JP2023088744A - 建物ユニットの上面雨仕舞構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】主に、防水シートをまくり上げなくても建物ユニットを吊上げられるようにしつつ雨水の浸入を防止できるようにする。【解決手段】建物ユニット2の上面雨仕舞構造に関する。建物ユニット2の上縁部11に沿って形成された細長い未防水部分12を覆う細長い水切シート13が設けられ、水切シート13は、両端部14の近傍に切込部25が設けられて、未防水部分12に対し、切込部25間の中間部26が上縁部11よりも高くなり、両端部14が上縁部11と同じ高さの部分を有するように高低差が形成され、水切シート13の下には、切込部25の周辺に、未防水部分12を局部的に保護する局部カバー43が設けられている。【選択図】図4A

Description

この発明は、建物ユニットの上面雨仕舞構造に関する。
住宅などの建物には、ユニット建物で構成されたものがある。ユニット建物は、予め工場で製造された直方体状の建物ユニットを建築現場へ搬送して、建築現場で組み立てることにより、短期間のうちに構築できるようにした建物である(例えば、特許文献1参照)。
このようなユニット建物では、建物ユニットの出荷からユニット建物が完成するまでの間に建物ユニットの内部に雨水が入り込まないようにする必要がある。そのために、特許文献1では、例えば、降雨時に、建物ユニットの上部に、建物ユニットの上面全体を覆う大きさの防水シートを被せて、建物ユニットを工場から建築現場へ出荷するようにしていた。
特開平5-140997号公報
上記特許文献1のように、降雨時に建物ユニットの上部に、建物ユニットの上面全体を覆う大きさの防水シートを被せて出荷した場合、防水シートが大判の部材となるため、防水シートの取扱いが大変であった。また、建築現場で建物ユニットを吊上げる際などには、建物ユニットに吊具を取付けるために、大判の防水シートの少なくとも一部をまくり上げなければならない。防水シートをまくり上げた状態で建物ユニットの吊上げを行うと、防水シートのまくり上げた部分から建物ユニット内に雨水が浸入するおそれがある。
そこで、本発明は、上記した問題点の改善に寄与することを主な目的としている。
上記課題に対して、本発明は、
建物ユニットの上縁部に沿って形成された細長い未防水部分を覆う細長い水切シートが設けられ、
該水切シートは、両端部の近傍に切込部が設けられて、前記未防水部分に対し、前記切込部間の中間部が前記上縁部よりも高くなり、前記両端部が前記上縁部と同じ高さの部分を有するように高低差が形成され、
前記水切シートの下には、前記切込部の周辺に、前記未防水部分を局部的に保護する局部カバーが設けられている建物ユニットの上面雨仕舞構造を特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、防水シートを小型化すると共に、防水シートをまくり上げなくても建物ユニットを吊上げられるようにしつつ雨水の浸入を防止できる。
本実施の形態にかかる上面雨仕舞構造を有するユニット建物の全体斜視図である。 図1のユニット建物に使用される下階の建物ユニットの全体斜視図である。 最上階のユニット建物における、外壁側の上縁部周辺(未防水部分)の部分拡大縦断面図である。 水切シートの両端部に吊具を取付ける前の状態を示す部分拡大斜視図である。 水切シートの両端部に吊具を取付けた状態を示す部分拡大斜視図である。 水切シートの部品図である。このうち、(a)は中間部を省略した両端部の平面図、(b)は水切シートの両端部の吊具挿通孔の近傍の縦断面図、(c)は水切シートの両端部の最も外側の部分の縦断面図である。 局部カバーの全体斜視図である。 局部カバーの部品図である。このうち、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は端面図である。 局部カバーの展開図である。 局部カバーを取付けた屋根パネルの側面に水切シートを取付ける状態を示す全体斜視図である。 屋根パネルの側面に局部カバーを取付ける状態を示す部分拡大斜視図である。 屋根パネルの側面に局部カバーを取付けた状態を示す部分拡大端面図である。 屋根パネルに対する水切シートの取付け状態を示す部分拡大縦断面図である。 水切シートを取付けた屋根パネルの両端部の拡大縦斜視図である。 建物ユニットの上縁部の周辺の未防水部分にシート受梁を貼付ける状態を示す斜視図である。 建物ユニットの上縁部の周辺の未防水部分に、屋根パネルに取付けた水切シートを拡げる状態を示す斜視図である。 水切シートを拡げた状態を示す建物ユニットの外壁側の上縁部の周辺の縦断面図である。 吊具を取付した吊具挿通孔を、防水テープで塞ぐ状態を示す水切シートの両端部の部分拡大斜視図である。 取付孔を塞ぐと共に、水切シートをシート受梁に貼付ける状態を示す部分拡大斜視図である。 水切シートをシート受梁に貼付けた状態を示す部分拡大縦断面図である。 切込部を防水テープで繋ぐ状態を示す水切シートの両端部の部分拡大斜視図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1~図12Dは、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
戸建住宅や集合住宅などの建物を、図1に示すようなユニット建物1で構成する。
ユニット建物1は、箱型(直方体状)の建物ユニット2(図2)を予め工場で製造して建築現場へ搬送し、建築現場で組み合わせて設置することにより、短期間のうちに構築できるようにした建物である。
ユニット建物1は、下階Lの建物ユニット2の上に、上階Hの建物ユニット2を設置した多階建ての建物となっている。上階Hには、バルコニー3も設置されている。なお、ユニット建物1は、建物ユニット2を上下方向4に設置する必要はなく、平屋としても良い。
建物ユニット2は、平面視ほぼ矩形状をした上面および下面と、側方から見てほぼ矩形状をした4つの側面と、を有する六面体となっている。4つの側面は、建物ユニット2の長辺に沿った平行な一対の側面と、短辺に沿った平行な一対の側面とを有している。
ユニットフレームの屋外側となる側面やコーナー部分には、外壁5が取付けられる。なお、コーナー部分の外壁5については、図示を省略する場合がある。
ユニットフレームの室内側となる側面は開放される。そのため、室内側の側面は、仮雨仕舞シート6によって一時的に塞がれる。なお、図2の建物ユニット2は、下階Lに設置されるものとなっている。
上記のような基本的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えても良い。
(1)図3~図4B(主に、図4A参照)に示すように、建物ユニット2の上面雨仕舞構造は、
建物ユニット2の上縁部11に沿って形成された細長い未防水部分12を覆う細長い水切シート13(図5)が設けられる。
水切シート13は、両端部14の近傍に切込部25が設けられて、未防水部分12に対し、切込部25間の中間部26が上縁部11よりも高くなり、両端部14が上縁部11と同じ高さの部分を有するように高低差が形成される。
水切シート13の下には、切込部25の周辺に、未防水部分12を局部的に保護する局部カバー43(図6A~図6C)が設けられる。
ここで、建物ユニット2の上面雨仕舞構造は、建物ユニット2の上面や上部を雨仕舞するための構造である。上面雨仕舞とは、雨水から建物ユニット2の上面や上部を保護することである。雨仕舞には、ユニット建物1の構築前に行われる一時的な仮雨仕舞と、ユニット建物1の構築後にも継続される本雨仕舞とがあるが、この例では、少なくとも仮雨仕舞ができるものとする。なお、仮雨仕舞に限らず、本雨仕舞をも同時にできるようにしても良い。
仮雨仕舞は、少なくとも、降雨時に建物ユニット2を工場から建築現場へ搬送し、建築現場に据付けて、ユニット建物1の外形がほぼできるまでの間、および、屋根部分ができあがるまでの間に必要となる。仮雨仕舞を施していない場合には、降雨時に上記作業を行うことができないため、その分、工期が延びてしまう。この実施例では、特に、上階H(最上階)の建物ユニット2の上部に対する仮雨仕舞を対象にしている。
建物ユニット2は、ユニット建物1を構成する単位構造体である。上記したように、建物ユニット2は、ほぼ直方体状をしており、内部には、ボックスラーメン構造のユニットフレームが設けられている。ユニットフレームは、図2に示すように、4本の柱2aの上端間に4本の天井梁2bを矩形状に連結し、4本の柱2aの下端間に4本の床梁2cを矩形状に連結した箱枠状のものとされる。柱2aと、天井梁2bおよび床梁2cとの間の接合には、それぞれジョイントピース2dが用いられる。
上縁部11は、ほぼ直方体状をした建物ユニット2の上面の縁部分、または、平面視ほぼ矩形状の上面を構成する各辺である。上縁部11の周辺は、上縁部11とその近くの一定範囲の部分のことである。
具体的には、建物ユニット2の上面は、4本の柱2aの上端部と4本の天井梁2bの上面(およびジョイントピース2dの上面)とによって構成された平面視ほぼ矩形状の領域の内側の面である。上縁部11には、柱2aの上端部や天井梁2bの上面(およびジョイントピース2dの上面)を含む場合がある。上縁部11は、4本の天井梁2bのうちのどれでも良いが、この実施例では、矩形状をした上面の長辺を形成する2本の天井梁2b、または、そのうちのどちらか一方の天井梁2bを対象とした場合について説明する。
未防水部分12は、建物ユニット2の上面における、防水処理を施していない(上縁部11の周辺の)部分である。建物ユニット2は、工場で、ほぼ全体が防水部分21(図3)となるように製造される。
この際、上縁部11の周辺に沿った部分については、建物ユニット2の吊上げ作業に使う必要があるため、建築現場での据付けが終わるまでは、防水性を持たせるための仕上作業を行うことができず、防水がなされない未完成の状態のままで残される。なお、未防水部分12は、建築現場での建物ユニット2の据付け後の雨が止んだときに、屋根部分の仕上作業が行われることで、完全に防水(本雨仕舞)される。
未防水部分12は、上縁部11に沿い、所要の幅で形成されることにより、細長い形状となる。所要の幅は、例えば、天井梁2bの幅とほぼ同じ幅か、または、それよりも若干(2~3倍程度)広い幅などとされる。
水切シート13は、防水性を有する薄くて柔軟なポリエチレンなどの樹脂製のシートやフィルムである。水切シート13は、例えば、屋根の下葺き材(ルーフィング)や、建物の外壁5の内側(裏側)などに設置されているものとほぼ同様のものが使われる。水切シート13は、少なくとも、上縁部11の周辺の未防水部分12を完全に覆えるように、未防水部分12よりも幅および長さが一回り程度以上大きい細長い形状とされる。よって、水切シート13は、建物ユニット2の上面全体を覆う大きさの大判のものにする必要がない。
水切シート13は、その延設方向(この実施例では、建物ユニット2の長辺の方向)に沿った少なくとも一方の縁部に、防水性を有する粘着テープ22(図4A、図5など)が予め取付けられても良い。
粘着テープ22は、水切シート13に対し、両端部14の最も外側の部分を除いた、ほぼ全域に亘って(例えば、後述する吊具挿通孔16を越える位置まで)連続して取付けられる。粘着テープ22は、少なくとも、未防水部分12と防水部分21との境界線とほぼ同じ長さで水切シート13に取付けられて、境界線に対し、延設方向の位置を合わせて貼付けられる。
この実施例では、粘着テープ22は、一部が水切シート13の一方の縁部から所要幅だけ、幅方向にはみ出すように取付けられており、はみ出した粘着部分が境界線に貼付けられる。境界線は、建物ユニット2の長辺とほぼ同じかそれ以下の長さとなる。なお、例えば、粘着テープ22は、両面テープにして、水切シート13の裏面側に貼付けるようにすれば、一部を水切シート13からはみ出すように貼付けなくても良くなる。
粘着テープ22には、上記はみ出した粘着部分に離型紙22a(図5(b))が取付けられており、離型紙22aを剥がすことで水切シート13を境界線に合わせた適正な位置に簡単に貼付けできるようになっている。なお、水切シート13の、最も外側となる部分、例えば、未防水部分12を越えて建物ユニット2の外側に延びる部分(図5(c))などについては、粘着テープ22は特に貼る必要はない。
両端部14は、細長い形状の水切シート13における、延設方向の両側の端末部分およびその周辺部分である(シート両端部)。具体的には、両端部14は、建物ユニット2の長辺の両側に位置する柱2aやジョイントピース2dなどとほぼ重なる部分、および、それよりも外側となる部分などとなる。両端部14には、建物ユニット2の長辺から延設方向にはみ出した部分も含まれる。
そして、水切シート13は、両端部14に上記した吊具挿通孔16を有している。
吊具挿通孔16は、水切シート13の両端部14(の後述する上縁接触面部17)に直接形成された貫通孔である。吊具挿通孔16は、建物ユニット2の柱2aの上端部に形成された、吊具18を取付けるための取付孔23と合致する位置に設けられる。
吊具挿通孔16には、吊具18の下部に設けられたネジ部18a(図4A)が通される。そのため、吊具挿通孔16は、ネジ部18aや取付孔23とほぼ同じかそれよりも若干大きな径とされる。吊具挿通孔16は、水切シート13の両端部14の上縁接触面部17のほぼ中央にそれぞれ1箇所ずつ設けられる。そして、吊具挿通孔16は、単なる開口とされる。吊具挿通孔16は、例えば、開口を覆い隠すための蓋状の付随物などを有さずに、完全に外部に露出した孔となるように水切シート13に形成される。
水切シート13の吊具挿通孔16を形成する部分(上縁接触面部17)の片面または両面には、防水性を有するアクリルテープなどの補強テープ(補強材24)を貼付けても良い。吊具挿通孔16は、水切シート13および補強材24の両方を貫通するように、同じ位置および大きさに形成される。
また、水切シート13は、両端部14における、補強材24を貼った部分の厚みが増し、平坦化されることで、建物ユニット2の上縁部11に対する吊具挿通孔16の周辺の密着性が部分的に高められる。そのため、補強材24は、上縁接触面部17にシール性の高い部分を形成する部材(シール面形成部材)にもなる。この実施例では、補強材24は、柱2aの上端部とほぼ同じ形状および大きさとされて、柱2aの上端部の位置に貼付けられることで、上縁接触面部17を柱2aの上端部に密着させる。
切込部25は、水切シート13に形成した切れ目であり、両端部14を完全に水切シート13から切り離さないように、連結部分13aを残して水切シート13に形成される。
切込部25は、水切シート13における、下側となる縁部から上側となる縁部へ向けて、上側の縁部に達しないように形成される。これにより、水切シート13は、両端部14と中間部26とが分かれて、形状が比較的自由になる。水切シート13は、切込部25の上側の縁部の周辺(のほぼ粘着テープ22が貼られた位置まで)が連結部分13aとなる。
なお、切込部25は、ユニット建物1の屋外側に向いた上縁部11(の周辺の未防水部分12)を覆う水切シート13に対して設けられる。または、切込部25は、建物ユニット2の外壁5が設けられた位置の上に設置される水切シート13に対して設けられる。
一方、切込部25は、互いに隣接する建物ユニット2間に位置する上縁部11(の周辺の未防水部分12)を覆う水切シート13に対しては、特に設けなくて良い。なお、少なくとも、互いに隣接する建物ユニット2間に位置する上縁部11(の周辺の未防水部分12)を覆う水切シート13の上には、更に、厚手の仮雨仕舞シート27(図1)を被せて仮雨仕舞手段を二重化しても良い。
この実施例では、切込部25を有する水切シート13が設けられるのは、ユニット建物1の上階Hにおける、バルコニー3に面した未防水部分12と、バルコニー3から最も離れた反対側の未防水部分12との2箇所の位置となっている(図1)。
中間部26は、水切シート13の長手方向の両端部14の間の部分である(シート中間部)。図4Aの場合には、中間部26は、水切シート13の長手方向の両側に形成された2つの切込部25の間に位置する部分(主要部)となる。
中間部26は、水切シート13の長手方向の両端部14以外の大部分を占める。中間部26と両端部14との境は、おおむね、天井梁2bの端部とジョイントピース2dとの境目の位置周辺とされる。
中間部26が上縁部11よりも高くなるとは、未防水部分12の位置において、中間部26を上縁部11に対して持上げた状態に設置することである。このような状態は、切込部25を設けることで、中間部26と両端部14の形状自由度が増すことによって容易になる。
この際、水切シート13は、切込部25間の中間部26が、後述するように、屋根パネル31(図7)の側面32の位置から建物ユニット2の上縁部11へ向かう下り形状に設置されても良い。
下り形状は、未防水部分12に設置された水切シート13の中間部26の形状が、建物ユニット2の内側から外側へ向けて、全体として下り状態になっていることである。例えば、下り形状は、水平部分や逆勾配の部分が見られない形状である。下り形状は、水切シート13が途中で上がることなく下って行けば、どのような形状でも良い。内側は、各建物ユニット2の室内側、外側は、各建物ユニット2の屋外側である。
これにより、水切シート13は、内側(屋根パネル31側)の縁部が高くなり、水切シート13の外側(建物ユニット2の上縁部11側)の縁部が低くなって、雨水が溜まり難く、雨水が屋外側へ排水され易い形状になる。なお、水切シート13は、中間部26を、上記とは反対に、建物ユニット2の内側から外側へ向かう上り形状にして、雨水を屋根パネル31の側へ向けて排水させるようにしても良いが、下り形状とするのが好ましい。
この際、中間部26は、例えば、屋根パネル31の側面32(の上部)の位置から建物ユニット2の上縁部11へ向けて自然に垂らすように斜めに設置する。これにより、中間部26は、建物ユニット2の未防水部分12に対し上縁部11よりも高くなるようにほぼ持ち上がった状態(または上縁部11から離れた状態)に張られる(離間張設部)。
なお、中間部26は、例えば、ピンと張ることで、連続した一定角度の勾配を有する傾斜状態に設置しても良いが、緩く張ることで、一定角度の勾配を有さない不均等な状態にしても良い。
そして、両端部14が上縁部11と同じ高さの部分を有するとは、両端部14の一部を上縁部11に沿って設置することである。両端部14を上縁部11に沿わせることで、中間部26と両端部14との間に高低差が形成される。
また、上記したように、水切シート13では、中間部26と両端部14とで、未防水部分12の上に設置したときの形状が異なることから、高低差により切込部25が開いて、切込部25の位置に開口部分42(図4A)が形成される。開口部分42の周辺は、水切シート13の内側(下面側)に設けた局部カバー43によって保護される。
具体的には、水切シート13は、両端部14の、少なくとも吊具挿通孔16の周囲が、上縁部11と同じ高さとされて、建物ユニット2の上縁部11の周辺を面接触状態で覆う上縁接触面部17とされる。
上縁部11を面接触状態で覆うとは、水切シート13の両端部14の大部分または一部分(少なくとも吊具挿通孔16の周辺)が、柱2aの上端部(取付孔23の周辺)や、ジョイントピース2dの上面や、天井梁2bの端部の上面に対し、ほぼ隙間なく面で接した状態となるように上から被せられることである。
上縁接触面部17は、水切シート13の両端部14の全部または一部分に形成される。上縁接触面部17は、少なくとも柱2aの上端部や、ジョイントピース2dの上面や、天井梁2b端部の上面などのほぼ水平でほぼ平坦な面に対して、上側からほぼ面接触状態で覆うようにほぼ水平に設置される部分である。
なお、上縁接触面部17は、少なくとも柱2aの上端部に対する密着度が最も高くなっていれば、他の部分の密着度は多少低くても良い。これにより、上縁接触面部17は、少なくとも取付孔23の周囲をほぼ隙間なく覆うシール部となって、取付孔23をシールする。
そして、建物ユニット2には、吊具挿通孔16を通して吊具18が取付けられる。
吊具18は、建物ユニット2をクレーンなどで吊り上げる際に、建物ユニット2の上面の、4つのコーナー部分に一時的に取付けられる補助治具である。吊具18には様々なタイプのものが存在しているが、この実施例では、吊具18は、上記したように、下部がネジ部18aとなっており、取付孔23がネジ穴とされて、取付孔23に直接螺着される。
吊具18は、本体となる上部(吊具本体)がネジ部18aよりも大きくなっており、下面にネジ部18aと面直で、ネジ部18aの周囲を取囲む平坦面を有している。吊具18は、建物ユニット2に取付けたときに、上部の下面が、上縁接触面部17を挟んだ状態で建物ユニット2の上面に圧着することで、シール面となって、取付孔23をより確実にシールする。
吊具18は、上部に、クレーンのフックを引掛ける係止部分18bを有している。係止部分18bは、吊具18の上部に対して固定状態で設置されても良いし、可動し得るように設置されても良い。吊具18は、例えば、工場からの出荷時に建物ユニット2の上面の4つのコーナー部に上から取付けられ、建築現場での建物ユニット2の据付け後に、建物ユニット2の上面から取外される。
更に、水切シート13は、両端部14が、屋根パネル31の側面32に沿って下へ延びる縦面部分34と、建物ユニット2の上縁部11の周辺に沿って横へ延びる上縁接触面部17とを有するL字状に設置されても良い。
そして、水切シート13の両端部14における、縦面部分34は、上縁接触面部17よりも上側となる部分である。また、縦面部分34は、屋根パネル31の側面32となる屋根フレーム35の上側の位置(上側のフランジ面35b)からほぼ真下へ向けて垂直に下降する部分(垂直下降部)である。縦面部分34は、例えば、屋根パネル31の側面32の高さに合わせた長さ(幅)とされる。そして、自重や適切なクセ付けなどによって、側面32にほぼ沿った垂直下降形状に形成される。
上縁接触面部17は、水切シート13の両端部14の幅方向の中間部分(縦面部分34の下側)に形成されるほぼ水平な面の部分またはその一部である。上縁接触面部17は、屋根パネル31の側面32から建物ユニット2の上縁部11までの距離(未防水部分12の幅)に合わせた長さ(幅)とされる。そして、自重や適切なクセ付けなどによって、柱2aの上端部などの水平面にほぼ沿った水平な横行形状に形成される。
特に、上縁接触面部17では、吊具挿通孔16が取付孔23と合致される。そのため、吊具挿通孔16を通して吊具18を建物ユニット2の上に上方から取付けることで、上縁接触面部17は、少なくとも一部が吊具18の上部の下面で押さえられて、水平な形状に保持される。
そして、縦面部分34(垂直下降部分)と上縁接触面部17(横行部分)とにより、両端部14は全体として、側面視でほぼ下に凹んだL字状になる。
水切シート13の下は、水切シート13の裏面と、建物ユニット2の上縁部11との間である。よって、局部カバー43は、切込部25の周辺の、水切シート13の下で建物ユニット2の上縁部11の上となる部分に設置される。
局部カバー43は、切込部25を通して水切シート13の内側へ浸入した雨水から建物ユニット2の未防水部分12を局部的に保護する部材である。局部カバー43については後述する。未防水部分12は、局部カバー43によって、柱2aの上端の周辺から切込部25の位置を越えた天井梁2bの端部の周辺までの部分を保護される。
(2)未防水部分12は、防水性を有する屋根パネル31を、建物ユニット2の上に、上縁部11から内側へズラして設置することで、上縁部11に沿って細長く形成されても良い(図3、図10)。
水切シート13は、屋根パネル31の、未防水部分12に面した側面32に取付けられても良い。
水切シート13の中間部26の下側には、中間部26を、屋根パネル31の上面と建物ユニット2の上縁部11との中間の高さに保持するシート受梁41が設置されても良い。
局部カバー43は、シート受梁41の端部の位置に設置されても良い。
ここで、屋根パネル31は、ユニット建物1の屋根部分を構成するパネルである。この実施例では、上階H(最上階)の建物ユニット2の上部(上面のコーナー部分)に屋根パネル31を並べて設置することで、ユニット建物1は、屋根部分を建物ユニット2に直接構築するようにしている。屋根パネル31が防水性を有することで、建物ユニット2は、上面の大部分が防水部分21となる。
上縁部11から内側へズラして設置するとは、屋根パネル31が建物ユニット2の吊具18を取付ける取付孔23を覆い隠さないように、屋根パネル31を建物ユニット2の上面の内側へ所要量寄せて設置することである。
これにより、屋根パネル31は、建物ユニット2の上縁部11および取付孔23と重ならないように建物ユニット2の上面に設置される。そして、建物ユニット2の上面は、上に屋根パネル31が存在しないことで、上縁部11の周辺の細長い部分が未防水部分12となる。未防水部分12は、建物ユニット2の上縁部11に対する屋根パネル31のズレ量(例えば、天井梁2bの幅のほぼ2~3倍程度)と等しい幅に形成される。
屋根パネル31は、防水性を有していればどのようなものとしても良い。屋根パネル31は、例えば、一対の平行な屋根フレーム35の間に、野地板36aや、防水性を有する下地鋼板36bなどの面材36を架設連結して一体化し、全体を面状に整えたものとされる。野地板36aは、屋根フレーム35の内側面に取付けられた受桟36cによって両側部を下側から支持固定される。
屋根フレーム35は、屋根パネル31の側面32を形成する部材(側面形成部材)であり、建物ユニット2の長辺を形成する天井梁2bとほぼ同じ長さとされる。そして、各建物ユニット2の屋外側に位置する屋根フレーム35は、未防水部分12と防水部分21との境界線になる。
屋根フレーム35は、縦向きのウェブ面35aと、横向きの上下のフランジ面35b,35cとを有する内向きC字断面の部材とされる。フランジ面35b,35cは、ウェブ面35aの上下の縁部から屋根パネル31の内側へ向けて横に延びる。
下地鋼板36bの上側には、例えば、太陽電池パネル37が、単数または屋根フレーム35に沿うように複数(例えば、4枚)並べて設置される。太陽電池パネル37は、取付金具38を介してネジで屋根フレーム35(の上側のフランジ面35b)に上側から取付けられる。なお、出荷時には、太陽電池パネル37は、上面に、保護シート37aが被せられる。また、太陽電池パネル37は必ずしも必要なものではないため、なくても良いし、太陽電池パネル37を模したダミーパネルなどとしても良い。
屋根パネル31は、連結梁39の上に単数または複数枚(例えば、2枚)並べて一体化した状態で、連結梁39に固定されて一体化される。複数枚の屋根パネル31は、建物ユニット2の長辺とほぼ同じ長さ、および、建物ユニット2の短辺よりも短い幅の矩形状となるように一体化される。
そして、一体化された屋根パネル31は、建物ユニット2の上面と向きを揃えて、連結梁39ごと(最)上階Hの建物ユニット2の上面の中央部に上から設置される。
連結梁39は、建物ユニット2の上面とほぼ同じかそれよりも若干下側となる位置に設置される。連結梁39の端部39aは、屋根パネル31の側面32から横へ突出して、ユニットフレームの天井梁2bの上に、上側から係止され、ボルト・ナットなどの締結固定具39bによって上下方向4に固定される。なお、連結梁39の端部39aは、連結梁39の本体部分よりも僅かに高くなるように段違い形状とされている。
屋根パネル31は、その上面が、太陽電池パネル37などとなっているが、少なくとも屋根フレーム35の厚み(ウェブ面35aの高さ)の分だけ建物ユニット2の上縁部11よりも高くなる。そして、水切シート13を取付ける屋根パネル31の側面32の位置は、例えば、屋根フレーム35の上下方向4の中央部よりも上側であれば良いが、特に、屋根フレーム35の上側のフランジ面35bなどのような高い位置とするのが好ましい。
側面32は、屋根パネル31の屋外側に位置する部分(パネル側面)であり、屋根フレーム35となる。水切シート13は、屋根フレーム35に中間部26を合わせた状態で、一方の縁部に取付けられた粘着テープ22を、屋根フレーム35(の上部)に対し、屋根フレーム35のほぼ全長に亘って連続するように貼付けられる。
この際、水切シート13は、粘着テープ22の側を上にして設置される。そして、水切シート13は、屋根フレーム35の上側のフランジ面35bや、取付金具38がある位置では、取付金具38の上端面などに、粘着テープ22(のはみ出した粘着部分)で貼付けられる。なお、粘着テープ22は、はみ出した粘着部分の幅が、屋根フレーム35の上側のフランジ面35bの幅よりも若干広くなっている。そのため、粘着テープ22は、はみ出した粘着部分の先端を、上側のフランジ面35bの端縁部や取付金具38の縦面などに対し、図9Aに示すように、先の尖ったヘラなど工具Tで下へ押し込むようにして、下向きになるように貼付けるのが好ましい。
そして、図3のように、未防水部分12にシート受梁41を取付けることで、水切シート13の中間部26の幅方向の一部を、シート受梁41で下側から受けさせて、中間部26を中間の高さに保持させるようにする。
中間の高さは、屋根パネル31の上面と、建物ユニット2の上面との間となる高さであれば、どのような高さとしても良いが、上下方向4に対し、屋根パネル31のほぼ真中となる位置かそれよりも上側の位置とするのが好ましい。
シート受梁41は、天井梁2bの上に、天井梁2bに沿って単数または複数本並べて取付けられる。シート受梁41は、水切シート13の中間部26とほぼ合致する範囲に、ほぼ連続するように設けられる。但し、シート受梁41は、連結梁39の端部39aと干渉する部分については、必要に応じて切欠いたり分割したりしても良い。
この実施例では、シート受梁41は、天井梁2bよりも短く、天井梁2bよりも幅が広い部材とされている。シート受梁41は、屋根パネル31の屋根フレーム35よりも高さが低い部材とされている。
シート受梁41は、縦向きのウェブ部41bと、横向きの上下のフランジ部41a,41cとを有する、屋外側に開いたC字断面の部材とされている。
シート受梁41は、下側のフランジ部41cの屋外側の縁部を、天井梁2bの上面の屋外側の縁部(上縁部11)に合わせて設置される。シート受梁41は、天井梁2bの上面に、リベットやネジなどの固定具41d(図11B)で上下方向4に固定される。これにより、ウェブ部41bは、天井梁2bよりも内側に位置される。ウェブ部41bは、屋根フレーム35のウェブ面35aに対して離間される。
そして、シート受梁41の上面となる上側のフランジ部41aは、天井梁2bよりも僅かに(外壁5の外面の位置を越えない程度に)屋外側に張り出している。
そして、シート受梁41を設置することで、中間部26は、少なくとも幅方向の一部が、シート受梁41の上面(フランジ部41a)に上から接するように設置される。
シート受梁41は、上面(フランジ部41a)が室内側から屋外側へ向けて下り勾配に傾斜されている。また、シート受梁41は、上面(フランジ部41a)の屋外側の部分が、屋根フレーム35の上側のフランジ面35bと、上縁部11または外壁5の上端部とを結んだ線よりも高くなっている。そのため、中間部26は、シート受梁41で下側から支持されることにより、確実に下り形状になる。そして、中間部26は、建物ユニット2の未防水部分12に対して上縁部11よりも高くなるように持上げられた状態に保持される。
なお、中間部26は、緩く張ることでシート受梁41の上面(フランジ部41a)全体に接触するように設置しても良いし、ピンと張るなどによってフランジ部41aの一部のみに接触するように設置しても良い。
例えば、水切シート13の中間部26は、緩く張ると、上端からシート受梁41の上面(フランジ部41a)に接するまでの間が比較的急勾配となる。そして、中間部26は、シート受梁41の上面(フランジ部41a)に接する部分が緩勾配となり、シート受梁41よりも先の部分が急勾配となる。
シート受梁41は、ユニット建物1の屋根部分に最終仕上材(例えば、桁カバーや雨樋など)を取付けるための受材を用いることで、仮雨仕舞の後もそのまま残して使用することができる。
(シート受梁41の)端部は、シート受梁41の、柱2aに最も近い部分である。端部の位置は、天井梁2bの端部とジョイントピース2dとの境目付近またはそれよりも若干中央寄りの位置となっている。
図6A~図6Cに示すように、局部カバー43は、防水性を有する樹脂製の薄板材などを加工して形成される。局部カバー43は、水切シート13の両端部14および切込部25を所要量だけ越えた中間部26側の位置の下に設置されて、未防水部分12の両側部分の周辺を直接覆う。
局部カバー43は、屋根パネル31に予め取付けられる(図7~図8B)。そして、屋根パネル31を建物ユニット2の上部に取付けることで、局部カバー43は、屋根パネル31と共に、建物ユニット2の上縁部11の上に局所的に設置される(図11A)。局部カバー43は、特に、水切シート13に対して接続しなくても良い。局部カバー43については、後述する。
未防水部分12やシート受梁41や局部カバー43の上に被せた水切シート13は、未防水部分12よりも大きめに形成された(両端部14や中間部26の)下側の縁部(はみ出し部分)を、仮止めされる(図4A)。はみ出し部分は、粘着テープ44で建物ユニット2の(例えば、柱2aや外壁5の)側面上部に貼り付けられる。
同様に、水切シート13は、未防水部分12よりも大きめに形成された(両端部14の)外側の部分(はみ出し部分)を、適宜折り畳んで、粘着テープ44で仮止めされる(図4B)。例えば、上記はみ出し部分は、建物ユニット2の(例えば、短辺側の外壁5の)側面上部や屋根パネル31の上面などに貼り付けられる。
(3)局部カバー43は、切込部25よりも奥の位置に、切込部25に臨む止水面(段差面43b)を有しても良い。
ここで、切込部25よりも奥の位置は、切込部25に対して天井梁2bの延設方向の中央寄りとなる位置のことである。
切込部25に臨むとは、水切シート13の下側に設置された局部カバー43の止水面(段差面43b)が、切込部25によって形成される開口部分42と向かい合うように形成されることである。そして、段差面43bが、開口部分42を、実質的に内側の位置から塞いで雨水の浸入をブロックできる状態になっていることである。
局部カバー43は、少なくとも段下面43aと、段差面43bと、段上面43cと、縦面部43d,43eとを一体に有している。段下面43aと、段差面43bと、段上面43cとは、局部カバー43の主要部であり、建物ユニット2の長辺方向に連続して形成される。このうち、段差面43bが切込部25に臨む止水面となる。止水面は、切込部25からの雨水の浸入をブロックする面である。縦面部43d,43eは、局部カバー43の両側部に形成される。
そして、段下面43aは、矩形状の横面とされて、建物ユニット2の柱2aの上端面や、ジョイントピース2dの上面などを上から覆う。段下面43aは、柱2aの上端面から(天井梁2bの延設方向の)外方へ若干はみ出す大きさとされる。
段上面43cは、矩形状の横面とされて、シート受梁41の端部の上面を上から覆う(図12B)。段上面43cの幅は、例えば、段差面43bの高さとほぼ同じかそれよりも若干大きくなっている。
段差面43bは、矩形状の縦面とされて、段下面43aと段上面43cとを繋ぐ。段差面43bは、シート受梁41とほぼ同じ高さとされる。段差面43bは、シート受梁41の端部にほぼ当接されて、シート受梁41の端部が水切シート13に直接当たるのを防止し、水切シート13の損傷を保護する。段差面43bは、例えば、切込部25から段上面43cの幅程度以下の距離だけ奥側の位置に形成される。
第一の縦面部43dは、局部カバー43の全域に亘る長さと、屋根フレーム35とほぼ等しい高さとを有している。縦面部43dは、シート受梁41側の下部が、段差面43bおよび段上面43cの形状に切欠かれた凸形状とされる。縦面部43dは、屋根パネル31の側に位置して、屋根フレーム35の外側から覆う。即ち、縦面部43dは、屋根フレーム35のウェブ面35aの外側面に当接配置される。
第二の縦面部43eは、矩形状とされて、建物ユニット2の上縁部11の側に位置し、段上面43cと段差面43bとを繋ぐ。縦面部43eは、段上面43cと同じ幅、および、段差面43bよりも若干高い上下寸法を有している。
また、段下面43aには、吊具挿通孔16および取付孔23と合致する位置に、連通孔43f(図9B、図11A)が形成される。連通孔43fは、吊具挿通孔16や取付孔23とほぼ同じ大きさか、それより若干大きなものとされる。
更に、局部カバー43は、周縁部に沿って所要幅のフランジ部を設けても良い。例えば、フランジ部は、段下面43aの段差面43bや縦面部43dとは反対側の縁部などに下へ向けて形成された下向フランジ43gとすることができる。この下向フランジ43gは、水切りなどとなる。
また、フランジ部は、縦面部43dの上側の縁部などに横へ向けて形成された内向フランジ43h(図6A)などとすることができる。この内向フランジ43hは、屋根フレーム35の上側のフランジ面35bに対する係止部や取付代などとなる。
なお、局部カバー43の各部間の合わせ部は、防水テープ43iなどによって防水処理が施される。局部カバー43は、例えば、内向フランジ43hを、屋根フレーム35の上側のフランジ面35bに上から係止させた状態で、縦面部43dを屋根フレーム35のウェブ面35aに当接させて粘着テープ45などで固定される(図8A)。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
まず、屋根パネル31を連結梁39の上に載置固定して一体化する(パネル一体化工程)。一体化する屋根パネル31は、単数でも複数でも良い。
また、図7(図8A)に示すように、屋根パネル31の側面32の両端に、予め、局部カバー43を取付けておく(局部カバー取付工程)。
そして、図7および図9Bに示すように、屋根パネル31に対し、予め、屋根パネル31の側面32(屋根フレーム35の上部)に沿って細長い水切シート13を取付けておく(水切シート取付工程)。局部カバー取付工程と水切シート取付工程は、どちらを先に行っても良い。
図9Bに示すように、水切シート13には、両端部14と中間部26との間に、切込部25を設ける。切込部25は、取付前に予め設けても良いし、取付中に同時に設けても良いし、取付後に設けても良い。
水切シート13は、一時的に、折り畳んだり丸めたりして屋根パネル31の上面や側面32などに粘着テープ22で仮止めする。これにより、水切シート13は、屋根パネル31の建物ユニット2への取付けの邪魔にならないようになる(水切シート仮止工程)。
そして、防水性を有する屋根パネル31を、建物ユニット2の上部に、上縁部11から内側へズラして設置することで、上縁部11に沿って細長く延びる未防水部分12を形成する(屋根パネル設置工程、図10)。
(屋根パネル設置工程)では、屋根パネル31を連結梁39によって一体化した状態のまま、吊り治具を用いて建物ユニット2の上部に設置する。これにより、建物ユニット2の上面に、未防水部分12と防水部分21とがそれぞれ形成される。なお、屋根パネル31は、建物ユニット2の上部に設置する直前に、連結梁39を用いて一体化しても良い。
(屋根パネル設置工程)の後には、建物ユニット2の外壁5が取付けられた位置の上縁部11(天井梁2b)に沿った中間部26と対応する位置にシート受梁41を取付ける(シート受梁取付工程)。
そして、屋根パネル31の、未防水部分12に面した側面32に取付けた細長い水切シート13で、未防水部分12を覆う(水切シート設置工程、図11A、図11B)。
この際、水切シート13は、両端部14の近傍に設けた切込部25の間に位置する中間部26を、建物ユニット2の未防水部分12に対して浮かせた状態で、屋根パネル31の側面32から建物ユニット2の上縁部11へ向かう下り形状に設置する。
また、水切シート13は、切込部25の外側に位置する両端部14を、建物ユニット2の上縁部11の周辺に対して面接触状態となるように設置することで(ほぼ水平な)上縁接触面部17を形成する(図4A)。
具体的には、(水切シート設置工程)では、屋根パネル31に対する粘着テープによる仮止めを外して水切シート13を未防水部分12の上に拡げ、更に、建物ユニット2の側面に向かって垂らす。
この際、シート受梁41を取付けた位置では、水切シート13の大部分を占める中間部26を、シート受梁41の上に被せるようにして、建物ユニット2の未防水部分12に対し浮かせて設置する。その後、水切シート13は、中間部26の下部を建物ユニット2の側面の外壁5に沿って垂らした状態にして、下縁部を、外壁5の上部などに粘着テープ44で貼り付けておく。
また、水切シート13は、切込部25によって中間部26から一部分離された両端部14を、屋根パネル31の側面32(屋根フレーム35の外側面)に沿ってほぼ真下へ垂らす(縦面部分34)。更に、両端部14を、柱2aの上端や、ジョイントピース2dの上面に沿ってほぼ水平に被せる(上縁接触面部17)。
そして、水切シート13の上縁接触面部17に設けた吊具挿通孔16(や連通孔43f)を通して建物ユニット2(の取付孔23)に上から吊具18を取付ける(吊具取付工程、図4B)。
その後、水切シート13は、両端部14の下部を建物ユニット2の側面の外壁5に沿って垂らした状態にして、下縁部を、外壁5の上部などに粘着テープ44で貼付けておく。なお、吊具18を取付けと、粘着テープ44で貼付けは、どちらを先にしても良い。
上記した各工程は、工場での建物ユニット2の製造後に、工場にて、降雨時に備えた仮雨仕舞いのために行われる。
次に、建築現場での建物ユニット2の据付後には、図12Aに示すように、(建物ユニット2から)吊具18を取外す(吊具取外工程)。
そして、吊具18が取外された吊具挿通孔16を、防水テープ61で塞ぐ(穴埋工程)。
(穴埋工程)では、吊具挿通孔16は、防水テープ61を貼るだけで簡単に塞ぐことができ確実に防水される。
(穴埋工程)で、吊具挿通孔16を防水テープ61で塞いで防水した後は、図12Bに示すように、両端部14の下縁部を、一旦、建物ユニット2の側面上部から外してまくり上げ、未防水部分12を露出させる。そして、連通孔43fの上から取付孔23を防水テープ63で塞ぐ。なお、局部カバー43を取外して、取付孔23を防水テープ63で直接塞ぐようにしても良い。
これと並行して、中間部26の下縁部を、一旦、建物ユニット2の側面上部から外してまくり上げ、未防水部分12を露出させる。そして、シート受梁41の上面に予め取付けておいた両面テープ64の離型紙64aを剥がす。
そして、水切シート13は、図12Cに示すように、全体を元のように未防水部分12の上に垂らすことで、シート受梁41の上面に予め取付けておいた両面テープ64を用いて中間部26をシート受梁41の上面に貼り付ける。水切シート13は、下側の縁部全体を建物ユニット2の側面に対して粘着テープ44で貼り直す。
この状態にて、図12Dに示すように、切込部25を防水テープ62で繋いで、水切シート13の両端部14を中間部26に合わせた下り形状にする(一体化工程)。
(一体化工程)では、切込部25は、中間部26と両端部14とをほぼ面一状態に揃えた状態にして両者間に跨るように防水テープ62を貼るのが好ましい。防水テープ62は、切込部25に沿い、切込部25の全長に亘って連続して貼るようにする。これにより、切込部25が防水テープ62できれいに繋がれて中間部26と両端部14とが一体に接合され、防水される。
なお、両端部14の下には、シート受梁41がないため、中間部26と繋いでも両端部14は、中間部26と全く同じ下り形状にはならないものの、中間部26と似たような下り形状になる。
その後、雨が止んだときに、ユニット建物1の屋根部分の仕上作業を行って、建物ユニット2の上縁部11の周辺の未防水部分12を防水すると共に、屋根部分を完成させる。水切シート13は、状況に応じて、そのまま残しても良いし、取外しても良い。
なお、上記した各工程は、建築現場での建物ユニット2の据付け後に行われる。防水テープ61~63は、防水性を有する粘着テープ22のことである。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果が得られる。
(効果 1)建物ユニット2の上面雨仕舞構造は、建物ユニット2の上縁部11に沿って形成された細長い未防水部分12に、未防水部分12を覆う細長い水切シート13が設けられても良い。これにより、水切シート13は、建物ユニット2の上縁部11に沿って形成された細長い未防水部分12のみを覆うものにできる。そのため、水切シート13は小型化され、水切シート13の取扱いが容易になる。
水切シート13は、両端部14の近傍に切込部25が設けられても良い。そして、水切シート13は、未防水部分12に対し、切込部25間の中間部26が上縁部11よりも高くなり、両端部14が上縁部11と同じ高さの部分を有するように高低差が形成されても良い。
これにより、水切シート13は、切込部25によって、中間部26と両端部14とを分けて、それぞれ異なる形状や異なる機能を、無理なく容易に付与することができる。そして、中間部26や両端部14を、シワや突っ張りが少ない状態にできる。
そして、水切シート13は、中間部26を、上縁部11よりも高くすると共に、例えば、屋根パネル31の上面から建物ユニット2の上縁部11へ向かう下り形状に設置することで、雨水の排水を促進することができる。
また、水切シート13は、両端部14を上縁部11と同じ高さの部分を有するように設置することで、建物ユニット2の上縁部11に対して面接触する部分を確保することができる。
そして、両端部14の少なくとも一部を建物ユニット2の上縁部11に面接触させることで、その部分から雨水が浸入する隙間をなくすことができる。また、水切シート13は、両端部14の上縁部11と面接触された部分を通して、建物ユニット2に吊具18を取付けることができる。そのため、水切シート13をまくらずに、容易かつ確実に建物ユニット2に吊具18を取付けることが可能になる。
そして、水切シート13は、切込部25によって、上記したように、一枚の水切シート13を立体的に使うことができる。切込部25によって、水切シート13に、雨水の排水に適した中間部26と、吊具18の取付けに適した両端部14の上縁接触面部17とを同時に形成することができる。
水切シート13の下には、切込部25の周辺に、未防水部分12を局部的に雨水から保護する局部カバー43が設けられても良い。
これにより、切込部25を通して水切シート13の内側へ浸入した雨水から未防水部分12を局部カバー43によって保護することができる。そのため、水切シート13に切込部25を設けて、中間部26と両端部14に高低差を形成しても、雨水の浸入による影響を受け難くできる。よって、降雨時などであっても、建物ユニット2の搬送や建物ユニット2を吊具18で吊上げる作業などを行うことができる。そして、局部カバー43は、未防水部分12を覆うものであるため、水切シート13と接続する必要がなく、設置が容易である。
(効果 2)建物ユニット2の上面雨仕舞構造では、未防水部分12は、防水性を有する屋根パネル31を、建物ユニット2の上に、上縁部11から内側へズラして設置することで、上縁部11に沿って細長く形成されても良い。
そして、水切シート13は、屋根パネル31の、未防水部分12に面した側面32に取付けられても良い。
これにより、建物ユニット2は、上部の大部分を、屋根パネル31によって防水部分21にできる。そして、建物ユニット2は、屋根パネル31を設置していない部分を細長い未防水部分12にできる。未防水部分12は、建物ユニット2の上縁部11に沿った細長い形状となり最小化される。
そのため、水切シート13を、未防水部分12に合った細長い形状の小型のものにでき、小型の水切シート13のみで細長い未防水部分12を容易かつ確実に覆うことができる。更に、小型化によって、細長い水切シート13は取扱い易くなる。水切シート13は、屋根パネル31の側面32に取付けることで、未防水部分12に簡単に設置できる。
また、水切シート13の中間部26の下側には、中間部26を、屋根パネル31の上面と建物ユニット2の上縁部11との中間の高さに保持するシート受梁41が設置されても良い。
これにより、シート受梁41で水切シート13の中間部26を受けることにより、水切シート13を屋根パネル31の上面よりも低く、かつ、上縁部11よりも高くして、安定した下り形状に保持できる。そのため、水切シート13の中間部26は、雨水をうまく排水できる形状になる。
なお、シート受梁41は、建物の屋根部分に最終仕上材を取付けるための受材を使うことで、取外す必要をなくせる。
局部カバー43は、シート受梁41の端部の位置に設置されても良い。これにより、局部カバー43をシート受梁41の端部によって下から支えることができると共に、シート受梁41の端部を局部カバー43で上から覆って雨水から保護することができる。そして、シート受梁41の端部による水切シート13の損傷を局部カバー43で防止できる。
(効果 3)建物ユニット2の上面雨仕舞構造では、局部カバー43は、切込部25よりも奥の位置に、切込部25に臨む止水面を有しても良い。これにより、局部カバー43は、切込部25の奥に位置する止水面によって、切込部25から入込んだ雨水をブロックすることができる。この際、止水面が切込部25よりも奥に位置することで、切込部25の周辺に止水面から張出す軒状の部分ができ、軒状の部分が、自重で僅かに下向きに垂れ下がった状態になる。そのため、切込部25に形成される開口部分42が自然に狭く小さく絞られるので、開口部分42からの雨水の浸入量を少なくする効果が期待できる。
2 建物ユニット
11 上縁部
12 未防水部分
13 水切シート
14 両端部
25 切込部
26 中間部
43 局部カバー
31 屋根パネル
32 側面
41 シート受梁
43b 段差面(止水面)

Claims (3)

  1. 建物ユニットの上縁部に沿って形成された細長い未防水部分を覆う細長い水切シートが設けられ、
    該水切シートは、両端部の近傍に切込部が設けられて、前記未防水部分に対し、前記切込部間の中間部が前記上縁部よりも高くなり、前記両端部が前記上縁部と同じ高さの部分を有するように高低差が形成され、
    前記水切シートの下には、前記切込部の周辺に、前記未防水部分を局部的に保護する局部カバーが設けられていることを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞構造。
  2. 請求項1に記載の建物ユニットの上面雨仕舞構造であって、
    前記未防水部分は、防水性を有する屋根パネルを、前記建物ユニットの上に、前記上縁部から内側へズラして設置することで、前記上縁部に沿って細長く形成され、
    前記水切シートは、前記屋根パネルの、前記未防水部分に面した側面に取付けられ、
    前記水切シートの前記中間部の下側には、前記中間部を、前記屋根パネルの上面と前記建物ユニットの前記上縁部との中間の高さに保持するシート受梁が設置されており、
    前記局部カバーは、前記シート受梁の端部の位置に設置されていることを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の建物ユニットの上面雨仕舞構造であって、
    前記局部カバーは、前記切込部よりも奥の位置に、前記切込部に臨む止水面を有していることを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞構造。
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