22をそれぞれビス止めする。
【0045】
次いで、出入隅用床パネル5Cの耐水鋼板2の左右の立ち上がり部22にわたって補強部材7を溶接し、左右の立ち上がり部22を連結する。
【0046】
また、各防水シート3を各腰壁Q1,Q2に沿って立ち上げ、腰壁Q1,Q2の高さに合わせて適宜カットした後、接着剤や釘等を用いてその上縁部を各腰壁Q1,Q2に仮止めする。
【0047】
なお、防水シート3と補強部材7とが互いに重なり合わない場合には、補強部材7を耐水鋼板2に溶接する作業と、防水シート3を腰壁Q1,Q2に仮止めする作業とは、特に手順の先後を問わない。ただし、防水シート3と補強部材7とが重なり合う場合には、補強部材7の溶接を先にして、その表面に防水シート3が被さるようにするのが好ましい。
【0048】
続いて、出入隅用防水役物8を出入隅にあてがい、出入隅カバー81の外側二面の立面部811の両縁部を手前にめくって、取付部材82を腰壁Q1,Q2にビス止めする。立面部811の高さが腰壁Q1,Q2の高さよりも高い場合には、各立面部811を腰壁Q1,Q2の高さに揃えてカットする。そして、出入隅カバー81の背面の周縁に接着剤を塗布し、耐水鋼板2の平坦部21及び防水シート3の出入隅側の縁部に重ねて接着する。
【0049】
出入隅用床パネル5Cと前記一般部に配置される一般部用床パネル5Aや樋パネル5Bとが隣接する部分については、その目地Uを、前述のように、粘着テープ61及びパッチベルト62を用いて封止する。
【0050】
最後に、腰壁Q1,Q2及び段差面qの上縁部に沿って水切り部材4を取り付け、一般部と連続するようにして固定し、シーリング41を施す。この際、出入隅の形状に合わせて屈曲させた出入隅用水切り部材(図示せず)を別途用意して取り付けてもよい。
【0051】
このように、耐熱鋼板2とその表面に貼着した防水シート3とが出入隅を挟んで不連続となる箇所に、一体的かつ水密的に形成された出入隅カバー81を被せて貼着することにより、出入隅周辺が水密的に被覆される。この出入隅カバー81は、その背面に貼着された取付部材82を介して腰壁Q1,Q2にビス止めされるとともに、背面の縁部に塗布された接着剤を介して防水シート3の上に接着されるので、出入隅に沿って確実に保持され、その取り付けも容易である。
【0052】
また、耐水鋼板2の両立ち上がり部22を連結する補強部材7や出入隅カバー81の背面に貼着された取付部材82によって、出入隅周辺の各部材の取り付け状態も強化される。
【0053】
また、かかる出入隅用防水役物8を利用することにより、耐水鋼板2及び防水シート3の出入隅側の縁部を出入隅の形状に合わせて現場で加工するような面倒な作業は不要になる。したがって、これら耐水鋼板2及び防水シート3を、断熱材1とともに予め所定の形状に加工・貼合して出入隅用床パネル5Cを形成し、この出入隅用床パネル5Cを、外部床の一般部と同様にして簡単に設置することができる。
【0054】
さらに、出入隅用床パネル5Cに補強部材7や出入隅用防水役物8を予め一体的に取り付けて出入隅用防水パネルユニット50C(図8)を形成し、これを現場に搬入して設置する、という施工方法を採用することにより、施工現場における各部材相互の取付・貼着作業を軽減して、施工性をさらに高めることができる。この場合でも、防水シート3や出入隅カバー81は軟質樹脂製であるため、これらを適当に折り畳むことができる。したがって、立体的な形状を有する出入隅カバー81の背面に取付部材82が貼着されていても、運搬や保管等の面での支障は小さい。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、出入隅を挟む耐熱鋼板及び防水シートの不連続箇所に、出入隅に沿うように一体的かつ水密的に形成された出入隅カバーが貼着され、これによって出入隅周辺が水密的に被覆されるので、出入隅周辺が確実に止水される。出入隅カバーは、その背面に貼着された取付部材を介して腰壁にビス止めされるとともに、背面の縁部に塗布された接着剤を介して防水シートの上に接着されるので、出入隅に沿って確実に保持され、その取り付けも容易である。
【0056】
また、耐水鋼板及び防水シートの出入隅側の縁部を出入隅の形状に合わせて現場で加工するような面倒な作業が不要になるので、これら耐水鋼板及び防水シートを、断熱材とともに予め所定の形状に加工・貼合しておくことができる。こうして形成された出入隅用床パネルに、さらに補強部材や出入隅用防水役物を予め一体的に取り付けて、出入隅用防水パネルユニットを形成することも可能である。これら出入隅用床パネル或いは出入隅用防水パネルユニットを利用することによって、外部床の出入隅を一般部と同様にして簡単に施工することができる。こうして、防水作業の施工性は格段に向上し、また安定した施工精度が確保されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外部床の一般部における防水構造の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】前記一般部の防水構造に用いられる一般部用床パネルの構成を示す斜視図である。
【図3】前記一般部の防水構造に用いられる樋パネルの構成を示す斜視図である。
【図4】前記一般部用床パネル及び樋パネルを使用して一般部の防水作業を行う際の施工状態を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかる外部床の出入隅における防水構造の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図6】図5の防水構造の、腰壁の稜角部近傍又は隅角部近傍における縦断面図である。
【図7】図5の防水構造に用いられる出入隅用床パネルの構成を示す斜視図である。
【図8】出入隅用防水パネルユニットの実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
P 外部床下地
Q(Q1,Q2) 腰壁
1 断熱材
2 耐水鋼板
21 平坦部
22 立ち上がり部
3 防水シート
7 補強部材
71 直立部
81 出入隅カバー
811 立面部
812 底面部
82 取付部材

Claims (1)

  1. 外部床の周囲に設けられた二面の腰壁が出入隅を挟んで連続する箇所における防水構造であって、
    隣接する三辺が出入隅の平面形状に沿うように形成された平坦部と、前記三辺のうちの外側の二辺からそれぞれ立ち上げられた一対の立ち上がり部とを有してなる耐水鋼板が、断熱材を介して外部床下地上に配置されるとともに、各立ち上がり部が前記二面の腰壁にそれぞれ固定され、
    出入隅に沿うように折曲形成された三面の直立部を有してなる補強部材が前記耐水鋼板の両立ち上がり部にわたって固着され、
    軟質樹脂製の防水シートが前記耐水鋼板の平坦部の腰壁側の各縁部近傍から前記二面の腰壁の上縁部までを被覆するように取り付けられ、
    出入隅に沿うように一体的かつ水密的に形成された三面の立面部及び一面の底面部を有してなる軟質樹脂製の出入隅カバーが、この出入隅カバーの背面に貼着された取付部材を介して出入隅に固定されるとともに、前記出入隅カバーの外側の縁部が前記各防水シートの出入隅側の各縁部に被さるように貼着されることにより、
    出入隅周辺が水密的に被覆されたことを特徴とする外部床の出入隅における防水構造。
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