JP6777128B2 - 手摺の防水構造 - Google Patents

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Description

本発明は、バルコニなどの外部床の外周縁に沿って設けられる手摺の防水構造に関するものである。
下記特許文献1には、バルコニの周縁に沿って立設されたパラペットの上面に設けられる手摺の支柱固定構造が開示されている。この手摺は、パラペットの骨組みの上面に固定された支柱受具と、この支柱受具に立設された支柱と、この支柱の上端に取り付けられた笠木と、支柱の下部にパッキンを介して取り付けられ、パラペットの上端部分を覆うパラペット材と、支柱に胴縁を介して取り付けられたガラスとから構成されている。ここで、パラペット材の下端とパラペットとの隙間は、パラペット材の内面から突出したゴムなどからなるシール部材で塞がれている。従って、シール部材により、パラペットの骨組みの内部への雨水などの浸入を防止することができる。
特開平11−36439号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のシール部材では、掃除の際にバルコニなどの床に勢いよく水をまいた場合、そのまかれた水によってシール部材がめくれ上がって、パラペットの骨組みの内部へ水が浸入するおそれがある。また、シール部材がゴムなどからなるので、長期間使用した場合、劣化して防水機能を果たせなくなるおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、簡易な構成で、手摺が設けられる立ち上がり部内に液体が浸入するのを長期間にわたって防止することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る手摺の防水構造は、外部床の屋外縁に形成される立ち上がり部に設けられ、上方へ開口する空間を有する前記立ち上がり部の前記開口を閉じるよう前記立ち上がり部を上方から覆う捨て水切り材と、前記捨て水切り材を上方から覆う下笠木材とを備える手摺の防水構造であって、前記捨て水切り材は、前記開口を閉じる上片と、前記上片の屋内側端部に下方へ延出して形成される内片と、前記内片に屋外方向へ延出して形成される延出片とを有し、前記立ち上がり部の屋内側の面と前記延出片との間に隙間が形成されるように、前記上片が前記開口を閉じるように配置されると共に、前記内片が前記立ち上がり部の屋内側に配置された状態で、前記立ち上がり部の屋内側の面、前記上片の内面、前記内片の内面および前記延出片の内面により空間が形成されることを特徴とする。
また、本発明に係る手摺の防水構造は、前記立ち上がり部の屋内側上端部と前記上片との間に水密材が設けられることを特徴とする。
さらに、本発明に係る手摺の防水構造は、手摺面材を保持する手摺支柱をさらに備え、前記手摺支柱は、前記捨て水切り材および前記下笠木材を貫通した状態で、下端部が前記外部床の屋外縁に形成される立ち上がり部に設けられた上方へ開口する空間内に配置されて前記外部床の躯体に設けられる支柱本体と、前記支柱本体の前記下笠木材から上方へ延出した部分を覆う支柱カバーとを有し、前記下笠木材と前記支柱カバーの下端部との間に水密材が設けられることを特徴とする。
本発明に係る手摺の防水構造によれば、手摺の下端部において、捨て水切り材によって立ち上がり部の開口が閉じられた状態で、立ち上がり部の屋内側の面、捨て水切り材の上片の内面、捨て水切り材の内片の内面および捨て水切り材の延出片の内面により空間が形成される。従って、立ち上がり部の屋内側の面と延出片との隙間から勢いよく水が外気と共に前記空間内に浸入した場合、空間により侵入した外気の勢いが弱められ、外気と共に空間内に浸入した水を空間で止めることができる。これにより、立ち上がり部内に水が浸入するのを長期間にわたって防止することができる。
また、本発明に係る手摺の防水構造によれば、前述した空間に加えて、立ち上がり部の屋内側と上片との間に水密材が設けられるので、立ち上がり部内に水が浸入するのをより確実に防止することができる。
さらに、本発明に係る手摺の防水構造によれば、下笠木材と支柱カバーの下端部との間に水密材が設けられるので、下笠木材の支柱の貫通部から下笠木材内、ひいては立ち上がり部内に水が浸入するのを防止することができる。
本発明の手摺の防水構造の一実施例を示す概略縦断面図である。 図1におけるA部拡大図である。 図1の手摺の防水構造の施工方法を示す概略斜視図であり、手摺支柱の施工を示している。 図1の手摺の防水構造の施工方法を示す概略斜視図であり、捨て水切り材および下笠木材の施工を示している。 図1の手摺の防水構造の施工方法を示す概略斜視図であり、固定プレートの施工を示している。 図1の手摺の防水構造の施工方法を示す概略斜視図であり、支柱カバーの施工を示している。
以下、本発明の手摺の防水構造の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の手摺の防水構造の一実施例を示す図であり、図1は概略縦断面図、図2は図1におけるA部拡大図である。なお、以下の説明においては、図1の紙面における左右方向を前後方向、すなわち、屋外側を前方、屋内側を後方とする。
本実施例の手摺の防水構造は、外部床1の屋外縁に形成される立ち上がり部2に設けられる手摺3の防水構造である。この手摺3は、立ち上がり部2を上方から覆う捨て水切り材4と、捨て水切り材4を上方から覆う下笠木材5と、外部床1の躯体に設けられる手摺支柱6と、手摺支柱6に保持される手摺面材7とを備えて構成される。ここでは、外部床1がバルコニの場合について説明するが、これに限定されるものではなく、たとえば、ベランダ、外廊下または屋上であってもよい。外部床1は、住宅の二階に外壁から屋外側へ延出して設けられ、外壁に設けられた掃き出し窓を介して、二階の居室と行き来可能とされている。外部床1は、床部8と前記立ち上がり部2とを有している。
床部8は、梁材9,9間に架け渡される基礎材10上に設けられる断熱材11と、断熱材11上に設けられる不燃ボード12と、不燃ボード12上に設けられる防水シート13とを有している。断熱材11は、板状に形成されており、板面を上下に向けて基礎材10上に設けられる。不燃ボード12は、断熱材11よりも薄い板状に形成されており、板面を上下に向けて断熱材11の上面に敷設される。防水シート13は、シート状に形成されており、不燃ボード12の上面を覆うようにして敷かれる。なお、図示しないが、防水シート13上には、化粧材が設けられる。
床部8の屋外側に、立ち上がり部2が設けられる。立ち上がり部2は、床部8の屋外側端部に配置される下地材14と、下地材14の屋外側に配置される外壁パネル15とを有している。下地材14は、板状に形成されており、板面を前後に向けて配置される。下地材14と床部8との隅部には、側面視略L字形の板状の隅部材16が設けられる。隅部材16は、一片17が床部8に配置される一方、他片18が下地材14に配置される。隅部材16の他片18は、先端部が前方へ屈曲した後さらに上方へ屈曲して形成されており、先端部が下地材14の上面に配置されると共に、残りの部分が下地材14の後面に配置される。この際、他片18の先端部は、前方への屈曲部が下地材14の上面に配置され、上方への屈曲部が下地材14から上方へ延出して配置される。隅部材16は、前方への屈曲部から一片17にかけて、防水シート13で覆われている。また、住宅の外壁である外壁パネル15は、板状に形成されており、板面を前後に向けて配置される。この際、外壁パネル15と下地材14とは、前後方向に互いに離隔して配置される。これにより、立ち上がり部2には、上方へ開口する空間19が形成される。
このようにして、外部床1の屋外縁には、上方へ開口する空間19を有する立ち上がり部2が上方へ延出して形成される。立ち上がり部2には、手摺面材7を保持する手摺支柱6が立設される。具体的には、手摺支柱6は、下端部が外部床1の躯体である梁材9に固定された状態で、立ち上がり部2から上方へ延出して設けられる。この際、手摺支柱6は、立ち上がり部2の空間19を通って、立ち上がり部2から上方へ延出している。手摺支柱6の下部には、笠木下地材20が設けられる。笠木下地材20は、板状に形成されており、板面を上下方向に向けた状態で手摺支柱6に固定される。この際、笠木下地材20と立ち上がり部2の上端との間には、隙間が形成される。
また、手摺支柱6の下部には、笠木下地材20を介して、捨て水切り材4が設けられる。捨て水切り材4は、下方へ開口する側面視略コ字形の板状に形成されており、立ち上がり部2の上方への開口21を閉じる上片22と、上片22の屋外側端部に下方へ延出して形成される外片23と、上片22の屋内側端部に下方へ延出して形成される内片24と、内片24に屋外方向へ延出して形成される延出片25とを有している。本実施例の捨て水切り材4は、上片22、内外片24,23および延出片25が一体形成されており、板材の屋外側端部および屋内側端部をそれぞれ下方へ屈曲して外片23および内片24が形成され、さらに内片24の先端部を折り返した後に屋外方向へ屈曲して延出片25が形成される。
捨て水切り材4は、上片22が笠木下地材20の上に載せ置かれた状態で、ネジなどで笠木下地材20に固定される。この際、捨て水切り材4は、上片22が立ち上がり部2の開口21を覆って閉じるように配置され、内外片24,23がそれぞれ立ち上がり部2の屋内側および屋外側に配置される。具体的には、捨て水切り材4は、外片23が外壁パネル15の表面との間に隙間をあけた状態で下方へ延出して配置され、内片24が防水シート13との間に隙間をあけた状態で下方へ延出して配置される。また、捨て水切り材4の延出片25の先端部と立ち上がり部2の屋内側の面である防水シート13との間には、隙間26が形成される。
捨て水切り材4が笠木下地材20を介して手摺支柱6に固定された状態では、立ち上がり部2の屋外側上端部と捨て水切り材4の上片22との間、および立ち上がり部2の屋内側上端部と捨て水切り材4の上片22との間にそれぞれ水密材27,28が設けられる。本実施例では、水密材27は、捨て水切り材4の上片22と外壁パネル15の上面との間に設けられる。また、水密材28は、第一水密片29と第二水密片30とを有している。第一水密片29は、隅部材16の他片18の前方への屈曲部に設けられる防水シート13と捨て水切り材4の上片22との間に設けられる。第二水密片30は、第一水密片29の前側において、隅部材16の他片18の上方への屈曲部の上面と捨て水切り材4の上片22との間に設けられる。
捨て水切り材4には、それを覆うようにして、下笠木材5が設けられる。下笠木材5は、下方へ開口する側面視略コ字形の板状に形成されており、板面を上下に向けて配置される上片31と、上片31の屋外側端部に下方へ延出して形成される外片32と、上片31の屋内側端部に下方へ延出して形成される内片33とを有している。本実施例では、下笠木材5の上片31は、屋内側へ行くに従って下方へ傾斜して形成されている。
下笠木材5は、上片31が捨て水切り材4の上片22に上下に対応するよう配置されると共に、内外片33,32がそれぞれ捨て水切り材4の内外片24,23に前後に対応するよう配置された状態で、捨て水切り材4に設けられる。この際、下笠木材5の上片31と捨て水切り材4の上片22との間、下笠木材5の外片32と捨て水切り材4の外片23との間、および下笠木材5の内片33と捨て水切り材4の内片24との間には、隙間が形成される。本実施例では、下笠木材5は、下笠木材5に設けられる取付具34が捨て水切り材4に設けられる被取付具35に取り付けられることで、捨て水切り材4に設けられる。下笠木材5に設けられる取付具34は、下方へ開口する側面視略コ字形の弾性を有する板状に形成されており、屋外側端部および屋内側端部にそれぞれ内方へ延出する係合部36、および下方へ延出する脚部37を有している。一方、捨て水切り材4に設けられる被取付具35は、下方へ開口する側面視略コ字形の板状に形成されており、屋外側端部および屋内側端部にそれぞれ、係合部36が係合される段状の被係合部38を有している。
取付具34は、屋外側端部および屋内側端部がそれぞれ、下笠木材5の屋外側端部および屋内側端部にそれぞれ内方へ延出して形成された載置部39に載せ置かれた状態で、下笠木材5の内面に沿って設けられる。一方、被取付具35は、捨て水切り材4の外面に沿って設けられる。従って、下笠木材5および取付具34を外方へ広げつつ捨て水切り材4に被せて、取付具34の係合部36を被取付具35の被係合部38に係合させることで、取付具34が弾性力によって被取付具35に係合されて、下笠木材5が捨て水切り材4に設けられる。下笠木材5が捨て水切り材4に設けられた状態では、取付具34の脚部37の下端部が被取付具35の上面に接触しており、下笠木材5と捨て水切り材4とが隙間をあけて配置される。なお、本実施例では、取付具34と被取付具35とのセットは、左右方向に互いに間隔をあけて複数セットが用いられる。
このようにして、手摺支柱6に捨て水切り材4および下笠木材5が設けられる。この際、手摺支柱6は、捨て水切り材4および下笠木材5を貫通して、上方へ延出して配置される。手摺支柱6の上端部には、上笠木材40が屋外側へ延出して設けられる。また、下笠木材5から上方へ延出した部分の手摺支柱6の下端部には、胴縁材41が屋外側へ延出して設けられる。上笠木材40と胴縁材41との間には、手摺面材7が設けられる。手摺面材7は、板状で板面を前後に向けて配置されており、上端部が上笠木材40の屋外側端部に差し込まれる一方、下端部が胴縁材41の屋外側端部に差し込まれて、手摺支柱6に設けられる。従って、手摺面材7は、手摺支柱6よりも前方に配置される。
図3から図6は、本実施例の手摺の防水構造の施工方法を時系列に示す概略斜視図である。本実施例の手摺の防水構造では、まず、外部床1の躯体である梁材9に手摺支柱6が設けられる。図1に示されるように、手摺支柱6は、梁材9に設けられる支柱本体42と、支柱本体42の下笠木材5から上方へ延出した部分を覆う支柱カバー43とを有している。
支柱本体42は、上下方向に細長い板状で板面を左右に向けて配置されており、下端部に梁材9への固定部材44が形成されている。固定部材44は、板状に形成されており、板面を上下に向けて配置される。固定部材44の板面が梁材9の上面に重ね合わされた状態で、固定部材44が梁材9にボルトナット45で固定されることで、支柱本体42が梁材9に固定される。支柱本体42の下端部には、平面視略L字形の板状で屋外側に配置される一対の第一部材46,46、平面視略L字形の板状で屋内側に配置される一対の第二部材47,47、および正面視略L字形の板状の一対の第三部材48,48が設けられる。
一対の第一部材46,46は、一片49,49同士で支柱本体42を挟むようにして支柱本体42に固定され、他片50が一片49の屋外側端部において板面を前後に向けて配置される。一対の第二部材47,47は、一片51,51同士で支柱本体42を挟むようにして支柱本体42に固定され、他片52が一片51の屋内側端部において板面を前後に向けて配置される。一対の第三部材48,48は、一片53,53同士で支柱本体42を挟むようにして支柱本体42に固定され、他片54が一片53の下端部において板面を上下に向けて配置される。
支柱本体42の梁材9への固定後、前述した外壁パネル15、下地材14および笠木下地材20などが設けられる。この際、第一部材46の他片50が外壁パネル15の裏面に当接した状態で、ネジ85により第一部材46と外壁パネル15とが固定される。また、下地材14は、第二部材47の他片52に当接した状態で配置される。なお、図1に示されるように、支柱本体42と梁材9との固定部には、モルタル55が充填される。
本実施例では、支柱本体42を挟むようにして、笠木下地材20が設けられる。各笠木下地材20には、互いに対応する端部に、下方へ凹んで段部56が形成されている。一方の笠木下地材20は、段部56が支柱本体42に固定された一方の第三部材48の他片54に載せ置かれた状態で、段部56と他片54とがボルトナット57で固定されることで、一方の第三部材48に固定される。他方の笠木下地材20は、段部56が支柱本体42に固定された他方の第三部材48の他片54に載せ置かれた状態で、段部56と他片54とがボルトナット57で固定されることで、他方の第三部材48に固定される。これにより、笠木下地材20は、支柱本体42を挟むようにして、支柱本体42に固定される。なお、通常は複数の手摺支柱6が互いに間隔をあけて設置されるので、手摺支柱6,6間に配置される笠木下地材20には、両端部に前述した段部56が形成される。
笠木下地材20の支柱本体42への固定後、前述した捨て水切り材4が設けられる。捨て水切り材4の上片22には、平面視略四角形状の貫通穴58が形成されており、その貫通穴58の周囲には四角枠状の突出部59が形成されている。従って、捨て水切り材4は、支柱本体42の上方から貫通穴58に支柱本体42を通すようにして、笠木下地材20に載せ置かれる。そして、前述したように、捨て水切り材4は、笠木下地材20にネジで固定される。この際、立ち上がり部2の屋外側上端部と上片22との間、および立ち上がり部2の屋内側上端部と上片22との間に水密材27,28が設けられる。これにより、立ち上がり部2の開口21が閉じられた状態とされる。捨て水切り材4の設置後、突出部59内にはシーリング材が充填される。なお、通常は前述したように手摺支柱6が複数設置されて左右に長い手摺3となるので、複数の捨て水切り材4が互いに接続されて設置される。この際、複数の捨て水切り材4の内、手摺支柱6のない箇所に設けられる捨て水切り材4には、貫通穴58および突出部59が形成されない。また、隣接する捨て水切り材4,4同士の接続部には、適宜の防水処理が施される。
捨て水切り材4の笠木下地材20への固定後、前述した下笠木材5が設けられる。下笠木材5の上片31には、平面視略四角形状の貫通穴60が形成されている。従って、下笠木材5は、支柱本体42の上方から貫通穴60に支柱本体42を通すようにして、捨て水切り材4に設けられる。下笠木材5の捨て水切り材4への設置は、前述したように取付具34および被取付具35を用いてなされる。すなわち、下笠木材5の設置前には、予め、下笠木材5に取付具34が設けられ、捨て水切り材4に被取付具35が設けられている。なお、通常は前述したように手摺支柱6が複数設置されて左右に長い手摺3となるので、下笠木材5の上片31には、複数の貫通穴60が形成されている。また、左右に長い手摺3の場合には、複数の下笠木材5を互いに隣接して設置してもよい。
このようにして、支柱本体42は、捨て水切り材4および下笠木材5を貫通した状態で、下端部が立ち上がり部2の空間19内に配置されて、梁材9に固定される。下笠木材5の捨て水切り材4への設置後、支柱本体42には、左右一対の固定プレート61,61が設けられる。左右一対の固定プレート61,61は、左右対称に形成されているので、ここでは右側に配置される固定プレート61について説明する。固定プレート61は、後方へ開口した側面視略コ字形の板状のプレート本体部62と、プレート本体部62の開放両端部の左端部同士を接続する板状の接続部63とを有している。接続部63は、板面を左右に向けて配置されており、略中央部には左右方向へ沿って貫通穴64が形成されている。
左右一対の固定プレート61,61は、左側の固定プレート61の接続部63の右面が支柱本体42の左面に当接されると共に、右側の固定プレート61の接続部63の左面が支柱本体42の右面に当接された状態で、ボルト65およびナット66により支柱本体42に固定される。すなわち、右側の固定プレート61の貫通穴64、支柱本体42に形成された貫通穴67および左側の固定プレート61の貫通穴64にボルト65が通された状態で、そのボルト65にナット66をねじ込むことで、左右の固定プレート61,61が支柱本体42に固定される。この際、左右一対の固定プレート61,61のプレート本体部62の前面と支柱本体42の前面とが面一とされる。本実施例では、支柱本体42の下笠木材5からの延出部分において、上下方向略中央部と下端部とに左右一対の固定プレート61,61が固定される。
固定プレート61の支柱本体42への固定後、支柱本体42の下笠木材5からの延出部分に支柱カバー43が被せられる。支柱カバー43は、上下方向へ開口する平面視略四角形の角筒状に形成されている。支柱カバー43の上端部には、支柱本体42への取付時に用いられる取付部材68が設けられる。取付部材68は、上方へ開口する正面視略コ字形の板状に形成されており、中央片部69に上下方向へ沿って貫通穴70が形成されている。図6に示されるように、取付部材68は、上方へ開口するようにして、開放両端部71,71それぞれが支柱カバー43の内面にネジ72で固定される。
支柱カバー43の下端部には、下笠木材5への接触部材73が設けられる。接触部材73は、平面視略四角形の板状とされ、下面が屋外側へ行くに従って上方へ傾斜して形成されている。接触部材73の中央部には、略矩形状の貫通穴74が形成されており、その貫通穴74と連続して、接触部材73の前側隅部にネジ挿通穴75,75が形成されている。また、ネジ挿通穴75,75は、接触部材73の後側隅部にも形成されている。図6に示されるように、接触部材73は、上面を支柱カバー43の下端部に接触させた状態で、接触部材73のネジ挿通穴75を介して、支柱カバー43に形成されたネジ取付部76にネジをねじ込むことで、支柱カバー43の下端部に固定される。
支柱カバー43の下端部と接触部材73との間には、水密材77が設けられる。水密材77は、平面視略四角形の板状とされ、中央部に略矩形状の貫通穴78が形成されている。水密材77には、前側の隅部に貫通穴78と連続するネジ挿通穴79,79が形成され、後側の隅部にもネジ挿通穴79,79が形成されている。また、接触部材73の下面には、水密材80が設けられる。この水密材80は、支柱カバー43と接触部材73との間の水密材77と同一のものとされる。従って、支柱カバー43の下端部には、下方から順に水密材80、接触部材73および水密材77が重ね合わされた状態で、それぞれのネジ挿通穴75,79を介して、ネジ取付部76にネジがねじ込まれることで、接触部材73および水密材77,80が固定される。ところで、支柱本体42には、上端部に左右方向へ沿って側面視略四角形状の貫通穴81が形成されており、その貫通穴81に連通するようにして、上面にネジ穴82が形成されている。
このような構成の支柱カバー43は、支柱本体42の上方から、接触部材73の貫通穴74および水密材77,80の貫通穴78,78に支柱本体42を通すと共に、支柱カバー43の下方への開口に支柱本体42を通して、支柱本体42に被せられ、下笠木材5の上片31に載せ置かれる。この際、支柱カバー43は、その下端部に固定された接触部材73によって、軸線が鉛直方向に沿って配置される。そして、取付部材68に形成された貫通穴70を介して、ボルト83が支柱本体42の上面に形成されたネジ穴82にねじ込まれる。また、支柱カバー43の前面に形成された貫通穴を介して、左右一対の固定プレート61,61のプレート本体部62前面にドリルネジがねじ込まれる。これにより、支柱カバー43は、支柱本体42の外面を覆った状態で、支柱本体42に固定される。支柱カバー43の支柱本体42への固定後、支柱カバー43の上端部に設けられた上笠木材40と、支柱カバー43の下端部に設けられた胴縁材41との間に手摺面材7が設けられる。
本実施例の手摺の防水構造の場合、捨て水切り材4により立ち上がり部2の開口21が閉じられた状態において、立ち上がり部2の上端部の屋内側の面、捨て水切り材4の上片22の内面、捨て水切り材4の内片24の内面および捨て水切り材4の延出片25の内面により空間84を形成することができる。なお、図示例では、水密材28が設けられるので、空間84は、立ち上がり部2の屋内側の面、上片22の下方に配置される水密材28の第一水密片29の下面、捨て水切り材4の内片24の内面および延出片25の内面により形成されることになる。従って、たとえば、外部床1の掃除の際に外部床1に屋外方向へ向けて水をかけた場合、立ち上がり部2の屋内側の面と延出片25の先端部との隙間26から勢いよく水が外気と共に空間84内に浸入したとしても、空間84により侵入した外気の勢いを弱めることができ、外気と共に空間84内に浸入した水を空間84で止めることができる。また、本実施例の手摺の防水構造の場合、前述したように空間84を形成することで立ち上がり部2の空間19内に水が浸入するのを防止することができるので、弾性を有するシール部材を用いる場合と比較して、長期間にわたって水の浸入を防止することができる。
また、本実施例の手摺の防水構造の場合、前述した空間84で水の浸入を防止すると共に、立ち上がり部2の屋内側上端部と捨て水切り材4との間に、内部の水密性を保持するための水密材28が設けられるので、立ち上がり部2の空間19内に水が浸入するのをより確実にかつ容易に防止することができる。また、本実施例の手摺の防水構造の場合、隅部材16の他片18の前方への屈曲部に設けられる防水シート13と捨て水切り材4の上片22との間に第一水密片29が設けられると共に、隅部材16の他片18の上方への屈曲部の上面と捨て水切り材4の上片22との間に第二水密片30が設けられる。従って、第一水密片29が設けられる箇所と第二水密片30が設けられる箇所との二箇所において水密性が確保されるので、立ち上がり部2内への水の浸入の防止をさらに向上させることができる。
また、本実施例の手摺の防水構造の場合、下笠木材5と支柱カバー43の下端部との間、すなわち接触部材73と下笠木材5との間に、内部の水密性を保持するための水密材80が設けられるので、下笠木材5と支柱カバー43の下端部との間から立ち上がり部2内に雨水などが浸入するのを防止することができる。また、本実施例の手摺の防水構造の場合、接触部材73と支柱カバー43の下端部との間に、内部の水密性を保持するための水密材77が設けられるので、接触部材73と支柱カバー43の下端部との間から立ち上がり部2内に雨水などが浸入するのを防止することができる。
また、本実施例の手摺の防水構造の場合、取付部材68の貫通穴70を介してボルト83が支柱本体42のネジ穴82にねじ込まれることで、支柱カバー43が下方へ押圧されるようにして支柱本体42に固定される。従って、立ち上がり部2の屋内側上端部と捨て水切り材4との間の水密材28が圧縮された状態で前記水密材28による水密が保たれるので、立ち上がり部2内への水の浸入をさらに確実に防止することができる。また、下笠木材5と支柱カバー43の下端部との間の水密材80が圧縮された状態で前記水密材80による水密が保たれるので、立ち上がり部2内への水の浸入をさらに確実に防止することができる。さらに、本実施例の手摺の防水構造の場合、前述したように外部床1の掃除の際に立ち上がり部2内へ水が浸入するのを防止できるので、特に、外部床1と行き来することができる建物内の床である居室の床よりも立ち上がり部2が低い場合に効果的である。
なお、本発明の手摺の防水構造は、前記実施例の構成に限らず、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明の手摺の防水構造は、バルコニなどの外部床の立ち上がり部に設けられる手摺に好適に適用される。
1 外部床
2 立ち上がり部
3 手摺
4 捨て水切り材
5 下笠木材
6 手摺支柱
7 手摺面材
9 梁材(外部床の躯体)
19 空間
21 開口
26 隙間
28 水密材
42 支柱本体
43 支柱カバー
80 水密材
84 空間

Claims (3)

  1. 外部床の屋外縁に形成される立ち上がり部に設けられ、上方へ開口する空間を有する前記立ち上がり部の前記開口を閉じるよう前記立ち上がり部を上方から覆う捨て水切り材と、前記捨て水切り材を上方から覆う下笠木材とを備える手摺の防水構造であって、
    前記捨て水切り材は、前記開口を閉じる上片と、前記上片の屋内側端部に下方へ延出して形成される内片と、前記内片に屋外方向へ延出して形成される延出片とを有し、
    前記立ち上がり部の屋内側の面と前記延出片との間に隙間が形成されるように、前記上片が前記開口を閉じるように配置されると共に、前記内片が前記立ち上がり部の屋内側に配置された状態で、前記立ち上がり部の屋内側の面、前記上片の内面、前記内片の内面および前記延出片の内面により空間が形成される
    ことを特徴とする手摺の防水構造。
  2. 前記立ち上がり部の屋内側上端部と前記上片との間に水密材が設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の手摺の防水構造。
  3. 手摺面材を保持する手摺支柱をさらに備え、
    前記手摺支柱は、
    前記捨て水切り材および前記下笠木材を貫通した状態で、下端部が前記外部床の屋外縁に形成される立ち上がり部に設けられた上方へ開口する空間内に配置されて前記外部床の躯体に設けられる支柱本体と、
    前記支柱本体の前記下笠木材から上方へ延出した部分を覆う支柱カバーとを有し、
    前記下笠木材と前記支柱カバーの下端部との間に水密材が設けられる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手摺の防水構造。
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