JPH0367178B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、耐力的に優れ耐久性のある屋根構造
の形成に好適であつて、製造が容易で且つ安価な
屋根下地パネルに関するものである。

屋根表面板として金属製のものを用いた折板、
堅平葺、段葺屋根パネルの金属屋根パネルが提供
されているが、これらは、金属製の屋根表面板の
定期的な塗替え等が必要である等、必ずしもその
耐久性が充分でなく、又、屋根面上にバルコニー
を設ける場合、或いは陸屋根等において屋根面を
直接の歩行面とした屋上バルコニーを設ける場
合、その荷重に対する耐力、或いは歩行面として
の耐久性に問題がある。

本発明は、叙上の点に鑑みなされたもので、耐
力的に優れ耐久性のある屋根構造の形成に好適で
あつて、屋根面の各種仕上げに対応できると共
に、製造が容易で且つ安価な屋根下地パネル、即
ち、矩形に枠組みした枠体の上側に、該枠体の短
辺部に平行に複数本の根太を固定し、隣接する根
太上に、それぞれ上面に防水シートを貼着した下
地板をそれぞれ固定し、且つ隣接する防水シート
の縁同士をそれぞれ重ね合わせて接着してなる屋
根下地パネルを提供するものである。

以下、本発明の屋根下地パネルを図面に示す一
実施例について説明する。

第１図は、本発明の一実施例における屋根下地
パネル１の斜視図、第２図はその分解斜視図を示
すもので、屋根下地パネル１は、予め工場で形成
してあり、これらの図面に示す如く、矩形に枠組
みした鋼製枠体２の上側に、鋼製枠体２の短辺部
に平行に複数本の根太３を固定し、隣接する根太
３上に、それぞれ上面に防水シート５を貼着した
下地板４をそれぞれ固定し、且つ隣接する防水シ
ート５の縁部同士をそれぞれ重ね合わせて接着し
て構成してある。

実施例について更に詳述すると、上記枠体２
は、第４図及び第５図に示す如く、Ｈ鋼からなる
枠材６を矩形に枠組みし、更にその軒先側に対応
する短辺部の外方及びケラバに対応する妻側の長
辺部の外方に、必要に応じ、Ｃ型鋼からなる枠材
７を枠組みして形成してある。そして、枠体２の
下面には石膏ボート等の下面板８を固定してお
り、又枠体２の内部には断熱吸音材９を充填して
ある。

又、上記根太３は、それぞれ第４図及び第５図
に示す如くＣ型鋼で形成してあり、下地板４の巾
に応じて枠体２の短辺部上にそれぞれ位置させて
等間隔で図示例では合計６本固定してある。尚、
１０は根太３それぞれと、枠体２との間に必要に
応じ介在させた、水勾配を確保するための勾配調
製材である。

又、上記下地板４は５枚用いてあつて、それぞ
れ矩形の硬質木片セメント板で形成してあり、そ
の長さは枠体２の短辺部の長さに略等しくなして
ある。

又、上記防水シート５は、それぞれ下地板４を
被覆可能な矩形状となしてあるが、特にその巾は
下地板４の巾よりも大きくなし、少なくとも下地
板４の片側に張り出して貼付するようになしてあ
る。そして、防水シート５それぞれ長手方向に沿
う縁部下面には一定巾で貼着剤を介して離型紙を
貼着してあり、この離型紙貼着部分を除く部分
が、予め下地板４上に粘着剤を介して接着してあ
る。そして、上記離型紙は、上述の如くして上面
に防水シート５の貼着された下地板４それぞれを
それらの間にブチルゴム等の充填材を介在させて
固定した後、剥離して貼着するようになしてあ
り、上記離型紙の剥離された防水シート５の長手
方向に沿う縁部下面を、第４図に示す如く、水勾
配による流れ方向に対して下流側に隣接する防水
シート５の長手方向に沿う縁部上面に上記粘着剤
を介して接着するようになしてある。

この他、第１図及び第２図において、１１は、
屋根下地パネル１を隣接させて敷設した際、その
隣接部を被覆する防水カバー１２（第３図〜第５
図参照）の防水カバー受金物であり、第１図の屋
根下地パネル１においては、その一方の長辺部上
及び棟側の短辺部上に予め工場で固定してある
が、これらは、他の屋根下地パネル１の隣接部側
に固定してあれば良い。又、第１図及び第２図に
は図示してはないが、他の屋根下地パネル１と隣
接しない妻側上や棟側上には、妻側カバー１３
（第３図及び第５図参照）の妻側カバー受金物１
４（第５図参照）や棟側カバー１５（第３図参
照）の妻側カバー受金物（図示せず）を予め工場
において固定しておいても良い。又、上記防水カ
バー受金物１１、上記妻側カバー受金物１４及び
上記棟側カバー受金物は、共用化すべく形状等を
構成的に同一としても良い。

而して、以上の構成からなる屋根下地パネル１
は、その使用に際し、現場において、第３図に示
す如く複数個隣接させて敷設し、屋根下地パネル
１同士の隣接部を防水カバー１２で被覆し、且つ
防水カバー１２を露出させてこれらの屋根下地パ
ネル１上に第４図及び第５図に示す如く歩行可能
な屋根とするときはアスフアルト系又はコンクリ
ート系等の保護層１６を形成することにより、第
４図及び第５図に示す如き耐力的に優れ耐久性の
ある屋根構造を形成することができる。

上記屋根構造を第３図〜第５図に基づき説明す
ると、屋根下地パネル１は、外壁体１７、その他
梁材、間仕切壁等の建物躯体に載置固定させた状
態で敷設してある。

又、防水カバー１２は、このように隣接させて
敷設した屋根下地パネル１同士の隣接部に、その
ジヨイントカバーとして被覆してあり、その被覆
は、隣接する屋根下地パネル１の防水カバー受金
物１１それぞれを防水カバー１２の内側に抱持さ
せ、且つそれぞれの屋根下地パネル１側から防水
カバー１２の外側面をビス止めすることにより行
つてある。尚、１８は、防水カバー１２の上面部
の下方に位置させて防水カバー１２と防水カバー
受金物１１との間に介在させた支持木である。

又、上述の如く敷設された屋根下地パネル１に
は、防水カバー１２の上述の如き被覆と同様に、
その他、他の屋根下地パネル１と隣接しない妻側
上や棟側上に位置させて、妻側カバー受金物１４
を介し妻側カバー１３や、棟側カバー受金物（図
示せず）を介し棟側カバー１５を被覆してあり、
防水カバー１２やこれらの妻側カバー１３、棟側
カバー１５の突き合わせ部には、接合カバー１９
を被覆してある。そして、屋根下地パネル１の軒
先側には、第４図に示す如く、軒先唐草２０、軒
先水切２１を被着し、軒先唐草２０を防水シート
５で被覆するようになしてある。尚、防水シート
５のこのような軒先への被覆作業は、防水シート
５の軒先側縁部の離型紙を剥離させて容易に行う
ことができる。

又、保護層１６は、上記の如き各種のカバー１
２，１３，１５，１９の被覆作業、及び上記の如
き軒先処理作業の終了後、最終的に形成してあ
り、第４図及び第５図においては、各種のカバー
１２，１３，１５，１９の上面部を露出させて行
うようになしてあるが、これらのカバー１２，１
３，１５，１９を埋設させて屋根下地パネル１上
に形成しても良い。又、形成する保護層として
は、屋根面を歩行可能面とすることなく通常の屋
根面とするときは、前記材質の如き保護層１６で
はなく他の材質で形成したものであつても良い。

この他、第４図及び第５図において、２２は屋
根下地パネル１間に介在させた断熱材、２３は屋
根下地パネル１間を下方から被覆する化粧カバ
ー、２４，２５はそれぞれ屋根下地パネルと外壁
体１７との間に介在させたコーキング材及びバツ
クアツプ材である。

叙上の如く、本発明の屋根下地パネルは、隣接
させて敷設した後、その上面に各種の仕上げに応
じた保護層を形成することにより、耐力的に優れ
耐久性のある屋根構造を形成し得る効果を奏する
もので、製造が容易で且つ安価であること等と相
埃ち、その利点が極めて高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の斜視図、第２図は
その分解斜視図、第３図はその敷設態様を示す概
略的な斜視図、第４図及び第５図はそれぞれ第３
図のＡ−Ａ線及びＢ−Ｂ線拡大断面図である。 １……屋根下地パネル、２……枠体、３……根
太、４……下地板、５……防水シート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 矩形に枠組みした枠体の上側に、該枠体の短
   辺部に平行に複数本の根太を固定し、隣接する根
   太上に、それぞれ上面に防水シートを貼着した下
   地板をそれぞれ固定し、且つ隣接する防水シート
   の縁部同士をそれぞれ重ね合わせて接着してなる
   ことを特徴とする屋根下地パネル。